Home/ 2014年 November 2014年 November バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(2) 2014.11.30 文/幸福実現党・京都府本部副代表 植松満雄 前回、1990年代の日本のバブルについて述べました。今回は中国経済の「バブル状況」は、どのようにつくりだされたのか、かつての日米の経済と比較しながら説明致します。 ◆中国の投資資金はどこから来たのか? 中国は、北京オリンピック以降、過剰投資の資金をどうやって作り出したのでしょうか? 中国は、5カ年単位で計画経済(統制経済)を立てる国であるので、投資の元手は中央政府が一括で管理、規制しているために簡単に地方に資金が出ないのです。 また、2010年当時、中国人民銀行は、景気の過熱を抑えるために、金融引き締め政策を行ないました。 この時点から、資金を銀行から借りられなくなった地方政府は、「シャドーバンキング(影の銀行)」に頼るようになったのです。 地方政府は、「融資平台」という投資会社をつくり、証券会社などから資金を借りさせて、金融引き締めによる規制をくぐり抜けました。 その「シャドーバンキング」には二つあって、一つは銀行が企業に資金を貸し付け、その企業が他に高い金利で貸し付ける「委託融資」というものと、貸出債権を小口化した「理財商品」があります。 ◆シャドーバンキングの市場規模? そして銀行が年率10%もの運用利回りを謳って、「理財商品」を売り、投資家を募りました。集めた資金量は、2010年末で50兆円弱でしたが、2013年6月末には144兆円まで膨らんでいます。 シャドーバンキングそのものも2010年末に176兆円だったものが、2013年6月の段階で496兆円と実にGDPの6割となっています。(モルガン証券の調べでは7割とも) それが今では、約半分の150兆円以上が返済不能(デフォルト)に陥っているのではないかと推定されているのです。 ちなみに、日本のバブル崩壊で発生した不良債権は50兆円と言われていますので、中国のバブル崩壊で150兆円の不良債権が発生すれば、日本を超える未曾有の不景気が起きる可能性があります。 ◆中国のバブルと日本のバブルの違い ただ、中国の不動産価格の推移や家賃の上昇率をみると、バブルというには程遠く、『最近の中国住宅市場の動向について』を見ると、2007年から12年までの5年間で、住宅価格の上昇率は30%にも届いていないのです。 一方、日本のバブル期(84~89年)の5年間を見てみると、不動産価格は2倍近く上昇しています。 単純に住宅価格の上昇率だけを見ると、中国のバブルはさほど危険な水準では無いように見えます。中国の問題は、シャドーバンキング規制が遅れているため、不動産融資が止まらないことです。 中国の不動産価格上昇率が高くないのは、不動産が供給過剰となっており、住宅開発が多すぎて、需給バランスが崩れ、不動産の価格が頭打ちとなっているからです。 ◆中国のシャドーバンキングと日米の経済 ただ、シャドーバンキングは、何も中国にだけの特有のものではありません。 2008年に起こったアメリカにおける「サブプライムローン問題」とも類似し、1989年頃、「財テクブーム」だった日本にもあった話です。 日本においては、証券会社が利回り保証(握り)として「営業特金」なる運用委託商品としてつくりだしたのですが、これを当時の大蔵省証券局が法規制したのです。 ここから日本経済が狂い始めました。当時の名目経済成長率は5~8%でした。実質は4~5%で、失業率は2~2.7%、インフレ率は0.5~3.3%。今から見れば夢のような数字です。 ここで、「バブル潰し」と称して、「金融引き締め」をやったことが日本経済をダメにしたのです。 バブルは土地と株式の制度上の欠陥があって価格高騰を招いたのであって、物価そのものは安定し、日本経済がハイパーインフレを起こしていたものではなかったのです、まったく不必要な政策でした。 ◆今後、中国のシャドーバンキングはどうなるのか? 今後、中国で一つのシャドーバンクが破綻すれば、他の金融機関も貸し渋りが加速し、企業の連鎖倒産も増えるでしょう。 「理財商品」は、当然デフォルトに陥り、多くの中国人投資家が損失を被り、地方政府も多額の不良債権を抱え、財政破綻が相次ぐ事態となることは避けられません。 2014年3月の記者会見で李克強首相は、「中国の政府債務リスクは全体としては制御可能で、シャドーバンキングに対する監督管理を強化している」と発言しました。 中国政府が目標としている7.5%成長が維持できれば、銀行貸出も続けられますが、それが出来なくなると、官・民・投資家に至るまで、中国の経済主体のほぼ全てで崩壊に向けてのカウントダウンが始まることになります。 次回は、習近平政権の政策と、それに対する日本の対策を明らかにして参ります。 バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(1) 2014.11.29 バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(1) 文/幸福実現党・京都府本部副代表 植松満雄 今、中国共産党政府の経済の舵取りが危ぶまれており、長谷川慶太郎氏や三橋貴明氏らの評論家は、かねてより中国経済のバブル崩壊を指摘しています。 