Home/ 2014年 August 2014年 August 長崎市平和公園――「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」建立を許すな! 2014.08.31 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆反日的な碑文 韓国民団が、今年1月、長崎平和公園内の中に「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の建立を行う申請を市に対して行ったことが2月上旬、報道により明らかになりました。 申請によると、この石碑は、長崎平和公園内の一角に建立の予定で、直径4.4メートルの円形台座に、高さ3.7メートルの巨大なものとされており、本来は2月24日着手、4月18日完成の予定で工事が行われる予定でした。 さて、この碑文が大きな問題とされているのは、この中で「この地(長崎)で(朝鮮人が日本人から)過酷な強制労働と虐待を受けた」と記載される予定になっているからです。 この「強制労働と虐待」という内容についてですが、すでに1959年に外務省が「韓国人の強制連行はなかった」と公式な見解を示しております。原爆による被害を受けた韓国人がいたことは非常に残念なことでありましたが、本人の自由意思に基づいて長崎にいたケースが多いはずです。 現在、幸福実現党は「南京大虐殺」「従軍慰安婦」について、中国が、今年一月、ユネスコの記憶遺産への登録申請を行った事が報じられ、この登録申請について反対の署名活動を行っています。(http://info.hr-party.jp/2014/3159/) 今回の「碑文」申請についても、歴史的に事実ではないことをねつ造して長崎市の施設の中にはっきりと掲げることは、いわば反日的な動きの一環であることが明らかです。 ◆党長崎県本部のメンバーが長崎市議会で意見陳述 この報道を受けて、幸福実現党長崎県本部は、他団体に先駆けて直ちに行動を起こし、石碑の建立が始まる前に、長崎市議会に建立申請に対して抗議の陳情を行いました。 この陳情は長崎市議会で取り上げられ、建設水道委員会において審議されることになり、去る3月5日、党県本部の山田聖人副代表が、今回の碑文建立反対の意見陳述を行いました。この意見陳述の詳細は、長崎市議会のウェブサイトより、議事録で検索していただけます。 市議会の議事録によると、山田県本部副代表による意見陳述の主な内容は、 (1)碑文は、「原爆で亡くなった韓国人への慰霊」という以上に、日本に対する非難が強い内容になっている。 (2)この碑文が認められると、日本の強制連行を認めた事になり、国益を損ねる。 (3)日本、長崎市のイメージ低下にもつながる。 (4)事実をねつ造し、反日的な内容を記載している碑文の建立を認めてはいけない。 以上、日本の国益の立場から堂々たる主張を展開しました。 上記意見陳述がきっかけとなり、出席した市議の間で碑文建立への疑問の声が上がり、現時点に至るまで、市においては最終的な判断がなされていないのが現状です。 また、党長崎県本部では、「石碑建立反対」の署名活動も行われ、長崎市を中心にこの実態が多くの国民に対して知らされる事になりました。 ◆釈量子党首も8/28に市長あて陳情書を提出 こうした状況の中、去る8月28日(木)、釈量子幸福実現党党首が長崎市へと飛び、田上市長あて、幸福実現党による「石碑建立反対」の要望書及び、同様に合計5,934筆に及ぶ「石碑建立反対」の署名を提出しました。 その後、長崎市役所内での記者会見を行い、市内での街宣活動でこの実態を県民に訴えました。 今回の碑文建立計画にあたり、幸福実現党は他の政党に先駆けてその非を明らかにし、反日的な活動を食い止め、着実に「日本の誇り」を取り戻しつつあります。 ◆長崎市が世界に訴えるべきは「原爆投下の必要があったのか」という事 現在、長崎と広島は、全国・全世界で、「原爆の被災地」として知られています。広島市の原爆祈念公園内に設置された石棺前には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」との碑文が刻まれています。 広島市によると、世界人類の反省の弁、という事のようですが、単純にこの言葉を聞く限り、私たち日本人が「過ち」を起こしてしまったために、原爆投下という悲劇を起こしてしまった、というように受け取れます。 しかし、原爆投下の判断を下したのは、当時の米大統領のトルーマン氏であり、米軍によって原爆投下がなされたのです。 広島、長崎には当時、軍需工場が所在していたものの、原爆によって亡くなった2都市合わせて約20万人の犠牲者のほとんどが、一般の市民でありました。現在に至るまで、米国側からはこの「大虐殺」について一回も反省の言葉がありません。 一方、日本側は、単なる「証言」だけで実態が確認されていない「従軍慰安婦」「南京大虐殺」については、河野談話などを通じて、政府として公式に謝罪しています。 残念ながら、昨今の日韓関係は大変厳しい状況が続いています。本来は、両国の友好親善を進めて行きたいのですが、事実でないことを事実として受け止められることは許してはいけません。 また、日米関係についても、中国系アメリカ人のアイリス・チャン氏による「ザ・レイプ・オブ・南京」の著作などによる誤った歴史観が米国人の中に刷り込まれており、「日本人は原爆投下されてもやむを得ない事をしてきた民族だ」と思われている節もあります。 私たちは、日本人が行ってきたことは、アジアの植民地解放など、本来は賞賛されるべき偉業を成し遂げてきた事を訴えていく必要があります。今後とも、幸福実現党の「日本の誇りを取り戻す」活動へのご理解を賜りますよう、お願いいたします。 公教育改革を進めよう――恐れるものへの挑戦を 2014.08.30 文/兵庫県本部 副代表 湊 侑子 ◆学力の底上げが実現 文科省が今月25日に全国学力テストの結果を公表しました。 