Home/ 2012年 January 2012年 January 「税と社会保障の一体改革」に潜む嘘~「社会保障制度維持」は増税の口実に過ぎない~ 2012.01.21 野田首相は、内閣改造で消費税増税を含む「社会保障と税の一体改革」について「この国を守るため、私の政治生命をかけて一体改革をやり抜く」と強い決意を表明し、解散・総選挙で増税に関して信を問う可能性も示唆しています。(1/14 産経) 1月24日より開催される通常国会を前に、民主党・野田内閣は「解散権」をチラつかせながら「税と社会保障の一体改革」についての与野党での事前協議を呼びかけて来ましたが、野党の反発が強く、不調に終わり、国会における論争の火蓋が切られようとしています。 しかし、自民党も消費税10%を公約で掲げており、党内からも「場合によって5、6月に話し合い解散することも十分に考えられる」との声が出ており、党利党略の中で紆余曲折はあったとしても、消費増税が成立する可能性は少なくありません。 野田首相は「税と社会保障の一体改革」に声を張り上げ、血眼になっていますが、その謳い文句ともなっている「消費税増税で社会保障制度が維持できる」というのは果たして本当でしょうか? 原田泰氏(エコノミスト、大和総研顧問)は「現在60歳以上の高齢者世帯は年金等の公的受益から社会保険料租税などの公的負担を差し引いて『4875万円の純受益』があるのに、将来世代は『4585万円の純損失』になる」と指摘しています。(『WEDGE』1/19号) このように、9千万円以上の「年金制度の世代間格差」という大きな問題があることが、若者の年金の未納増大の要因となっています。 年金制度は、元々は各自が老後のために備える「積み立て方式」で、努力に応じた結果を享受する公平な制度でありました。 しかし、「積み立て方式」をやめ、現役世代の保険料や税金から高齢者に年金を支給する「賦課方式」に変更されたことにより、少子高齢化が進めば進むほど、若い世代の負担が重くなり、「世代間格差」が拡大する構造となっています。 このような「世代間格差」の元凶である「賦課方式」を見直さない「税と社会保障の一体改革」は今後、少子高齢化の進展に伴い、更に「世代間格差」が拡大し、未納の増大、制度崩壊を招く恐れがあります。 さらに「税と社会保障の一体改革」の無責任な点は、将来を見据えていない政策・制度設計であることです。このことについて、先述の原田泰氏は次のように述べています。 「社会保障給付費と名目GDPの比率を見ると、1970年には『4.6%』に過ぎなかったものが、2010年には『24.6%』になっている。この比率は将来どうなるだろうか。 社会保障給付費と名目GDPの比率は、『2010年24.6%』から『2055年54.0%』まで29.4%ポイント上昇する。消費税1%でGDPの0.5%の税収であるので29.4%ポイントを0.5%で割って『58.8%』の消費税増税が必要になる。こんな大幅な増税が実現可能とは思えない。」(同上) すなわち、「税と社会保障の一体改革」の方針で、社会保障制度を維持するためには消費税10%どころの話ではなく、将来的には消費税60%になりかねないのです。 「消費増税をしないこと」は無責任な考え方であるかのような論調もありますが、「消費増税によって、持続不可能な制度を維持すること」の方が、よほど無責任な考え方です。 本当に社会保障に対して責任を持つならば、「税金に依存する社会保障制度」を構築するのではなく、「選択と集中」の原則に則り、必要な人にはセーフティネットを施す一方、一律的なバラマキ型の社会保障制度は根本的に見直すべきです。 「税と社会保障の一体改革」には、社会主義国のように「個人が国家によって養われる」社会を現出し、その結果、血の通った「家族の絆」を解体していきます。 その意味で、「税と社会保障の一体改革」は健全な社会を蝕む恐れがあります。 今後、社会保障は、本人の備えと家族の助け合いを基本とし、少子化を食い止め、超高齢化社会を支えるべく、「家庭の価値」を見直すべきです。 そして、政府は家族の助け合いをサポートすると共に、「選択と集中」により、確かなセーフティー・ネットを整えていくべきです。(文責・小川俊介) 政府は特別措置法の制定を急ぎ、普天間基地の辺野古移設を断行せよ! 2012.01.20 田中防衛大臣は1月15日のNHK番組で、普天間基地移設に伴う埋め立て問題に関連して、移設先の名護市辺野古への「年内着工」について言及しました。 この発言は沖縄の反発、野党の批判を浴び、田中氏は翌日16日の記者会見で「年内に着工する」とした前日の発言を事実上撤回しました。 番組で、代替施設建設に向けた海面埋め立ての「申請」時期を問われただけなのに、田中氏は一足飛びに「着工」時期に言及し、埋め立て申請を6月頃に想定していることもあっさりと認めました。 このスケジュールについては「日米両政府間では暗黙の了解」であることが報道されています。(1/15 産経) 田中防衛大臣の軽率さは批判されるべきですが、日本のみならず、東アジアの安全保障に関わる重大問題に関し、責任者である防衛相が目標時期を明確にして取り組めないことは問題です。 当然の了解事項であるにも関わらず、公言はできない。こと沖縄基地問題に関しては、このような失言事件が繰り返し発生してきました。 昨年12月には、環境影響評価(アセスメント)の評価書をめぐる不適切な発言をした沖縄防衛局の田中聡局長が更迭されました。居酒屋でのオフレコ発言を、地元の沖縄紙が翌日、大々的に号外を発行して喧伝した結果、全国に報道され、更迭となりました。 昨年3月には、米国務省のケビンメア日本部長が米大学生に対する講義の中で「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ」と発言したとして更迭されました。 2009年1月には、松沢神奈川県知事(当時)が「普天間基地移設は県内が妥当」と意見したところ、名護市議会から「発言撤回」動議や「辞職勧告」動議まで提出されました。