このエントリーをはてなブックマークに追加

沖縄全首長による「オスプレイ配備撤回要求」運動は県民を危機に陥れる行為だ!

1月27日、米軍普天間基地に配備されたオスプレイの配備撤回と同基地の県内移設断念を求め、沖縄県内の全41市町村の首長らが、東京・日比谷公園で集会を開き、約4千人(主催者発表)が参加。集会後、銀座などでデモを行いました。(1/27 日経「オスプレイ反対、東京でデモ 沖縄の市町村長ら」)

翌28日には翁長市長や名護市の稲嶺市長ら約30人が、全41市町村長や議会議長らの署名が入った「オスプレイの配備撤回と米軍普天間飛行場の県内移設断念を求める『建白書』」を安倍首相に手渡しました。

今回の行動行動について、翁長共同代表は「オール日本 対 オール沖縄の主張にねじれがあるので、新政権に沖縄の主張を真剣に受け止めて対応してほしいという(沖縄の意思を)つなぐ意味でも意義が大きい」と述べています。

しかし、沖縄県名護市在住の私、金城竜郎の知人は「オール(すべて)の県民の意見」として一括りにされていることに憤慨しており「俺の意見は粛清されている」と怒りをあらわにしています。

彼は「アジアで軍事的脅威になっている中国からの侵略を防ぐためにも、オスプレイは必要だ」と主張し、辺野古移設を容認している一人です。

むしろ問題の本質は、沖縄県民の意見を一つにまとめ上げて、反対の意見を持つものを村八分にするような「同調圧力」にこそあります。

オスプレイ配備撤回を求めて東京まで押しかけていった沖縄の各首長、そしてそれをまるで甲子園大会に出場する代表選手のように扱ってエールを送る沖縄のマスコミこそ、最大の問題だと私は言いたい。

連日のマスコミ報道による洗脳が進み、多くの県民はオスプレイを危険だと感じており、そう信じているからこその「同調圧力」なのですが、データを客観的に分析すれば、実際のオスプレイの事故率は、民間ヘリよりも低いということが明らかになっています。

オスプレイが配備された日、マスコミのヘリコプターが追尾して一日中テレビニュースで流しておりましたが、「マスコミのヘリのほうが事故率が高かった」ということを言っておかなければなりません。

私は「本当にこんなことをやっている場合なんでしょうか?」と訴える一人です。その理由は下記3点です。

(1)中国による尖閣諸島への侵略行動は「レベル3」に!

「レベル3」とは、私がつけた段階ですが、中国政府は明らかに侵略計画を立てて計画通りに実行しています。

「レベル1」は、2010年9月7日の「漁船衝突事件」です。中国の漁船(これは中国の言い分ですが、船長は本当に漁民かどうかは怪しい)が、我が国の海上保安庁の巡視船にぶつかってきた事件のことです。

「レベル2」は、2011年10月24日の中国の国家海洋局の漁業監視船が我が国の領海に侵入してきたことです。

「レベル1」との違いは、民間船ではなく、中国政府の公船による領海侵犯が起きたことです(明らかに軍艦だが、中国政府は軍艦だとは言っていない)。しかし、多くの県民は、漁船衝突事件の時のような驚きを感じてはいませんでした。

中国は昨年9月11日に、わが国が尖閣諸島を国有化したことを「泥棒だ」と叫び、対抗措置を取ると脅しておりますが、侵略行為はそれ以前から始まっていたことなのです。今では公船による領海侵犯は常態化しています。

更に、「レベル3」の事件が起きたのは、昨年12月13日のことです。中国国家海洋局の輸送機が尖閣諸島付近の領空に侵入しました。

私が危惧する「レベル4」は、いよいよ中国人民解放軍の戦艦あるいは戦闘機が侵犯してくる、という事態です。そうなれば、当然、海上保安庁や沖縄県警では対応不可能です。

自衛隊の防衛出動となれば、事実上の「開戦」となる可能性がありますが、果たして安倍首相にその命令が出せるでしょうか。

(2)中国軍は戦争準備を始めている

これは事実です。着々と軍事施設を造り、重要な人物が公的な場で強硬発言をしている以上、わが国との戦争を想定していると考え、対策を講じなければなりません。

国家の安全保障に関しては、最悪を想定していなければ、県民・国民を守ることはできないのです。

昨年5月頃、中国福建省・水門に尖閣諸島奪取をにらんだ空軍基地が完成しました。戦闘機や地対空ミサイル・システムなどが配備される予定だといいます。

重要な点は、この基地から尖閣諸島までは360kmしかないということです(沖縄本島からは440km)。中国の戦闘機なら、約12分で尖閣まで飛んで来れます。しかし、飛行場の無い尖閣諸島に着陸することはできません。

