Home/ 経済 経済 経済好調でも貿易収支赤字を拡大する「原発の停止」 2013.11.21 ◆原発停止による貿易収支赤字の拡大 11月20日に発表された10月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、1兆907億円の赤字となりました。 赤字額は比較できる1979年以降で3番目の大きさとなり、赤字が16ヶ月連続で過去最長を更新しました(11/20 朝日夕刊2面、11/20日経夕刊1面)。 アメリカ向けの自動車を中心に好調で、輸出額は伸びているにも関わらず、なぜそれ以上に輸入額が増えているのか。 その理由は、「燃料輸入」の増加です。原子力発電所の停止により、液化天然ガスや原油など火力発電に必要な燃料需要が増加しており、さらに円安の影響で、輸入額が拡大しているのです。 日本は、対外直接投資や証券投資の収益である所得収支が大きいため、貿易収支が赤字となっても、今のところ経常収支は黒字です。 経常黒字の積み重なった結果、日本は、世界一の対外純資産は296兆円を保有しています。 これは、日本が世界一のお金持ち国であり、日本がすぐに破綻するハズがないといえる論拠の一つですが、原子力発電所の停止がさらに続き、貿易収支赤字が拡大することは日本経済にとっても悪影響となります。 来年4月には、消費税が8%に増税される予定となっていますが、燃料代もさらに重なるとなれば、消費マインドが冷え込み、購買意欲が減退し、企業の売上に直撃します。 それ以外にも、電力の高コスト化、不安定化は、工場など、企業の設備投資の意欲も冷え込ませることに繋がります。 日本経済が縮小すれば、税収も減少します。増税するにもかかわらず、財政はいつまでたっても健全化しないという状況に陥りかねません。 原子力発電所の再稼動は、日本経済をさらに活性化するためにも不可欠なのです。 ◆原発を推進していた小泉元首相 小泉元首相は、「政府は、原発ゼロの方針を出すべき」と主張しておられますが、首相在任時の判断を変えた経緯をはっきりと述べるべきではないでしょうか。 2005年10月に「原子力発電は基幹電源として着実に推進していく」という原子力政策の基本方針を定め、そのアクションプランとして「原子力立国計画」2006年6月に策定されました。これらを推進したのは、小泉首相在任時でした。 さらに12日、日本記者クラブの記者会見では、「政治で一番大事なのは方針を出すこと。そうすれば必ず知恵が出てくる」と発言し、環境技術をリードする日本のハイブリッド車の可能性について言及しておられました。 しかし自動車のエネルギー消費割合は、最終エネルギー消費内の約14%であり、電力問題の本質的な解決に繋がりません(経済産業省エネルギー資源庁http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2011energyhtml/2-1-2.html)。 1973年の石油ショックを機に、代替エネルギーを開発する目的で1974年にサンシャイン計画が打ち出されました。 当初は、国内総エネルギーの20%を新技術によって充足することを目指していましたが、大きな成果は出ませんでした。 そうした中、日本のエネルギー供給体制を安定的なものとするために、原子力発電所の建設が進められてきた背景があります。 首相在任時と判断を変えた理由や、石油ショックを機に原子力発電が推進されてきた背景について何ら触れることなく、原発ゼロというのは、あまりに強引といえます。 ◆放射性廃棄物の最終処分場の決定へ 20日、経済産業省の作業部会で、放射性廃棄物の最終処分場の選定について、国が主導する方針が表明されました。長年の課題であった、最終処分場についての方針が示されたという意味で、評価できます。 「原発ゼロ」を求める小泉元首相を牽制すると同時に、これを逆手にとって、放射性廃棄物の最終処分場の選定も進めることで、原子力発電にまつわる長年の課題を解決し、原子力発電を活用しやすい環境を整え、日本経済をさらに成長させるチャンスとするべきです。 (HS政経塾部長兼政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) えっ!農地に植物工場を建てられない?――東北復興に向けた早急な法改正を! 2013.11.20 ◆植物工場―希望の未来産業 「植物工場」とは、施設内において、LED照明や空調、養液供給等により植物を生育し、季節を問わず連続的に生産するシステムのことです。 植物工場のメリットとしては、天候の影響を受けることなく安定的な生産が可能なこと、通年生産が可能なこと、単位面積あたりの生産性が高いこと、害虫がつかず「無農薬栽培」が可能なこと、施設の立地条件を選ばないこと、土壌を用いないため「連作障害」が無いこと、労働の負荷が少なく計画的な生産が可能なこと等が挙げられます。 そのため、「植物工場」は、日本の食糧自給率の改善・食糧安全保証のみならず、東北の農地復興、TPPに向けた農業の構造改革、百億人時代の世界の食糧危機打開策、砂漠や宇宙での新鮮でサステイナブルな野菜供給等、幅広い領域からの期待を受けています。 幸福実現党は2010年頃より、未来産業の一環として「植物工場を活用した農業の振興」を訴えて参りましたが、植物工場は丁度その頃より「第3次ブーム」に入ったと言われています。 2009年度の補正予算で、農林水産省が約100億円、経済産業省が約50億円規模の補助金を出し、民間企業による植物工場ビジネスへの参入が急増したことがきっかけです。 更に2011年度以降は、農林水産省は植物工場の施設整備・リース導入等に対する支援や、植物工場に関する技術開発や人材育成等の本格的な取り組みを始めており、植物工場への参入意欲が高まりつつあります。 ◆東北復興の切り札となる「植物工場」 特に東日本大震災以降は、津波で海水をかぶった農地の再整地や除塩を行わなくても早期に農産物を生産することができる施設として、また、福島では、原発の放射性物質の除染を行う必要の無い農産物の生産方法として注目されて来ました。 また、東北では、秋田県をはじめとして、過疎化や震災、人口移動等によって生じた工場跡地、廃校、廃屋等の空きスペースを活用して、「植物工場」を作る動きも活発化しています。 