Home/ 2015年 September 2015年 September 欺瞞に満ちた「安心の社会保障」 2015.09.30 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆支持率回復を狙った「新・三本の矢」 先般、安倍総理は、アベノミクスの第二ステージとして、(1)希望を生み出す強い経済、(2)夢を紡ぐ子育て支援、(3)安心につながる社会保障を謳った「新三本の矢」を発表し、具体的には、(1)GDP600兆円、(2)出生率1.8、(3)介護離職ゼロなどを掲げました。 特に(2)と(3)に社会保障の充実がうたわれていることをみてもわかるとおり、国民の生活重視の路線を強調し、安保法制の成立後の支持率回復と、来年の参院選を意識した内容となっています。 なお、8%→10%への消費増税についても、17年4月の予定通り実施するとしていますが、これは、子育て支援も社会保障も、10%への消費増税が前提であるということであり、逆に言えば、「社会保障」という大義のもと、「人命」を人質に取り、誰も反対できなくさせているわけです。 ◆滞納額ワーストの消費税 ちなみに、国税庁の発表によると平成26年における消費税の新規発生滞納額が、前年度比117.1%の3294億円で、全税目の55.7%を占め、例年同様に税目別滞納額でワーストでした。 消費税率が5%から8%に引き上げられたことで、消費税の新規滞納発生額が480億円も増えました。この結果をみても、例年、滞納額がワーストであるという状況を鑑みても、やはり消費税は減税していくべきではないでしょうか。 8%への増税後、滞納額が新規で増えたということは、事業の存続のために、滞納せざるを得ない中小零細企業が増えたということです。 法人税と違い、消費税は赤字であっても納めなければなりませんから、消費増税によって売り上げが落ちた企業、特に中小零細企業の事業者は自腹を切って納めているのが現状です。 今後の倒産件数や失業者の増加、またそれに伴う自殺者数の増加が懸念されます。 ◆アダム・スミスの徴税の原則 そもそも、国民の資本、生産手段など、経済活動の元手にあたるものに対して税金をかけることは徴税の原則から外れることを経済学の父、アダム・スミスは『国富論』の中で指摘しています。 つまり、木になった果実、その実りの一部を税として納めてもらうことが原則で、元手であるリンゴの木の枝をへし、折って納めてもらったり、木の幹を削ったりしてはならないということです。 元手である木が傷ついてしまったら、果実を生み出す力がなくなってしまうからです。 その意味で、消費税は、消費活動そのものを妨害するマイナス効果しかありません。企業の売り上げ、利益を減らし、果実を生み出す力を削ぎ落していきます。 消費税は、生産者から消費者に商品が届くまでの流通過程の全てに課せられるハードルのようなものであり、このハードルの高さが増税によって上がっているのです。 さらに、消費税は、逆進性が強く、低所得者ほど負担が重いという意味で消費者いじめの税金であり、日本経済を支える中小企業に大打撃を与える税金なのです。 本当の意味で、国民の立場に立って「安心の社会保障」を謳うのであれば、消費減税こそが、有効な政策手段であるはずです。 減税を通じて個人の経済力を上げ、自立した個人を増やしていくことが、膨張し続ける社会保障費を抑えていくことにもなるのです。 ◆欺瞞に満ちた「安心の社会保障」に騙されないために 今回の「新・三本の矢」の政策において、民をいじめる消費増税を表明した一方で「安心の社会保障」を謳うとは、国民を欺いていると言わざるをえません。 日本のGDPの約6割を占める消費を冷え込ませる消費増税を宣言しておきながら、GDP600兆円を目指すとする政策は矛盾しています。消費増税は、GDPを減らすのです。 世界一の経済大国であるアメリカも、逆進性があり、物価を上昇させ、行政上のコストがかかる、などの理由から国家としては付加価値税(消費税)を導入していません。 消費大国であるアメリカは、消費の大敵である消費税の威力をよくわかっている、というべきでしょう。 アメリカのように、個人消費を増やして経済成長を実現していく路線を日本もとるべきであり、その意味で、消費減税が起爆剤となるはずです。 幸福実現党は、国民の経済的自由を守る砦として、消費減税を訴え続けてまいります。 世界経済の安定には「成長産業」が必要! 2015.09.29 文/HS政経塾第5期生 表なつこ ◆原油安で混乱する国際経済情勢 中国の景気減速によって、投資家の真理が冷え込みこれまで需要が見込めると思われていた原油価格が暴落しています。中東のみならず世界の原油産出国の景気も悪化させ始めています。 他方、原油安は日本にとってはメリットがあります。日本は世界第3位の原油消費国、世界最大のLNG輸入国であるため、原油価格の安さは貿易収支の改善などに寄与します。ガソリン代や電気料金の下落にもつながります。 その反面で石油の元売り業など資源ビジネスには苦境となります。 また、短期的にはメリットがあるものの、原油安が長期化すれば、投資の減少によって石油生産量が減ることが考えられます。 石油開発は、探鉱から生産まで3~5年ほどかかるため、開発が停滞すれば5~10年後に供給が不足して、油価が高騰する危険性もあるのです。このように、原油安は世界を混乱させる可能性を含んだものです。 ◆消費が低迷していては国内経済の成長も見込めない 安倍総理は9月24日の記者会見で、GDP(国内総生産)を600兆円に行き上げることを今後の目標に掲げました。