Home/ 経済 経済 これからの農政に必要な2つの踏み込み――日本の農業を成長産業にするために 2014.06.10 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆農業改革に本格的に動き出した自民党 安倍政権が農業改革に本腰を入れ、動き始めました。 具体的に、全国農業協同組合中央会(JA全中)の廃止・縮小や、農地の所有に関する審査を行う農業委員会の公選制、企業の農業生産法人への出資比率の大幅緩和など、政府の規制改革会議が5月にまとめていた改革案を大筋で容認し、農協法などの関連法の改正案を来年の通常国会に提出する方針となっております。 安倍政権は昨年、農業改革の手始めとして、2019年を目処にコメの減反政策の廃止を決定しましたが、今回は、農家の役に立っていないと批判されている農協の改革を中心に据え、農業における岩盤規制の本丸へメスを入れようとしています。 ◆踏み込みが足りない自民党の改革案 しかしながら、規制改革会議の素案に比べて、自民党の改革案の「踏み込み不足」は否めません。 一つ目は、「農協改革への踏み込み不足」です。 改革会議においては、JAグループの代表機能を持つJA全中や都道府県の中央会の「廃止」を打ち出していたにもかかわらず、自民党案では「現行の制度から自律的な新たな制度に移行する」とし、自己変革を促すという名目の玉虫色の文言に差し替わってしまいました。 JA全農の株式会社化については、改革会議での提言は「株式会社へ強制転換」でしたが、独占禁止法の適用除外がなくなる問題を精査する必要があるとし、前向きに検討するとはいえ、明言を避けています。 二つ目は、「企業の農地所有に関する踏み込み不足」が挙げられます。 確かに改革会議の提言通り、企業が農業生産法人に出資する際の比率を原則25%以下から50%未満に引き上げることを容認し、今までの厳しすぎる基準が大幅に緩和されました。 一方で事業を長期間続ける企業に対し、全額出資を認め、企業の農地所有を解禁するとした改革会議の案に関しては、5年後の検討課題として見送っています。 確かに2009年の農地法改正によって、農地貸し出しを自由化し、多くの法人が参入した実績はありますが、企業の農業への100%自由な参入に対しては、まだまだ壁が厚いことが示されたと言えます。 ◆「農家のための農協」という原点に戻れ 戦後GHQ主導による農地解放によって、地主制に代わり、戦後の農業・農村を主導したのは農協制でした。 確かに、農協の存在根拠となる農協法に定められた「農業生産力の増進」という立法趣旨は、食糧増産が必須だった終戦直後においては、短期的には守られたと言えます。 しかしそれ以降、「農業生産力の増進」や「農業従事者の経済的地位の向上」という当初の趣旨よりも、農協自体の発展が主眼に置かれてきました。 例えば、高米価を維持するために、減反政策を行ったことで、多くの兼業農家を誕生させ、農業だけで生きていこうとする農家ほど報われない不公平な仕組みを創り、逆に農業生産力を衰退させてしまった事例もあります。 そして今回、議論に上がっているJA全中は、全国の農協の頂点に立つ組織で、各農協への一律的な経営指導や監査を行う一方で、農協組織を集票マシーンと変え、戦後農政の発展を削いできた張本人と言えるでしょう。 改革会議案通り、JA全中の廃止を前提に、全国の農協組織をいったん株式会社化することで、農家が本当の意味で便益を得ることができる、農協の本来あるべき姿にまずは立ち返ることができるはずです。 ◆「農村の企業化」こそ、地方再生の切り札 また、日本の農業がホンモノの成長産業になるかどうかは、新しい担い手の登場が急務になっております。 それは、自由に農地を取得できる企業の出現をおいて他にありません。 日本のバイオ分野における技術力は世界的に見ても非常に高く、そうした智慧をマネジメントできるような企業を農業に参入させることで、世界的な農業企業を数多く生み出すことも期待されます。 農村の現場では、後継者問題や過疎化が深刻化されておりますが、本当にそうした問題を解決したいのならば、企業と対決してはいけません。 「農村の企業化」を促進していくことこそ、地域の雇用を創出し、若者を地方に呼び戻す力になるのです。 *YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします!