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前原“総理”が誕生しても――。

民主党の代表選で、前原誠司前外相が立候補を表明しました。

パッとしない候補者が並んだ代表選だっただけに、マスコミから「真打ち登場」などと持ちあげられ、さっそく次期総理扱いの報道が加熱しています。

もし前原総理が誕生すれば、これまで民主党を支えてきた“国家社会主義者”である菅首相と鳩山前首相、小沢一郎・元代表の「トロイカ体制」とは、多少違った民主党になるとのではないかという、期待を抱く向きもあるでしょう。

確かに、25日の党の事前説明会で、経済政策について、増税ではなく「歳入増につながる経済成長の実現」をいち早く明言するなど、「増税」一本槍の野田財務相や、政策すら打ち出せない他の候補と比べれば、少しは「まとも」かもしれません。

また安全保障についても、前原氏は「憲法9条改正」「中国脅威論」「武器輸出三原則の見直し」など、松下政経塾出身だけあって、民主党の中では珍しい保守的な国防政策が持論です。

しかし、問題はそれを実行する力量があるかどうか。政治家としての実績を出せるかどうかでしょう。

前原氏の弱点は「実行力の欠如と軟弱さ」――その一点に尽きます。

前原氏は打ち上げ花火は華々しくても、全く実行力を伴わいない「言うだけ番長」「口先番長」に過ぎないのです。

国交相時代の八ッ場ダムの建設中止宣言や、JAL再建問題での迷走――。威勢がよくパフォーマンスはするが、批判や反発を受けると途端に腰砕けになり、実績を全く挙げられなかったことは、記憶に新しいはずです。

何よりも、忘れてならないのは、2010年の中国漁船衝突事件時の「外務大臣」は、前原氏だったということです。

逮捕した中国人船長の拘留延長を前に、最終的に船長の「釈放」に動いたのは官房長官の仙谷氏と外務大臣の前原氏であったことは自明です。

しかも、2006年の「ニセメール事件」で、わずか半年で初めて就任した党代表を辞任。今年3月には、韓国籍の外国人女性から政治献金を受け取っていたことが判明し、これも半年で外相を辞任しています。

残念ならが、その外見や主張、威勢と比べて、実績はあまりにも不甲斐ない――。これが前原氏の政治家としてのこれまでの、実績にほかなりません。

いずれにしても、前原氏が総理になれば、野党と(民主党支援マスコミ以外の)マスコミは、引責辞任で一旦はウヤムヤにしたその在日韓国人献金問題で集中砲火を浴びせるはずです。

そして山積する内政、外交問題と党内からの攻撃――。それに果たしてどこまで耐え、政権を投げ出さずに、踏ん張れるのか。

持って半年か――。個人的には、私は、そう読んでいます。

いずれにしても、総理が誰であれ、「民主党の存在こそが、国難」。この事実だけは変わりません。

(文責・矢内筆勝)

やない 筆勝

執筆者:やない 筆勝

幸福実現党総務会長兼出版局長

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