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日本外交を支える「情報発信力」の強化を急げ!

世界に広がる「日本の悪評」

中国や韓国メディアは「沖縄の帰属は未解決だ」「日本への原爆投下は神の懲罰だ」など、「一体こんな嘘を誰が信じるのだろうか?」というようなニュースを日々、世界に向けて発信しています。

「嘘も100回つけば本当になる」という言葉を地でいく中国や韓国の広報により、「過去の過ちを反省しない日本」というイメージが国際社会に定着しつつあります。

特に米国においてはその動きが顕著で、ニューヨーク州下院は5月7日、「慰安婦制度を非難する決議案」を採択しました。(5/16 産経「慰安婦問題 制度非難の決議採択、NY下院」)

「決議採択」は地元の韓国系アメリカ人の団体が主導しており、橋下徹大阪市長の発言や安倍首相の村山談話の踏襲を受け、米国各地で決議採択の動きが加速する気配です。

今、日本に必要なパブリック・ディプロマシー

日本はこうした自国の国益を損なうようなマイナス情報戦に対し、その都度、強く反論するのみならず、国家戦略に基づいて、世界に向けて「真実の日本の姿」を発信していくことが急務です。

そのための外交戦略のひとつが「パブリック・ディプロマシー(Public Diplomacy)」です。

パブリック・ディプロマシーとは、伝統的な「政府対政府」外交とは異なり、広報や文化交流を通じ、国際社会の中で自国の存在感やイメージを高め、相手国の国民や世論に直接働きかける「対市民外交」「広報外交」のことです。

外交活動の相手が「外国政府」ではなく、「国際社会全体」や「特定の一般の国民」であることが従来の外交とは異なります。

パブリック・ディプロマシーの目的は、(1)自国のイメージを高め、マイナスイメージをなくすこと、(2)自国の政策を理解してもらうこと、(3)自国の対外政策が実現しやすい国際環境を作り、外交をスムーズに行えるようにすることが目的です。

なぜ今、パブリック・ディプロマシーが注目されるのか?

各国においてパブリック・ディプロマシーへの関心が高まったのは、冷戦終了後、特に90年代以降のことで、イギリスが「クール・ブリタニカ」(かっこいいイギリス)という国家ブランド戦略で新たな局面を開いたのがきっかけです。

その後、パブリック・ディプロマシーの概念を形作り、「9.11」以降、パブリック・ディプロマシーへの重要性を強く認識させたのがアメリカです。また昨今、急速に活動を積極的に展開しているのが中国や韓国です。

近年、世界的にパブリック・ディプロマシーが重視されている背景として、冷戦終結による世界のパワー認識の変化が起こり、軍事力以外のソフト・パワーに大きな関心が向けられるようなったことが挙げられます。

また、インターネットなどの情報技術の発達により、個人が他国の国益を揺るがす時代となったため、国家が外交上の目的を達成するためには、相手国の政府に働きかけるのみならず、国民一人一人に対する働きかけに積極的に取り組まなければならなくなってきているためです。

パブリック・ディプロマシーの具体的活動

パブリック・ディプロマシーの具体的活動として、以下の3分野があります。

(1)情報発信:政府自身が行うもので、海外メディアの報道が不正確な場合や誤解を招くものである場合、反論投稿や論説投稿、「談話」などの公式声明、記者会見での応答等が重要な意義を持っています。

さらに、首脳の外国訪問時の立ち振る舞い等も象徴的な政治行為として、相手国の自国に対するイメージの形成に大きな影響を与えています。

(2)国際文化交流:知的交流・自国研究への支援、文化・芸術交流、地域交流、人物交流、自国理解教育・自国語教育支援のことで、日本の重要なパブリック・ディプロマシーの担い手として、国際交流基金があります。

イギリスのブリテッシュ・カウンシルや中国の孔子学院と言うと、イメージが湧きやすいかもしれません。

(3)国際放送:アメリカのCNNやイギリスのBBCなどが典型で、政府自らが発信する政策広報としての情報発信とは異なり、政府から一定の距離を取った機関が放送を行います。

日本の場合は、NHKの国際放送がありますが、英語のチャンネルで海外支局が30か所、視聴可能地域は130か国・地域で放送を行っています。

それに比べて中国のCCTVは国連の6つの公用語すべてを網羅。海外支局は53か所、視聴可能地域は160か国・地域にあり、更に増え続けています。

放送内容は国内宣伝だけでなく、国際世論上での中国の発言力と影響力を拡大する役割を担っています。尖閣諸島事件の際、CCTVは中国に有利なように海外の視聴者を誘導する報道を行っています。

例えば、尖閣事件での中国の主張を伝えるニュースの前に、北方領土問題をめぐる日露対立や韓国で起きた慰安婦問題を巡る反日行動を報道し、「日本は周辺国とのトラブルメーカー」との印象を強めていました。

「世界のリーダー国家」日本を目指して

日本が世界の「リーダー国家」になっていくためには、国際社会での存在感を高める必要があります。そのために、発言力と同時に必要なものが各国からの信頼です。

国際世論調査をみても分かるように、日本は好意的な評価を受けている反面、歴史認識でマイナスイメージを持たれています。

日本が世界のリーダーとしての役割を担っていくためにも、日本はパブリック・ディプロマシーを強化し、正しい歴史認識について、世界をリードしていく発信力を持つべきです。

幸福実現党は今後とも、日本の外交を支える「情報発信力」強化についての具体的な政策提言を行って参ります。

日本の自信と誇りを取り戻すべく、参議院選大勝利に向けて頑張って参りましょう!

(文責・HS政経塾第二期生、東京第12選挙区支部長 服部聖巳)

服部 まさみ

執筆者:服部 まさみ

HS政経塾2期卒塾生

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