反日宣伝に今こそ10倍返し!広報外交戦略を
文/HS政経塾2期生 服部まさみ
◆世界で韓国と中国が仕掛ける情報戦
米バージニア州議会で先月、公立学校の教科書に、韓国名の「東海」を併記する法案が可決されました。背景には「カネと票」を武器にロビー活動を行う韓国系団体の存在があり、最近は中国系団体と連携し、攻勢を増しています。
また、フランスの国際マンガ祭に、慰安婦問題を巡る日本と韓国の作品が出展されました。主催者側は韓国の作品展示を認めたのに対し、日本の漫画は「極右団体による政治宣伝だ」として撤去されました。
日本がこうした情報戦に対して、真実を発信するための外交戦略としてパブリック・ディプロマシーが必要です。
これは、伝統的な「政府対政府」の外交とは異なり、広報や文化交流を通じて民間とも連携しながら、外国の国民や世論に直接働きかける「広報外交」「対市民外交」のことで近年、世界中で注目されています。
◆日本の広報外交の強化策
中国の広報外交予算は8700億円(09年度)ですが、日本の外務省が13年度に「国際世論の形成・対外発信力の強化」として掲げた予算はたった159億円です。
韓国の広報予算も09年から大幅に増え、14年度は前年比5割増で様々なプロジェクトが開始されています。日本の課題は、予算の小ささ、官民のバラバラな連携、省庁間の障壁です。
そのため、広報外交強化政策として、行政改革、教育改革を提言します。行政改革は、目標や方向を定める司令塔として、各省よりもう一段高い立場から、企画立案・総合調整を行い、機動的に政策を決定し、実行する体制をつくります。
具体的には、日本版NSCの中に広報外交担当班を設置し、安全保障や外交にかかわる、国際社会で誤解を招く報道には、迅速な対応を行います。
次に、広報外交強化推進会議(仮称)を設置し、内閣官房に広報外交強化推進局を創設します。目的は、国家ビジョンを描き省庁間を超えた意思決定の向上と官民との連携を強固なものとし「オール・ジャパン」体制を築くことです。(内閣府設置法と内閣法の改正などが必要)
しかし、内閣の決定権を定めている憲法第66条3項により、会議での決定は閣議決定を経なければ法的な効力がありません。こうした非効率な体制を生み出す憲法の改正を視野に入れつつ、ある程度の決定権を首相や会議に持たせることを事前に閣議決定しておく方法が必要です。
◆広報外交の鍵は人材育成
次に教育改革です。広報外交には、メディアなどを使った短期的な戦略と文化交流や人材育成などの長期戦略がありますが、人材育成は広報外交の鍵を握る重要な政策です。
広報外交は、情報を発信する国内の人材育成と情報を受信する外国での親日派・知日派の人材育成の両方が必要なのです。
米国国務省は広報外交専門の外交官を育成し、専門の大学や研究機関も存在しますが、日本には広報外交の研究所や専門誌はおろか、大学での授業や人材育成のプログラムは存在しません。
それ以上に、日本近現代史の分野では、自虐史観を批判する教授は、大学で職を得られず、学術誌に論文が載せられないのが現状です。こうした障壁によって学問の領域が支配され続けています。
まず国公立大学で真実の歴史観が認められる環境づくりへの支援が必要です。また外国の大学との共同研究を英語で国際的に発表していくことは世界に大きな影響を与えます。
政府機関だけでなく、民間企業、研究者間、一般市民レベルという層を持つことが日本外交の強固な基盤になります。
そして、日本は自ら発信するメッセージと国家ビジョンを問い続けることが何にも増して重要なのです。
新しい世界秩序を形成するのが日本であり、その新しい世界精神を広げることは宗教政党である幸福実現党の使命です。