Home/ 2014年 September 2014年 September “Japan is No.1”の志――本物の日本経済復活を目指せ! 2014.09.30 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺 賢一 ◆円安株高はどこまで進むか 9月第3週、日経平均株価は1万6321円で引け、3週続伸を記録、年初来高値を更新しました。 特に、1ドル=109円台の円安により、輸送用機器や精密機器等の輸出関連や鉄鋼等の材料関連を中心に幅広く株価が上昇しました。 さて日銀の異次緩和に始まり、米国連邦準備理事会(FRB)の量的緩和(QE3)終了と利上げ観測により、その勢いを吹き返した円安株高はどこまで続くのでしょうか。 通常、為替レートの決定要因として最も重視されるのは各国間の金利格差です。 国内で完結するビジネスを考えてみても、安い金利でお金を集め、高い収益が見込める事業に投資されるように、国境を超えた資本取引が自由化された世界では、低金利の国でお金を借りて、高い金利収益が見込める国に投資されます。 金利の高い国に世界の余剰資金が集まるため、高金利国の為替レートは上昇します。昨今進んでいる米国ドルの独歩高もFRBによる利上げ観測の結果だと言えます。 9月最終週は地政学リスクの高まりもあって、為替レートも株価も続伸が止まりましたが、実際に米国で利上げが実施されれば、もう一段の円安ドル高が進むと予想できます。 そして円安は悪いことではありません。金貨等と同様、世界で最も安全な資産である円が売られ、日本や米国で株価が上昇しているということは、リスク・オフからリスク・オンへ、世界経済のアクセルが踏み出されている証拠だからです。 円安が円高に反転する可能性があるとすれば、第1に米国の利上げよりも日銀の量的緩和終了が早かった場合です。日本の実質金利を大きく引き下げた量的緩和が止まれば、日米の相対的な金利格差は小さくなり、円安トレンドが終了します。 それ以外には、例えば米国によるシリア空爆が泥沼化し、世界情勢の雲行きが極度に悪くなる場合や米国の利上げが急速に進み、利払い費の高まりで返済不能に陥る債務者が増加し、金融危機が再来する等、安全資産である円に世界が逃避しなければならない場合です。 ◆バブル潰しを繰り返すな 奇しくも第1次安倍政権は戦後最長の好景気の最終局面に当たり、2007年には1ドル=124円台の円安、日経平均株価は1万8261円台まで上昇しました。 そして2003年度に28兆円だった基礎的財政収支の赤字額も、07年には6兆円にまで縮小し、あと一年半で黒字化達成というところまで改善されました。 財政の健全化に1%の増税も必要なかったのです。 その後、世界経済危機の煽りを受けて日本経済も低迷しましたが、アブプライム・ショック、リーマン・ショックと危機の震源地は米国であったにもかかわらず、日本経済は米国以上に深刻なデフレを伴う危機に陥りました。 その最大の原因は幸福実現党が立党以来訴えてきたように、2006年3月デフレ脱却が不十分であったにもかかわらず、出口戦略を焦り、量的緩和を解除したことです。 財政面においては増税、金融面においては量的緩和の解除や利上げと、日本政府はこれまで出口戦略を焦ることでデフレ脱却のチャンスを逃し、景気の火を消して来ました。 安倍政権が掲げる「経済再生」が本物であるならば、最低でも株価が1万8千円台を超えなければ、「経済が回復した」とは言えません。 米国はすでに「100年に1度と言われた危機」前の水準まで株価を回復させ、最高値更新を続けております。日本も米国の復活を念頭に置くならば、1989年末の株価3万8千円台を超えるまで「日本経済が復活した」とは言えません。 「失われた20年」から完全復活していない日本では、増税の議論自体が本来、早すぎると言えます。 ◆日本経済を復活させよ! 1979年、エズラ・ボーゲルの“Japan as No.1”がベストセラーとなり、1980年代、日本の経済モデルへの注目が世界的に高まりました。ところが90年代以降の低迷で“Japan as No.1”はもはや過去のものとなってしまいました。 だからこそ、私たち日本人は“Japan as No.1”ではなく、新しく“Japan is No.1”の志を持つべきです。 そのためにも政府は株価が上昇している局面で、規制改革や法人税の大減税等の構造改革を断行していくべきです。 規制改革には既得権益の抵抗がつきものです。株価の上昇局面で全体的に経済が向上しているなかでなければ、既得権益を打破し、規制改革を行っていくのは困難です。 また法人税の大幅減税も不可欠です。 シンガポールの17%台や韓国の24%並みに日本の法人税も引き下げることで、量的緩和による実質金利の低下で、海外に流出していく日本のマネーを国内に引き止め、さらに海外からの投資を引き込むことができます。 幸福実現党は“Japan is No.1”の志を持ち、本物の日本経済復活に全力を注ぎます。 ピンチをチャンスへ。今こそ日露関係改善を図るとき! 2014.09.29 文/HS政経塾4期生 窪田真人 ◆ 日露首脳11月会談、日露両政府基本合意 日露首脳会談が、11月北京で開催予定のAPEC首脳会議の際に行われると27日各紙が報じました。ロシアは日本にとって国防の面で対中国包囲網を形成する為に、地政学上大変重要な国です。 しかしこれまで日本政府は、ウクライナ問題を巡って米欧と共に対露制裁を発動し、今年秋に予定されていたプーチン大統領の訪日も困難になっていました。 こうした中での、日露首脳会談の開催は日本にとって大変大きな意義を持ちます。 ◆ 過去2回、日本の対露制裁における米露双方からの批判 2014年3月ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国の独立を承認した際には、日本は査証(ビザ)発給要件緩和に関する協議を停止する制裁措置を行いました。 7月マレーシア航空機墜落事故の際には、クリミア併合やウクライナ東部の騒乱に関与したとみられる40人、またクリミアのガス企業と石油供給会社の2社を対象とした資産凍結を行いました。 こうした日本による対露制裁は、米欧と比較して大変甘いものです。 