Home/ 記事配信 記事配信 GX(グリーン・トランスフォーメーション)で日本壊滅。中国だけが得する驚愕の中身とは?【前編】 2022.08.11 https://youtu.be/usNSYF8TXcU 幸福実現党党首 釈量子 ◆GXとは何か 今回は、現在、政府が進めるGX(グリーン・トランスフォーメーション)戦略について考えて参ります。 7月27日、政府は岸田総理を議長とする「GX実行会議」の初会合を開き、GX実行推進担当大臣として、萩生田光一経済産業相を担当大臣に任命する人事も発表されました。 「GX」とは、2020年10月の臨時国会で「脱炭素社会の実現を目指す」と宣言して以降、市場で注目を集めるようになった言葉です。 2050年までの脱炭素、カーボンニュートラルの実現に向けて、温室効果ガスの排出につながる化石燃料などの使用を、再生可能エネルギーなどに転換することで、社会の変革を目指すと理解されています。 世界が脱炭素に向かう流れは避けられないと考え、政府や経団連は、CO2を減らすことを成長の機会ととらえて、官民連携で成長戦略の柱にしようとしています。 このGXは、岸田政権が目指す「新しい資本主義」の目玉政策にもなっています。 しかし、脱炭素には莫大なコストがかかります。政府が言うように産業構造を根底から作り変えれば、自動車はじめ製造業の方々は失業するのではないかと戦々恐々としています。 基幹産業を潰し、新たな雇用を生み出すことができるのかは切実な問題です。 ◆増税につながるGX 岸田政権は、GXの実現には、今後10年間で官民合わせて150兆円規模の投資が必要としています。これはGDPの3分の1弱くらいですので、かなり大規模になります。 政府は20兆円の資金を財源に、「GX経済移行債」、いわゆる「GX国債」を発行するとしています。 日本には既に1200兆円を超える政府の借金があるのに、さらに新しい国債を発行しようとしているわけです。 GX実行会議のメンバーの一人、経済学者・伊藤元重東大名誉教授は、民間企業の投資を引き出す「呼び水」として、「GX国債を発行した分は増税などで償還する仕組みをつくる」と述べています。 民間投資を引き出す「呼び水」というのは、官民連携の際に公的支出を正当化する、いわば政府の「決まり文句」です。 脱炭素が本当に経済成長につながるなら、公的支出などなくても、民間企業は勝手に投資してどんどん脱炭素が進むはずです。 しかし、おそらく脱炭素に130兆円もの民間投資を引き出すことは不可能で、「GX国債」を追加で発行して、政府債務がさらに膨らむことになりかねません。 当然、債務を返していくために、「GX実行会議」でも、いわゆる「大型炭素税」の導入も議論に上がっていました。 炭素税というのは、その名の通り、石炭・石油・天然ガス等の化石燃料にCO2の含有量に応じて払わされる税金です。 現在でも、「炭素税」に当たる税金は存在します。化石燃料に石油石炭税が課税されており、その中に炭素税に当たる「地球温暖化対策のための税」、いわゆる「温対税」が平成24年10月1日から導入されています。 1トンのCO2あたり289円、税収約2,600億円の規模です。このほかに、自動車の燃料には揮発油税が課税されています。課税規模は約2.1兆円です。 こうした「炭素税」に加え、化石燃料などに対する税金がさらに上積みになることになります。 このように課税が増えていけば、電気料金の高騰はもちろんのこと、鉄鋼、セメント、石油化学、自動車など、日本の製造業の全てにそのコストが重くのしかかり、日本の製造業を直撃します。 政府は「GX国債」を呼び水にして、経済成長を期待しているようですが、こんなに高コストでは日本の製造業は海外に移転してしまい雇用も失われ、日本経済は崩壊してしまいます。 インフレで生活必需品等、物価が高騰し、さらに生活がより厳しくなるのは避けられません。 (後編につづく) マイナンバーカードで金融資産への課税の流れにSTOP! 2022.08.02 http://hrp-newsfile.jp/2022/4339/ HS政経塾 坂本和佳 ◆強まる個人情報の紐づけ 政府は「誰一人として取り残されることなく、多様な幸せが実現できる社会」という理想を掲げ、デジタル化の大きな肝いりの政策としてマイナンバー制度を導入しています。 今年の6月から始まった「マイナポイント事業第二弾」では、マイナンバーカード取得で5,000ポイント。健康保険証としての利用申し込みで7,500ポイント。公金受け取口座の登録で7,500ポイントが付与され、これらすべての手続きを行うと20,000円分のポイントがもらえます。 また、予算規模は1兆8000億円で第1弾(約2500億円)の約7倍にも上ります。 政府は、健康保険証と一体化した「マイナ保険証」の利用推進で、将来的に現行の保険証の原則廃止を目指し(※1)、来年度からマイナンバーカードの交付率を地方交付税の算定に反映させることも検討しています(※2)。 政府の思い通りになるように、明らかに権力を拡大し、強制力を強めています。 ◆預金口座とマイナンバーの紐づけで、個人資産は丸裸に ここで注目したいのが、平成30年から始まっているマイナンバー(個人番号)と預貯金口座の紐付けの問題です。さらなるマイナンバーの活用拡大のため、昨年新たに法改正がなされました。 その結果、金融機関は預貯金者等の情報をマイナンバーによって管理する義務が課せられました。個人の預貯金口座の紐づけは義務ではないとは言いながら、金融機関には管理の方法にマイナンバーを使うことが義務づけられています。(※3) これにより銀行口座開設時にマイナンバーの紐づけを許せば、他行の預貯金口座でも名寄せして個人の資産を丸裸にできるのです。 その目的は、行政機関などの税務調査や生活保護などの資産調査への回答を行うためと言っていますが(※4)、使用方法は明らかに行政から個人資産へのアプローチです。 また法律の改正によっても、その強制力は徐々に強まっています。なぜ今マイナンバーと預貯金口座の紐づけを進めているのでしょうか。 ◆個人資産把握から金融資産課税の可能性 それは、政府の政策の中に、金融資産課税の構想があるからだと考えられます。岸田首相は総裁就任時から金融所得課税の強化に言及しています。金融所得課税とは、利子所得、配当所得、株式等譲渡所得への所得課税のことで、労働所得等への課税とは異なり、一律20%の比例税率での分離課税というものです。 現在諸々の給付金や税金・社会保険料の計算は給与所得ベースに行われており、金融所得額は考慮されていません。 高所得者ほど株式や不動産など給与所得以外にも収入源を持つ場合が多いため、このマイナンバーと預貯金口座の紐づけをすることで、今までの給与所得と金融所得を一まとめにしてより正確な資産を把握することができます。 そうすれば公平で平等な税制にするという大義名分を掲げ、資産全部を合算して累進課税をかける可能性は非常に高いのです。 しかしこれを実行すれば、資産家等が税負担の回避を目的に、金融資産等の所在地を金融所得課税負担の軽い国に移すようになり、その結果、金融所得課税負担の重い我が国では投資の減少や税源の喪失、税負担への不公平感の高まり等の弊害が起きてしまいます。 個人の私有財産に課税し、豊かな者には累進課税を取り入れて所得の再分配に回す流れは、より完全な結果平等を目指す、社会主義への道なのです。 ◆日本は自由の大国を目指せ マイナンバー制度は、もはや国民の個人情報すべてを、権力の肥大化した大きな政府の下に置くためのインフラになっています。 知らぬ間に国家に個人情報や資産、健康状態まで管理されるようになれば、簡単に全体主義、国家社会主義へと導かれます。 その結果やってくるのは「自由の死滅」です。資産把握ができるマイナンバーの紐づけを許してしまえば、そこからさらなる増税政策を招きます。 必要なのは、個人の自由をしっかりと守ることです。国家からの監視、管理強化の流れで、個人資産を把握され、さらには活動規制、言論統制や思想統制につながりかねないマイナンバー制度にはしっかりと戦っていくべきです。 そしてもう一つ必要なのが、政府のやらなくていい仕事をやめることです。政府は今、マイナンバー制度の普及に国家予算一兆円以上をかけています。国の予算も国民の血税です。これも政府の無駄仕事なのではないでしょうか。 また高い税金をかけ、資産家を国から締め出すような政策をしていては、国家繁栄の道は遠ざかります。国民の自由を守るため、そして社会主義、全体主義の流れから守るため、今こそマイナンバー制度による国民管理にはNO!の声を上げなければいけません。 【脚注】 ※1 厚生労働省「第151回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス)資料」 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000942380.pdf ※2 内閣官房「デジタル田園都市国家構想基本方針」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/20220607_honbun.pdf ※3 デジタル庁「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」 https://www.digital.go.jp/laws/ ※4 一般社団法人 全国銀行協会「マイナンバー周知リーフレット」より https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/article/F/8188_leaflet_01.pdf 電力危機列島ニッポン、原発再稼働が進まない3つの理由【後編】 2022.07.31 https://youtu.be/OgpA5T1Lk_I 幸福実現党党首 釈量子 ◆法的根拠なく停止している日本の原発 日本では福島原発事故後の2013年に、世界で最も厳しいとされる「新規制基準」が導入され、既存の原発にも遡って適用されました。 本来、法律というのは遡らない不遡及の原則があります。しかし、電力会社は、既存の原発も含め新規制基準に適合するよう、安全対策の工事を行い、原子力規制委員会の安全審査に合格しなければいけなくなりました。 本来は一度許認可を受けて運転されていた原発が、規制基準が見直されたから原発を止める必要はありませんでした。 しかし、止まった理由は、民主党政権のとき、当時の菅直人首相が浜岡原発を「依頼」お願いで止めたことが前例になってしまったからです。 またその後、原子力規制委員会の田中委員長が私的に書いたメモ、いわゆる「田中私案」も根拠になっていると言われています。 「依頼」も「メモ」も当然、法律的なものではないので、原発を止める筋合いはなかったのです。外国でも、このような不合理な運用をしている国はありません。 原発の規制基準は、今後も新しい知見を採り入れて見直される可能性が当然あるわけですが、規制基準が変わろうとも、原発を運転しながら対策工事や審査を行うのが、本来のあるべき姿です。 そもそも、「新規制基準」があまりに厳しすぎることや、審査が遅いことも、大きな問題です。 原発を再稼働させるためには、テロや大規模な自然災害が起きた場合に、十分対応できる施設を備えなければならなくなりました。 例えば津波に耐える防波壁、耐震補強、電源喪失時の予備電源の設置、消防車の高台へ常備され、とにかく過酷な事故に対応した安全対策が盛り込まれています。 これ自体は、過剰な設備とは言えないところもありますが、ただ、10万年前の断層など、過剰と思われる想定もあります。 ◆遅々として進まない原子力規制委員会の審査 もう一つが、原子力規制委員会の審査が、遅々として進まないことを挙げられます。 例えば、北海道電力は、2013年7月、「泊原発」の新規制基準への適合性審査を申請しましたが、申請からおよそ8年も経過しているにもかかわらず、原子力規制委員会は「適合性」があると認めていません。 理由としては、「約12~13万年前の断層」をあげています。