Home/ 2016年 September 2016年 September 中国が沖縄で仕掛ける日米分断工作 2016.09.11 幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆「沖縄県民は、機動隊にいじめられている!?」 先日、沖縄にお住いの70歳くらいのご婦人から政党に電話がありました。 「沖縄は機動隊にいじめられ苦しんでいます。これをどう思いますか。」 ご婦人が言っているのは、下記のニュースのことです。 沖縄の高江村のヘリポート反対に、高江ヘリパッドへ機動隊100人超投入 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54490 続けて、御婦人は言いました。 「戦争のようなことになれば、米軍基地のある沖縄が真っ先に狙われる。だから米軍は沖縄から出て行ってほしい。」 ◆「それでも米軍が沖縄にあったほうが良い」 かつて沖縄戦で米軍に家族を殺された思いを知れば、米軍に出て行ってほしいという感情は理解できます。しかし「それでも米軍が沖縄にあったほうが良い」と私は申し上げました。 なぜなら米軍が撤退して、沖縄が平和になるかと言えば決してそうではないからです。 沖縄の新聞を読んでいると、米軍の悪いところを過大に報道し米軍撤退の世論を煽っています。米軍の悪口は報じても、中国が不利になる報道は全くしません。 中国のウイグルやチベットへの侵略は、「ウイグルやチベットは中国のものだ」という宣言から始まりました。 すでに中国は、尖閣・沖縄は昔から中国のものだと言っています。2010年、中国で起きた反日デモの際には、「回収琉球、解放沖縄」という横断幕が登場しました。 中国は、将来、沖縄を自治区にしようとしています。そうなったらウイグルやチベットで起こった虐殺の悲劇が沖縄でも起こり得るということです。 しかし米軍があることで中国は沖縄に手を出すことができません。これが抑止力です。 ◆中国が沖縄で仕掛ける日米分断工作 そこで、まともに戦えば勝てない米軍を沖縄から撤退させるために、中国は沖縄県民に米軍に反感を抱かせる工作を行なっています。 また、沖縄独立を支援することで日本と沖縄を分断すれば、中国にとっては沖縄を手に入れやすい環境が整います。 それを裏付けるように、「米中経済安保調査委員会」が、「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する報告書をまとめました。(7/13産経)。 「中国が沖縄で日米を離反させるための工作活動」として、中国の動きを次のように指摘しています(抜粋)。 (1) 中国人民解放軍幹部が軍科学院の刊行物などに論文を発表し、中国がアジア、西太平洋で「歴史上の正当な傑出した立場」を取り戻すためには、有事の際に米国がアジアの同盟諸国と共に中国の軍事能力を抑えこむ態勢を崩す必要がある。 (2) 中国軍は、特に沖縄駐留の米軍が有する「遠隔地への兵力投入能力」に懸念を抱き、多角的な方法でその弱体化を図っている。例えばその1つの方法として、中国の政府機関が沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入し、沖縄の反米闘争の支援に利用している。 (3) 中国はこうした目的のために経済的圧力を頻繁に行使する。フィリピンに対してはフルーツ類の輸入を大幅に制限し、かなりの効果を得た。日本に対してはレアアース(希土類)の輸出を規制したが、効果をあげられず、他の方法を試みている。 (4) 中国は沖縄に、米軍の軍事情報を集める中国軍の諜報工作員と、日本の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日本と米国を離反させようとしている。また、中国は沖縄の親中勢力をあおって沖縄の独立運動も支援している。 (5) 沖縄にいる中国の諜報工作員たちは、米軍基地を常にひそかに監視して、米軍の軍事活動を詳細にモニターしている。