Home/ 2014年 March 2014年 March これ以上の中国の虚言と人権弾圧は許さない! 2014.03.31 文/HS政経塾2期生 小松 由佳 ◆習近平のドイツでの発言 ドイツ歴訪中の習近平中国国家主席は、3月28日、ベルリン市内で講演し、「日本の侵略戦争で中国人3500万人が死傷した」、「日本軍は南京に侵略し、30万人以上もの中国人を殺す残虐な行為を行った」などと日本を批判しました。中国の国家主席が公の場で日本を批判するのは極めて異例です。 一方、習氏は、中国の軍事費増大についての質問には、「中国は列強に植民地にされた歴史の悲劇を繰り返すわけにはいかない。自衛のための国防力は必要だ」と、軍事拡大を正当化しました。 また、「中国人は自分にされたくないことを他人にしてはならないとの信念を持っている」とも述べましたが、現在進行形で、国内での人権弾圧や自治区での虐殺を行っていながら、よくも言えたものです。 ◆中国の虚言と世界の反応 このような中国の虚言は、既に国際社会に通じなくなっています。 ドイツ政府は習氏のホロコースト記念碑訪問を拒否し、メルケル首相は習氏との会談で、「言論の自由は社会に創造性をもたらす極めて重要な要素だ」として中国の人権状況の改善を求め、ガウク大統領も、「自由な意志表明が訴追対象になる」中国の状況に懸念を表明しました。 習氏が言及した「3500万人」「30万人」といった数字は、日本の歴史研究者はもちろん、中国の改革派の歴史学者の間でも疑問視されていますが、江沢民元国家主席が日本を批判する際に、よく言及した数字でした。 その江沢民氏はといえば、在任中のチベット族へのジェノサイド(民族・集団の計画的抹殺)の疑いで、昨年11月にスペイン裁判所から逮捕状が出され、今年2月には、同裁判所から国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配が要請されました。 これらは、スペインが国内法で、国外の人道犯罪を国内裁判所でも裁けるとする「普遍的管轄権」を定めていることから、可能となったものでした。 ◆他国の罪をでっち上げ、自国の罪は揉み消す中国 しかし、スペイン下院は2月27日、この国内法を制限する改正案を、与党国民党の賛成多数で可決してしまいました。国民党は、上院でも過半数の議席を確保しているため、改正案の成立は確実と見られ、これまでの捜査が事実上、無効となる可能性があります。 これについて、ネット番組THE FACT第9回(https://www.youtube.com/user/theFACTtvChannel)では、告訴の当事者にインタビューし、中国からスペイン政府に対する圧力があったことを報じています。 また、3月28日には、第25回国連人権委員会にて、日本とEUが共同提出した、北朝鮮の人権侵害についての非難決議が、賛成多数で採択されましたが、中国は、パキスタンやベネズエラなど5カ国と共に反対しました。 他国の罪をでっちあげながら、自国の罪は揉み消し続ける、そうした中国の暴挙は、これ以上許せません。日本は、過去に行ってもいない罪を否定すると共に、現在中国が行っている罪を止めなくてはなりません。 ◆国際社会の「保護する責任」と「責任ある主権」 近年、国際社会では、「保護する責任」という概念が提示されています。 これは、「国家は、ジェノサイド、戦争犯罪、民族浄化、人道に対する罪から、当該国家の人々を保護すると共に、これらの事態を予防する責任を負う」というもので、「介入と国家主権に関する国際委員会」(ICISS)の2001年報告書で初めて提示され、05年の世界サミットで採択された成果文書にも明記されました。 同文書には、国際社会が、国家が上記の4つの罪から「自国民を保護することに明らかに失敗している場合には、時宜にかなった断固とした方法で、安全保障理事会を通じ、第7章を含む国連憲章に従って、個別の状況に応じ、適切であれば関係する地域的機構とも協力しつつ、集団的行動をとる用意がある」とも明記されています。 しかし、中国政府は、「国家主権」と「不干渉原則」を強調し、保護する責任に基づく人道的介入に、否定的な態度を示してきました。2011年、リビアのカダフィ政権による人民弾圧に対し、安保理が追加制裁決議を採択し、保護する責任に基づく初の武力行使が容認された際も、中国は棄権しました。その後、シリアでの民衆弾圧に対しても、中国の反対もあって十分な介入ができていません。 「国家主権」は極めて重要ですが、その濫用は許されません。国家主権の絶対性のみを強調することは、今日の国際社会の相互依存的関係において必ずしも妥当ではなく、「責任ある主権」という概念も示されています。 つまり、主権は責任を伴うものであり、主権が正当性を認められるためには、最低限、その管轄下にある住民に対してベーシック・ヒューマン・ニーズを提供する責任を果たす必要があり、国内避難民が大量に発生しているような状態の国家については、主権の正当性に疑問が生じており、国際社会からの人道支援や人道的介入を拒む理由として主権を援用することはできない、というものです。 こうした比較的新しい概念について、中国以外からも賛否両論はあり、具体的な実現方法も確立していませんし、安保理に中国が入っている以上、今後も国連によっては十分に実現し得ないことは明らかです。 ◆日本は国際社会でイニシアティブを示す時 しかし、こうした理念自体は普遍的で、一定のコンセンサスがあるので、これらを大義名分として活かしつつ、有志の国々で具体的行動を想定し、準備を進めることが大切だと考えます。 北朝鮮、中国、シリア、こうした国々で続いている人権弾圧に対し、国際社会は具体的行動をとる必要があります。米国が行動できないならば、日本が普遍的正義に基づいて、イニシアティブをとれるようになるべきです。 日本軍が先の大戦において、中国大陸に入っていったのも、一つの人道的介入だったと言えます。今、大陸で再び民衆が苦しんでいるならば、今度こそ、共産主義と侵略主義の払拭を成し遂げるため、勇気ある介入を行う必要があります。 