実際、青森県八戸地域や岩手県沿岸部、宮城県平野部、福島県全域では、植物工場の誘致、あるいは立地支援による早期の雇用確保と就業機会の増大、収入の拡大、地域産業の活性化を図る計画や取組等が増えています。 私(佐々木勝浩)の故郷である福島では、植物工場で生産された農作物を、細菌、農薬、放射性物質の心配の無い「三無い野菜」としてブランド化し、出荷することも検討されています。 こうした動きや起業家の要望を受け、政府は植物工場の立地支援策を復興予算を使って、植物工場に対する補助金を用意し、東北の農業再生支援を行っています。 植物工場のメリットとして、成長スピードが通常の2~3倍になる上、東北の厳しい気候変化にも影響を受けないことが挙げられます。 レタスなら年間20回も収穫でき、年間を通じて発芽から収穫までのサイクルを繰り返す「多期作」が可能になります。 植物工場は、年間を通じて安定的収入が見込まれるため、震災で失われた多くの雇用を回復し、人口を取り戻す切り札となります。 そのため、植物工場は「東北復興の切り札」として、政府、企業、農業関係者らからの期待がますます高まっています。 ◆農地に植物工場を建てられない!――早急な規制緩和を! このように植物工場には多くのメリットがある反面、広く知られている通り、光熱費を中心としたランニングコストが高く、採算性を取ることが難しい点がデメリットとして挙げられます。 山形県環境企画課の試算によれば、植物工場における代表的な作物であるレタスの生産コストは植物工場の設備規模により110~139円/株となります。 レタス1株を500g/株とすると220~279円/kgとなり、平均市場価格約200円/kgより、やや割高になります。 ランニング・コストにおいては、光熱費に加え、現在、農地法が問題となっています。 現在、建築基準法や農地法の関係で、農地に設置できる施設はハウス等の簡易な施設に限られており、閉鎖型施設の植物工場は高額な宅地に設置するか、農地転用を行う必要があります。 農地における植物工場設置の規制緩和については、民主党政権下における「規制仕分け」でも、安倍政権下における「規制改革ホットライン」でも検討課題となりましたが、残念ながら結論として、「転用許可が必要」という見解は変わっていません。 農地を転用した場合、土地の評価額が上がり、土地賃貸料が高くなる上、宅地なみの課税となり、ただでさえ高いランニングコストがはね上がり、採算分岐点が上昇し、一層、植物工場の採算性が厳しくなります。 植物工場の振興にあたっては、農地法の「農地」の定義を、現状の「耕作の目的に供される土地」(農地法第2条)から「農産物生産の目的に供される土地」に法改正すれば、農地における植物工場建設は認められるようになります。 TPPに向けた農業の構造改革の一環として、「減反廃止」や「農地の規制緩和」の動き等が加速していますが、企業の「植物工場」参入促進に向け、農地法第2条の改正も行うべきです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 【参考文献】 (1)復興庁(2013)「復興の現状と取組[平成25年9月25日]」 (2)農林水産省(2012)「農業用施設用地の大規模野菜生産施設等建築による農地転用基準の見直し」 (3)山形県環境企画課(2011)「山形県「緑の分権改革」推進事業委託業務調査報告書」 (4)三菱総合研究所(2012)「あおもり型植物工場ビジネスモデルの構築に向けた調査研究業務報告書」(2012 (5)野村アグリプランニング&アドバイザリー(2011)「植物工場のビジネス化に向けて~植物工場の事業モデル確立に向けた7つのポイント~」 客船誘致で日本経済の発展を 2013.11.04 今、世界的に「クルーズ」と呼ばれる産業が発展してきています。 毎年毎年、新造船が多数建造されており、クルーズ人口も増加の一途を辿っているところです。国土交通省の発表によると、日本のクルーズ人口だけでも2012年度には20万人を突破しています。 さらには、日本国内の港に寄港したクルーズ船(日本船、外国船合わせ)は、2012年度に初めて1000回を超えました。 ◆海運大国としての日本 元来、日本はその四方を海に囲まれていることにより、海運業を発達させてきており、海運大国、造船大国として知られていました。しかし、戦後造船業なども、中国・韓国に抜かれ、世界3位に転落してしまっています。 しかし、今日本には大きなチャンスが到来しています。クルーズマーケットとして、アジア地域の人気が高まっており、日本もその寄港地の選択肢として外国船が入港回数を増やした結果、先ほどのように寄港回数が1000回を超える結果となっています。 ◆クルーズ船入港の経済効果 クルーズ船が1隻入港した際にもたらされる経済効果は、例えば横浜港を発着する外国のクルーズ船1隻あたり、約2億円、日本のクルーズ1隻当たり約3500万円と推計されています。 これは、入港する港によって燃料の補給の有無なども違うため、あくまで横浜港の場合ですが、しかしながらこれだけの経済効果があることで、入港する地域の経済の活性化にもつながるものと言えるのではないでしょうか。 実際こうした収入があることから、アジア各国はクルーズ船の誘致に積極的に動いており、港に寄港する際に発生するポートチャージ(港費)の減免措置などを行っている国が存在しています。 さらには、世界的に増加している超大型船と呼ばれるクルーズ船が入港可能なように、自国の港の拡張、および客船ターミナルの設置などをおこなっている国も存在しています。 ◆誘致においての問題点 日本の港では、ポートチャージの減免を行う港を増やすことが必要であるとともに、超大型船が入港できる環境整備を行っていく必要があると言えます。 残念ながら、現時点では世界最大級の客船(約22万総トン)が入港可能な国内港は数港であるとされ、客船用の岸壁を使用できる港は1つしかなく、その他は貨物船用の岸壁などを使用することで何とか入港できる、といった状況です。 これには、船には「喫水」と呼ばれる海の中に沈んでいる部分の深さを示す指標が存在しますが、大きな船ほど、この喫水の深さが深くなってきます。これに対し、日本の港の岸壁において安全に入港できるだけの深さがない場合が多く、入港が難しいとされています。 