Home/ その他の時事問題 その他の時事問題 マナーばかりの集団的自衛権の議論~決断できる日本へ 2014.05.29 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ 集団的自衛権について本格的な議論が27日から29日の3日間行われました。 これまでの経緯を整理して、今後の方向性を考えたいと思います。 ◆27日:安全保障法制整備に関する与党協議会 自民党と公明党の間で「安全保障法制整備に関する与党協議会」が開催され、政府は15事例と1参考事例を示しました。 示された事例は、大きく3つのカテゴリーに分かれます。 ・武力攻撃に至らない侵害への対処(3事例)←グレーゾーン事態に関わる事例 ・国連PKOを含む国際協力等(4事例) ・「武力の行使」に当たり得る活動(8事例)←集団的自衛権に関わる事例 与党会議の目的は、公明党側の理解を得て、6月22日の通常国会終了までに、集団的自衛権行使に関わる憲法解釈の見直しを含めた方向性を閣議決定することです。 そして、秋の臨時国会と来年の通常国会で、グレーゾーンに関わる事例と集団的自衛権の行使につながる法改正の準備を整えていきたいという希望が、政府にはあります。 今回の与党協議会では、公明党側の質問攻めで、15事例あるうちの1事例に時間が集中し(「離島等」の定義について)、議論が大きく進んだとはいえません。 次回の協議は、6月3日に行われ、集団的自衛権に関わる8事例の説明をすることになっていますが、与党協議は、今のところ週1回でおこなわれており、通常国会までの開催はあと3回で、公明党の慎重さにやきもきする状況が続きそうです。 ◆28日:衆院予算委員会での国会答弁 衆院予算委員会で、集団的自衛権の集中審議がおこなわれました。 邦人を輸送している米艦を防護は、現行の憲法解釈では行えず、集団的自衛権の行使が必要であるという立場を示しました。 邦人が乗船していない場合にも米艦が集団的自衛権の対象になるとして、「日本人の乗船の有無を前提に、(米軍と共同の)非難計画を立てるのは現実的ではない」(5/29毎日1面)と理由を挙げています。 ◆29日:参院防衛外交委員会での集中審議 安倍首相は、審議の中で、米国を攻撃した国に、武器を提供した船舶への臨検や、日本のシーレーンを守るためにも機雷除去を、集団的自衛権に基づいて対処する必要があること、年末の日米防衛協力のガイドライン改定に間に合うように、集団的自衛権の行使容認の議論が与党内で合意を目指す意向を示しました。 ◆本当に日本の防衛のことを考えての議論なのか? 「集団的自衛権の適用が拡大している」、「日本は戦争に巻き込まれる」といった理屈で、集団的自衛権の行使をするべきではないという批判があります。 しかし、ここ最近、東シナ海と南シナ海で起こっているトラブルと、集団的自衛権の議論が必ずしもリンクしておらず、本当に日本の防衛のことを考えての議論なのか疑問に感じます。 ・4月28日:フィリピンは、なぜわざわざ、アメリカと軍事協定に署名し、一度追い出した米軍に再び戻ってきてもらうことにしたのでしょうか? ・5月24日:日本の防空識別圏と中国が一方的に設定した防空識別圏の間で、中国軍機による自衛隊機への異常接近がありました。 ・5月26日:ベトナム漁船1隻が中国海南省東方市所属の漁船と衝突して沈没した事故がありました。ベトナムの抗議を聞かず、中国側は西沙諸島で石油の採掘を進めています。 この1ヶ月を振り返ってみても、日本は、もはや自国の安全のみならず、アジアにおけるリーダーシップを取るのか、取らないのかという判断を迫られています。 ◆アメリカを戦略的に出し抜く中国 こうした一連の中国の動きを、フィナンシャル・タイムズ紙では「China is stealing a strategic march on Washington(アメリカを戦略的に出し抜く中国)」と題した記事が出ており(2014/05/29 Financial Times Page.9)、シリア問題でもアメリカの毅然としない判断を読み込んで、東アジアで、紛争をいくつか演出することで、アメリカをアジアから手を引かせる戦略をとっているのではないかという主旨の分析をしています。 日本国内の集団的自衛権の議論は、国家防衛のマターの議論ではなく、マナーの議論に終始していますが、海外情勢を十分に勘案して、「日本人の生命・安全・財産」と「アジアの平和」のために、日本が何をなすべきかを決断するべき時がきています。 ―――――――― ◇お知らせ:You Tubeチャンネル「HS政経塾オピニオン」について HS政経塾生の研究をいかして、踏み込んだ視点でニュースの裏の裏を解説します。 HS政経塾オピニオンはこちら →https://www.youtube.com/user/HSSeikeijukuOpinion 宗教的本質を尊重した皇室の拡充を 2014.05.28 文/徳島県本部副代表 小松由佳 ◆女性宮家の議論が再燃する可能性 27日、高円宮典子さまのご婚約内定という慶事がありました。現在、安倍政権では、憲法改正に向けた準備が進んでおり、国防面の議論が急がれていますが、天皇や皇室のあり方についても、議論を深めていく必要があります。 現在の皇室は、天皇陛下をはじめ22人で、うち未婚の女性皇族が、典子さまを含め8人です。皇室典範により、女性皇族が皇族以外の男子と結婚した場合は皇族ではなくなるため、典子さまも皇族を離れることになります。 皇族減少への危惧から、「女性皇族は結婚後も皇室に残るべき」という、女性宮家の創設を唱える議論が再燃する可能性もあります。 しかし、天皇の本質は、男系男子の子孫として3000年続く皇統を守りつつ、日本神道の最高神官としての役割を果たしてきたことにあります。そのため、やはり女性宮家の創設ではなく、男系を守りつつ皇室を拡充していくことが望ましいと言えます。 ◆祭祀者としての皇室の弱体化 そもそも、戦後、皇室の弱体化が問題となってきたのは、政教分離規定の下、宗教者・祭祀者としての天皇の役割を、公の場から排除し、制限しようとしてきたことが原因です。 