そのためには集団的自衛権の行使容認も必要です。他国と協力し、一刻も早く、過去の罪の亡霊と共に、現在只今犯され続けている罪を、断固粉砕するべきです。 【参考文献】 3月30日付産経・読売新聞 日本国際連合学会編『新たな地球規範と国連』2010年国際書院発行 日本国際連合学会編『日本と国連』2012年国際書院発行 なぜ日本は負けたのか?――戦史に学ぶ、未来への舵取りと提言 《第3回》 2014.03.30 文/岐阜県本部副代表 河田成治 前回では、日本の「情報の軽視」について述べました。 ◆圧倒的な情報源としての「霊言」 日本は今、奇跡とも言えるたいへん幸福な状態にあります。幸福の科学グループの大川隆法総裁による、「霊言」を通して異次元情報が収集可能になっているからです。 世間の常識からすれば、「霊言」というものが胡散臭く見えたり、根拠のないオカルトのように捉える人もいます。しかし、後で詳しく述べますが、大川隆法総裁の「霊言」が、今、各界で注目され、日本政府や世界に大きな影響を与えています。 そして幸福実現党の政策には、大川隆法総裁の「霊言」を外すことはできません。この「霊言」が、CIA活動によっても知り得ない、極めて貴重な情報源であるとするならば、これ以上に国益に資するものはないからです。 これは日本の外交政策上、起死回生の秘策に等しいもので、まだ、国民の多くはその空前絶後の効果に気づいていませんが、やがて誰も目にも明らかになると思います。 ◆戦争という策略に引きずり込まれた日本 例えば、なぜ、日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に引きずり込まれたのか?これも情報の不足でした。当時のルーズベルト大統領は、アメリカ国民から、戦争をしないことを公約として当選した大統領で、選挙中に婦人からの「あなたは戦争をやるつもりか?」という質問においても「重ねて、重ねて、重ねて、何度でも繰り返して誓うが、貴女がたの息子を戦場に送ることはない」(大森実「人物現代史4 チャーチル」)と答えています。 国民の大多数は、ドイツや日本との戦争を望んでいませんでした。(戦争反対67.4%、ドイツとの開戦を望んだ国民は2.5%。小室直樹著「日本の敗因」) しかし、ドイツとの戦いで敗北寸前であったイギリスは、アメリカの参戦を強く望んでいました。またアメリカとしても、もしドイツがヨーロッパの覇者となれば、アメリカの孤立を招き、どうしてもドイツを叩いておかなければならなかったのです。 ルーズベルト大統領は、イギリスを助けるためにどうしても参戦する必要がありましたが、選挙公約の手前、絶対に戦争はできないというのが当時の状況でした。 そこで日本の側から攻撃させ、アメリカは仕方なく戦争に巻き込まれるという状況をつくり出すことを考えます。 日本と戦争になれば、同盟国であるドイツとも戦争になるからです。そこで、日本に戦争を始めさせるために、石油や鉄屑の禁輸等で日本をギリギリまで追い詰めていきました。 つまり、ルーズベルト大統領の本音は、「いかなる手段を使っても、日本を戦争に引きずり込む」ことであって、日本がいかに和平工作と外交努力を重ねても、日本の譲歩に乗ることはないということは、アメリカの決定事項であったのです。 ちなみに開戦前、日本の政治家でアメリカとの戦争に賛成していた政治家はなく、対米戦争に反対した日本海軍軍人も多数おり(小室直樹著「日本の敗因」)、開戦のギリギリ、8日前の11月30日まで最後まで諦めることなく和平交渉を続けていました。 日本は、あくまでも戦争反対の立場だったのです。これはどうしても知っておかねばなりません。 しかし11月26日、今までの譲歩をすべてぶち壊す、「ハルノート」といわれるアメリカの要求が出されるに至って、交渉は決裂、日米開戦へと突入しました。 ◆悪意に満ちた「ハルノート」 「ハルノート」の要求は、悪意に満ちたものでした。 東京裁判でのパール判事は、「この文書を他国に送れば非力なモナコ公国やルクセンブルク公国でさえ必ずアメリカに対して武力をもって立ちあがっただろう」と言いました。 「ハルノート」を書いたのは、ホワイト財務次官補という人で、この人の原案がもとになりましたが、ハルノートの名前となった、当のハル国務長官でさえ、その非道な内容を見て驚き「こんなことを言ったら日本は戦争するしかないだろう」と発言しています。 ちなみに「ハルノート」を知っていたのは、ルーズベルト大統領をはじめトップ4人のみで、ルーズベルト大統領(民主党)の政敵であった、フィッシュ共和党党首は、自分が外交委員であるにもかかわらず、ハルノ-トを日本に通告していることを全く知らされておりませんでした。戦後事実を知って、彼もまた「あんなものを通告されたら、日本は戦争をするしかないだろう」と書いています。(ハミルトン・フィッシュ著「日米開戦の悲劇」) 「ハルノート」は、石油を止められていた日本に、唯一の石油の頼みのインドシナ(ベトナム方面)からも全面撤退を要求したもので、事実上の兵糧攻めでした。これを守れば、何もしなくても2年後には日本が滅亡する要求であったのです。 戦争にあくまでも反対し、対米交渉の先頭に立っていた東郷外相は「目もくらむばかりの失望に打たれた」と、米国の対応に落胆しています。(次回につづく) 「日本を救うもう一つの中国包囲網」~アメリカと中国の新しい関係に備えて~ 2014.03.29 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆アメリカと中国における「通貨同盟」 アメリカ・ワシントン情勢に詳しい日高義樹氏の新著『アメリカの大変化を知らない日本人(PHP研究所)』第1章において「アメリカと中国の間に通貨同盟が成立した」と日本人にとって驚くべき事実が明らかになっております。 要するに、人民元が安いレートでドルとペッグされ、人民元がドルによって国際通貨としての価値を保証されたことで、天然資源等を海外から大量に輸入している中国にとって望ましい状況が到来したと言えます。 