また、米軍と自衛隊の協力体制も調べている。さらに中国の政治工作員は、沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動しようとしている。 (6) 中国の官営報道機関は、「琉球で2006年に行われた住民投票で、住民の75%が日本からの独立を望むという結果が出た」と報道した。だが、実際にはそのような住民投票は実施されておらず、沖縄住民のほとんどが日本に留まることを欲している。 (引用終わり) このような反米運動や沖縄独立運動等を操る中国という存在を忘れてはなりません。 ぜひ、こうした中国の工作活動があることを、特に沖縄の方には知っていただきたいと思います。それが中国から沖縄を守るための第一歩となるのです。 緊迫する南シナ海――世界が守るべき「法の支配」と正義 2016.09.10 幸福実現党・神奈川県本部副代表 HS政経塾4期生 いき愛子 ◆人工島の造成、戦闘機配備・・緊迫する南シナ海 南シナ海をめぐる情勢は、周金平政権の発足後、年を追う毎に予断が許されない状況にきております。 2013年にスプラトリー諸島で岩礁の埋め立てに着手していたことが判明すると、翌年には、ファイアリークロス礁での滑走路工事が判明し、今年からは旅客機の試験運用を始めています。 さらに石油探査と称してパラセル諸島周辺で着々と侵略を拡大し、ついに今年2月、ウッディー島にミサイル、戦闘機を配備しました。 米戦略国際問題研究所(CSIS)は、南シナ海の今後について「2030年までに事実上中国の湖になる」という衝撃の報告書(2016年1月)も発表しております。 ◆法的根拠のない中国の侵略理由 中国が領有権を主張する言い分とは何なのでしょうか。 その根底は世界の中心に中国、漢民族が存在する「中華思想」があります。 「秦の始皇帝の時代に時代にすでに東南アジア全体は中華文化に支配されており、中国を核とした秩序の下にある国際社会であった」という根拠の元になり立っています。 そして、中国は、南シナ海のほぼ全域を九本の線(九段線)で囲み、その内側は中国の海洋領土であると主張しております。 しかし、これは国際司法では全く通らない、中国の独善的見解です。 国際海洋法の前文には、「すべての国の主権に妥当な考慮を払いつつ、国際交通を促進し、かつ、海洋の平和的利用、海洋資源の衝平かつ効果的な利用」と掲げてあり、すべての国に対して公平性が担保されることが原則とされています。 ◆仲裁裁判所が南シナ海問題で初の裁定 すでに南シナ海における暴挙においても「法の支配」における制裁はくだされております。 フィリピンは中国の九段線の無効確認などをオランダ・ハーグ常設仲裁裁判所に訴えを起こし、今年7月「九段線」に関しては「歴史的な法的根拠はない」と全面的に否定しています。 さらにフィリピン漁船への妨害行為や航行の安全を脅かす行為に対しても違法性が指摘され、中国の海洋進出は侵略行為であると判断を下しました。 これに対し、管轄権を否定された王毅外相は「法衣かぶった政治的茶番だ」と一切受け付けない姿勢です。 法治主義を無視した国家の侵略に対して、理屈抜きでは解決できない面があることを、日本の政治家は重々認識しなければいけません。 ◆「法の支配」と正義を貫く気概ある国家へ 日本は、「法の支配」をはじめとする価値観を各国で堅持していくと共に、安全保障上の措置をさらに高めていく必要があります。 南シナ海における日米やフィリピンとの共同訓練は実施されておりますが、さらに自衛隊の護衛艦を派遣し独自の警戒・監視行動をとっていくことが必要です。 「法の支配」を無視し、覇権を拡げる中国に対して日本の使命は、各国以上に中国の台頭を許さない気概と正義を貫く行動力を発揮していくことです。 ASEAN各国とアメリカの間を繋ぎ、中国包囲網を築くリーダー国家としての使命が求められております。 ※参考書籍:南シナ海でなにが起きているのか-米中対立とアジア・日本-(山本秀也著) ■中東和平への関与で、ロシア外交の突破口を開け 2016.09.08 HS政経塾一期卒塾生/逗子市政を考える会 彦川太志 ◆日露首脳会談 本年、北方四島返還を含む日露平和条約の締結に向けて、日露首脳会談が精力的に開催されています。 