もはや、中国経済での産業の空洞化は誰の目にも明らかとなってきており、中国共産党政府という国家の明日に希望はないことを指摘するとともに、日本が取るべき対応について3回に分けて述べて参ります。 ◆中国経済――「政府主導」の投資 中国経済は、銀行やシャドーバンキングからの借金が6割から7割を占めており異常な状態にあります。 これまで中国経済は、外国企業が工場を建て(投資)、農村から集めた安い労働力で、海外に輸出して外貨を稼いできました。 ところが、ここ最近、にわかに豊かになった「資本家」(最近ではアリババに代表されるようなNY証券取引所やナスダックに上場した一株成金たち)が多数輩出されています。 そういう人々(主に中国共産党政府要人)が「カネがカネを生む」やり方で再投資を仕掛け、資本を回転させ、GDPを膨張させています。 こうした中国のような経済成長構造を「投資主導型」といい、中国経済の実に6割にまで及んでいます。 80年代後半の日本によく似た現象としてあった「バブル経済」の時代でも3割まででした。それも日本は「民間主導」であって、中国共産党政府の生み出したものとは全く違うものと言えます。 ◆中国のバブル型「投資主導型経済」 中国での「投資主導(バブル)型経済」の主役は、なんと日本の都道府県に当たる「地方政府」が旗振り役です。 それも、「地方政府」が将来性や需要を見て投資をしたのではなく、あくまで共産党幹部が「自分の利益」のために投資したものです。 そして、投資をすればするほど、GDPが増えるので、道路や橋、鉄道、などのインフラ整備、金額が上がるマンションを建設し、各地方都市に「ニュータウン」が乱立していきました。 こうした不動産開発投資がGDPの15%を占め、2009年以降4年間で110兆元(1700兆円)以上にのぼっています。 それでも、中国政府は2008年の北京オリンピック開催によって、外資を誘致させることに成功しました。 これによって、2008年以降は明らかに、日本のGDPを意識した過剰投資が功を奏し、日本の倍のGDPをなっています。 ◆日本のバブル そもそもGDPは、「消費」と「投資」と「輸出」の金額の合計で計られます。 この20年間、日本の経済は「失われた20年」と呼ばれ、長い間、足踏みが続いてきました。 日本では85年のプラザ合意以降、1ドル240円が1年で160円、2年で120円まで円高ドル安が意図的に進められました。 そのため、過剰な円買いドル売りとなったため、国内において資金の供給過剰を生み、土地や株式への投資が進んだのです。これがバブル経済を生み出しました。 この事態を見ていた官僚やサヨク系の学者らが、「不労所得はよくない」「土地転がし」「一株成金」と、資本主義社会を否定するような発言や国民が豊かになることを許さないような政策を実施しました。 そして政府(特に日銀と大蔵省)が一斉に「バブル潰し」を行いました。その時に失った損失は、ざっと3000兆円(土地の値下がりと株式暴落、債券暴騰、等)です。 実は、1990年代、既に日本は、(失敗はしましたが)世界経済のリーダー的な仕事をしていたとも言えます。 では中国経済の「バブル状況」はどうして生み出されたのか、次回説明いたします。 保守主義と自由 2014.11.28 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆保守主義と自由 12月14日投開票を迎える衆院選挙に向けて、幸福実現党は、「この国に、もっと自由を」というスローガンを掲げています。 保守政党という観点から幸福実現党が訴えている「自由」について述べたいと思います。 保守主義は「自由」に大きな価値を見出しています。リベラルも同じように自由を追求していますが、保守主義の自由は、自由に伴って発生する責任を強調している点が違います。 「自由」を標榜して、各人が周囲のことをかえりみず、好き勝手なことをやりはじめれば、人間はお互いに「自由」を侵害することになります。自由だから、車で逆走してもいい、ということになれば他者の移動の自由を著しく侵害します。 責任を伴わない自由がもたらすものは社会の混乱と個人の堕落です。 ◆能力の限界を自覚することで責任が生まれる 保守主義者は人間が万能でないということを深く自覚しているからこそ、責任を訴えます。各人が責任を負える範囲で、自由を行使し、創造性を発揮することが、個人の幸福、社会の発展につながるのです。 もし、人間が万能ならば、あらゆる問題はたちどころに解決します。 少子高齢化、不況、失業、企業の倒産、紛争、戦争などといった問題は人間に限界があるからこそ存在しています。 これらの問題への対応策にも物理、経済、環境、個人と組織の能力による制約がかかります。 その現実を深く認識していたからこそ、戦後「鉄のカーテン」演説を行ったチャーチルは、イギリスの危急存亡の秋に、スターリンと手を結びました。 ◆リベラルは責任を「政府」に求める 人間に限界がある以上、人間によって作られる政府にも限界があります、しかし、リベラルは「政府は万能である」という考えをもっているようです。 