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道州制は国を滅ぼす――「道州制基本法案」、今国会へ4月中にも提出へ

自公政権は「道州制基本法案」を国会へ4月中にも提出するとの意向を明らかにしました。(3/31時事通信「自公、基本法案4月提出も」)

国家の統治機構を根本から変える「道州制」は民主党、維新の会、みんなの党にとって党是ともいえる重要政策で、自公政権は分権政策の新たな旗印に掲げ、野党との連携の軸にする考えです。(3/9 日経「安倍政権、分権議論に着手 道州制で野党と連携探る」)

「道州制」とは何か

「道州制」とは、現在の都道府県を廃止して、いくつかの州を設置。国家の権限の多くを道州に移譲する構想です。

アメリカは「州制」ですが、日本は北海道をそのまま「道」として存続させ「道州制」と呼んでいます。

自民党案によれば、全国に10程度の道州を設置し、都道府県を廃止。基礎自治体(市町村)は、現状を維持します。(2012/6/19 自民党「道州制のイメージ」)

自由民主党の道州制推進本部が2008年に提示した区割り案では、9道州案(北海道、東北、北関東、南関東、中部、関西、中国・四国、九州、沖縄)や11道州案(上記の中部→北陸・東海、中国・四国→中国、四国)が提示されました。

他にも多様な区割り案が示されていますが、自民案も含め、九州と琉球は歴史と風土が全く異なる点から、沖縄県で単独の州として、「沖縄州」あるいは「琉球州」への移行を目指しているのが特徴です。

道州制で地域は自立できるか?

道州制は、中央集権体制とそれに伴う利権を壊し、地域・地方の完全自立を目指すことが目的とされています。

しかし、果たして、道州制を取り入れただけで、本当に地域・地方が「自立」することができるのでしょうか?

4月6日、幸福実現党公開講演会にて講演した前・消費者庁長官の福嶋浩彦 中央学院大学教授は、閣僚時代の経験から「地方分権を阻んでいるのは地方自治体自身」であることを指摘しています。

これまで、地方自治体は「いかに国から地方交付金などの補助金を引き出すか」ということを常に考えて来ました。

一方で国は、その地方交付金などの補助金の財源に四苦八苦している現状で、それをカットするために道州制を導入し、「地方は自分で自立すべき」という狙いがあります。

しかし、経営力なき赤字体質の企業が集まっても決して上手くいかないように、赤字体質の自治体がたくさん集まっても財政は改善されません。

問題の本質は、道州制の導入ではなく、自治体の財政的自立にあります。自治体の財政的自立を促す方策は二つです。

一つは自治体が借金を減らす努力をすべきです。そのためには、民営化や官民連携を進め、企業やNPOなど、民間で行えることは民間で行い、最大限、スリムで小さい自治体を目指すべきです。

第二に、地域の経済活動を活性化させ、税収を増やすことです。地元の経済活性化策を真剣に考え、実行することです。

現在、多くの日本の製造工場が海外に移転していますが、これは自治体が地域経済に全く無関心で、地域企業への支援を怠って来た証でもあります。

地方自治体がこうしたイノベーションに取り組まない限り、道州制を導入しても問題は全く解決しません。

そればかりか、道州制を導入すれば、国税による地域への税の再配分機能が無くなるため、豊かな州はより豊かに、貧しい道州はより貧しくなり、地域の公共サービス格差はますます広がります。

道州制で国家が解体する!

道州制の論点として非常に大切な観点は、地方に降ろす「権限」が何かということです。

特に、問題なのは「立法権」です。道州に「立法権」が降ろされた場合、道州ごとに法律が大きく異なり、日本国家の統一が失われます。

例えば、ある州では死刑が廃止され、別の州では死刑が執行されているような国家になります。

また、道州制推進派の一部勢力は「外国人の地方参政権」を推奨しています。

たとえ外国人参政権が地方に限られたとしても、道州に「立法権」が移譲された場合、外国人が「立法権」に大きな影響を与えることができ、日本を合法的に間接侵略することも可能になります。

外交面でも、沖縄州が中国と同盟を結び、北海道がロシアと同盟を結び、各道州が対立に向かう「国家分断」の事態も懸念されています。

また、例えば沖縄州で米軍基地や自衛隊基地を撤去する法律が成立すれば、日本の国防は成り立たなくなります。

「道州の長」が強大な権限を持ち、国家機能が縮小される結果、国家は解体し、バラバラになります。

既にその兆候は、米軍基地と補助金とを天秤にかけ、日本政府を困らせている仲井真沖縄県知事の姿に象徴されています。

道州制は危険な国家解体法案であり、幸福実現党は道州制に反対する唯一の政党として、「道州制中止」を求め、愛する日本を守り抜きます。(文責・政務調査会 佐々木勝浩)

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党 広報本部スタッフ

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