政府は「新たなアプローチ」で領土問題に取り組み、まず経済協力から関係を強化していくことを表明しています。 一方のプーチン大統領は、北方四島を日本に与えるつもりはなく、「我々は多くを購入する用意はあるが、売るようなことはしない。」(Pravda紙)と発言し、経済支援の見返りとして北方四島を返還する意図はないことを明らかにしています。 ◆軍事費負担を軽減したいロシア それでは、経済支援以外にどのようなアプローチが考えられるのでしょうか。 それを考える手がかりとなるのが、ロシア経済に重くのしかかる軍事費です。ロシアは韓国と同程度のGDPにも関わらず、対GDP比で5.4%、664億ドルの軍事費を計上しています。 クリミア事件以降、核戦力の更新や軍事演習の活発化によって強硬な印象を与えているロシアですが、2016年5月には、プーチン大統領がシリアからロシア軍の主力を撤退させると表明しているほか、イランを経由して実施したシリア空爆を突如中止にするなど、台所事情が苦しい様が伺えます。 自国の安全保障に関わる地域から少しでも紛争を減らし、軍事費負担を軽減したいと考えているのは、米国だけでなく、ロシアも同様であることがわかります。 ◆トルコのクーデター未遂事件がシリアに及ぼした影響 そのような中で、8月26日、ロシアのアントノフ国防副大臣から日本に対して、シリアの「アレッポでの人道支援に協力して欲しい」との要請が入りました。 シリアは現在、7月15日に発生したトルコ・クーデター未遂事件の余波でアサド大統領を巡る米露の対立関係が変化しており、日本として調停役を買って出るチャンスが来ているといえます。 ここで、トルコでのクーデター未遂事件がシリアに及ぼした影響について、簡単に解説いたします。 7月15日に発生したトルコでのクーデター未遂事件について、エルドアン政権はイスラム教指導者ギュレン氏をクーデターの首謀者だと断定し、非常事態宣言を発出して同氏の運動に関連する人々に弾圧を加え、自身の政権基盤の強化を行いました。 さらにギュレン氏本人を処罰しようと、亡命先の米国に様々な形で送還圧力をかけましたが、米国は送還に応じませんでした。 このため、トルコは米国の核兵器が配備され、対「イスラム国」作戦上重要な役割を担うインシュリク空軍基地への封鎖圧力をかけたほか、シリア問題において退陣要求を突き付けていたアサド政権について、一転して「容認」の姿勢に転じ、ロシアとの関係修復を行うという外交的アクロバットを行ったのです。 クーデター未遂事件以降、トルコ国内においては、政権によって「ギュレン氏の運動と関連がある」としてパージされた者は約8万人に上り、エルドアン大統領自身が最大の利益を得るという不思議な結果になりましたが、一方で国外の動きに目を転じるとどうでしょうか。 ◆トルコと関係を回復したロシア この間、トルコと関係を回復したロシアはイランへの S300 地対空ミサイルの輸出や、シリアにおける在外空軍基地の強化などを通じて、東地中海への軍事的プレゼンスを高めたほか、トルコとガスパイプライン開発計画の再開に合意し、バルカン半島など南欧地帯への経済的影響力も高めようとしています。 ロシアとトルコの和解によって、ロシアは地中海・バルカン半島への影響力を強めていき、トルコは国内の政権基盤を強化したほか、エジプト・シリアとの関係修復に着手するといった事態が進展したのです。 そして7月下旬になると、トルコ軍が「自由シリア軍」と共に南部国境からシリア北方の町に向けて「ユーフラテスの盾」作戦を開始し、突如進撃を開始しました。 表向きは「イスラム国」の掃討が謳われておりますが、実際は政権と対立するクルド人武装勢力を国境地帯から一掃するための軍事行動であった事が指摘されています。 このようなトルコのシリア進撃を受けて、米国とロシアは、シリアでクルド人問題と言う民族対立が激化する可能性を憂慮し、「シリア領内における、クルド人の特別な行政区域」を容認せず、シリア問題の焦点を「アサド政権の退陣」から、「シリアの国家的統一性の維持」とすることで合意に至りました。 