是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=tyO_ZupjhJg 「『中東熱風録・エジプト編②』 ~かつての親米国・エジプトは今・・・~」 日本の繁栄のために克服すべき事 ~「小保方論文」撤回を受けて~ 2014.06.08 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆今、必要なのは「起業家」「成功者」を多数輩出すること 4月の消費増税以来、日本経済は不透明な状況が続いています。 物価は、消費税分の負担増が現実のものとなっているものの、株価は1万4千円~5千円台を維持しており、先行きに希望がなくなったわけでもなく、全体的に「様子見」の状態となっています。 さて、このような不透明な経済見通しの中で必要なことは、一人でも多くの「起業家」の輩出です。しかも単なるチャレンジャーではなく、成功する起業家の輩出こそが今、日本には求められています。 ユニクロの柳井氏、楽天の三木谷氏などは、経営上の課題は指摘されているものの、「成功者」として認められつつあります。こうしたタイプの方が次々と出てくる事が日本のGDPを押し上げ、雇用を増やすのです。 そうした意味で、教育においても、今後の国家の繁栄のためには、横並びの一律の人材を求めるのではなく、「周囲とは異質な自らの考えや発想を大切にし、事業を成功・発展させる起業家を一人でも多く輩出する」という気概が必要です。 ◆チャレンジ精神を失わせた二つの事件 しかし、残念ながら、現在の日本を見てみると、若者から「チャレンジャー」が出てくる様子がほとんど伺えません。なぜ、このような状態になってしまったのでしょうか。それは、いわゆるバブル期以降の二つの事件が大きく影響していると思われます。 一つが1980年代のバブル期に起きた江副浩正氏「リクルート事件」です。そしてもう一つが2000年代の堀江貴文氏に関連した「ライブドア事件」です。 いずれも、当時、新進気鋭の経営者としてマスコミをにぎわしつつ、事業を拡大させた日本経済成長の象徴的な存在であり、時代の寵児といえるような存在でありました。 それが突然、「犯罪者」として扱われたのですから、彼らに憧れを抱き、彼らのような起業家として立ち上がりたい、と思っていた多くの若者の希望を打ち砕く結果となってしまいました。 ◆STAP細胞を発見した小保方さんの業績をはっきりと認めよう さて、去る6月5日に「STAP細胞」を発見したことで、イギリスの科学誌「ネイチャー」に論文を発表した小保方晴子氏が、その論文の取り下げに同意したとの報道がありました。 今回の騒動となっているのは、論文の中にある「データや画像の処理」についての指摘であり、肝心な「STAP細胞が存在するのか否か」という事についての議論がほとんどなされていないことは、実に奇妙な現象でありました。 この発見は、生物学上では実に重大なはずなのですが、小保方氏が30歳代の女性である事、私学(早稲田大学)の出身であること、実験の時に「かっぽう着」を着用する事などが、大きな話題となりました。 以上指摘したことが、「異質」な事であり、しかも、今回の発見が従来の科学者たちの業績をゼロにする可能性があることから、日本での科学者の「ムラ社会」の中にいることは許されなくなったのかも知れません。 理研の見解として、論文が「捏造」されたものである、と結論付けていますが、かといって「STAP細胞」が存在していない、というところまで話は及んでおらず、小保方さんの業績を評価しようとしていないようです。 現在の日本では様々な形で「ムラ社会の中での嫉妬・イジメ」はよく聞く話ではありますが、トップクラスの科学研究所においても行なわれていたことは、実に衝撃的であります。 このままでは、日本で新たな分野にチャレンジする有望な人材が育つことはなく、海外へ流出する事になります。 優秀であり、かつ、国家へ貢献する人材を育成するには、業績は業績としてはっきりと認定しつつ、足りないところは「今後の課題」とするような寛容さが必要ではないかと思います。 ◆政治が繁栄ビジョンを掲げることが必要 さて、政治においても繁栄を創出する人材輩出のために、必要な課題があります。それは、次の時代に向けて、希望に満ちた、明るいビジョンを打ち出すことであります。 よく街中でお話を伺うと、「あまり贅沢をしてはいけない」「日本はこのままがよいのだ」というような、現状維持をよしとするような「清貧の思想」に近い考えを聞くことがありますが、残念ながらこのような現状維持を是とする考えが、経済発展を押しとどめる大きな力となっているのです。 1980年台のバブル期が単なる「バブル」で終わってしまったのは、当時の日本政府が、アメリカを超えても大丈夫なビジョンを打ち出すことができなかったことも大きく影響しています。 今後日本が、より大きな繁栄を実現するためには、国家としての繁栄のビジョンが必要なのです。