(惠隆之介著『誰も語れなかった沖縄の真実――新・沖縄ノート』⇒http://p.tl/rthL) 沖縄県の米軍基地を容認する発言は、ほとんどが「タブー」となっていると言っても過言ではありません。 普天間基地問題の過去の交渉経緯をつぶさに見ると、沖縄県関係者が振興費等の補助金の維持・増額を目的とした「条件闘争」を繰り返してきたと言われてもいたしかなない事実が浮かび上がります。(守屋武昌著『「普天間」交渉秘録』⇒http://p.tl/G_j5) 一向に進まない普天間基地移設に、2006年当時、諸井虔氏(元経団連副会長)が「政府は沖縄に悪い癖をつけてしまったね。米軍基地の返還などが進まなくてもカネをやるという、悪い癖をつけてしまったんだよ」を苦言を呈したことは、誠に正鵠を射た発言でありました。 現在も、仲井真知事は「県外移設」の姿勢を崩してはいません。そして、「振興費と普天間問題は無関係」との立場を強調しています。 このような状況であるにも関わらず、2012年度予算では、内閣府の沖縄振興費は11年度当初予算に比べ636億円増(27.6%増)の2,937億円が組まれています。仲井真知事の3000億円要求に対して、ほぼ「満額回答」です。 しかも、沖縄県独自の一括交付金制度も新設され、このうち1575億円が充てられています。11年度の沖縄県の一括交付金は321億円でした。これは異例の優遇措置です。(12/25 東京) 琉球王国の国王に日本政府が「朝貢外交」を繰り返しているが如きです。「朝貢外交」の恩賜が「県外移設」というわけですがら、このような茶番はもはや限界です。 「日米合意」の履行を、これ以上、日本政府が沖縄県に丸投げし続けることは許されません。 このままでは、住宅街に囲まれた「普天間基地の固定化」(現飛行場の継続使用)が現実のものとなります。普天間基地の固定化は、地元の宜野湾市のみならず、日米両政府ともに最も避けたい事態であり、日米同盟に亀裂が入ることは避けられません。 仲井真知事は、日本と東アジアの安全保障、そして、普天間基地のある宜野湾市民に関し、果たして責任を取れるのでしょうか? 外交安全保障は、国の専権事項です。仲井真知事が公有水面の埋め立てを拒否した場合、政府は移転先の辺野古沖の埋め立て許可権限を、県知事から取り上げ、総理大臣に移す特別措置法の制定を急ぐべきです。 特措法は過去にも事例があります。平成9年、米軍用地継続使用に反対する左翼地主の代理署名を拒否した革新系の大田昌秀知事(当時)に対して、「沖縄米軍基地の継続使用のための改正駐留軍用地特別措置法」を制定し、継続使用にこぎつけました。 ※ちなみに、後に、反戦地主ら反基地運動家らが北朝鮮と密接な関係にあったことや、外国人や沖縄地元新聞の役員などが反戦地主になっていたことが明らかになっています。(『新日本学』平成22年夏号「沖縄をどう政するか」惠隆之介著) 「県外移設」を推進する仲井真知事は、代理署名拒否した大田元知事と同じく、一地方の知事が国家の外交・防衛権を妨害する、国権に対する重大な「侵害行為」であります。 政府は毅然たる態度で「特措法」を制定し、国家主導で普天間基地の迅速な辺野古移設を断行すべきです。(文責・加納有輝彦) 北朝鮮の核ミサイル量産化を抑止せよ! 2012.01.19 1月13日、韓国政府当局者は昨年12月19日に続き、北朝鮮が日本海に向け短距離弾道ミサイル3発を発射したことを明らかにしました。 ミサイルは旧ソ連製の「SS-21」を改良した「KN-02」(射程120キロ)で、性能確認が目的の発射実験だったと報道されています。(1/14 読売) 液体燃料を使用するスカッドミサイルは発射準備に30分以上かかりますが、この「KN-02」は固体燃料を使用したロケットであるため、約5分間で発射体制に入る事ができます。また、移動式発射台を利用して発射されるため、発射場所を特定するのは極めて難しいと言えます。 「KN-02」は日本まで届く飛行距離はありませんが、ソウルを充分に射程内に収めることができます。2007年10月、ハンナラ党の金議員は「韓国軍に『KN-02』を迎撃できる兵器は無く、お手上げの状態だ」と語っています。 この状況は現在も変わっておらず、今回の「KN-02」発射は、北朝鮮の「韓国をいつでも火の海にできるぞ」という金正恩のメッセージであると言えます。 同時に、このタイミングでのミサイル発射は、金正恩の軍事を優先した「先軍政治」の新体制が盤石であることをアピールする狙いがあることは間違いありません。 こうした北朝鮮の軍事的脅威は韓国だけでなく、日本にも言えることです。 2009年4月、北朝鮮の長距離弾道「ミサイル・テポドン2」が、日本列島上空を越え太平洋に落下しました。これは、北朝鮮は日本を充分に射程内に収めたミサイル発射能力を持っていることを意味しています。 金正恩氏の誕生日の1月8日、国営朝鮮中央テレビが放送した正恩氏の記録映画に、「テポドン2号」発射の際に、正恩氏が「敵が迎撃してきたら、本物の戦争をしようと決心していた」という“勇敢”な言葉を吐いていたことを紹介しています。(1/16 毎日) これも内外の北朝鮮の金正恩新体制の盤石性をアピールし、強硬な姿勢を示すことで、日本を含む周辺国を牽制することが狙いだと見られます。 2012年、北朝鮮は、核の脅しを使って、食料支援を引き出だす交渉を米国や韓国、日本ににも仕掛けてくることが予想されます。 その際の時期的なキーポイントは、11月の米国大統領選挙、12月の韓国大統領選挙の2つの大統領選挙です。 韓国外交通商省傘下の研究機関・外交安全研究員は「二つの選挙の前後に、北朝鮮がウラン型の核実験を行う恐れがある」と指摘しています。 「北朝鮮が2010年に公開した寧辺(ヨンビョン)のウラン濃縮施設を見たソグフリィード・ベッカー元米ロスアラモス国立研究所も、今月発表の論文で、年内に核実験を行う可能性を指摘しています。 その目的は、グアムまで射程に収める中距離弾道弾ミサイル「ムスダン」(推定射程距離4000キロ)に搭載可能な小型核弾頭の開発と見ています。(12/19 読売) 核の小型化が完成すれば、間違いなく、日本全土に届くノドンミサイルにも核が搭載されます。