この段階に至って、トルコのクーデター未遂事件がシリア内戦問題に合流したのです。 ◆シリアでの人道支援をロシアが日本に依頼 こうした事件が進行するさなかに、ロシア国防副大臣から日本への「アレッポでの人道支援」依頼が行われたのです。ちなみに、ロシアが依頼してきた人道支援のエリアは、今回トルコが進撃した地域とは異なります。 シリア問題の解決については、中国も「名乗り」を上げており、これを放置すると、中露関係の強化による「日本外し」の進展をみすみす許してしまうことになります。 日本もロシアの要請により、シリア問題の解決を支援すると一言発するだけで、だいぶ状況は変わるのではないでしょうか。 もちろん、中東和平については軍事力による解決ではなく、まずは人道支援から入って日本的なソフトパワーによる解決のアプローチを考案していくべきでしょう。 「カネで領土を買う」という発想だけではなく、中東和平の調停の労を取ることで「貸し」を作れれば、これまでとは「別次元のアプローチ」で、日露関係、領土問題を進展させることができるかも知れません。 規制緩和で待機児童解決を 2016.09.06 HS政経塾6期生 須藤有紀 ◆切実な若いお母さんの声「待機児童、困るんです」 7月末、私はラフォーレ原宿前で簡単な聞き込みを行っていました。 信号待ちや待ち合わせ中の方に声をかけて、「東京都についてお困りのことや、もっとこうなってほしいという改善点など、ありますか?」と聞いて回ったのです。 その中で、一人の若い女性のお声を頂きました。待機児童の問題をどうにかしてほしい、というご意見でした。 「私、いまこのすぐ近くの託児所に子供を預けているんです。認可保育園も申し込んだけど、200人待ちで……。もう子供を預けるお金を稼ぐために仕事してるような状況なんです」 こうした切実な声は、全国にあふれています。 ◆増加する待機児童 9月2日に厚生労働省が発表した待機児童の数は、今年4月時点で昨年より386人多い2万3553人でした。 さらに、自治体が補助している認可外保育園に入所していたり、保護者が育休中だったり、求職活動を休止しているなど、特定の理由で待機児童扱いされていない潜在待機児童は6万7354人に上ると言います。 これを受けて塩崎厚生労働相は、「政府としては2017年度末までの待機児童解消を引き続き目指す」と述べたそうですが(9月2日東京新聞夕刊)、果たしてどこまで可能かは未知数です。 ◆保育士の待遇改善、それで本当に解決ですか? 現在、「待遇が悪い」ことを理由に資格所有者でも保育士にならないケースが多く、子供を預かる保育士の数が圧倒的に不足しているため、政府は保育士の待遇改善による人材確保に励んでいます。 保育園の数がいくら増えても、保育士がいなければ保育園は運営できません。 自治体でも横浜市や川口市などが保育士の待遇改善を求める声を上げており(9月3日日経新聞朝刊)、保育所を経営する民間企業も、入社してから保育士資格を取得できる制度の導入や、初任給の増額などで働き手の確保に奔走しているようです。 しかし、そうした対策によって待機児童の問題が解決できるとは思えません。 いくら保育園が増えても、認可保育園希望者の増加はそれを上回っているからです(官邸HP http://www.kantei.go.jp/jp/headline/taikijido/)。 現在、認可保育園には「定員は20人以上」、「3歳未満児2割以上、2歳未満児1割以上」などという規定があります。 また、「0歳児3人につき1人以上」「1、2歳児6人につき1人以上」など、年齢に合わせて何人以上の保育士資格保持者が必要、という決まりもあります。 大切なお子さんを預かる以上万全を帰すのは当然ですが、基準が厳格すぎたり、細かすぎたりして民間の参入を阻んでいるのも事実です。 こうした「保育士資格」を前提とした改善策だけではなく、資格がなくても保育士としての能力を持った人を採用できる仕組みもまた必要なのではないでしょうか。 ◆「働きたい」声を力に!規制緩和が必要です 今年6月、伊豆の蛭ヶ小島に行った時の事です。お土産物屋で店員さんに、「暮らしていてお困りのことはありませんか。 政治に解決してほしい問題はありませんか」と声をかけたところ、「もっと働きたい」との声が返ってきました。そのお店はシルバー人材センターから派遣された人で運営されていて、その方もシルバー人材でした。 「孫は遠くに住んでいて、あまり会うことができないの。でも私は子育ても経験してきた育児のベテランよ。何もすることがないのが一番つらい。別にお金がほしいわけじゃないの。私みたいな年寄りでもお役にたてるなら、保育士さんの代わりに育児したいわ。」 こうしたシルバー人材やボランティアの活用も、保育士資格に拘らずもっと検討すべきではないでしょうか。 ◆民間の力を生かす「幸福実現党」 幸福実現党の政策には、「事業所内託児施設の設置や、託児施設と老人福祉施設の一体化施設の設置をさらなる税制優遇で後押し」するということがあります。 そもそも働きたい女性が増えているのなら、福利厚生の一環として企業が独自に、自社内に安価な託児所を設けることができるのが一番良いはずです。 そのためには、場所と人にかかる規制の見直しや撤廃を行う必要があります。 政府主導で認可保育園を増やすのには、限界があります。それよりはむしろ、規制を緩和することによって解決を図る方が建設的ではないでしょうか。 保育士資格所有者の待遇改善も大切ですが、子育て経験者は講習を受講すれば資格がなくても保育園勤務ができるようになるなど、工夫の余地はあるはずです。 必要なのは規制緩和です。徒に税金を投入するだけでなく、民間の力を生かしつつ、問題解決を図ってくことが大切であると思います。 沖縄県が受け取り続けている国からの補助金(振興予算)について 2016.09.04 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆来年度の沖縄振興予算は、140億円の減額 内閣府は8月28日、来年度(平成29年度)予算案の概算要求で、沖縄振興予算について今年度の当初予算より140億円少ない3210億円を計上する方針を固めました。 第2次安倍内閣になってから沖縄振興費予算の概算要求が当初予算を下回るのは、初めての事となりました。 しかし、2016年度の沖縄県の一般会計予算が7542億円であることから、国からの振興費が40%以上を占める事となり、少なくとも、国への依存の度合が他の都道府県に比較して圧倒的に高いものであることはご理解いただけるでしょう。 ◆沖縄振興予算とは 大東亜戦争終了後、沖縄は米軍の施政下に有りましたが、1972(昭和47)年、日本政府に施政権が返還されてからは、4年毎の「振興計画」に基づいて国から「沖縄振興予算」が計上され、今まで合計約10兆円の予算が投入されてきました。 特に、橋本・クリントン会談で普天間飛行場移設の合意が行われた1996(平成8)年前後の数年間は、年間3500億円を計上、ピークとなってから徐々に減額が進み、2009年には2300億円にまで下がりました。 ところが2009年に民主党政権が誕生、移設への取り組みが粛々と進んでいたにも関わらず当時の鳩山総理が「最低でも県外移設」と主張、幾つかの候補地の視察を行い、日米関係が一気に危機に陥った局面がありました。 最終的には日米両政府の合意に至ったものの、当然、大混乱を来したのは普天間飛行場が所在している沖縄です。県民の理解を得るためにも「振興費」は再び増額の傾向を示すようになりました。 いずれにしても、「振興費」は基地問題と大きな関わりを持ってきたと言わざるを得ません。 ◆目玉としての「一括交付金」 従来型の沖縄振興予算は、主として国が定める事業を執行するための予算でありましたが、民主党野田政権下の2011年度からは「一括交付金」(年間予算1000億円)が登場しました。「一括交付金」とは沖縄振興費以外にも制度としてはありました。 