この背景には、巨額の財政赤字に苦しむアメリカの姿があり、ドルを基軸通貨として維持するために中国に対してとったぎりぎりの妥協策であったようです。 一方、ドルも人民元の持つ将来性によって保障されたことや、新しい予算削減法などによって急速に財政赤字が減ったことで、ドルは完全に復権し、景気の回復や株価及び債権の値上がりを呼び込み、アメリカにおいて新しい経済環境が出来つつあると日高氏は見ております。 ◆アメリカの極東外交における「複眼思考」 実質的な米中の通貨同盟の成立によって、「日米安保体制」VS「中国の覇権主義」という一面的な見方は出来なくなり、日本にとって大きな変化を迎えつつあることが予想されます。 また、こうした通貨同盟を背景に、中国は人民元安という状況を維持し、安い製品をアメリカや日本、東南アジアへと売り込める体制を手にしたことで、本来は「経済的中国包囲網」であったはずのTPP(環太平洋パートナーシップ)が有名無実化する恐れも出てきたともいえます。 もちろん、軍事的にはアメリカと中国は対峙関係にあり、現時点で日米安保体制を破棄するなどということは今までの日米関係から考え難いことではあります。 しかし、アメリカはこの極東情勢において「日本との軍事同盟」、そして「中国との通貨同盟」という複眼思考で臨みつつあることは確かです。 そして、現在のアメリカの経済状況からすれば、通貨同盟に力を入れざるを得ず、これからの情勢次第では日本の安全保障体制の舵取りは極めて難しくなってくると考えられます。 ◆中国の海洋進出によって脅かされる日本のエネルギー安全保障 現に、2015年から本格的に動き出す沖縄海兵隊のグアム移転、また在韓米軍も2015年12月には削減される見込みで、「アジア重視」を堅持する国防戦略を採りながらも、アメリカは極東から軍事力を引き始めることになります。 その際、安全保障上日本にとって最も大きな懸念としてまず生じるのは、中国海軍によるシーレーン封鎖によるエネルギー確保の問題であります。 日本は長年、原油の大半をシーレーンリスクを負う中東に依存してきた経緯があり、最近では輸入先の多様化により比率は下がっているものの、原発稼働ゼロの影響で中東への絶対的な依存度は高まっているといえます。 戦前の歴史を振り返っても、日本が石油の重要性を見抜けなかった一方、アメリカによる石油の対日禁輸、そして第2次大戦が始まってからは「タンカーを沈めることを潜水艦の最優先目標とせよ」という命令があったくらい、アメリカによって徹底的に石油の輸入を封じられ、エネルギー資源の軽視によって敗北したといっても過言ではありません。 今こそエネルギーの自活は国家存続の肝であるという前提に立ち、日本にとって唯一の自活できるエネルギー資源と言ってもよい原子力発電の再稼働を急ぎ、海外へのエネルギー依存度を減らすことです。 また、クリミア併合によってアメリカやEUから経済制裁を受けているロシアに対しても、欧米諸国との歩調を合わせつつも、近年関係を深めてきたロシアと資源分野での連携を更に強め、シーレーンリスクを負わないエネルギー確保を目指すべきです。 ◆日本が考えるべき「第二の中国包囲網」 またロシア同様、日本が更なる関係の深化を図るべき国の一つとしてインドが挙げられます。 昨年、日本の天皇皇后両陛下が53年ぶりとなるインドへの歴史的訪問を果たしたことは記憶に新しいですが、この10年のシン政権において、インドと日本は緊密な戦略的連携を築いてきました。 この背景にはアジアにおける両国の最大のライバルである中国が、経済的にも軍事的にも力を増してきた事実があり、特に海洋安全保障における協力体制の更なる深化が検討されています。 冒頭で紹介した「米中通貨同盟」の成立など、これからの国際社会はより複雑化する様相を呈しております。 日本外交も「複眼思考」を持ち、TPPによるアメリカ主導の「中国包囲網」とは一線を画した、日印露による「第2の中国包囲網」を機能させ、日本のエネルギー安保、海洋安保をより強化するべきです。 日本のマスコミを揺るがす消費増税について 2014.03.28 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆4月1日の消費増税が近づき、日本のマスコミでも特集開始 あと3日で消費増税が始まります。日本のマスコミもここに来て突如、特集を組んで増税後の具体的な値上がりについて報道するようになりました。 本来であれば、昨年の9月から10月にかけて、安倍総理が決断する時期に報道しなければならないはずです。しかし当時は、アベノミクスの影響として好況であり、増税やむなし、という論調でありました。 一方、海外のメディアでは昨年からすでに核心をついた報道が行われています。2013年9月13日のイギリスの経済紙「Financial Times」では、次の見出しで報道されました。 「安倍首相の戦略は1997年の消費増税の悪い記憶を思い出させる」 「消費増税により消費が減退し、最近の景気回復は止まってしまうのか」 (いずれも原文は英語) さらに2013年9月16日「International Herald Tribune」では、 「経済の専門家、増税計画が日本の経済成長を止めるのではと懸念」 「消費増税が個人消費の盛り上がりを潰してしまうのではないかと彼ら(専門家)は述べている」(いずれも原文は英語) との見出しで「安倍総理の増税の決断が最悪のタイミングであり、日本の景気回復の根幹を崩しかねない」と報じています。 海外では当たり前のように行われてきたこのような議論が、日本国内ではほとんどなされなかった事が残念です。 ◆家計支出の削減はどこから? 昨年10月、安倍総理が「消費増税」の決断をしてからもマスコミは相変わらず「アベノミクス」による経済成長に焦点を当ててきました。 残念ながら、景気は今年に入ってから、その勢いに陰りが出ており、日経平均株価も年初から比較すると下落の傾向性が止まらない状況です。 来週からは増税が始まるのですが、すでに消費景気の冷え込みが見え始めています。外食、自動販売機、切手等々、日常のあらゆる暮らしの中に増税が影響してきます。 