政府が決意すれば平和が訪れる、国家が判断すれば原発は廃止できる、経済が縮小していても、社会保障は充実できる。 万能の政府によって、国民は甘い幸福を享受することができる。 しかし、その先にあるものは政府によって飼育される家畜の自由であることを知らなければなりません。 ◆この国に、責任をともなった真の自由を 自由と責任の背景には、原因と結果の法則が存在します。 「良い種をまけば、良い果実が実り、悪い種をまけば、悪い果実が実る」 自由は良い方向で発揮されてこそ、良い結果をもたらします。責任が良い自由を発揮する指針となります。幸福実現党は責任を伴った自由によって、繁栄と平和を実現します。 < 参考文献> 釈量子『命を懸ける』 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1351 P.F.ドラッカー『産業人の未来』 A.ハミルトン、J.マディソン、J.ジェイ『ザ・フェデラリスト』 「自由からの繁栄」――幸福実現党が考える国家ビジョン(2) 2014.11.26 文/幸福実現党・政務調査会長 江夏正敏 ◆宗教をバックボーンにした政策 近年では、深刻化するいじめに凄惨な殺傷事件が起こっています。教育現場が荒れているのは、宗教的な情操教育が欠けているからです。 宗教的バックボーンがなければ、神仏に創られた存在としての人間の尊さを説明することはできません。また、日本が発展するには天才が必要です。 能力のある人が一人出ることによって、国の経済を発展させ、多くの人々の暮らしを支えることができます。日本は、世界をリードする人材の輩出に向け、教育再生に取り組まねばなりません。 社会保障に関しては、国民の皆さんに補助金漬けの人生を送っていただきたくありません。私たちは生涯現役社会を主張していますが、財政面から提唱しているわけではありません。 人間は本来、「社会に貢献したい」という気持ちを持っているのですから、「働きたい方はいくつになっても働けるようにしましょう」ということです。働いたほうが健康でもあるし、結果として医療費抑制にもつながります。 ◆宗教立国と自由の大国 自由の行使には責任が伴います。法律さえ犯さなかったら何やってもいいのかといえば、そうではありません。 自由であることの担保として、宗教が必要だと考えています。経済面でもそうです。資本主義の根底に精神的基盤がなかったら、単なる金もうけ主義になってしまいます。 私たちは、「宗教政党だから票が取れない」と言われます。 しかし、「宗教政党」の看板を下ろすつもりはありません。経済においても、教育においても、社会保障においても、宗教的価値観なくして、山積する問題は解決できないと考えるからです。 宗教政党にこそ可能性があり、未来があると私たちは考えています。さまざまなこと述べましたが、「幸福実現党が何をしたいのか」という輪郭だけでも分かっていただけたとしたら、それは私の喜びです。 ◇「江夏正敏の闘魂メルマガ」配信中! 登録(購読無料)はこちらから https://m.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=enatsu 「自由からの繁栄」――幸福実現党が考える国家ビジョン(1) 2014.11.25 文/幸福実現党・政務調査会長 江夏正敏 9 月25日、主義主張・政党を超えた自由な議論を通じ、「真の民主主義社会」実現に向けた政治リーダー輩出を目的とする日本政策学校で、江夏正敏政調会長が講義を行いました。 今春発表した「政策パンフレット【宗教立国編】」をテキストとした講義内容を二回にわたってご紹介します。(「幸福実現NEWS」第61号より) ◆幸福実現党立党の理由 幸福実現党については、「名前は知っているけれど、何を主張しているのかは分からない」という方もいらっしゃると思います。 私たちは2009 年5月、北朝鮮によるミサイル発射はじめ国難が迫るなか、「自民党政権ではこの難局に対応できない。ましてや、民主党政権が誕生したら、国防面での危機が深刻化する」と考え、立党しました。 私たちが一貫して国防強化を訴えているのは、いくら経済が発展したところで、他国に占領されてしまったら、すべて終わりだからです。 決して戦争をしたいわけではなく、「国民の生命・安全・財産を守りたい」「この気概がない政治家には退場してほしい」という思いが私たちにはあったのです。その気概こそが5年前の立党精神です。 ◆人々の「幸福」のために 私たちが政治活動を続けている理由は、人々を幸せにしたいからです。 人生観や世界観といった哲学によって、政策は根本的に変わります。 唯物論に立脚し、「人間は機械である」「モノである」という考えは、突き詰めれば、「悪いことをしても、ばれなければ問題ない」「人はモノなんだから、思いやりなんてどうでもいい」といった方向に行くことになります。 唯物論の国では大量虐殺も起こっています。しかし、私たちは人間をモノとは考えません。人間の本質は神仏に創られた魂であり、この世とあの世を転生輪廻しながら、魂修行をしている存在だと定義しています。 人生の苦難、困難があるなか、他の人を幸福にするような生き方をしていくなかで魂修行をし、悟りをつかんでいくという人生観です。 