320発ものノドンミサイルが日本に同時に襲来した場合、日本のミサイル防衛(MD)では全く対応できません。 北朝鮮は金日成主席生誕100周年の「太陽節」(4月15日)にも、国威発揚となる軍事的暴発、若しくは核実験を行う危険が指摘されています。 野田首相や外務省は、朝鮮半島の「現状維持」を志向していることは明らかですが、このまま金正恩氏が権力を掌握し、核の小型化を成し遂げ、核ミサイルの量産化を進めていけば、最も大きな危険に直面するのは日本です。 その意味で、日本としては米国、韓国やロシアなどの周辺国をも巻き込み、制裁強化や核抑止力強化、予防防衛等を含めたシミュレーションを徹底し、早急に北朝鮮の先軍政治の「終わりの始まり」に向けた戦略を描く必要があります。 かつての宗主国として、日本は「南北に引き裂かれた民族の悲劇」を終わらせる責任があるのです。(参照:1/18発刊『北朝鮮―終わりの始まり―』大川隆法著) (文責・佐々木勝浩) 増税しか議論できない政府・マスコミは税金泥棒 2012.01.18 今年に入り、「税と社会保障の一体改革」の素案が提出されたことを受け、消費税増税論議が加速しています。 その中で、有力な経済誌の一つであるダイヤモンド誌のオンライン版で目を疑うような記事が掲載されました。 同誌編集部の片田江康男氏による「2012年の論点を読む」では「日本国債の暴落は起こるか?2012年は財政健全化の道筋を国内外に示す年」という論考が掲載されています(1月4日配信記事)。 内容をかいつまんで言えば、日本は財政健全化の道筋を示さないと国債の暴落が起きて、「ギリシャの二の舞」となるということです。 既に「日本のギリシャ化」論は、菅前首相の際に論破されている論点ですが、EUの債務危機が鮮明化してきたことで再燃したと思われます。 実際、安住財務相は「明日はわが身」と言及していますし、野田首相は「消費税増税なくして日本の将来はない」という趣旨の発言をしています。 さて、当記事の問題点は日本財政の債務だけに目を向けている点にあります。バランスシートの原則を知っている方なら、当然資産にも目を向けるはずですが、見事に無視しています。 それだけではなく、世界最悪の債務水準であるにも関わらず、国債暴落が起きない原因は、国債の90%以上が国内で消化されている点と消費税の低さに求めています。 国債保有率は正しいとしても、なぜ消費税の低さが原因となるのでしょうか。 同記事では、中央大学の富田俊基教授の説を引用して、次のように説明されています。 「国内外の投資家は、日本は消費税を上げる余地がまだあると見ている。だから、財政健全化に向けて消費税を上げて税収を伸ばし、国債償還に問題は生じないと見ている」 富田教授は、野村総合研究所出身で、国債問題の専門家です。よって、これは典型的な「財政規律」を重視する債券投資家の見方です。 しかしながら、増税の余地があるから国内外の投資家が国債を手放さないというのは、あまりにも短絡過ぎます。 投資家には、株式を専門とする投資家や不動産を専門とする投資家、ヘッジファンドまで幅広くいますが、「日本売り」をしないのは、日本の対外純資産が250兆円を超える債権国であること。国内の金融資産残高も250兆円の黒字を計上していることにあります。 また、政府の借金が1000兆円に上ると言っても、政府資産は約650兆円存在しているため、純債務は350兆円程度だということも加味されましょう(議論の単純化のために概数を使っている)。 日本の債務の大きさは懸念材料であっても、増税が控えているから国債暴落が起きない安心材料となっているわけではありません。適切なマクロ経済政策を行えば、十分に財政を維持することができると判断しているわけです。 ギリシャを比喩に使うのは結構ですが、日本はギリシャと違って自由に金融政策が使えることや、EU特有の財政安定化政策を採用していないことを見ても、ギリシャと比較するのはナンセンスです。 もう一つ、議論が必要な論点があります。増税は、理論的にも消費を冷え込ませますが、片田江氏は、これに対しても前出の富田教授の意見を掲載して否定します。 「消費税増税をしない場合、財政健全化への道筋がつかない。そうすると国民はかえって将来の社会保障に対する不安を持つ。金利が上がることになれば、経済活動も抑制される」 この論点の欠点は次のように反論できます。 「税と社会保障の一体改革」では、消費税増税は「社会保障目的税化」として使用されます。 つまり、徴収した税金はそのまま社会保障に使われるので、右から左に流れるだけで財政再建に貢献しません。そのために、政府は所得税や相続税まで増税しようとしているわけです。よって、消費税増税が財政再建の道筋にはなり得ません。 安住財務相も同様の発言をしていますが、これは増税を正当化する財務省のレトリックに過ぎません。 1997年の消費税引き上げによる景気落ち込みをみれば、とても上記のような結論は出てきません。国民は、将来の増税や保険料負担が高くなるために貯金をしていることや、デフレによって消費をしない点が抜け落ちています。 要するに、消費低迷はデフレ不況であり、日本財政の債務額ではないのです。 片田江氏の記事は、とにかく消費税の増税が先決だと結論づけていますが、ここに一つの学術研究を紹介して反論しましょう。 ハーバード大学のアレシナ教授の研究によれば、1960年から1994年までの期間で、OECD20ヶ国の増税の事例を調査しています。 全部で62の事例をみて、成功例は16、失敗例は46ですが、成功した事例の共通項は最初に歳出削減を行っていること。失敗例の共通項は増税が先行していると明記されています。 その意味で、増税だけが先行する野田政権の財政再建策は失敗の道に入り込んでいると言えます。財政再建は大事なことですが、歳出削減や経済成長による税収増、埋蔵金の活用など、政府がやるべきことはたくさんあるのです。 増税だけしかないならば、政府とマスコミは国民に負担を押し付けるだけの「税金泥棒」に等しいと言えましょう。 そうではなく、国内外に示すべき道筋は「震災から日本再建」であり、日本が世界不況を救うリーダーとなることを宣言することです。 