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3.11を振り返り、災害対策を強化する

文/HS政経塾 第3期生 新潟県本部副代表 横井 基至

◆震災から3年目

震災から3年目を迎えるにあたり、被害にあわれ、命を落とされた多くの方々のご冥福をお祈りし、残された家族の心中をお察し申し上げるとともに、小雪舞う冬空のもと、今も復興作業にご尽力されている多くの方々のご尽力に感謝申し上げます。

警察庁緊急災害警備本部2月10日現在の報告によれば、この震災の犠牲者は、15,884人、未だ行方不明者は2,636人、負傷者6,147人と甚大な被害が報告されています。

当初内閣府の被害想定では、死者数は90人~2,700人(※1)と、地震のタイプと防災意識の高低により差はありますが、実際の被害よりもかなり甘い見積もりだったことがわかります。

また、今回の震災での被害者はほとんどが津波による被害でした。津波高も予想と実際の差が最大9倍(同資料)だったと報告されています。津波の被害を受けて、海岸を持つ地域では、今大型堤防の建設が急ピッチで行われています。

◆「コンクリートから人へ」の見直し

当時民主党政権は、「コンクリートから人へ」と方針転換し、国民の命を守る公共事業の優先度を見誤った結果、このような甚大な被害を発生させました。それは堤防の高さだけではありません。政府は施設整備だけではなく、法整備を含めトータル的な災害対策を行うことが必要です。

現在、政府や地方レベルで新たな被害想定に基づき防災計画が見直されています。

また、災害が起こってからの救助計画も同時に見直されており、住民が安全確保された状態で自宅に帰るまでの一連の流れをシミュレーションし、医療機関・警察・消防・自衛隊・米軍と連携した訓練を行う地方自治体もあります。

しかしまだまだ、各省庁の横のつながりが足りないと考えます。内閣府の主導により、今までつくり上げた連携をさらに強化し、かつ有機的に結びつけるために、2点提言したいと思います。

◆提言

(1)災害派遣統合部隊構想

現地の災害対策委員会と被災地に派遣された医療機関・警察(海保)、消防、自衛隊・他国の組織などで一つの部隊を作る構想です。緊急時は情報が錯そうするため、指揮命令系統はひとつにまとめることが必要です。

ポイントは現地において災害派遣統合部隊を編成することです。災害の種類、規模、地理特性、派遣部隊の装備等を考慮し、災害派遣統合部隊長を選出し指揮をとります。

(2)災害発生地での航空機の管制

災害時に救助や輸送ヘリコプター等が被災地周辺において過密状態となるため、救助作業の効率化と二次災害防止を目的とします。

1、災害エリアを区切り、救助作業以外の航空機の侵入を制限します。しかしボランティアの航空機を拒むものではありません。一時的に(1)の部隊に入って頂きます。

2、当該エリアの管制権を自衛隊に移します。航空自衛隊には、移動式の管制レーダーJ/TPS-102を持つ移動警戒管制隊という部隊があり、どのような状況でも管制できる腕利きの管制官が24時間待機しています。

3、自衛隊以外の機関または民間の航空機パイロットは、当該エリア内では、自衛隊による管制に従うよう義務付けます。

被害をできるだけ少なくし、一人でも多くの国民を救える体制をつくってゆきたいと思います。震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、3月11日の誓いといたします。

(※1)東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会
従来の被害想定と東日本大震災の被害 平成23年8月16日

横井基至

執筆者:横井基至

幸福実現党国防部会会長 新潟県阿賀野市議会議員

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