今までの振興費は、港湾整備や、道路整備など、予算の目的が、明確に決められているものでしたが、この「一括交付金」はその用途の規定が、ある程度緩やかなもので、自治体の要望があれば国から沖縄県を通じて支給されるものです。 この前後の経緯を見る限り、国は普天間基地の移設合意と引き換えに、一括交付金に応じたのか、逆に国が「一括交付金」を説得の材料に使った可能性が高いと思われます。 そして、当時の仲井眞知事もこれを県民に理解を得るための一つの材料としたのかもしれません。 こうして、沖縄では基地問題が再燃すると政府からの振興費の予算が高まるという構図となってしまっており、最近の基地反対の運動も、結局振興費等、国からの補助金狙いで行われたかのような印象も与えます。 ◆振興費「増額」を求める判断は正しいのか 上記述べましたとおり、沖縄振興費は、特に普天間基地の移設に関して地元の理解を得るために増額され、今年度の予算としても支給されていますが、現在の翁長知事は、前仲井眞知事の約束を反故にし、国に対し辺野古移設の工事中止の裁判を起こしています。 これだけの反対運動を展開していながら、もう片方では「振興費の増額」を要望し続けてきたということなのです。 政治家としての信念がどこにあるのか、お金だけを一方的に要求する姿には、あまりにも身勝手な要求であり、来年度の振興費減額はいわば当たり前の判断であるとも思えるのですが、いかがでしょうか。 また、沖縄に関していうと、国防問題がさらに厳しさを増しています。尖閣を巡って、ます厳しい情勢となっています。 米国では、国内経済(雇用統計)の動向に左右されやすくなっており、ここ数か月は堅調な印象を与えるものの、まだまだ将来に不安を持っている米国民が多いもの事実です。 そうした意味で、本当に今のような沖縄県翁長県政が続くのであれば普天間飛行場だけでなく、在沖米軍がなくなる可能性が高まっています。 こうした場合、本当に自衛隊だけの防衛力で中国の脅威を防ぐ事ができるのでしょうか。真剣に国益の立場に立った判断が求められています。 ◆国益の立場から一貫して主張をする幸福実現党沖縄県本部 こうした中、さる8月21日(日)に幸福実現党沖縄県本部では、金城タツロー県本部副代表たちが中心となって沖縄県庁前等で「アジアの平和を守ろう!」デモを開催し、中国による尖閣周辺での威嚇行為の停止や、日本政府に対して台湾を国家として承認すること等を訴えました。 沖縄で「尖閣、台湾、アジアの平和を守ろう!」デモを開催! https://info.hr-party.jp/2016/3584/ そしてその様子は、沖縄県内の新聞に掲載され大きな反響を呼びました。このように、私たち幸福実現党は、国防上の大切な問題についても、立党以来7年間、一貫してその危機を訴え続けています。 ぜひ、今後とも私たち幸福実現党の活動にご理解、ご支援をいただきますようお願いいたします。 ASEAN物流の要「ラオス」を守るのは日本しかない! 2016.09.03 幸福実現党・大阪府本部副代表 数森圭吾 ◆急成長するラオス 敬虔な仏教国である「ラオス人民民主共和国」。 2015年には満足度世界一の観光地にも選ばれています。 日本が青年海外協力隊を初めて派遣した国ラオス。1965年に派遣して以来、756人が現地で活躍してきました。 また、ラオスにとって日本は最大の援助国となっており、その支援額は25年間日本がトップとなっています。 ASEAN10ヵ国のなかで最も経済発展が遅れているといわれていたラオスがいま、急成長国家へと変わってきています。 2008年以降ラオスの経済成長率は8%前後を推移しており、周辺国のタイやベトナムと比較しても急成長を遂げているのがラオスなのです。 ◆ラオス進出に必死な中国 このラオスに対して、いま影響力を拡大しているのが隣国の中国。中国のラオス進出が加速しているのです。 ラオスの首都ビエンチャンでは中国資本によって大型開発が行われており、ラオス最大の高層ビルも中国資本によって造られています。 また、ラオス・ミャンマー・タイの国境を含む地域は経済的な地理的重要性から「ゴールデントライアングル」と呼ばれています。 