そこには「耐震設計上重要な施設を設置できない」とする基準を原発に適用しています。 泊原発は、世界最高水準の安全対策を施しているにもかかわらず、非科学的な理由で適合性を認めず、冬の北海道を危機にさらしています。 ◆政府が本来やるべきこと 政府は今、「節電」を呼びかけており、プログラムに参加した家庭に2000円相当のポイント、中小企業に20万ポイントを付ける対策を検討しています。 しかし、政府の本来やるべき仕事は本来、経理課長レベルの「節電」の呼びかけではなく「発電」を押し進めることにほかなりません。 安全性が格段に高まっているにもかかわらず、原発が今止まってしまっているのは、新規制基準を元々ある原発に当てはめる際に稼働を停止するという、不合理な運用を行っていることに原因があります。 諸外国では規制基準を見直す場合であっても、原発を運転したままその変更を行うとの対応が取られてきました。やはり、審査は稼働中のまま行えば良いのです。 さらには、厳格すぎる新規制基準の見直しとともに、審査の迅速化を進めなければなりません。 資源のない日本は、ひとたび戦争が起きれば安全保障の環境が激変します。燃料が途絶えれば国民の生命と財産が脅かされます。 それが現実化しているのに、政府は危機感がなさすぎるのではないでしょうか。今は特に、ゼロリスクの追求ではなく、いかに安定的な電力供給を確保するかを考えなければなりません。 また、審査が長期化すれば莫大な経済的損失が発生し、国民の財産が損なわれるほか、電力の安定供給を阻害し、国民の生命、健康、わが国の安全保障を脅かすおそれもあります。政府は規制委員会に対し、審査を迅速にさせるべきです。 原子力エネルギーは国家の独立と安全保障の基盤です。政府は、法的根拠のないような縛りで止まっている原発に関しては、責任を持って、今ある既存の原発の速やかに再稼働させるべきです。 また、新増設や、建て替え、つまり廃炉する原発を新しいものに入れ替えることなどの方針を早期に明示することで、中長期的な観点からも電力の安定的な供給を図るべきと考えます。 電力危機列島ニッポン、原発再稼働が進まない3つの理由【前編】 2022.07.30 https://youtu.be/OgpA5T1Lk_I 幸福実現党党首 釈量子 ◆岸田首相が「原発稼働」方針 先日、岸田首相が記者会見において「原発最大9基を稼働する」という方針を発表しました。これで、国内消費電力の約1割の電力を確保するとしています。 当初は、ネットなどで「岸田さん、ようやく決意してくれた」という喜びの声があがり、東電の株価も上がったものの、すでに稼働する予定の原発について触れただけだということが分かりました。 電気事業連合会の池辺和弘会長は「(原発を)きちんと冬に運転できるように、工事や検査に取り組みなさいという叱咤激励だと思う」とは言うものの、岸田首相の「指示」だけでは、冬の電力逼迫解消にはつながらないのというのが実態です。 ◆予想される電力逼迫 昨今、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)などの燃料の調達が世界的に厳しくなり、ウクライナ危機以降はエネルギー危機に拍車がかかっています。 特に、電力については、経済産業省が令和4年度の夏季・冬季について非常に厳しい需給の見通しを公表しています。 供給予備率(電力需要のピークに対し、供給力にどの程度の余裕があるかを示す指標) で、この冬については、令和5年1、2月には全国7エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できず、特に東京エリアでは1月で1.5%、2月で1.6%と、極めて厳しい見通しです。 真冬に電力が使えなければ、多くの生命が失われる事態にもなりかねません。(※1) (※1)電力需給対策について 2022年 6月30日 資源エネルギー庁 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/051_03_01.pdf ◆今後の予定を説明しただけの岸田首相の記者会見 そこで岸田首相の「エネルギーの安定供給のために、最大で9基の原発の稼働を経済産業相に指示した」という発表に期待が集まったわけです。 しかし、実態は、すでに、10基は原子力規制委員会の安全審査に合格し、地元の合意を経て、一度は再稼働を済ませています。 10基のうち、先日発電を再開した大飯原発4号機を含め、6基が運転中です。 運転中の九州電力・玄海原発4号機については、9月から来年2月まで定期検査で止まる予定です。 現在止まっている4基(関西電力・美浜原発3号機、高浜原発3,4号機、九州電力・玄海原発3号機)については、定期検査が済めば、7月下旬から順次、運転が再開される予定となっています。 つまり、岸田首相はもともと予定されていた9基の再稼働を「しっかりやれ」と指示したのであって、別の原発を新たに再稼働するという指示ではなかったのです。 尚、高浜原発3号機では、検査中にトラブルが発生して一時的な停止を余儀なくされています。 他の原発の運転についても、実際にスケジュール通り進むかどうかは不透明ですが、それでも、9基が同時に稼働するのは、来年1月下旬〜2月中旬のわずか一か月にも満たない期間となっています。 だから「最大」9基と言っているのです。 そして、ここからが大変大事な部分ですが、先般発表された電力の需給見通しは、この9基が再稼働することが織り込み済みになっているために、今回の首相の指示では、電気事業連合会の池辺会長も述べたとおり「安定供給の改善にはならない」ということが重要です。 例えば、柏崎刈羽原発が稼働すれば東電は5%以上の予備率にたしますのでこれ安定供給には届きます。しかし、これができないわけです。 ◆原発はなぜ再稼働できないのか 東日本大震災が起こる前の2010年には、全国に54基の原子力発電所があり、日本は米国、フランスに次ぐ世界第3位の原発大国でした。 そして今、「廃炉が決まっていない発電所だけで30基近く、3000万キロワット分くらいあるにもかかわらず、電気が足りないと言って喘いでいる国は他にない」と言われる状況です。 