私たちはこうした人生観に基づき、この地上をよりよい魂修行の場、ユートピアとするための政策立案を行っています。 例えば、社会保障に関しては、バラマキ政策をとる政党もあります。一見、優しい政治です。 もちろん、セーフティネットはあってしかるべきですが、過度のバラマキは、自助努力の精神を衰退させ、人間の魂を腐らせることになると考えます。 この世に生まれてきたからには、自助努力の精神の発揮こそが大事だと信じるからです。 ◆日本をもっと強く、もっと豊かに 幸福実現党は自由を重視しています。中国や北朝鮮のような自由を阻害する国家体制は、人間の本来の性質に反すると考えます。 香港では、選挙をめぐって反政府デモが行われていますが、自由が阻害されるというのは大変なことです。自由を守り、人間が魂修行をしている尊い場を他国の侵略行為から守ることは善であり、国家の責務です。 次に、経済成長。「成熟社会でもはや発展は望めない」という考え、縮み志向を私たちは取りません。なぜなら、人間は社会の発展・繁栄に貢献したという充実感を得たときに幸福を感じるからです。 社会に貢献するということは、付加価値を創出することです。人間が生み出す付加価値の合計がGDPです。だから、私たちは経済的発展を善だと思っています。 全世界の人口は100 億人に向かっており、世界経済はインフレ要因を有しています。こうしたなか、強い産業 力、経済力を持つ日本は、もっと発展できる力をまだまだ持っています。 失われた20 年、GDPが横ばいで推移してきたのは、政府や日銀の政策が間違っていたからです。私たちは2009年から一貫して金融緩和の必要性を訴えてきました。民主党から安倍政権に変わり、日銀が異次元緩和したら日本の経済は一変しました。 (明日につづく) ◇「江夏正敏の闘魂メルマガ」配信中! 登録(購読無料)はこちらから https://m.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=enatsu 「消費増税10%延期、いや、8%のままでいいのか」 2014.11.24 文/幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆消費税率10%、8%、5%、どれを選ぶか 今回の衆院選で議論されるべきは、消費増税についてです。 「消費増税は既にほとんどの政党が『10%増税先送り』で一致しているので、議論の余地はないのでは」と思われるかもしれません。 しかし、よく見ると政党毎に消費税の税率とその元にある考え方が違うのがわかります。 第一は、自民党、公明党、民主党を中心に「10%先送り」派です。これは「今は上げない」というだけで、2017年4月には必ず10%に上げるという意味なので「10%増税派」です。 第二は、共産党のように「10%増税反対」を明確にしているところで、裏を返すと現在の「8%は実質容認派」です。 第三が、幸福実現党が主張する、「5%に戻す」という「減税派」です。 つまり、税率でいうと、10%、8%、5%の3通りの選択肢があることになります。 第一の「10%増税派」の考え方は、「確かに8%への増税で、4月以降予想以上に景気が落ち込んでいるが、必ず景気は戻るはず」というものです。 「今はたまたま夏の天候不順等で景気の戻りが遅れているだけ」で、本来なら今頃「V 字回復」しているというわけです。 しかし、増税先送りだけで本当に景気は戻るのでしょうか?それを危惧する理由は、以前にも同じことがあったからです。 1998年に橋本龍太郎内閣は消費税を5%に増税しましたが、その後景気は大きく落ち込み、税収全体が減少しました。そして、景気への影響はその後数年に渡りました。 一方、第三の選択肢「5%への減税」案は、そもそも「8%が問題」だと考えています。 17日発表の7~9月期の国内総生産(GDP)速報値によると、実質成長率は前期比年率換算で2四半期続けてマイナスに落ち込んでいます。 全く予想外のまさかの結果です。今の日本経済は、景気回復どころか、デフレに戻りつつあるのです。 そこで、増税先送りだけでは景気回復不能であり、アベノミクスの金融緩和に加えて、減税が必要であるという考え方です。 ◆社会保障の税源はどうするのか? この第三の減税案に対しての批判として、高齢者や、最近は若者層も、「消費増税を先送りしたら、社会保障の財源はどうなるのか?」と心配されます。 しかし、話は逆で、消費増税すると年金のお金はもっとなくなります。そもそも年金は消費税だけでまかなえるものではありません。税収全体が増えないと不足分を埋められません。 消費増税の特徴は、「法人税を減収させる」ことです。 消費増税されても、その増税分は、顧客の支払い価格には乗せられず、メーカー、流通業者、小売業者が自分たちで負担し、その分利益を減らしていることが多くあります。 つまり、増税分は自腹を切っているのです。 企業が利益を減らした結果、法人税は減収になります。実際に、1989年に消費税が導入されてから25年間に、消費税収の累計は282兆円ですが、一方、その間に、1989年の法人税収から減った税額の累計は255兆円です。 ほぼ同じ額の法人税が減り、さらにはその企業に勤めている人々の所得税も当然減っています。 ◆米中間選挙の共和党勝利は「減税」への潮流 ところで、今月初めにアメリカの中間選挙で共和党が上下両院で過半数を制しました。この結果は、新たな潮流が起きていることを意味しています。「減税」と「小さな政府」です。 2009年にオバマ政権ができると「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革を行いました。オバマケアが実際に始まると、アメリカ人全体の保険費用の負担があまりに大きく、一種の増税のようなもので、大不評となりました。 その結果、アメリカ国民は「大きな政府はもういい」ということで「減税と小さな政府」の共和党を選んだのです。この大きな変化は、この後日本にも影響を及ぼすでしょう。 ちょうど日本の消費増税がこのオバマケアに当たります。 4月の消費増税8%によって「個人消費」が異常に落ち込みました。これは「増税はもういい」という「重税感」で、国民の減税を求める声なき声を表しています。 アメリカで起きた減税を求める声は、日本でも既に水面下で起きているのです。 今回の衆院選で減税を求める声がどのように反映されるかが注目ですが、日本で「減税と小さな政府」を掲げているのが、幸福実現党であるということを訴えたいと思います。 真の地方創生としての「リニア新幹線」促進について 2014.11.23 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆世界的なモデルとなった新幹線 新幹線の歴史は、日本の誇りそのものです。 その原型は、すでに昭和15年、運輸省で計画された「弾丸列車」に見ることができます。これは、東京~下関間を9時間でつなぐもので、当時としては、世界最高水準でした。 大東亜戦争のため、計画は、一旦中止となりましたが、昭和39年の東京オリンピック開催の決定に伴い、再びこの弾丸列車構想が復活する形になりました。 実は昭和30年代に入って鉄道は斜陽時代と言われていました。自動車を購入する国民が増え、移動手段として、鉄道が敬遠されていくのではないか、と思われており、実際に鉄道大国であったアメリカでは次第に傾いて行きました。 そうした中、あえて新幹線構想を進めたのは、当時の国鉄総裁であった十河氏、そして技官として技術的な部分で推進した島氏の二人の強烈な個性が大きく影響していたと言われています。多くの反対を押し切り、ついに新幹線を現実のものとしたのです。 この新幹線のスピードは、私たち日本人にはおなじみですが、欧米人から見ると驚異的なスピードのようです。 しかも、数分おきのダイヤを可能なものとして、そして開業以来、死亡事故が一件も起きていないという事で、文字通り日本人の誇りと言えるものです。 この新幹線の影響は、はっきりとしており、全国各地の経済力を見ると、新幹線が通っている地域ととおっていない地域の差は大きくなっています。 例えば、2011年に開業した九州新幹線を見ると、鹿児島県のGDPが、開業の結果、約500億円の効果があった事を見ても明らかです。 来年2015年の春、とうとう北陸新幹線が開業し、東京と金沢を2時間40分で結ぶことになり、大量輸送への道が開かれることになりました。 報道では、こうした新幹線の建設について、「無駄遣い」の代名詞のように捉えられがちですが、実際には地域に大きな経済効果を与えている事が明らかになっています。 ◆日本リニア事情 さて、この新幹線に続く高速鉄道として、日本はリニアモーターカーの実用化に成功しました。そして、いよいよ、その建設が始まろうとしています。 10月14日には、国交省がリニア中央新幹線の東京~名古屋間の着工が認可されました。これが完成すると東京~名古屋間がたったの40分という事で、ビジネス通勤圏内にも入ることになります。 言うまでもなくこの技術は、すでに開発されたもので、本来もっと早く着工すべきでした。しかも、開業予定が10年以上先の2027年となっており、東海道新幹線が5年程度で完成した事と比較して、実に長期にわたる建設になります。 この大きな原因は何でしょうか。何といっても「政治の決断」が不足している事です。 まず、どの地域に建設するのか、そして、停車駅をどこにするのか、これらの建設資金は誰が負担するのか。それぞれが自分の利益を主張し、中々結論に至らなかったのです。 そして、新幹線という成功している事業がある中で、どこまでリスクを負うことができるのかという決断にも時間がかかりました。 このように、政治の決断が先送りになる中、最終的に事業者であるJR東海の自己負担によって、建設が進められることになりました。 ◆真の地方創生対策、成長戦略としてのリニア建設 安倍総理は、GDP速報に値を元に、「消費増税を1.5年先送り」を決定しました。少なくとも、ここ数年で最も厳しい一年になりそうですが、この原因を作ったのが、安倍総理その人です。 「アベノミクス」は、日本経済の復活を象徴する言葉として知られましたが、実態は、幸福実現党が主張してきた「大胆な金融緩和」を取り入れただけの事です。そして、それ以外の有効な政策がないまま、4月の消費増税によって景気が大きく失速しました。 