ですが、9月8日発表の2015年4~6月木の実質GDPは、3四半期ぶりのマイナス成長となっています。 この原因は、輸出の悪化と個人消費の減少が原因だと言われています。輸出の悪化は、中国経済の成長鈍化という外部要因が強いため、ある意味仕方がないと言えますが、GDPの6割を占めている個人消費が低迷していることは不安材料です。 ここを改善しない限り、GDP600兆円は実現できないでしょう。 GDP公表後に出された各シンクタンクの見通しでは、7~9月のGDPはプラス成長に転じるという予測が主流ですが、日本総合研究所の枩村秀樹氏の観測によると、これは猛暑効果やプレミアム付き商品の使用によるもので、消費の押し上げ効果はわずかであり一過性のものだと指摘されています。 さらに、食品や身の回り品など家計に身近な品目は値上がりしており、内閣府の調査では家計の85%が1年後に物価が上昇すると予測しています(9月26日の日経新聞)。消費税10%への再増税の問題などもあります。 値上がりと合わせて所得も増えているなら問題ありませんが、所得が上がらないなか物価がさらに上昇すると考える人が増えれば、節約志向が強くなり消費が低迷することは明らかです。 アベノミクス開始以降、名目上の所得は上昇していますが、物価の上昇を上回っていないため、実質の所得はまったく増加していません。 先述の枩村氏は、「景気回復の恩恵は家計部門には全く波及しておらず、ここで好循環のメカニズムが途切れてしまっている」と指摘しています。これは、幸福実現党がアベノミクスは失敗すると主張していた通りの内容です。 個人消費を回復させるには、国内産業を活性化させ企業が利益を上げ、それによって雇用者の賃金上昇を実現させる必要があるでしょう。 翻って日本の産業界を見てみると、中小企業の多くが、電気料金が上がってもその値上がり分を価格に転嫁できず、人件費削減などで対応しています。 電気料金は、「燃料費調達制度」で原油などの輸入費用が電気料金に転換される仕組みで、電気の使用者も燃料の輸入代を負担しています。 現時点では原油価格は安くなっており日本にはメリットもありますが、長期的に見ると原油価格は上昇し続けてきたもので、さらに国際情勢の変化に応じて乱高下する不安定なものです。 ◆変動する経済環境に合わせて何が必要か考えよう! 電気料金の安定化には、原発の早期再稼働が有効です。また放射線を無効化する技術や使用済み核燃料を再利用する技術の実用化などは、人類が必要とする成長産業だといえるでしょう。 日本は、国内の可処分所得を増やし、消費拡大によってGDPを成長させ、新たな成長産業を創っていくべきです。 日本の成長産業が新たなパイを創出することによって、世界の経済的混乱も収束させることができるよう、大きな志で成長産業の育成を訴えていきたいと思います。 米国大統領候補、ドナルド・トランプ氏の主張する「日米安保論」 2015.09.26 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆すでに始まっている米国大統領選挙 来年2016年は、年初に台湾総統選挙、7月に日本で参院選挙が行われると共に、11月に米国大統領選挙が予定されており、国際政治上でも重要な一年となります。 特に米国大統領選挙は、すでに共和・民主両党の候補者選びが進んでおり、各地から候補者が名乗りを上げ、マスメディアによる討論会も開催されています。 オバマ氏が2期目であるため、新たな候補者を擁立する民主党は、ヒラリー前国務長官と、「社会主義者」を自称するバーニー・サンダース上院議員の二人に絞られつつあります。 一方、8年ぶりに大統領の奪還を目指す共和党は、ジェフ・ブッシュ元フロリダ州知事、カーリー・フィオリーナ氏(元ヒューレットパッカードCEO)などが名乗りを上げていますが、現時点で米国民の話題をさらっているのが、ドラルド・トランプ氏です。 この方は1980年代から「不動産王」と知られ、現在40億円を超える資産を持っている「大富豪」です。 彼が、8月末時点の共和党候補者の中で40パーセント近い支持率を集め、9月下旬の段階ではやや低下しているものの、依然として人気を得ている原因は、その「放言」にあり、いわば米国版「ハマコー」(浜田公一)のような方であることです。 米国でも、ときおりこうしたタイプの候補者が出るのですが、従来の政治家、あるいは政治的な手法に対する不満の受け皿になっているのかもしれません。 ◆物議をかもしたトランプ氏放言の数々 さて、その物議をかもしてきたトランプ氏の放言の数々を以下にお伝えさせていただきます。 〇「(金正恩氏について)彼は頭がおかしいか、さもなければ天才だ。」 〇「オバマ大統領は、アフリカ生まれではないか。」 〇 オバマ氏主導の医療改革(オバマケア)について「俺が大統領になったら、すぐやめる。」「俺にはもっとすごい案がある。」 〇 ヒラリー氏について「わが国の歴史上最悪の国務長官だった。」「彼女は負ける。そして負かすのは私だ。」 〇「メキシコ人はアメリカに犯罪に麻薬をもたらすし、メキシコ人は犯罪者だ。もちろんいいヤツもいるが。」「メキシコ人が来ないように国境に万里の長城を築いたらいい。」 こうした方が自国の大統領にふさわしいか否かについて、最終的に米国民は、良識をもって判断されると思います。 またトランプ氏自身は、ビジネス界出身であり、共和党の考えを直接代表しているわけではなく、一見、品性のかけらもないような発言が続いていますが、それに関わらず、一定の支持を集めている理由も考えなくてはならないと思います。 ◆日本に関する米国民の本音? 