今回の増税には「軽減項目」はないので、当然その中に「新聞紙」も入ります。 確認したところでは、大手新聞も、消費増税をきっかけとして値上げに踏み切ります。朝日新聞は、宅配の新聞に限り3,925円から4,037円へと110円の値上げとなるほか、中日新聞は、駅売りの販売価格を110円から130円へと20年ぶりの値上げとなります。 危機感を持っている消費者はすでに家計の防衛に入り、可能な支出の削減に入っているようですが、4月以降さらなる削減として、上記に掲げた新聞購読料も入る可能性があり、新聞社にとって経営危機が訪れようとしています。 新聞社自身が分かっているとおり、長期デフレ下の中での値上げということは販売上、極めて厳しいのです。 マスコミは本来、安倍総理が決断する前までに、経済に及ぼす影響をしっかりと伝えなければならなかったのです。それがこの時期、自らの身に及ぶことになりました。 ◆もう一つの動き「マイナンバー法」に要注意 また、消費増税に関連して、「マイナンバー法」の動向についても注目しなければなりません。 去る3月18日の日経新聞1面によると、政府は預金口座にマイナンバーの登録を義務付ける方向で銀行界との調整に入っています。 「脱税、マネーロンダリングを防止する」という大義名分はもっともに聞こえますが、財務省はこの他に、「国家が個人財産を管理する」ことも一つの目的として意図しているとも言え、注意が必要です。 これは、消費増税の隠された目的でもある「国家社会主義」への道にも大きく関係しています。このような動きが着々と進められていることについて、広範囲に報道されていませんが、注意深くしなければなりません。 ◆社会保障に使われる保障はない また、政府・自民党や民主党等は「増える社会保障費のために増税しなければならない」と主張していますが、現在の議論を見る限り、本当に消費増税分が社会保障費に充てられるかははっきりと決まっていません。 そうであれば、「福祉目的税」となるべきなのですが、増税分の支出について、はっきりと社会保障費として規定されているわけではないこともお伝えいたします。 ◆日銀は「2%成長」を忘れたのか 昨年は、日銀の「異次元緩和」なる金融緩和の結果、株価の上昇と消費景気の拡大、さらには2020年東京オリンピックの開催決定などの要素が重なり好況を感じさせる一年でありました。 その立役者であった黒田日銀総裁は、就任直後の意気込みは大変強く、実質GDP「2%成長」を掲げ、日本経済も活気を持つようになりました。 しかし昨年9月、消費増税の議論に関して、財務省寄りの発言を行ってからはやや存在感が薄くなり、そして、本当に2%成長を目指そうとしているのか、疑問に感じられるようになりました。 それに関連して、先日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で「現在の失業率3.7%は完全雇用に極めて近い」と発言し、日本経済が安定しているとの認識を示しました。しかし、特に地方においては、雇用は地域の最重要課題の一つとして取り上げられています。 数字以上の厳しい実態がある中で、日銀の考えが本当に実態に即しているものなのか、大きな疑問が残ります。 かつて民主党政権時代、まじめに「増税によって景気がよくなる」と言った首相がいました。 現在の日銀総裁について、まさか「増税によってGDP2%が達成できる」と考えてはいないとは思いますが、いずれにしても今後の日本経済について危機感が薄いことは事実です。 ◆鹿児島補選でも消費増税の是非が争点に この消費増税の是非については、来る4月15日告示の衆院鹿児島2区補選でも大きな争点となることは間違いありません。 消費増税施行後の初の国政選挙として、国民がどのような判断をするのか、この結果が注目されるところです。 幸福実現党は、今後も一貫して消費増税反対を掲げて、がんばってまいります! 北朝鮮の人権弾圧を終わらせるための覚悟を 2014.03.27 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆日米韓首脳会談が実現 日米韓国首脳会談が25日、オランダのハーグで実現しました。 日本メディアの中には、朴槿恵大統領が安倍首相と目線を合わせず、握手を拒否したことを揶揄するような報道もありましたが、三カ国首脳会談が開かれたことだけでも重要な一歩です。 今回の会談に反発するかのように、北朝鮮は日本海側に向けて中距離弾道ミサイル「ノドン」を発射しており、例え形だけであったとしても、三カ国の首脳会談が北朝鮮への圧力になると証明されました。 日本としては、さらに三カ国の連携を深め、東アジア有事に対応できるよう努力すべきでしょう。 ◆韓国では意外と知られていない北朝鮮の人権侵害 北朝鮮については人権状況に関して、先月17日に、国連の人権委員会に報告書が提出されました。 表現・思想の自由がないこと、政治犯収容所行なわれている拷問や公開処刑、さらに外国人に対する拉致などについて人道に対する罪に当たると指摘しています。 強制収容所における労働や拷問などによって、過去50年で数十万人が死亡。 現在も8万人以上が収容されていると報告書は伝えています。 同様に、拉致については子どもを含む外国人20万人以上が犠牲になったとされています。 特に、強制収容所における人権侵害は目を覆うものがあります。 北朝鮮の強制収容所12号を抜け出した女性脱北者は次のように語っています。 「遺体から出てきたうじ虫を、周りの人は捕まえて食べていました。 私は、体に悪いのではないかとも心配しましたが、生き延びるために、私も食べるようになるのではと想像しました。 (収容所では)ねずみを生で食べていました。口が血で真っ赤なのを覚えています。 収容所ではたくさんの人が殺されます。1か月に3人も殺されていました。」 (参照:http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2014/03/0317m.html) しかし、韓国国内では、北朝鮮で目を覆いたくなるような人権侵害が行なわれていることは、それほど知られていません。 