世界の政治指導者が変わる本年、日本が果たす役割は大きいのですから、堂々と経済面で貢献していけばよいのです。(文責・中野雄太) 恐るべき財務省による国家支配――民主主義を破壊する野田・財務省内閣を阻止せよ!! 2012.01.17 野田首相は17日、消費増税を含む「社会保障と税の一体改革」の実現に向け「政治生命をかける。不退転の気持ちだ。すべてをささげていきたい」と表明。24日からの通常国会では消費増税関連法案を成立させる考えを示しました。(1/17日経) 本来、政治家は既得権益や官僚・公務員による税金のムダ遣いと闘い、経済成長による税収増のために政治生命を懸けるべきです。そうした努力もすることなく、国民の負担を増やす「増税」のために「不退転」となるなど、言語道断です。 16日にも野田首相は党大会で、消費増税を含む「社会保障と税の一体改革」を「やりきることなくして日本と国民の将来はない」と語っていますが、このような不況下に増税を断行しようとしている自分自身が「日本と国民の将来」を暗くしていることに気づくべきです。 そもそも、松下政経塾で、松下幸之助氏から直々に「無税国家」の理想を学んだ野田首相が、なぜ、「増税に政治生命をかける」ような「増税原理主義」に陥っているのでしょうか? それは、野田首相が財務省の傀儡(かいらい)政権であるからです。より具体的に言うならば、野田首相は“財務省の天皇”と称されている勝栄二郎(かつえいじろう)事務次官の「パペット(操り人形)」、若しくは「ペット」に過ぎないからです。 そもそも、野田首相の誕生自体、勝事務次官の力によるところが多かったため、野田首相は「増税一直線」の勝事務次官に頭が上がらないのが現実です。ある官邸関係者は以下のように述べています。 「民主党内では、先の党代表選の第1回目の投票で野田氏が第2位につけることができたのは、勝氏ら財務官僚が“野田氏に入れてほしい。反消費税の小沢系の海江田万里はまずい”と民主党議員に働きかけたからと言われている。また野田氏は組閣に先立ち、勝氏に“いい人はいないか”と大臣候補について相談したぐらい勝氏に頼っている。」(「プレジデント」2011年10月31日号) たちあがれ日本の片山虎之助議員は予算委員会で「野田内閣は『直勝内閣(ちょっかつ)』と言われている」として、「財務省主導」の野田首相を皮肉っています。勝氏による「直轄内閣」というわけです。 また、財務省では若手官僚を中心に組織された100人規模の政界工作部隊やメディア工作部隊を構成しており、勝栄二郎・事務次官の直系とされる香川俊介・官房長の支持で政界やメディアを支配し、操作していると言われています。(「週刊ポスト」2011年10月7日号) 財務省の報道機関工作の有力な武器が国税の税務調査であり、朝日新聞や読売新聞の申告漏れに関する税務調査の後、読売は丹呉泰健・前財務事務次官を社外監査役に迎え、朝日も「増税礼賛」の論調を強めています。(同上) すなわち、財務官僚が野田首相を誕生させ、財務省のシナリオに沿って野田首相が消費税増税や「社会保障と税の一体改革」を進めているのが実態なのです。 「民主主義制度」は全く無視され、政治・官僚・マスコミ一体となった「国家社会主義」への道を歩もうとしているのです。(参照:1月18日(水)緊急発刊『国家社会主義への警鐘』 http://p.tl/Aaee) 日本国憲法前文にある通り、この国の主権者は「国民」であり、公務員は単なる「全体の奉仕者」(憲法第15条2項)、すなわち「公僕」に過ぎません。 しかし、「公僕」たる官僚が政治・行政・司法・マスコミ・経済界等、全てを牛耳っています。この傾向は「政治の弱体化」によって、ますます進行しています。 民主党が当初、目指していた「政治主導」のように官僚を排除する必要はありませんが、官僚が内閣や国会を事実上、支配している現状は「民主主義の原則」を根本から歪めています。 デモクラシー(民主主義)の原則は、国民の「民意」によって物事を決める政治体制ですが、「民意」を問わずに「消費税増税」を断行しようとしている野田・財務省内閣は、明らかに民主主義から逸脱した「暴走」を始めています。 「民意」は明らかに「消費税増税反対」にあります。 共同通信社の世論調査によると、行政経費の無駄削減が実現しない場合、増税すべきでないとの回答が79.5%に達しています。読売の世論調査でも増税に賛成が39%に対し、反対は55%に上っています。朝日の世論調査でも消費税増税に反対が57%となっています。 それでもなお、増税を実行しようとするならば、野田首相は即刻、解散・総選挙を行い、「民意」を問うべきです。 野田政権による増税を断固阻止し、「自由からの繁栄」を実現するため、1月28日(土)、幸福実現党が先陣を切って「民主党・野田政権の即時退陣を求めるデモ」を開催いたします。(詳細⇒http://p.tl/TgkP) また、幸福実現党は全国100万人署名を目指している「消費税増税に反対する請願(署名)」に協賛参加します。私たちの力を結集し、国民の「消費税反対の声」を集め、「重税国家」への暴走を食い止めて参りましょう!(詳細⇒http://p.tl/n6V5) TAKE ACTION!! ――今、私たち一人一人の行動が「消費税増税」の暴走を止め、「官僚支配」という、歪んだ国のかたちを正していくのです。 本年2012年、幸福実現党は「日本の大掃除」に取り掛かります!皆さまのご支援、何卒、よろしくお願い申し上げます!(文責・黒川白雲) 激闘!!台湾総統選レポート 2012.01.16 世界で大統領選挙などが相次ぐ「選挙イヤー」の幕開けとなる台湾総統選が1月14日行われ、国民党で現職の馬英九氏が勝利しました。 私、竜の口法子は党出版局長・矢内筆勝と共に12日から台湾に入って総統選挙を取材しました。本日は、そのレポートをお届け致します。 台湾総統選は、経済の好調の実績をアピールする馬総統を、対中傾斜に慎重で初の女性総統の座を狙う蔡英文主席が猛追していました。 「加油!加油!加油!」(がんばれ)、「当選!当選!当選!」――投票日前日の各集会場所は、数万人の支持者が埋め尽くし、かけ声が鳴り響きます。 