Home/ 2014年 August 2014年 August 集団的自衛権の行使反対論に見る「日本原罪論」 2014.08.10 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆左翼系マスコミの反撃 本年7月1日安倍政権が「集団的自衛権の行使」を認めた閣議決定を行いました。 この決定前後の間、平和勢力といわれる人々により官邸前デモが行われ、左翼系のマスコミは「日本が戦争に巻き込まれる、いつか来た道」と平和憲法の死守を訴えるなど、民主党政権の崩壊と共に意気消沈していた左翼系陣営が息を吹き返したかのようです。 いわば、集団的自衛権の容認を巡って、保守系マスコミと左翼系マスコミの力比べ、綱引きが行われている観があります。 とりわけ7月13日に行われた滋賀県知事選挙において与党が支援した候補者が落選した事は、十分な議論のないまま集団的自衛権を容認する閣議決定をした安倍政権の「独裁」に「ノー!」の声だ!の報道攻勢で、左翼系マスコミの巻き返しが激しくなっていると言ってもいいでしょう。 本年11月に実施される沖縄県知事選においては、この流れですと左翼系候補者に有利な風が吹くと予想されます。 ◆「絶対善」の平和と「絶対悪」の戦争 また、9日に行われた69回目の「原爆の日」平和宣言において田上長崎市長は、 安倍晋三政権が7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認を巡る議論に言及し「『戦争をしない』という誓い、平和の原点が揺らぐことに対する不安と懸念の声に真摯に向き合い、耳を傾けることを強く求める」 と政府に呼び掛けました。 政治家以外でも文化人の間からも平和憲法死守のメッセージが発信されています。作家なかにし礼氏は、7月10日の毎日新聞夕刊に「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」という詩を発表し、大きな反響がありました。 氏は、記事の中で「日本がこんな国になってしまって悲しくて仕方ない。特定秘密保護法を先につくって、次は集団的自衛権。『戦争だから』と自由に発言できない時代はすぐそこです」と安倍政権を批判しています。 また、夕刊に掲載された詩は、「2014年7月1日火曜日 集団的自衛権が閣議決定された この日 日本の誇るべきたった一つの宝物 平和憲法は粉砕された つまり君たち若者もまた圧殺されたのである・・」から始まり、若者に、「しかし君に戦う理由などあるのか 国のため? 大義のため? そんなもののために 君は銃で人を狙えるのか 君は銃剣で人を刺せるのか・・若き友たちよ! 君は戦場に行ってはならない・・」 そして臆病と言われようが、卑怯者といわれようが、「泣きながら抵抗を始めよう 泣きながら抵抗をしつづけるのだ 泣くことを一生やめてはならない 平和のために!」と詩を結んでいます。 これらの批判に共通しているのは、絶対善としての「平和」と、絶対悪としての「戦争」です。中国の少数民族の弾圧等に関しては、見ざる言わざる聞かざるを通し、覇権主義に対する備えは、軍事力ではなく、外交努力で、文化交流で、経済交流でということでしょう。 総じて近隣諸国の軍事拡張はおかまいなしだが、日本だけは絶対だめということらしいのです。 ◆日本人の心に宿る「日本原罪論」 万が一の事態に備え、国民から税金をとっている国が、国民の生命、財産、安全の確保のために国際法で認められた当然の備えしかも最小限の備えすら日本にあっては、絶対に許されないという論理が自国民から生まれてくるとは一体どういうことなのでしょうか。 この疑問に関し、幸福実現党大川隆法総裁は、最新刊『「集団的自衛権」はなぜ必要なのか』の中で、集団的自衛権反対派の根っ子には、「日本原罪論」があると指摘しておられます。 「集団的自衛権」はなぜ必要なのか 大川隆法著 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1213 『日本に原罪があり、日本は悪だから滅びてもしかたないのだ』という考えが裏にあるというのです。原罪とは、もともとキリスト教で、人類の祖が犯した最初の罪のことであり人間罪の子思想であります。 日教組が主導した戦後歴史教育においては、人間はサルから進化したから始まり、現代史の「日本は侵略をし、アジアの人々に多大な迷惑をかけた。」で終わります。 つまり、子供たちにとっては、「自分のルーツはサルであり、おじいちゃんは人殺しだった」という歴史教育がなされたことになり、日本人罪の子思想が植え込まれていたといえるかもしれません。 また、当HRPニュースファイル1083「戦後の自虐史観を創った米国の情報操作」(http://hrp-newsfile.jp/2014/1619/)でも指摘された通り、戦後、進駐軍による「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」――日本人への洗脳工作もなされました。 ◆隷従としての平和 原罪意識を持つ日本人の「平和」とは、すぐに白旗をあげてでも絶対悪の戦争を回避するマインドを持っています。すなわち「平和勢力」の言う「平和」とは「隷属」「隷従」を意味するということです。 私たちは、自由を奪う、自由を制限する国に隷属することをもって「平和」とは考えておりません。その点、自由独立を守る「自衛戦争」はあり得ると考えています。もちろん、侵略戦争は絶対悪であります。 そうした原罪を背負った日本人に、たたみかけるように米韓中による歴史認識の包囲網が敷かれつつあるのが戦後69年の現在の日本の状況です。 ゆえに、幸福実現党が現在行っている日本の誇りを取戻す運動(南京大虐殺はなかった、河野談話の撤回等)は、日本人の精神構造に深く染みついた「原罪意識」を払拭する一大精神運動でもあります。 ◆日本人精神史における宗教政党幸福実現党の使命 『「集団的自衛権」はなぜ必要なのか』あとがきにおいて、大川隆法総裁は、現在進行形で他国を侵略し、自国民の基本的人権を踏みにじっている中国に対して、反省を迫るべきであるとされ、日本人自身に対しては、売国的マスコミと、売国奴的「平和」勢力がはびこっていることに対し、神仏への信仰心を立てて浄化の闘いを開始すべしと心得るべきであると喝破されておられます。 その責務を担うことが、宗教政党幸福実現党の使命であると自覚し、日本の自由と独立を守るために戦ってまいりますことをお誓い申し上げます。 「南京大虐殺」の虚構――東京裁判の検察側の証言 2014.08.09 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆東京裁判の判決 東京裁判で指摘された日本の指導者である東條英機大将や広田弘毅首相の訴因は「共同謀議」で、「侵略戦争」を計画したという罪です。 