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「遠交近攻」戦略で、日本とアジアを守れ!――日本の外交・安全保障を支える「大草原の国・モンゴル」

文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝

◆横田さんと孫の面会を水面下で調整

「今回の対面をとても嬉しく思っています。ウンギョンさんはめぐみとよく似ていて、何とも言えない幸福な気持ちになりました」(横田早紀江夫人)--。

今年3月、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの両親滋さん〈81歳)と早紀江〈78歳)さんが、モンゴルの首都ウランバートルで、電撃的にめぐみさんの娘であるキム・ウンギョンさんと面会したニュースは、拉致問題の久しぶりに明るい話題として、記憶に新しいと思います。

横田さんと孫の面会場所に、なぜ「モンゴル国」が選ばれたのか、不思議に思われた方も多いと思います。この出来事の背景には、急速に交流を深めつつある、昨今の日本とモンゴル国の関係があります。

モンゴルは戦後、ソ連の衛星国として社会主義路線を歩み、1992年のソ連の崩壊以降は、新しい憲法を発布し、民主主義国家として歩んできました。

特に、親日的な国柄の一方で、ロシアや北朝鮮など旧共産国とのパイプも太いため、拉致問題解決に強い思いを持つ安倍総理の意向を受け、モンゴルが水面下で日本と北朝鮮の調整役を演じたわけです。

特に、現在のモンゴル駐日特命全権大使であるS・フレルバータル大使は、日本に赴任する前には駐北朝鮮大使でもあったため、その人脈とパイプがフルに活かされたと見られています。

◆世界有数の資源大国&親日国

一般に「モンゴル」と聞くと、白鳳や朝青竜などの大相撲の力士や、草原の民、古くはチンギスハーンの世界帝国のイメージを浮かべる方も多いはずです。

しかし、そんなステレオタイプの印象とは別に、実は近年モンゴルは、ウランや石炭、レアアースなどの膨大な鉱物資源が眠る、アジアの資源大国として世界から注目を集めています。

例えば、2010年の経済成長率は6.4%、2011年には実に17.3%と世界第二位の経済成長を果たしており、シティバンクのリポートでも「2010~2015年のGDP成長率トップ10カ国」、さらに「2010~2030年のGDP成長率トップ10カ国」ともに、モンゴルは第1位にランクされています。
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特に、レアアースなど、日本にとっては欠かせない希少鉱物の世界的な産地でもあり、そうした戦略的な観点からも、この数年、日本からの直接投資も急速に増え(累計206.93百万ドル、2013年9月現在) 、日・モンゴル経済連携協定(EPA) の交渉も順調に進んでいます。

また最近は、そうした経済の側面だけでなく、今回のように、外交や安全保障を支える「パートナー」としてのモンゴルの存在感も高まっています。

その理由の一つが、モンゴルが大の「親日国」であるという事実があります。

私も2014年4月に、民間の「日本モンゴル政治経済文化交流会」の一員として、モンゴルを訪問しましたが、モンゴルの方々の「親日」ぶりと若者たちの「日本語熱」には、驚きました。

日本の大相撲が、現地のテレビ局で放送されていることも一因でしょうが、昨今の中国による経済浸食、軍事的な圧迫への反発もあるのでしょう。

2004年の外務省の調査では、「今後モンゴルが最も親しくすべき国はどこだと思いますか」という質問に対し、日本がアメリカを抜いて第一位となっています。
(http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/f/6/-/img_f6ec4d2aa9912e049a6a2d9cdebe98f650810.jpg)

外交と安全保障の要諦は、「遠交近攻(えんこうきんこう)」--遠くの相手と手を結んで近くの敵を片付ける政策 --であるといわれています。

日本とモンゴルの関係が、経済だけでなく軍事や安全保障面でも深まっていけば、今後、両国のみならずアジアの平和と安定に、大きく寄与することになるでしょう。

◆国家の親交は民間の努力から

そうした新時代の日本とモンゴルの関係強化に向けて、民間レベルでの交流がいよいよ活発化してきました。

具体的には、「日本モンゴル政治経済文化交流会」(代表:安田永一)がこの度正式に発足し、両国の経済と政治、文化のさらなる交流を模索する機会として、来る4月19日〈土)第一回目の「交流イベント」を東京・渋谷で開催することになりました。(要項は最後に記載)

私がモンゴルを視察してから2年が過ぎましたが、国内において、こうした本格的な両国の交流会が開催できることを、嬉しく思います。当日は、フレルバータル駐日モンゴル国大使も挨拶され、元・モンゴル大統領顧問のペマ・ギャルポ氏が記念講演をされます。

日本とアジアの繁栄と平和のために、「大草原の国・モンゴル」に少しでも関心のある方は、ぜひ足を運んでみて下さい。

モンゴル第1回シンポジウム パンフレット(PDF)

【第1回日本モンゴル経済交流会】

■日時/2014年4月19日(土)
午後1時30分受付
午後2時開始

■会場/国立オリンピック記念青少年総合センター(電話03-3469-2525)・国際交流棟/第1ミーティングルーム
【小田急線「参宮橋駅」下車・徒歩約7分:地下鉄千代田線「代々木公園駅」下車(代々木公園方面4番出口)徒歩約10分】

■主催/日本モンゴル政治経済文化交流会
■後援/駐日モンゴル国大使館
■協力/モンゴル文化教育大学・日本モンゴル文化交流センター
■参加費/2000円

●特別講演 モンゴル文化教育大学 学長 C.トムルオチル先生 『日本の中小企業がモンゴルに投資する可能性と展望について』
●基調講演 元・モンゴル大統領顧問 ペマ・ギャルポ先生 『モンゴルの過去から今、そして未来へ』

 

お申し込み、詳細はこちら
http://kokucheese.com/event/index/164738/

やない 筆勝

執筆者:やない 筆勝

幸福実現党総務会長兼出版局長

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