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『無宗教国家日本』の敗北から『宗教立国』による繁栄へ

今を遡ること17年前、1995年12月に発刊された「信仰告白の時代」で著者大川隆法現幸福実現党総裁は「まえがき」にこう記されています。

「戦後50年、日本の教育は間違ってきた。宗教から遠ざかりさえすれば、第二次世界大戦のような惨禍は避けられるものと、ひたすら無宗教化をすすめてきた。その結果得られた、世界からの評価は、色・金・欲にまみれた経済奴隷としての日本人の姿に象徴される。

理想も、理念も、正義も、気概も、なにもかも、打ち捨ててしまった『町人国家日本』は、国家からは背骨とでもいうべき『宗教』を抜き去ったら、ただただクラゲのように漂うしかないということを証明した、悲劇の文明実験国でもあった。

本書は、『無宗教国家日本の敗北』を、思想の次元で論証する一書でもある。全国民が半世紀にわたる過ちを反省し、再び『無宗教』を国是とすることによって、来世紀の子孫を苦しめることのないように、切に願った警告の書でもある。」

17年前の言葉であります。あれから17年、なおも日本は漂流し、残念ながら停滞から脱することは出来ませんでした。

「失われた20年」と言われる所以です。この20年を「無宗教国家の敗北」という観点から見たとき、はっきりと見えてくるものがあるのではないでしょうか。

特にこの3年3か月、国家の敗北を決定づけた民主党政権を支えた思想とはどのようなものだったのでしょうか。

「ミスター円」と言われた榊原英資氏も民主党を支持しました。氏は「坂の上の雲はなくなって、今日より良い明日はない。成長経済から成熟経済に移った。これからはヨーロッパ型福祉社会を目指す大きな方向転換をしなければならない。民主党は、子供手当、農家の個別補償、高校授業料無料化とか、ヨーロッパ型社会を目指しており、政策の方向は間違っていない」と支持しました。

また、東大を首席で卒業した経済学者小幡績氏も、著書『下り坂社会を生きる』では、「国民はもう成長なんかとっくに終わったと気づいている。若者は一番気づいていて、給料なんか一生あがらないに決まっていると思っている。もう成長は終わったんだから、今の資源を大切に使って、これからの余命を平均的に豊かに過ごそうよ」と考えた方がいいと民主党の政策を支持していました。

現在、頻繁にTVに出ておられる浜矩子同志社大学大学院教授は、安倍政権を徹底的に批判しています。

昨年の総選挙直後のNHK日曜討論(12/23)では「この選挙の結果として『浦島太郎政権』が誕生してしまったのではないかと思います。成長を目指して大胆な規制緩和というような文言の中にも、浦島太郎度が表れています。成長しなくとも経済がうまく回るのはどういう姿かという事を考えるべきところなのに、ピントが全く外れている訳です。」と成長を否定し、成熟を目指すべきであると述べています。

民主党を支持した識者、マスコミに共通する思想は「成長の否定」です。

彼らは、一人一人が小さな神となり、「もはや成長はない」とご宣託をしているのです。

しかし、本来、政(まつりごと)を預かる為政者は、心を空しくして国民の繁栄を神仏に祈るのではないでしょうか。

神仏の心は「繁栄」と「調和」にあることは古来、日本人は知っていました。信仰を失くした時、繁栄と調和も失うのです。

なぜ、20年も日本が漂流したのでしょうか?

大いなる神仏の心を忘れ去り、マスコミが、知識人が小さな神となり「坂の上の雲はない」とご宣託をし、政局を支配したからではないでしょうか。

再び「無宗教」を国是とすることによって、未来の子孫を苦しめることのないように幸福実現党は、宗教政党としての使命を果たしてまいります。

この国の繁栄と調和のために。この国の未来を開くために。
(文責・加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

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