国公私立計35000校、約215万人が参加した今回の結果を見て驚いたことは、毎年最下位もしくはそれに近かった沖縄県の学力が小学校で大幅に改善されていたことです。 小6算数Aが昨年の最下位から今年は全国6位に。国語A・Bや算数Bも例年の40位以下から30台前半へと上昇しました。 成績上昇は沖縄だけではありません。 今回のテストでは全国平均と下位3県の平均との差が、中3国語Bを除く7科目において昨年度よりも0.3~1.2ポイント縮まりました。(2014.8.26 産経「学力底上げ進む」) 下位層が全国平均値に近づいてきたことにより、全体的に学力が上がったことが分かります。都道府県別の結果の公開をした結果、わずかながらも学力が底上げされました。 現に沖縄県内でも学力が最下位であった八重山地区、特に石垣市では低学力の犯人捜しを辞め、学校・家庭・地域が責任をもって子どもたちの教育にあたったところ、正答率が上昇し、沖縄県の学力底上げにつながったと言います。(同上 産経) 公開テストの結果開示は、子供たちの学力増進につながると言えます。 ◆公教育にかかる教育費、実は高い! さて、皆さまは公教育にどのくらいの費用がかかっているか、ご存知でしょうか。 少し古いデータですが、平成21年度教育費の総額は16,4兆円、そのうち公教育にかかるコストは、13,7兆円でした。これらには、すべて私たちの税金が使われています。 公教育に対して国民すべてが一人当たり、年間約10万円を負担していることになるのです。 生徒一人あたりの学校教育費は、小学校で91万円、中学校で106万円、高校で115万円、高等専門学校で211万円、定時制高等学校で164万円で、これらの多くは人件費(教員・事務員の給料)に使われています。学校の施設維持費などを加えると、これがおよそ1.5~2倍になると思われます。 公教育はただ、というのは単なる思い込みであり、間違った認識です。 国民の尊い血税を使っている以上、公教育は成果を出さなければなりません。その成果とは、国益にかなう日本人を育てることであり、世界に貢献する日本人を輩出することです。 そう考えるならば、現在問題とされている多く事柄、自殺までつながる陰湿ないじめ、学習内容の薄さと低学力、一部の教師の怠慢、日教組などによる過度な平等・平和教育、教育委員会の機能不全、などの解決に向けてもっと真剣に取り組むべきです。国民は、公教育に無関心であってはならないと思います。 ◆公教育に競争と情報公開を 都道府県別の成績は公開されても、市区町村別・学校別の学力テストの公開は、まだまだ程遠いのが現実です。 この度、一定の条件付きではありますが、市区町村別・学校別テストの結果を公開できるようになりました。 しかし「過度の競争おそれ」を抱く教育委員会は、各学校の責任に任されている自校の成績公開に関して、「公開しないように」と要請する大阪・堺市教育委員会さえ存在しており、公教育の成果はなかなか明らかにされません。 公教育に本当の競争を導入し、各学校が切磋琢磨しながら努力と改善を行うための最も良い方法は、学区制を廃止もしくは広範囲に設定し、生徒が自分の行きたい学校を選ぶことができ、生徒数に合わせて各学校に予算を配分する「生徒・保護者の足による投票」、欧州型の教育バウチャー制度導入であると私は考えます。 そのためには、各学校の様々なる情報の公開が欠かせません。競争が質を向上させること、競争がないとことには腐敗が生まれる、ということは明らかです。 公教育は誰のためのものなのか? それは、教育を受ける生徒たちのものです。彼らはこれからの日本を担う、主役であり主力なのです。文科省・各教育委員会・学校・教員たちは、生徒たちのための公教育改革をはじめなければなりません。 それは多分に痛みと反対を伴うものでしょうが、恐れるものへの挑戦こそが、未来を切り開く鍵なのです。 「日米同盟」と「自主防衛力」に関する考察と戦略 2014.08.29 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 ◆「防衛白書」(平成26年度版)で観る、我が国の安全保障政策 中国の脅威が高まる中、その対処として「国家安全保障戦略」「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」(平成25年12月17日閣議決定)に沿って、 国際協調主義に基づく積極的平和主義、防衛力の「質」「量」の確保、「統合機動防衛力」の構築、日米同盟の強化等を推進する方針、また、「国の存続を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年度7月1日閣議決定)で「集団的自衛権」を行使可能とし、前進したと言えます。 (1)日米同盟を基軸として、不敗の地に立て、(2)台湾を中心としたシーレーンを守れなければ、日本のエネルギー危機が来て未来は危ない、ということ(「日本外交の盲点」)を、一応押さえていると見られます。 しかし中国の覇権への執念と「日本支配」の可能性、「日米同盟」弱体化の危険見積もりという点では、判断に甘さが感じられます。 ◆帝国主義的侵略を目指している、危険な中国 中国の公表国防費は、過去26年間で約40倍、過去10年間で約4倍となっています。2014年度は約13兆円ですが、人民解放軍の衣食住コスト、人民武装警察部隊コスト、ミサイル戦力コスト、医療費と年金コスト、経営する武器製造企業のコスト、輸入外国製兵器、宇宙戦争予算等が入っていないために、実際は20兆円~30兆円とも言われています。 「先軍政治」で、数千万人粛清してでも国体を維持し、資源争奪、他国支配で、「軍事力をお金に換える」体質を持っています。 「アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒否」(「A2/AD」)能力の強化で、第一列島線~第二列島線と支配圏を拡大し、日本降伏と支配の計画、さらには世界制覇の野望も持って、軍事力の近代化を推し進め、三戦(さんせん)(輿(よ)論戦(ろんせん)、心理戦、法律戦)を展開しています。 ◆日米同盟の脆弱性(ぜいじゃくせい)。 アメリカは、時折、正義を見失い、判断を誤ることがあります。 日本に、人種差別をし、石油を止め、ABCD包囲網を敷き、ハルノートなどの外交で開戦に追い込んだ例、東京大空襲と原爆投下で民間人を大虐殺した例、戦後は、台湾を裏切り、中国共産党と手を組んだ例などです。 現在も、 (1)経済的理由で、世界の警察官としての使命を放棄し、『孤立主義』に入る可能性。 (2)中国との軍事的対決を避けるため、また中国との経済的関係を重視して、東アジアは中国に任せよう、との誘惑に駆られ、日米同盟を破棄し、『米中同盟』に入る可能性。 (3)将来、中国の軍事力が日米を上回って、日米同盟が『機能不全』に陥る可能性。 は完全には捨てきれず、戦略と対策が必要です。 ◆日米同盟の強化、継続の力 日米同盟の強化と継続には、日本が、アメリカから見て、 (1)敬意を払いたくなる『徳力』。 (2)敵対したくない『防衛力』。 (3)中国より魅力的な『経済力』。 を持っていることが、有効な力となります。 ◆敬意を払いたくなる『徳力』 「南京大虐殺」「従軍慰安婦」などの捏造歴史認識を、日本中・世界中から払拭させ、 「世界から人種差別と植民地支配をなくしてきた、正義のサムライ国家・日本」「世界最古の王朝が連綿と続く、奇蹟の国・日本」「今後も、世界の恒久平和のために尽くす、平和と正義の守護神・日本」といった内容のPR活動を大々的に行い、世界人類の幸福に責任を持って、発言力、外交力、リーダーシップを発揮していくべきです。 ◆敵対したくない『防衛力』 アメリカとの友好関係は常に親密にし、相互に軍事協力は推し進めつつも、同時に、高度な技術を有する「自主防衛力」を構築することが大事です。 傭兵に頼って経済的繁栄だけを求めていたカルタゴが徹底的に殲滅された事例を考えれば、自主独立した、高度で、頼りがいのある防衛力を保持することが、国防の隙をなくし、誇りある健全な同盟関係を持続させていく鍵になります。 自衛隊の最新兵器は、レベルは高いのですが、アメリカがソフトのコードを変えれば機能しなくなるものも多いという弱点があります。同盟関係なら問題ないのですが、米中に組まれたら、日本は奴隷国家へと転落するか、消滅するかという結末になります。 アメリカが日本を敵に回したくない「最新(未来型)通常兵器」の自主開発、「核抑止力」の自主構築が必要と考えます。 具体的には、各種軍事作戦を遂行し得る宇宙衛星、宇宙兵器、ミサイル防衛システム、原子力潜水艦、原子力空母、巡航ミサイル、弾道ミサイル、次世代航空機、各種無人機、ロボット兵器、レーザー兵器、サイバー戦技術、島嶼戦の装備、核シェルター、核抑止力、核ミサイルを無力化する兵器等において、技術的に中国に対して圧倒するレベルを確保することが大事です。 自主開発の高性能兵器を、アセアン諸国、インド、オーストラリア、韓国、ロシア、その他の友好国に、戦略的に輸出することは、中国包囲網を形成し、中国の侵略を抑止するための有効な方策となります。 ☆『経済力』に関しては、別の機会で論じたいと思います。 日露首脳会談は開催できるのか?! 2014.08.27 文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作 ◆混迷するウクライナ情勢 前回7月30日にロシア-ウクライナ問題を取り上げてから約1か月が経過しました。 (「ウクライナ問題と日本の役割」http://hrp-newsfile.jp/2014/1611/) その間、ウクライナの上空でマレーシア航空が撃墜された事件についての真相も未だ明らかにならず、ウクライナ東部では激しい戦闘が続いています。 そんな中、この度8月26日にロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領が、ベラルーシの首都ミンスクで会談し、ウクライナ東部の情勢について話し合いました。しかし、この会談では事態の打開につながる成果は出なかったという見方が報道されています。 日本にとって最重要の同盟国であるアメリカのオバマ大統領、そしてアメリカ国内の言論も対ロシア強硬論が大勢を占めており、混迷するウクライナ情勢のもと、この秋に開催予定であった日露首脳会談についても開催を危ぶむ声が聞こえています。 さらに、最近ではロシアが制裁への報復として特定の日本人のロシアへの入国拒否や、北方領土での軍事演習を行いました。 ◆プーチン訪日の意義 そのため日本国内でも「安倍政権は、今秋にも予定していたプーチン氏の来日招請を延期するのはもちろん、首脳同士の個人的関係を頼んだ領土交渉の戦略も見直すべきときではないか」(8/16産経「社説」)という意見が出たりするなど、日ロ首脳会談の開催について真っ向から反対する声も出ています。 しかし、ロシアのラブロフ外相が25日の記者会見において、プーチン大統領の訪日ついて「ウクライナ情勢は露日関係には関連しない」(産経新聞8月26日)と述べ、訪日の計画には影響はないということを述べています。 これは、ロシアにとってやはり対日関係が非常に重要であり、安倍首相との首脳会談の開催を強く望んでいることの表れではないかと思われます。 ラブロフ外相の発言については「プーチン大統領が訪日できなかった場合、日本側に責任があると示唆する狙いがあるとみられる」(8/27朝日)という指摘もありますが、単に日本側に責任があるとしたところでロシア側にとっては利益が無く、やはり日本との関係改善、関係強化がロシアにとって重要とみるべきでしょう。 特に欧米各国との関係が悪化し、制裁も受ける中で、中国と天然ガスの長期の取引に合意するなど中国への接近が見られますが、ロシアとしても中国の脅威は厳然と存在し、対中国抑止のためにも、そして経済的な理由からも日本との関係強化は非常に重要であるはずだからです。 一方、我が国としても対中抑止のためにもロシアとの関係を良好に保つことは国益に資することであります。