また、岸壁そのものの大きさ(長さ)が足りず、着岸することが出来ない、というのも入港が不可能とされる理由の一つです。 ◆今後の誘致と発展のために いつでもそうした大型船の受け入れが可能な体制を整えておくことにより、実際の誘致もしやすくなると言えますし、大型船になればなるほど乗船人数も増えることから、観光収入やその他の収入も合わせた経済効果もより大きいものになります。 また、港の整備をしておくことで、客船だけではなく、貨物船であっても大型船が入港可能となり、その港を大型の貿易港としても使用することもまた可能であると思います。 ただ、地方の港においては、各地方自治体の予算の問題などもあり、必ずしも整備をしようと思ってもその費用に限界がある場合があると言えます。 それに対し、国として予算を計上し、支援を行っていく必要もあるのではないでしょうか。 他のアジア各国が国家として客船の誘致に取り組んでいる中、今後日本としても、各地方自治体だけではなく、国家として客船の誘致を行うための環境整備を考える必要があると言えます。 日本が再び海運大国として復活し、海運業を活性化させることで、もう1段明るい未来ビジョンが描けるものと考える次第です。(HS政経塾3期生 瀬戸優一) 政府活動の成果を明確にする公会計の役割 2013.11.03 ◇自由主義と無政府主義は同じではない 市場で供給できないサービスを公共財と呼びます。公共財は民間では代替できにくいと考えられているもので、司法制度や国防が代表的です。 自由主義陣営の中には、無政府主義という考え方がありますが、現代社会においては政府の完全否定は極端すぎると言えるでしょう。自由主義とは本来、無政府主義と必ずしも同じではありません。ノーベル経済学者であり、自由主義哲学の構築にも貢献したF・ハイエクでさえ、『法と立法と自由』の中で課税権の行使を認めています。ただし、公共財の提供者として政府が常に関わり続ける必要性はないというのが重要な論点です。 例えばハイエクは、中央銀行の民営化を提唱しました。貨幣の発行権を中央銀行が独占せず、民間の銀行にも発行させて競争させるメリットを説きました。幸福実現党もメガバンクからの紙幣発行を提言していますが、理論的な背景にはハイエクの思想があります。 最近では、公民連携(Public-Private Partnershipの頭文字をとってPPPとも呼ばれる)と呼ばれる行政手法が注目されています。つまり、役所の仕事を民間が代替することで自治体の行政コスト削減ができることを意味します。ハイエクの考えが、具体的な手法となった姿だと言えるでしょう(参考文献:O・ポーター著『自治体を民間が運営する都市』米国サンディー・スプリングスの衝撃)。 筆者が2月に参加したアジア・リバティーフォーラムの中でも、自由主義者の共通の理念は、私有財産の保証、市場メカニズム、そして限定的な政府活動Limited Government Activitiesだと教わりました。「経済学の父」と呼ばれたアダム・スミスの提唱した経済哲学も、ほぼ同じ内容です(スミスは分業と呼んでいたが、市場メカニズムにおける交換の利益と生産性向上を指す。『諸国民の富』参照)。 ◇政府の仕事に経営の発想を取り入れる よく「お役所仕事」と呼ばれる言葉は、行政の非効率性を表します。役所では予算をいかに使い切るかが課題で、余った場合は翌年の予算は切られます。決算期になると予算の費消が行われるのは、予算カットを恐れる役所の自己保身にあるわけです。 一方、民間では予算が余れば翌年に繰り越すなどして効率的な資金運用が前提とされます。企業は利益を出すことが最優先なので、予算を費消するインセンティブはありません(節税対策として意図的に赤字を作る企業は別)。 ◇行政の成果を表す公会計 経営とは、最小のコストとリスクで最大の利益をあげることです。税金を使用して公共サービスを提供する国家経営や地方自治体にも経営が必要なのは言うまでもありません。著名な経営コンサルタントとしてアメリカで活躍したP・ドラッカーも同じことを主張しています。そして、成果の貨幣的評価が会計なのです。会計とは、単なる数字の羅列や財務諸表の作成ではなく、資源を預かる者の成果を測る指標なのです。その意味では、企業会計の損益計算書にあたるものが公会計の成果報告書です。 行政コスト計算書も大事です。しかしながら、行政コストだけでは、行政の成果まで測ることはできません。行政の貨幣的成果とは、発生費用から受益者の負担などを差し引くことで求められます。両者が均衡していればサービスと費用は釣り合っています。受益者の負担以上に費用が高い場合は、経営に問題がある証拠です。費用の財源は税金なので、この値が大きければ「将来の税金」として増税される可能性が高くなります。 ◇会計の情報開示と国民の関心 公会計は、納税者に政府活動の会計情報を提供します。会計情報に基づいて首長や内閣総理大臣が納税者の負担を減らすことができたかどうかの成果を測る上では有益です。費用が増大した場合は、国民や市民に説明をしなければいけません。最初から増税を主張する経営者は、赤字を価格引き上げによって賄おうとするようなものです。民間では、そのような会社は倒産することになるでしょう。 17世紀の思想家であるモンテスキューは、「彼らは常に政府の窮乏について語り、われわれの窮乏についてはけっして語らない」と著書『法の精神』に記しました。しかしながら、現代では、有権者が正しい情報を目にすることなく、選挙のない時に増税が進行します。その根拠が「国の借金が1000兆円」とか「一人あたり800万円の借金」といって財政の窮乏を語って増税を正当化していますが、国民負担が増えることについては触れません。モンテスキューの指摘は現在でも当てはまっています。別の見方をすれば、国民が政府活動の成果に関心がないので、財政の窮乏は生活の悪化と思い込んでしまいます。つまり、財務省や増税派の政治家は、国民の無関心を利用しているわけです。 もし会計情報の浸透と国民の関心の高まりがあれば、政治家や役人が税金の無駄使いをすることが難しくなります。ましてや、増税などは主張できなくなるのです。 現在の公会計は、地方レベルで初歩的な導入が始まっています。市議や県議、知事を目指す方は、公会計とPPPの導入を公約としてもよいでしょう。