中国軍艦7隻の接続水域侵入――「国防問題の争点化」は不可欠
だれの目にも明らかとなった「沖縄危機」
10月16日に与那国島の接続水域に中国海軍の軍艦7隻が侵入したことを防衛大臣が記者会見の場で公表しました。(10/17 産経「中国軍艦7隻が接続水域通過」)
森本防衛大臣の会見によれば、この艦隊は10月4日に宮古島―沖縄海峡を通過して太平洋に出たものと同一であり、沖ノ鳥島の南西44キロを東シナ海に向けて北上中のところを海上自衛隊の偵察機が発見したため、追尾させた模様です。
これを受け、翌17日付の産経新聞は「中国軍艦 ついに武力の威嚇みせた」とする社説を掲載したほか、南西諸島における中国海軍の第一列島線突破が常態化していることを示す図を掲載しました。
平成24年度『防衛白書』と併せて見ることで、「尖閣危機」が既に「沖縄危機」に発展していることが一目瞭然となっています。
事実を認定しない政府の「弱腰姿勢」に、世論は怒っている
しかしながら、政府は「中国政府の意図」の認定に対して、慎重な姿勢を崩していません。
16日の防衛大臣記者会見では、「それがいかなる背景理由によるのか、いかなる意図があるのかということは、我が方は分かりませんと言いますか、推測の域を脱しないので、その背景理由について説明することは控えたいと思います」と発言しています。
しかし、時系列で考えれば、接続水域への軍艦の侵入が、尖閣諸島の国有化に対する「警告」であり、保守化する日本の世論に対する「脅迫」であることは明確です。
脅威を脅威として認定し、国民に伝える姿勢が今の政府に最も欠けていると言えます。
憲法9条体制は「世界が平和を愛する国で満ちている」という憲法前文の「仮定」が崩れれば、いとも簡単に崩壊してしまいます。
しかし、政府もマスコミも、この「仮定」が「事実」であるかの如く、嘘に嘘を塗り重ねて覆い隠してきました。
中国軍の進出は我が国にとって脅威ではありますが、この厚く塗り固められた「嘘」を崩壊させるチャンスをもたらしています。
しかも、現在日本の世論は、幸福実現党の言論活動の影響によって大きく保守化しているほか、安倍自民党総裁の誕生など、既成政党にも影響を与えています。
ここ数日の安全保障関連の動きを見てみると、安倍氏が10月15日に「集団的自衛権の解釈を見直す」旨、バーンズ米国務副長官に伝え「日米同盟強化」に向けて舵を切ることを宣言したほか、来月11日には沖縄の無人島で、日米共同の「離島奪還訓練」が行われることが明らかとなっています。
「年内解散」なら「国防問題」の争点化は不可欠
中国政府の海洋進出がエスカレートし、国内世論が保守化している今こそ、政府も国会議員も、国防上の「弱腰姿勢」を改めるべき時です。
新総裁に選出された安倍氏は「年内の解散」に向けて野田政権に圧力を強めていますが、「国防問題」が次期解散総選挙で明確に争点化されるよう、幸福実現党は国論をリードしていくべきです。
さらに、次期衆院選での大勝利を目指し、幸福実現党は、憲法9条の解釈変更・改正による自衛隊の国軍化、そして日米同盟強化は元より、日本が独自の核抑止力を持つことも見据えた国防政策を提言して参ります。
幸福実現党は「戦争ができない体制」ではなく、「戦争を起こさせない抑止力」を整備・強化し、日本とアジアの平和・繁栄を守ってまいります。
(文責・神奈川4区支部長、HS政経塾1期生 彦川 太志)