北朝鮮でのキリスト教徒への迫害を描いた『神が送った人』という映画が公開されていますが、これを見た観客は「北朝鮮の現実についてあまりに無知だった」と感想を述べています。(2月25日付朝鮮日報) また、日本では強制収容所の悲惨な実態を描いた映画『北朝鮮強制収容所に生まれて』が公開されていますが、韓国では親北の国会議員の反対で上映される予定はありません。 韓国では、北朝鮮の人権侵害を伝える脱北者に対し、親北の議員が「裏切り者」「変節者」「ゴミ情報を量産している」と攻撃することもめずらしくなく、本来であれば一番同情すべき韓国人が北朝鮮問題に関して一致団結して解決に当たることができていません。 ◆封殺される親日派の声 それに対し、親日的な言動については、強硬な統制が行なわれています。 昨年7月に、韓国出身の呉善花(オ・ソンファ)氏が韓国への入国を拒否されたことは有名です。 韓国政府は入国拒否の理由を明らかにしていませんが、呉善花氏の言論活動が親日的であるとみなされ、そのために入国できないのではないかと考えられています。 『親日派のための弁明』の著者である金完燮(キム・ワンソプ)氏は朝鮮半島の日本統治を肯定的に評価したため、本書は有害図書に指定され、金完燮氏は名誉毀損と外患扇動罪で逮捕されています。 同様に、日本による統治が韓国の近代化につながったという論文を発表している李栄薫(イ・ヨンフン)氏もソウル大学の教授を辞職するように圧力を受けました。 残念ながら、韓国では親日的ととられる言論は攻撃され、学問の自由も保障されていない状況にあります。 その結果、世論は「親北反日」に偏っていく一方です。 ◆今こそ行動を起こす時 こういった世論を考慮すると、日本と協力関係を築き、北朝鮮と対抗していく困難が理解できます。 その中でも、日米韓の首脳会談が開けたことは大きな一歩です。3ヶ国は北朝鮮の人権問題の理解をさらに深めるとともに、拉致被害者が出ているヨーロッパ各国にも協力を要請し、この問題を一日でも早く解決できるよう連携を深めるべきです。 ただ、韓国国内世論と朴大統領の今までの言動を見ていると、どれだけ信頼関係を構築できるか楽観できません。 また、アメリカが外交よりも国内問題を優先する孤立主義の時代に入りつつあります。 最終的には日本単独でも北朝鮮に対処する気概が必要です。 北朝鮮の人権状況について報告書をまとめたカービー委員長は、証言の多くに涙を流さずにはいられなかった、と述べ、次のように訴えました。 「これまで国連は報告を受けても行動をおこさなかった。今こそ行動を起こす時です。」 21世紀、最悪の人権弾圧を終わらせる覚悟が必要です。 中国から祖国を守る台湾学生の勇気! 2014.03.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆台湾の学生が、中台協定に反発 中台間で昨年締結された「サービス貿易協定」の撤回を要求する台湾の学生らが、23日に立法院(国会)を占拠し、数百メートル離れた行政院(内閣)にも突入、警察に強制排除される事態に発展しました。(読売3/25) 朝日新聞では、「台湾の警察が24日未明に、行政院に突入した学生や市民らを約5時間かけて強制排除、警官隊がこん棒や盾で市民らを殴る場面もあり、現場は混乱。市民や警官に100人余りのけが人が出た」と報じました。 さらに「行政院への突入は立法院の周辺にいた学生が独自に呼びかけたもので、立法院の議場内の学生は占拠を続けている。台湾大学などの学生会は警察の強制排除を『暴力による鎮圧』と批判し、授業をボイコットするよう呼びかけた」と報じています。 朝日新聞を読む限りでは、学生が暴徒のように報じられ、なぜこのような行動に出たのかの詳しい情報が抜け落ちています。 ◆学生の反発の理由 学生の「貿易協定」反対の不満が爆発し、立法院議場を占拠した理由は、3月17日、立法院で「貿易協定」の議論が白熱し、「3カ月審議して立法院として反対の結論を出せなかった場合には審議終了として、行政院(政府)が当初提案の通りに手続きを進めることができる」という規定のもとに「審議終了」を宣言したからです。 (サーチナ3・24 http://news.searchina.net/id/1527741) 読売新聞では、学生の反発の理由を以下のように報じています。 「学生らが法を犯して実力行使に訴える背景には、域内総生産(GDP)の7割を占める台湾のサービス産業が規制緩和されることで、台湾が経済的に中国にのみ込まれるとの不安感が高まったからだ」(読売3/25) そして学生は、「警察が動かなければ、我々も動かないぞ」「民主主義を守り、サービス貿易を撤回しろ」と訴えていると報じています。 ついに学生の占拠から一週間たった3月25日、馬英九総統が学生の代表を総統府に招き対話をする考えを示しました。今後の動向に注視したいと思います。 一方で中国政府は、台湾側に立法院の占拠問題が「適切な解決」を得られない場合は、中国の対台湾政策トップの訪台を無期限に延長すると伝えています。(読売3/26) では、中国はどんな意図を持って台湾に接近しているのでしょうか。 ◆中国による台湾自治区化 中国軍事専門家・平松茂雄氏は、「中国は、2020年めどの『台湾統一』へ向けて着実に動いている。2021年は中国共産党結党100周年だから、その記念の祝杯を、台北で挙げようというのが当面の目的である」と指摘しています。(産経2011/6/24) 中国も武力による台湾併合は、国際社会からの非難を受けるとわかっています。最終的に武力による併合も否定はできませんが、しかし経済面からの台湾併合は、国際社会も容易に非難できません。それが中国の台湾併合の戦略です。 2008年に馬英九政権は、対中融和路線を掲げ、経済を中心に急速に中国との交流を拡大し、今年2月11日には、1949年の分断後、初めて中国と台湾当局による閣僚級の経済協力等を協議する会談が南京で開催されました。こうして着実に中国による台湾自治区化への道が進行していたのです。 ◆台湾は日本の生命線 今回の「貿易協定」反対派の主張には、台湾側の印刷出版業を大陸資本に開放する内容が盛り込まれているので、「言論の自由が損なわれる」との意見もあります。(サーチナ3/19 http://news.searchina.net/id/1527356) 近年、台湾は親中派が増え、このまま中国に飲み込まれてしまうのだろうかと危惧していましたが、今回の勇気ある学生の行動に、台湾を力で飲み込もうとする共産国家中国の野心から自国の独立を守ろうとする若い力が台湾にあることを知りました。 日本にとって台湾は運命共同体です。なぜなら台湾が中国の手中に落ちれば、日本のシーレーンは中国に簡単に脅かされるようになり、日本の経済は干上がってしまうからです。 日本のマスコミも、ほとんど関心を示していませんが、台湾は日本の生命線です。是非、今回の報道を機に、日本の国民は台湾に関心を持ち、民主主義を愛する台湾の学生と連帯すべきではないでしょうか。 なぜ日本は負けたのか?――戦史に学ぶ、未来への舵取りと提言 《第2回》 2014.03.25 文/岐阜県本部副代表 河田成治 今回から、敗因を掘り下げて考察し、幸福実現党の政策について考えてみたいと思います。 ◆情報戦略 (1)情報戦で負けた日本軍 たいへん悔しく思うのは、太平洋戦争の直前から敗戦に至るまで、ずっと日本の暗号がアメリカに筒抜けであったことです。 (正確には、戦争直前は日本の暗号のおおよそが解読でき、ワシントン駐在の日本人大使と東京外務省の暗号電文が解読され、日本が戦争を決意したという極秘情報も、ルーズベルト大統領はキャッチしていた。) しかし日本は、暗号技術に絶大な自信を持っていて、敗戦まで解読されていたことに気がつかなかったようです。 太平洋戦争の帰趨を分けたミッドウェー海戦、山本五十六長官の戦死、東京大空襲を許すこととなったマリアナ沖海戦、日本の敗戦が決定的となったレイテ沖海戦、これらすべてで、日本の作戦は筒抜けで、日本が情報戦で負けたことが、敗戦の原因であったといっても過言ではありません。 (2)現代でさらに重要になる情報収集能力 従って、現代でも、外交や国防政策においては、情報戦が最重要の鍵を握っています。 たとえばアメリカは、CIA(中央情報局)やNSA(国家安全保障局)など情報機関に、年間で約7兆円(産経2009.9.16)もの予算をかけています。これは、日本の防衛予算の1.5倍にもなる金額で、アメリカは情報部門だけで、これだけのお金をかけているのです。 またエシュロンと呼ばれる電波傍受施設を、アメリカは世界中に持っていますが、これは、史上最強の盗聴機関といわれ、軍事無線は当然のこと、携帯電話、ファクス、電子メールなど、おおよその通信が盗聴されていると言われています。 このエシュロンは、日本の青森(米軍三沢基地)にも存在するようで、つまり、日本やアジア近隣諸国の情報は筒抜けになっています。 このように、アメリカの情報収集と分析にかける労力は桁外れです。 また当然、中国も政府の管轄する国家安全部、軍が持つ総参謀第二部などの情報機関を持ち、情報収集のほか、スパイ活動などを行っていますが、詳細は不明です。 一方、日本はCIAにあたる組織は持っていません。あえて言えば内閣情報調査室がそれにあたりますが、その職員数は170名で、CIAの2~3万人(推定)に比べ、予算も規模も比較になりません。 自衛隊も情報本部(2400名。予算約500億円。防衛省HPより)等を持ち、外国の軍事情報を収集、分析していますが、やはり非常に限定的な組織です。 ちなみに、情報収集活動の中には、友好国からもたらされる重要な情報源もありますが、「特定秘密保護法」ができたことで、相手国もより安心して秘密情報を日本に提供できるようになったといいます。 (それまでは日本に情報提供すると、簡単に情報漏洩してしまうので、危なくて提供できないと言われていた。) このように日本も情報の重要性を認識し、法律の整備等も行うところですが、他国とは太刀打ちできない差が開いていることも事実です。(次回につづく) 着陸料などの公租公課の引き下げで、航空利用促進へ 2014.03.24 文/HS政経塾3期生 瀬戸優一 ◆着陸料の引き下げへ 国土交通省は、2014年度から国内線において航空会社が支払う着陸料の算出において、新たな制度を導入します。これまでの着陸料は、着陸する航空機のトン数、騒音値と着陸回数を基本に計算され、その金額を航空会社に請求する仕組みでした。 例えば現行の基準の場合、ジャンボ機と呼ばれるB747-400(569人乗りの場合)では、約270t、騒音値96で着陸料は444,700円となります。(国土交通省『空港・航空管制の運営について』) こうした現行の着陸料では、旅客の少ないシーズンにおいて航空会社に対する負担が大きくなってしまうため、航空機の重量に応じて計算するこれまでの方式に加え、旅客数が減るほど着陸料が下がるような仕組みを取り入れることになったわけです。 シーズン要因に加え、景気悪化などによって旅客が減少した場合でも、それに応じて着陸料を減らすことができ、航空会社の負担を抑えられるようになります。 さらに本年1月には、国が管理する28の空港のうち、航空会社が支払う羽田空港を除いた地方都市に存在する各地方空港の着陸料を、新規就航や増便に限って3年間30~80%割り引く方針も決まりました。 航空会社の負担を軽減し地方路線の拡大につなげる狙いがあり、今秋のダイヤ改正に合わせて実施されることとなっています。 ただし、これは地元自治体と航空会社が効果的な集客策を提示することが条件となっているため、全ての空港が引き下げを認められるわけではありません。 とはいえ、従来の着陸料を考えれば大きな決定であり、路線増につながるものであると言えるのではないでしょうか。 ◆日本の着陸料 日本の空港における着陸料は、世界と比べても高水準にあると言われています。空港使用料の中に含まれる着陸料は、国際水準の2~3倍であるとされているためです。 もちろん、空港に着陸しその空港を使用する場合、着陸料だけではなく様々な費用がかかります。