これについては別途説明が必要ですが、日本は戦争を避けるためにアメリカに対して外交努力を行っていたことが事実であって、日本の指導者が計画的に「侵略戦争」を相談していたわけではありません。 連合国があげた日本側に対する50以上の訴因の最後の方に「戦争法規違反」がありました。東京裁判での松井大将の訴因は「昭和12年に日本軍が南京を攻略したときに不法行為を行ったと。数千人の市民を殺した」というものでした。 「戦争法規違反」とは、戦争というのは国際法では認められているわけですが、紛争解決の手段として、むやみに人を殺したり、捕虜を殺したりしてはいけないということです。 東京裁判での松井大将に対する判決は、簡単に言うと、「日本軍が南京を占領してから最初の6週間に総数20万人以上を殺害した」というものです。松井大将は、この判決で絞首刑になりました。 ◆検事側の証言 東京裁判は、終戦の翌年昭和21年から始まり、最初の1年間は、検事側がいろいろな証拠や証言を取り上げました。それが終わると今度は弁護側が1年間かけて、これに反論したのです。これが東京裁判の経緯です。 検事側の証言者の一人が南京の金陵大学の教授でアメリカの宣教師でもあるマイナー・S・ベイツです。同氏は安全区国際委員会の委員、国際赤十字の委員でもあり権威ある証言として東京裁判の判決に大きな影響をおよぼしました。 このベイツ氏は「日本軍侵入後何日もの間、私の家の近所の路で、射殺された民間人の死体がゴロゴロしておりました」と証言したのです。 つづいてベイツ氏は、金陵大学の教授であるルイス・スマイス氏と「いろいろな調査、観察の結果、我々が確かに知っている範囲内で、城内で1万2千人の男女及び子供が殺されたことを結論と致しました」(「東京裁判速記録・第36号21・7・29」)と証言しました。 「結論と致しました」という言い方は含みがある言い方で、その調査方法は以下の通りです。 「スマイス調査」の人的被害調査は、南京市内の50戸から1戸を選んで、聞き取り調査を行い、その結果を50倍して集計し、兵士の暴行による死者は2400人と推定したり、わずか12人の調査員で述べ15日で調査を行い、結果3万1千人と推定、現実とはかけ離れた数値であると言わざるを得ません。 なお「スマイス調査」は、国民党国際宣伝処の要請と資金提供で書かれたことが分かっています。「国民党国際宣伝処」とは、蒋介石が「日本軍の残虐さを世界に喧伝し、日本を貶めることを狙って南京陥落の直前から活動を始めた宣伝機関です。 その数値が正しいのか、その被害は、本当に日本軍がやったものなのか、国民党軍の敗残兵が逃げる時に起こした事件である可能性もあるわけですが、そうした検証はなされていません。 他にも中国人で「紅卍字会」の副会長である許伝音は、日本軍は手当たり次第に婦女子を強姦、市民を虐殺したことを証言しましたが、こうした証言によって日本軍が南京市民を手当たり次第に射殺し、最初の2、3日で1万2千人を殺したと主張したわけです。 ◆日本国民に植え込まれた自虐史観 この東京裁判で連日述べられるこのような恐ろしい陳述を、日本国民は身も細るような思いで聞いていました。 当時のNHKラジオは、番組「真相はこうだ」で、この非人道的な凄惨な状況を、毎夜、「こんな悪いことを日本軍はやった」と放送し、新聞もこれを繰り返し記事にしました。いわばこれが70年を経た今でも続いているわけです。 公正な検証もされないまま、一方的に「日本軍はこんな悪いことをした」と裁かれ、日本のマスコミもそのまま報道した、これが現在の日本人の「自虐史観」を形成した原因です。 では、この検事側の証言に対して日本の弁護側はどのような反証をしたのでしょうか。次回はその点に迫ります。(つづく) 参考 「南京事件 国民党極秘文書から読み解く」東中野修道著/草思社 「南京事件の総括」田中正明著/小学館文庫 「南京事件の探求」北村稔著/文藝春秋 ウイグルで死者2000人以上――真実を明らかにし、国際社会に正義を問える日本に 2014.08.08 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆「2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された」 ラマダン(断食)明けの7月28日、ウイグル自治区のカシュガルにおいて暴動が発生しました。 事件直後、中国の政府系メディア「天山網」は漢族35人、ウイグル族2人、犯行グループ59人が死亡したと報じました。 しかし、8月5日、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長は、「少なくとも2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された証拠を得ている」と米政府系メディア「ラジオ自由アジア(RFA)」の放送で発言しています。 ※参考;8月6日産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/news/140806/chn14080620590011-n1.htm ラビア・カーディル議長は、3日間程度かけて中国当局は遺体を片付けた、とも述べています。 国際ウイグル人権民主財団日本全権代表のトゥール・ムハメット氏は現地からの情報として女性や子供を含めて3000人が亡くなったと訴え、8月8日東京都港区で抗議活動を行いました。 事件が発生したカシュガルのヤルカンド県には、外国メディアの立ち入りが禁止され、中国政府に不都合な情報は完全に隠されている状況です。さらに、中国政府はこの件に関して中国版ツイッター「微博」に投稿された情報を削除しています。 政府によって情報統制がされているなか、中国系メディアの発表を信じることはできません。 ◆カシュガル暴動の背景 ウイグル自治区では5年前のウルムチ暴動以降、厳戒態勢がとられています。街の至るところに監視カメラが設置され、公安と武装警察が200メートルごとに立っていたそうです。 ※The Liberty web「中国・新疆ウイグル自治区の実態に迫る – 態勢のカシュガル潜入レポート」 http://the-liberty.com/article.php?item_id=7262 多くの人がイスラム教徒ですが、女性のスカーフの着用や、ひげを伸ばすことを禁止したり、モスクでの礼拝が制限されるなど、締め付けが強まっていました。 7月8日には、スカーフを着用している女性の取り締まりをしていた警察官が、7歳の少年を含む家族5人を射殺する事件も起きています。 