経済面でも日韓から中韓シフトを強める韓国の大失策
◆経済面でも、日韓から中韓重視へ
昨日のHRPニュースファイルでは、中韓首脳会談の歴史認識の危険性を取り上げましたが、同会談は経済面では、中韓通貨スワップの延長や中韓FTAが大きな話題になりました。
日韓間でも「通貨スワップ協定」がありますが、これは豊富な外貨準備を持つ日本によって、外貨準備高が少なく、絶えず暴落の危機にある韓国通貨に信用を与える事実上の「韓国通貨救済策」です。
民主党政権時代には、日韓スワップ協定は700億ドルまで拡大しましたが、李明博前大統領の竹島上陸等を受けて、昨年10月に日本側は総枠を130億ドルにまで縮小しています。
その後も韓国による従軍慰安婦等の対日歴史認識攻撃はやまず、日本政府が7月3日に期限切れを迎える30億ドル分を延長しなかったことは妥当な判断だと言えます。
一方、中韓首脳会談では2014年に期限が切れる560億ドル分の中韓通貨スワップ協定を3年延長し、更に規模を拡大する可能性も示唆されました。
日韓スワップ協定縮小により、韓国の「国家破綻リスク」が高まりましたが、中韓通貨スワップ協定の継続・拡大により、一見、韓国は危機を乗り越えたように見えます。
しかし、「世界三大通貨」の一つである日本円と違って、中国元は国際的に信用ある通貨ではなく、スワップ協定の意義は薄く、また、不安定な中国経済が崩壊した場合、韓国は巨大なリスクを負う危険があります。
何よりも、韓国は中国に「中韓スワップ協定破棄」という弱みを握られたことにより、中国の属国化が避けられなくなりました。
また、中観首脳会談で、中韓自由貿易協定(中韓FTA)推進が合意されましたが、これは韓国が日米主導の「TPP経済圏」とは別の「中国経済圏」に入り、中国の属国への道を選んだことを意味します。
日韓関係の悪化を中韓連携強化で埋め合わせようとする韓国の判断は愚かだと言わざるを得ません。
◆基盤の弱い韓国経済
また、韓国のGDPは、昨年は約1兆ドル(世界第15位。日本は約6兆ドル)ですが、韓国の輸出依存度は54.8%に達しています。(2010年統計。同年の日本の輸出依存度は17.4%)。
これは、韓国経済は世界経済の減速を非常に受けやすい体質であると共に、今年に入っての「円安ウォン高」によって大打撃を受けやすいことを意味します。
実際、韓国はウォン高で輸出に急ブレーキがかかっており、また、韓国国内ではトヨタなどの輸入車が増え、現代自動車の牙城が揺らいでいます。(5/7 サンケイビジネスアイ「ウォン高で現代自動車“失速” 圧倒的シェア誇る韓国でも『逆転現象』」)
しかも、韓国経済は10大財閥の売上高が全体の8割を占める「経済的寡占」が著しく、「サムスンが倒産したら韓国経済もつぶれる」と言われるほどです。
このように、韓国の経済基盤は極めて脆弱であるにもかかわらず、中国への依存度を高めていくことは極めてリスクの高い判断です。
本来、同じ自由主義陣営である日米との経済協力を選択すべきですが、政治的な判断を優先させた朴大統領の判断は「失策」と言っても過言ではありません。
◆朝鮮半島の平和には「日米韓の連携強化」が必須
韓国の前大統領である李明博氏は昨年、実兄が収賄罪で逮捕されるに及び、竹島上陸等の「反日カード」で支持率低下を切り抜けようとしました。
それで国内では評価を得たかもしれませんが、その代償として、日韓関係が急速に冷え込み、その悪影響は韓国側に大きく出ています。
また、朝鮮半島での安全保障についても、金正恩第一書記による「先軍政治」「核ミサイル開発」が加速しており、緊張感が日々高まっています。
にもかかわらず、韓国は日本側が求め続けている「日韓防衛相会談」を拒否し続け、海上自衛隊トップの幕僚長の訪韓も拒否し、日韓の軍事連携が滞っています。(6/3 サーチナ「日韓防衛相会談が見送り、日本が望むも韓国政府が拒否」)
韓国の朴大統領は自国民の生命・安全を守るためにも「反日路線」を転換し、日米韓三カ国の連携を模索すべきです。
◆朴槿恵大統領は父を見習い、路線を修正せよ!
朴槿恵大統領の父である朴正煕元(パク・チョンヒ)大統領は、自ら血書を書いて陸軍士官学校への入学を希望し、入学を果たし、帝国陸軍の中尉として戦ったこともある方であり、「従軍慰安婦」なる存在が無かったことを明確に知っている方です。
その証拠に、彼が大統領時代に締結された「日韓基本条約」において「従軍慰安婦」という言葉は一言もでてきていません。
また、ある韓国高官が日本の植民地支配を批判する内容の話をしたところ、朴正煕元大統領は「自分が今、こうしているのは、日本の教育制度のおかげだ」とたしなめたというエピソードもあります。
朴正煕元大統領時代、日米韓関係は比較的良好で、その結果、韓国は軍事的・経済的安定を実現し、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる韓国の高度経済成長を成し遂げました。
娘さんである朴槿惠大統領も、韓国の安全と経済的発展のためにも、父が選択した日韓協調路線を再び選択すべきです。
日本政府も、従軍慰安婦問題等について、韓国に対して歴史的真実を主張した上で「河野談話」を修正し、真実の日韓関係を構築すべきです。
日米韓三国の連携を強化してこそ、東アジアの平和と繁栄がもたらされると考えます。(文責・こぶな将人)
執筆者:こぶな 将人