ボーディングブリッジ(飛行機と空港をつなぐ橋)の使用料など空港設備の利用料も含めたトータルの料金で比較した場合、日本よりも割高になる国が存在することも事実です。 しかし、高い着陸料は航空会社にとっての負担になるだけではなく、利用者の支払う金額にも関わることであり、競争力の面で見てもマイナス面が多く存在します。 そもそも着陸料や航空機燃料税なども含めた公租公課と呼ばれる租税は、利用者負担の原則によって行われています。この原則は、航空機の利用がまだ一部の富裕層に限られていた時代の名残といわれ、航空利用者のための設備費用は、利用者自身が拠出すべきであるとする考えに基づいているのです。 また空港は着陸料とテナント料を主な財源としており、特に滑走路などの国が管理している部分の維持には着陸料が使用されているため、引き下げが難しい面があるとも言われてきました。 ◆減税で日本の活性化へ 航空業界は、ハイシーズンとローシーズンの差が大きく、世界の様々な事件にも影響を受けるため、機体重量を基にした一律の税金というものは負担が大きいと言えます。 さらにはまもなく4月から消費税の増税が行われることもあり、さらに影響を受けることも考えられます。それを考えると今回の着陸料引き下げは当然行うべき措置であるとも言えるのです。 今後日本が航空利用者を増やし、また各国の航空会社の誘致を考えるにあたり、航空に関わる公租公課の引き下げを行っていく必要があると言えます。消費税率についても、利用者が減ってしまえば税収も下がることから、空港運営に影響が出かねません。 今後世界的にも需要増が見込まれる航空分野において、日本が国際競争力を失わず、さらに活性化していくためにも、公租公課及び消費税、法人税等の各種税金の引き下げを行っていくべきであると言えます。 東日本大地震から3年――被災地の復興事業と課題 連載第2回 2014.03.23 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《ゴーストタウンのまま放置されている福島の被災地》 先週に引き続き、東日本大震災から3年目の被災地の現状をご報告いたします。今回は、津波の被害に加えて、福島第一原発の事故が発生した福島県です。 津波で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の三県の中で、福島県の復興の現状は、他の2県とはかなり違っています。 岩手、宮城県が文字通りの「震災(地震、津波)からの復興」であるのに対して、福島県はそうした震災に加えて、「原発事故からの復興」が大きな課題としてのしかかっているからです。 しかも、「目に見えない放射線への恐怖」と「政府や東京電力への不信」、そして「マスコミによる風評被害」など、原発事故による後遺症が深く、重く、県民と国民に浸透し、復興の流れを押し止めています。 3月10日、私たちは内陸部の福島市から伊達市、そして沿岸部の相馬市、そして放射線の被害が高かったとされる南相馬市、浪江町を車で視察しました。 ◆現在の避難指示区域 それぞれの地域の復興状況は、政府が定めた「避難指示区域」の線引きによって、全く違います。避難指示区域は、放射線レベルが高い地域から、三つに分けられています。 避難指示区域(平成26年4月1日時点) http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html#shiji (1)「帰還困難区域」:5年間を経過してもなお、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある、年間積算線量が50ミリシーベルトを超えている地域。 (2)「居住制限区域」:年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の被ばく線量を低減する観点から引き続き避難の継続を求める地域。 (3』「避難指示解除準備区域」:年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であることが確認された区域。 これらの地域の住人は全員、事故当時の民主党政権によって強制避難させられました。 現在も実に13万5000人もの人たちが、自宅には戻れず、仮設住宅などの避難生活を強いられています(その内4万8000人は県外に避難しています)。 そうした人たちは、自宅への宿泊は禁じられており、家の掃除や修理のために戻れる時間等も、それぞれ厳重に規制されています。 現地を車で走ると、その指定地域によって、風景や復興現状は一変します。 ◆相馬市と南相馬市 福島市、伊達市は避難指示区域外であり、内陸部のため津波の影響もなく、震災の傷跡はほとんどなく、いわゆる「風評被害」を除けば、市民生活は通常に戻っています。(これは今回紹介する「避難指示区域」以外は、福島県の全ての市町村に当てはまります。) 相馬市は、「避難指示区域」外であり、放射線ではなく、津波の被害が甚大だった地域です。津波で家を流された住民以外の市民は自宅で生活しているため、沿岸部の瓦礫撤去や町の整備もかなり進み、相馬港の食堂も営業を再開するなど、ようやく復興に向けた動きが見えてきています。 相馬市 http://www.mapion.co.jp/m/37.802546504690504_140.9193213223777_5/ ただ、原発の汚染水問題によって漁業の操業が禁じられており、たとえ再開しても「風評」によって販売の可能性が閉ざされていることなど、今も続く原発事故と放射線の影響が、地元の人たちの暮らしと仕事、産業の再生を阻んでいます。(この問題については、後日ご報告いたします) そして南相馬市は、南側の三分の一が、放射線の影響による「避難指示解除準備区」に指定されており、海岸沿いの津波の被害が大きかった地域です。 南相馬市 http://www.mapion.co.jp/m/37.6391277_140.9606861_5/ その一帯に入ると、町には住民の姿は全くなく、大部分の家は被災した当時のまま放置され、まさに「ゴーストタウン状態」です。