特に2度目の制裁に関しては、欧米はプーチン大統領の側近や政府当局者に加え金融、エネルギー、軍事技術産業をターゲットにした幅広い追加制裁を推し進めたのです。 それに対し、日本は既に欧米で制裁されている2社に加え、ロシア政府要人が含まれていない40人を対象にした制裁内容であった為、「日本は対露制裁に関して熱心ではない」と米欧各国から批判が相次ぎました。 その一方でロシアからは、「いかなる留保を付けようとも、露日関係のあらゆる面に損失を与え、後退させることは必至である」という声明が出され、日露関係の悪化に繋がりました。すなわち、日本は米露双方から批判を受けるという非常に苦しい立場に立たされたのです。 ◆ 9月に入ってからの日露関係の動向 8月28日ロシア軍がウクライナ東部に数千人規模の部隊を侵入させていることが判明し、親ロシア派の司令官とウクライナ政府高官が認めたことにより、9月12日米欧が対露追加経済制裁を発動しました。 日本においても、米国から金融分野での対露追加制裁を要請され、24日から武器輸出の厳格化やロシアの一部銀行による証券発行制限など対露追加制裁を発動しています。 この対露制裁は表向き米欧に配慮したものであり、形式上は米欧並みとなっていますが、内容として実効性は乏しくロシアとの関係を重視したものとなっています。 しかしその結果、米欧からの評価を上げることはできましたが、ロシアからは批判声明が出され、日露関係をより冷え込ませる結果になってしまいました。 実際に制裁強化の検討が報じられて以降「露、外相会談を拒否」、「プーチン氏側近のイワノフ大統領府長官が北方領土の択捉島訪問」など日露関係の悪化を示唆するニュースが数多く報じられました。 さらに、「ロシアが中国に天然ガス供給へ」、「露中共同で日本海沿岸に北東アジア最大の港を建設へ」など中露における経済関係の強化を報じるニュースが数多く報じられている点も見過ごすべきではありません。 ウクライナ情勢を巡り米欧諸国との関係が悪化する中、ロシアが中国との経済関係を深めようとする構図が見受けられます。 ◆ 日露首脳11月会談を日本はどう活かすべきか 日本はアメリカとの関係強化により国防を守りつつ、一方ではロシアとの関係強化により国防上対中国包囲網を固めたい、また北方領土問題を解決したいというのが率直なところでしょう。 こうした状況において、日露首相会談は大変重要な意味をもちます。ではこの機会をどうやって日露関係の改善に繋げていくべきでしょうか。 その答えとして、(1)日本が強いリーダーシップを以て米欧とロシアの関係改善に積極的に働きかけること、(2)ロシアにとって必要なエネルギー輸出、ハイテク導入、また極東開発における経済協力を日本が進んで行うこと、この2点が挙げられます。 特に米欧とロシアの関係改善は大変難しいですが、日本にとっては非常に重要であり、進んで行うべきです。 例えばイスラム国対処においてアメリカは各国の連携を呼びかけていますが、ロシアは現在、国際連携を検討する立場をとっています。 ここで日本が積極的に働きかけ、ロシアを連携支持の立場に引き込んだのであれば、米露関係が改善され、日本のプレゼンスも上げることができるでしょう。 ピンチはチャンス。今こそ日本が主体的に日露関係の強化に踏み出す時ではないでしょうか。 「愛国心」を持ち、自信のある国民を育むために 2014.09.28 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆平成20年に改正された教育基本法 私たち幸福実現党は、昨年より「日本の誇りを取り戻す」活動を展開し、国会での議論や、政府の動きにも大きな影響を与え続けています。 そうした中、来年、全国の中学校の教科書について4年に一度の見直しの時期がやってきます。 第1次安倍内閣の平成18年、教育基本法が約60年ぶりに改正され、「愛国心」にも関係する内容として、以下のような文言が掲げられています。 ※教育基本法 第2条第5項より 「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」 平成23年に、改正後最初の教科書採択が行われ、その主旨を踏まえた内容が求められましたが、実際には、従来の左翼的な歴史観に基づいた内容が残されており、多くの課題が残っています。 ◆国民の誇りを失わせる「南京事件」の記述 例えば「南京事件」について、幾つかの中学校の歴史教科書の記述では、当時の日本軍による残虐性を想起させるような以下のような言葉を使っています。 T書籍 「特に南京占領にさいしては、捕虜・武器をすてた兵士・老人・女性・子どもまで含めた民衆を無差別に殺害しました。」「この事件は『南京大虐殺』として国際的に非難されましたが、国民には知らされませんでした。」 S書院 「諸外国は、この南京大虐殺事件を強く非難したが、当時の日本人のほとんどはこの事実さえ知らされなかった」 N書籍 「年末には日本軍は首都南京を占領したが、そのさい、20万人ともいわれる捕虜や民間人を殺害し、暴行や略奪もあとをたたなかったため、厳しい国際的非難をあびた(南京事件)」 「南京事件」は、当ニュースファイルで何度も取り上げている通り、当時の国際社会では批判されたこともありませんでした。いわば戦後になって東京裁判において戦勝国側のねつ造によってでっち上げられた「事件」であります。 そのような、ねつ造された事件について、日本人があたかも野蛮な民族であるかのようなイメージを持たせる記述は、子供たちが祖国に誇りを持つことを妨げ、自信を失わせる原因になります。 ◆左翼的な歴史観に基づく記述が目立つ その他、歴史教科書には、韓国や、沖縄に関して左翼的な史観に基づく記述が目立ちます。 その中で、私たちの世代(40歳代)が聞いたこともなかった「琉球処分」なる言葉がゴチック体で記載されています。これは、明治維新後に当時の政府が沖縄を強引に日本領に編入した、ということで一つの侵略の歴史を想起させるものであります。 また韓国関係では、明治期以降の日本による植民地支配で、朝鮮人に対して厳しい弾圧を加えているイメージで覆われています。 その中で、大東亜戦争時に、「多くの朝鮮人が『動員』された」、との記載もありますが、当時、朴槿惠大統領の父親に当たる朴正煕元大統領が血書を書いて士官学校に志願したことや、多くの朝鮮人が志願したことにはほとんど触れていません。 