戦前は、皇室の親戚筋が華族として天皇の周りを固め、中でも歴代天皇の男系子孫が当主である宮家、つまり皇族が多く存在し、天皇家に男子が誕生しなかった場合、天皇を出して皇位継承の伝統を支えることのできる重要な存在として、天皇を支えていました。 皇室予算についても、国家予算の一定額が皇室に奉納され、使い道は皇室の自由とされ、株式投資や土地所有など皇室独自の経済活動も行われ、その収入も莫大でした。 しかし、現行憲法により、490家の華族が爵位と財産上の特権を失い、皇室資産は全て国有となり、皇室独自の経済活動は禁じられました。皇室は従来の経済規模を維持できなくなり、3宮家以外の11宮家51名が皇籍を離脱し、そのいくつかは既に断絶しています。 また、天皇の側近であった内大臣府は解体され、宮内省は宮内府へと格下げされ、行政の管理下に置かれ、規模も縮小しました。 その後、宮内府は宮内庁となりましたが、その長官はじめ幹部は、旧内務省系官庁や外務省からの出向者に占められ、必ずしも皇室の事情や伝統に精通し、皇室を支えようとの意識を持つ人々が選ばれているわけではありません。 このため、宮内庁は、皇室を守る組織ではなく、あくまで皇室を管理・監督する組織となっており、近年、宮内庁関係者が職務上知り得た秘密を漏らす、天皇家に対するマスコミの名誉棄損になるような批判にも何ら反論しない、などの弊害も起きています。 さらに、本来、皇室への公費支援をするのであれば、天皇の本質的な役割である祭祀にこそなされるべきですが、政教分離の下、政府見解では、宮中祭祀をはじめとする宗教的行為は、公費支出の対象である「国事行為」や「公的行為」には含まれず、私的行為である「その他行為」とされています。 昭和後期には、祭祀の簡略化や廃止を目指す動きも出始め、昭和天皇の大喪の礼の際に鳥居が途中で撤去されたり、毎朝の御代拝の侍従衆の服装が束帯姿から洋装に変更されたり、祭祀を手伝う内掌典の任期制が導入されたりするなど、祭祀の伝統が歪められました。 こうした動きに対し、今上天皇(きんじょうてんのう)は、簡略化された四方拝を元に戻すなど、熱心に努力されてきたといいます。 ◆皇室の伝統を正しく守るために よって、天皇の宗教者としての本質を尊重しつつ、皇室を拡充するには、まず、憲法の政教分離規定を削除する必要があります。これにより、表立っては行えなかった皇室への公費支援も可能となるので、祭祀の充実が図られます。 そして、天皇の地位については、多くの保守団体の主張や、自民党の憲法試案では、元首とすることが提言されていますが、歴史上、天皇が実質的な政治権力を握っていなかった時期も長く、天皇元首制が必ずしも伝統に適っているとは言えません。 また、天皇が元首となれば、対外的にも戦争責任などを問われることとなり、地位や生命も危険に晒されます。天皇は、国民から広く選ばれ交代が可能な首相や大統領とは違い、皇位継承者の数も限られているため、天皇制の存続自体が危うくなりかねません。 また、世襲制である天皇を元首とすることは、本来、国民主権や民主主義には合致しません。 さらに、天皇元首制は、日本神道を国教とすることに等しいですが、神道における教義や普遍性の不足は否めず、歴史的にも多くの天皇が仏教に帰依するなど、より普遍的な世界宗教である仏教に依拠してきた面が強いため、神道のみにそれだけの高い地位を与えることには、一定の疑問が付されるでしょう。 今後も、皇室への公費支出を含めた支援を行うこと自体は望ましく、日本神道を一種の公的宗教として扱うこととなりますが、それほど強い政治的権限を与えるのでなければ、伝統に適う範囲内だと言えます。 よって、天皇についての現行憲法上の曖昧な規定は削除し、皇室典範に「天皇の権能と内容」といった項目を新たに加え、主な権能を「日本神道の最高神官としての祭祀」などとし、政治的権力は行使しないことを定める、といった措置が望ましいと考えます。 また、皇室の自由な経済活動を可能とし、独自の資産運用や国民からの寄附によって収入を拡充することが望ましいと言えます。 これにより、皇室が独自に職員を雇用するなど、行政から一定の独立を保ちつつ、皇室を守る組織を創ることも可能になります。宮内庁についても、皇室の事情に精通している人物を幹部に選ぶなどの改革を行うべきです。 さらに、男系男子の皇統を維持するには、皇族・旧皇族とその子孫から養子をとることを認めると共に、旧11宮家を皇族復帰させることが有効だと考えます。 このように、宗教的本質を正しく理解した上で、皇室を守り発展させていくことは、日本の伝統を守り、国家としての誇りを取り戻すことにも繋がるでしょう。 参考文献: 竹田恒泰・八木秀次『皇統保守』PHP研究所 渡部昇一・中川八洋『皇室消滅』ビジネス社 欧米主導のさらなる金融規制に歯止めを!――新しい経済モデルの創造こそ、日本の使命 2014.05.27 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆動き始めた新しい金融規制案 「融資の削減政策は良くありません。それは、10年、あるいは20年以上にわたる不況を作るでしょう。」 幸福実現党・大川隆法総裁は2012年10月“Power to the Future”(質疑応答)でこのように警告しております。 しかしながら世界は今、国際的な金融機関の投融資が制限されていく方向に流れております。リーマン・ショック以降、金融危機の再発防止を企図して議論されてきた新規制(バーゼルⅢ)が2014年、各国で適用され始めたからです。 そればかりではありません。国際的な金融機関を監督規制するバーゼル委員会では、新たに2020年ごろをメドに導入される国際金融規制として、自国政府の国債を保有する銀行に自己資本を積むよう求める規制案が議論されております。(5/19日経朝刊) バーゼル委員会は90年代初め以降、金融危機の発生を事前に防ぐことを目的とし、国際業務を行う金融機関の信用創造(預金など借りてきたお金で投融資すること)に厳しい規制を課してきました。 こうしたバーゼル規制は、金融機関が保有する資産のリスク量に応じて一定の自己資本を積ませることで、リスクの高い投融資やバブル発生に歯止めを掛けること、また、たとえ金融危機が起こっても政府・中央銀行やIMF等の公的資本に頼らずに、民間の金融機関が自己資本で自力回復できるようすることを目的としております。 