解散という政治的に大きな決断に目を奪われて、日本人は、11月17日のGDP速報値年率換算「マイナス1.6%」の重さを実感することがないのですが、海外のメディアは明確に「アベノミクス」失敗、「日本経済再び景気後退へ」、と報じています。 幸福実現党の主張が正しかったと同時に、安倍総理の経済政策の失政についても、明確に問われる事になりました。 自民党は、「地方創生」と称して、失われた20年の間、疲弊している地方経済の活性化を標ぼうしています。 しかし、その実態は相変わらず地域への長期展望のないバラマキに終わっており、未来への希望が生まれているとは、到底言える状況ではありません。 今、一つの「地方創生」の柱として、リニア新幹線の整備を強く訴えたいと思います。リニアが実現すると、東京~名古屋が40分、さらに東京~大阪が1時間程度で行き来ができるのです。 現在、大阪市の橋下市長が中心となって「大阪都」構想を主張しています。これは、リニアが開通することで、首都機能が大阪圏までに広がるのです。大きな論争になった「大阪都」ですが、橋下市長には、ぜひリニア推進をお勧め致します。 そして、これは、大阪だけでなく、日本全国の地方にとって再生の原動力になることは間違いありません。一刻も早い着工、開業が望まれるところです。 参考: 『リニアが日本を改造する本当の理由 』市川宏雄著/メディアファクトリー新書 『新幹線をつくった男』 高橋 団吉著/PHP文庫 民主主義を成熟させる公器としての「霊言」 2014.11.22 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆毎日のように収録されている公開霊言 幸福の科学大学の開学申請が、大川隆法総裁の『霊言』について、科学的根拠を持って一般化・普遍化されているとはいえず、学問の要件を満たしているとは認められないとして文科省により不認可となった事がじわじわと波紋を広げています。 当該霊言は、毎日と言っても過言ではない尋常ならざるペースで収録され、今や収録翌日書籍として発刊され、月刊誌「アー・ユー・ハッピー?」(幸福の科学出版)12月号において「霊言300冊完全ガイド」が特集されるなど、空前絶後の質、量を誇っています。 昨年10月都内で行われた『大川総裁の読書力』出版記念パーティー 公開霊言シリーズ200冊突破記念の席上、上智大学渡部昇一名誉教授は、次のように挨拶され霊言の価値を認めておられます。 「総裁は、霊言という他に類を見ない新ジャンルを開かれたと思います。今後、ぜひ大成してほしいと思っています。」 このように霊言発刊は、日本屈指の碩学も認める現在進行形の社会現象であり、とどまる事を知りません。 そこで霊言発刊の政治的意味の一側面を考察してみたいと思います。 ◆断ち切られた縦の民主主義 イギリスの小説家、評論家チェスタトンは「民主主義において現在生きている人々の意見を取り入れる民主主義を横の民主主義という。それにたいして、死んだ人々(祖先)がどのように考えるかを考慮に入れる民主主義が、縦の民主主義である」と述べています。 また、評論家の江藤淳氏は、「生者だけが物理的に風景を認識するのではない。その風景を同時に死者が見ている。そういう死者の魂と生者の魂との行き交いがあって、初めてこの日本という風土、文化、伝統が成立している」と日本における縦の民主主義の伝統を説いておられます。 戦後、日本は、戦前の完全否定から出発しました。つまり縦の民主主義の伝統が断ち切られたのです。 そして、現在、先の戦争の体験者であり、実際に従軍した大正生まれの日本人が、徐々にこの地上から姿を消しつつあります。 実際の戦争体験者の存在が防波堤となって、中国や韓国の行動は抑制されていた面もあったのですが、いまや戦争体験者が少なくなったことをいいことに、中国や韓国は、歴史認識で日本に情報戦を挑んできています。 受けて立つ日本の政治家は、縦の民主主義の伝統を断ち切った左翼政治家であり村山談話、河野談話に結実しました。そして戦争を知らない2世議員によりその継承がなされています。 美しい日本、日本を取り戻すとした安倍首相にして村山談話、河野談話を継承している始末です。 つまり、死人に口なしをいいことに、先祖がいかなる屈辱的扱いをうけても知らぬ存ぜぬで、現在生きている人間のその時々の政治的妥協を優先させてきたのです。 これは、江藤淳氏のいう「その風景を同時に死者が見ている。」という想像力、形而上の認識、信仰心の欠如のなせる業でありましょう。 しかし、いまや霊言によって「その風景を同時に死者が見ている」事実が、これ以上ない形で証明されています。もはや死人に口なしではなくなったのです。 ◆縦の民主主義を復活させる霊言 月刊誌「アー・ユー・ハッピー?」誌上、読者が最も印象に残った霊言として、戦後、軍国主義の象徴として永らく忌避された東條英機元首相の「東条英機 『大東亜戦争の真実を語る』」が挙げられていました。 この霊言は、戦後70年近い沈黙を破って現代日本人に発された氏の「肉声」の感があります。300万人の英霊に花一本たむける気持ちを持たなかった戦後日本人に対する無念と憂国の情が溢れ、氏の舌鋒火を吹き、まさしく肉声に他なりません。 このように死者の霊言は、日本の伝統でもあった縦の民主主義を復活、強化させるものでもあると考えます。 ◆横の民主主義に寄与する守護霊霊言 また、生きていいる人の守護霊霊言は、ある意味、横の民主主義を強化する性質もあると考えます。 今回、下村博文文科相が、大川総裁が発刊した下村氏自身の守護霊霊言の内容に腹を立て、その私怨で幸福の科学大学の開学を不可とした事がほぼ真相として確実になってまいりました。 幸福の科学大学としては、極めて甚大な被害を被ったわけですが、この霊言によって横の民主主義に対して大きな貢献をしたのではないでしょうか。 霊言が、縦の民主主義、横の民主主義双方を強化し、日本に徳治主義的民主主義を根付かせる原動力となること、またその具体的推進を幸福実現党が担っていることを知って頂けたら幸いでございます。 税金で養ってもらっているにも関わらず泡沫のごとく生まれ、消える政党と一線を画し、幸福実現党は、日本の真実の繁栄のために、今回の総選挙、全ブロックの比例区に候補者を擁立し、戦ってまいります。 参考 月刊誌「アー・ユー・ハッピー?」(幸福の科学出版)12月号 http://www.irhpress.co.jp/are_you_happy/ 東条英機、『大東亜戦争の真実を語る』 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=955 文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー(2) http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1226 解散総選挙の争点は、「アベノミクス」か? 2014.11.21 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆消費増税で税収は増えない 21日、衆議院が解散、選挙は、「12月2日公示・14日投開票」で行われます。 安倍首相は、来年10月予定だった10パーセントへの引き上げを1年半、先送りすることを決めましたが、消費税率10パーセントは、再び先送りせず確実に実施すると断言しました。 記者会見の中で安倍首相は、「経済再生と財政再建を同時に実現していく」と述べています。 財政再建を消費増税で実現しようとしているわけですが、しかし安倍首相は会見冒頭で自ら発言しているように「税率を引き上げても税収が増えないことになっては元も子もない」と述べています。 我が党が2009年の立党当初から口を酸っぱくして言ってきた「増税で税収は増えるどころか減る」ことを安倍首相は分かっているのです。 消費増税を行えば、いくら経済成長を促そうとしても国民の財布の紐は締まっていくので、消費は冷え込み企業が儲からないため給与も上がりません。こうして景気が悪くなっていくサイクルが回り始めるのです。 これは経済成長というアクセルを踏みながら、増税というブレーキを踏むようなものです。それでは日本経済のエンジンは焼け焦げてしまいます。つまり「経済成長と財政再建」は、両立しないのです。 経済を良くし税収も上げるには、先に民間企業を活性化させ経済成長を実現することです。そうすれば結果的に増税などしなくても税収は上がっていくのです。 ◆選挙の争点は「アベノミクス」なのか? マスコミの論調は、「アベノミクス」を選挙の争点に掲げています。民主党の枝野氏も、「アベノミクス」を批判し次のように述べています。 「アベノミクスのカンフル剤と、痛み止めに頼った施策では限界があることを、より自信をもって訴えることができる。」(11/18産経) しかし民主党政権は、経済の活性化できなかったばかりか、「消費増税」という時限爆弾を日本経済に仕掛けた責任を免れることはできません。アベノミクスを批判する前に、自ら反省をしていただきたいものです。 そもそも消費増税法案は、三党合意で決断したのですから、自民党と公明党、それに民主党の三党に責任があります。 ◆アベノミクスの何が失敗なのか アベノミクスは、第一の矢である「金融緩和」で日本銀行が国債を買い、銀行のお金を増やし、銀行が企業に貸し出すことで市場にお金を流します。 第二の矢、公共投資による「財政政策」で企業への投資を喚起しながら、第三の矢「成長戦略」で民間投資を行い、「宇宙産業」など新たな未来産業を創出しなければなりませんでした。 この二年の流れは、第一の矢である「金融緩和」で、日本の企業にお金が流れ込み経済が活性化するとの期待から外国人投資家が日本の株に投資し、それによって株価が上がったのです。 ところが、第三の矢である「成長戦略」は、「女性が輝く社会」や「学童保育の受け皿確保」など、それだけでは経済成長を大胆に興すことはできません。「新たな産業を創出」する政策ではないのです。 しかも安倍首相は、銀行の国内での投資が進まないので、海外を外遊して外国にお金をばらまいてきました。 もちろん、戦略的に中国包囲網を築くために外国との関係を強化する意味では必要なことではありますが、しかし日本にお金が回らないのであれば、本末転倒です。 こうして第三矢である「成長戦略」に魅力がなかったために、外国人投資家は、「アベノミクス」に失望してしまいました。2年を経た今では「金融緩和」で市場にお金を投入しても一時的な効果しかなくなりました。 