2013年度の米国務省の信教の自由報告書には、中国治安部隊はテロリストと特定したウイグル族を自宅で銃撃しているという人権団体の話があります。また亡命を図ろうとしたウイグル族は投獄され、拷問が加えられているそうです。 こうした中国政府の弾圧とウイグルの文化・宗教に対する無理解が、今回の暴動につながったと考えられます。 ◆日本政府は中国政府に厳重に抗議すべき 思想、信教の自由は人間にとって最も基本的な人権です。信教の自由、価値観の多様性が認められなければ、人間に許されるのは無目的に生きるだけの「家畜の自由」でしかありません。 思想、信教の自由は、人間がいかに生きるか、理想とする人生とは何か、という人間を人間たらしめるために必要な条件です。 内心の自由、信教の自由を捨て、ただ生きるために与えられた環境のなかで生きていくというのは、あまりにも人間として悲しいあり方ではないでしょうか。 現在、ヤルカンド県は中国政府の完全な統制下におかれています。もし、ラビア・カーディル議長が主張するように、わずか2日間で女性も子供も含めて2000人以上のウイグル人が犠牲になったとすれば、中東のガザ地区より遥かに問題は深刻です。 日本政府はこの問題を重要視し、ウイグル自治区で何が起こっているのか真相を究明すべきです。真実を白日のもとにさらし、正義とは何かを国際社会に問う覚悟が必要です。 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略後の松井石根大将 2014.08.07 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆歴史問題を言い続ける中国 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略の経過 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略の経過 上記の「ニュースファイル」で日本がなぜ南京まで進軍して蒋介石の国民党軍と戦ったのか、その「南京戦」の経過について紹介しました。 注意すべき点は、日本軍が戦ったのは、現在の「中国共産党政府」ではなく、蒋介石が率いる「国民党軍」であったという点です。ですから現在の中国共産党政府が、「日本軍が30万人の大虐殺」を行ったということもおかしな話です。 現在の中国政府が、「日本軍は大虐殺をやった。だから謝れ」というには理由があります。それは、江沢民元国家主席の国家戦略です。 江沢民は在任中の1998年8月、在外大使ら外交当局者を一堂に集めた会議の席上でこのように述べています。 「日本に対しては歴史問題を永遠に言い続けなければならない」(江沢民著『江沢民文選』より) つまり、江沢民は、経済支援を日本から引き出す外交圧力カードとして「歴史問題」を位置付けたのです。ですからいわゆる「南京大虐殺」を中国が持ち出すようになったのは江沢民の時代からです。 さて、話を戻して今回は、その後の日本軍の行動について取り上げ、南京入城から終戦後の松井大将について取り上げたいと思います。 ◆日本軍の南京入城 昭和12年12月13日、南京が陥落した後、17日に日本軍は、中山門から松井石根大将を迎えて日本軍は入城式を行いました。 松井大将は南京城内の北西部に司令部を設け4日間、南京にとどまりましたが、12月21日、下関から船に乗って上海に戻りました。その後日本軍は、上海、南京を抑え、国民党軍のもう一つの要所であった杭州を攻め、これも簡単に攻略してしまいます。 こうして日本軍は、中支那方面軍は上海に、上海派遣軍は南京に、第10軍は杭州に司令部を置き、国民党の要所であった上海・南京。杭州をすべて抑えました。 これで日本軍は蒋介石が手を上げるだろうと判断し、仕上げとしてドイツ大使に仲介役をやってもらい日本と国民党政府との和平を進めようとしました。 ところが、結局ドイツ大使の仲介による和平工作は、年が明けた昭和13年1月2月になっても進展せず、蒋介石も降伏をしませんでした。 当時、日本軍は北京にも軍隊を送っており、また南京を攻撃するために内地からたくさんの部隊を送ったため、日本国内が手薄になっていました。 日本はソ連に対しても備える必要がありこれ以上、中国で戦線を広げることはできないという判断を昭和13年の1月にしたのです。それで、上海、南京、杭州にいる、3つの軍を復員させ部隊を減らすという方針を決めました。それで2月の下旬に松井大将も復員しました。 ◆終戦後、出てきた南京事件 この段階で軍規も厳しく指導した松井大将が南京で「虐殺事件」が起きたことなど認識もしていませんでした。松井大将が「虐殺」を知ったのは、それから8年経った昭和20年の終戦直後です。 終戦直後、アメリカの占領軍は「太平洋戦争史」というアメリカから見た戦争を発表しました。アメリカは、戦勝国である立場から日本を悪者に仕立て上げる必要があります。 それが昭和12年、日本軍が南京を攻略したとき、殺人、強盗、暴行をやったという新聞記事になったのです。それを見て松井大将が驚いたのは言うまでもありません。 松井大将は当時、日記をつけていました。松井大将はあらためて昭和12年、8年前の日記を見ましたけど、そこでそういうことは当然、全然書いてありません。当時松井大将は、虐殺事件があったという報告も受けていませんでした。 蛇足ですが、その松井大将の日記が昭和の50年代に松井大将のご自宅の天井裏から出てきたのです。 私は松井大将の秘書をされていた田中正明氏から昭和57年に、その日記の現物を手に取って見せていただいたことがあります。日記には南京の入城式の様子も書いてあったのを覚えています。 松井大将からすれば自分の当時の日記が占領軍の手に渡れば、「南京の真相」が消されてしまうと判断し天井裏に隠したのかもしれません。 さて昭和21年に東京裁判が開かれましたが、東條英機元首相などが戦争犯罪者として次々に逮捕されました。しかし、南京の大虐殺を言っていたのはアメリカと中国くらいで世界はまったく知りません。 大虐殺などもともとないのですから、世界が知らないのは当然です。ですから連合国側にも松井大将が訴えるのはどうかという意見もあったようです。 しかし結局、松井大将は最終的に逮捕されるわけです。松井大将は逮捕され東京裁判で「南京事件」が裁かれることになったわけです。 次回、東京裁判を中心に南京の真相にさらに迫って参ります。(つづく) 日本は今こそ国連常任理事国入りを目指せ! 2014.08.06 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ ◆問題だらけの国連常任理事国 8月6日、人類史上初めて原爆が投下された広島は、69回目の「原爆の日」を迎えました。 