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国防は、どうする?野田新首相

先の民主党代表選挙では、どの候補者からも国防について語られることは全くありませんでした。

まるで、代表選候補者の間で、中国に対して配慮し、国防は代表選の争点にしないよう示し合わせたかのようです。

民主党代表選で国防を争点にしたくなかった野田氏の本音は、民主党政権として中国や韓国を刺激すれば、政権がもたないため、政権延命のためには「国防」を代表戦の争点にはしたくなかったのでしょう。

しかし、中国はそんなに甘い対応はしないのが現実です。

菅首相が退陣を正式に表明して民主党代表選が告示日される直前の8月24日、中国の漁業監視船2隻が尖閣諸島の領海を侵犯しています。

政治空白を狙って日本の国防を揺さぶる行動をこれまでも中国はたびたび取ってきました。

つまり、中国はこうして次期政権を牽制して、次期政権がどう出てくるか、その反応を見ているのです。

恐らく中国は、野田政権も尖閣諸島海域を侵食しても日本は何の適切な対応もできないと判断したに違いありません。

野田首相は、外交・安全保障政策については「保守的思想」を持っていると言われていますが、骨抜きになることは目に見えて明らかです。

民主党代表に就任後の記者会見で、野田首相が以前、「『A級戦犯』は戦争犯罪人ではない」との認識を示したことについて、即刻、軌道修正し、「ことさら歴史認識を振りかざして何か言ってきたつもりはない」と語ったのはその証左です。

今後、中国の尖閣諸島の領海侵犯がますますエスカレートすることは間違いなく、野田政権の間に更なる尖閣危機がくる可能性が高く、魚釣島の実効支配も秒読みの段階に入ってくるものと思われます。

国防とは、現実の国際社会のあっては、お人よしで相手国を信用し、敵を刺激しないことによって築かれるものではありません。

周辺国にどんな意図を持った国があり、自国を侵食する意図がある場合には、外交によって、言うべきははっきり相手国に伝え、国防法制や国防を充実させる必要があります。

そうした具体的な努力が相手の侵略的な野心を食い止め国を守る力となるのです。

一国の宰相がドジョウのように泥の中に潜り、国防から逃げ続けていては、もはや国が滅ぼてしまうと言わざるを得ません。

(文責・矢内筆勝)

やない 筆勝

執筆者:やない 筆勝

幸福実現党総務会長兼出版局長

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