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世界から見て異常な安倍首相の反応―「テロは絶対に許さない!」―首相が正義を語れる日本に!

今回のアルジェリアテロ事件は、事件発生から9日目で、安否不明だった日本人10人全員の死亡が確認されるという大変残念な結果となりました。(1/24 読売「日揮元副社長、最後に死亡確認…邦人犠牲10人」)

亡くなられた邦人の皆さまのご冥福を心からお祈り申し上げますと共に、ご遺族の皆さまにお悔やみ申し上げます

また、犯行グループは日本人を狙うため、最初に日揮の居住区に進入し襲撃していたことが判明しました。

アルカイーダ組織傘下の武装グループが関与する地元企業がBPに出入りし、テログループに情報を流すなどしていたようです。

テロ事件を受けての各国首脳の発言

このテロ事件を受けて、日本と各国首脳の発言に大きな差があることに気づきます。

アルジェリアは現在発効している16のテロ防止関連の国際諸条約すべてを批准した世界数カ国のうちの1つであり、「反テロ」対策を積極的に推進してきた国です。

セラル首相は「武力行使は勇敢で、高度にプロフェッショナルだった」と述べ、武装勢力がガスプラント爆破を狙って配管に爆弾を仕掛けたのを受けて、最後の攻撃を行い、武装勢力を壊滅させたと述べました。

仏オラルド首相:「最も適切なやり方だった」「人質を殺すことも辞さない冷徹なテロリストと対峙していたアルジェリアに交渉の余地などなかった」

英キャメロン首相:「アルジェリア当局の責任を問う声も出るだろうが、人質が死亡した責任は残虐非道なテロリストにある」

米クリントン国務長官:「これがテロ行為であることを忘れないでほしい。犯罪者たちはテロリストなのだ」

このように、欧米の政治指導者は人質側に多数の死者を出す結果となったアルジェリア政府の対応について、テロ行為を許さない政府判断を支持する立場を示し、人命よりも正義を優先するとはっきり表明しています。

正義を優先することが人命を守ることにつながると知っているからです。

一方で、日本の安倍首相は17日深夜タイからアルジェリア首相のセラル首相に「人命優先を要請したはずだが、攻撃するとは一体どういうことか」と、声を荒げて抗議の電話をし、人命を失ったことに対しては、「誠に残念」として、暗にアルジェリア政府を批判する姿勢を示しています。

各国世論・マスコミの報道

今回の事件に関して、欧米メディアのマスコミでは、「西洋の価値観と生き方の破壊を目ざしているテロリストと交渉する余地などない」(英サンデー・タイムズ)といった反応が少なくありません。(1/22 読売)

しかし、日本のマスコミでは「強行突入し、人質の命を犠牲にしたアルジェリア政府が悪い」となりかねません。

そのため、安倍首相はまずアルジェリア首相に抗議し、人命を第一に考えている印象をマスコミを通じて国民に知らせました。

そうしなければ、今回の事件を通して支持率の低下、失言による引責問題になりかねないからです。

米国で収監中のイスラム原理主義指導者ら2人の釈放を求められたアメリカは、「米国はテロリストと交渉しない」(国務省のヌランド報道官)と述べましたが、日本であればどのように対応するでしょうか。

一国のトップが日本の首相のような発言をしたならば、身代金や犯罪者釈放目的での国民狙いのテロが頻発し、海外にいる自国民の命が逆に危なくなるということを知らなければなりません。

世界平和への貢献

現在、フランスは2000人以上の兵力を投入してマリでの武装勢力掃討作戦を行っており、イスラム過激派が制圧していた中南部の拠点の2拠点を奪回することに成功しました。(1/23 読売)

オラルド首相は「アルジェリアで起きていることは、マリに介入を行う私の決断が正当化されることを示す一段の証拠となった」と言い、国民もマリ介入を支持、欧州も後押ししています。

イギリスは今回の事件を受け、アルジェリアのほか、リビア、ナイジェリア、マリなどの政府に対するテロ政策での支援を強化する方針を示すと共に、マリでの仏軍の支援の拡大を検討してます。(1/23 読売)

果たして日本はどうでしょうか。

世界平和への貢献どころか、今回のように邦人が海外でテロの人質になっていても、自衛隊は「安全が確保されているとき」にしか動けず、人員の輸送は「航空機か船舶で」しか行えず、「武器使用は正当防衛」の場合しか許されません。

そもそも自衛隊は軍隊ではありません。テロ事件を教訓に、自衛隊法改正が議題に上がっています。

もちろん、改正は絶対に行わなければならないことですが、世界から見てあまりに遅れた対応であると言わざるを得ません。

日本の取るべき態度

安倍首相は、テログループが悪の根源であるにも関わらず、人命を優先しなかったアルジェリア政府批判に議論をすり替えました。

「正義」を語り、「正義」という価値観を国民を啓蒙することができませんでした。

これは、福島第一原発事故の本当の原因が津波だったにも関わらず、真実を隠した上に責任を東電にかぶせ、原発反対旋風を巻き起こした民主党によく似ています。

個別の現象に感情的に反応するだけは、いつまでたっても原因を解明し、根本的な解決につなげることはできません。

これでは安倍体制の下では「戦後レジーム」から脱却することなど永遠に不可能です。

マリ南部のバマコでは現在、仏軍介入を歓迎し、至る所で仏国旗が売られているそうです。

市民は「仏軍はマリ軍の10倍強い。ずっと介入を祈っていた。仏軍が介入しなければ、武装勢力は今頃、ここに入っていた」と話しています。(1/19 朝日)

日本も世界に対して、責任を果たすべきです。世界の平和について、国民が考えなければならない時期です。

ここまで大国になっておきながら、首相が正義さえ語れないような国であれば、日本はこの世界に存在する意味はないと言っても過言ではありません。

安倍首相は今こそ勇気を出して、自国民を守るために必要な自衛隊法の改正の断行を行うべきです。

そして世界平和に日本は貢献すべきであると国民を啓蒙し、憲法9条の改正を訴え、参院選のテーマを「国防とテロの撲滅、世界平和への貢献」にすると決断すべきです。
(文責・HS政経塾1期生 兵庫県参議院選挙区支部長 湊侑子)

みなと 侑子

執筆者:みなと 侑子

HS政経塾1期卒塾生

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