台湾では22時まで選挙活動が可能で、各々の支援者達は仕事を終えてから集まり始め、21時半頃、ボルテージは最高潮になりました。 民進党も、国民党も、最大拠点に10万人以上、そして、地方の数箇所でも同じように集っています。芸能人やニュースキャスター、歌手やタレントが応援に駆けつけました。 台湾は中国との関係上、複雑な矛盾を抱えた国ではありますが、「選挙」の重要性を国民が理解しているという意味では日本は学ぶべき点が多くあります。日本の選挙戦はここまで「魅せる」面白さはありません。 日本のような議院内閣制と違い、大統領を直接選ぶアメリカ型に近く、政治への関心の高さは想像以上です。 総統選挙の投票率は74.38%と低かったものの、日本のように期日前投票や海外で投票をすることはできません。土曜日の夕方4時までに台湾で投票しなくてはなりません。 私が台湾に入ったのが投票日二日前であったこともありますが、誰もが「政治に関して自分の意見を持っている」ということが日本との大きな違いです。 「都会型」の台北タクシーの運転手、「地方型」で農村や工業地帯の台中タクシーの運転手、バスに乗りあわせた乗客、道で会った人、誰に聞いても「投票にはいかない」「関心がない」「期待していない」「支持する政党や政治家はいない」といった声を唯の一度も聞きませんでした。 タクシーの運転手に聞けば、一言で支持政党とその理由を簡潔に語ってくれます。もちろん、同業者であっても一様ではなく、国民党支持者も民進党支持者もおり、支持する理由も様々でした。 「台湾の将来を自分たちが決めるのだから、選挙に行くのは当然。責任がある」と言います。 また、若い方が選挙応援に積極的なことも印象的でした。投票前日、民進党の演説会終了後、「日本人の方ですか?」と話しかけてくれた20代の女性が二人いました。 一人は早稲田大学大学院、もう一人は東京国際大学大学院を卒業し、台湾の未来をかけて今、蔡英文氏の選挙を手伝っているといいます。 私が日本に期待することを訪ねたら、まず、「台湾を国として認めてほしい」と即答しました。 「日本に留学したとき、外国人登録に『中国』と書かなくてはならなかった。留学中、『中国人』として扱われたが、私は『中国人』ではありません」とキッパリ言います。 日本政府は中国と国交を樹立して以降、「台湾は中国の一部である」との中国の主張を承認しないまでも、「理解し尊重する」という立場を取っています。しかし、日本政府は台湾人民の主張を「理解し尊重する」姿勢に欠けています。 もう一つは「日本ともっと経済交流をしたい」と言っていました。中国に対しては「台湾と中国は仲良く、『国』と『国』として交流したい」とのことでした。 明るく親切で、忘れ物をしたら店員さんが全力で走って届けてくれる、日本と親和性の高い台湾。しかし、この笑顔の人々の奥にある、台湾が抱える矛盾と複雑さ。 だからこそ、国が大きく変わる可能性のある「選挙」への情熱も高いのだといえます。 中国共産党からみた「一つの中国」と、台湾からみた「一つの中国」。 全く違う政治体制を主張しながら、合意された「92年コンセンサス」の曖昧さは、馬英九総統の一期目こそ、表面上、「経済交流促進」というプラスを生み出したかもしれませんが、二期目は、この曖昧さが「民主台湾」を脅かすことになるのではないか不安になりました。 投票日前後、空港は海外在住の台湾ビジネスマン(台商)でいっぱいでした。馬英九総統の再選を望む中国政権は、中国在住の台湾ビジネスマンとその家族に14日の投票日にあわせての帰省を促すなど水面下で国民党支援に動いていました。 中国当局は選挙前の期間に100便前後を増便し、航空券の価格を4割~6割値引きするなど、台湾ビジネスマンの優先搭乗に協力していました。 中国は今秋の第18回共産党大会で習近平国家副主席への政権移行を予定しており、その前に「台湾独立思考」の強い民進党が政権を奪還することを恐れていたからです。 しかし、中国が最も恐れたのは、民主主義的な選挙そのものだったかもしれません。中国では「台湾選挙」の報道に厳しい規制をかけ、「自由な選挙」を中国人に見せませんでした。 他陣営の間違いを堂々と主張する「言論の自由」、自分達の意思で総統を選ぶ「政治参加の自由」――同じ言語と同じ顔つきを持つ中国にはなく、台湾にある最大のものが「自由」です。 前述した若い女性たちは、蔡英文氏の敗北の瞬間、大雨の中、支援者と共に広場に集まり、泣きながら健闘を讃え合い、再起を誓っていました。 台湾の未来はまだ不安定ですが、一つ確信したことは、台湾の人々は支持政党は違えども、一度手にした「自由」は、二度と手放さないだろう、ということです。 その意味で、台湾の未来は「自由と民主主義」を奉ずる日本が鍵を握っていることを確信致しました。(文責・竜の口法子) 激動の東アジア――中国に「政治的統一」の口実を与えた台湾総統選 2012.01.15 台湾の総統選が14日に行われ、現職の中国国民党(国民党)の馬英九総統が、対立する最大野党の民主進歩党(民進党)の蔡英文主席を破って再選されました。 対中融和政策によって経済的・政治的な関わりを深める国民党と、台湾の主権と独立を志向する民進党――その選挙結果は、東アジアと日本の未来に大きな影響を与える可能性があります。 私、矢内筆勝は12日から台湾に入って総統選挙を取材し、14日の投開票を見届け、帰国しました。 投開票日の天気こそ、現地は曇りと雨でしたが、選挙戦はまさに“熱い熱い闘い”でした。今回の投票率は実に74.38%。前回の選挙よりは下回ったとはいえ、文字通り、台湾を二分する激しい選挙戦が繰り広げられました。 台湾総統選は、有権者が国家元首(総統)を直接選ぶ選挙です。 台湾総統選は、中国大陸から外来して長らく独裁政治を敷いてきた「外省人」を中心とした「国民党」と、台湾出身の「本省人」を中心とした「民進党」が「台湾の統治権」そのものを争う選挙であります。 それだけに、その真剣さと激しさは、世界の選挙の中でも群を抜いています。選挙の詳しい背景や分析は、別途、ご報告させて頂きますが、本日はそのポイントを簡潔にお伝えさせて頂きます。 