福島第一原発以外は設備が損壊しているわけではないため、技術的には運転継続が可能ですが、全国の原子力発電所の再稼働が遅々として進んでおりません。 ではなぜ原発は再稼働できないのでしょうか。 (後編につづく) 「反撃能力」では日本は守れない。自前の核保有こそ「最大の抑止力」【後編】 2022.07.23 https://youtu.be/HQBVUzrZ2X0 幸福実現党党首 釈量子 ◆自前の核装備を 「核を使った攻撃」の議論については、根強い反対があるかもしれません。 とはいえ、現在の日本を取り巻く状況を考えた時、どうしても核を使った攻撃を想定しておくことが必要で、そのこと自体が「抑止力」になるのです。 特に日本は、中露北の3つの核保有国を相手にしています。この状況で核保有の議論がないのは大変心もとないことです。 「核シェアリング」といって、アメリカの核を持ち込んでもらい、いざとなったらアメリカに核を発射してもらうという方法もありますが、これは抑止力としては不十分です。 中国とロシアを合わせた核戦力はアメリカの核戦力を凌駕しており、中露が歩調を合わせている今、自国を攻撃される危険を冒してまで、アメリカが日本のために核を提供して守ってくれる保障はないからです。 ゆえに、自前の核装備を急ぐ必要があるのです。 ◆自前の核で日本を守り抜く とはいえ、現実的にアメリカは日本の核保有を許さないだろうという見立てもあります。しかし、まずは「自前の核で日本を守り抜く」という明確な国家意思を持つことです。 「広島的平和主義」の岸田首相にとっては、非核三原則の撤廃すら困難だと思います。 しかし、核を落とされた国だからこそ、「いざとなれば核を使った電磁パルス攻撃を行う」という体制を整えることで、相手国に核を落とさせない国、核を使わせない国にしなければならないのです。 5月下旬に行われた日米首脳会談では、バイデン大統領が日本の常任理事国入りを支持すると発言し、日本でも歓迎の声が上がりました。 実際に常任理事国の一角に入ったら、国際紛争の解決などに責任を負うことになりますが、現在の日本には、問題を解決する実力も覚悟も十分とは言えません。 現在の国連は、常任理事国同士が二手に分かれて戦っているような状況にあります。ゆえに日本は滅びる側につかないよう、国力相応の軍事力と外交力を持つための努力をしなくてはなりません。 ◆憲法9条の改正で国家防衛の意思を明確に そのように「自分の国は自分で守る」体制を整えるためにも、やはり憲法9条の改正は待ったなしです。 国防の議論が行われるたびに「足かせ」となっているのが、戦力の不保持と交戦権の否認を定めた憲法9条です。 「自衛のための最小限の戦力はよい」「しかし、攻撃的な兵器は許されない」など、解釈を変えることによって乗り越えるのはもはや限界です。 憲法9条の改正は、日本が本当の意味で自立した主権国家になる道です。国力相応の国防力を持てば、独自外交も展開できます。 現在、岸田首相はアメリカ追従でロシアを敵に回してしまいました。これは岸田首相の判断ミスもありますが、自国の防衛をアメリカに委ねている弱みもあると言えます。 中国の脅威を考えたならば、日本の現在の軍事力でロシアも敵に回すことの間違いが分かるはずです。 ゆえに、「中国の脅威に関しては一緒に戦うが、この件について日本はロシアとの友好を取る」という姿勢が必要でした。 少なくとも、ロシアへの制裁撤回は今すぐにでも行い、敵を減らさなければ、日本は国家存続が危ういことだけは強調しておきたいと思います。 ◆戦争自体が悪ではない そして最後に強調したいことは、日本人の中に根強く残る「戦争イコール悪」という考え方の間違いです。 大川総裁は『ウクライナ問題を語る 世界の7人のリーダー』のあとがきにおいて「世界史の中では、戦争自体が悪であるのではない。神と悪魔の区別がつかず、正義を闇に葬る戦争を「悪」というのである」と述べています。 先の大東亜戦争も、日本は自国を守ると共に、アジア諸国を欧米の植民地支配から解放すべく戦いました。実際、アジア諸国は戦後独立を果たしました。 こうした日本の行為がすべて悪で、植民地支配を行ったヨーロッパや核兵器を日本に落としたアメリカが正当化されるのは、おかしなことではないでしょうか。 大切なのは、神仏の目から見て何が正しく、何が間違っているかという判断です。そして、正義を守るためには、時には戦わなければならないこともあるのです。 私たち幸福実現党は、この国に精神の柱を立て、神仏の心を心として、日本と世界の正義を守るために必要な備えを行ってまいりたいと思います。 【参考】 『ウクライナ問題を語る世界の7人のリーダー』大川隆法著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2799 「反撃能力」では日本は守れない。自前の核保有こそ「最大の抑止力」【前編】 2022.07.22 https://youtu.be/HQBVUzrZ2X0 幸福実現党党首 釈量子 今回は、国際情勢が緊迫している中において、どのように日本を守っていけばよいのか考えてまいります。 ◆時代遅れの「反撃能力」 ロシア・ウクライナ戦争を受けて、岸田政権が対露制裁に踏み切って以降、日本は、中国、ロシア、北朝鮮の「三正面の脅威」に備えなければいけなくなりました。 しかもこの3か国は核保有国です。 自民党の安全保障調査会は、4月下旬に、「敵基地攻撃能力」という名称を、「反撃能力」という呼び名に変えました。 この「敵基地攻撃能力」という概念は、1956年の鳩山一郎内閣が示したもので、幸福実現党も2009年の立党時に、北朝鮮のミサイルの脅威を念頭に「敵基地攻撃能力」を訴えました。 しかし、それは当時の北朝鮮のミサイルが液体燃料を使い、燃料注入で明らかに発射の兆候が分かるのに、これを放置するのはあり得ないという主張でした。 しかし今や北朝鮮のミサイルは固形燃料を使い、さらにトンネルからの発射や、潜水艦からの発射にも成功したと言われています。 