その他、少し目を通してみるだけで、以下のような特徴が目につきます。 ○社会主義的な考え、共産圏の「五か年計画」を評価 ○結果平等の歴史が、「近代化」だという考え。 ○自由主義経済にはバブルが付き物で危険。 ○高度経済成長には、公害などの否定的な印象を与える。 ○農民一揆は、支配者の搾取から逃れることで、正当な事。 本当に子どもたちの幸せを願うのであれば、誇りと自信を持たせる教育を進めるのが、人間として当たりまえの感情です。残念ながら、現状を見る限り、現在の教育はその反対の結果を目指しているように見えて仕方がありません。 このような現状で、教育基本法改正の主旨が理解されたと言えるのでしょうか。大きな不安が残ります。 ◆歴史教育の中で教えるべき事は何か 日本人として、本当に教えるべき自国の歴史として ○過去に努力によって成功し、尊敬された数々の偉人たち ○欧米諸国に比較して、非常に長い歴史を持っている事 ○歴代の天皇を中心に、徳に基づき「和の政治」が行われてきた事 など、もっと強調されてもよいのではないでしょうか。 例えば、渡部昇一上智大学名誉教授も指摘しているのですが、平安時代では、300年にわたり、一件も死刑がなかったといわれています。こうしたことは、世界に誇るべきことでもあります。 また、大東亜戦争をきっかけにして、アジア・アフリカの諸国が欧米の植民地支配から独立を果たすことができ、インドなど多くの国々から感謝されていることが全く記載されていないことが、大きな問題だと思います。 ◆愛国心が育つ歴史教科書の採択を 以上のように「愛国心を持つ子供たちを育てていく」ためには、教育基本法に沿った日本の神話や日本の偉人を数多く取り上げる方針を明確にした歴史教科書を採択する必要があります。 中学校の歴史教科書の採択は、平成27年度において、地元の住民の声を聞く「パブリックコメント」などの機会もあります。多くの国民の声を結集し、日本の誇りを取り戻し、「愛国心」を持つ子供たちを育てて参りましょう。 朝日新聞が避けて通れない、もう一つの「戦後責任」 2014.09.27 文/総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆朝日新聞が行った従軍慰安婦以上の「捏造事件」 このたび朝日新聞は「吉田証言」および従軍慰安婦問題における報道の誤りを一部認め、記事を取り消しました。今回、朝日新聞社が自社の過ちを認めて正式に謝罪した点については、遅きに失したとはいえ、評価できると考えます。 今後、朝日新聞が失った信頼を真の意味で回復させるためには、避けて通れないもう一つの問題があります。それが、「南京大虐殺」の捏造問題です。朝日の本多勝一記者が書いた「中国の旅」をきっかけに捏造された「南京大虐殺」。 これが完全な事実無根であることは、多くの識者によってすでに検証済みですが、中国は現在、これが事実であったとして、「南京大虐殺」をユネスコの世界記憶遺産に申請し、来年にはそれが認められる流れになっています。 もしもこれが世界記憶遺産に認められれば、「南京大虐殺」は歴史的真実として国際的に認識され、日本人はナチス以上の残虐な民族であるとして、私たちの子供たちは、永遠にその負の遺産を背負わされることになります。 ◆株主総会をすっぽかして訪中した広岡社長 昭和39年、中国は日本のマスコミ各社と「日中記者交換協定」を結び、「中国に不利な報道はしない」という条件の下で各社は特派員を派遣していました。 しかし文化大革命に関する報道などを巡って、日本の報道機関は軒並み国外退去となり、昭和45年までに、中国に駐在しているマスコミは次々に中国から撤退していました。 そんな中、朝日新聞の広岡知男社長(当時)は、昭和45年3月から4月にかけて、議長を務めるべき株主総会もすっぽかし、1カ月間も中国に滞在。他社の特派員が次々と国外追放される中で、広岡社長は当時の周恩来首相と会見するなど、異例の歓待を受けます。その結果、朝日新聞のみが北京駐在を許されることになりました。 中国から帰国後、広岡社長は本多勝一記者に中国の取材を指示。本多記者は翌46年6月から40日間かけて中国を取材し、その結果生まれたのが「中国の旅」です。 ◆中国側証人の証言を鵜呑みにした、本多勝一の『中国の旅』 本多記者の「中国の旅」は、昭和46年8月から朝日新聞に連載されました。しかし一連の取材は、あらかじめ中国共産党外交部新聞司が現地で「証言者」を準備し、本多記者は中国の用意した「語り部」の話を鵜呑みにして記事にしただけでした。 のちに、「中国の旅」を読んだ読者の抗議を受けた本多記者は、「私は中国側の言うのをそのまま代弁しただけですから、抗議するなら中国側に直接やっていただけませんか」と、ジャーナリストの発言とは思えぬ、驚くべき回答をしています。 ◆「楽な取材だった」と、本多勝一記者 証言者を探す必要もなく、手間いらずのこの取材を、本多記者自身は次のように証言しています。 「取材そのものは、ある意味では楽な取材だと言えるでしょう。レールは敷かれているし、取材相手はこちらから探さなくてもむこうからそろえてくれる。だから問題は、短時間に相手からいかに大量に聞き出すか、しかも正確に聞き出すかと、そういう問題になる」 つまり、本多記者は加害者とされた日本側の「裏付け調査」をまったくせずに、中国側の証言をそのまま記事にしていたことになります。これが「中国の旅」の報道の実態です。 ◆南京報道の真相解明は、朝日新聞の社会的責任 「中国の旅」は日本人の残虐ぶりを世界に語り継ぐ証拠として、今なお読み継がれています。また、「中国の旅」をはじめとして、朝日新聞が報道した一連の「南京大虐殺」報道を土台に、中国は「南京大虐殺」を国連ユネスコの世界記憶遺産に登録申請しています。 「従軍慰安婦報道」についての検証が始まった今、朝日新聞が最後の清算として取り組まねばならないのが、この「南京大虐殺捏造事件」の徹底検証です。 ◆朝日新聞が信頼を取り戻すために 私たちは、ユネスコ世界記憶遺産登録の前に、広岡社長と本多勝一記者によって捏造された「南京大虐殺」「中国における日本軍の蛮行」について、朝日新聞自らが検証委員会を設置し、真実を明らかにすることを求めます。 