そして新規制案においては、今まで「リスクなしの安全資産」とみなされた国債もリスク資産とみなして、保有量に応じて一定の自己資本を積むべきだと議論されております。 あるメガ銀行の試算によれば、現状の自己資本比率を維持するには3メガ銀合わせて4.4兆~11兆円の資本増強が必要とされます。(5/19日経朝刊)こうした資本増強が世界各国の銀行に課せられると、企業への資金供給が減り、経済成長の足かせとなります。 銀行の資本増強は一面、金融システムを安定させますが、その反面、企業や個人から資金が引き上げられ、金融機関の投融資が減っていくことを意味します。これは良いことではありません。 ◆資本主義経済の二律背反 さて「金融危機が起こっても民間資本が自力で回復できるようにする」というバーゼル規制の目的は簡単に否定できるものではありません。 政府機関やIMF等、公的機関による事後的な対策、救済措置は、市場競争による自浄作用を歪める面もありますし、経営状態の悪い金融機関は事後的な救済を期待して博打的な投融資を拡大させる傾向があるからです。 しかし金融危機を未然に防ぐべく規制を強化すればバブルも発生しづらくなりますが、経済成長も鈍化してしまいます。 一方でバブル発生を許容して成長を優先すれば、バブルが崩壊したときの事後的な救済、すなわち公的資金頼みのモルヒネ漬け経済になりかねません。資本主義経済はこの二律背反に悩まされ続けて来ました。 では私たちはこの問題をいかに解決していくべきでしょうか。 資本主義経済はバブルの歴史でもあり、バブル発生とその崩壊を繰り返しながら、成長を続けてきました。ゆえに事前に規制を強化してバブルの発生そのものを否定するのではなく、金融危機が起こっても公的資金に頼らずに、民間資本の力で自力回復できるシステムを創造するべきです。 ◆日本から新たな経済モデルの創造を! かつて1907年、J・P・モルガンのモルガン商会が巨大な資金を出して金融恐慌から米国を救った事例があります。 ところがその後、一つの巨大な民間銀行の存在に左右される経済の不安定性やモルガンの独占に近い体制が批判されたこともあって、米国においても金融恐慌に対して民間資本が自力で対処する体制は定着しませんでした。 しかし資本主義経済がこの二律背反で混乱し、規制強化の方向に流れている今、改めて民間資本が金融危機に自力で対処していく体制を考え直してみるべきです。 そのためのアイディアはすでに幸福実現党・大川隆法総裁より出されております。 まず日本銀行が新たに株式を発行し、民間優位の資本構成にすることです。つまり金融危機の救済のための基金を民間金融機関から出資させ、民間資本の力を合わせます。 さらに同じ論理を世界に広げるならば、IMF等の国際的な救済機関も各国の財務当局で資本を構成するのではなく、民間から出資を募って民間優位で資本を構成させます。公的資金や官僚に頼るのではなく、民間の資本と手法で世界の金融危機に対処していく体制を創ります。 さて、こうした民間資本で世界の金融危機に対処していく体制をつくっていくためには、平時に競争関係にある民間の金融機関同士の「共助の精神」が必要です。 規制を強化するのでもなければ、公的資金に頼るのでもない、新しい経済モデルは「和を以て貴しとなす」日本にこそ発信していく使命があります。 法人税減税を機に、日本は経済の飛躍的進歩を目指せ! 2014.05.26 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆法人税減税議論 法人税減税について政府内の議論が今、大詰めを迎えています。 先日行われた経済財政諮問会議での安倍首相の指示により、6月に取りまとめる、経済政策の基本指針である「骨太の方針」に、法人税減税が明記されることになっています。 日本の法人税は35.64%(東京都の場合)と、欧州(ドイツ 29.59%, イギリス 23.00%)や、アジア(韓国 24.20%, シンガポール 17.00%)などに比べて高い水準となっています。 高い法人税が、日本の経済の空洞化を促進しかねないとして、法人税率の引き下げを行うべきだとする意見がほとんどである一方、法人税の具体的な引き下げ方などに関しては意見が分かれており、この議論では「総論賛成、各論反対」となっています。 ◆法人税減税による経済効果 今、各企業が、その活動領域を自国に留めず他国にまで広げ、経済のボーダーレス化が進んでいることは言うまでもありません。 その中で、日本は、雇用の拡大や、経済成長の促進のため、国内外企業の立地選択や投資を日本に喚起させるための、より望ましい環境の整備を行うことが必要となっています。 しかし、日本の高い法人税が、企業の立地や投資選択の障壁になっているのが現状です。 経済産業省の外資企業に対するアンケート調査(「外資系企業動向調査」(2012年))によると、「日本のビジネスコストによる阻害要因」の一つを「税負担」と考える企業が60.9%にのぼることが明らかとなっています(3つまでの複数回答によるもの)。 また、日本経済研究センター(『成長を呼び込む税制改革提言』参照)によると、法人税率を引き下げると、対内直接投資が促されるなどして市場開放が進み、それが企業の生産性を向上させ、経済成長に貢献するとしています。 実際に、OECDの2008年の論文(『税と経済成長』)は、法人税率の35%から30%への引き下げで、企業の全要素生産性(企業の生産要素をその重要性に応じて加重平均して算出された、企業の生産性の指標)が0.4%向上するとしています。 このように、法人税の減税は、国内外企業による日本への立地選択や、投資の促進、あるいは、生産性の向上などといった効果を期待することができるわけです。 ◆課税ベースの拡大議論 法人税減税を行うメリットが明らかな一方、どのように引き下げるべきかが問題となります。 現在の法人税体系では、「特定の政策目標を実現するための政策手段(森信茂樹『日本の税制』参照)」については、優遇措置として、課税ベースからの除外が認められています。 その中で、法人税収の引き下げによる法人税収の低下分を穴埋めするために、課税ベースの拡大を行うべきだという意見があります。 