非公表ではありますが、弾道ミサイル基地は20か所もあるとされます。つまり、発射の兆候が極めて読みにくくなり、さらに脅威も増しているのです。 こうした状況で「反撃能力」といっても、もはや時代遅れです。 中国については、米国科学者連盟の分析によれば、地下の弾道ミサイルサイロが300、移動式発射台が100以上あると推計されています。 こうしたミサイル基地を全て叩くことなど、ほぼ不可能です。逆に、中途半端な反撃をすれば、核の報復を受けることになりかねません。 「反撃能力」を持つこと自体に反対する野党は論外ですが、現在の「反撃能力」の議論には、どうも具体性が欠けています。 「憲法や法律の範囲内で何がやれるか」ではなく、「国を守るために本当に必要な防衛力とは何か」をタブーなく考える時が来ているのではないでしょうか。 ◆日本を守るために必要な戦力とは では、三か国の脅威から日本を守るためには何が必要になるでしょうか。まず重要なことは、通常兵器で敵基地を攻撃するのは限界があると知ることです。 具体的には、核兵器によるEMP攻撃(電磁パルス攻撃)ができる状況を整える必要があります。 電磁パルス攻撃とは、高層大気圏で核爆発を起こして強力な電磁波(ガンマ線など)を発生させ、電子機器に過負荷をかけて誤作動させたり破壊したりすることを目的とした攻撃のことです。 人体には直接的な影響はないものの、飛行機や電力網、通信網、衛星通信を麻痺させ、電気制御された水道やガスのインフラなどを止め、相手国のミサイル発射能力などの攻撃力を大方奪うことができます。 何百発とあるミサイルのサイトをすべて通常兵器で叩くことは不可能であり、もし通常兵器で叩けば、当然、全面的な反撃を受ける可能性があります。 ですから、一瞬で大半の攻撃力を奪う方法を備えておく必要があるわけです。 そのうえで、日本が海軍基地などをミサイルで叩き、アメリカが日本近海に来援できる状況をつくります。アメリカの打撃力で中国奥地にあるICBM基地などを破壊することで、中国の攻撃力を無力化するのです。 それでもどうしても叩き損ねる基地や兵器が出てくるので、万が一に備えて、電磁波バリアをはりめぐらせ、迎撃システムや避難シェルターも備えておく必要があります。 こうした戦力を備えるためには、当然のことながら、防衛予算が必要です。自民党は5年以内に倍増すると言っていますが、遅すぎます。 今すぐ倍増すべきですし、倍増した予算はアメリカの兵器購入に使うのではなく、今、述べたようなミサイルや電磁バリアなど、国産の兵器開発に投じるべきです。 幸福実現党は2009年から防衛産業の育成を訴えてきました。もちろん、13年前から防衛産業に力を入れていたらよかったのですが、今ならまだギリギリ間に合います。 さらに、相手国の指揮命令系統を混乱・麻痺させるためのサイバー攻撃ができるよう部隊の整備も必要ですので、こうした人材養成にも予算を付ける必要があります。 ですから、経済発展に資さないバラマキ予算に使っている場合ではないのです。このように他国の攻撃を想定した備えをしておくことは大事です。 (後編につづく) 最低賃金引き上げで大失敗した韓国。日本は同じ過ちを犯すのか? 【後編】 2022.07.17 https://youtu.be/u6TMrDCReOM 幸福実現党党首 釈量子 ◆企業の価値創造を後押しする4つの提言 前編では、最低賃金引き上げで大失敗した韓国の例を紹介し、その問題点を明らかにしました。後編では日本の雇用を創出し、賃金をアップさせるために必要な4つの提言を紹介します。 (1)シュレーダー政権に学ぶ雇用の自由化 ここで参考にすべきはドイツのシュレーダー政権です。 ドイツには少子高齢化と東西ドイツ統一の影響で失業者が増加し、2003年には10年ぶりのマイナス成長に陥っていました。 これを立て直すためにシュレーダー政権は、まず法人税を大幅減税し、企業の活力を取り戻しました。さらに、生活保護の条件を厳しくする一方で、民間を巻き込んだ細やかな就労支援を行いました。 もう一つは、正社員の解雇規制を緩和しましたことです。企業側は解雇が難しいと、会社と合わない社員がいたとしても雇い続けなくてはならず、正社員の雇用に慎重になります。その結果、若者の非正規雇用が増えるのです。 つまり、解雇規制を緩和しないと、正社員と非正規雇用の格差がかえって開いていきます。日本では今もこれが続いているわけです。 ここにシュレーダー政権がメスを入れ、ただ、解雇の際には一定額の補償金を労働者がもらえるようにして、ひとつの会社でうまくいかなかったとしても、新しいチャンスを与えたわけです。 こうした一連の改革で、新しい産業に人材が集中するようになり、ドイツの発展の原動力になりました。このように、日本でも、政府の権限を減量し、自由に働ける環境を整える必要があります。 (2)カジノや観光客頼みではなく、質素倹約して必要なものに投資 2つ目は、カジノや観光客頼みのアベノミクス型の「観光やカジノで一時的な消費を増やせば経済は良くなる」というような甘い考え方ではなく、質素倹約して、本当に必要なものに投資していく精神が重要になります。 政府主導でカジノを誘致したり、旅行のための補助金を出したりすることで、かえって民間企業の自由な活動が阻害されることもあります。 このようなバラマキ型の予算は全部ストップさせるべきです。 (3)日本の技術を守るためにスパイ防止法制定 3つ目は、日本の付加価値を守る、技術を守る政策です。つまり、スパイ防止法の制定が必要です。 日本は資源のない国ですから、技術力は経済の生命線です。 例えば、虎の子の技術の「新幹線」です。中国の巨大市場に目がくらんで売り込んだ結果、技術ごと盗まれて、中国の国際特許にされてしまいました。 日本の国富を守るために、こうした技術流出は何としても防がなければなりません。 (4)電力の安定供給を実現 4つ目は、安定した電気など質の高いインフラの供給です。 規制緩和は大切ですが、インフラ系の自由化については、進め方を誤ると、いざというとき大変です。 