こうした「捏造記事」によって失われたのは、「読者の信頼」だけではありません。戦後の朝日新聞の報道によって、日本人や日本という国家の信頼が失墜し、名誉が毀損されてきたのです。 これからの朝日新聞は、自社の信頼回復のためだけではなく、子供たちの未来を守るために、全力を尽くして過去の清算に取り組まねばなりません。 真実と向き合い、過ちは過ちと認め、ジャーナリズムの原点に立ち返って真摯に反省すること――。それが朝日新聞とってに本当の意味で日本のオピニオンリーダーとして再生し、国民の信頼を取り戻す唯一の道であると信じます。 【ご案内】「松井石根大将の霊言」を受けて「緊急セミナー」開催 「松井石根大将の霊言」を受けて、「南京大虐殺はなかった『5つの動かぬ証拠』&朝日新聞の戦後責任」緊急セミナーを10月13日(月・祝)に開催させていただきます。 このセミナーを機に、国民世論をしっかりと喚起してまいりましょう! ※質疑応答の時間も30分ございます。 【主催】幸福実現党 【開催日時】10月13(月・祝) 13:00~14:30 【開催場所】ユートピア活動推進館 2F礼拝堂 東京都港区赤坂2-10-8 (東京メトロ溜池山王駅9番出口より、徒歩3分) Tel 03-6277-6937(受付時間:10:00~18:00) 【講師】矢内筆勝総務会長(兼)党出版局長 【会費】1000円 「日本の安全保障を考える」――アジア・太平洋地域の安定のために 2014.09.26 文/静岡県本部副代表 江頭俊満 ◆常に最悪の状況を想定して備える 防衛白書は、日本の防衛の現状と課題およびその取組についての理解を得ることを目的として毎年刊行されており、平成26年版は刊行40回目になります。 防衛白書の刊行を積み重ねてきたことで、わが国の防衛政策の透明性は国際的にも高い評価を得ています。 その防衛白書を読むと、『平和、安全および独立は、願望するだけでは確保できない。』『防衛力は、侵略を排除する国家の意思と能力を表す安全保障の最終的担保であり、ほかのいかなる手段によっても代替できない。』(第Ⅱ部・第1章・第1節「わが国の安全保障を確保する方策」)という記述があります。 これは、まさしくそのとおりであり、評価すべき内容です。 今日の国際社会は、多様で複雑かつ重層的な安全保障上の課題や不安定要因に直面しており、「常に最悪の状況を想定して備える」という基本的考え方を持つことが必要です。 よく、「最悪の事態を想定する前に、そうならないようにするのが先決だ」という議論がありますが、「そうならないように」努力するだけで、最悪の事態に絶対にならないという考えは、楽観すぎるものです。 例えば、「火事」を出さないように努力していていても、火事は起こるものです。それゆえに、税金を使って「消防車」という「備え」が必要となります。 また、消防車さえあれば、火事を予防できるとは言えないので、「消火器」を設置し、「防火訓練」を実施することが必要となります。 外交においては、国際問題の解決のために、政治的交渉や話し合いをするという基本的な手段がありますが、外交的問題の顕在化を未然に抑制したり解決したりする外交の手段である「軍事力」や「武力の行使」を排除するのは、この「消防車」や「消火器」あるいは「防火訓練」を放棄することと同じはずです。 ◆国際的枠組みや関与のあり方を検討する また、防衛白書には『わが国を取り巻く安全保障環境を改善してわが国に対する脅威の発生を予防する観点から、アジア太平洋地域や国際社会の一員としての協力などの分野で防衛力が果たす役割の重要性は増している。』(第Ⅱ部・第1章・第1節「わが国の安全保障を確保する方策」)という記述もあります。 現在、ASEAN諸国においては、地域における安全保障協力枠組みであるASEAN地域フォーラムや、ASEAN域内における防衛当局間の閣僚会合であるASEAN国防相会議(ADMM)がそれぞれ開催されています。 これに加え、2010年5月の第4回ADMMにおいて、日本を含めたASEAN域外国8か国を加えた拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)が創設されています。 地域の安全保障・防衛協力の発展・深化の促進という観点から、きわめて大きな意義があります。 しかしながら、近年、世界各地で発生している紛争は、民族、宗教、領土、資源などの様々な問題に起因し、国際社会にとっては、それぞれの性格に応じた国際的枠組みや関与のあり方を検討することが重要となっています。 ◆「憲法9条を堅持する平和国家」から脱皮する ここで、また防衛白書に目を戻すと、下記のような記述があります。 『中国は、東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域などにおいて活動を急速に拡大・活発化させている。特に、海洋における利害が対立する問題をめぐっては、力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的とも言える対応を示している。』(第Ⅰ部・概観・第2章「アジア太平洋地域の安全保障環境」) 東南アジア諸国が「中国の進出」に脅威を感じているのは事実であり、日本は、「アジア・太平洋地域の安定」のために、具体的かつ現実的な形で、主体的に責任を果たしていくべきであり、「日米安保」関係を強化したうえで、「憲法9条を堅持する平和国家」から速やかに脱皮しなくてはなりません。 ◆必要なら、武力の行使を実行する 日本は世界で有数の経済大国でありながら、ほとんど資源の供給ができず、地理的には島国であり、海上交通路(シーレーン)が生命線となっています。 日本の主要なシーレーンは、東シナ海から南シナ海を通り、マラッカ海峡を走っており、このシーレーンが走る海域には多くの紛争要因が潜んでいます。 さらに、日本の周辺には、核兵器や弾道ミサイルを保有する国が存在します。 このような状況から、「日本はその経済と国民の生命を維持するために、必要なら武力の行使を実行するだろう」と考えるのは、非常に合理的なことです。 日本には、強大な「軍事力」を持つ「必然性」、「可能性」、「能力」があると世界から見られていることを、日本人は自覚しなくてなりません。 