それは日本が、世界のリーダーとなり、いわば人口が100億に達そうとしている中、人類を危機から救おうとする明確な役割を自覚する中でのビジョンでもあるのです。 そうした力強い国家の展望を私たち幸福実現党は持っています。目の前の一日を過すための政策もおろそかにしてはなりません。 しかし、それだけでは、国家としての進歩はないのです。90年代以降の「失われた20年」とは、いわば国家ビジョンがなかった日本が、漂流していく流れであったともいえるのです。 これからの日本を牽引していくのは、幸福実現党の繁栄のビジョンです。これによって、一人でも多くの起業家の輩出を願う社会つくり、教育が行なわれ、そして、そのビジョンが現実のものとなっていくのです。 里山資本主義から日本の使命を考える 2014.06.01 文/幸福実現党岐阜県本部 政調会長 加納有輝彦 ◆待ったなしの人口問題 先月8日、民間研究機関が2040年までに全国の1742の市町村のうち約半数にあたる896の自治体で、20~39歳の女性が半減し、このままでは人口減少が止まらず行政機能の維持が困難になると発表しました。 若年女性が半減した自治体は、介護保険や医療保険などの社会保障の維持が困難で、雇用も確保しづらい「消滅可能性都市」になると指摘。896のうち人口が1万人を切る523は消滅の可能性が高いとセンセーショナルな報道がなされました。(朝日5/8) 幸福実現党釈量子党首も月刊ザ・リバティー7月号誌上にて「新しい『日本人創り』で『自由の大国』を目指せ」と、人口問題を取り上げました。(「釈量子の獅子奮迅(p94~95)」現在全国書店にて発売中) またブログでも釈党首は、真正面から人口問題に取り組む決意を自ら吐露しています。 「人口問題に踏み込まない政治は、無責任の誹りをまぬがれません。しかし、この日本の危機は、生みの苦しみであり、日本に新しい出発を促していると思えてなりません。」 (釈量子オフィシャルウェブサイトhttp://shaku-ryoko.net/youth/3667/) 今回は、地方の「限界集落」等の問題に関して、現在注目されている考え方「里山資本主義」を考察し、幸福実現党の「政治思想」との接点、あるいは相違点等を踏まえながら問題解決の道筋を探りたいと思います。 ◆里山資本主義とは 「里山資本主義」は、NHKドキュメンタリーシリーズとして2012年から2013年にかけて中国地方5県限定で放映され、2013年には同名で書籍化された新書が、新書大賞2014第一位を獲得するなど世間の耳目を集めています (里山の力http://www.nhk.or.jp/eco-channel/jp/satoyama/interview/motani01.html) 里山資本主義は、マネー資本主義のアンチテーゼとして生まれた思想です。 マネー資本主義とは、2009年NHKスペシャルで5回シリーズで放映。ウォール街で金融工学を駆使してモンスターの如く暴走しバブルとバブル崩壊を引き起こした一連の経済活動原理を指します。 里山資本主義の実例として、岡山県真庭市のある製材所が番組で紹介されました。製材の過程で発生する木くずを利用して「バイオマス発電」を行い、工場で利用する電気のほぼ100%を賄い、電力会社からは一切電力を買わず、年間一億円の電気代を浮かせているといいます。 瀕死にまでおいこまれていた真庭市が、バイオマスの町として生まれ変わったといいます。真庭で広がった木のエネルギーの活用は、いま各地に広がりつつあります。 高知県は知事自ら積極的に動き、不振にあえぐ林業の立て直しのため、真庭モデルの導入を決めました。 このように里山では、水も燃料も食糧も必ずしもお金を必要としない。マネーに依存しないサブシステム、これが里山資本主義の極意であるといいます。 これらの自立したサブシステムは雇用も生んでいます。里山の新しいライフスタイルに魅力を感じ、リタイアした年金生活者、そして若者のIターン、Uターンが増えている事例もあるといいます。 地元に存在する資源を活用し限界集落を再生するという里山資本主義の考え方を紹介いたしました。 ◆里山資本主義の注意点 この考えを主導する藻谷浩介氏(日本総研調査部主任研究員)は、人口減少問題、エネルギー、食糧が自給できない等の問題も、スマートシティーのような最先端技術と里山資本主義の両輪が解決していくのではないかと語ります。 世界と戦う戦士、日本を背負う精鋭は「優秀な勇者」でなければならないが、その一方で地域のつながりに汗を流す人、山を守る人もいなければならない、多様であることこそ豊かさなのだと非常にバランスのとれた考えを述べておられます。 