いずれ政府にも適用しますが、まずは地方から実績をつくることも必要です。明治維新が地方から始まったように、改革は地方レベルから始まるかもしれません。幸福実現党としても、公会計とPPPは今後も研究を重ねて政策提言をしていく所存です。(文責:中野雄太) 未来産業に向けた大胆な法改正を!――「自動運転カー」は違法? 2013.11.01 ◆世界をリードする日本の「自動運転システム」 日本の未来産業の切り札の一つとして期待されているのが「自動運転システム」です。 日本の「自動運転システム」はトヨタ、日産、ホンダの3社が開発中で、世界をリードしています。(10/17 日経「『自動運転』こそ日本の切り札」) 日産は今年8月、2020年までに自動運転技術を搭載した車両を量産販売する準備が整ったと発表しており、一般消費者が入手可能な価格で、複数車種の自動運転車を用意する予定です。(8/28 ITMedia) また、トヨタは10月中旬、首都高で自動運転技術を利用した公道デモ走行を公開しました。 自動運転カーは渋滞や急カーブにあふれた都市の高速道路でも使えるのが特徴で、ドライバーがハンドルから手を離し、アクセルやブレーキのペダルからも足を離して自動運転する様子がテレビで全国に放映されました。(10/20 日経「トヨタの自動運転車に乗ってみた 初心者でも首都高安心 とっさの判断、人より速く」) ◆「手放し自動運転」に国交省や警察が激怒! しかし、トヨタが首都高で「手放し自動運転」を実演したことに対して、国土交通省や警察庁が「完全な道路交通法違反。業界のリーダーとしてあるまじき行為だ」と怒り、「待った!」をかけました。(10/16 Business Journal「警察庁と国交省が激怒!トヨタが首都高で違法自動運転を実演」) 道路交通法第70条には「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない 」とあります。 そのため、トヨタの首都高(公道)での「手放し自動運転」は違法と見なされたためです。 しかし、自動運転カーは決して危険ではなく、とっさの事への対応も人間の判断よりも速く、事故予防はもちろん、無駄な走行もなくなり、車がすいている道を自動で選択するので、渋滞を生じにくくする効果もあり、警察や国交省にもメリットがあるはずです。 これは、日本のお役所の「頭の硬さ」が、日本の未来産業の発展をストップさせている典型事例です。 ◆早急に、自動運転を認める法改正を! アメリカでは、グーグルが8月に、自動運転カーの実験車両が走行距離累計30万マイル(約48万キロ)を突破し、これまで無事故だったと発表しています。(8/8 ITmedia「Google自動運転カー、48万キロを無事故で走破」) グーグルが長距離の公道走行実験をして来た背景には、米国ではネバダ州など一部の州で、公道で自動運転カーを試運転できる免許を発行して来たからです。 さらに、カリフォルニア州では今年9月、公道での自動運転カーの走行を許可する法案が成立しています。 現在は日本の自動車メーカーが技術面においてリードしていますが、グーグルなど米IT企業も追随しており、日本政府が公道での自動運転カーの走行を一切認めない現状では、米企業に追い越される日も近いと言えます。 日産も「法律改正を前提条件として自動運転車を商品化する」としていますが、現在、日本では自動運転カーを公道で運転できるようにするための法改正の動きは全く見られません。 自動運転カーはもはや「夢の技術」ではなく、既に実用段階に入りつつあります。 自動運転カーが実用化されれば、自動車は行き先を入力するだけという「家電感覚」になり、自動車運転免許は不要になります。道路標識や信号さえ不要になります。 そのためには、大幅な道路交通法の改正を視野に入れていく必要があります。 少なくとも、まずは自動運転カーの試験走行を認めるよう、早急な法改正をなすべきです。 ◆未来産業に向けた大胆な規制緩和を急げ! 日本は再生医療の研究レベルでは世界のトップを走っているものの、再生医療製品の実用化では欧米に遅れを取っています。 その理由は、製品化に向けた厳しい法規制が山ほどあるためです。 日本が世界に誇る「自動運転システム」も、再生医療製品実用化の遅れの前轍を踏むことのないよう、早急に手を打つ必要があります。 日本には世界に誇る最先端の未来産業のタネが数多く存在していますが、厳しい規制で縛られ、芽を出しにくい環境にあります。 「未来産業」という大樹を育むためには、政府は大胆な規制緩和を断行すべきです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 真実の「公器」とは 2013.10.29 ◆連合の賃上げ交渉 労働組合の中央組織、連合は24日、2014年の春季労使交渉で全組合員の基本給を「定期昇給」の2%を確保したうえで、一律で1%以上引き上げるベースアップ(ベア)の実施を求めると決めました。(10/25 日経) 長引くデフレ経済のもと連合のベア統一要求は2009年以来5年ぶりとなります。25日付の日経はこのニュースを一面で取り上げました。 連合の決定を受け、自動車総連、電機連合もベアを要求する方向で検討しており、賃金交渉に影響力がある二大産業の労組がベア要求で足並みをそろえることとなりました。 古賀伸明連合会長は同日の会見で、「国民所得が向上しなくては、デフレから脱却できない。物価だけが上昇すれば、家計も社会も混乱する」とその理由を語りました。 ◆物価上昇率は2%という錯覚 日経の報道は、あたかも連合の5年ぶりのベア要求が、景気が全体として回復傾向にあることの証左であり、消費増税の決定は妥当なものだったと遠まわしに言っているかの印象も受けます。 しかし、政府の試算(内閣府年央試算H25.8.2)によりますと2014年度の消費者物価上昇率の見通しは前年比+3.3%です。(消費増税の影響含む) ゆえに例え春闘で3%の満額回答が得られたとしても、政府物価上昇見通し3.3%より少なく、雇用者の実質賃金は減少することになります。 連合が「2%の定期昇給+1%のベア=3%の賃金上昇」を掲げるのは、政府と日銀が「物価上昇率2%」というフレーズを繰り返してきたからです。 これによって国民の間に植え付けられた「物価上昇率は2%」という錯覚を利用する意図があるのかもしれません。