例えば、アメリカのテキサス州は、規制も少なくて「ビジネスがしやすい州」として多くの企業が本社を移して経済成長率が上がっている州です。 しかし、電力自由化を進めた結果、2021年の大寒波で2万9千人の1週間の電気料金が100万円に爆増しました。 日本でも、国民の電気料金が上昇した原因の一つが電力の自由化です。いろんな再エネ業者が大量に参入しました。しかし、再エネ発電は不安定なので、安定供給に責任を持てません。 代わりに送電網を管理する会社が安定供給に責任を持つようになりましたが、急に電力需要が増えた時のバックアップ電源を常に持っておくと経営が成り立たなくなります。 その結果、国民は真夏に節電を強いられ、自由に電気を使えなくなりました。 ですから、インフラという国民の命を握る部分については、自由に対する責任を担保するような制度にしていくべきです。 具体的には、電力自由化はやめて、原発再稼働を急ぎ、再エネ固定価格買い取り制度(FIT)を廃止すると共に、次世代原発や石炭火力発電の建設を政府としてバックアップし、安定して電力を共有できる体制を築きます。 こうして、「すべての人が自由意志に基づいて勤勉に働ける体制」を整えていきます。 ◆若い人は本を読もう 今回は賃金をアップさせるための根本的な解決策について提言しました。 他党が主張しているような、企業に負担をかけて最低賃金を無理に上げるとか、税金で雇用を増やすといった政策は即効性があるように見えて、早晩行き詰まり、あとから厳しい反作用が来ます。 しばらくは大変厳しい時代が続くでしょう。お金や時間を浪費させるのではなく、堅実に富を増やしていく道が求められます。 それは、企業だけでなく、個人にも当てはまります。 最近、若い人が電車の中で、スマホのゲームやSNSに夢中になっている姿を見かけますが、厳しい時代だからこそ、自分自身にしっかりと投資して、自分の付加価値を上げていくことが大切です。 そこでお勧めしたいのが、読書です。それによって智慧を増やしていくことです。 幸福の科学グループの大川隆法総裁は、3000書突破記念講演会『なお、一歩を進める』におきまして次のように語っています。 「これから先、むしろ本をしっかり読んでいる人が新しい付加価値をつけて出世していく時代になると思います。」 知恵を蓄積しなければ、「お金さえ配れば満足するだろう」という政治家に騙され続け、ネットを通してGAFAなどに時間を奪われ続けてしまいます。 若い人が、そうした考えであっては国家存続の危機です。刻一刻と変化する、この厳しい国際情勢の中で、日本の国を守り、発展させていくためには、勤勉の精神で、勤勉革命を起こしていくしかありません。 最低賃金引き上げで大失敗した韓国。日本は同じ過ちを犯すのか? 【前編】 2022.07.16 https://youtu.be/u6TMrDCReOM 幸福実現党党首 釈量子 ◆最低賃金引き上げで大失敗した韓国 先の参院選では、多くの政党が最低賃金の引き上げを政策として掲げました。 しかし、幸福実現党は、最低賃金の引き上げには反対です。その理由は、最低賃金の引き上げは、若い人達の就労のチャンスを奪うことになるからです。 ギリギリのところで経営している企業にとって、最低賃金を強制的に引き上げるとなれば、誰かの首を斬らないと経営が厳しくなります。 その場合、給料に見合わない働きをしている若手から首を斬られる可能性が高いわけです。 そうした反作用が実際に起きたのが韓国です。 文在寅前大統領は、2017年の就任のとき、5年間で最低賃金を5倍にするという目標を掲げました。1年目には16.4%引き上げ、5年間の任期中に累計41.6%上げました。 その結果、何が起きたかというと。不況と若者の大量失業です。 GDPの成長は低迷し、所得下位20%世帯の月平均所得は2017年第4四半期から、2019年第4四半期には、日本円で月収が2万円近く減少しました。 失業率を見ると、2021年は3.0%と一見、低く見えるのですが、これは税金を使って無理やりバイト雇用を充実させたからだと元駐韓国特命全権大使の武藤正敏氏が指摘しています。 それも、この税金主導のバイト雇用で増やしたのは、シニア層ばかりで、若者の失業率は7.8%と高く、失業者の3人に1人が若者世代でした。 参院選で、最低賃金引上げを訴えている政党は、単純な引上げだけではなく、賃上げを政府が負担するもので2つのパターンがあります。 ◆補助金による賃上げ 1つ目は、れいわ新選組などが提言している補助金による賃上げです。賃金引上げによって生じる企業の負担を、政府に負担させるもので、つまり、バラマキです。 人件費分を政府が負担するというなら、これは公務員を増やすことと同じであり、行きつく先は企業の国有化で、旧ソ連などの共産主義の国と変わりません。 政府がお金を負担してくれるなら、企業も労働者も新しい価値を生み出したり、給料に見合った働きをしたりする必要がなくなります。 れいわ型の補助金による賃上げは国民の勤勉の精神を破壊しかねない極めて危険な政策で、日本を没落させてしまいます。 ◆助成金による賃上げ 「賃金をあげて、生産性も上げた企業に補助金をあげ、減税をする」というタイプもあります。 そのひとつが「業務改善助成金特例コース」です。コロナ禍で特に業績が厳しい中小企業を対象にして、賃金を引き上げ、設備投資などを行った場合に補助金を支給します、というものです。 ただし、賃金を引き上げた人数によって支給額が変わったり、投資の内容や条件などが細かく決められたりしている複雑な制度で、かえって企業の仕事の邪魔になってしまいます。 結局、政府が民間に介入するやり方では、賃金は上がりません。その証拠に、政府の支出が増えれば増えるほど、実質賃金が減っていきます。 なぜなら、お客様のためによいサービスや製品を生み出すことではなく、補助金をもらうことに民間のお金や時間を使うことになるからです。 政府が賃上げのためにすべきことは、「企業がビジネスしやすい環境を創り、企業が成長する後押しをする」ことです。 ◆勤勉に働ける体制を 幸福実現党は、法人税の実効税率を10%台にすることを掲げています。 