往々にしてバイオマス発電等の限定的な成功事例を取り上げ、だから原発は必要ない(脱原発)というような小さい事例で、大きなシステムそのものを否定してしまうという荒っぽい論理が見られがちですが、藻谷氏の言説には、バランス感覚を感じます。 ただ、里山資本主義を実践して成功している小国オーストリアが、憲法に「脱原発」を明記しているように、この思想の性質上、成長の否定、原発の否定へ流れる可能性は高いと感じます。これは注意しておく必要があると感じます。 ◆人口問題へ新たな光を 幸福実現党は、日本人一人一人の個性、多様性、自由を最大限保障する自由の大国の建設を目指しています。そして一人一人がその人固有の社会的使命を持って生まれてきている事を信じます。 ゆえに、人間存在を単に生活者とだけは見ておりません。日本国を単に生活者の集合体とだけは見ておりません。 幸福実現党大川隆法総裁は、日本をこう定義付けておられます。 「日本は今後、いかなる国であれ、不当な侵略主義により、他国を侵略・植民地化させないための平和と正義の守護神となることをここに誓う。」 (「大川談話」http://special.hr-party.jp/policy2013/okawa-danwa/) 平和と正義の守護神の一構成員としての日本人の自覚を持つ時、他国の悲劇を見ず、里山で生活をエンジョイすること(これ自体は素晴らしいことです)のみを持って、己の使命が果たせるのか否か、これは各人の良心に照らすべきことでありますが、もっと大きな使命を我々日本人は持っていると信じます。 その観点から、人口問題に新しい光をあてようとする釈量子党首の月刊ザ・リバティー7月号「新しい『日本人創り』で『自由の大国』を目指せ」をご一読頂ければ幸いです。 「おばあちゃん」が日本の未来を決める! 2014.05.30 文/幸福実現党富山県本部副代表 吉田かをる ◆日本女性の平均寿命は87歳 日本人の平均寿命は、男性おおよそ80歳、女性がおおよそ87歳です。そして、平均の初婚年齢は男性30歳、女性が29歳です。 平均寿命の定義や、女性の初婚年齢は毎年急速に上がってきているという事、また、50歳まで一度も結婚したことのない「生涯未婚率」が男性で20%を超え、女子も10%を超えて、毎年記録を更新しているということなど、問題視すれば論点はたくさん出てきます。 しかし、単純に考えて、30歳男性と29歳女性が結婚し平均寿命通り男性が80歳で亡くなると、あとに残された女性は何年間ひとりで生きることになるのでしょうか? ――答えはおおよそ8年です。 これは、前期高齢者(65歳から74歳)では「性比(女性100人に対する男性人口)」が89.2人なのに、後期高齢者(75歳~)での性比は61.3人であることをみてもわかります。 ◆おばあちゃんが、生き生きと輝く国づくり 言わば、「豊かな日本」かどうかは、「おばあちゃんの生活の在り方」が決めると言っても過言ではありません。 おばあちゃんたちが、生き生きキラキラと輝いて美オーラがあり、精神的にも物質的にも豊かに暮らし、「ニッポンは、成功するチャンスはたくさんあり、また、まじめにコツコツと働き税金もきちんと納めると、あんなに素敵な老後が待っている!」となれば、外国も日本をモデルにするようになるでしょう。 もちろん、日本人の若い世代にも「老後は悪くない・・」と思うようになります。もし、夫が平均寿命を超えて長生きしても、妻が豊かで明るく元気なら「共白髪」で機嫌よく生活できます。 ◆豊かな老後のために必要なこと さて、ではどうしたら「生き生きキラキラ美オーラ、精神的にも物質的にも豊かな老後」になるのでしょうか。方法は段階的に言うと次の通りです。 (1)日本から自虐史観を完全払拭すること。 日本は正義を貫いてきた国です。「先の大東亜戦争は、欧米列強から、アジアの植民地を開放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたものである」(2013年8月発表『大川談話』より)ことを深く自覚し、日本は素晴らしくてものすごい国だと自信を持たなければなりません。 (2)他国の侵略から国民を守り外交力と防衛力を強化すること。 日本人としての誇りと自信をもっても、他国から侵略され国自体がなくなってはいけません。近隣の国々の情況や世界情勢を熟慮し、主権国家として日本の守りを盤石にしなければなりません。 (3)日本経済を成長軌道へ。 人々がそれぞれの強みを発揮できるよう、新たな雇用を創出することです。消費増税は間違いです。2015年度からの10%への増税は中止しなければなりません。 原発は、即時に再稼働させます。「絶対の安全性」はありません。しかし、限りなく安全に近づけることは可能です。日本の原発はこの意味で「世界一安全」です。 (4)地方を豊かにする地域振興には、新産業の創造育成と交通革命を同時進行すること。 