(近藤駿介氏BLOGOS論考⇒http://blogos.com/article/72366/) 2%の「物価安定目標」は、消費増税の影響を除いたものです。実際は消費増税の影響を加味した「物価上昇率」となり、もっと高くなるはずです。 通常、増税分100%の価格転嫁は困難と言われていますが、「消費税転嫁対策特別措置法」により転嫁カルテル(価格協定)を結ぶ等の対策により消費増税の影響分だけで3%近くになる可能性もあります。 連合の要求内容は雇用者の報酬を引上げるものではなく、満額回答でも実質的に報酬減の可能性が高いのです。 ◆新聞社の不都合な事実隠蔽 安倍首相が、消費増税が許される条件として賃金アップを掲げていますが、連合のような強者ですら実質報酬減、ましてや十分な組合組織もない中小企業においてはさらなる報酬減となります。 大手新聞が、実質報酬減という事実を伏せ、ベースアップ要求のところだけ報道するとは、そこに恣意が働いているということではないでしょうか。 消費増税に賛成の立場の新聞社が、不都合な事実を隠蔽しているといわれてもいたしかたありません。 そもそも連合も消費増税には賛成の立場でした。ゆえに、実質的に報酬増が期待できないベースアップ要求をしたことは、国民生活を苦しめる増税に賛成した罪滅ぼし、アリバイ作りと勘ぐられてもこれまたいたしかたないと思います。 日本新聞協会は、「新聞の公共性」に鑑み、新聞は軽減税率を適用すべきであると主張していますが、公器にしてはあまりに恣意的報道が目立つと思われます。 消費税増税の問題点を一番報道すべき時、すなわち選挙前には「政局」一辺倒の報道に終始し、消費税の問題点には触れず、増税容認の立場の報道が目立ちました。 実質報酬が減になるレベルの連合のベースアップの要求を一面に掲載し、かつ報酬減の可能性については一切言及していません。 ◆真実の「公器」としての政党 それどころか5年ぶりのベースアップ要求をできたことが景気回復の証であるかのような報道姿勢に、新聞社としての公器たる資格はあるのでしょうか。 幸福実現党は、真実のマスコミの機能も果たしていかなければならないと考えております。真実の「公器」としての政党となるべく精進してまいります。 皆さまのご指導・ご支援をよろしく申し上げます。(文責・岐阜県本部政調会長 加納有輝彦) 日本にもアメリカにも必要な「パラダイムシフト」 2013.10.28 ◆米国の政府閉鎖 今回はこの場をおかりして、私がHS政経塾の塾生として参加させていただきました10月6~13日のワシントン・ニューヨークへ視察研修に行って感じたことを報告させていただきたいと思います。 まず、このような素晴らしい研修の機会をお与えくださり、普段よりご支援くださる方々、また研修において大変お世話になった方々に心より感謝申し上げます。 ご存知のとおり、その期間はちょうどアメリカでは政府のシャットダウン(政府閉鎖)が起きていたわけですが、これはアメリカ議会で予算案が通らず招いたものです。 私達は幸いにもアメリカ議会の議事堂に見学に入ることができました。私の不十分な英語力ではありますが、共和党と民主党の両党議員のスピーチを聞いていると、当然のごとく「責任は共和党側にある」、「いや、民主党が悪い」など責任の押し付け合いをしていました。 しかし、その様子を聞いていると、議論というよりも、むしろパフォーマンスをしているような印象を受けました。議論を前進させ、シャットダウンを少しでも早く終わらせようとする雰囲気はそこには感じられませんでした。 恐らく、公開された議事堂の中ではなく、「私達には見えない場所」で事態打開に向けた動きがなされていたのだろうと思います。 アメリカの大統領は民主党のオバマ大統領で、アメリカ議会の上院は民主党が、下院は共和党がそれぞれ多数を占めており、今回のシャットダウンは共和党が多数を握る下院において予算案の合意が遅れたことによるものです。 ◆米国民の政治に対する不信 シャットダウンが終了した後に行われたアメリカCNNの世論調査によりますと、「共和党が下院の多数派を占める状態は米国にとって良くないことだと答えた人は54%」で、「昨年12月の調査に比べて11ポイント増加」しています。 「共和党のベイナー下院議長が辞任すべきだ」との回答は全体の63%、共和党員の中でも約半数に上っています。留任を望む声は全体の30%に過ぎませんでした。(10/22 CNN「米政府閉鎖解除後の世論調査、共和党に逆風」http://www.cnn.co.jp/usa/35038836.html ) このように共和党の議会運営に対して厳しい見方がなされているのと同時に、オバマ大統領の支持率も40%台は維持しているものの高くなく、連邦議会の支持率は12%と史上最低までもう一歩、不支持率は86%と史上最高に迫っており、連邦議会に対する支持そのものも非常に低く米国民の信頼を失っている状況です。 この政治に対する不信は、米国民の方々が、自分達の未来に対する希望を感じられないということを意味しているのではないでしょうか。 ◆米国に必要な「経済成長の構想」 ここで私はワシントンで私達政経塾生にご講義を賜りました、『月刊ザ・リバティ』でもおなじみの伊藤貫先生がおっしゃったことを思い出さずにはいられません。 伊藤貫先生は『自滅するアメリカ帝国 -日本よ独立せよ-』で次のように指摘されています。 「過去三十年間のアメリカの所得と資産の配分に異常な歪みが生じ、人口のトップ一%層に所得と資産が集中してきた。その一方、アメリカ国民のボトム四割の実質所得は低下し、中間層二割の国民の実質所得は停滞してきた。(中略)オバマ政権も金持ち優遇政策を続けており、二〇〇九~二〇一一年、米人口のトップ一%層に所得と資産が集中する現象は、ブッシュ(息子)政権時よりも激化している。」 つまり、オバマケア等の社会主義色のある政策を行い「大きな政府」的な政策を進める民主党政権も、ティーパーティ運動等に見られる「小さな政府」を推し進めようとする共和党も、結果として一部の層に所得と資産が集中してしまった点では共通しています。 意外にもオバマ政権の「金持ちに厳しく、弱者にやさしい」という左翼的に見えがちなところは、実はこれまでのところ、心ならずもかもしれませんが、見せかけ部分が存在したということだと思います。 