本来ウクライナ情勢の混迷さえなければ日露首脳会談は何の問題もなく、日本としても期待感をもって実現できたはずです。 ラブロフ外相の発言を受けて、菅官房長官は「今年2月ロシアのソチでの日ロ首脳会談の時に、大統領の訪日について合意したことは事実だ」としたうえで「日程はなんら決まっておらず、種々の要素を総合的に考慮したうえで判断したい」と述べています。 ◆ロシアをめぐるアメリカと日本の対応 やはり気になるのはアメリカのオバマ政権の反応です。ロシアとの関係は重要ですが、かといってアメリカとの同盟関係に深刻な亀裂を生じさせるわけにはいきません。 アメリカのサキ国務省報道官はプーチン大統領の訪日について「反対とは言わない」と述べましたが今後プーチン大統領の訪日に現実味が帯びてきたときにオバマ政権がどのような反応を示すかは予断を許しません。 一部では森元首相が、安倍首相からの親書を持ってロシアを訪問するかもしれないという報道もあります。親書は「プーチン大統領との首脳会談を行う」ということを伝えるものだということですが、公式には発表されていません。 もし、これが現実になったとしても、日ロ首脳会談で期待されるのは北方領土問題の進展です。日本としてはこの問題の進展がなければ対ロ関係を決定的に進めることはできないでしょう。 しかし、本当にそれができるのか。アメリカ国内に対ロ強硬論が吹き荒れるなかでロシアとの首脳会談を行うとするならば成果を出さなければならず、安倍政権にとっても非常にプレッシャーのかかるところであります。 プーチン大統領との首脳会談が行われるとするならば、これは日本の未来にとっても重大な決断になるでしょう。 また一つ重大な局面を迎えた我が国の外交ですが、ロシアについては日本がアメリカとの仲立ちをできることが望まれると思います。難しいかじ取りでありますが、今後ロシアが国際社会の中でどのような立場をとるかが非常に重要です。 ロシアは世界中で懸念される中国の覇権への抑止の最重要のカギを握る国の一つであることは間違いありません。安倍政権にはかじ取りを間違わず、正しい方向に導いていただきたいと切に期待するものであります。 「南京大虐殺」の虚構――南京安全区文書の検証 2014.08.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆南京安全区文書 これまで東京裁判の証言から「南京大虐殺」が本当にあったのかを検証してきました。 今回は、別の角度から、東京裁判の検察側の証言がいかに間違っていたかについて指摘しておきます。 裁判の最初に証人が出た後、検察側は「日本はこんな悪いことをやった」という証拠として「南京安全区文書」を出してきました。 これは南京に残ったアメリカなどの宣教師たちが「国際安全委員会」という組織をつくり、南京の南にいた船賃もなく南京城外に逃げることができなかった市民を保護する目的で南京城内に「安全区(難民区)」をつくりました。 これについては日本軍も承認し戦闘の際に、日本軍は「安全区」に入らないことを約束しました。これで安全区内の一般市民の安全を保障したのです。 実際に12月12日に国民党と間での戦闘が始まりましたが、日本軍が12月13日に南京に入城すると、14日に日本の外交官であった福田篤泰氏が南京城内に入りました。彼は、アメリカやドイツの宣教師や商人の身の安全を確保するようにとの命令を受けてやってきたのでした。 日本の外交官であった福田氏は、後に東京裁判で証言した宣教師のベイツ等と、その当時連絡を取って、日本軍から被害を受けていないかを聞いて回りました。その宣教師たちが日本の外交官に提出した文書が、ベイツらが書いた「南京安全区文書」です。 同文書によると、3日間で安全区の中で起きた事件は5件で、死者数は24人です。つまりベイツは「南京安全区文書」で死者は24人と当時書いていながら、東京裁判では「1万2千人が死んだ」と証言したのです。 つまりベイツが当時出した「南京安全区文書」の内容と、東京裁判で証言した内容とは、まるっきり違っていたのです。ここからもベイツの証言がウソだということが分かると思います。 ◆日本の外交官、福田篤泰氏の証言 しかし、この死者「24人」の報告についても疑問があります。日本の外交官である福田氏は国際安全委員会の安全と外国人の希望や意見を受け付けるのが仕事ですから、毎日、安全区にある事務所に行くわけです。 そこに中国人がやってきて、あそこで日本軍がこういう事件が起こした、とベイツたちに報告にきます。それをベイツがタイプに打っていたのです。 それを見た福田氏はベイツに対して、「中国人が言っていることを確認した上で打たなければいけない」と注意し、実際に宣教師を連れてそこに行ってみると、何も事件は起きていなかったのです。 他にもアメリカ大使館から南京にあるアメリカ法人の会社に日本軍が入って、窃盗を働いているという抗議が入りました。福田氏はびっくりして上海派遣軍の渉外担当の本郷忠夫参謀とすぐその現場に行ってみたのですが、そこでも何もありませんでした。 このように「南京安全区文書」に書かれていることは検証もされず、なかったことまで伝聞のままに記載されているのです。ですから同文書にある死者24人という報告にも疑問があります。もし仮に24人は本当だとしても、東京裁判で出てきた1万2千人という数字は疑問が残ります。 福田氏は、当時、安全区内の第三国人のパイプ役として毎日、安全区の中を行ったり来たりしています。東京裁判には証人として出ませんでしたが福田氏は後にこう言っています。 「東京裁判でマギー神父が証言しているように、街路に死体がゴロゴロしていた情景はついぞ見たことがない。」 ◆同盟通信の記者、前田氏の証言 さらに同盟通信の記者、前田氏の証言があります。(同盟通信は戦後に共同通信と時事通信に分かれた) 通信社は取材のため上海から新聞記者とカメラマンが無線や食料を車に積んで軍の後を追ってきました。 前田氏は12月15日に城内に入り、その取材車で城内を回りました。その様子を次のように書いています。 「私は、車で城内を回った。