この地域のラオス側国境沿い約3000ヘクタールという広大な土地を、中国人投資家がラオス政府から99年間借り受けるという契約が結ばれました。 ◆中国によるラオス支援の裏側 中国はラオスへの支援を拡大していますが、そこには裏があるといわれています。 ラオス国立競技場にある巨大なスタジアムは中国が無償で建設したもの。しかしこれは完全な支援ではなく、中国は建設の見返りとして首都近くにある1600ヘクタールの土地を50年間開発する権利をラオスに要求しました。 結果、地域住民の生活基盤となっていた湿地帯などが中国資本によって埋め立てられ、経済特区がつくられようとしています。 完成後には5万人の中国人が移り住む巨大なチャイナタウンが出現する予定となっています。 ほかにも中国の昆明からビエンチャンまで走る長距離鉄道の建設もはじまっています。 この大プロジェクトの総事業費は7400億円と巨額になっていますが、なんと建設費用の70%を中国政府が負担し、ラオス負担の残り3割についても中国が低金利で融資するというラオスにとって非常に有利な条件となっているのです。 この背景には中国の習近平が進める巨大計画があります。将来的に中国からシンガポールまで3000㎞におよぶ長距離鉄道を建設し、「21世紀のシルクロードを造る」という計画の一環となっており、ラオスはその要になっているのです。 つまり新たな物流ライン建設においてラオスは中国にとって押さえるべき要所となっているのです。 さらには、2015年11月にはラオス初の通信衛星が中国によって打ち上げられ、これを機に中国はラオスの通信事業進出も狙っているといわれています。 中国がラオスにここまで進出する背景にはラオス国内に眠っているボーキサイトやカリウムなどの資源獲得も大きな理由の一つと言われています。 このような状況の中で、ラオス政府も国民も中国への警戒感を強めています。ラオスのトンシン・タムマヴォン首相は中国に対する危機感を示し、日本政府や日本企業に強い期待を持っているといわれています。 ◆日本企業への期待 過去、電力不足に悩んでいたラオス。ラオス国内では内戦が続き、政治的にも経済的にも不安定な状況でした。 そんななかラオス政府の依頼で日本企業がラオス国内にダム建設を行います。当時内戦中だったラオスにおいて10年以上の年月をかけてダムは完成しました。 その建設ノウハウを生かし、現在では38カ所もの水力発電所が建設され、近隣諸国に電力を輸出も行っていることから「東南アジアのバッテリー」と呼ばれるまでになっています。 そんななか、いま新たにラオスにおいて日本との巨大プロジェクトが進んでいます。関西電力が中心となり、ラオスに「第二のくろよん」建設がはじまっているのです。 その規模は黒部ダム貯水量の10倍にのぼります。さらにラオスには2020年までに80ヵ所のダム建設が計画されています。 これまでASEANのなかでもあまり注目されてこなかったラオスですが、これからはインドシナ半島の物流や電力のハブとなることが予想されます。ラオスへの日本企業進出は2011年から2015年で32社からか78社に急増しています。 長年ラオスへの最も多くの支援を続けてきた日本であるからこそ、日本の技術力を生かし、官民一体となって中国の拡大に対抗していかなければならないと考えます。 12月にプーチン訪日?――ロシアを「中国包囲網」に取り込むために 2016.09.01 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆本年12月で日ソ共同宣言発効60周年 昨今の報道では、プーチン大統領が「日ソ共同宣言」発効60周年を刻む12月に訪日すると言われています。 プーチン訪日の場所は安倍首相の地元・山口県で、詳細な日程は9月2日にウラジオストクで開催される日露首脳会談で決まると見られています。 ◆過去の日露の領土交渉の経緯 9月と12月の会談では、北方領土返還も含めて日露平和条約締結に関する議論が交わされるはずです。 