そしてアメリカの共和党と民主党がそれぞれ共通して示すことができないでいるのは、「国民全体が豊かになる経済政策と、経済成長の構想」ではないかと思いますし、アメリカの政治も今苦しみの中にあることを感じました。 ◆最大多数の最大幸福 対して私たち幸福実現党は「最大多数の最大幸福」の追求という考え方を持っていますので、一部の特権階級のようなものができることを良いこととはしませんし、かといって、「魂の向上」という宗教的観点から「自助努力の精神」を大切にしています。 「結果の平等ではなく、機会の平等」を追求し、自由に競争するための「自由の領域」を大切にして、それぞれの個人の努力の結果に差がつくことを悪いこととはしません。ただ同時に、許容される貧富の格差には限度があることも事実です。 そして私は、幸福実現党がその宗教的価値観というベースから導き出された経済政策において「これまでに無かった新しい考え方」が示されているのだと思いますし、それこそが次世代をリードするものだと思っています。 ◆幸福実現党の政策と米国視察で感じたこと 例えば「消費税増税中止」「大胆な減税」「安い税金」など「小さな政府」を目指し「自由の領域の拡大」を追求ながらも、同時に「200兆円未来国家建設プラン」など、積極的な財政政策や「インフレ目標の設定」などの金融政策をかかげています。 これは、実は「矛盾するものではなく、それを統合した全く新しい考え方」であり、これこそがグローバル化した貨幣経済の中において日本が取るべき「次の考え方」なのではないかと感じています。 私達幸福実現党は「自助努力の精神」や「自由」を大切に考え「小さな政府」「安い税金」を目指すことや「強いアメリカ」であることを支持しており、日本においても「強い国防体制構築」を目指すなど、アメリカ共和党の政策に近い考えを持っています。 ただ米国視察で感じたのは、「完全に共和党的であるか」といえば、そういうわけでもなく、また逆に民主党の考えとは全く一致しないというわけでもないということでした。 幸福実現党は、共和党に近い考えを持ちながらも、新しい考え方を打ち出していると言えると思います。つまり、私たちの政策は、既存の何かに単純にカテゴライズできるものではなく、全く新しいパラダイムを提示しているのだと思います。 そしてこの「パラダイムシフト」こそ、今世界で待たれているものなのではないでしょうか。もちろん同じ価値観のベースから出される政策でも、国や地域によって違いは出ますので、幸福実現党が日本で掲げた政策を、そっくりそのまま他の国に持っていくことはできません。 しかし「新しい価値観や考え方」を提示しているからこそ、それを実現するための政党「幸福実現党」が必要なのです。この「価値観や考え方」を転換する運動であるがゆえの「産みの苦しみ」を突破したときに、日本の未来が拓けるのと同時に世界にその影響がおよび、アメリカの未来をも拓く力になるのではないかと思います。 ただ、アメリカでは、それこそ街を歩くだけでも感じることのできる「愛国心」や「国に対する誇り」をはじめとして、学ぶことも多くありますので、良い面には学び、日本からも新しい価値発信を行えれば、と感じた次第です。(文責:HS政経塾第2期生 曽我周作) 世界一の「おもてなし」精神で、日本に富を集めよう! 2013.10.26 ◆世界に誇る「おもてなし」精神で引き寄せた2020年の東京オリンピック 2020年の東京オリンピック招致のために、滝川クリステルさんが行ったフランス語スピーチの中で使われた「おもてなし」。2013年の流行語大賞の可能性も出ている言葉です。 スピーチでは「おもてなし」を、日本に深く根付いている見返りを求めないホスピタリティの精神であるとし、その例として、昨年3000万ドル(約30億円)が落し物として警察に届けられていたことを提示。東京で、もし外国の方がお金を落としたとしても、それらはほぼ確実に返ってくるでしょうと紹介しました。 私たち日本人でさえびっくりするような事実ですが、あらためて日本人のモラルの高さ、正直さ、清廉さを世界に知らせることができたすばらしい機会でした。 オリンピックが行われた国では、その後繁栄を引き寄せるか、衰退に進むか、明暗が分かれると言われます (The Liberty Web 「東京五輪決定で国運を占う – The Liberty Opinion 1」)。 日本は、この「おもてなし」精神を発揮して富を集めて東京を世界一の街とすることで、1964年の第一回東京五輪後の高度経済成長を超える、超高度経済成長を成し遂げなければなりません。 ◆「和食」や「富士山」などの素晴らしい材料に、「おもてなし」の心を添えて 10月22日には、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産の事前審査で、日本が提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」が記載にふさわしいと勧告を得ました。 また本年は、富士山も「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として、世界遺産に登録されています。 これらを含め、日本に多数ある素晴らしい自然や観光名所、歴史遺跡などの材料を基に「おもてなし」のこころで味付けをすることで、世界一の思い出を海外の方々にも持って帰ってもらうビジネスを発展させることが可能です。 例えば今、中国客の減少をASEANからの旅行客が埋めるようになってきています。その中で、新たなビザの緩和で期待されるのがマレーシアやインドネシア観光客です。 両国からの旅行客誘致の鍵はイスラム教徒への対応です。マレーシアの6割、インドネシアの9割がイスラム教徒であるため、宗教上、食事や礼拝の配慮が必要であるのです。 そのため、関西国際空港では豚肉やアルコールを使っていない食品表示を行ったり、祈祷室や礼拝前に体を清める小浄施設を設置しました。(週刊東洋経済 「おもてなしで稼ぐ」) 相手の宗教を重んじる「おもてなし」の心を実際に設備として現すことで、更に多くの利用客が関西国際空港を利用し、日本中を旅するようになるでしょう。 ◆喜んでお金を使ってもらえる環境整備を 「おもてなし」とは、真心から生まれる相手への想いやりが、相手に満足を超える感動を与えた時に生まれるものです。