アベノミクス成功の条件
文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ
◆第三次安倍内閣が発足
安倍晋三首相は、12月24日の記者会見において、「アベノミクスの成功を確かなものにしていくことが最大の課題だ」と発言されました。
「強い経済あってはじめて強力に外交が展開できる」という発言からも、第三次安倍内閣が経済を最優先課題としていることが分かります。
具体的な課題としては、中小規模事業者への支援、子育て支援、賃上げ、雇用の改善などにふれられました。
ただ、先日下方修正された経済成長率や急激に進む円安について言及はありませんでした。
新たに発足した内閣であれば、現在の経済状況について、何らの責任もありませんが、安倍首相はすでに2年間、経済政策を立案、実行されてきました。
経済政策に力を注ぐのであれば、今までの経済政策について総括があっても良かったのではないでしょうか。
◆あなたの支出は、ぼくの収入
安倍首相は、企業に対して賃上げを要請していますが、企業に賃上げを要請する前に、経済の基本原理に立ち戻る必要があります。
それは、「あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる」(クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』p.47)という単純な原理です。
賃金を増やすためには、企業の売上を上げることが一番であり、企業の売上を上げるには、消費を活性化させることが一番です。
しかし、残念ながら4月の消費税増税で消費は冷え込んでいます。
売上が下がっているのに、賃金を上げるよう要請するのは酷ですし、見方によっては自ら恐慌を呼び込んでいるようにも見えます。
◆アベノミクス成功の条件
安倍首相がかかげられた、中小企業の支援も、子育て支援も、地方創生も、すべてを実現できる簡単な方法があります。
それが消費税減税です。
消費税を負担するのは消費者ですが、売掛金の回収、買掛金の支払いなど、日々の資金繰りに奔走する事業者としては納税時期に大金を用意することは大変なことです。
下手をすると、企業の黒字倒産の原因になります。なにかと支出がかさむ子育て世帯にとっても消費税減税は恩恵をもたらします。
また、消費税8%は東北地方の復興の大きな負担となっています。
選挙期間中に党首釈量子が訴えた通り、消費税減税は一番簡単で一番確実な経済政策なのです。
<参考文献>
大川隆法『資本主義の未来』
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1353