ソ連は北海道の東北にある四島(歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島)を占領し、戦後も実効支配を続けましたが、この返還交渉は「日ソ共同宣言」でソ連が提示した歯舞、色丹の二島返還論と日本の四島返還論がぶつかり合い、その後もうまくいっていません。 しかし、ソ連崩壊後には、93年の「東京宣言」で四島に関して「歴史的・法的事実に立脚し、両国の間で合意の上作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決する」とされました。 その後、2001年のイルクーツク声明では「東京宣言に基づき、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決することにより、平和条約を締結」することを明記したのです。 プーチン大統領と森首相の間で出されたイルクーツク声明は日露の双方が重視しています。 ただ、この声明が出ても、何をもって四島の帰属問題が「解決」したとするのかは解釈次第なので、ロシアは「これで四島返還に合意したわけではない」というスタンスです。 そのため、交渉が進むかどうかは今後の日露関係の展開次第だと言えるでしょう。 ◆「ロシアに騙されるな」という意見について、どう考えるべきか プーチンは2012年3月、大統領復帰前の記者会見の席で、日露間の領土問題について「引き分け」で解決しようと発言し、その後も対日関係改善の意欲を示していますが、日本には「これはポーズだ。騙されるな」という声も根強くあります。 例えば、北海道大学の木村汎名誉教授は、駐日ロシア大使館で5年ほど勤めた知日派のアントン・ワイノ氏が新大統領府長官に就任したことに関して、「これは対日接近を企てるメッセージに他ならない」という「希望的観測を抱くことは禁物だろう」と述べています(産経正論2016/8/31)。 確かに、オホーツク海から北方領土近海までの領域はロシアが原子力潜水艦を展開するための要所ですし、同国は領土問題を抱える近隣諸国を刺激したくないので、やすやすと返還に応じられない事情を抱えています。 しかし、欧米からの制裁や原油価格の低下等によりロシアの名目GDPは2.23兆ドル(2013年)から1.32兆ドル(2015年)にまで激減し、来年もマイナス成長となることが予測されています。ロシアとしては日本や中国を含め、アジアにも活路を拓きたいところでしょう。 また、ロシアには人口がまばらな極東地域への中国人進出や中国の核戦力の強化への危惧も根強いので、日露関係の強化には、まだ交渉の余地があるのではないでしょうか。 ◆ロシアを「中国包囲網」に取り込むために 日本から見れば、ロシアと中国が組むような未来図は避けたいものです。 そして、ロシアは、近年、中国との間で「核戦力の差が縮小する」ことを「最大の懸念」としているという見方もあります(『東アジア戦略概観』2014年版)。 中露間の交流は盛んですが、ロシアは歴史認識を巡る中国の対日批判に完全に賛同せず、中国はロシアが08年(ジョージア)と14年(ウクライナ)に行った隣国の分離活動支援を支持しないなど、お互いの立場には違いがあるのです(同2016年版)。 また、ロシアがインドやベトナムにも兵器売却を行い、関係を深めていることにも、中国への警戒心が伺えます。 こうした情勢を踏まえるならば、日本は首脳会談で北方領土問題の解決を目指すと同時に、中露接近を止め、逆に中国包囲網の形成につながるように、日露関係の強化を進めなければなりません。 ※幸福実現党「日本を変える123の政策」より https://www.hr-party.jp/policy/ ロシアとの関係を強化します。平和条約の締結を目指すとともに、ロシア極東地域への投資を活発化させ、北方領土の返還を実現します。ウクライナ問題を契機とするロシアの孤立化が中ロ接近を招かないよう、日本としてロシアと米欧との橋渡しを行う外交を展開します。連携する未来のために、一手を打たなければなりません。 すべてを表示する « Previous 1 2