確かに、日本の経済発展の目的にそぐわないものに対する優遇を取りやめ、それが租税の中立性に寄与する点で、課税ベース拡大論に対し、一定の評価を与えることはできるでしょう。 しかし、現在の議論では、企業の研究開発や設備投資などを、課税ベースの拡大対象にすべきとする意見もありますが、それは日本の経済成長にとっては、必ずしも好ましいものでないでしょう。 ◆法人税のパラドックス 法人税減税のもう一つの効果が、法人税率の引き下げによる税収の向上、いわゆる「法人税のパラドックス」です。 1998年から2007年にかけて、欧州主要15か国の法人税率の平均が36.9%から28.7%に引き下げられた一方、名目GDPに占める法人税収が2.9%から3.2%へ増えており、法人税のパラドックスの発生が、実際に確認されています。 また、嘉悦大学の真鍋雅史准教授は、2014年3月に行ったシミュレーション分析(『法人課税、設備投資と財政収支』)で、日本では、「法人減税1円あたりの設備投資誘発額が6.01円となり、それを通じ、税収が1.85円増加する」としています。 欧州での事例が、「課税ベースの拡大」をパラドックスが生じた一つの根拠としているのに対し、真鍋氏の研究では、出発点として、課税ベース拡大議論が行われていないということは注目に値します。 つまり、仮に課税ベースを拡大しなくても、法人減税による投資の促進により、GDPが押し上げられ、それが税収増につながりうるというわけです。 ◆法人税減税の基本的なあり方とは 以上から、法人税減税は基本的に、国内への投資の促進、経済の活性化、及び経済の拡大による税収増を目指すべきものであると考えます。 ここで、法人税減税が、単に企業の内部留保の拡大につながることを避けるために、法人税減税と一体で規制緩和を促進するなど、投資環境の整備が同時に行われるべきでしょう。 一方で、社会保障費など、国の財政の歳入部門の増大を賄うために、消費税は上げるべきだとする意見が多数を占めています。 やはり、税収の向上は、経済の拡大を通じて実現するべきです。法人税減税については歓迎しつつも、経済のパイを縮小させる消費税のさらなる増税は、弊党が一貫して主張してきたように決して行うべきではありません。 中国に「国連安保理常任理事国」の資格はあるのか 2014.05.25 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆世界中から批判を浴びる中国の覇権主義 幸福実現党は、立党以来一貫して、中国の軍事的な拡張に対して警鐘を鳴らし続けて参りました。 立党直後の総選挙では逆に、親中を掲げる民主党が圧倒的な支持を得ていましたが、2014年の現在、習近平体制に入り、中国の本心が明らかになるにつれ、私たちの訴えにご理解をいただくようになりました。 そして、日本だけでなく、中国はその周辺各国とも問題を引き起こし、非難を浴びています。最近報道されているところだけでも以下のとおりです。 (1)南沙諸島のフィリピン海域であるジョンソン南礁において、中国が突如周辺の埋め立てを始めた。 (2)ベトナム海域において、中国海洋石油が、大規模な掘削作業を開始。多くのベトナム市民が激昂し、ベトナム国内の中国系企業を襲撃。 (3)台湾では中国との「両岸サービス貿易協定」が実質的に中国の台湾支配へつながると主張した学生たちが国会を占拠し、その白紙撤回を求める。 (4)スペイン裁判所は、チベット虐殺の容疑で江沢民前国家主席らに対して逮捕状を出した。 これ以外にも、中国の覇権主義に対して、明確な批判が続々と行なわれています。 ◆集団的自衛権の容認は当然の事 安倍総理は、去る5月15日に記者会見を行い、集団的自衛権の容認を進めることを国民に対して発表しました。 これは戦後一貫して、東アジアの平和を維持してきた日米同盟をより一層深化させるものです。そして、アジア太平洋地域における中国の軍事的脅威が高まっている中、平和を守るために必要な判断であります。 最近のオバマ大統領の判断を見る限りアメリカは、「世界の警察官」としての役割を放棄し、東アジアからも徐々に撤退の方向が見える中、日本としてはどうしても日米同盟の絆を強める必要があります。 現在、日中間での問題となっている尖閣諸島についても、米国側からは「日米同盟の適用範囲」との明言がある以上、日本としても、相互の信頼感を深めていくことが必要です。 今回の安倍総理の判断は東アジアの平和のためには、当然のことであります。 ◆国連憲章に掲げる「正義」とは? さて現在、世界から大いに警戒され始めている中国は、国連の「安全保障理事会常任理事国」の地位を占めています。国連は、第2次大戦終結前後に設立された機関であり、その精神は「国連憲章」によって明らかにされています。その目的については、以下のように掲げられています。 第1章第1条 「国際の平和及び安全を維持すること。(中略)平和を破壊するに至るおそれのある国際的の紛争を平和的手段によってかつ、正義及び国際法の原則に従って実現すること」 第1章第3条 「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」 「国際連合」(United Nations)とは元々は第2次大戦の戦勝国による組織であり、依然として日本やドイツを敵国として定義しているものの、少なくとも現時点において、国際的な平和を維持することがその目的であることは間違いありません。 しかし、冒頭に掲げたように、数々の「平和を破壊するに至るおそれのある国際的な紛争」を引き起こしている中国という国家は、国連憲章の精神に全く反した行為を行なっています。これをこのまま容認してよいのでしょうか。 国連憲章に掲げている「正義」とは、一体どのようなものなのでしょうか。現時点において、中国に対してほとんど批判が聞かれないのは、なぜなのでしょうか。疑問が残ります。 ◆日本は多額な国連分担金を支払う必要はあるのか 残念ながら、我が日本も中国と「紛争」の可能性が出ております。しかも、その原因は中国側の覇権主義によって一方的に作られたものです。 