「超法規的措置」で、アルジェリア邦人救出に向け、即刻、自衛隊を派遣せよ!
アルジェリア人質事件では、「日本人9人殺害」との報道もなされていますが(1/20 産経)、同証言の真偽も含めて情報が錯綜しており、事態は混迷を極めています。一日も早く無事に生存が確認されることを心より願っております。
テロ事件に対する態度を明確にできない安倍首相
昨日の[アルジェリア人質事件における「正義」とは何か――日本は「正義を貫く国家」たれ!]では、「正義は何処にあるのか」を見極める視点として、事件が起きたアルジェリアの歴史から紐解いてみました。
もう一つは、事件を起こした当事者の「動機」と「手段」です。今回の人質事件の犯人は、身の代金目的で過去にも事件を起こしています。
また、犯人は「フランス軍によるマリへの軍事介入を阻止しようとした」とも報じられていますが、フランスとは関係の無い日本も含めた第三国の国民を人質に取ったことは、他国への宣戦布告にも等しく、大義はどこにもありません。
「正義がどこにあるのか」を見極めた上で、日本の立場を世界に発信する必要があります。
ちなみに、北アフリカに対して日本の10倍の投資をしてきた中国は全く沈黙したままで、他国に問題解決を委ねています。一方、欧米は事件を受けて、テロ対策の後方支援に乗り出しました。(1/20 日経)
安倍首相は米国・欧州の首脳と「緊密に連携すると」としながらも(1/20 朝日・日経)、今のところ日本がアフリカのテロ解決に対して、後方支援する等、具体的な言及はありません。
海外の邦人救出はいかにあるべきか
今回の事件を受けて、邦人救出は如何にあるべきでしょうか?
政情が不安定で紛争やテロなど危険が伴う国への渡航の安全判断は、外務省が4段階の「海外危険情報」を出して注意喚起や渡航延期を呼びかけています。
ちなみにアルジェリアで「退避勧告」が出ていたのは、リマの国境の紛争地域で、今回の事件地域は、4段階で最も危険度が低い「十分注意」でした。事件後、「退避勧告」に上がっています。(1/20 毎日)
経済のグローバル化の中で、企業も国際社会で戦っていく上で海外に進出は不可欠で、今後同様の事件が起こる可能性は否定できません。早急に対処できる対応策を考えておかねばなりません。
現状の自衛隊法では、憲法で海外での武力行為を禁じているため、海外での緊急事態が発生した場合、現地の安全が確保されなければ自衛隊は派遣できません。邦人警護の規定もなく、武器使用の範囲にも制約があります。(1/19 朝日)
自民党の石破茂幹事長は20日、アルジェリアでの人質事件を踏まえ、海外での動乱などに在外邦人が巻き込まれた場合、自衛隊による救出を可能にするための自衛隊法改正を検討する考えを示しました。(1/20 時事)
しかし、法制定へのハードルは高く、小野寺防衛相は、19日のテレビ東京の番組で憲法上の制限や乗り越えなければやらない壁があると述べています。
法律は国民を守るためにある
確かに、邦人救出のための自衛隊派遣については、法律的には様々な制約があるのは事実です。
しかし、法律の上にある日本国憲法18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない。(略)その意に反する苦役に服さない」とあります。
現在只今、テロリストによって日本人が「奴隷的拘束」を受けているのに、「邦人救出に自衛隊を派遣できる法律が無いので、これから国会を開いて法律をつくりますから待っていてください」では話になりません。
安倍首相は「超法規的措置」として、憲法18条を根拠として、即刻、邦人救出の命令を出し、自衛隊の特殊部隊を派遣すべきです。そして、事後に、可及的速やかに法律を制定すれば良いのです。
これが国民の生命を預かる国家の最高責任者の覚悟と言うべきであり、幸福実現党政権なら即断即決で行っています。
安倍首相は「人命優先」と言うならば、瑣末な法律論議にこだわらず、邦人救出に向け、具体的な救出行動をなすべきです。それが「国家のリーダー」としてのあるべき姿です。
(文責・佐々木勝浩)