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なぜ今、憲法9条改正なのか?――3つの理由

選に向けた政策チラシ『幸福実現News』第46号「いまこそ憲法改正」が発行されました。
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安倍政権が憲法改正をトーンダウンさせておりますが、日本の国難を鑑み、幸福実現党は今回の参院選挙において、正面から「憲法9条改正」を訴えて参ります。

今、報道番組や政治系の討論番組を見ても「改憲の是非」がテーマとして取り上げられていますが、「憲法9条改正は軍事大国化を招く」といった直感的な議論が多く、「憲法9条改正」の正確な意義が理解されていません。

そこで、今回は「なぜ今、憲法9条改正なのか?」――本日は特に3点に絞ってご説明させて頂きます。

理由1・憲法の前提の崩壊

日本国憲法は制定以来、66年間にわたって改正されていません。そのため、制定当初と異なり、憲法は現況に適応できなくなっています。

例えば、憲法前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるように、日本国憲法は近隣諸国の脅威を想定していません。

しかし、今、日本は核ミサイル開発を着々と進める北朝鮮や、尖閣・沖縄に対する侵攻姿勢を示している中国などの「軍事侵攻を愛する諸国民」に囲まれています。

また、米国務省の報告書によると、年間のテロ攻撃は70カ国で1万に上り、死者は1万2500人超に達しています。在外邦人の危険性も増すばかりです。

しかし、アルジェリア人質事件でも問題になったように、わが国の自衛隊は昭和29年の発足以降、海外で紛争や事件に巻き込まれた邦人の退避や救出に従事したことがありません。(参照:2012/11/4 産経「欠陥憲法 新しい国づくりへ 在留邦人救えない国」)

「海外派兵」を禁じる憲法9条の解釈で「他国の領域内にある日本人の生命、身体、財産は(中略)、武力行使等の手段によって保護をはかることは憲法上許されない」(昭和48年9月19日、吉国一郎内閣法制局長官答弁)とされているためです。

このように、憲法の前提と異なり、国際的脅威の高まる中、憲法9条では国民の「生命・安全・財産」を守ることができない状況が到来しているのです。

理由2・手足が縛られた自衛隊

憲法9条2項には「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とあります。

日本国憲法は「陸海空軍その他の戦力の保持」を認めていないのに、なぜ「自衛隊の保持」は認められているのでしょうか?

これに関する政府の統一見解は「憲法第9条第2項が保持を禁じている戦力は(中略)、自衛のための必要最小限度を越えるもの」(昭和47年11月 吉國一郎内閣法制局長官)とされています。

すなわち、政府は自衛隊は「自衛のための必要最小限度」の存在であるから、「陸海空軍その他の戦力」には当たらないという苦しい言い逃れをしているのです。

そのため、自衛隊は「攻撃的兵器」、例えば、ICBM(大陸間弾道ミサイル)、長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母を自衛隊が保有することは許されないとされています。(平成24年版『防衛白書』)

中国、北朝鮮は日本の各都市に核・ミサイルの照準を合わせていますが、憲法9条によって、自衛隊は中国どころか北朝鮮に届くミサイルさえ保有することは許されていないのです。

「抑止」の基本は報復力にありますが、報復力を持てなければ「抑止力」は成り立ちません。
※参照:「抑止力とは何か?

理由3・集団的自衛権の行使が認められない

「集団的自衛権」とは、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する権利」、すなわち、アメリカ等の同盟国と共同して防衛にあたる権利のことです。

国連に加盟している日本は、国連憲章第51条〔自衛権〕により「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を有していることは明らかです。

しかし、政府の公式見解は「わが国は、主権国家である以上、国際法上、当然に集団的自衛権を有しているが、これを行使して、わが国が直接攻撃されていないにもかかわらず他国に加えられた武力攻撃を実力で阻止することは、憲法第9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」とされています。(平成24年版『防衛白書』)

すなわち、「日本は集団的自衛権を有しているが、憲法9条の制約により、行使は許されない」、より分かりやすく言うならば、「日本は同盟国から助けてもらうことはできるが、同盟国を助けることはできない」という自分勝手な論理に陥っています。

平時であれば、在日米軍が日本の防衛に関して法的責任を負う見返りとして、日本は軍事基地、資金、日米行政協定で規定される様々な特権等を提供することとなっています。

しかし、いざ有事となれば、在日米軍が攻撃されているのに、日本が座視しているだけの事態が起こったならば、日米同盟は危機に陥り、日本の安全保障は崩壊します。

日米同盟の深化や日米共同防衛の実効性を保つためには、早急に「集団的自衛権の行使」を認めるべきです。

以上、3点述べましたが、今回の参院選で、幸福実現党を含めた改憲勢力が勝利するか否かが、日本にとって「繁栄か、滅亡かの分岐点」になります。

幸福実現党は必ずや「憲法9条改正」を成し遂げ、自立国家への道を切り拓いて参ります。

(文責・政務調査会長 黒川白雲)

 

 

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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