複雑な条件を付けずに、まずは10%台に引き下げることで、企業は自由に使えるお金が増やし、節税など、余計な仕事に力を入れなくてもよくなります。 実際、トランプ政権で、法人税を10%台にしたことで、従業員の給料やボーナスは上がりました。 ◆企業の新たな価値創造を後押し ただし、法人税の減税だけでは不十分です。 未来の見通しが明るくなければなりません。今後も日本が繁栄していくという見通しが見えなければ、企業は新しいチャレンジをしません。 そして何より、日本を豊かにしたいという志を持つ人たちが増え、勤勉に働いてこそ新たな価値は生まれます。 豊田佐吉や松下幸之助など、日本経済を発展させてきた人物は、多くの人を便利にしたい、日本を豊かな国にしたいという志を立てて努力を重ねてこられた方ばかりです。 そうした人物を育み、応援できるよう、幸福実現党は、すべての人が自由意志に基づいて勤勉に働ける体制をつくりたいと考えています。後編では、そのために必要な4つの提言を致します。 (後編につづく) 急騰する食料・エネルギー価格。待ったなしの物価高対策 2022.07.15 https://youtu.be/UEq9-GpV31M 幸福実現党党首 釈量子 ◆深刻化する物価高 4月26日、政府は物価高対策として、低所得者層やひとり親世帯に現金を給付するなど、総額6兆2000億円の緊急対策を決定しました。 これはあくまで生活支援であって、物価高対策ではありません。むしろ、政府支出は更なる物価高要因になる可能性があります。 5月の消費者物価は生鮮食品を除いたものが2.1%の上昇。総合だと2.5%の上昇です。 しかし、電気代は18.6%、ガソリンは13.1%、生鮮食品は12.3%。皆さんの生活必需品の多くは、10%以上値上がりしています。(※1) 小麦は5月時点で15.4%(前年同月比)で値上がりしています(※2)が、これは昨年夏の北米での干ばつなどが主な原因で、ウクライナ戦争による本格的な値上がりは秋以降と言われています。 日本の主食である米は、自給率こそほぼ100%ですが、肥料の99%は海外からの輸入です。ある米作農家は、次のように言っています。 「次年度以降、肥料価格は倍以上となる。さらに、中国も肥料の輸出制限をしていて、トラクターの燃料代も上がっている。販売価格を大幅に上げるしか、生き延びる道はない。」 夏の猛暑、その先にはエネルギー需要が増える冬があり、さらにエネルギー問題も深刻化するでしょう。(※3) ◆幸福実現党の3つの物価高対策 幸福実現党は物価高対策について3つの提案を致します。 (1)原発再稼働とFITの廃止 まず、一つ目に政府の責任のもと、原発再稼働をさせることで電力の供給不足を解消することです。 さらに、FIT(固定価格買取制度)を廃止すれば、電気料金を1割以上減らすことが可能です。このFITの廃止と原発の即時再稼働で電気代を抑制できれば、製造コストも抑えることができます。 (2)停戦を仲介しロシア制裁を終わらせる 供給不足を終わらせるには、ロシアへの制裁を止めなければなりません。これが2点目になります。 西側諸国は資源国のロシアに制裁を加えて、自分の首を自分で絞めています。日本はウクライナ戦争の停戦を仲介し、世界的なロシア制裁を終わらせることです。 (3)円安の解決 3番目は円安の解決です。 円が安くなると、その分、輸入代が高くなります。円安の大きな原因の一つは、日米の金利差が拡大していることが挙げられます。 ですから、金利が高いドルの方が人気となって、円が売られて、円安になります。つまり、円安を止めるには利上げという話にもなるのですが、そう簡単にはできません。 政府と地方の借金は1200兆円を超え、金利が1%増えると利払い費が約10兆円も増えるからです。(※4) 貿易赤字が続けば円が流出し、円安はさらに進むという悪循環となります。これを正すには企業活動を活性化させなければいけません。 つまり、円安を正すには、企業に活力を取り戻し、政府の借金を減らさなければいけません。これを両立できる方法が一つだけあります。 ◆政府の減量を それが、政府の減量です。政府の減量とは、政府の予算の規模を小さくして、権限も小さくし、民間でできることは民間に任せることです。 具体的に以下の無駄な省庁を廃止します。 ・二重行政のデジタル庁(0.47兆円)や内閣府(4.38兆円)は廃止。これで約5兆円を減量(※5)。 ・プラスチックのレジ袋を有料化し、無理に米を30%配合したレジ袋を使わせたりするような無駄な規制ばかりつくる環境省も無くします。これでさらに約3兆円を減量(※6)。 ・子ども家庭庁や感染症危機管理庁などの新しい省庁もストップします。 ・厚生労働省にもメスを入れ、120兆円以上ある社会保障の中の無駄を減量し、国民の皆様の社会保険料を減らしていきます。 こうして財政赤字は徐々に減っていき、マイナス金利を止め、金融をゆっくりと正常化させることで円安を止め、インフレという見えない税金を退治します。 政府の減量は規制の減量にもつながります。 例えば脱炭素政策といったエネルギー規制、減反や新規参入を阻む農地規制などの農業の規制を減らし、エネルギーと食糧の自給率を高め、危機に強い日本をつくりあげます。 つまり、政府の仕事を減量し、無駄な規制や予算をなくすことで、企業に元気を取り戻し、円の実力を高めるという根本的な治療が必要です。 バラマキや一時的な減税という対症療法ではなく、日本の抜本的な立て直しが今、必要なのです。 【参考】 (※1) 2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)5月分 総務省(令和4年6月24日) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf (※2) 08年の再来?足元で加速「世界食料危機」の深刻度 ウクライナ侵攻で小麦やコメ、肥料価格も高騰 東洋経済2022/05/17 https://toyokeizai.net/articles/-/589544 (※3) ロシアからガスを絞られて、焦ったドイツ「石炭火力を2024年までフル稼働」の衝撃 CO2は「毒ガス」ではなかったのか? 