中国が喧伝する「日本の脅威」
日本にいると分かりませんが、最近、中国は盛んに「日本の脅威」を喧伝しています。
私が先月・中国の大連を視察したときも、テレビの中国国営放送「CCTV」では、論説やニュースで、毎日のように「日本の軍拡」「日本の脅威」を盛んに報道していました。今日はその一端をご紹介させて頂きます。
下の記事は、中国の国営新華社通信が10月21日に報じた「日本はなぜ頻繁に『外部脅威論』を煽り立てるのか」と題した論説です。少し長くなりますが、そのまま全文を引用しますので、ぜひご一読下さい。
「10月16日、野田佳彦首相は自衛隊の航空観閲式で『中国と北朝鮮は日本の脅威』と名指しした。どうやらまた、『外部脅威論』を煽り立てるという『発作』を起こしたようだ。
時々このような『発作』を起こすという奇妙な現象が長く続いているが、今の日本は本当に深刻な『外的脅威』にさらされているのだろうか?彼らはなぜ頻繁に『発作』を起こすのか?
第2次大戦以降、日本の安全保障環境はずっと良好だ。領有権問題はあるものの、日本の本土が外部からの武力脅威にさらされることもない。それなのに、『外部脅威論』を煽り立てる頻度はどんどん増加。しかも、賢いやり方ではない。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したと非難したこともあったが、通過したのは日本列島上空の大気圏外だ。国際法上、何ら問題はないし、日本の衛星もほぼ毎日他国の上空を通過している。全くつじつまが合っていない。
同じように、中国海軍の艦艇が沖縄と宮古島の間の『宮古水道』を通り抜け、太平洋で軍事演習をしたと責め立てたことも滑稽としか言いようがない。これも国際法上、何の問題もない行為だ。
全く稚拙なやり方だが、一方で最近、南シナ海の紛争に積極的に首を突っ込み、航空自衛隊の主力戦闘機をグレードアップさせようとしている。米国の同意を得て、『武器輸出三原則』を見直すことも考えているようだ。
日本が『外部脅威論』を煽り立てる時は、何か目的がある時のようだ。日本の長期戦略目標は自らを『正常な国』にすること。
では、その障害となっているのは何か?それが米国であることは明らかだ。
現代史を紐解くと日本と米国の深い恨みはかなり深刻。長く閉ざしていた日本の門戸を開いたのは米国だし、2発の原爆で日本を焼け野原にしたのも米国だ。日本の政治、経済、外交、軍事は長い間、米国にコントロールされてきたのである。
実は今回の『外部脅威論』は日本の戦略決定者が米国に向けて発したもの。米国が経済危機で弱っている今こそ千載一遇のチャンスだと思ったのだ。
だが、国際的な影響力が大きい日本がこうした言行が一致しないやり方で目的を達成できるとは限らない。しかも、こうしたやり方がアジア・太平洋地域全体の安全保障環境を悪化させ、緊張状態を作り出しているのである。」
いかがでしたでしょうか……。
あえて解説は省きます。
中国が日本をどのように見ているのか……否、中国共産党が13億人の国民に対して、どのように日本を「悪玉」として伝え、世界に発信しているのか(新華社は国際通信社です)が、よくわかると思います。
そして、まさに中国こそが「外部脅威論を煽り立てる」ことで、自らの侵略的かつ強圧的な行動の正当性を構築していく。そうした共産党が最も得意とするプロパガンダの手法の一端を垣間見ることができます。
日本は、既にこのような狡猾でしたたかな中国との「外交戦・情報戦」に入っています。
しかも、日本のマスコミは大きく歪んでおり、「中国の脅威」「増税による不況到来」等は一切報道せず、「放射能の恐怖」は風評被害をもたらすほど報道しています。マスコミによる情報の歪みこそが国難を招いているのです。
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(文責・矢内筆勝)