はじめに原爆により尊い命を奪われた数多くの方々の御霊に対し、謹んで哀悼の意を捧げると共に、被爆後遺症に苦しんでおられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。 もう一つ私たちが思いを致すべきは、「この国のために命をかけて戦った英霊は今の日本を見て、何を思うのでしょうか。戦後の未来を生きてきた私たちは『立派な国になりました』と胸をはって言えるのでしょうか。」――ということです。 国際平和の維持と国際協力を目的とした組織である国連は、公平中立なものではなく、第二次世界大戦の戦勝国による「戦勝チーム」を永遠に維持する仕組みになっています。 今の常任理事国は、すべて、連合国、勝った側の国々です。戦勝国側の利害があるため、戦後69年目を迎え今も敗戦国である日本とドイツは常任理事国になれないでいます。 日本とドイツはGDP世界第3位と4位の経済大国です。又、日本はアメリカに次いで2番目に多い国連分担金を負担しています。 [分担金(米ドル)](外務省HP参照) 1.米国 6億2120万 2.日本 2億7650万 3.ドイツ 1億8220万 4.フランス 1億4270万 5.イギリス 1億3220万 6.中国 1億3140万 7.イタリア 8.カナダ 9.スペイン 10.ブラジル 日本は中国の約2倍の分担金を払っています。しかし、お金だけ負担して敗戦国扱いするのであれば、戦後69年経っても、賠償金を払い続けているのと同じことではないでしょうか。 世界で起こっている紛争の解決に常任理事国のどこかの国が反対し国連は全く機能していません。 現在もウイグル、チベットで人権弾圧を行なっている中国、世界の警察官を辞めると宣言したアメリカ、日本やドイツより経済規模が小さいイギリス、フランスの5カ国、こうした国々だけが果たして、国際平和の維持を目的とする国連の常任理事国としてふさわしいのでしょうか。 ◆国連の常任理事国入りを目指す安倍外交 現在、積極的な外交を続ける安倍首相は、各国首脳に国連の非常任理事国選挙での支援や安保理改革などの協力を要請しています。(7/29 産経) しかも、安倍首相は来年10月にある非常任理事国入りの選挙当選の先に常任理事国入りも見据えているようです。安倍首相は、カリブ共同体加盟国(14か国)との首脳会合で常任理事国拡大を含めた安保理改革への意欲を表明しています。 同じく、常任理事国を目指すドイツのメルケル首相とは今年4月の会談で安保理改革を推進する考えで一致しました。 又、今月、ブラジルのルセフ大統領とも連携して常任理事国入りを目指すことで一致しました。さらに、9月上旬のインドのモディ首相との会談でも常任理事国拡大に向けた協力を確認する予定です。 日本は4か国と連携を強化し、国際世論を味方につけていくことが今後の鍵を握ります。 ◆日本の常任理事国入りを阻む壁 安倍首相の積極的な外交が功を奏していますが、日本の常任理事国入りには、これまで以上に中国が反対運動を展開する可能性が高いと考えられています。2005年にも日本の常任理事国入りに反対して中国で大規模な反日デモが起きました。 当時のマスコミは、小泉元首相の靖国参拝が反日デモの原因だと報じましたが、その本質は、日本の常任理事国入りを辞めさせるために、南京大虐殺や従軍慰安婦などの歴史問題を持ち出して「日本人がいかに非人道的な人種であるか」を宣伝し、国際社会からの信用を失くすように工作したことにあります。 その手法は今も同じです。中国は、2020年までには、アジアの覇権を握るという国家戦略の下に動いているため、日本がアジアのリーダーとして、国際社会で発言力を得ることは何としても阻止したいのです。 また、国際平和の維持と国際協力を目的とした国連の常任理事国の条件として、基本的に、(1)防衛力、(2)核保有、(3)経済力が必要だと考えられています。 日本が世界の経済大国でありながら、常任理事国に入れない最大の理由は、軍事力の行使ができないことにあります。軍事力は、外交を行う担保であり、自分の国を自分で守ることは大国として当たり前のことです。 これができない日本は、他国からみて、「大国としての条件を満たしていない」ことになります。 安倍首相が安保理改革と常任理事国入りを本気で目指すのであれば、集団的自衛権の行使容認だけではなく、「憲法9条の改正」、そしてもう一段踏み込んだ「核保有」の検討までしっかりと視野に入れる必要があります。 ◆戦後体制を脱却し世界のリーダー国家へ 日本国内だけでなく、戦勝国中心の国連にも戦後体制が残ったままです。 国連という国際組織そのものが機能するかどうかという課題はまた別にありますが、戦後体制を脱却するためにも、ドイツ、インド、ブラジルと連携して国連改革を進めていく必要があります。 常任理事国入りは日本が大国に相応しい外交力と防衛力を持つための環境整備でもあります。 これからも幸福実現党は、この国が世界に責任をもつリーダー国家になるために自虐史観を払拭し、日本の誇りと自信を取り戻す活動を行って参ります。 脅かされる安全と資源――日本の海と島を守れ! 2014.08.05 文/兵庫本部副代表 湊 侑子 ◆押し寄せる中国・韓国と、追い出される日本 2013年12月10日に放送された朝のニュース番組、TBS「朝ズバッ!」の中で、「長崎・五島列島―中国との国境に近い島の名称を『岩』から『島』に変更する動き」特集が組まれていました。 その中で使われていたNASAが撮った夜の衛星写真を見て、唖然としました。ある一本の線を隔てて、日本側と中国側の海の様子が全く違うのです。 日本側の海が真っ暗なのとは対照的に、水産省が取締り可能な領域ぎりぎりから中国側は大変な電気の使用量です。日本の大都市・博多と変わらないかそれ以上に明るく、範囲はかなりの広範囲です。 これらの光は中国が行う虎網漁と呼ばれる漁法で使う強力な集魚灯の光で、これで集めた魚を長さ1キロほどの網で集め、一気に引き上げていきます。 この漁によって魚が乱獲されるだけでなく、日本漁船が近づくと石を投げてくるため、日本側は追いやられているというのが現状です。 同じようなことは、ズワイガニ漁に関して韓国との間でも起こっています。 日本は中韓との間で、日韓新漁業協定(1999年発効)、日中漁業協定(2000年発効)を締結し、それぞれの暫定措置水域を設定しています。 日中間の水域において2013年8月の協議では、この水域で操業できる漁船数を日本側が年間800隻に対して中国側は1万8089隻、漁獲量の上限は日本が約11万トンに対して中国側は約170万トンと設定しました。水産庁によれば、この差は過去の実績に基づくものだそうです。(2014.7.22 産経新聞 「島が危ない 第三部 五島列島」) 日本側のあまりの政治力の弱さにはあきれますが、一番被害を受けているのは地元の漁師たちです。 