幸福実現党よ 小党乱立&政界カオス状態の中で「泥中(でいちゅう)の花」となれ
現代政治はカオス状態
日本維新の会を巡って、みんなの党が正式に合流することを否定しました。
先週は橋下徹氏の人気に群がる政治家の悲しい様子を報告しました。→橋下人気に群がる政治家の悲しいサガ
その後、減税日本の河村氏は減税と脱原発、反TPPを掲げる亀井静香氏と合流し新党を結成。メディアでは「脱原発党」と表現されています。
また、脱原発を掲げる政党に便乗し、滋賀の嘉田由紀子県知事が立ち上げた「日本未来の党」は「卒原発」と主張。ここでは原発の是非は別に譲りますが、世間の脱原発ブームに便乗している感は否めません。景気い対策や安全保障などについての見識はどうするつもりなのでしょうか。
また、維新の名を使う政党や候補予定者が多いのも気になります。明治維新とは、西洋列強の植民地支配を避けるために「富国強兵」「殖産興業」が柱となりました。現代風に言い換えれば、国防強化と経済成長です。しかしながら、エネルギー危機や領土問題をはじめとする外交上の失策がダッチロールしているにも関わらず、維新を語る勢力が外交や安全保障を全く語ろうとしません。
特に、本年は「異常な年」でした。
7月にはロシアのメドベージェフ首相による国後島再訪問。8月には韓国の李明博大統領による竹島不法上陸。香港人による尖閣諸島上陸。そればかりではなく、従軍慰安婦問題が国内外で再燃しています。一人の総理の任期中に、これだけ日本固有の領土に対する屈辱を受けたことがあったでしょうか。
普通であれば、これだけ外交と安全保障が危機に瀕したならば、選挙の争点となるものです。しかし、乱立する新党にはほとんど当該問題に関する発言は極めて少ない。むしろ、道州制や消費税の地方財源化、脱原発のような内政問題ばかりで、現実に起きている外交上の国家危機に対して目をそらしています。はっきりと言えば、こうした政党には維新を語る資格はありません。今のままでは、日本維新の会の方針は坂本竜馬の維新八策とは真逆の方向に進む「逆噴射維新」政党だと知るべきです。
政策やキャッチコピーを平気利用するのは本当に正しいのか
そもそも、2009年の衆院選で「幸福維新」を語ったのは幸福実現党です。「政権交代選挙ではなく、国難選挙」だと主張しましたが、今では既存の政治家や識者でも国難や維新という言葉を使っています。そして、「新しい選択」というポスターを出し、自民党と民主党に変わる第三極としての国民政党を目指したのも幸福実現党です。にもかかわらず、幸福実現党立党直後に旗揚げしたみんなの党は、なんと何の恥らいもなく政策チラシやのぼりで「新しい選択」を使っています。
最も驚いたのは、幸福実現党の政策ポスターには「日本危うし、だから幸福実現党」と明記されているのですが、次期政権与党に返り咲くとも言われている自民党は、「日本の危機、だから自民党」とうたっています。
日本の政治を長年リードし、多数の総理を輩出していきた保守政党が、まだ一議席もない政党のキャッチコピーを真似して情けないと思わないのでしょうか。金融政策や安全保障問題では我が党と差異がないことを主張しているのならば、ついき秀学党首との共闘を呼び掛けるのが筋です(選挙区によって共闘はしているが)。
幸福実現革命
政治の世界では、利用し利用されるのが普通なのかもしれません。ただ、現在の状況に関しては有権者も不信感を持ち始めています。
国の乱れは、人間の心の乱れと直結していきます。その時に、北極星のごとく方向性を示すのが宗教の役割ですし、国の危機に立ち上がるのが宗教政党の使命でもあります。
ただ、政教分離規定や公明党と創価学会、オウム教(現アレフ)の政界進出などもあり、宗教と政治に対するマイナスイメージがあることは事実でしょう。だからこそ、幸福実現党は、こうした「負の遺産」の清算を見据えていることも強調しておきます。さらには、健全な愛国心を醸成し、信仰を持つことの重要性と教えの違いによる紛争や戦争の愚かさを解決することも政策に入れています。
幸福実現党は、今回の選挙を「救国選挙」ないし「幸福実現革命」と位置付けているのは、カオス状態の政界を浄化し、正しい政策を通じて国の豊かさと誇りを取り戻したいからです。
現実は、権謀術数渦巻く政界事情とマスコミの無視や宗教政党への偏見は我が党にとって逆風となっています。しかし、悪臭漂う泥の中から美しい蓮の花を咲かせことを仏教用語で「泥中(でいちゅう)の花」といいますが、幸福実現党の挑戦はまさにこれにあたります。候補者の皆様には、ぜひ救国選挙に突入することへの誇りを持ち続けて戦うことを願っています。
幸福実現党よ、現代における「泥中の花」となれ――
(文責:中野雄太)