ですから、尖閣諸島まで1時間以内に到着しヘリコプターのように着陸できるオスプレイが防衛の要となることは言うまでもないことです。

これまで海兵隊が使用してきた輸送ヘリCH-46は、行動半径が140kmで、尖閣諸島まで飛ぶことは不可能なのです。

今年の3月に国家主席に就任することが確実の習近平氏は、昨年12月に中国共産党トップの総書記に就任して初の視察地に広東省を選びました。

この時、広東軍区にある海軍基地に足を運び、海軍司令員(海軍トップ)と長時間会談しております。その際、習近平総書記は対日開戦に関するレクチャーを受けた可能性が高いと言われています。

そして1月14日付の軍機関紙、解放軍報などは、中国人民解放軍を指揮する総参謀部が全軍に対し、2013年の任務について「戦争の準備をせよ」と指示を出していたことを明らかにしました。

更に中国人民解放軍の彭光謙少将は、1月14日、中国の新聞社が運営するニュースサイト「中新網」の座談会に出席した際に、日本側が中国航空機に「曳光弾を一発でも撃てば、それは開戦の一発を意味する。中国はただちに反撃し2発目を撃たせない」と発言しました。

ちなみに曳光弾は、国際法で認められた警告射撃のためのもので、相手に危害を加えるものではありません。

(3)中国国内の好戦ムード

前述の彭少将の発言は中国国内で大きな反響を呼んでいます。インターネットには「よく言ってくれた」「原子爆弾でお返ししよう」といった支持の声が寄せられています。

今年1月5日、中国で放映された大人気の討論番組のテーマは「2013年、中国と日本はどうしても開戦せねばならないのか」という大変きな臭い内容でした。

中国を代表する日本専門家、軍事専門家5人が顔をそろえ、日本との戦争になれば、中国はどうするべきかを論じております。「わが人民解放軍は一気呵成に勝ちに行く。日本よ、何するものぞ」等、強気な発言が相次ぎました。

また、国営中央テレビ(CCTV)など官製メディアは連日のように日本との戦争を想定した特集番組を放送し、軍事的緊張をあおっています。

そのため、中国国民からも日本との開戦を望む声が高まっています。年末年始の中国国内のテレビでも朝から晩まで抗日ドラマのオンパレード。

また、大学入試でも「共産党抗日史」は必須だということで、日本悪玉論の教育を徹底しています。

これだけのことを知れば、中国世論が好戦的であることを背景に、中国政府によるわが国への侵略の動きをますます加速させていく可能性が高いということがわかるのではないでしょうか。

幸いにして、真逆の行動で県民の意志を政府に届けた団体もあります。

沖縄県民を中心に組織した「中国の脅威から尖閣・沖縄を守ろう!実行委員会」(徳留博臣代表)は1月29日、首相官邸前で「米軍への感謝を表し沖縄と共にオスプレイ配備歓迎の声を首相に届ける集会」を開き、内閣府の担当者に安倍晋三首相宛の「『オスプレイ配備歓迎』に関する要望書」を手渡しました。

集会では、協賛団体の幸福実現党の矢内筆勝党首が挨拶に立ち、尖閣に迫っている中国の脅威や、防衛上のオスプレイの必要性、日米同盟の強化を訴えました。(1/29 「幸福実現党党首、沖縄県民と共にオスプレイ配備賛成の声を内閣総理大臣に届ける」⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/34517.html

そして、沖縄などから参加した50人の支持者と共に、「オスプレイ配備撤回は、沖縄県民の総意ではありません!」「沖縄普天間基地は早急に辺野古へ移転してください!」とシュプレヒコールをあげました。

そして「オスプレイ配備撤回の声は、沖縄県民の総意ではないことを踏まえ、日本の国防上、必要不可欠なオスプレイ配備を撤回することなく、今後も勇気を持って進めていくこと」「米軍普天間基地を早期、辺野古へ移転し安全を確保すること」などを要望しました。

沖縄県各首長が全員参加した抗議行動を受け、安倍首相は2月2日に沖縄入りしました。

那覇空港の第2滑走路増設事業の予算化と工期短縮をアピールするなど沖縄県との信頼関係構築を強調しましたが、冷静に一連の動きを追ってみると、首相への抗議の「建白書」手交が1月28日。来年度予算に関する臨時閣議における政府の来年度予算案の決定が29日。ちなみに沖縄関係予算は今年度比2.2%、64億円増の3001億円です。

そして2月2日の首相来沖となれば、「単なるゆすりたかりの陳情団だったのでは?」と疑われても仕方がないのではないでしょうか。

実際、東京では抗議行動を冷ややかに見る都民がかなりおられたとも聞いています。

私は一貫して、日米政府に協力してこその沖縄関係予算だと言い続けています。沖縄県が協力してこそ、日本人は一つにまとまるのです。

今、本当に必要なのは、これ以上、中国に悪を侵させない強い外交と、それを担保する防衛力と法律の整備です。

各首長の皆様、県民の代表であるならば、それを訴えるために上京することこそが、本当に県民を守ることになるのではないでしょうか。

今こそ、沖縄県民はそのような馬鹿げた行動を許してはなりません!
(文責・沖縄県参議院選挙区代表 金城竜郎)

金城 竜郎

執筆者:金城 竜郎

幸福実現党沖縄統括支部代表

page top