日中漁業協定により、両国の漁船が自由に操業できる中間水域においても、取り締まることができるのは自国の漁船だけであり、違法行為があったとしても摘発することはできません。 実際、尖閣付近など国境近くで漁をする漁船は海上保安庁に代わって、中国の漁船や公艦の見張りをしています。中国が違法漁業や領海侵犯をしたのを発見しては、海上保安庁に報告していますが、その海と大切な資源を守ることができないでいるのが日本政府なのです。 ◆島に名前を付けることの重要性 長崎県五島列島から西に60キロ離れた無人島、肥前鳥島を形成する3島(北岩・中岩・南岩)の名称をめぐっても中韓との争いがありました。 これらの島の周辺は豊かな漁場であり、周辺200海里(370㎞)のEEZ(排他的経済水域)設定、そして日本の領海の基点となっています。 ここで取ることができる高級魚や豊富な漁場資源を狙って違法操業を行うのが韓国・中国です。 これら3島は、島でありながら“岩”という名前がつけられておりややこしく、さらに両国が「これらは岩であり、EEZの起点とならない」と主張をするため、地元の要請として名称を変更するよう声が上がっていました。 「朝ズバッ!」番組内で五島市の野口市長は、「わが国のしっかりした領土であることを示し、水産資源を守りたい」と発言し、3島(北岩・中岩・南岩)の名称を北小島・中小島・南小島に変更すると、国土地理院に申請しました。 島の名称変更は、関係市町村が申請書を出せば可能であり、ようやくここにきて行政が動いた形になります。 東海大学教授 山田吉彦氏は櫻井よしこ氏との対談において、「中国が東シナ海で最も関心を持つ資源が魚である」といいます。鳥インフルエンザの流行などがあるため、安心して食べられる貴重なタンパク源が魚であるからです。 さらに中国漁船は台風からの緊急避難を理由に、五島列島の玉之浦湾をわがもののように使っており、一時は3000人もの中国人が港に押し寄せていたそうです。(月刊Voice 2013.6 『日米資源同盟で中国と対峙せよ(1)』) 中国に日本の漁港を勝手に使われるなどという事態をこのままにしておいてよいはずがありません。 政府は、8月1日、領海の範囲を定める基点となる離島の内、尖閣諸島の一部を含む名称のない158の島に名前を付け、総合海洋政策本部のHP上で発表しました。 国が島の一つ一つにきちんと目を光らせている、ということを国内外に明らかにするために、この動きを更に加速させる必要があります。 ◆神々によってつくられた島と、国境を守る人たちを護れ 日本の領土は、すべて島から成り立っています。 日本にある島は6852、そのうち421島を除いては無人島です。無人島に人を住まわせたり施設を建設し、海洋管理をしていると世界にアピールすることが重要です。 加えて、現在の島の定義には海岸線が100m以上のものしか含まれていません。100m以下のものを加えると更に島数は増えます。ただ、これらに関しては名前がついていなかったり、把握できていないことが現状です。 100m以下の島で、領有権でもめる海域に近いものは人がほとんどいかないようなところに存在します。きちんとした海図がないことも多く、存在してもシミや虫食いなどがあり作業に時間がかかるようです。国家戦略としてこの仕事を進めていかなければなりません。 古事記によれば、日本の島々は神々の共同作業によって誕生しました。韓国が主張する対馬も、神々が生んだ島として古事記に書かれているのです。神々から与えられたものを、私たちはもっと大切にしなければなりません。 さらに日本には“国境離島”と呼ばれる島がたくさん存在します。その島に住む人々、もしくは島の海域で操業する漁師たちが日本の国境を守ってくれている、このことも忘れてはなりません。 日本が彼らの生命・安全・財産をきちんと守り、正邪を判断する自信を持つためには、やはり自主防衛ができる普通の国になることが必要だと改めて感じます。 今こそ「未来創造」のためのイノベーション促進を! 2014.08.04 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆なぜ、経済に「イノベーション」が求められるのか 安倍首相は5月、科学技術・イノベーション政策の推進を行う「総合科学技術会議」の名称を「総合科学技術・イノベーション会議」に改めました。 それにより、研究の振興と共に、新産業を生み出す政策づくりにまで守備範囲を広げ、同会議が予算配分権を持つ新たな研究事業も開始しました。このことより、安倍政権の「イノベーション立国の実現」に対する強い意気込みを感じることができます。 では、そもそもなぜ、経済に「イノベーション」が必要なのでしょうか。 日本は、バブル崩壊以降、「失われた20年」によってGDPの水準がほぼ横ばいで推移しており、中国にGDP第2位の立場を明け渡しています。日本には、国家として今一度立ち上がり、高度経済成長を実現していくための「起爆剤」が必要となっています。 経済学では、長期の経済成長の重要な決定要因は、技術進歩と労働生産性であるとされています。ドラッカーは『断絶の時代』の中で、「生産性の向上をもたらした新産業や新技術は、知識に基盤を置いていた」と述べています。 すなわち、新結合により生まれる、「未来創造の種」とも言える「知識」や「智慧」が、技術進歩そのものや、生産性の拡大を促し、長期の経済成長に、大きな影響を与えるわけです。 長期にわたる停滞の打破、経済大国としての立場の回復、さらにはGDP世界一の実現を可能にさせる要素こそ、イノベーションです。日本は、イノベーションを通じ、長期の経済成長を実現することができるわけです。 ◆イノベーションを行うプレイヤーは誰か それでは、イノベーションを行うプレイヤーとは誰でしょうか。 シュンペーターは、『経済発展の理論』において、「企業者と呼ぶものは、新結合の遂行をみずからの機能とし、その遂行に当って能動的要素となるような経済主体のことである」と述べています。 つまり、「企業家」が、新結合によるイノベーションを通じ、世の中に新しい価値を創造する主体なのです。日本がイノベーション立国化していく際には、この「企業家」が多数輩出される必要があるわけです。 ◆イノベーション促進のための国の役割とは何か イノベーション促進のための、国の役割について、二点取り上げることができます。 一つは、「国民に企業家精神を醸成させるための企業家教育を、国として積極的に推進すること」、もう一つは、「企業家がイノベーションしやすい環境を整備すること」です。ここでは、紙幅の関係により、後者のみ取り上げます。 イノベーションの一つである研究開発は、基礎研究、応用研究、開発研究の三段階に分けることができます。企業は、研究開発コストを回収しやすい応用・開発研究を重点的に行う傾向にあります。 