田んぼや畑の瓦礫の処理は始まっていますが、津波に流された車が逆さまになったまま放置されている所も残っています。 要するに、住民の帰宅と居住が許されていない「避難指示区域」に指定されているため、最低限の瓦礫処理がなされただけで、全く復興は始まっていないのです。. http://yanai-hissho.hr-party.jp/files/2014/03/DSC_0141.jpg それは、浪江町や飯館村など、「避難指示区域」に指定された周辺の全ての市町村も同じです。 ◆居住困難地区 さらに南下して、福島第一原発のある双葉町まで近づくと、そこは「居住困難地区」に指定されているため、道路には車の通行を止めるゲート(検問所)が設置され、原発関係者や行政関係者以外、許可がなければ住人であっても、一般人は一切侵入できません。 つまり、政府の指定した三つの種類の広大な「避難指示区域」の中は、復興どころか、「人っ子ひとりいない、ゴーストタウン」のまま、三年間放置されてきたというのが、福島の被災地の現状なのです。 避難指示区域 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html#shiji 人がいなければ、復興が進むはずはありません。 それを妨げているのが、福島原発事故で発生した、「多くの人が被ばくし、現在も一帯を汚染し続けている」とされる“放射線汚染”の問題です。次回は、福島県の復興を止めている、放射線問題の現状と実態について、報告します。 <映像レポート> 3.11 復興のつち音~福島~ http://www.youtube.com/watch?v=iYJoQm2OuHo 世界を動かす女性の力―女性がさらに輝く時代へ 2014.03.22 文/HS政経塾1期生 兵庫県本部副代表 湊 侑子 ◆オバマ大統領夫人の外交力はどこまであるのか 3月22日、アメリカのオバマ大統領のミシェル夫人が、中国で習近平国家主席と会談を行いました。 習近平は24日からオランダのハーグで行われる核安全保障でのサミットでの「米中首脳会談を楽しみにしている」と述べ、両国関係のさらなる発展に意欲をみせました。(TBS News 3月22日) 国連の北朝鮮レポートを否定して北朝鮮政府への理解を示す点や、クリミアへのロシアの対応に理解を示す点で中国はアメリカとの対立を抱えています。 中国の国家主席が他国の首脳夫人と会見することは極めて異例であり、サミット前に米中間の緊密な関係を示したかったためだと考えられています。 ミシェル夫人の訪中前のニュースでは、習近平の彭麗媛夫人との会談と教育や価値観の共有が目的で、“people-to-people exchange”(NY Times.com「Politics Won’t Be on First Lady’s China Itinerary, Aides Say」3月18日)だとしていました。ただ、「米中は人権問題を中心に、貿易、サイバーテロ、領土(領海・領空)問題などで厳しい対立関係にある」(同上のNYTimes)中での夫人の訪中は、米中対立緩和のPRになっています。 また、今回の訪問に自分の母、娘たちを従えて行ったことで、同じく母親の手を借りて子育てを行っている中国人の共感を得やすいとも言われています。 ファーストレディ外交がどこまで二国間をつなぎとめるのでしょうか。 ◆世の中を動かした女性たち 現在、日本ではウーマノミクスとして、経済を牽引する女性たちが注目されていますし、安倍首相も女性の力の活用を訴えています。 ただ、女性には、様々なタイプがあります。 独身で大きな仕事をした、ヘレン・ケラーやマザー・テレサ、日本では津田梅子などがいました。 結婚しても、実際に仕事を行って夫よりも高い能力を発揮するキャリアウーマンタイプと、活躍しながらも夫(や息子)を支えて偉くする内助の功タイプもあります。 前者はミシェル夫人や、ヒラリー・クリントン後者は陸奥宗光の妻亮子や伊藤博文の妻梅子などが挙げられます。蒋介石の妻の宋美齢も世の中を動かした女性で有名です。 彼女は蒋介石の代わりにアメリカ国内を講演してまわり、その堪能な英語と美しい姿で、アメリカの国内世論を動かし、中華民国への様々な援助を引き出しました。アメリカの対日政策に大きな影響を与えた宋美齢は、日本にとってはたいへん厄介な存在でしたが、歴史を動かした一人です。 安倍昭恵首相夫人は、奔放な活動と、夫と正反対とも思われる発言で“家庭内野党”を標榜しており、一見どちらのタイプにも属していないように思えます。ただ、その実態は首相だけでは取り込めないマスコミや左翼勢力の緩衝材となり、首相への批判を弱めるという貴重な働きをしています。 ◆世界から称賛される日本人女性として更なる飛躍を 日本人女性が本来持っている、優しさや芯の強さ、潔さ、勤勉さは民族の誇りにすべきものです。戦前のドイツでは、日本人妻をもらうことが最高の幸せとされていました。それは現代においてもおそらく変わらないでしょう。 私たちは、正しい歴史を学んで日本に誇りを持つと共に、日本文化の素晴らしさをもう一度学び直すべきです。特に茶道や華道、武道、舞踊、習字などはすべて心のあり方の重要性を説いており、世界でも一流の教育です。 ドラッカーは、「すべての文明、あるいは国の中で、日本だけは、目よりも心で接することによって理解できる国である」と言っています。 確かに、主に女性が得意とする分野としては心を使う、教育、社会福祉、人権問題、弱者救済、女性の権利の向上、などが挙げられます。昭恵首相夫人も社会活動として上記の他に、農業・地域振興、東北復興支援、国際交流、ミャンマーでは実際の学校建設に携わっています。 成功してよい手本を後世に残す女性の仕事には、どのような形であれ、献身的で自我が少なく、奉仕の心が溢れています。 幸福実現党は、女性の様々な個性を認め合いながら、新しい女性のモデルを日本から世界に数多く発信していくため、力を尽くしていきたいと思います。 すべてを表示する 1 2 3 Next »