日本は、外交姿勢、安全保障に関する態度に透明性を持つと同時に、「世界が理解できる言葉」で、日本が「国際関係においてどこまで責任を持つ」のかを明らかにすべきです。 加えて、「国連」が多くの面で限界に直面しているなかで、「国連憲章」も現状に合わせて変えていく必要があり、「国連至上主義」に固執していてはなりません。 靖国参拝「差し止め訴訟」、安倍首相はひるまずに「再参拝」を 2014.09.25 文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆靖国参拝「差し止め訴訟」 昨年12月の安倍首相の靖国神社参拝は、憲法20条に定めた政教分離に違反すると主張し、200人以上が起こした裁判の口頭弁論が9月22日に東京地裁で開始されています。 原告である広島出身の被爆者、関千枝子氏(82)が、集団的自衛権の行使容認なども含めて靖国参拝を批判し、安倍首相が「平和に暮らす権利を保障した憲法に違反」していると訴えたのに対して、首相側では、「参拝で原告の信教の自由などが侵害されたとは言えない。また、今回の参拝は私的に行ったもので、総理大臣の公務として行ったものではない」と反論しました。 ◆過去、繰り返されてきた靖国裁判訴訟 昔にも「中曽根首相公式参拝訴訟」や「小泉首相参拝訴訟」などが行われ、原告の損害賠償請求は棄却されましたが、高裁レベルでは「首相の公式参拝は違憲」という判断が示されています。 大阪高裁においては、中曽根首相の公式参拝は92年に「憲法20条3項や89条に違反する疑いがある」と見なされ、小泉首相の参拝に関しては、05年に違憲判断が出されています。 その後、最高裁は首相の靖国参拝について違憲・合憲を判断しませんでしたので、これらの判決から「公人としての参拝は違憲」と見なされるようになりました。 ◆首相の靖国参拝をめぐる争点 前掲の訴訟では、「政教分離の原則」と「信教の自由」、「歴史認識」が大きな問題になっています。 過去の判例では、「国家神道において宗教と政治が結びつき、信教の自由が脅かされたので、政教分離が必要なのだ」といった論理が立てられており、法曹関係者の中では「先の大戦における“日本の侵略”を繰り返さないためには、A級戦犯が合祀される靖国神社へ首相は参拝すべきではない」という考え方も根強いのです。 政教関係に関わる事案は、国が特定の宗教を援助・助長し、他宗を圧迫する行為を禁止する「目的・効果基準」に基づいて判断されますが、前掲の判例では、公人としての首相の靖国参拝は、他の寺社や宗教団体以上に靖国神社を優遇する行為と見なされています。 (津市が地鎮祭に公金を支出し、政教分離違反に問われた際に、最高裁判決(77年)にて地鎮祭を「社会の一般的慣習にかなった儀礼」と評価し、特定宗教を「援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるとは認められない」と判断したことから、この「目的・効果基準」が確立。97年に愛媛県が玉串料に公金を出した行為は最高裁判決で違憲とされた) ◆政府が抱える「慰霊の責任」と「政教分離」との関係 この基準を厳格に解釈すれば、政府は、どのような宗教施設においても慰霊の当事者にはなれません。 しかし、現実には靖国神社以上に戦没者を祀っている寺社はなく(約250万人)、日本政府には、日本のために死んでいった軍人たちを慰霊する重い責任があります。 政教分離に関しては厳しい制約があるにもかかわらず、日本政府は国家予算で神道の「祭祀王」である皇室を支えているのですから、国家の根幹に関わる大きな案件に関しては、小さな案件とは違った基準を考えるべきでしょう。 現実には、歴史上、日本の政治権力に正統性を与えてきた皇室の権威は大きく、占領軍も、「これを廃止した場合には、日本は大混乱に陥る」と考えたため、結局、現行憲法でも政治から皇室を完全に分離できず、政教分離には例外が認められることになりました。 日本政府全体としての「戦没者への慰霊」といった大きな案件と、個々の自治体などと宗教の接点で生じる小さな案件とでは、違ったレベルの判断基準が用いられるべきなのです。 ◆「A級戦犯合祀」への批判は筋が通らない また、A級戦犯の合祀などへの批判もありますが、サンフランシスコ講和条約が結ばれ、A級戦犯の社会復帰が許された後にも、死刑となった人々だけを半世紀以上も延々と追及し続けるのは筋が通りません。 1952年には「戦犯在所者の釈放等に関する決議」(参院)や「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」(衆院)がなされており、国際的にも国内的にも、すでに戦犯問題は終わっています。 日本は、靖国参拝を利用した他国からの内政干渉を拒絶すべきです。戦後70年を迎える2015年に向けて、安倍総理は批判に屈せず、靖国「再参拝」を決行すべきだと言えるでしょう。 拉致被害者救出には「国民の思いの結集」が必要だ 2014.09.24 文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作 ◆拉致被害者のご家族の方々の複雑な思い 9月23日の秋分の日、テレビのニュースでは北朝鮮で開業したという高級ホテルの様子が映し出され、また中国の大連で北朝鮮が投資説明会を開き、北朝鮮への投資を呼びかけている様子が映し出されていました。 罪のない日本国民が多数拉致され、いまだに帰すこともしない、そんな北朝鮮という国に対して投資をすることを呼びかけている様に何とも言えない憤りを覚えました。 拉致被害者や特定失踪者等の調査を行う北朝鮮の特別調査委員会からの最初の報告は、当初9月第2週あたりまでに行われるものと見られていました。 9月13日(土)には日比谷公会堂にて「もう我慢できない。今年こそ結果を!国民大集会」が開催され、その会場に筆者も参加させていただきましたが、間もなく来るはずの調査報告を不安な気持ちと、しかし「今度こそは」「今年こそは」と期待も込めて待ち続ける拉致被害者のご家族の方々の複雑な思いがヒシヒシと感じられました。 しかし、9月24日現在、北朝鮮からの最初の報告は出されておりません。 ◆北朝鮮の制裁解除の問題 そもそも 北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使は「拉致被害者の安否を含めた日本人に関する再調査について、日本側への最初の結果報告がいつでもできる状況にある」と、共同通信に対して語ったということが9月11日の時点で報道でもなされていました。 しかし、これに対して9月19日に菅官房長官が会見で「現時点では初期段階を超える説明はできない」と北朝鮮側から説明があったと発表しており、明らかな矛盾があります。 「救う会」会長の西岡力氏は「水面下で北朝鮮が調査結果の一部報告の見返りに、日本の独自制裁の追加解除を求め、安倍政権がそれを拒否しているのではないかとみられる」(産経新聞9/20)と述べています。 経済が疲弊し、外貨不足に苦しむ北朝鮮が、制裁の追加解除を期待して調査の結果を出そうとしたけれども、日本としてはとても制裁の追加解除などに応じられるものではなかったのではないかということも言われています。 そもそも、「再調査」が行われることが決まり、日本独自の北朝鮮への制裁は一部が解除されています(【1】人の往来、【2】支払いの届け出義務、【3】北朝鮮籍船の入港禁止、の3項目)。 しかし、中山恭子氏は先に挙げた9月13日の日比谷公会堂での大会におけるスピーチの中で「特に船舶の入港については、北朝鮮側が被害者を帰国されるための行動をとったというが確認されない限り許してはならなかった」と述べています。 また、同大会においては、制裁解除で再入国禁止が解けたことで訪朝した、朝鮮総連の許宗萬議長の再入国許可取り消しを検討すべきだとの声もあげられていました。このような制裁解除の反対の声や、再度の制裁強化を望む声が上がっています。 北朝鮮の対応しだいでは、当然、制裁の再強化もとられるべきでしょう。 ◆国民の総意を集めて拉致被害者の帰国実現を 家族の方々は高齢化が進み、焦る気持ちは当然あるはずです。拉致被害者5人が帰国した2002年、そしてその家族が帰国した2004年。しかしそれ以降拉致問題は進展を見ることができず、その間無念にもご帰天された拉致被害者家族がいらっしゃいます。 しかしその中にあっても、13日の大会では「北朝鮮への妥協をすべきではない」「中途半端な回答はいらない」との声が被害者家族からあげられています。 それは北朝鮮への妥協は拉致被害者の帰国につながらないからであり、北朝鮮は家族の「焦る」心を利用しようと企んでおり、それに付け込まれて中途半端な回答を許してしまえば、結局それも拉致被害者の帰国につながらない、そして日本の国のためにならないとの思いからです。 前述の西岡氏も「途中で何らかの要求に応じれば、すべての拉致被害者救出に失敗する恐れがある」としたうえで、北朝鮮に対して「日本が譲歩すると思ったら大間違いだというメッセージを伝え続けるべきだ」と指摘しています。 そのためにも、やはり必要なことは、ごく普通に日常を送る多くの私達日本国民が、「拉致被害者は絶対に取り戻さなければならない人たちなのだ」という思いを、静かにで良いと思いますが、しかしもう一段強く持つことだと思います。 そして、いまこそ日本は国民の生命・安全・財産を護ることができる国へと生まれ変わるべきであろうと思います。 また、さらに拉致された日本人やその家族等の帰国のみならず、いつの日か、自由を奪われ人権弾圧と貧困の中に苦しみ続ける北朝鮮国民の人たちにも、自由がもたらされ、圧政からの解放の日が訪れるような未来をつくらんという志を持ちつづけたいと思います。 アメリカと中国が交わす新たな「密約」とは? 2014.09.23 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆無神論国家VSイスラム教の対立が激化する新疆ウイグル自治区 シリア・イラクのみならず、中国国内でも体制側とイスラム勢力の対立が激化の一途を辿っております。 その原因は、中国共産党政権による、イスラム教徒が多数を占めるウイグル族への「信教の自由」に対する厳しい制限、言語の使用制限や習慣・風習の破壊、ウイグル人女性の強制連行など、許されざる人権侵害がまかり通っていることへの抵抗運動、分離独立運動であります。 一方で政権側から見ると、新疆ウイグルは天然ガスの生産地であると同時に、中央アジアからの天然ガス輸送ルートに当たり、エネルギー安全保障の要衝であるため、その地で分離独立を主張するウイグル族は、国益を脅かす最大級の脅威に当たると言えます。 最近では、ラマダン明けの7月28日、中国の新疆ウイグル自治区のカシュガルで起きたウイグル人による暴動では、「少なくとも2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に虐殺された」と言われております。 *参考「HRPニュースファイル:ウイグルで死者2000人以上――真実を明らかにし、国際社会に正義を問える日本に」 http://hrp-newsfile.jp/2014/1629/ また9月22日、中国の新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州において、相次いでウイグル人による自爆行為が起き、2人が死亡し、多数が負傷したと伝えられており、共産党政権はウイグル族への締め付けを更に強化していく見込みです。 ◆対イスラム国でアメリカと中国が交わす「密約」とは? 一方、国際社会では、中国によるウイグル族への人権侵害が世界的な批判の的となりづらい展開になりつつあるのが現状です。 それは、9月7~9日に訪中したライス補佐官と習近平国家主席の間で、イスラム国対策として取り交わされたとされる「密約」が原因です。 具体的には、中国は、アメリカ主導の有志連合による「イスラム国」打倒の動きを支持する一方、アメリカは、新疆ウイグル自治区で、中国当局がウイグル族に対する締め付けを強めることに、あからさまな異論を唱えないという内容です。 アメリカとしても、有志連合の形成を急ぐ中、国連の常任理事国であるロシアとの折り合いが付けられない状況のため、もう一つの常任理事国である中国への支持が必要不可欠であったという苦しい事情があったと言えます。 ◆イスラム国の台頭は中国の国益に大きく資する 一方、中国としても、「イスラム国」から事実上の「ジハード(聖戦)宣言」がなされており、同一の敵に対峙することでアメリカとの信頼関係を深めると同時に、「密約」によってウイグル族弾圧の正当性を得ることができ、ウイグル族に対する「信教の自由」の侵害など、国際的な批判をアメリカの黙認によってかわすことが出来ると言えます。 実際に、9.11の同時多発テロ以降、中国は新疆ウイグル自治区に、イスラム過激派アルカイダの勢力が浸透していると主張し、当時のブッシュ政権はイスラム系独立派勢力の「ETIM」をテロ組織に指定するなど、反イスラム過激派を切り口にして同様の「約束」が交わされた過去もあります。 そして何より、しばらくアメリカは中東に釘づけにならざるを得なくなり、アジアへのリバランス戦略は有名無実化することは間違いありません。 中国はアメリカを取り込みつつ、国内における人権弾圧の批判をかわしながら、アメリカ不在のアジアで軍事的な拡張行動を行いやすくなるため、敵対関係にあるはずの「イスラム国」の台頭は、結果的に中国の国益に大きく資することになっていくと考えられます。 ◆日本の鉄則は「自主防衛の確立」と「中国における自由の革命」にあり 翻って、日本は今回のイスラム国への対応として、避難民援助など総額約55億円の中東支援を表明する見通しで、アメリカ主導の有志連合を支持する姿勢を強調するに留まっております。 確かに、国内にイスラム教徒を多くは抱えない日本としては、中東周辺国やヨーロッパ、中国などと比較して、イスラム国の脅威は感じにくいですが、既にオーストラリアなどでも、イスラム国関連のテロ計画が露見されるなど、世界中で見えない驚異が進行しているとみてよいでしょう。 また近い将来、中国によって来たるべきアジア有事において、自国民やアジア諸国を守ることが出来る自衛体制をいち早く確立しなくてはなりません。 更に、アメリカが目を背ける今、ウイグルで起こっていることは、イスラム過激派による単なるテロリズムではなく、無神論国家・中国に対して、信教の自由をはじめとするあらゆる自由の抑圧への抵抗運動(レジスタンス)であるということを、我々日本人こそが正しく理解する必要があります。 事実無根の「南京大虐殺」ではなく、現在進行形で起こっている「ウイグル大虐殺」の真実へと世界中の目が向けられ、ウイグルで弾圧される人々を救済する具体的な力となることこそ、日本の使命であると考えます。 *The FACT「よく分かる中東問題」に出演中です。こちらもよろしくお願い致します! 【第2回】「イスラム国はアメリカによって作られた!?」 https://www.youtube.com/watch?v=coT549z3X6U&list=PLF01AwsVyw33VAiV9OENVfi0W-wSMUBez 「特別の教科 道徳」設置と次なる課題 2014.09.22 文/HS政経塾 第3期生 和田みな ◆「特別の教科 道徳」 文部科学省の中央教育審議会の道徳教育専門部会は今月19日、10回目の審議を開き、最終答申案をまとめました。 今回の答申でまとめられた内容は、以下のようなものです。 道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として格上げし、学校教育全体を通じて行なう道徳教育の要として位置づけ、理解と実践のための内容の充実を図ること。 それに伴い、目標・内容を明確にし、指導方法を改善すること、検定教科書と評価の導入、教員の指導力及び免許や教員養成課程の改善を行なうことなどです。 ◆現状の「道徳の時間」の問題点 「道徳の時間」は昭和33年に創設され、週に1時間確保されてきましたが、「教科」ではありませんでした。 平成18年、教育基本法が60年ぶりに改正され、その内容を反映するために道徳の学習指導要領も改訂されました。 その中で、道徳教育の充実を図るため「学校における道徳教育は、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うもの」であると明記され「道徳教育推進教師」が位置付けられます。 しかし、効果には地域差があり、現場の教師に理念が浸透せず、結果として他教科に比べ軽んじられてきたことが問題視されていました。 ◆「特別の教科」への格上げの意味 このような現状から、今回の答申では、道徳教育は「道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うもの」という理念の浸透と、具体的な取り組みを推進するために、道徳の時間を単なる「教科」とするだけではなく、「特別の教科」に格上げすることがまとめられたのです。 「道徳教育」は学校教育全体で行う根源的なものです。「特別の教科 道徳」はその道徳教育の要を担う時間であり、他の教科や特別活動は道徳教育の実践の場であるという位置づけになります。これが「特別」の意味です。 この重要な意識改革を現場の先生方はもちろん、国民にも促すことができるかどうかが、今回の大きなポイントです。 ◆教育の目標「人格の完成」と道徳教育 道徳教育を「根源的なもの」と強く述べた理由は、教育とは何を目指しているものなのかという「教育の目標」に関係しています。 教育基本法では、第一章第一条に「教育の目標」は「人格の完成」にあることが述べられています。 そして今回の答申の冒頭ではこの目標を示した上で、「人格の基盤となるのが道徳性であり、その道徳性を育てることが道徳教育の使命である」と明記されました。 この点から、教育の目標を達成するための基盤が道徳教育にあるということは明らかです。 ◆道徳教育と宗教教育 「道徳」は、私立学校においては「宗教」と置き換えることが許されてきました(学校教育法施行規則の第50条「宗教をもって前項の道徳に変えることができる」)。つまり道徳教育と宗教教育は、同じく人格の完成の基礎を成すものであるということです。 また、昭和22年、文部省に設置された教育法令研究会がまとめた『教育基本法の解説』では、次のように記載されています。 「宗教的信仰が将来の国民の道徳的向上のために必要なこと、ことにそれが人格の完成及び民主主義的、平和主義社会の建設に貢献するところが大であることが認められなければならない」 この解説からは、教育の目標である「人格の完成」には、道徳教育、さらにその根源には宗教教育が必要であると読み取れます。 ◆教育界が抱える「宗教=タブー」というジレンマ 今後の道徳教育の深化には、道徳の根源にある「宗教性」を教えられるかが鍵となるでしょう。 今回の道徳部会で主査を務めた押谷由夫教授も、道徳教育の再検討を研究していく中で次のように道徳教育における宗教の重要性を述べています。 「宗教の道徳教育が果たす役割について考えざるを得なくなり」、「最も深く人間としての在り方や生き方を、自らに問いかけ実践しつつ追い求めた人々は、世間でいわれる宗教者です」、「人間として生きることの探求には、人間の力を超えたものとの対話が不可欠」(「学校における『宗教にかかわる教育』の研究1」) 一方で、今回も宗教教育は「重要な課題」であると認識され、何度か意見が出たにも関わらず、最後まで踏み込んで話し合われることはありませんでした。 教育界は、「宗教性」が重要だとは認識しつつも、「宗教教育」触れられないという「宗教=タブー」というジレンマから抜け出せずにいるのです。 ◆課題は「宗教=タブー」の払拭 ある調査では、日本人の約70%が「無宗教」であると答えていますが、一方で70~80%が「宗教心は大切だ」述べています( 橘木俊詔著『宗教と学校』)。 80年代、政教分離の米国においてレーガン大統領が、教育の荒廃と道徳の乱れを改善するため「教室に聖書と祈りを復活させる」と言ったことは有名です。 このように、「教育の中で宗教性を教えることは大切だ」と多く人が認めています。 子供たちの人格の完成、人生にとって本当に大切なものを教えられる道徳教育にするために、日本の教育界は「宗教=タブー」という凝り固まった意識を払拭し、議論すべきです。 東電悪玉論を検証する 2014.09.21 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆朝日新聞の化けの皮? 朝日新聞の誤報記事の撤回、謝罪に端を発し、喧々囂々たる非難が渦巻いています。 朝日新聞側は言い訳に終始し、あたり障りのないチェック体制の甘さ等に原因を求めていますが、大方の批判の論調は、朝日が日本をおとしめるために、ある事実は取り上げ、ある事実は捨象し、恣意的に事実を捻じ曲げ、捏造したのだと見ています。 とりわけ、福島第一原発吉田昌郎所長(故人)の命令に違反し、9割の所員が現場から撤退したという「吉田調書スクープ」に関しては、後に公開された「吉田調書」を精読した上で、あのような記事が書けるという事は、意図的に「日本をおとしめる」という目的なくしてあり得ないと識者は口を揃えます。 NHK経営委員の百田尚樹氏は、九州「正論」懇話会(9/20)の席上、「(朝日新聞が)『検証した結果、誤っていた』という説明は大嘘で、政府が吉田調書の公開に踏み切らなければ、絶対に黙っていた。公開されたら嘘がばれるので、慌てて謝った」との見方を示しました。 ◆東電悪玉論という空気 特に、福島第一原発事故発生後、東電責任論が追及され、その他の電力会社に対しても厳しい視線が向けられることになりました。 東電悪玉論の空気が日本に醸成されていたと言っても過言ではありません。このような空気の中で、政治家からも感情的な発言もしばしば見られました。 例えば、自民党河野太郎衆議院議員は、昨年末自身のブログで「経産省によるボッタクリ」と題して、2012年から始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、私たち消費者の電気料金に上乗せされている再エネ賦課金のうち1000億円以上が、そのまま電力会社の懐に入っている!すなわちボッタクリと批判しました。 これに関し、識者は電力事業者が私腹を肥やしているわけでもなんでもないと理論的に反論しています。 (再エネ全量固定価格買取制度の回避可能費用をめぐる迷走http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4206) この議論の中で注目すべきは、電力会社が、原価が上昇すれば電気料金上昇につながると指摘した事に関し、河野氏は、以下のように指摘します。 例えば「トヨタが、原価が上がったから当然に自動車の販売価格が上がります、というだろうか。モノの値段が市場価格で決まっているマーケットでは、原価が上昇したからといって、当然には価格は上がらない。電力会社は、まず、水膨れしたコストを削らなくてはならない」と電力会社のさらなる経営努力を要求していることです。 ◆河野太郎氏の矛盾 河野氏がこれを言うのであれば、消費増税により仕入れ価格が上昇し、原価が上昇したので小売価格を上げますという企業に対しても、消費増税も価格に転嫁せず経営努力で吸収せよ、と主張しなければ辻褄が合いません。 なぜなら、電力会社は、再生エネルギーに関しては、全量固定価格で買い取ることが法律で義務付けられており、在庫調整できる消費税より厳しい条件となっているからです。仕入れを減らすということも出来ないわけです。 消費税に関しては、政府は、「転嫁対策特別措置法」を成立させ、消費税の転嫁、すなわち値上げを推奨サポートしているのです。 消費税よりある意味強制力の強い、「再生エネルギー特別措置法」においても、電力会社に対して、原価上昇に見合った電気代値上げを推奨する立場になければ辻褄が合いません。 そこには、東電悪玉論という空気の中で、河野氏の「ボッタクリ」発言になっている面も否めないと思います。この他、河野氏は東電に対し、「東電の嫌がらせ」「東電の暴挙」という言葉を使って批判を続けています。 ◆空気に支配されないための勇気 電力会社に対する一定の批判の正当性を全て否定するものではありません。しかし、東電悪玉論が支配していた中で、幸福実現党大川隆法総裁は、「東電こそ東日本大震災の最大の被害者であるとも言える」と一定の文脈の中で発言されました。 多くの優秀な人材が東電を離れていった中で、この大川総裁の言葉に支えられ、東電に踏みとどまっている方も実際に存じ上げております。 日本をおとしめることを目的とした朝日新聞が、また東電悪玉論の発信源の一つであったことを振り返れば、私たちは空気に支配されない「勇気」を持つことが大事であると認識されます。 すべてを表示する 1 2 3 Next »