一方、公益性が高く、応用・開発の土台となる基礎研究への投資は、民間企業のみに委ねた場合、社会的にみて過小なレベルに留まります。 したがって、国が重点的に基礎研究への投資を行う必要があるわけです。そして、国による基礎研究の充実が、民間レベルでの研究開発を促進させると考えることができます。 このように、国の積極的な基礎研究への関与を通じ、国・民間部門間の研究開発に関する「社会的分業体制」が構築されることは、イノベーション立国の推進のためには、必要不可欠と言えます。 ◆ナショナル・イノベーション・システム 現在、経済の国際化が進む中、イノベーションに関する競争が激しさを増しています。それに従い、競争を勝ち抜くために企業が負担するイノベーション費用も、増加の一途を辿っています。 そこで、近年、「企業の研究開発資源を企業内部のみに求める」とする「クローズド・イノベーション(closed innovation)」から「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造するための体系」である「オープン・イノベーション(open innovation)」への移行の重要性が指摘されています(Chesbrough, 2004, “Open Innovation”参照)。 つまり民間企業同士、あるいは民間と政府・大学部門とのイノベーションに関する連携が望ましいというわけです。 国におけるイノベーションの産・官・学により形成される体系は、「ナショナル・イノベーション・システム(NSI; national systems of innovation)」と言われています。2月の「総合科学技術会議」の場でも、その重要性が指摘されたように、NSIの最適な構築は、日本の喫緊の課題の一つとなっています。 ◆新産業の創出と国の役割 NSIの方向性、つまり、「国がどのような方向でイノベーション立国を推進していくのか」ということについては、市場の中で自生的に選択されていく「自生的選択」と、公的部門による「制度的選択」があります(Dosi, 1982, “Technological paradigms and technological trajectories” 参照)。 後者については、公的研究機関が担う基礎研究が、NSIのベースとなることから、国が主導的に行う基礎研究が、NSIの方向性を決定づけると述べることができます(OECD, 1997, “National Innovation System”参照)。 それを踏まえ、国は、どのような方向性を持ったNSIを構築すべきなのでしょうか。 「国家経営」の観点からも、それは「日本の国益に適うもの」であり、未来における日本の経済繁栄を「創造」するものであることを前提条件とする必要があります。それを考慮すれば、日本は、宇宙産業・防衛産業・ロボット産業を推進することが望ましいと考えます。 今こそ、日本は、超経済大国の実現を可能とする、「未来創造」のためのイノベーション政策の推進を考えるときです。 戦後の自虐史観を創った米国の情報操作 2014.08.03 文/幸福実現党 政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「日本の復活」を心の底から恐れた欧米諸国 大東亜戦争は、最終的に日本が敗北しましたが、欧米諸国も大きな打撃を受け、日本軍の強さは、彼らにとって大きな脅威となりました。 真珠湾攻撃は、米国のルーズベルト大統領があらかじめ知っていたという説が有力ですが、日本の攻撃がすさまじく、大統領は最後まで山本五十六長官を許さなかったといわれています。 また、硫黄島の戦いでは米軍の兵力11万人の中で、死傷者が2万8千人に上り、予想以上の被害となりました。 そして、ゼロ戦などの「特攻」によって、米海軍も甚大な被害を受けました。 さらに、英国では、国の誇りでもあった最新鋭艦「プリンス・オブ・ウェールズ」が日本航空機の攻撃だけで撃沈し、チャーチル首相も「大戦の中で最も衝撃を受けた事」と著書に記載しています。 当時のインドの方々には、この事件は大きな衝撃を与え、独立するための主要な動機になったとも言われています。 このような戦争の初期、日本は欧米に対して徹底的な勝利をおさめ、アジアの植民地支配を実質的に終了させた事は、欧米にとっては、全く予想ができない事でした。 そのため、連合国側は戦後、日本が再び立ち上がることを心の底から恐れを持ち、そしてそれが現在にまで続いています。その恐れが、米国の占領下における徹底的な情報操作につながる事となりました。 現在は、重要な同盟国として東アジアの安全保障を担っている日米両国ですが、残念ながら、当時はあまり相互の理解がありませんでした。 私たちが言う「自虐史観」とは、一つには、米国やソ連、中国などが、戦後、日本の国力をそぎおとし、自国の国益の脅威とはならないことを意図して行われたものなのです。 ◆「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」――日本人への洗脳工作 米国で、以上のような意図のもとに進められたのが「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と言われるものです。 実は終戦直後、日本人には、自虐史観の考えは全くありませんでした。1945年10月のGHQ月報では「日本人の間に、道徳的過失の感情はほとんどなかった。敗れたのは、単に産業と科学の劣性と原爆のゆえであるという信念がいきわたっていた」と記載されています。 そのために、米国の宣伝のプロたちが集まって、徹底的な議論の末に、具体的な「プログラム」を作成して、日本人の意識を自虐的に変える事を実行していったのです。 「ギルト」とは、「罪」と訳すことができるように、日本の「軍部」が国民の声を無視してアジアを侵略した、という「罪」を徹底して問うものであります。そこには、人種差別的な考えもあったのかもしれません。 さて、この「プログラム」を進めるに当たり、当時の占領軍ダイク民間情報局長が、その目的を記載したメモを見ると、より具体的に米側の考えが分かります。 1、日本人戦犯を処罰することは、倫理的に正当であり、日本の再建と世界の安全に必要であることを示す。 2、日本国民にも「軍国主義」を許した責任がある事を示す。 3、日本の経済界、教育者などにも戦争の責任がある事を示す。 4、戦犯は、「公正」かつ「開かれた」裁判を受ける。 5、日本国民に戦争犯罪及び、戦犯について議論させるように仕向ける。 ◆その具体的な内容 これらの考えに基づき、占領軍のもとで、東京裁判が行われることになり、多くの軍・政府関係者が「戦犯」として逮捕され、「裁判」を受け、「処罰」を受けました。 