中国は、国連加盟国の中でも「安保理常任理事国」として、最も中枢の立場に位置しています。国連とは、国際的な平和を希求し、その実現のために活動する機関である以上、尖閣諸島付近や、フィリピン、ベトナムの海域で中国が行っている「平和を破壊する活動」は、許されるものではありません。 本来ならば、これらの暴挙に対して、明確に国連内部で自浄作用を働かせなければなりません。 日本としても、国連の理想を是としているが故に、アメリカに次ぐ第2位の「国連分担金」約300億円を毎年支払い続けているのです。このまま、国連が中国の覇権主義を止められないのであれば、日本はその理由をはっきりと伝えつつ、分担金の支払いを中止してもよいのではないでしょうか。 ◆中国は、国連常任理事国の資格なし 国連憲章の掲げる理想と180度異なる中国の覇権主義は、国際社会が連携して食い止めなければなりません。そのためには、まず中国に対して、明確に自分たちが行っていることは間違っている、とメッセージを発さなければなりません。その一番分かりやすい手段が「国連安保理常任理事国の資格剥奪」です。 なぜ、中国が常任理事国となっているのでしょうか。それは第2次大戦において、アメリカの同盟国であったために当時の中華民国が「戦勝国」とされ、現在の中華人民共和国が、1971年にその資格を引き継いだ形になっているからです。 しかし、すでに戦後70年近い歳月が経とうとしており、ソ連が崩壊し、国際的な環境も大きな変化を遂げました。そして、中国自身が国際的な紛争の原因となる時代がやってきました。 そして、中国という国家は、基本的な人権が完全に保障されているわけではなく、共産主義社会を標榜する言論、思想信条の自由のない社会でもあります。そして、その勢力を今、日本にまで拡大しようとしているのです。 日本としても、自国の国防のさらなる強化を図るとともに、中国に対しては明確に「その行為は間違っている」とメッセージを発しつづける必要があります。幸福実現党は、そのためにも今後ともさらなる活動を展開してまいります。 集団的自衛権とは何か【後編】 2014.05.24 文/岐阜県本部副代表 河田成治 昨日に続き、集団的自衛権について、検討を加えてみたいと思います。 【国際的な集団的自衛権の経緯】 昨日は、日本だけが集団的自衛権をことさら難しくしていると述べました。 では、国際的な集団的自衛権の経緯はどうなっているのかを見てみましょう。 ◆国連憲章の中の集団的自衛権 集団的自衛権は、国連憲章において、国際法としては世界で初めて確立したものです。 しかし、この条文の原型(1944年ダンバートン・オークス提案)には、集団的自衛権は明記されていませんでした。 その理由は、「国際平和と安全は、国連による集団安全保障を主たる手段として維持していく」という方針をとっていたからです。 ところがこの方針は、常任理事国に拒否権が与えられたことにより、無意味になりました。つまり拒否権によって、国連の安全保障が機能しないことが予期されたのです。 そのため、国連に頼らず、多国間での集団的自衛権を固有の権利として認めることになりました。 ◆頼れない国連とアメリカ つまり、理想的には国連の平和維持活動が期待され、実際には、湾岸戦争のように、国連の承認を受けた米国主体の多国籍軍か、もしくは米軍主体の平和維持活動が行われてきました。 今そこにある危機としては、台湾有事やベトナム、フィリピンの権益が中国に侵された場合、国連軍を組織できるのか、またはアメリカがそれを代行できるのかという問題です。 しかし、前記のごとく、拒否権を持つ常任理事国により、国連による集団安全保障は機能せず、また頼みのアメリカも、2014年5月20日現在、南シナ海での中国とベトナム・フィリピンとの紛争に具体的行動の気配すらありません。 【集団的自衛権は、責任ある国家の姿】 ◆無作為の罪にあたる平和主義 もしもアジアの紛争解決のために、国連軍や米軍が派遣できたとして、その兵士の流れる血は、国際的正義のために戦った英雄という尊敬の二文字に変わるでしょう。 加えて我が国周辺でアジアの平和のために戦うことは、地域全体の安定や、日本のシーレーン確保という日本の利益に直結します。 国連の兵士の血が流れるのはかまわないが、集団的自衛権によって我が国の自衛隊員の血が流れることは認めないという論理は、エゴ以外のなにものでもなく、我が国のみが傍観を決め、無責任でいていいはずがありません。 憲法9条を盾にとり、「無作為を平和主義と言っていいのかどうか」。それがこの度の集団的自衛権問題の本質です。 日本は憲法9条で武力の行使を永久に放棄するという、特殊な道を歩んできましたが、それを言い訳に、「国際的道義」を“永久に放棄”していいとは思えません。 「日本は武士道の国ではなかったのか」「日本は、すでに一国の事だけを考えればいい時代は終わったのだ」と訴えたいと思います。 集団的自衛権反対派の不毛な議論をなくすために、憲法9条は一刻も早く改正すべきでしたが、事は急を要します。硝煙の匂いが立ちこめてきた今、憲法改正を待って、事態が起きるわけではありません。 「人間の幸福のために法があり、法のために人間があるのではない」ことを知り、日本は、世界に責任を感じ、神仏の正義を実現する、世界のリーダー国への第一歩を踏み出すべき時だと考えます。 《参考》 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」 「TREATY OF MUTUAL COOPERATION AND SECURITY BETWEEN JAPAN AND THE UNITED STATES OF AMERICA」 昭和三十五年六月二十三日、条約第六号 1960(昭35)1.19 ワシントンで署名 1960.6.23 批准書交換、発効 日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よって、次のとおり協定する。 集団的自衛権とは何か【前篇】 2014.05.23 文/岐阜県本部副代表 河田成治 集団的自衛権について、多角的な視点から、前篇・後編、2回に分けて検討を加えてみたいと思います。 ◆集団的自衛権の定義 まず「集団的自衛権」の定義を一言でいえば、「攻撃を受けた国家への、他国からの援助」となります。