2022.06.24 現代ビジネス https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96711?imp=0&utm_source=pocket_mylist (※4) 【数字は語る】インフレで金利や成長率が上昇すると財政で何が起こるのか 週刊ダイヤモンド(2022年5月14日発行) https://cigs.canon/article/20220523_6771.html (※5) 令 和 4 年度デジタル庁所管 一般会計歳出予算各目明細書 https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f4f6b57f-7779-4950-bbb5-07a265cb1d8f/20220125_budget_01.pdf 令和4年度予算(案)の概要 https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r04/yosan_gai_r04.pdf (※6) 令 和 4 年度環境省所管 一般会計歳出予算各目明細書 https://www.env.go.jp/content/900470740.pdf コロナの医療対策に16兆円超の国費!?感染抑止効果はあったのか?【後編】 2022.07.14 https://youtu.be/hvyVUzLuYdE 幸福実現党党首 釈量子 前編では、コロナ対策16兆円が有効に使われたのかについて検証しました。 では、どのようなコロナ対策を進めるべきだったのでしょうか。幸福実現党としては、次のように提言したいと思います。 ◆ワクチンの有料化 まず、接種を希望する低所得者層を除いて、ワクチンは原則、有料化します。希望者が一定以上の自己負担をする方が国の財政の負担は少なく、無駄も減らせたはずです。 自己負担で接種を受けることになれば、接種をすることに慎重な判断が働き、ワクチンに対する正しい情報を求める声もより強くなるはずです。 さらに今回のようなワクチン接種をした日付が不明な人を「未接種」に分類するような事実上の改ざんに対してより厳しい目が向けられることになります。 またワクチンは、どんなものであっても副作用は一定の割合で生じます。実際に医療機関から報告があった数だけで、これまでに1700人を超える人が、ワクチンの接種直後に亡くなっています。 有料化すれば、副作用で亡くなった方々への補償や後遺症対策の原資に充てることもできたでしょう。 ◆感染症法の分類を5類相当に 次に、感染症法の分類を5類にすることです。 新しい感染症で対応に試行錯誤した医療現場の負担は大変なものだったとは思いますが、多くの国民が一番不安に思ったことは、感染して苦しんでいても病院になかなかアクセスできなかったことです。 日本は医師が少ないと言われていますが、毎年10万人の肺炎による死者が出ているのに、医療が逼迫して問題になったことはありませんでした。コロナ肺炎の死者は2年で2万人以下です。 つまり、病院にアクセスしやすくするには、現在のコロナの致死率から見れば、感染症法の分類を1類、2類相当から5類相当にすべきです。 1類、2類相当の感染症であれば、医師は診療を断ることができるからです。 もちろん、地域医療を守ろうとして患者を積極的に受け入れた、かかりつけ医や診療所などもありましたが、保健所を通さなければ入院の調整はできない状況にあります。 その結果、保健所が発熱や酸素飽和度だけで入院の可否を決めることになり、さらに一部の病院に重症者から軽症者までが集中し、現場はパンクしました。 また、保健所の方は膨大な感染者の情報の吸い上げでキャパオーバーとなり、医療崩壊に拍車をかけていました。 5類相当にして、初期段階では診療所ベースでかかりつけ医が対応し、入院の可否を判断し、本当に高度な医療を必要とする方を専門的な病院に任せることができます。 そうすることで、早期診療、早期対応ができれば、重症化に迅速に対応できるようになります。 ◆人間の尊厳の問題 安全第一という考えも分かりますが、多額の予算を投じた過剰な対策は、かえって人間の尊厳を踏みにじり、不幸を呼び込むことにもなりかねません。 コロナ禍が始まってから、入院患者や老人ホーム入所者へのお見舞いにも行けず、死に目にも会えず、そのまま火葬場に運ばれるケースも多いようです。 これは、厚生労働省が「必須ではないが、コロナで亡くなった方やその疑いのある方は、24時間以内に火葬することができる」というガイドラインを出しているためです。 「人間はいずれ死ぬ」というある種の諦観を持ち、冷静に「どう生き、どう死んでいくのか」を考えることがいま、とても大切です。 医療法の第1条の2には、「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持」を旨とし、第1条では、同法の目的を「国民の健康の保持に寄与すること」と定めています。 そうであるならば、コロナの医療体制も、身体の健康だけではなく、「心の健康」にも配慮した「人の温もり」のある対策を実現していくべきではないでしょうか。 「死」というものを考えるにあたって、宗教の存在は避けて通れません。 「死」について知ってはじめて、「生きているその時間を、いかに有意義なものにし、いかに魂の向上のために使えるか」(※1)を考えることができるようになるのではないでしょうか。 幸福実現党は、宗教政党としてまっとうな死生観のもと、あくまで国民の自由を守り抜くコロナ対策を推し進めてまいります。 (※1) 『釈尊の未来予言』大川隆法(著)/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2356 すべてを表示する « Previous 1 … 9 10 11 12 13 … 253 Next »