その他、書籍「太平洋戦争史」やラジオ番組「真相はこうだ」などを代表とする発信によって、日本の軍隊による「南京大虐殺」などのねつ造された歴史観がマスコミを中心に、広がっていきました。 さらには、新聞や書籍については、占領軍による徹底的な検閲が行われ、戦争での大義であった「アジアの解放」や「愛国心」「神道への尊崇の念」などについては、すべて削除されたほか、発行停止処分も行われました。 映画などにも検閲が行われ、「敵討ち」をテーマとした「忠臣蔵」などは上映が禁止されていたという事もありました。 それらのねつ造された事柄は、あたかも「真実」として、いかに日本軍が残虐な軍隊であり、恥ずべき事を行ってきたのかという事で、愛国心が薄れ、逆に国家に対する憎しみが増すように操作されていきました。 また、米国に対しては、一貫して「民主主義をもたらした」「男女平等を進めた」「暗い社会から明るい社会へ導いた」、というイメージを徹底的に刷り込んでいきました。 その結果、欧米の軍隊を蹴散らし、アジア諸国を植民地から解放したという日本の偉業については、完全に否定されることになりました。 そうして形つくられた、誤った歴史観が、現在に至るまで多くの日本人が持っているのです。 ◆米中の洗脳から日本人としての誇りを取り戻そう 今、幸福実現党は「日本の誇りを取り戻す」活動を行っています。その一環として「南京大虐殺」についてはねつ造であり、中国政府によるユネスコ記憶遺産申請は許してはならない事であることを訴え、署名活動を行っています。 今、必要なのは、私たち日本人が本来持っていた「愛国心」や「武士道精神」を取り戻す事です。そうした意味で、私たちの活動は、単なる団体としての利益ではなく、日本にとって大切なものであります。 もし、私たちが黙ったままでいると、戦争で生命をかけて日本のために尽くした英霊に対して顔向けができません。また、現在の国際社会の中で、日本は、誤解を受けたままになってしまい、今後の国益を大きく損ねる結果になり、繁栄の道が閉ざされたままになってしまいます。 私たちの活動にご理解をいただき、ぜひ、署名活動へのご協力をお願いする次第です。 ※中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し、 日本政府に万全の措置を求める署名 http://info.hr-party.jp/2014/3159/ 日本の安全保障と集団的自衛権【後篇】 2014.08.02 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆「双務性」による日米同盟の強化 日米同盟は日本の安全保障の要です。自衛隊は未だ国内法上は軍隊ではなく、核も敵地への攻撃力も持っていません。 また情報分野もほとんど米国頼りであり、海洋貿易立国でありながら生命線であるシーレーンも、実質上、その安全をアメリカ軍の第7艦隊に委ねるなど、残念ながら、日米同盟抜きに、独自の安全保障を維持することは困難な状態にあります。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認は、その日米同盟をより強固にし、さらにアメリカをアジアにつなぎとめるという意味で、日本の安全保障上、極めて重要な意味を持っています。 その最大の理由が、今回の集団的自衛権の行使容認によって、日米同盟の脆弱性の1つであった「片務性」が解消され、「双務性」に向かうことです。 国家間の軍事同盟は一般的に、NATOがそうであるように同盟国同士の集団的自衛権によって成り立っています。しかし、現在の日米同盟は、日本に米軍を駐留させる代わりに、アメリカに日本の防衛する義務を付加するという「片務性」に基づいているのです。 それは、東西冷戦という“特殊な環境”下においては機能したものの、冷戦体制が終結するに至って、その「片務性」に対して、アメリカ国内からも、「日本に米軍基地を置けるというメリットだけで日本と同盟を結んでいることに、どれだけの利益があるのか」という「日本の安保ただ乗り」論が、萌出するに至っていました。 例えば、アメリカでも最大手の外交研究機関「外交問題評議会」が1997年にまとめた報告書は、日本の集団的自衛権禁止を「日米同盟全体に潜む危険な崩壊要因」と定義づけ、「有事の際にそうした回避が露わになれば、アメリカ国民は衝撃的に失望し、日米同盟自体が危機に瀕する」と警告し、日本に政策修正を求めました。 さらに2001年にも、ヘリテージ財団が、「日米同盟の重要性が高まったからこそ、日本と米国の有事の効率的な協力や、国連平和維持活動への参加を拒む、集団的自衛権行使の解除」を求める政策提言報告書を出しました。 同財団は、2005年にも、日米同盟強化を提言。その最大の障害が、集団的自衛権の行使禁止だと強調しています。(『日本を悪魔化する朝日新聞』古森義久WILL 2014年7月号より) 現在、日本が直面する中国との尖閣問題に関して、アメリカはオバマ大統領を始め、「日本の施政下にある領土は、尖閣諸島も含めて日米安全保障条約の第5条の適用対象となる」と、明言しています。 これは、アメリカが日米同盟に基づいて、「集団的自衛権を行使する」と言っていることに他なりません。もし、日本が従来のように集団的自衛権を行使できないまま、尖閣有事や朝鮮半島有事が勃発した場合、その「片務性」に対してアメリカ世論が沸騰し、日米同盟が崩壊する危険性すら存在していたのです。 その意味で、集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、日米を真の同盟関係にするために、どうしても必要な国家の選択であったと言えます。 ◆憲法改正への嚆矢として さらにこの日米同盟が今、アメリカの国内問題によって大きく変化しつつあります。 2013年3月から始まった政府の歳出強制削減によって、アメリカは向こう10年間で3兆9000億ドル、日本円にして390兆円の歳出削減を迫られ、それに伴って国防予算は大きく削減されることになります。 その額は実に10年間で約5000億ドル(約50兆円)、一年間で日本の防衛予算(平成25年度4・68兆円)に匹敵する規模です。これによって、アメリカは「世界の警察」であることを放棄し、アジア太平洋地域における戦力や運用も、縮小せざるを得ない事態に追い込まれているのです。 ゆえに日本は、日米同盟のさらなる深化に向けて不断の努力を払う一方で、いつ何時、日米同盟が機能しなくなるような事態も想定し、今後、自らの力で中国や北朝鮮の軍事的脅威と対峙できる安全保障政策を構築しなければなりません。 すなわち「自分の国は自分で守る」――「自主防衛体制」の確立です。それは明治維新以降、日本が一貫して歩んできた道でもあり、独立国家としては当然の姿勢です。 