従って、個別的自衛権とは明確に区別されるものであり、両者を混同する政党の発言には違和感を覚えます。 さらには、個別的自衛権とならんで独立国が持つ固有の自然権が、集団的自衛権です。 ◆集団的自衛権の目的 日本の立場での集団的自衛権の行使には、以下の目的があります。 (1)日米同盟の維持――米軍を見殺しにすれば、日米同盟破棄につながる。 (2)日米共同作戦の具現化――そもそも日本の防衛力は、米軍とセットでつくられている。 (3)周辺事態への対応――シーレーンの確保や朝鮮半島の安定など、国際的な安全保障問題も日本の安全保障と不可分。 (4)国際的責任――正義に基づいた国際協力。厳密には自衛権とは区別される。 ◆集団的自衛権の歴史的経緯 以上のように、日本にとって重要な意味を持つ集団的自衛権ですが、歴史的経緯を確認しておきたいと思います。 【日本の集団的自衛権の歴史】 ◆はじめは日本も認めていた! 日本の集団的自衛権は、1951年のサン・フランシスコ平和条約で、連合国によりその保有が承認されました。 ※サンフランシスコ平和条約 第五条(c) 「連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができることを承認する。」 また、1960年(昭和35年)に締結された現行の日米安全保障条約(前文)において、「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、…」とあります。 当初は日本もその保有を確認しており、この規定が特に問題視されることはありませんでした。これは重要なポイントです。 ◆変遷する政府解釈 しかし、その後の政府見解によって変質し、1972年に至って「国際法上保有するが、その行使は憲法上許されない」との現行解釈に行きつきました。 つまり、日本は当初から集団的自衛権を否定していたとは考えにくいのです。 世間には、法解釈だけで容認するのは、憲法に対する冒涜であるとの意見も散見されますが、歴史的経緯から見れば逆で、法解釈により制限してきたことがお分かりかと思います。 従って「解釈改憲は憲法ハイジャック:慶応大学の小林節名誉教授」(日刊ゲンダイ)というような発言は、正しくありません。 例えば、防衛大学校安全保障学研究会は、集団的自衛権について、以下のようにと述べています。(「安全保障学入門」より) 「もし仮に、当初から憲法上行使できないのであったとすれば、憲法上行使できない権利をなぜ国際条約類(サン・フランシスコ平和条約や日米安全保障条約)でうたったのかとの疑問に、説得力のある答えを見いだせない」 さらに「個別的自衛権と集団的自衛権の差は、国際的には直接的な「自衛」か「他衛」かの差(河田注:単なる防衛手段の違い)とみなされているのに対して、わが国では、自国防衛のための「必要最小限度の範囲」を超えるか超えないかの差 (量的な差)と理解されている。この点も、解釈として特異である」 以上が、「日本の集団的自衛権の歴史」ですが、日本だけが集団的自衛権を、ことさら難しくしているのです。 後編では、「国際的な集団的自衛権の経緯」から見てみましょう。 集団的自衛権とロシア外交で、「アジア安保」のイニシアチブ獲得を! 2014.05.22 文/HS経塾一期生 彦川太志 ◆集団的自衛権の行使容認が、「戦争の危機」を遠ざける 5月21日付けの産経新聞で、安倍政権の安保政策「安倍ドクトリン」の骨子が固まったことが報道されました。 その内容としては、ASEANの防衛体制を「日米共同で支援する」するものと報道されており、集団的自衛権の行使容認によって開かれる「アジア安保」安定化の第一歩といえます。 中国と緊張の続くベトナムやフィリピンなど、日本企業も数多く進出している東南アジア諸国を「戦火の危機」から守る努力は、わが国にとって決して無意味なものとはならないでしょう。 ◆中国が進める、独自の「アジア安保構想」に備えよ このように、安倍政権が日米同盟を機軸として新しい「アジア安保」を進める一方、中国も独自の「アジア安保」構想を進めています。 「安倍ドクトリン」発表とほぼ時を同じくして公表された、「アジア新安保観」です。これは21日まで開催されていた、「アジア信頼醸成措置会議(CICA)」で発表されました。 参照→HRPニュースファイル1007「中国のアジア新安全保障観」からアジアを救え http://hrp-newsfile.jp/2014/1460/ この「アジア新安保観」は1991年より約10年ごとの発展段階を経て、現在では第三段階にある※ようですが、本質的には「米国中心の軍事同盟の解体」を目的としており、米国を排除した中国中心の軍事的支配を確立する試みに他なりません。 ※(『解放軍報』2014年5月22日「亜州安全観助推命運共同体建設」) 習主席は、この「新安保観」を発表する中で、「中国は国家の領土主権と海洋権益の争いについて、平和的方式による処理を一貫している」と主張していますが、5月8日に世界的ニュースとなった「油田掘削作業に警告するベトナム船への体当たり」のように、「武器を使わない実力行使」がその実態です。 「力による現状変更を許さない」とする日米の立場をしっかりと堅持するためにも、国会にて集団的自衛権の行使容認を速やかに進めていくべきです。 ◆中ロ接近をどう観るか 中国の「新安保観」に加えてもう一つ、わが国の大きな懸念となっているのが、同じくCICAで見られた中ロ接近です。 巨額のガス供給契約や海軍の合同演習、さらには第二次世界大戦の「歴史認識」に対する共闘姿勢の表明など、プーチン大統領は習近平主席の要求に対して“満額回答”で応えていることが報道されています。 特に海軍の合同演習は、尖閣諸島に近い海域で行われることが報じられています。歴史認識を軸とした「中ロ共闘」は、果たして現実のものとなるのでしょうか。 ◆同床異夢の中ロ関係 しかし、中ロ両国のメディアを読み比べると、両国の報道に微妙なズレを感じる点があります。 