同様に、トランプ氏は、日本・アジアに関しても以下のような「放言」があります。 〇(安保法成立前の8月25日の発言)安保条約について「日本が攻撃されたら我々は直ちに助けに行かなければならないが、米国が攻撃されても日本が我々を助ける必要はない。公平だろうか。」 〇「米国は軍隊を送って韓国を守る態勢だが、得られるものは何もない。これはクレイジーだ。」 9月19日の未明に混乱の中、安保法が参院で可決成立しましたが、時を同じくして、一定の支持を集めている大統領候補者から、上記のような発言が行われたのです。(上記の「日米安保論」は、後に修正されました。) 一方、民主党は、伝統的に親中的で、ヒラリー氏のご主人、クリントン前大統領は、中国へ大きく傾斜し、結果として日本経済は大打撃を受けました。 要するに米国内では日米同盟についての懐疑的な議論がこれまでもあったし、今後も議論され続けているのです。 ◆やはり安保法制は必要。 安保法制反対の市民運動は、60年・70年安保闘争の再来を狙ったようですが、沖縄でも基地反対闘争が激化し、翁長知事は普天間基地の辺野古移設に関わる県の許認可を白紙にする方向も表明しています。 こうした状況を最も喜んでいるのは、中国・北朝鮮です。 特に中国は、フィリピンとの国境に当たる南シナ海で岩礁を埋め立て、巨大な軍事基地の建設を進めているほか、日中中間線での石油掘削事業をさらに展開させ日本との国境線を自国に有利に進めようとしています。 中国は、解放路線を進め自由の雰囲気も見えますが、実情は決して政府の批判はできず、共産党による一党独裁を改めることもできない状況で、国家による厳しい統制の中にあります。 安保法の反対派には、ゆくゆくは中国の支配下に入ってもよいのではないか、と考えている方もいるかもしれませんが、それが実現した時にくるものは平和ではなく「隷従」であることを忘れてはなりません。 一方、米国内でも中国が進める覇権主義に対し、日米同盟強化による徹底抗戦が必要だと考えている人達もいます。 そうした層の信頼を裏切らない意味で、また、トランプ氏のような国粋主義的な発言に説得力をもたせないためにも、今回の安保法制は絶対に必要であったのです。 幸福実現党は立党以来、誰が正しいかではなく、何が正しいかという観点から、党利党略にとらわれず国の進むべき方向を指し示してきました。 今回の安保法制も、やはり必要であると訴えてきました。マスコミは「戦争法案」と名付け危機を煽っていますが、実際は「戦争抑止法案」であると、現実を正直に見据えるべきです。 今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時! 2015.09.25 文/幸福実現党・北海道本部副代表 森山佳則 ◆日本は神々が育んできた「世界史の奇跡」 古来より日本は、神々に護られて、2700年以上、統一国家として繁栄してきました。 孔子や老子の時代よりも古い時代に「神武天皇の東征」が行われています。その神武天皇から現在の今上天皇まで連綿と続く世界最古の歴史を持っているのが、私たちの国です。 日本は、神々が育んできた「世界史の奇跡」でもあるのです。 先の大東亜戦争においても、同じアジアの国々が、欧米諸国の植民地支配を受け、隷従の身となって、迫害・搾取を受け苦しんでいるのを解放するために戦いました。 戦争には、アメリカ合衆国には敗れましたが、その後の歴史を見れば、アジア・アフリカにおいても植民地がなくなり、ほとんどの国が独立を果たしました。 日本の神々が目指した、植民地支配を終わらせるという大義が成就したのであります。 しかしながら、戦勝国によって、戦後、日本は、侵略をした悪い国であるというレッテルを貼られ、戦後70年たっても、それを覆すことができず、日本の正当性を世界に訴えることができておりません。 これでは、戦争中に、わが身を捧げて、自国の防衛、そして、植民地解放のために、戦った先人に対し、子孫として申し訳ない限りであります。 ◆日本は祭政一致が国体 古来より日本では、神の心を受けた政治が行われてきました。 日本の歴史を見る限り、神と政治は一体化していて、いつも「神の心を受けて政治をやろう」としていたのが、昔からの伝統で、「神に向かって、みんながまとまろう」としてきた国でありました。 わたしたちは、何よりも「信仰心」と「愛国心」を持って、この国を護り繁栄させ、神々の意思を地上で実現する義務と権利を持っているのです。 ◆新憲法制定こそ神々の意思 現行憲法が最高の法ではありません。国民の平和と繁栄と幸福のために、その時代の現状に合わせ時々刻々と変えていくべきものが地上の憲法です。 憲法の上には、神の意思、もしくは、地球的正義があります。それを無視して、一国の利得のためだけに、法体系を創るべきではありません。 また、成文法のほかに、不文法があり、日本の国体、国としての連続性を護るために、法解釈をして、三千年近い国体を護る必要があるのです。日本の歴史は、戦後の70年だけではありません。 ですから、現行憲法は、敗戦後のどさくさの中で、日本の歴史・文化にも無知で、法律に素人の占領軍の一部の人が創ったもので、当然、日本に真の繁栄をもたらすものではありません。 日本の文化伝統を受け継ぎ、国際社会で日本が果たすべき使命も含めて、新しい憲法を制定しようと思うことが、本来の国民の姿であり、日本の神々の意思でもあります。 ◆霊性革命――霊言は日本を守る神の詔 今、数多くの霊言が、幸福実現党大川隆法総裁より、神々の世界、霊界から降ろされています。実際に、神々の言葉によって、良き方向へと日本を導こうとしているのです。 