「レールガン」――中国のミサイル基地網を瞬時に破壊できる新兵器
文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩
◆「平和」を唱えても平和は来ない
戦争を防ぐには、戦争を知らなければなりません。日本の左派がいうように「憲法9条」を守り、「平和」をお題目のようにいくら唱えても戦争はなくなりません。
先の大戦でフランス国民が、「平和運動」を行いましたが、ドイツの侵攻を止めることは出来ませんでした。最初から戦争を志向している国に「戦争反対」と唱えても無力であったのです。
「反戦平和運動」は、「戦わない国民」を大量に作り出すことであり、戦争を計画している国からすれば戦わない国民がたくさんいる国への侵略は容易いことです。そのため侵略をしようとする国が、相手国に工作して「反戦運動」を裏で手引きすることもあります。
「反戦平和運動」が平和をもたらすのではなく、自国を断固として守る「ハリネズミ」のような国は、簡単に
手は出せません。――それが平和を維持しているのです。
それが分かっていたフランスのドゴールは、国民に警告を鳴らしましたが、国民は聞く耳を持ちませんでした。フランスの「平和運動」がドイツの侵攻を呼び込んだ歴史の教訓を日本も学ぶべきです。
また日本の戦後の平和が維持できたのは、圧倒的な軍事力を持つ米国の「核の傘」に守られていたからです。決して「平和憲法」のおかげではないのです。
ちなみに中国の習近平は、昨年2月、甘粛省・蘭州軍区を視察の際に、「部隊は『招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利する』よう確保しろ」 (2013年2月7日『解放軍報』)と指示しています。
すでに戦争を準備している国家が日本の隣国にあるということを日本国民は知り、日本を守るためにはどうしたらいいかを真剣に考えなくてはなりません。
そうした意味では「集団的自衛権」の行使容認の閣議決定は一歩前進です。中国からみれば、日本を攻撃しようとすれが、米軍も出てくるとなれば、日本に簡単には手を出せなくなります。
この「集団的自衛権」行使容認が中国の軍事的野心を抑える「抑止力」となるのです。
◆戦争のルールを変える「レールガン」
レールガン (Railgun「電磁波砲」) とは、従来の火薬による弾丸の発射ではなく、リニアによる大量の電流パルスで弾丸を加速させ音速の10倍のスピードで打ち出すことができます。これは「戦争のルールを変える」とも言われる革命的な新兵器です。(THEMIS 2014.7)
この技術は日本でおなじみの「リニア新幹線」の技術を利用したものです。
米国国防省やNASAは、1980年代に旧国鉄が始めたリニア新幹線の技術開発に軍事面から関心を示し、協力を打診しましたが、日本の歴代の政権は「武器輸出三原則」を盾に拒否してきました。
ところが、今年4月に「リニア技術を米に無償提供」(4/13産経)の報道がなされました。
そして米海軍のジョナサン・グリナード海軍作戦本部長が5月下旬に東京で安倍首相と会談し、これまでの戦争を超えた「作戦行動」を準備しているとも伝えています。
1980年代に米国は「スター・ウォーズ計画」から研究を開始しており、すでにバージニア州で地上実験を行い、海上での発射実験が成功すれは海上艦船に実戦配備される予定です。
◆中国の核ミサイル基地を瞬時に破壊
日米が実用化に成功すれば、レールガンの配備で中国大陸沿岸に30年かけて築き上げてきた戦略核ミサイル軍(第二砲兵隊)のミサイル基地網は瞬時に壊滅することができ、中国も注目しています。(THEMIS 2014.7)
ただレールガンは、一発の弾丸で弾道の通過レールの破損が激しく、連射に耐える高度な弾道生産などの課題もあります。この技術は日本企業が世界で最も進んでおり、日米で協力して開発を進める必要があります。
先にも述べたように、「習近平の戦争準備」を阻止するには、「平和主義」ではなく、現実的に中国が勝てない圧倒的軍事力を持っていることで中国の侵略的な野心を抑えることができます。
ちなみに、レールガンの技術は、空気抵抗がない宇宙空間でレーザーと並んで宇宙兵器の有力候補に挙げられており、軍事面ばかりではなく様々な分野での利用を期待されています。
「宇宙への輸送装置」「宇宙ゴミ衝突を想定した宇宙開発における新素材や新構造の研究・開発」「隕石衝突を回避する防衛技術」などの「宇宙産業」への貢献にも期待され、多大な経済効果も生み出すことは間違いありません。
日本はレールガンの技術の最先端を走っており、中国の侵略的野心を打ち砕き世界の平和維持に貢献する使命があるのです。
参考:THEMIS(テーミス) 2014.7