住民居住区は『避難民区』とされ、その周辺には警備隊が配備されていた。」 つまり安全区の周りには、日本軍の警備隊がいて、むやみやたらと入れなかったという証言をしています。しかし「(同盟通信の)旧支局が区内にあるとの理由」で前田氏は中に入ることができました。 「また店は閉じたままだが、多くの住民が行き交い、娘たちの笑い合う姿があり、子供たちが戯れていた。生活が生き残り、平和が息を吹き返していた」。これが12月15日の難民区の中の様子です。 安全区には大学や日本領事館、ドイツ公使館などの大きな建物が建ち並んでおり、比較的、高級な街です。そこに難民が20万人もおり、道路にまでムシロで覆いをして人でいっぱいだったということを書いています。 市民は安全区に避難しているわけですから、中国が言うように日本軍が30万人を虐殺したとすれば、安全区の中に「死体がゴロゴロ」しているはずです。しかしそうではありませんでした。 ここからも最初の2、3日で男女子供1万2千人を殺害したというのは、全くのつくり話だということがわかります。 9条改正の先にあるのは、「和の精神」と「武士道精神」の復活 2014.08.25 文/HS政経塾第3期生 森國英和 ◆社民党のポスター『あの日から、パパは帰ってこなかった』 今夏、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を行った安倍晋三内閣に対し、社民党は7月16日に、憲法9条の解釈変更への反対を訴える新ポスターを発表しました。そのポスターには、『あの日から、パパは帰ってこなかった』と大きく記されていました。 このポスターは、「多くの自衛隊員が戦死する」「日本が徴兵制の国になる」ことを連想させるものであり、非常に扇動的であると言っても過言ではありません。自衛隊出身の佐藤正久衆議員は、「怒りと悲しさを覚える」と地方紙でコメントしていました。(北海道新聞7月27日付) このポスターは、集団的自衛権の行使容認や9条の改正への反対論を象徴しています。それを見ると、「平和憲法9条は日本の誇り」という戦後の“常識”を説得し切れていないことについて、反省させられます。 そこで改めて、憲法9条を改めることの意義を考えると、日本が古来より培ってきた「和の精神」「武士道精神」を取り戻すことであります。 ◆「和の精神」―アジア・西太平洋地域の友好国との連携強化 迫りくる日本の国防の危機とは、共産党の一党独裁国家・中国の軍事拡大です。 中国は、この10年で軍事費を4倍以上に膨らませると同時に、日本や台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インド等に対して、軍事的な圧力をかけ続け、虎視眈々と領土拡張を狙っています。 その中国を抑え込めなくなる可能性が高まっています。その世界的脅威を前に、日本が「和の精神」を発揮し、アジアや太平洋の友好国との連携を強化することが急務です。 例えば空軍力について、外交評論家の岡崎久彦氏は、かつては日本の自衛隊や在日米軍は、単独でも中国の空軍力に対抗できていたが、これからは、日米の軍事力を一体として計算しなければ、中国軍の動きを抑止できなくなると指摘しています。(文藝春秋2014年7月号『尖閣激突 中国航空戦力が日米を上回る日』) 集団的自衛権の行使容認、さらには9条の改正によって、日本の領域の外側でも自衛隊と米軍が共同して活動を行えるようになれば、中国の「拡大欲」にメスを入れることができます。 また、シーレーン防衛を共通の目的として、ASEANやオーストラリア、インドとの協力関係を築くことも重要です。 安倍首相は昨年12月の日・ASEAN特別首脳会談等の中で、「日本とASEANが、“WA”の精神で結ばれるとき、アジアと世界の未来は明るいことを信じましょう」と述べています。武器輸出や共同訓練、共同哨戒活動等を重ねながら、日本の「和の精神」の下で各国が連携する体制をつくり、中国の海洋進出を抑止することが望ましいと考えられます。 ◆「武士道精神」―大国としての道徳的な義務を果たす 敗戦後の日本は長らく、自衛隊の海外派遣すら行えませんでしたが、1991年の湾岸戦争以降、少しずつ活動の幅が広がっています。しかしながら、国家としての国際社会で道徳的な義務を果たせているとは、到底言えません。 日本の周辺、台湾や朝鮮半島で有事が起こったとき、日本の自衛隊を出動させられないことは当然として、日本に基地を置く米軍に対する後方支援すらも、大きく制限されています。 現在の日米ガイドラインでは、水や食料の提供や医療活動等はできますが、武器・弾薬の提供や戦闘機への給油は、日本国内でもできないことになっています。 集団的自衛権の行使容認で、活動の幅は多少広がるとはいえ、東シナ海や南シナ海、インド洋などの「航行の自由」を守るために万全とは言えません。 さらに言えば、日本がアジアにおいて、「対中国戦略の旗手」となることを示さなければなりません。 南シナ海への中国の海洋進出は、70年代半ばから始まり、すでに西沙・南沙諸島に恒久軍事施設を建設しており、南シナ海が完全に「中国の海」となることも予想されます。 このような惨禍に「見て見ぬふり」をすれば、日本は国益を損なうのみならず、「武士道精神は失われた」と国際社会から酷評されかねません。 ◆9条改正をしっかりと掲げよ! 集団的自衛権の行使容認に伴って自衛隊法など10本以上の法改正が必要となるため、安倍首相は9月に、「安全保障法制担当大臣」を新設します。 国会審議の中で、野党や左翼・護憲派の論陣から、さらなる反論・批判が寄せられることが予想され、先の社民党のポスターのような国民扇動にも対抗せねばなりません。そういう時だからこそ、9条改正の重要性を明言すべきです。 「平和憲法が日本の誇り」というのは、全く荒唐無稽です。少なくても数百年以上、日本が誇ってきたのは、「和の精神」と「武士道精神」であり、それは9条改正と方向を一にしています。 安倍首相には、今秋の臨時国会の所信表明演説、もしくは来年の施政方針演説において、9条改正をしっかりと明言するよう迫りたいところです。 