今回の安保法制においても、あれだけ、マスコミや野党から反対の論陣を張られ、ゆさぶりをかけられたとしても、今回、法案が通ったのは、安倍総理の信念が崩れなかったことと、自民党が割れなかったことが大きな要因です。 これは、大川総裁の霊言を通して神々の意思はここにあるのだと、神様を信じている人たちが信念を曲げなかったことが根本にあります。 また、安保法制反対の運動や、沖縄県知事の国防を揺さぶる動きが、左翼陣営やマスコミ等を通じて盛り上がった時は、東日本大雨や大洪水、火山噴火など、数多くの天変地異が起きました。 この謎解きは、日本の神々が、この国は価値があるので、護りなさいと言っているのであります。 ◆信仰革命の成就へ、今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時 われわれは、そうした神々の意思を慮り、良心と良識で考えて決めていく、「神のある民主主義」に、入っていかなければなりません。 そうしなければ、日本を取り巻く危機的な混迷を打破し、その先に広がる世界の平和と繁栄の時代に移行することはできません。 現代の日本の神となっているマスコミが主導する「神のない民主主義」「人間のみの民主主義」の行く先は、他国に植民地化され、隷従する日本の姿しかないのです。 今こそ、本来の日本を取り戻すべく、「神のある民主主義」を進めていくべき時であり、不惜身命の精進を誓います。 『幸福実現党宣言』に見る宗教立国の理念 2015.09.24 文/HS政経塾一期卒塾生/逗子市政を考える会 彦川太志 ◆幸福実現党・立党の原点 2009年5月23日の立党以来、幸福実現党の活動は日本の政治状況に大きな変化と刺激を与えてきました。 立党当初より一貫して主張している政策は、集団的自衛権の一部行使容認や安保法制の成立を始めとした外交・防衛政策などで政府与党の政策に少なからぬ影響を与えてきました。 また地方議員も続々と誕生し、国民の皆様の付託を受けられる『開かれた国民政党』へと大きく飛躍を遂げようとしています。 本日は、創立者である大川隆法総裁先生より立党に先立って説かれた法話『幸福実現党宣言』(党指針書)から、立党の原点としての「宗教立国」の理念について、考えてみたいと思います。 ◆「マルクスの『共産党宣言』の正反対のものを目指す」 党指針書である「幸福実現党宣言」において、幸福実現党はマルクスが出した『共産党宣言』の正反対のものを目指していく旨が語られていますが、これは大きく分けて以下の2点から説明することができるのではないでしょうか。 (1)神仏の実在を前提とした国づくり 一点目は、「神様仏様の存在」を前提とした国づくりをやっていく、という点です。 この意図は、基本的人権の根拠を「神仏から魂を与えられていること」に見出し、「人権」の考え方を肉体的生存のみならず、精神的向上をも含んだものにまで高めていくことにあると言えます。 人権の根拠を、神仏から与えていただいた、魂としての自分に求めよう。というのは、幸福実現党の活動理念の根幹に当たる部分と言えますが、これについて理解を深めるには、唯物論国家の事例と対比してみればわかります。 例えば『共産党宣言』を奉じた国としてソビエト連邦と中華人民共和国が有名ですが、どちらも軍事国家であり、強制収容所と秘密警察(武装警察・サイバー警察)を使った人権弾圧と思想統制を行っている点で共通しています。 ナチス党や北朝鮮もこの点は共通しています。 一方、幸福実現党は「魂」や「精神」、「心」というものを大切にし、そうした人間の本質の奥には、「神の子仏の子としての神性」が輝いている、という前提に立っています。 だからこそ、恐怖と強制でもって人間を心の中まで支配し、国家に隷属させようとする唯物論国家の思想に対して、幸福実現党は異を唱えるのです。 (2)愛念・善念の結集としての政治運動 また、「『共産党宣言』の正反対のもの」には、政治運動のあり方も考えられます。 先ほどの「神の子仏の子としての魂」を基本的人権の根拠とする考え方に立てば、例えば教育とは人間一人ひとりの「神性」を発芽させていく触媒のようなものである事が望ましいという観点が得られます。 また、経済活動にしても、それを通してひとりの社会人としての公的な責任や、家族を背負う使命感を自覚することで、「魂の成長」を促していくような、自助努力の原理が反映された経済であることが望まれます。 つまり、幸福実現党の政策、あるいは政治運動は、「神仏の子としての本質を持つ人間が、その個性や性質を最大限輝かせていけるように」という祈りの具体化であり、愛念や善念の結集が基盤にあるのです。 一方、「革命は銃口から生まれる」と言う発言で知られるように、マルクスは暴力に訴える政治運動を肯定していました。 日本も大正期に共産主義が流入して以降、戦争や震災、経済危機などの政情不安を利用して内乱を起こし、暴力革命を起こそうとする勢力の暴挙に幾度も直面しています。 ところで、共産党の機関紙は「怒り結集」という表現を頻繁に使用していますが、共産主義思想の政治運動をよく表していると言えるでしょう。 つまり、憎悪や怒り、嫉妬などの正当化です。憎悪が呼ぶものは、さらなる憎悪、そして国家の崩壊という悲劇ではないでしょうか。 ◆「慈悲の政治思想」としての宗教立国の理念 誤解を受けやすい点ですが、幸福実現党が主張する国防政策は、マルクスのような「怒りの結集」としての政策ではありません。幸福実現党の国防政策は、「慈悲」の具体化です。 鎌倉時代、日蓮上人が身延山に篭る直前、幕府に「日本国にせめてのこされん衆生をたすけんがため」、最後の説得を行っていますが、思いとしては同じだと言って良いでしょう。 