さらに悪いことは、安倍政権は、票目当ての「商品券バラマキ政策」を解散直前に行ないました。これでは民主党政権と変わりません。 4月に8パーセントへ消費増税をせず、アベノミクスで企業が活性化し中小企業の給与もアップするまで時間を待てば、今頃はもっと日本経済は良くなっていたのです。 「金融緩和」による円安の痛みも、消費増税をやらず中小企業まで活性化していれば、その痛みはもっと和らいでいたでしょう。 また民主党の「原発ゼロ」政策で、電気代の上昇による製造コストを抑えるために工場が海外に逃げてしまったことが円安でも輸出が伸びない原因であり、政府の政策を信用できない企業は簡単に日本に工場を呼び戻せないと判断しているのです。 ですからその原因を招いた民主党は、この点でもアベノミクスを批判する資格はありません。 つまりは「自公民、その他の古い政治家、既存の政党で日本の経済を立て直すことは、もう無理だ!」ということです。 今回の最大の争点は、経済を失速させた「消費増税は是か非か」であり、我が党は、「消費税を8パーセントから5パーセントに減税する」「宇宙産業等、魅力ある経済成長戦略」を国民の皆さんに提言します! これが日本の経済を浮上させる喫緊の政策です! 自由を抑圧する「許認可行政」と「カネ」の怪しい関係 2014.11.20 文/HS政経塾部長 兼 党事務局部長 吉井としみつ ◆政局の引き金 政治とカネの問題は、今の政局の引き金の一つだと言えるでしょう。 今秋の安倍改造内閣でも、この問題により経済産業大臣が辞任に追い込まれました。 また、今年2月には、東京都知事選挙がありましたが、猪瀬前東京都知事が辞任するきっかけになったのも、選挙資金として受け取った5,000万円を選挙運動費用収支報告書に記載しなかったことでした。 ◆許認可行政とカネの怪しい関係 今回、許認可行政とカネの怪しい関係が明らかになりました。 東京都選挙管理委員会が、2013年分の政治資金収支報告書が20日公表されました。 ポイントは、その公表前の動きです。補助金を支給していた学校法人からの寄付を「代表者個人から」と訂正する動きがいくつか見られ、その中に現役の下村文部科学大臣が代表を務める団体でも、同様の動きがあったそうです(11/20朝日夕刊13面)。 「自由民主党第11選挙区支部」の、2013年分の政治資金収支報告書で、学校法人7団体から受けた献金を個人献金として修正しており、国から補助金を受けた団体による政治献金は禁じられているが、7団体中少なくとも2団体が文科省の補助金を受けていた (11/20読売夕刊13面)ことが明らかになりました。 政治資金規正法では、文部省から補助金を受けた法人は、原則1年以内の政治献金が原則的に禁じられています。ただ、その法人の役員などの個人についての規定はありません。 問題は何かというと、政治資金収支報告書の公表前に修正されているとはいえ、政治献金を禁止されている法人からの寄付だと分かっていながら、献金を受け取っていたのではないかという点です。 神戸学院大の神脇博之教授の見解を紹介します。(11/20朝日夕刊13面) ・補助金を受けた法人の政治献金を禁じた法の主旨は、こうした法人から政治家への税の還流を防ぐことであり、補助金を受けた学校法人が一時的にでも献金を負担すること自体、違法性が高く、「個人献金の誤り」との言い分が通れば法律が空文化しかねない。 ・献金を受ける側も学校法人の多くが補助金を受けていることが想像できるはずだ。双方とも法令順守の認識が甘い。 ◆2件の学校法人への補助金と献金への背景 今回の2件の学校法人への補助金の内容は、2012年11月、東京国際大に対して図書館の研究設備を整備するために330万円、12月中旬には岡山市の朝日学園に、校舎の空調設備で1,330万円が交付されたというものです。 その後の流れとして、2012年12月下旬に、下村議員は文部科学大臣に就任し、2013年3月に政党支部は朝日学園から4万8千円、東京国際大から6万円の寄付を受けており、寄付は口座振り込みで、法人名と代表名が記載されており、今月17日以降、政党支部は個人献金と確認し、18日に訂正を届け出ました。(11/20朝日夕刊13面) 現役の文部科学大臣が関係しているというのは衝撃的です。補助金が入っている以上、その後の学校法人の運営を考えると、補助金の許認可を管轄する行政部門の大臣から、政治献金を求められては断ることは難しいでしょう。 しかし、これをこのまま放っておいてしまえば、不必要に管轄行政の言うことを聞くあまり、補助金を通じた許認可権の濫用により、学問の自由が侵害されることも起こりえます。 このような補助金行政のあり方は、国民のためになるのでしょうか? ◆スリムな行政への見直しの契機に 12月の衆議院選挙では、700億円の国費が投入されるにもかかわらず、大義なき選挙とも言われています。しかし、今回の「許認可行政」と「カネ」の問題を契機として、スリムな行政を真剣に考えるべきではないでしょうか。 増税を延期して、財政再建を心配するなら、もっと徹底的に血税の使い方のムダをなくすべきです。 ノーモアタックス。ノーモア規制。この国には、もっと自由が必要です。 すべてを表示する 1 2 3 Next »