消費税10%への増税はあり得ない選択 2014.08.24 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆1997年を超えた個人消費の落ち込み 今年4月から6月までのGDP=国内総生産が、前年の4月から6月と比べ、実質年率に換算してマイナス6.8%と大幅に落ち込んだことが内閣府より公表されました。 内閣府「2014(平成26)年4~6月期四半期別GDP速報」(8/13) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2014/qe142/pdf/gaiyou1421.pdf これは、東日本大震災の影響で年率マイナス6.9%だった2011年の1月から3月のGDP以来最大の落ち込みとなりました。 最大のGDP押し下げ要因は、前期比年率マイナス18.7%となった個人消費の落ち込みです。自動車から住宅まであらゆるモノに対する駆け込み需要の反動から、家計は支出を切り詰めました。(ウォール・ストリート・ジャーナル 8/13) 今回の個人消費の落ち込み年率マイナス18.7%は、消費税3%から5%に増税した1997年の4月から6月までの年率マイナス13.2%と比べても大変大きな落ち込みとなっています。 ◆消費増税の影響は軽微とみていた大マスコミ 今回の内閣府の発表以前の報道は、以下のようなものが主流でした。 「家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じていることが、日本経済新聞社の読者モニターへの調査でわかった。増税について『生活への影響はない』『実感はない』とした人が合計43%。『節約で吸収できる』との回答を合わせ68%に達した」(日本経済新聞 「生活に『軽微』7割」6/10) 「主要上場企業の6割が4月の消費増税による業績への影響はない、とみていることが分かった。日本経済新聞社が最高財務責任者(CFO)250人に、収益環境などの見方を聞いた」(日本経済新聞 「消費増税『影響ない』6割」6/12) この一連の日本経済新聞の報道姿勢に対して、経済評論家近藤駿介氏は、自身のブログで以下のように厳しく批判しておられます。 「『消費増税の影響は軽微』『景気は夏以降回復』という根拠の乏しい『大本営発表』を何の検証も無しに提灯を付けて繰り返し報道して来た日本経済新聞。消費税率10%への引上げを判断する12月にも、国民生活への影響を顧みずに同じように『大本営発表』に提灯を付けた報道を繰り返すのか、それとも今回の反省を活かして気概のある主張をするのか、その報道姿勢が大いに注目されるところです。」 ◆消費増税集中点検会合の茶番? 政府は2015年10月に消費税率を予定通り8%から10%に引き上げるかどうかの判断に向け、有識者を集めた点検会合を11月下旬に開く方針です。 4月からの消費増税を決めた際も事前に点検会合を開いて意見を聞いており、今回はほぼ同じメンバーの約60人から聞く予定といいます。(日本経済新聞 8/23) 昨年8月末に開催された消費増税集中点検会合に出席された宍戸駿太郎筑波大名誉教授は、直後に幸福の科学グループ製作のインターネット番組「ザ・ファクト」に出演され、「消費税を10%に増税したら5年後には名目GDPがマイナス5~6%となる」と警告を発されました。 また、同教授は「出席した有識者たちの意見が『増税賛成』に傾いているのは信じられず(7割が賛成派)、結局、政府が都合の良いメンバーを選んだに過ぎず、専門家の総意は反映されていない」と点検会合の在り方に苦言を呈されました。 今回、再び同じメンバーを招集することに関し、前出の近藤氏は、 「少なくとも『消費増税の影響は我々の想定を超えていた』と見苦しい弁解をしている有識者とは言えない人達はメンバーから除外すべき。それが『成果主義』ではないのか。同じ茶番を繰り返してはならない。それともこれが安倍総理の目指す『何度でもチャレンジできる社会』なのか。」 と皮肉たっぷりに単なる政府の提灯持ちであった参加メンバーに反省を求めています。 ◆消費税10%への増税はあり得ない! 幸福実現党は一貫して、「消費増税は景気後退をもたらし、結果、トータルの税収を減らす。」「増税ではなく経済成長による自然税収増を」と訴えてまいりました。 昨年9月には、加藤文康幹事長と黒川白雲政調会長(当時)が内閣府を訪れ「消費増税の中止を求める要請書」を安倍晋三首相宛てに提出しました。 残念ながら、8%への増税は阻止できませんでしたが、10%への増税を行わないために、引き続き活動を展開してまいります。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。 「南京大虐殺」の虚構――東京裁判の弁護側の反証 2014.08.23 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆弁護側の反証 前回、東京裁判における検察側の証言を取り上げましたが、一方的に「日本軍はこんな悪いことをした」という証言がなされました。 「南京大虐殺」の虚構――東京裁判の検察側の証言 http://hrp-newsfile.jp/2014/1631/ これに対して弁護側はどういう反論をしたかというと、主に3人が反論しました。一人目は、中山寧人中佐で松井石根大将の下で参謀をやっていた方です。 中山参謀は、日本軍が南京を攻めた時に一番若いということで南京城内に軍と共に入り、松井大将に代わって指示や命令を出した方です。 南京を攻略した数日後の12月17日に松井大将は入城式で城内に入ってきたのですが、中山参謀は松井大将と一緒に3日間行動し、その後21日に松井大将と一緒に、もともと部隊があった上海まで帰っています。 この10日間の間、中山参謀は城内を巡視した際の証言をしています。 「中国人死体を見たのは、下関付近(南京城の外)で100くらいとアジア公園(中山門付近)で30くらいの中国軍人の戦死体とおぼしきものをみただけで、そのほかに常民の死体・虐殺体は私の目にはつきませんでした。」 