幸福実現党の掲げる「宗教立国」が、宗教的慈悲の理念に裏付けられた、世界を繁栄に導く政治思想でもあることを、ご理解いただければ幸いです。 ■『幸福実現党宣言』――この国の未来をデザインする 大川隆法著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=113 この国を、 どうすれば幸福にできるのか。 09年の政権交代~国難到来への警鐘を、 どこよりも早く訴えた国師としての政治提言第1弾。 現憲法の問題点から増税論のカラクリまで。 今日の日本の諸問題を、すでに3年前に説き明かし、 その先見力を証明した一冊。 ▽「幸福実現党宣言」とは何か ▽政治と宗教の真なる関係とは ▽現行憲法を改正すべきこれだけの理由 ▽消費税、医療制度、政治資金問題…… いま起きている政治問題の解決策を指南する 原発の安全性を高め、再稼働推進を! 2015.09.23 文/幸福実現党スタッフ 荒武 良子(あらたけ・りょうこ) ◆9月10日川内原発再稼働 9月10日、九州電力川内原発が再稼働しました。東日本大震災後の新基準下で、全国初の再稼働となります。 国内の電源構成について政府は、2030年度のあるべき比率を「原子力20~22%」とし、原発の稼働を進めていますが、元首相の小泉氏は、福島第一原発事故で原発の危険性について認識したことから、脱原発を唱えるなど、原発反対の声も根強くあります(2015年9月17日産経ニュース)。 ◆福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故の比較 原発事故で有名なものに、1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故があります。 この事故では、規則違反の試験運転を行ったことで、核反応が暴走し、原子炉自体が爆発しました。その結果、大量の放射性物質が放射され、急性放射性障害で30人が死亡しました。 一方、福島の原発事故は、チェルノブイリ原発事故のように、核反応によって起きた核爆発ではありません。 津波によって、冷却装置が故障したため、冷却できなくなった炉心が損傷して水素ガスが発生し、水素爆発が起きました。 原子炉内の水が分解して発生した水素ガスが漏れてガス爆発が起き、壊れた格納容器から、原発内の放射性物質が1%程放出されました。 福島第一原発は、一定以上の地震波を感知すると、1秒で核反応を停止する設計になっていました。東日本大震災の地震を感知して核反応を停止しています。 福島第一原発での水素爆発は、この核反応停止後、24時間以降に起きており、爆発が起きた時の放射能は、核反応停止直後の1000分の1以下になっていました。 こうした理由から、放出された放射線の量は少なく、福島第一原発事故では、急性放射性障害で死亡した人はいません。 ちなみに、チェルノブイリ原発の原子炉は、「黒鉛炉」と言って、核分裂を起こしやすくするために必要な減速材に黒鉛を使用しています。 事故当時、この黒鉛が火災を起こし、災害を拡大ましたが、日本の主な原子炉は、「軽水炉」と言い、減速材に水を使用しています。そのため、黒鉛による火災の心配はありません。 また、福島第一原発事故では、放射線被ばくによる後障害のガンの発症も起きていません。 チェルノブイリ原発事故では、放射能に汚染された牛乳が出荷され、それを知らずに飲んでしまったため、多数のガン患者が発生しました。 しかし福島第一原発事故では、そもそもの放射線量が少ないことに加えて、事故後には、福島県産の牛乳に出荷停止の措置がとられています。そのため、がん発生も防止できました。 事故当時の報道では、福島の放射線量はチェルノブイリと同程度などというものもありましたが、札幌医科大学教授 高田純氏の調査によると、実際に福島県民が受けた放射線量は、CTスキャン1回分程度だったようです。 むしろ、誤った報道による放射能への過剰な恐怖や、政府の対応の遅れよって、本来可能なはずの復興が、遅くなっているようです。(2015.9.12HRPニュースファイル「原発事故から5年―福島安全宣言!」参照) ◆原発稼働は、国防上も重要 日本のエネルギーの9割は火力発電で、火力発電のための石油や石炭の大部分は、中東などから輸入されているものです。現在、日本のエネルギー自給率は約4%です。 こうした中、仮に、中東から石油が輸入できなくなる場合や、中国によって石油輸送のシーレーンが遮断される事態が発生した場合、日本の経済や国民の生活が立ちいかなくなる可能性も出てきます。 エネルギー自給率を高めることは、日本が他国の言いなりになることなく、国の主権を守ることにもつながっています。 資源が少なく、太陽光発電等の自然エネルギーでは、火力発電や原子力発電の代替となるほどのエネルギーを得られないことからも、現状、原発によって電力が供給できることは重要なことです。 ◆日本は原子力比率を「40~50%に」――世界原子力協会事務局長発言 9月18日付、産経新聞によると、世界原子力協会のアニエッタ・リーシング事務局長は、日本の電源構成における原子力の比率を、長期的に「40~50%」まで高めるべきとしています。 政府が定めている、2030年度の「原子力20~22%」を、リーシング氏は、「長期的に見て低すぎる」と指摘しています。日本は、エネルギー自給率を高めて、安全保障を強化するためにも、原子力が重要との見方を示しました。 ◆原発の安全性を高め、再稼働推進を 震災後も、世界の各国は原発を推進する流れにあります。また、原発によってエネルギーを得られることは、国の独立を守ることにもつながっています。 