今回の総統選挙の争点を一言で表せば「『両岸関係』(台湾と中国との関係)をどうするか」の一点に尽きます。 これまで国民党が推し進めてきた中国との「経済的な一体化路線」を継続するのか、それとも、民進党が主張するように、台湾の「主権と独立を守る」べく、中国とは一定の距離を置くのか――まさに、台湾人自らが「台湾の未来」を選択する選挙でした。 結果、馬英九総統が勝利し、台湾は今後4年間は確実に、経済的な中国との連携を一層深めていくことになります。それは同時に、中国が台湾への経済的支配を一層強め、それをテコに将来、政治的な支配をも強めていく危険性の増大を意味します。 例えば、馬英九総統は2010年、中国とのECFT(経済強力枠組み協定)を結び、中国との経済交流を劇的に改善しました。 その結果、台湾の財閥や企業の多くが大陸(中国)に進出して合弁企業や工場を設立、現在は約100万人の台湾人ビジネスマンや家族が仕事で大陸で暮らしています。 それは確かに「台中経済交流」の深化ですが、見方を変えれば、2300万人の台湾人の20人に一人が、すでに中国の経済的「人質」にとられている、とも言えるでしょう。 そして、そうした「中台融和」の前提として存在するのが、「92年コンセンサス」(九二共識/一中各表)と言われる両岸関係に関する「政治的認識」です。 これは中国側が提案し、1992年に中台の交渉機関が確認したとされるもので、「中国は一つだが、その解釈はそれぞれ違っていてもよい」という、極めて曖昧な相互認識のことです。 つまり、「中国も台湾も、まずは『中国』は一つであることを共通の認識としよう。しかし、中国が認める『中国』とは『中華人民共和国』であり、台湾が認める『中国』は『中華民国』でいい。とりあえず、そこから交渉や交流を始めよう」というコンセンサスです。 今回の選挙で、国民党は「92年コンセンサス」を前提に「経済的な中台融和」を一層推し進めるとし、一方、民進党は「92年コンセンサス」は「中国による統一(台湾併呑)につながる」として否定するスタンスで、今回の選挙を戦いました。 今回、国民党が勝利したということは、「『92年コンセンサス』が台湾人による信任投票で認められた」という解釈を中国に許すことになったことを意味します。 既に現地では、国民党を支持するテレビ局等が選挙結果をそのように解釈し、大々的に報道しています。 つまり、中国は将来、台湾を平和裏に統一するための恰好の口実、強力な政治的武器を今回の選挙で手中に収めたことになります。 特に、中国の新国家主席に内定している習近平氏は、台湾に近い福建省の省長を務めた経歴を持ち、さらに妻の母方の叔父は台湾に暮らしていると言われ、台湾の財閥とも深い繋がりがあると推測されます。 当然、その経済力・政治力を武器に、虎視眈々と自らの手で台湾統一を仕上げようとするはずです。 そうした中国に対して、果たして馬英九総統が経済的、政治的に対峙し、台湾の主権と独立を維持することができるのか―― 「民主国家」としての台湾の存在は、日本にとってまさに「生命線」です。もし、台湾が中国に併呑されるようなことがあれば、中国は台湾海峡を封鎖し、シーレーンを抑えて日本の資源を断つことができます。 そして中国は、台湾を太平洋進出のための軍事基地、「不沈空母」となし、尖閣諸島、沖縄侵攻を進めていくことが予測されます。その段階で、日本は中国の属国化を余儀なくされるでしょう。 すなわち、日本と台湾は「一心同体」の関係にあるのです。 私たち日本人は台湾に決して無関心であってはなりません。台湾の今後4年間を担う国民党・馬政権と中国の動きを注意深く見守り、日本は、かつての宗主国として、あらゆる経済的、政治的な支援と手段を講じ、台湾の自由と独立を支援していくべきです。 「天は自らを助くる者を助く」――その格言は国家においてもあてはまる、永遠の真理でもあるのです。(文責・矢内筆勝) 大学入試センター試験がスタート~世界最高水準の「大学教育」を目指せ! 2012.01.14 本格的な入試シーズンの幕開けとなる大学入試センター試験が14日、全国一斉に2日間の日程で始まりました。日本海側を中心に雪が降り、全国的に厳しい寒さとなっています。 14日のセンター試験では、ICプレーヤーや問題配布の遅れ等のトラブルが相次いでいますが、15日は受験生の皆様が、雪による交通ダイヤの乱れやインフルエンザによる体調不良等、様々なアクシデントが無く、実力をフルに発揮できることを祈念したいと思います。 平成24年度における「大学入試センター試験」の志願者数は555,537人(前年度3,447人減)と減少傾向が続いています。1992年に約205万人だった18歳人口が2012年に120万人になり、超少子高齢化が加速していることが原因です。 少子化に伴い、大学に入りやすくなったため、大学・短大進学率は2007年以来、50%を超え続け、昨年は54.5%となり、20年前の31.7%を大きく上回り、「最高学府時代」から「全入時代」を迎えているとも言われています。 出身高校からの推薦やA0(アドミッション・オフィス)入試による入学者が全体の45%を上回り、競争力の希薄さによる学力低下も深刻で、大学入学後に中学・高校の基礎学力を復習する大学もあるようです。 英国高等教育専門誌「Times Higher Education」は、昨年10月6日に世界の大学ランキングを発表し、東京大学が30位(前回26位)となり、国際競争における日本の大学力の低下が顕著になっています。⇒http://p.tl/Gfg3 日本を建て直すためには「教育の再建」が出発点であり、そのためには最高学府たる「大学力」の向上が不可欠であります。 かつて、ソビエト連邦が有人宇宙飛行を成功させたことを受けて、アメリカは「スプートニク・ショック」として「国家的危機」を認識し、科学技術立国・教育立国に向けて真剣に努力を重ね、アメリカは世界一の科学技術立国を実現するに至りました。 日本も、現在直面している国難を踏まえた「国家百年の大計」としての教育のあり方を再検討する必要があります。 