そのためにどうしても避けて通れないのが憲法9条の改正です。今回の集団的自衛権の行使容認をめぐる国会での議論やマスコミ報道に見られるように、国際法で認められている自衛権の行使であっても、憲法解釈の変更の是非を巡って、日本の国論は分裂しました。 国家の根幹でもある安全保障政策をめぐる、こうした混乱と不毛な論議を避け、暴走する中国や北朝鮮の軍事的脅威から国民の生命、安全、財産を守るために、わが国は遠からず憲法9条の改正を実現する必要に迫られています。 なぜなら、現在の自衛隊は憲法上軍隊とは認められず、おのずと防衛行動に大きな制約が課せられているからです。 憲法改正に当たっては、自衛隊を国家防衛の軍事組織と位置づけ、従来のポジィティブ方式による法規定ではなく、諸外国の軍隊が採用しているネガティブ方式による規定化が望まれます。 当然のことながら、軍刑法の制定と特別裁判所設置も視野に入れるべきです。そのためには、憲法の解釈変更ではなく、憲法改正に踏み込まざるを得ません。 その意味で今回、集団的自衛権行使容認の是非をめぐって、国民的議論が喚起され、憲法改正への道筋を拓いたことは、実質的な抑止力向上と加えて、わが国の安全保障政策上、画期的な出来事であったと言えるのです。 日本の安全保障と集団的自衛権【前篇】 2014.08.01 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆総論 本年7月、政府は臨時閣議で、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を限定容認することを決定しました。 集団的自衛権は、国際連盟憲章51条に基づいて、国連に加盟する全ての主権国家が保有を認められている自衛のための自然権です。 にもかかわらず、戦後、わが国は70年近くにわたって、憲法9条と日米安保条約をワンセットにして維持されてきた枠組み(いわゆる『戦後レジューム』)に基づいて、内閣法制局の「集団的自衛権の行使は認められない」との解釈を踏襲してきました。 その意味で、今回の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は、“平和憲法”によって自らの手足を縛ってきたわが国の安全保障政策上、極めて画期的な「パラダイムシフト」(思考の変更)であると言えます。 また、北朝鮮の核ミサイル開発や軍事大国化した中国の海洋進出など、わが国の安全保障環境は激変し、日々厳しさを増しています。 そうした中での今回の決定は、日本の安全保障の要である日米同盟を強化すると共に、財政問題を抱えて内向きになりがちなアメリカをアジアにつなぎ止め、アジア・オセアニア諸国とも連携して幅広い外交・安全保障政策が可能となるという意味で、わが国の抑止力強化に大きく資すると言えるでしょう。 ◆普通の主権国家への第一歩 集団的自衛権とは、密接な関係にある国が武力攻撃を受けた時、自国に対する攻撃とみなして、その攻撃を阻止する権利のことを言う。そしてこの集団的自衛権は、「国際連合憲章」(第51条)で、個別的自衛権とともに、加盟各国が持つ「固有の権利」であると明記されています。(※1) (※1)国連憲章第51条 「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国債の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使にあたって加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。」 しかも、この自衛権は「正当防衛権」であり自己及び他に及び、また仏語の語原では「自然権」(au droit naturel de legitime defense)で、成文の憲法を越える存在であるとされています。 日本は、戦後主権を回復し、サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約を締結、さらに国連憲章を批准して晴れて独立国家として国連に加盟しています。 それゆえ、本来なら、政府による従来の「国際法上は保有しているけれども、憲法上、行使することができない」との解釈や、集団的自衛権が憲法上許されるか否か等の、今回の集団的自衛権の行使容認に反対する議論の多くが、国際法に基づく「国際社会の常識」からすれば、日本の国内にしか通用しない「非常識」な議論といえます。 現在の国際世界の秩序は、国際連合憲章に基づく、国連加盟国による「集団安全保障システム」によって維持されています。 それは、多国間条約において全加盟国がほかの加盟国に対する武力の不行使を約束し、違反した場合には、違反国を除くすべての加盟国が違反国に対して共同して鎮圧、被害国の主権を回復させるというものであり、国連安保理がその主要な責任を負っています。 個別的自衛権と集団的自衛権は、その安保理が「国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」認められているものです。 このように世界は、(安保理の拒否権行使による機能不全など、さまざまな問題を抱えているとしても、)国連憲章という国際法に依拠した集団安全保障で成り立っており、日本も国連加盟国の一員である以上、当然それに依拠した行動を求められているのです。 しかしながら、日本はこれまで、憲法9条と日米同盟という枠組みに拘泥するあまり、世界基準である国際法ではなく、国内法の枠組みの中での安全保障政策を踏襲し、大きな失敗を重ね、国家の威信を損なってきました。 その一例が、1992年の湾岸戦争での国際協力をめぐる日本の対応です。当時クウェートに侵攻したイラクのフセインに対して、国連の承認のもとアメリカ主導の多国籍軍が結成され、世界30カ国が参加しました。 日本は自衛隊による人的貢献 を「海外派兵となる」と見送り、代わりに約130億ドル(約1兆7000億円)もの巨額の資金を拠出しました。 しかし、国際社会からは”too little, too late(少なすぎ、遅すぎ)”と非難され、クウェート政府が米国の主要英字紙に掲載した感謝国30カ国の中から、日本の国名が除外されるなど、わが国は屈辱的な扱いを受けました。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認によって、わが国はようやく、憲法9条という国内法に縛られた枠組みから、国際法に依拠する枠組へと踏み出すことになり、安全保障政策上ようやく、「普通の主権国家」に近づいたと言えます。 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