原子力発電に代わるエネルギー源が見つからない以上、福島原発事故を契機として原発をゼロにするのではなく、より安全な原子力の活用を考えるほうが良いでしょう。 実際、福島原発事故の教訓を生かした新しい原子炉の開発の事例もあります。川内原発の再稼働を皮切りに、各地の原発も再稼働を進めるべきです。 参考: 「天使は見捨てない」大川隆法著/幸福の科学出版 「放射能・原発、これだけ知れば怖くない!」高田純著/幸福の科学出版 「決定版 福島の放射線衛生調査」高田純著/医療科学社 安保法の次のステップ――「憲法9条改正」を急げ! 2015.09.22 文/HS政経塾4期生 西邑拓真(にしむら たくま) ◆新安保法の成立 与野党の激しい攻防の中、19日未明、集団的自衛権行使を限定的に容認する安全保障関連法が、参議院本会議で可決、成立しました。これを受け、幸福実現党は党声明を発表しています。 「安保関連法の成立を受けて(党声明)」 http://info.hr-party.jp/press-release/2015/4718/ ◆集団的自衛権とは何か この「安全保障関連法制」は、自衛隊法など10の既存法をまとめて改正する一括法の「平和安全法制整備法」と、国際平和のために活動する他国軍を後方支援することを可能にする「国際平和支援法」からなりますが、この安保法制の柱は「集団的自衛権行使の容認」です。 この法案が成立したことにより、アメリカなど「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生した場合、わが国の「存立危機事態」と認定されれば、集団的自衛権の行使が可能になりました。 集団的自衛権とは、同盟国などが攻撃されたとき、自国への攻撃と見なし、共同で攻撃に対処できる権利のことを言います。 この行使については、国連憲章第51条に自衛権の一種として認められており、国際社会では集団的自衛権を行使できるのは当たり前であると捉えられています。 尚、新安保法制が必要に迫られた背景には、「中国の軍事力拡大」と「北朝鮮の核問題」があります。安全保障環境の悪化傾向が著しい中で、日本は自国の防衛力の拡大の必要性に迫られているわけです。 ◆新安保法制の意義 1960年に岸内閣の下で改訂された新日米安全保障条約の第5条には、わが国に対する武力攻撃があった場合、日米両国が共同して対処することが定められています(米国の日本防衛義務)。 この条約下では、日本側は必ずしもアメリカを防衛することは必要ない状態となっていますが、それは、これまで日本は憲法上の解釈の制約により、個別的自衛権の行使に限定されるという方針を採ってきたからです。 このことに対し、アメリカでは、「費用面において軍事的負担がアメリカ側に多くなりすぎている」「アメリカが日本を防衛する義務のみ定められた状態では、日本がアメリカにとっての潜在的な敵対国と協調を採る余地が残っている」などといった批判も一部で存在していました。 日本が今回、憲法解釈の変更を下に、新安保法制を成立させ集団的自衛権の行使が可能になったことによって、上のような安保法制に対するアメリカ側の懸念を緩和することができ、日米の信頼関係の醸成を期待することができるわけです。 つまり、この新安保法制は、東アジアの安全保障環境の悪化を背景に、日米が互いに守り合う関係を築いて日米同盟を深化させることで中国・北朝鮮に対する「抑止力」を強化し、戦争を未然に防ぐための基盤を整えたところに、大きな意義を見出すことができるわけです。 ◆次のステップとして、「憲法9条の改正」へ 安保法の成立に対し、米国防総省のアーバン報道官は18日、「日本が日米同盟を強化し、地域と国際社会の安全保障に、より積極的な役割を果たそうと努力し続けることを歓迎する」という声明を発表しています。 また、オーストラリアや、中国と南シナ海において領有権を争っているフィリピンなどといった国々も、同法案の成立に対し歓迎の意を表明しています。 こうした声を鑑みても、「日本が国際平和により積極的に貢献する」ということに対し、世界から大きな期待が寄せられていることがわかります。 日本は、こうした期待に応えて協力関係にある各国と手を携え、侵略的な意図を持つ国家から「自由」を守り抜くために、更なる防衛力強化のための環境を整える必要があります。 そのためには、憲法解釈議論から脱し、堂々と「憲法9条改正」を行うことが今後必要となっていくでしょう。幸福実現党は、「憲法9条改正」の実現に向け、「信念」を持って取り組んで参ります。 翁長沖縄県知事の危険な国連行脚【後編】 2015.09.20 ※月曜日、HPRニュースファイルは休みの曜日ですが、昨日のつづきを配信させていただきます。明日は、HPRニュースファイルはお休みです。 文/幸福実現党・沖縄県本部副代表 金城竜郎 ◆琉球新報の誇大な報道 ところで、5月に始まった普遍的・定期的審査(UPR)による米国の審査内容について、琉球新報の記事では、「在沖米軍基地に改善勧告 国連審査報告書 人権侵害など指摘」とあります。 国連加盟国のうち数か国が、米国の人権状況について改善を勧告した、ということであり、特別沖縄の米軍基地について審査したわけではありません。 この記事は国際社会で沖縄のことが大きく取り上げられているかのような印象と誤解を与えるものです。 ◆国連特別報告者の間違った意見が報告される 人権理事会には30名の特別報告者が任命されています。 そのうちの一人、ビクトリア・コープス氏(フィリピン)が「島ぐるみ会議」の要請を受けて来沖、沖縄大学の講演を行いました。 