中国側は今回の中ロ接近について、戦略的パートナーシップの進化について中心的に成果を報じる(※1)一方、ロシア国内の主要紙「プラウダ」(※2)では、今回のプーチン・習会談の「中心的テーマ」は、大型航空機の開発と、中国国内でのMi-26大型輸送ヘリの生産・改良といった航空分野の契約に関する点にあったと報じています。 ※1(新華社通信、2014年5月19日「中露関係再顕“頂層設計”作用」) ※2(『Pravda(英語版)』2014年5月19日「In China, Putin to sign a package of ‘fantastic agreements’」) そうしてみると、プーチン大統領は中国寄りの姿勢をみせることで米国に「牽制球」を投げ、中国に対しては「ロシアがサポートしなければ、国際社会で影響力を発揮できない」ことを露呈させ、存在感を示したと見ることもできそうです。わが国に対しては「反応を伺っている」とみるべきでしょう。 ◆防衛体制の確立と共に、ロシアとの関係強化を そのような見方に立てば、わが国の取るべき外交方針は明確となります。「中ロ関係を“経済”で切り放す」ことです。 報道によれば、今回中ロ間で最も大きな取引となる天然ガスの供給契約については、「30年間で4000億ドル(約40兆円)」と指摘されていますから、年間に直せば約1.3兆円です。この額は、本年2月に日本郵政グループが表明した、今後3年間の投資規模と合致します。 外交戦略を背景とした政府投資であるならば、1.3兆円の投資は決して「雲を掴む話」ではありません。極東ロシアの開発について中国の年間投資を上回る規模の投資プロジェクトを打診し、日露ウィン-ウィンの関係構築を目指していくべきでしょう。(ロイター2014年 02月 26日「訂正:日本郵政3年で1.3兆円投資」) 集団的自衛権の行使容認によって防衛体制を強化し、そのうえでコンテイニング・チャイナを考えていくべきです。 悲観論に負けない人口増加策を 2014.05.21 文/千葉県本部副代表 HS政経塾 2期生 古川裕三 ◆自治体の消滅~恐怖の予言~ 今月の8日、日本創生会議が発表した試算では、全国の自治体のうち、青森市や秋田市などの県庁所在地を含む、実に896もの自治体が将来的に消滅する可能性があるという“恐怖の予言”がなされました。 その背景として、20~30代の女性が地方から都市部に流入し、出産適齢期の女性の数が減っていくことが指摘されています。つまり、そもそもの女性の数が減少するため、たとえ、合計特殊出生率が改善したとしても、人口が減り続けて消滅する可能性があるというのです。 これに対し、政府の経済財政諮問会議の専門調査会が、人口減少に歯止めをかけるべく、「50年後に1億人」の維持を目指す方針を掲げ、その具体案を来月に策定する「骨太の方針」に盛り込むと表明しました。(産経新聞5/15主張) 政府は、現在1.41まで下がっている出生率を、2030年までに人口を維持するための水準(置換水準)である2.07まで回復させることを目標にしています。その実現に向け、第三子以降への経済的支援の傾斜配分や、女性が働くことを阻害している諸制度の見直しの必要性も提言されています。 目標値を定め、人口減少を食い止めようとする政府の試みはよいとしても、やはり今一つ「希望」が感じられません。 ◆悲観論に負けるな 前回のHRPニュースにも書いたように、男女雇用機会均等法が施行されて以降、女性が活躍してきた反面、経済的な要因や、保育所不足などの社会的な要因も相まって、子供の数が減り続けてきました。しかし、その流れを逆転させるのが幸福実現党です。 わが党は、5年前の立党時から「3億人国家構想」を掲げており、現在は、目標として「1億5千万人国家」の実現を打ち出しています。その根本には、「日本を世界一のリーダー国家に」という志と信念があり、巷の「下山の思想」とは一線を画します。 ◆田中角栄に学ぶ、平成版・列島改造論 かつて田中角栄首相は、『日本列島改造論』を著し、日本列島に高速道路網と新幹線網を整備することで、都市と地方の格差を是正し、「国土の均衡ある発展」を標ぼうしました。 もし田中角栄元首相なら現代の日本列島をどう改造するか、その答えが『景気回復法』(大川隆法著)の「第二章 日本を新たに改造せよ」のなかで明らかにされています。 特筆すべきは、未来産業について、「地方の人口を増やして、雇用を生む」ものが重要と指摘している点です。 具体的には、ものづくりの産業を中心に、地方に工場をつくれば法人減税をするなどの優遇税制により、企業誘致を積極的に行うことを提唱しています。 現在、政府も成長戦略の一環として、様々に特区構想を打ち出してはおりますが、思いきりに欠けます。例えば本当に特区にすべきは、福島第一原発の周辺地域で、まったく健康に害がない放射線量であるにもかかわらず、当時の菅元総理の被害妄想と責任回避のために避難区域に指定され、未だに復興が進まない各自治体などではないでしょうか。 それこそ大胆に、「この先10年は法人税をゼロにします」と宣言し、「ベンチャーを起業するなら東北へ」、「設備投資するなら東北へ」というメッセージを発信すれば新たな起業も増え、大企業も設備投資に積極的になり、雇用が生まれます。 そして、現在の極端な東京一極集中現象が緩和され、若者が地方に戻ってきます。詰まる所、若者が都市に行くのは、地方で仕事がないという点に尽きますから、地元に雇用先が増えれば、そこで結婚し、家庭を築き、生活を営む若者も増えるでしょう。 このように、地方人口が増えれば、「自治体の消滅」は回避でき、冒頭の“恐怖の予言”を乗り越え、希望の未来を到来させることができます。 「なりゆきまかせ」が嫌いで「大きく考える」ことが好きな幸福実現党は、「積極的なアイデアで、どうやったら日本をより豊かで幸福な国にできるか」を発信し続けます。 『ヒト・モノ・カネ』の流れを押さえてダイナミックな富の創造を! 2014.05.20 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ※YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします! 