自分のために行うみせかけの行為からは決して生まれるものではありません。 2020年に日本に来た外国人から税金をたくさんとるために、2020年前に消費税を更に上げるべきだ、ということを提言している経済財政諮問会議の元民間議員の提言を読んだことがありますが、なんと貧乏くさく、けち臭い考え方でしょうか。私たちが大切にしている「おもてなし」精神の欠片も感じとれません。 例えば、JR九州が今月15日から運行をしている豪華寝台列車「ななつ星in九州」では日本初の陸のクルーズを楽しむことができます。湯布院や阿蘇で温泉や大自然を満喫することが可能です。 内装は、バーカウンターやピアノはもちろん、列車の一両を2室にした「DXスイート」、ヒノキ張りのシャワー室や人間国宝の手による洗面ボウルを備えるなど和を意識した内容で、外国人が憧れる美を体現しています。 更に、特定車両には専用の客室乗務員を配置してサービス向上を図るため、利用料金を現在の56万円から70万円台に引き上げることを決めていますが、これは利用確保を見込んでのことです。 このように、サービスの中に「おもてなし」の心さえ感じることができれば、人は喜んでお金を払うのです。 喜んでお金を払うからこそ、win-winの関係になり、リピーターになってくれ良い噂が広まりますが、高い税金を嫌々払わされた場合には、嫌な思いをさせるだけで二度と利用してくれなくなります。 財政においても、この「おもてなし」の心を伝えることが絶対に必要なのです。 消費税増税はもってのほかですが、所得税や法人税を下げる、特区を作るなどの努力により、東京オリンピックをきっかけにして外国人が日本に永住したくなるような環境を作ることが国の仕事であると考えます。 類は友を呼ぶように、富は富を呼び、豊かさは豊かさを更に呼びます。2020年に向けて、日本が繁栄を世界から呼び込むかどうかは、真なる「おもてなし」精神を体現できるかどうかにかかっていることは間違いありません。(文責:HS政経塾1期生 湊 侑子) 政治家に求められるスチュワードシップという考え方 2013.10.23 政治家は有権者の代表者です。国会議員、地方議員に限らず、選挙によって選ばれている以上は、有権者のために働くことは当然の義務であり、最低限の職業倫理であります。 今回は、スチュワードシップという考え方を紹介したいと思います。 ◇スチュワードシップとは何か 会計学の教科書には、スチュワードシップStewardshipという言葉が出てきます。日本語では受託責任と訳され、主に株主と経営者との関係で語られます。 要するに、株主から委託された資金をきちんと管理するだけではなく、株主の利益に合うように最大限の経営努力をするということです。経営者が、株主総会で株主の期待に応えられない場合は、痛烈な批判を浴びるか退任を余儀なくされます。経営者は、厳しい成果責任を問われているわけです。 その意味では、政治家は有権者によって選ばれているわけですから、国民への受託責任が生じると考えるのが自然でしょう。彼らの生活は血税によって成り立っています。政治家は、公人として有権者から預かった税金を使って、国民へのサービスを提供し、最大限の満足を得るというのが本来の受託責任となります。従って、政治家がスチュワードシップの精神に戻ることは、安易な増税路線への抑止力になるのです(もちろん、有権者が安易に国に依存することも問題だが、今回は受託責任に絞って議論する)。 ◇税金使用の成果を白日のもとにさらす公会計の役割 国民の税金を使用している以上、やはり一定の成果を示さなければなりません。成果を最も端的に表しているのが会計です。会計とは、単なる数字の埋め合わせではありません。経営者の功績を測ること。言い換えれば、経営者=政治家の成果を明らかにすることが大事なのです。 一般の企業では、売り上げから費用を引いた値が収益とされます(いわゆる損益計算書による定義)。政府の場合は、様々な公共サービスにはコストが付きます。そして、公共サービスを受けるために、国民は納税をします。言い換えれば、費用から受益者負担を引いた値が納税者の負担です。 公会計の勘所は、費用と受益者の負担を均衡させる点にあります。費用が上回っているならば、受益者の負担を増やすのではなく、リストラをして下げること。リストラ努力をしなければ、差額分は「将来の増税」としてみなされ、増税を引き起こすことになります。 そして、どの分野にどれだけの資金が使用されているかをはっきりさせることです。 千葉商科大学大学院の吉田寛教授の著書『公会計の理論』には、東京の某23区内の私立幼稚園と区立幼稚園の経費を比較した成果報告書が掲載されています。 区立幼稚園児一人あたり費用は93万に対し、私立幼稚園は46万円です。 これらの数字から園児納付金等を差し引いた値が区民の負担ですが、区立が86万円に対して私立が約14万円となっています。驚いたことに、私立幼稚園は区立の6分の1の負担で済んでいることが明らかにされています(同書には、高速道路や自治体の成果報告書も掲載されている)。 公会計の最大のポイントは、行政コストが明確にされること。そして、成果報告書を通して行政の効率化の状況を国民に説明しやすくなる利点があります。 ◇減税を実現する一つの道具としての公会計 翻って、国の会計はどうでしょうか。 確かに、貸借対照表は作成しているようです。ただ、公表が2年から3年に一回程度であり、財務省のホームページに入ってもすぐには見つけられなくなっています。極めて複雑であり、納税者の目をくらましているにしか見えません(特に、特別会計は専門家でも理解に苦しむほど複雑だと言われている)。 社会保障にしても、保護を続ける農政にしても、やはり一度成果報告書を作成して費用が増えている理由をきちんと白日のもとにさらすべきです。やはり、国レベルでの「棚卸」をするべきであり、安易に赤字の垂れ流しを正当化することは問題があります。 今後は、国土強靭化計画や東京五輪のインフラ整備等で公共事業が発注されることになるでしょう。その際も、更新引当金を積むことで耐用年数を迎えたインフラに対して国民の負担が増えないようにすることが、公会計を導入することで実現します。→参考:五輪招致成功で増税。五輪が終了しても増税? 