この中でコープス氏は「沖縄は独自の文化、言語を持っていることから先住民族と言える」と指摘し、その上で辺野古基地建設に反対する先住民の権利を述べております。 しかし、沖縄県民は、「先住民」と確定しておりません。また、辺野古で違法な座り込み、ボーリング調査の妨害を続けている人たちの多くは県外からの参加者であり、沖縄県民ですらありません。 そして何よりも、辺野古区商店街の人たちが区長に対し、座り込みを続ける住民の退去を陳情しているのです。コープス氏は、本当に辺野古区民と対話をされたのでしょうか。 このような誤った認識のままコープス氏は、9月14日からの国連人権理事会で報告書を提出します。 それが米国に対する本会合採択に影響を与えるため、米国政府の沖縄県民に対する悪印象を与えることは間違いないでしょう。 むしろコープス氏は、フィリピンから米軍が撤退した後、中国によって七つの新基地を周辺海上に建設され、南シナ海最大の脅威となっている現実を沖縄県民に伝えるべきだったのではないでしょうか。 ◆県民の代表として行くことは許さない 翁長知事の国連行脚について、正しい理解が必要です。なぜなら、その背景に、琉球民族独立運動があり、また近年中国国内で政府系メディアによる琉球独立支援報道が多発しているからです。 2013年5月15日、沖縄県の本土復帰の日に琉球民族独立総合研究学会が設立されました。共同代表は龍谷大学の松島教授です。 松島教授は琉球独立後、米軍を完全撤退させ非武装中立国として国連に加盟し、アジアの平和の中心に琉球を置くという、非現実的な理論を展開しております。 まるで連携しているかの如く翌16日、中国政府系の新聞に、琉球独立を支援する記事が掲載されています。 人権理事会本会合で沖縄県民を代表して意見を述べる、ということは、先住民族のリーダーが日本国からの自決権をめぐって陳情しにきたとしか思われません。 しかも発言枠を譲った「市民外交センター」は先住民族の権利のために活動している団体です。 知事はその後英国へ飛び、スコットランド担当大臣と面会したい、と外務省に打診しています。このような行動は日本からの独立運動の一環だとしか認識されません。 現在、日本政府は沖縄県民を先住民族と認めておりませんが、翁長知事の行動の結果、政府も国連からの圧力に屈してしまうかもしれません。 沖縄県民の先住民族化は、米軍撤退、中国編入への道です。そうなってしまったならば、日本本土のシーレーンも確実に封鎖されます。 ですから、翁長知事の国連行脚は、我が国の危機であります。我が国の国連への分担金は米国に次いで第二位です。それも国民の税金がつぎ込まれています。 その国連を利用して日米両政府に揺さぶりをかける、ということは全国の納税者に対する最大の冒涜以外の何物でもありません。絶対に許されない行為です。 幸福実現党も可能な限り活動して参ります。ぜひ全国民の皆様も沖縄県知事の行動に対する監視の目を鋭く光らせていただきたい、と切に切に願います。 翁長沖縄県知事の危険な国連行脚【前編】 2015.09.19 文/幸福実現党・沖縄県本部副代表 金城竜郎 ◆沖縄の民間団体が国連との特別協議資格を持つNGOに要請? 7月23日付琉球新報に、「翁長知事の国連演説、実現へ 9月人権理事会で」という記事が掲載されました。その中に「国連人権理事会で、翁長雄志知事が辺野古新基地建設問題について演説するための見通しがついた」とあります。 記事には続けて「今回、国連との特別協議資格を持つ国連NGOの『市民外交センター』が『島ぐるみ会議』などからの要請を受け、人権理事会での発言時間を貸与する意向を示している」としています。 ここで注意しなければならいのは、知事サイドから国連との特別協議資格を持つNGOに要請があったのではなく、「島ぐるみ会議」からの要請で実現したということです。 ◆「島ぐるみ会議」とは ここで「島ぐるみ会議」という団体について述べます。 2013年1月28日に沖縄県議会各会派代表、全41市町村長・議員らが、押印した上で名前を連ね、米軍普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設断念などを求めた「建白書」を安倍晋三首相に手渡しました(平成25年度予算政府案閣議決定の前日) この時、手渡したのは知事になる前の翁長雄志那覇市長です。 その後、安倍首相に手渡した「建白書」を実現する組織の結成大会が、昨年7月27日に宜野湾市民会館で行われました。 正式団体名は「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」です(以下「島ぐるみ会議」)。 そして「島ぐるみ会議」は、そのまま最強の県知事選挙の集票マシーンともなり、翁長知事を誕生させました。 ところで、幸福実現党は、兼ねてより辺野古移設反対にせよオスプレイ配備反対にせよ、沖縄のメディアや現職議員が「県民の総意」と表現することは過りであると表明して参りました。 我が党の活動によりこの言葉が封じられ、「建白書」を安倍首相に手交した首長らは、「オール沖縄」という言葉を使うようになりました。 しかし現実は翁長市長(当時)の独裁権力によって有無を言わさず「建白書」に名前を連ねさせられていた首長もいたのです。 更に今年4月9日、「島ぐるみ会議」は辺野古建設阻止のための「辺野古基金」を創設、9月2日現在で、4億3500万円以上の寄付が寄せられております。 県外からの寄付も7割を超え、恐るべきことに「島ぐるみ会議」はオール沖縄を超えてオールジャパンを叫ぶようになりました。 