是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=vxhSjaM3Cu8 ◆ハブ機能の強化を目指す2つの動き 2020年のオリンピック日本開催を見据え、「ヒト・モノ・カネ」のハブ機能を強化していこうという動きが活発化しています。 一つ目の動きとして、羽田・成田両空港に発着できる航空便を大幅に増やすという「航空ハブ機能の強化」です。 国土交通省の検討案によると、2020年までに発着回数を約1割増の83万回、30年代までに最大110万回まで増やし、韓国・仁川空港などに対抗し、アジアのハブ空港を目指すという目標設定がなされています。(日経5/17) そのために必要なのが、東京上空の飛行制限の緩和です。 今まではタブー視されてきましたが、東京上空を飛行できると発着枠が飛躍的に増加する為、低騒音の旅客機の使用などの対策を講じ、規制緩和に踏み切ることになっています。 また二つ目の動きが、海外の銀行や投資家を東京に集積させるという「金融センター機能の強化」です。 16日、邦シンクタンク数社が合同で「東京金融シティ構想」を発表し、税制面での優遇措置やアジア通貨に強いなどの専門性や仕組みを整備していくべきだと指摘しています。(日経5/17) イギリスの民間機関が発表している「国際金融センター指数」によると、法人実効税率が格段に低い香港(3位、税率16.5%)、シンガポール(4位、17%)に大きく差を付けられ、日本は6位と経済規模の割に低評価に止まっています。 構想の中心となった日経センターの杉田会長は「アジアの金融センターにする構想は以前からあった。デフレ脱却やオリンピック開催で追い風が吹く、今が最後のチャンス」と強調していますが、まさに政府が具体化に向けてどれだけ本気で取り組めるかが、成否のカギを握っています。 ◆ただの砂漠を大都会に変貌させた3つのハブ機能:ドバイの発展に学べ ドバイといえば、今でこそ「世界の大富豪が集まる街」というイメージを彷彿とさせますが、ほんの30~40年前は砂漠で覆われたアラブの田舎の港町という雰囲気でした。 短期間でドバイをただの砂漠から大都会へと進化させたことこそ、3つのハブ構想です。 第一に、中東最大の港湾ハブを形成し、「モノの流れ」を押さえた点です。 1960年代末からジュベル・アリという地区に大規模な先行投資で人工港湾施設と経済特区の整備を行った結果、世界最大の人工港湾、そして中東最大のハブ港湾・コンテナターミナルにまで成長し、2011年に世界で9位(中東では1位)の貨物取扱量を誇っています。 第二に、ドバイを国際空港化させ、「ヒトの流れ」の拠点を作った点です。 ドバイ国際空港では、24時間体制で乗り継ぎが便利なこともあり、年間の空港利用客数は増え続け、本年第1四半期の国際旅客数が1800万人(ドバイ人口192万人)を超えて、英ヒースロー空港を抜いて世界一となっています。 第三に、ドバイに金融センターを設け、「カネの流れ」を集めたことが挙げられます。 元来、中東の金融センターはバーレーンが担ってきましたが、2004年に国際金融センター(DIFC)を金融フリーゾーンとして設立し、その後は巨額なオイルマネーの獲得を目指して、世界中の金融機関が殺到したと言えます。 このように、「ヒト・モノ・カネ」の流れを押さえた結果、19世紀後半には4000人しかいなかった港町が、2001年には103万人、2011年3月時点では192万人にまで膨れ上がっています。 こうした激増する人口が、ドバイの好況と雇用の創出を象徴していると言えるでしょう。 ◆ドバイが成功した理由は何か? その背景には、ドバイ首長国の親子2代の事業家的な才覚と強いリーダーシップが存在したことは確かです。 ドバイは産油国の中では原油埋蔵量が少なく、将来性が乏しかったため、早期から資源依存型経済からの脱却が図られたことが功を奏し、ハブ港湾、国際空港の整備と世界に通用する航空会社の創設を行い、最優先で海路と空路を押さえた先見力があったと言えます。 そして、何よりも税制と規制の少なさが世界中の企業を惹きつけるポイントと言えます。 ドバイでは所得税はなく、法人税は一部の業種を除いて、課税されておりません。 その一部の業種に含まれる外資銀行についても、国際金融センター(DIFC)では(1)100%外国資本で金融機関を設立できる、(2)利益・配当送金が自由、(3)法人・個人とも50年間は所得無課税、(4)外国人雇用が自由、などのメリットが享受でき、規制緩和は年々進んでいます。 また、UAEはアラビア語圏であるにもかかわらず、英語が幅広くビジネス言語となっており、英語圏の企業はもちろん、世界中の企業が言葉の壁を感じずに進出できる利点もあります。 ◆日本発!ダイナミックな富の創造を! もちろん日本とドバイの実体経済の規模は全く異なり、ドバイのようにハブ機能を強化するのみで、日本の未来の発展を後押しできるとは思いません。 むしろ、ドバイから学ぶべきことは成功をもたらした2つの中身です。 大きな構想を短期的に実現したリーダーシップ、そしてその構想を成功させるために大胆に自由の領域を創りだしたことでしょう。 特に、法人税減税が議題に上がっておりますが、所得税や日本に数多く存在する税制の簡素化を図ることが世界から「ヒト・モノ・カネ」そして「情報」という富を集積させる一里塚だと考えます。 また、日本に蔓延る数多くの規制も議論が進まない領域ではありますが、国際標準と言える規制緩和を行うことが富の集積を促進させるために必要です。 ハブ機能を充実させ、世界中からの富の集積が促進できれば、安全保障的にも、日本に対する軽々しい軍事行動などは難しくなり、自ずと日本が守られることにもなります。 既に日本には、世界的にもトップクラスの技術力、人材、産業インフラがあります。 世界中からあらゆる富が集まることで、ダイナミックなイノベーションが創発され、世界をリードする富の創造がなされるのは間違いありません。 ※YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします! 是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=vxhSjaM3Cu8 すべてを表示する « Previous 1 … 29 30 31 32 33 … 63 Next »