日本の経済力・技術力に見合った世界的な使命を果たすために、「全世界の知力を結集させ、ノーベル賞受賞者数を世界一にするにはどうすればいいのか」という大きな国家構想を持ち、新しい創造を産み出す責任を果たすべきです。 また、教育を国力強化につなげるためには、産官学の連携を強化することでマーケットに貢献し、市場原理に支持される成果を生み出す機動力が求められます。加えて、規制緩和も不可欠です。 更には、日本の「若者の内向き志向」を変えていくことが不可欠です。文科省の統計によると、08年に海外の大学などに留学した日本人の数は66,833(前年比11.1%減、8323人減)で、4年連続の減少となり、減少幅は過去最高でした。 また、産業能率大が10年4月に入社した新入社員を対象に「新入社員のグローバル意識」を行ったところ、「海外で働きたくない」との回答が49%でした。07年の調査で「海外で働きたくない」と回答したのは36.2%でした。(「東洋経済」2011年1月12日号) 「海外留学をすると、帰国した際に就職できないかもしれない」という不安が留学生減少の要因といわれています。多くの企業が大学4年生以降の採用をしないためです。(The Japan Times 2011/12/7) ハーバード大学の留学生数は、日本人は韓国の8分の1、中国の7分の1だと言われています。日本の若者は余りにも「内向き」になっています。(「SAPIO」2011年2月9日・16日号) 世界に出ていく若者を増やすためには、企業はそのような悪しき慣習を改めると共に、大学側も9月から新学期が始まることが多い海外の大学への留学・帰国を容易にする制度設計が不可欠です。 学問の根源には、個人個人が大いなる使命に目覚め、向上心や克己心に満ちて、日本や世界の幸福のために「高貴なる義務(ノブレス・オブリージュ)」を果たさんとする意志が必要です。この根源的な力が歴史を大きく動かして来たのです。 その根源の力こそ、正しい人生観であり、死生観であり、宗教的情操であり、信仰心に他なりません。その意味で、「宗教教育」を取り入れていくことも教育の再生には不可欠です。 大きく国際情勢が変動する中、今一度、日本のあるべき未来を描き、日本再建を目指して、大学教育を「世界最高水準」にしていく努力が急務です。(文責・小川俊介) 野田改造内閣で消費増税推進が鮮明に―消費税増税が国民生活を直撃する! 2012.01.13 野田首相は昨日、就任後初の内閣改造を行い、13日、野田改造内閣が発足しました。参院の問責決議を受けた一川防衛相、山岡消費者担当相や、蓮舫行政刷新担当相などの問題閣僚を更迭した形です。 しかし、北朝鮮が11日午前、日本海に向けて短距離弾道ミサイル3発を発射するなど、日本を取り巻く安全保障環境が悪化する中、「素人」防衛大臣だった一川氏に代わって、新防衛大臣に就任した田中直紀氏も「防衛の素人」であり、「素人の次に素人」を持ってくる野田首相の「防衛軽視」は大問題です。 田中直紀氏は政治家としての力量の評価も低く、奥様の田中真紀子氏は大の親中派です。奥様の恫喝にも頭が上がらないような弱腰の直紀氏が、中国・北朝鮮の恫喝に渡り合えるのか疑問です。野田首相の内閣改造は消費税増税のために「問題隠し」をしたに過ぎません。 また、野田首相は、副総理兼社会保障と税の一体改革・行政改革担当相として岡田克也民主党前幹事長を起用し、消費税増税を含む一体改革への「不退転の決意」を鮮明にしました。 岡田氏は菅前政権当時の昨年6月に税と社会保障の一体改革案取りまとめに尽力し、野田首相の信頼も厚く、「消費増税法案」の通常国会提出を強力に推進する狙いがあるものと見られます。 私達は「消費税」という税制そのものに潜む問題から目をそむけてはなりません。 今、大メディアは政府・官僚と一体化して「翼賛メディア」を形成し、「大増税ファッショ」の道を歩んでいます。 この流れの中で、消費税増税により被る中小零細企業の痛みを報道する大メディアはありませんが、週刊誌レベルではそういった声が紹介されています。 「お国のために増税を我慢してくれ?バカいわないでくれ。われわれは消費税分はいりませんと値引きしてやっと商売ができる。それが8%や、10%になれば、もうかぶることはできないから廃業だよ。現実が見えているのか」(地方の商工会役員;週刊ポスト1/27日号) 消費税には他の税目と比べて、際立った特徴があります。国税庁が発表した2010年度の税金の滞納状況を見ますと、2010年度に発生した国税の滞納額は全税目で6,836億円となります。 この内、消費税の滞納額は3,398億円で、なんと50%を占めています。ここ13年ほど、常に消費税の滞納額がトップです。(国税庁「平成22年度租税滞納状況について」⇒ http://p.tl/GER6) また、中小企業庁が2002年に実施した調査によりますと、売り上げ規模が小さくなればなるほど、「価格に消費税を転嫁できない」と答える事業者の比率が高いことが分かります。 売上3000万円以下の事業者の、なんと52%の事業者が「完全な転嫁はできない」と答えています。そして30%の事業者が「ほとんど転嫁できない」と答えています。(斎藤貴男著『消費税のカラクリ』講談社現代新書) すなわち、消費税が増税された場合、立場が弱い中小企業はその分、価格を上げることができず、消費税分を自分達でかぶらざるを得ないのです。 今回のように、デフレ不況の中で大増税を行った場合、中小企業の倒産・廃業が相次ぎ、自ずと失業率も上がり、自殺者が更に増加することが強く懸念されます。 97年の橋本内閣による消費税増税によって、失業率は97年には3.4%だったのが、翌98年に4.1%に上昇しています。(社会実情データ図録「失業率の推移」⇒http://p.tl/BvTB) また、自殺者の数は97年には2万3千人台だったのが、翌98年には一気に3万1千人台に跳ね上がりました。(同上「失業者数・自殺者数の月次推移」⇒http://p.tl/yZRQ) 景気と自殺者数の関係は数量的にはある程度わかっているといわれます。 高橋洋一氏によると、マネー伸び率10%以上を継続すると、名目GDPは5%程度アップして、自殺者は2000人以上減る、と試算されています。