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「消費税増税は困ります!」――消費税増税中止は「圧倒的民意」

◆選挙活動を通じ、圧倒的多数が「消費増税反対」

「消費税増税は困ります!」――私、加納有輝彦は、今回の参院選挙(岐阜県選挙区)を戦い、これが「民意」そのものであると確信致しました。

これは、統計数値ではなく、選挙戦を通して聞こえてきた「生の声」であります。

消費増税によって、子供からお年寄りに至るまで、全国民に大きな負担が上乗せされます。

結果、立場、環境、年齢等にかかわらず、「消費税増税は困ります」が圧倒的な声でありました。

実際、直近の産経新聞社の世論調査によると、消費増税について反対が55.8%、賛成が39.5%となり、反対が賛成を大きく上回り、1年前と比べても反対と賛成の差が広がっています。(7/29 産経「強まる消費増税反対 首相の最終判断にも影響か」)

その理由としては、今回の世論調査では、アベノミクスへの期待感は高いものの、景気回復を「実感していない」という人が83.2%に達しており、アベノミクス効果を実感できない中での増税への抵抗が強まっていると見られます(同上)。

また、参院選の選挙活動を通じ、次のような声が聞こえて参りました。

◆(1)年金生活者の悲痛な声

2012年11月15日、解散前のゴタゴタ国会で、民主・自民・公明三党の合意により、「国民年金法」の改正が可決されました。

これは、「本来より2.5%高くなっている年金給付の特例水準を解消し、2013年10月分から2015年4月分にかけて三段階で減額する」というものです。

ここ十数年来、物価・賃金の下落に伴い年金は切り下げられ続けています。2000年に10万円だった受給者の方は、今現在9.7万円余にまで減っています。その上、この10月から3年間で2・5%の切り下げが行われます。

その翌年からは「デフレ下でのマクロ経済スライド制」によって、毎年0.9%以上、少なくとも10年先まで下げ続けることが計画されています。

高齢者世帯の約7割において、公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%以上となっており、高齢者の42%、特に女性は65%が年収100万円未満となっています。(内閣府資料より)

医療・介護保険料や税金は上がり続けています。このような中で行われる消費増税は、実質上、「年金切り下げ」効果をもたらします。

現在、安倍政権は「インフレ目標」政策によって、2%の物価上昇を目指しています。毎年、年金が下がる一方、物価が上がり、その上、消費増税されれば、高齢者は生活していけません。

私は、多くの高齢者の方々から切実な声をお伺いしました。「わしらに死ねというのか!」と涙ながらに訴える方もいらっしゃいました。

高齢者の方々から、消費税増税中止を訴える幸福実現党へ託された思いは、切実、真剣そのものでした。

◆(2)経営者の「消費税増税倒産」の懸念

わが国の赤字企業の割合は、約74%です(2011年度国税庁)。2期連続して赤字を出した企業は、金融庁が作成した金融検査マニュアルにおいて「破綻懸念先」と区分され、金融機関からの融資を受けることが難しくなります。

また、公共工事に参加するために黒字にしておく必要があるなど、実際は粉飾決算も多くあります。脱税の粉飾決算は国税庁は見逃しませんが、「赤字なのに黒字です」といって提出された決算書に文句をつけることはありません。

そのようなことをすれば、納税された税金を返さなければならなくなるからです。事実上、粉飾決算は放置状態にあります。ゆえに、実際の赤字企業の割合はもっと大きいと推測されます。

国税庁のデータによりますと、個人事業主・法人を合わせた消費税の納税義務者は全国で約307万件ですが、その内、消費税の新規発生滞納者は約63万件あります。これは20.4%の人(または法人)が消費税を滞納しているという事になります。

資金繰りが厳しい赤字企業が消費税を支払うことは容易ではありません。大企業を除き、中小企業のみで統計をとれば、更に多くの割合の企業が消費税を滞納していると考えられます。

実際、岐阜県のある自治体では、40%近い個人・法人が消費税を滞納していると言われています。

現行の5%の消費税ですら、この状態です。これが10%に増税されたら、「消費税増税倒産」が続出するのではないかと強く懸念されます。

これまで日本に対して、強く消費増税を求めて来たIMFの理事からも、消費増税が成長に悪影響を及ぼす可能性について懸念が表明されています(8/5 ブルームバーグ「消費税引き上げは日本にマイナスも-IMF理事から懸念の声」)。

多くの経営者の方々の「消費税増税は経営に重大な悪影響を与えること必須」という声に対して、自公政権は謙虚に、そして真摯に耳を傾けるべきです。

◆(3)家計を守る主婦の方々の声

家計を預かる主婦の方々からも「消費税増税は困ります!」という声がほとんどでした。

地方ではまだ「アベノミクス」の恩恵はなく、ご主人の給与所得も増えていません。

4人家族で年収500万の世帯で、消費税が10%まで上がった時、社会保険料等含めて年間約34万円の負担増という試算もあり、家計にとって極めて大きな負担増となります。

年間で約1ヶ月分の所得が飛んでいく――そうした厳しい家計の遣り繰りを迫られるのは主婦の方々であり、食費や教育費、生活費等に大きなしわ寄せが及ぶことが予想されます。

このように、ほとんどの有権者の方は「消費税増税困ります!」というご意見を強く持っておられます。

残念ならが、参院選で結果を出すことはできませんでしたが、「消費増税反対」の圧倒的民意を賜った以上、幸福実現党は、安倍政権が消費税増税を中止するよう、力強く働きかけて参ります。(文責・幸福実現党 岐阜県本部政調会長 加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

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