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「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、本物の経済成長の実現を!

アベノミクス「第四の矢」は「財政健全化」

甘利明経済財政・再生相は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の「第三の矢」である成長戦略に続き、財政健全化を「第四の矢」と位置づけました。(5/28 日経)

5月27日に提出された財務省資料には「財政健全化を着実に進めることは、国民の将来不安を軽減し、消費拡大を通じて経済成長を促す」とあります。(5/27 財務省「財政健全化に向けた基本的考え方(概要)」)

しかし、これは「消費税を増税すると、財政が健全化し、国民は将来の不安がなくなり、安心してお金を使うようになるので、経済成長する」という、財務省の「トンデモ理論」であると言わざるをえません。

本来、財政健全化は経済成長の実現を通しての「自然税収増」という形で成し遂げるのが鉄則です。

「財政健全化=増税」しかない財務省の発想

しかし、財務省は自らの既得権益拡大と政治家への責任転嫁が可能となる「増税」しか頭に無いようです。

財政健全化の実現には、(1)経済成長、(2)歳出カット、(3)増税の3つの手法がありますが、元財務官僚の高橋洋一氏(嘉悦大教授)は「財務省のいう財政健全化は、はっきりいえば増税である」と指摘しています。(6/4 夕刊フジ「『第4の矢』財政健全化はとんでもない『矢』だ!」)

そして、元財務官僚の立場から「財務省が(3)の増税を好むのは決して経済的な理由ではなく、増税が景気に悪影響であることは承知しながら、官僚の権益拡大のほうを優先しているだけだ」と「増税利権」に走る財務官僚の本音を暴露しています。

「財政健全化=増税」という「第四の矢」が、景気の腰折れをもたらすことは明らかであり、それまでの「3つの矢」によるデフレ脱却、景気回復、経済成長に向けた努力を全て無に帰すことになります。

増税によって景気回復が頓挫したイギリス

増税によって景気回復が頓挫してしまうことはイギリスの事例からもわかります。

『正論』の最新号(2013年7月号)には、「アベノミクスの天敵…消費増税を放棄せよ」(産経特別記者・田村秀男氏)と題した記事が掲載されています。

この記事では、イギリスが付加価値税(日本の消費税に相当)を2011年1月に17.5%から20%に引き上げたことにより、景気回復が止まってしまったことが紹介されています。

増税前は、イギリス経済はリーマン・ショック後の不景気から立ち直りかけていたのに、増税後は、経済成長率が実質ベースで0.2%(JETRO、英国の実質経済成長率の推移)にまで落ち込んでしまいました。

田村氏は「イギリスの中央銀行は、リーマン・ショックの後は、お金を増刷し、金融機関から資産を買い取ることで市場に資金を流し、経済成長率を回復させてきたが、増税後は、お金を流しても効果がなくなってしまった」と述べています。

増税ではなく、本物の経済成長を!

現在、米中首脳会談に見られるように、米中が急接近し、日本の頭越しで物事が決められていく危険性が増しつつあります。

そのような中、日本が世界に対してプレゼンスを発揮していくためには、もう一段の経済成長を通した「GDP第2位奪還作戦」が不可欠です。

また、経済成長による富の創造は国防強化の原資にもなります。

幸福実現党は、新たな未来産業の創出など、日本経済の本格的パラダイム・シフトを行い、増税ではなく、本物の経済成長によって、財政の健全化を実現して参ります。

「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、大胆な経済成長戦略を描くことこそ、今の政治に求められる責任であるのです。

(文責・HS政経塾2期生 鈴木純一郎)

鈴木 純一郎

執筆者:鈴木 純一郎

HS政経塾2期卒塾生

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