(高橋洋一の民主党ウォッチ「民主党の経済政策では『自殺減らない』」⇒http://p.tl/hN8H) また、消費税には「仕入れ税額控除」という制度があり、消費税の支払いは、仕入れで支払った消費税を控除できるため、正規雇用から控除対象となる非正規雇用への切り替えを促進します。 消費税を10%まで増税したら、ますます非正規雇用が増えることは間違いありません。 このように、消費税増税は、中小零細企業に打撃を与え、倒産・廃業が相次ぎ、国民から雇用の機会を奪い、自殺者数を一気に増大させます。 野田政権、財務官僚、大メディアが「国民の痛み」を全く無視し、大増税ファッショの道をひた走っています。 これこそ、「国家社会主義」への道であります。(参照:1/18発刊『国家社会主義への警鐘』(大川隆法著、幸福実現党発刊)) 幸福実現党は野田・民主党政権を早期に解散・総選挙へと追い込み、消費税増税を食い止めると共に、「国民政党」として、国民の幸福増進のために「経済成長戦略」を実現して参ります。(文責・加納有輝彦) 「琉球独立運動」の危険性――沖縄マスコミが描く、中国は「夢の国」 2012.01.12 2010年末頃から、中国語のブログや掲示板に「中華人民共和国琉球自治区成立」(沖縄を中国の自治区に!)といった記事が出回っています。(例:http://p.tl/zY-p、http://p.tl/zeNY) これらのブログは、元警視庁刑事北京語通訳捜査官の坂東忠信氏が日本語に翻訳して公開してくださっています。⇒http://p.tl/gvzz さて、2010年末から、こうした「琉球自治区」関連記事が中国のブログに転載され始め、時を同じくして、中国の新聞に「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会・設立公告」が掲載されました。 昨年2月15日、そうした中国国内の動きと呼応するかの如く、沖縄の新聞である『沖縄タイムス』が「[GDP日中逆転]豊かな共生を目指そう」と題し、下記ポイントのような社説を掲載しています。⇒http://p.tl/7eLd ・中国に10年遅れでインドも米国を抜き、中印が世界をリードするとの予測もある。新興国の勢いはすさまじく、近未来の世界経済は予想をはるかに超えた風景が広がっているかもしれない。経済のボリュームで順位争いをする時代でもなかろう。 ・一部で「中国脅威論」も台頭する。しかし購買力を増した人口13億人の巨大市場がお隣に出現することを、むしろチャンスとして生かしていきたい。 ・道路標識や案内板、観光パンフの中国語表記、各種通訳の養成など、環境整備を急ぎたい。 ・こんな未来図はどうだろう。中国の大都市で働き、正月や盆には帰省して沖縄を満喫する。上海―沖縄の距離は福岡までとほぼ同じ、広州は東京より近い。 ・1人当たりGDPはまだ日本の約10分の1だが、将来は沖縄で働くより生涯年収が多くなるかもしれない。生活圏が水平線を越える。 同紙の社説は「日本よりも、発展する中国の経済圏に入り、豊かになろう!」といった、何とも不可思議な記事ですが、沖縄県民に、そうした幻想を振りまく一方、沖縄のメディアが決して伝えない事実があります。 それは、中国が「琉球独立」運動の手助けをし、米軍が撤退したあとには人民解放軍が進駐して中国の「琉球自治区」として統治しようとしていることです。 この構想が単なる陰謀説ではない証拠に、昨年9月、香港に「琉球自治区」成立のための委員会が正式に設立され、中国系の新聞や雑誌に広告を掲載して発表しています。 2010年末に設立された「準備委員会」は「準備」がとれて、2011年9月、正式な「琉球特別自治区委員会」として発足しました。 この団体の運営資金は、中国人民解放軍の幹部から流れていると言われています。 今後、この団体を中心に「琉球解放」すなわち「沖縄侵略」に向けたさまざまな宣伝(プロパガンダ)活動が展開されていくでしょう。 そして、これに呼応して、日本の沖縄や本土の左翼マスコミや進歩的文化人、左翼政治家達等が、沖縄の米軍基地反対闘争の一環として「沖縄経済特別特区」、そして「沖縄独立運動」を展開していく可能性があります。 中国に自治区にされ、地元住民の弾圧や虐殺が今でも続いているチベット(チベット自治区)、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)、南モンゴル(内蒙古自治区)においても、中国が手初めに行ったことは「中国の領土である」と世界に喧伝することでした。 次には大量の漢民族が流入し、弾圧や粛清、民族浄化が起こりました。中国の自治区となった国々の悲惨な運命に、目をそむけてはなりません。 そこにあるのは、「沖縄タイムス」紙が描くようなパラダイス──夢の楽園──ではありません。 今から半世紀ほど前、左翼メディアによる「地上の楽園」という大量の宣伝に乗せられて、多くの日本人や日本人妻が、北朝鮮に渡りました。 例えば、朝日新聞は昭和34年12月25日、「『ばく進する馬』北朝鮮」と題し、「北朝鮮の経済建設のテンポはものすごい。…千里の馬がばく進する姿はありありと感じられる。…千里の馬のけん引者はもちろん金日成首相」といった北朝鮮を持ち上げる提灯記事を書き続けました。⇒http://p.tl/pVBr しかし、北朝鮮の「地上の楽園」は、現実には「この世の地獄」でありました。 北朝鮮の広報機関とも言える朝日新聞に騙され、「帰国事業」と騙されて北朝鮮に連れて行かれた日本人やその子孫達は、今も助けを待っています。 日本の左翼偏向マスコミは過去の失敗から何も学ぶことなく、再び、沖縄で大きな過ちを繰り返そうとしています。 マスコミは、もうこれ以上、日本国民の運命を狂わせてはなりません。 米軍が撤退した後に、沖縄が待っている運命は「豊かで平和なパラダイス」などではないことを、私たち幸福実現党は、繰り返し、声を嗄らして訴えて参ります。(文責・矢内筆勝) すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 Next »