悲観論に負けない人口増加策を
文/千葉県本部副代表 HS政経塾 2期生 古川裕三
◆自治体の消滅~恐怖の予言~
今月の8日、日本創生会議が発表した試算では、全国の自治体のうち、青森市や秋田市などの県庁所在地を含む、実に896もの自治体が将来的に消滅する可能性があるという“恐怖の予言”がなされました。
その背景として、20~30代の女性が地方から都市部に流入し、出産適齢期の女性の数が減っていくことが指摘されています。つまり、そもそもの女性の数が減少するため、たとえ、合計特殊出生率が改善したとしても、人口が減り続けて消滅する可能性があるというのです。
これに対し、政府の経済財政諮問会議の専門調査会が、人口減少に歯止めをかけるべく、「50年後に1億人」の維持を目指す方針を掲げ、その具体案を来月に策定する「骨太の方針」に盛り込むと表明しました。(産経新聞5/15主張)
政府は、現在1.41まで下がっている出生率を、2030年までに人口を維持するための水準(置換水準)である2.07まで回復させることを目標にしています。その実現に向け、第三子以降への経済的支援の傾斜配分や、女性が働くことを阻害している諸制度の見直しの必要性も提言されています。
目標値を定め、人口減少を食い止めようとする政府の試みはよいとしても、やはり今一つ「希望」が感じられません。
◆悲観論に負けるな
前回のHRPニュースにも書いたように、男女雇用機会均等法が施行されて以降、女性が活躍してきた反面、経済的な要因や、保育所不足などの社会的な要因も相まって、子供の数が減り続けてきました。しかし、その流れを逆転させるのが幸福実現党です。
わが党は、5年前の立党時から「3億人国家構想」を掲げており、現在は、目標として「1億5千万人国家」の実現を打ち出しています。その根本には、「日本を世界一のリーダー国家に」という志と信念があり、巷の「下山の思想」とは一線を画します。
◆田中角栄に学ぶ、平成版・列島改造論
かつて田中角栄首相は、『日本列島改造論』を著し、日本列島に高速道路網と新幹線網を整備することで、都市と地方の格差を是正し、「国土の均衡ある発展」を標ぼうしました。
もし田中角栄元首相なら現代の日本列島をどう改造するか、その答えが『景気回復法』(大川隆法著)の「第二章 日本を新たに改造せよ」のなかで明らかにされています。
特筆すべきは、未来産業について、「地方の人口を増やして、雇用を生む」ものが重要と指摘している点です。
具体的には、ものづくりの産業を中心に、地方に工場をつくれば法人減税をするなどの優遇税制により、企業誘致を積極的に行うことを提唱しています。
現在、政府も成長戦略の一環として、様々に特区構想を打ち出してはおりますが、思いきりに欠けます。例えば本当に特区にすべきは、福島第一原発の周辺地域で、まったく健康に害がない放射線量であるにもかかわらず、当時の菅元総理の被害妄想と責任回避のために避難区域に指定され、未だに復興が進まない各自治体などではないでしょうか。
それこそ大胆に、「この先10年は法人税をゼロにします」と宣言し、「ベンチャーを起業するなら東北へ」、「設備投資するなら東北へ」というメッセージを発信すれば新たな起業も増え、大企業も設備投資に積極的になり、雇用が生まれます。
そして、現在の極端な東京一極集中現象が緩和され、若者が地方に戻ってきます。詰まる所、若者が都市に行くのは、地方で仕事がないという点に尽きますから、地元に雇用先が増えれば、そこで結婚し、家庭を築き、生活を営む若者も増えるでしょう。
このように、地方人口が増えれば、「自治体の消滅」は回避でき、冒頭の“恐怖の予言”を乗り越え、希望の未来を到来させることができます。
「なりゆきまかせ」が嫌いで「大きく考える」ことが好きな幸福実現党は、「積極的なアイデアで、どうやったら日本をより豊かで幸福な国にできるか」を発信し続けます。