民間団体の基金であるのに関わらず沖縄タイムス、琉球新報は紙上に口座番号まで掲載し推進しており報道の偏向ぶりは異常の一言に尽きます。 「島ぐるみ会議」は、5月17日に沖縄セルラースタジアムで行われた辺野古建設反対の県民大会の主催者にも名を連ねています。 今回「島ぐるみ会議」は、国連との特別協議資格をもっている民間団体(NGO)の「反差別国際運動」(IMADR)を通じて翁長知事の国連演説を企画しました。 そして「反差別国際運動」からの働きかけによって、「市民外交センター」が国連での発言枠(2分間といわれている)を譲ることになったのです。 ◆国連の人権理事会とは 沖縄の新聞では国連の人権理事会で翁長知事が辺野古移設反対を訴えると報じておりますが、そもそも人権理事会は辺野古移設の良し悪しを議論する場ではありません。 人権理事会とは、国際連合加盟193か国の人権の状況を定期的に見直し、深刻かつ組織的な人権侵害などに早急に対処するための常設理事会のことで、スイスのジュネーブに事務所があります。 人権理事会では国連加盟各国の人権状況を監視し、その尊重に実効性をもたせるために、普遍的・定期的審査(UPR)といわれるメカニズムが制定されています。すべての国連加盟国の状況を4年半ごとに1度審査するというものです。 今年の5月には、米国他14か国の人権状況の審査が始まりました。9月には審査結果の勧告及び結論、そして米国の自発的制約をもって本会合で採択されます。 EUでの難民問題から考える日本の難民対策 2015.09.18 幸福実現党 兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆流入する大量の難民と、EU諸国の問題点 先日のHRPニュースにもありました通り、(http://hrp-newsfile.jp/2015/2402/) シリアを中心とした難民問題が、ギリシャ財政危機以上にヨーロッパを揺るがす大問題となっています。 ワシントンポスト紙によれば、今年9月までに欧州に到着している難民の数は30万人。 EU各国は難民申請者ら12万人の追加受け入れ負担を分担するため22日に緊急理事会を行う予定です。 ドイツは今年80万人を受け入れると言っていますが、ポーランド・チェコ・ハンガリー・スロバキアは受け入れ義務化に反対しています。 イタリア・ギリシャは、すでに地中海経由での難民が流入しているため割り当て対象から外されており、イギリス・デンマーク・アイルランドはEU条約上の権利によりこの割り当てには参加していません(ただイギリスは2020年までに2万人を受け入れると発表しています)。 難民問題に関してひと括りにEUとして結論を出すことは、経済成長率や財政状況、過去の歴史があまりに違うため、無理があるように思います。 しかし、アフリカや中東をケーキのように切り取り、植民地にして利益をむさぼり、その後の内戦や独裁を引き起こす原因を作った旧主国には、その結果として生まれた難民をある程度引き受ける義務があります。 EU内国家の財政破綻問題、さらにはこの難民問題を通して、EUの不都合と旧主国による植民地主義への反省が明らかになってくるのではないでしょうか。 ◆世界の認識――秩序維持のために必要な軍事力 難民問題に関しては、世界の警察を辞めたアメリカのオバマ大統領を批判する声が多く聞かれます。 アメリカがシリアのアサド大統領を止めるために介入しておけば、これほどの難民は生まれることがなかったはずだと。 正義とは、世界の秩序を維持することであり、そのために時に軍事力も必要となる。これが難民問題から導き出された一つの答えです。 このような議論が世界中で行われている同時期に、国会前や国会内において安全保障法案成立阻止を求める運動が行われ、自衛隊員のリスクが問題となる日本は、世界の人たちからどのように見られているのでしょうか。 世界第三位の経済大国日本であるならば、世界の秩序維持の責任も感じるべきでしょう。 ◆日本が行うべき難民対策支援 現在、シリアから逃げ出した避難民は400万人。そのうち、隣国のトルコに190万、レバノンに110万、ヨルダンに60万人以上が押し寄せている状態です。 これら三カ国への負担は莫大である反面、彼らの基本的需要を満たす国連からの資金提供支援は33%しか満たされていません。 日本人としてはなじみが薄い難民問題ですが、人道支援の側面からやはり数千人単位の難民を受け入れるべきではないでしょうか。 さらに、中国の崩壊や北朝鮮・韓国戦争が起きて難民が発生した際のシュミレーションをするべきでしょう。 現在、地中海ルートを使ってイタリアやギリシャに難民を運ぶ業者は、EUの海上国境警備ができていないことを知っています。 ウォールストリートジャーナル紙では、欧州全体の防衛支出はかなりの額が削減されており、長年の海軍・沿岸警備隊への必要な投資をしなかったツケだと指摘する専門家もいます。 同じことが、東アジアで難民が発生した際、日本海側の問題になるはずです。混乱と無秩序を引き起こさないためにも、難民問題に備えて防衛費の確保が必要です。 それでもやはり、東南アジアで難民が発生した際には、大東亜共栄圏を目指した日本が中心となって難民受け入れを行わなければならなくなるでしょう。 難民の受け入れ方法や人数、受け入れ場所、受け入れ後のプランを考えていなければ、場当たり的な対処となり、国内・海外からの批判にさらされることになりかねません。 また、その間に尊い命が失われることにもなります。 欧州での難民問題を他人事ととらえず、近い将来の自分たちの姿を想定した具体的な難民対策支援が求められています。 すべてを表示する 1 2 3 Next »