もう一人、飯沼守参謀長の証言があります。この方は上海派遣軍の朝香宮中将の下で参謀長をやった方です。飯沼氏は南京陥落後、翌年の昭和13年2月の下旬まで2カ月間、城内にいました。 飯沼参謀長は、昭和12年12月16日と20日と年末の3回城内を巡視したのですが、「死体を市内で見たことはない。下関付近で数十の戦死死体を見ただけで数万の虐殺体など夢にもみたことはない」と証言しています。 以上のように二人の日本軍参謀の証言は、検察側のベイツの証言とは全然違っています。 では、東京裁判で松井大将はどのように証言したのでしょうか。松井大将は当時自分が書いた日記の内容を述べました。 ◆松井大将の証言 松井大将は12月17日に入城式をやり、18日は城内で慰霊祭をやって、19日に中山参謀とか武藤参謀副長などを連れて、城内を巡視しています。そのとき小高い丘から南京を見て松井大将は以下のような日記を書きました。 「火災はすでにやみ、市内平穏にして、避難民も暫時その家宅に帰来しつつあるを見たり。なお当時、わずかに約20名の遺棄せるシナ兵の戦死死体を見たるのみにて、市内の秩序はおおむね恢復しつつあるを認めたり」 結局、松井大将も車で19日、城内を回ったのですが、検察側が証言したような死体は見ていません。見たのは戦死死体だけでした。 このように前回のニュースファイルで紹介した検察側と証言と真っ向から対立したわけです。 ◆一方的な判決 しかし法廷はどう判断し判決を下したのかというと、上記のような弁護側の反証は一切無視して、ベイツと許伝音の意見だけを取って「最初の2、3日で男女子供1万2千人を日本軍は殺害した」と結論づけました。 しかも注目すべきはベイツの証言で「最初の2、3日」と言ってないにも関わらず、わざわざ「最初の2、3日」を付け加えて判決を下したのです。ここまで東京裁判は、日本側の証言を無視して一方的に行われました。 こうして日本軍が南京事件で虐殺を行ったという理由で、その責任を問われて松井石根大将は死刑になったのです。最初から日本を一方的に「悪」と決め付け、判決が下されたのが東京裁判であったのです。 次回、南京城の中にあった「安全区」とは、どういうものであったのか、それを検証することによって「南京大虐殺」が虚構であったことを証明いたします。 主権国家「日本」の再建! 2014.08.22 文/香川県本部副代表 中西 利恵 ◆集団的自衛権 先般7月1日、安倍内閣による「集団的自衛権の行使容認」が閣議決定されました。 平和勢力を名乗る左派の反対活動ばかりが報道され、国民の不安を煽っていますが、そもそも集団的自衛権は国連憲章において定められた国家として当然の権利です。 ところが、我が国においては憲法9条という独自の国内理由によって「権利はあるけれども行使はしてはいけない」という政府解釈を維持してきたわけです。 今なぜ「集団的自衛権の行使容認」をする必要があるのでしょうか。 それは、明らかに侵略の意図をもって準備を進めている中国や北朝鮮という国があるからです。特に中国とフィリピン、ベトナム、台湾などはいつ紛争や戦争が起こってもおかしくない状況にあります。 中国とフィリピン、ベトナム、台湾との紛争や戦争が起こる場所は南シナ海や東シナ海の南側で、そこは日本のシーレーンであるため、日本の経済にも打撃を与える可能性が高まります。ですから日本にとって大きく国益を損なうことになります。 そうした意味で「集団的自衛権の行使」を容認すれば、米国や日本の周辺国との連携もスムーズになるため中国を牽制することにつながり、「集団的自衛権の行使容認」そのものが中国への抑止力となるからです。 ◆『自治基本条例』の危険性 また侵略は、外部からだけではありません。 先日のニュースファイル(http://hrp-newsfile.jp/2014/1641/)でも触れていましたが、市民参加・地方主権を謳い、選挙で託された人ではない、資格を問わず「誰でも市政に参加できる」条例が全国の6分の1の自治体で既に施行されています。 殆どの自治体でこの『自治基本条例』を「まちの憲法」すなわち最高規範性を有すると位置づけています。 例えば、神奈川県大和市の条例には、「市長及び市議会は…(在日米軍)厚木基地の移転が実現するよう努めるものとする」との規定があります。つまり、国法で誘致された自衛隊基地も条例次第で撤去できるということになります。 実際にいわゆる「市民」として共産系の個人やNPO団体が審議会に名前を連ねており、現時点では行政機関との緊密なパートナーシップ(協働)を重視しているようですが、やがては行政内部に深く浸透し、国の立法権・行政権から自立した「政府」となって地域社会を主導し支配していく目論みが見えてきています。(松下圭一著『政治・行政の考え方』参考) ◆幸福実現党が地方選挙に臨む意義 この条例の先駆的提唱者である松下氏の講演をきっかけとして最初にできたのが北海道ニセコ町の「ニセコ町づくり基本条例」です。 驚いたことに私の居住する高松市の大西市長は、総務省時代北海道に勤務、条例を成立させたニセコ町長との縁が以前からあり、この構想を市長選挙の公約として無投票当選を果たし、既に「自治基本条例」「子ども子育て条例」を施行させました。 「子ども子育て条例」については自民党香川県連から内容改善の提言があったにも関わらず、保守であるはずの市議の大半を占める自民党同志会は即日却下をするという疑問附の付くようなことが起こっています。 先般7月27日、小矢部市議選において初の幸福実現党市議が誕生しましたが、今後こうした内からの侵食を防ぎ、市政を護るためにも幸福実現党の地方への政治参加が急がれます。 ◆「十七条憲法」「教育勅語」に学ぶ憲法の根幹 1400年以上もの昔、聖徳太子によって定められた「十七条憲法」や明治天皇によって示された「教育勅語」は、今なお私たちの心に響く普遍的な真理を感じます。 