現在、公会計の導入は進んでいませんが、政治家の皆様が納税者のために最大限の経営努力をするスチュワードシップの精神を持って頂くことが国の財政赤字削減と小さな政府実現に向けたエンジンとなります。 幸福実現党は、国や地方自治体に経営の思想を導入し、小さな政府の実現を目指しています。だからこそ、今回紹介した公会計は十分検討に値すると考えます。(文責:幸福実現党静岡県本部幹事長 中野雄太) 新しい「金融教育」の実現で日本にバンカー精神を根付かせよ! 2013.10.19 ◆「お金に関するしつけ」は世界的なトレンド 日本では来年からNISA(小額投資非課税制度)が始まり、個人投資家にとっての環境が整いつつある中、家庭内においては幼少期から金銭感覚、採算感覚を養う教育が流行しており、「お金に関するしつけ」が日本でも脚光を浴び始めております。 こうした「お金に関するしつけ」は、いわば世界的なトレンドであり、経済協力開発機構(OECD)では、2008年に「金融教育に関する国際ネットワーク(INFE)」を組織し、「金融教育の推進は国家戦略に不可欠である」という承認を国際的に取り付けています。 ここで言う「金融教育」とは、個人の金融リテラシー(知識を駆使できる能力)を高めるための教育という意味で「パーソナル・ファイナンス教育」とも呼ばれています。 更にINFEでは「学校における金融教育のガイドライン」が本年発表され、若年層における金融リテラシーの向上のために、学校における金融教育の必要性が強調されております。 ◆世界的に遅れている日本の「金融教育」 しかし、日本の学校における「金融教育」は、世界的に見ても「先進的である」とは言い難い現状です。 文部科学省の学習指導要領によると、小学校では金融(お金)について全く触れられておりません。 中学校や高校に入ると「金融の仕組みと働き」について扱うようになりますが、その中心は金融制度と金融政策などというマクロ経済的な内容となっており、個人(家計)とお金の関わりについては範囲が極めて限られていると言われています。 実際、Visaが日米の大学生に対して実施した「金融教育に関する日米大学生アンケート」によると、小・中・高等学校のいずれかで金融教育を受けた経験があると回答した大学生は日本が39.7%(124人)なのに対し、アメリカでは72.2%(249人)と約2倍の差があるとの結果が明らかになっています。(ビジネスアイ2013/8/23) また、日本銀行が2008年に日本の成人に対して実施した「金融に関する消費者アンケート調査」において、金融商品について「ほとんど知識がない」と思う人は63.7%だったのに対して、「十分知識がある」と思う人はわずか4.7%で、ほとんどの日本人が未だにお金の運用について、無頓着であるという統計が出ております。 こうした状況を踏まえ、2013年1月に安倍政権が発表した緊急経済対策には7年ぶりに「金融経済教育の推進」が掲げられ、金融庁でも「金融経済教育研究会」などを設置し、最低限身につけるべき金融リテラシーを15項目にまとめています。 しかし、教育現場での最大の問題点は、授業時間数が足りないという点であり、現行の教育課程の中では別の学習項目を減らす必要があり、非常に厳しい状況にあります。 ◆アメリカの伝統である「お金の哲学」 一方、アメリカにおける「金融教育」には長い歴史があります。 実際に、19世紀にアメリカに渡航した福沢諭吉は、「アメリカの母親は、子どもを金銭に敏(さと)い大人になるよう非常に熱心に教育する」と述べ、良くも悪くも日本との違いを実感していました。 現代においても、日本のような学習指導要領がない代わりに、幼稚園から高校までの金融経済教育を推進しているアメリカ経済教育協議会(CEE)が、それぞれの段階で身に付けるべき金融リテラシーを示した「Financial Fitness for Life」という指導書を児童・生徒用、教師用、家庭用など類型別に出版しています。 その中では、「お金を増やすにはどうするのか」や「貯金箱と銀行預金の違いの比較」、「債券や株式、投資信託の仕組み」、「リスクと分散投資の大切さ」などが盛り込まれており、これらを元に学校と家庭における金融教育の実施が可能になっているのです。 と同時に、福沢諭吉は「アメリカ人は艱難辛苦(かんなんしんく)、克苦勉励して貯めた財を時に、惜しげもなく社会に役立てるためにと寄付する」と記しているように、寄付の精神もアメリカの伝統となってきました。 実際に、2002年度における個人寄付金の日米比較を見てみると、日本の2,189憶円に対して、アメリカは約23兆円に上り、なんと100倍以上の開きがあることが分かります。 ◆アメリカに見習いながら、新しい「お金の哲学」を日本が広めよ こうしたアメリカの「お金」に対する哲学が、19世紀から現在に至るまでのアメリカの大いなる繁栄を創り上げてきたという事実を、まず日本は認め、見習う姿勢が必要です。 しかしながら、そのアメリカもサブプライムローンを発端とした2008年の金融恐慌によって行き過ぎたマネー経済の実態が露呈されております。 また、アメリカの金融業界においても、5年先の企業成長を見る「バンカー」が5分先の利益を追いかける「トレーダー」によって駆逐されている現状があり、昨今のアメリカ政府のデフォルト騒動で見る財政均衡志向など、アメリカの強みであった「お金」の領域で限界を見せ始めているのは確かであります。 ◆宗教教育+金融教育のブレンドがカギ これからの金融教育の土台には、道徳を超えた「時代に適合した宗教的精神」が必要である証だと私は考えます。 日本人が宗教的精神、善悪の価値基準に基づいた金融リテラシーを備えることで、現在、日本人の見識不足によって漂流している個人金融資産1500兆円の行き先をしっかりと指し示すことが出来るようになるのです。 このようにバンカー精神が国民に広く共有されることで、私たちの幸福を増進させるような優良企業への投資が進み、日本経済に未曽有の大発展をもたらします。 と同時に未だ飢餓や貧困で苦しむ発展途上国への投資を促進させ、世界の幸福実現に貢献できる新しい「リーダー国家像」を形成することができます。(HS政経塾第1期生 城取良太) 参考文献:週刊エコノミスト(10月15日号) すべてを表示する « Previous 1 … 60 61 62 63 64 … 78 Next »