「十七条憲法」第二条「篤く三宝(仏・法・僧)を敬え」とあるように、どちらもその中心には、仏神への尊崇の念があり、仏神から命を受けた指導者への尊敬、そして一人ひとりの精神的精進が国家を繁栄に導くものであることを示しています。 比べるに値しませんが、「自治基本条例」の大半は人間の権利主張であって仏神の心とは全くの対局にあり、その行く先は“破壊”です。 ◆自主憲法の制定によって主権国家へ 現憲法は、日本が二度と歯向かってこないように宗教と軍事を骨抜きにし、精神的にも軍事的にも叩きのめす、米国による弱体化政策でした。 日本は独立した国家でありながら占領下GHQから押し付けられた憲法をこれまで70年近く護り続けてきたわけです。主権国家の三要素といえば「領土」「国民」「主権」ですが、日本は国防主権を持っていませんので真の主権国家とは言えません。 来年、戦後70年を迎えます。今こそ、主権国家として自主憲法を制定し、当然の国防体制を整えるとともに抜き去られた宗教的精神と誇りを取り戻さなくてはなりません。その意味において祭政一致でなければ正しい政治も真の民主主義も成り立たないのだといえるでしょう。 図太い神経と繁栄思考の発想を! 2014.08.21 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆アルゼンチンの今 アルゼンチンといえば、サッカー選手のメッシを思い浮かべるかもしれませんが、最近は、アルゼンチン国債のデフォルトにまつわる報道が多くなされています。 デフォルトとは、債務を返済できなくなることです。アルゼンチンは2001年にデフォルトし、2005年と2010年にデフォルト国債の75%の元本カットと新しい債権への再編を提案し、約90%のデフォルト国債の債権者が応じていました。 しかし、一部には、アルゼンチン政府の提案に応じないアメリカのヘッジファンドを中心とした投資家が、全額返済を求めてアメリカの裁判所にアルゼンチン政府を訴えました。 今年6月に米連邦最高裁が「債務再編された新債券に利払いを行う場合、ホールドアウト債権者(債務の全額返済を求めている債権者)への支払いも行わなければならない」との判断が出ました。 アルゼンチン政府と全額償還を求める債権者との交渉が進まず、猶予期間も含めた期日であった7月30日を過ぎても、(お金はあったが)利払いができなかったため13年ぶりのデフォルトに陥ったという状況です。 「アルゼンチン国債のデフォルトについて」 http://www.mizuho-am.co.jp/report/pdfview/type/report/id/2442 今回のデフォルトは、2001年の財政的な悪化要因ではないことに留意する必要があります。ただ、アルゼンチン政府とホールドアウト債権者との交渉に進展がなければ、アルゼンチン国債の信用はさらに低下するでしょう。 ◆信頼されている日本国債 一方、日本の長期国債の利回りは世界で最も低水準です。 日本の10年国債は0.526%(アメリカは2.435%、イギリスは2.423%、ドイツは0.989%)です(8/21時点)。金利が低いということは、安心だと思われていることを意味します。 こうした状況にもかかわらず、増税派は「財政再建」を消費税引き上げの根拠として挙げています。増税なくして財政再建はできず、日本の国債の信用が損なわれ、金利が上がり、利払い費が予算を圧迫して、必要な分野に予算が組めなくなると警告しています。 しかし、アルゼンチン国債のように二度デフォルトしても、存続している事例を見ると、日本はもっと神経を図太くしていいのではないでしょうか。 日本の長期国債の金利は、EUを牽引しているドイツよりも低いのです。こうした客観的な事実に自信を持って、積極的な経済政策を実行するべきです。 ◆年金積立基金の運用方針の変更の捉え方 130兆円ともいわれる世界最大の年金ファンドが日本にあります。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がその運用を担っています。最近の大きなトピックとして、この巨大なファンドの運用方針として、国内外株式市場への投資を拡大することを発表しています。 簡単にいえば、株式に投資をして運用利回りを高くすることで、年金の積立金を増やし、社会保障の給付抑制と合わせて、何とか社会保障制度を長持ちさせようという発想です。 現行の年金制度自体にも改革が必要ですが、少なくとも、今の制度を維持するためには、投資した株式の価格が上がっていかねばなりません。景気が良いことが、安心の年金のための重要な解決策になるわけです 詳しくは、「消費増税をあおる報道――不可解な前提に基づく財務省の試算。」 http://hrp-newsfile.jp/2014/1427/ 年金積立金の運用を「国内外株式市場への投資を拡大する」という方針を出すなら、保険料を納める国民の側としては、納めた保険料を損しないためにも、繁栄思考の発想で、政府が経済成長に繋がる政策をしているかをとことんチェックするべきではないでしょうか。 4月-6月のGDPが年率で6.8%減という統計が出て、今年の日本の経済成長予測を下げる例も出ています。10%への消費増税は年末判断といわれていますが、社会保障の安定財源化を目指すのであれば、まずは景気を良くすることを考えるべきです。 ◆景気優先!財政再建は急ぐべからず 2015年度予算で、10%消費増税による景気の落ち込み対策として、1兆円確保を日本政府が検討しているようですが(8/21日経)、小出しと言わざるをえません。 財政再建を急ぐあまり、景気を腰折れさせては、年金制度も不安になりかねません。日本に様々な課題があるのは事実ですが、それでも世界で一番信任されているのが日本国債です。無理に財政再建を急ぐことに何のメリットがあるのでしょうか? アルゼンチンは二度デフォルトしても粘り強く交渉しています。EU内でも、定めている財政ルールに猶予を与えてもらうことを平気でやっています。 日本はもっと神経を図太く、繁栄思考で大胆な経済成長策を実行するべきです。 すべてを表示する 1 2 3 Next »