地方の過疎化、限界集落の増大には早急な対策が必要です。地方や過疎地に産業があれば、若い世代や移民が住み、子育てもでき人口も増えます。 産業を地方で成功させるためには、リニアを含めた大量輸送の交通革命の実現が待たれます。 また、高齢者の足回りが快適になれば「生き生きキラキラ」も可能です。「山間部の集落に一日数往復のバスのみが唯一の交通手段」というのでは廃れる一方です。大量輸送とともに「気軽に出たり入ったりできる交通」が必要です。 高齢者でも安心して運転乗車できる「自動運転の車」をぜひ開発したいものです。「山奥の中の大都市」を発想する起業家を育てなければなりません。 (5)「人生設計」を学校教育の中で必須とすること。 「好きになりましたから結婚します!」ではすみません。生活は親がかり、貯金もありませんでは困ります。個人としての人生計画、家族としての人生計画を作ることができる教育が必要です。 自分の人生の目的は何か。実現したい夢はなにか。実現するためにはどうしたらよいのか? 人生とお金の問題。生活していくうえで、「いついくら必要になるのか」「どうしたら貯金できるか」「結婚したいから、それまでに結婚できる自分を創るためにはどうするか」などという事を考え設計することが必要だという教育をしなければなりません。 この「人生設計」では、たとえ景気が悪くなっても政治体制が変わっても、「自分たち家族は自分たちで守る!」という気概を持たなければならないと教育します。 ◆人間の幸福は社会への貢献から 以上のように「生き生きキラキラ美オーラ、精神的にも物質的にも豊かな老後」を謳歌するおばあちゃんたちは「人の幸せは自分の幸せ」と考えるでしょう。おせっかいおばあさんが地域の中心となって「生き生き美オーラ」が伝染していきます。 「働く女性支援」という美名の下、配偶者控除の見直しなどには、女性の働きから税金を取るための下心が透けて見えます。都市部での待機児童解消や学童保育拡充は、今の問題への対処としては必要ですが、これで出生率が大幅に伸びることはありません。 快適な老後には「お金」「健康」「生きがい」「近隣との良好な関係」が必要だと、私は以前から申し上げております。これは、しかしながら、若いときからの「よき習慣」であることが必要です。 人生の基本は「自助努力の精神」であるといえます。そのためにも学校教育で「人間の幸福は社会への貢献」としっかり教えることが必要でしょう。 ※参考「幸福実現党 2014年政策パンフレット【宗教立国編】」 http://publications.hr-party.jp/files/policy/2014/001/origin/all.pdf 欧米主導のさらなる金融規制に歯止めを!――新しい経済モデルの創造こそ、日本の使命 2014.05.27 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆動き始めた新しい金融規制案 「融資の削減政策は良くありません。それは、10年、あるいは20年以上にわたる不況を作るでしょう。」 幸福実現党・大川隆法総裁は2012年10月“Power to the Future”(質疑応答)でこのように警告しております。 しかしながら世界は今、国際的な金融機関の投融資が制限されていく方向に流れております。リーマン・ショック以降、金融危機の再発防止を企図して議論されてきた新規制(バーゼルⅢ)が2014年、各国で適用され始めたからです。 そればかりではありません。国際的な金融機関を監督規制するバーゼル委員会では、新たに2020年ごろをメドに導入される国際金融規制として、自国政府の国債を保有する銀行に自己資本を積むよう求める規制案が議論されております。(5/19日経朝刊) バーゼル委員会は90年代初め以降、金融危機の発生を事前に防ぐことを目的とし、国際業務を行う金融機関の信用創造(預金など借りてきたお金で投融資すること)に厳しい規制を課してきました。 こうしたバーゼル規制は、金融機関が保有する資産のリスク量に応じて一定の自己資本を積ませることで、リスクの高い投融資やバブル発生に歯止めを掛けること、また、たとえ金融危機が起こっても政府・中央銀行やIMF等の公的資本に頼らずに、民間の金融機関が自己資本で自力回復できるようすることを目的としております。 そして新規制案においては、今まで「リスクなしの安全資産」とみなされた国債もリスク資産とみなして、保有量に応じて一定の自己資本を積むべきだと議論されております。 あるメガ銀行の試算によれば、現状の自己資本比率を維持するには3メガ銀合わせて4.4兆~11兆円の資本増強が必要とされます。(5/19日経朝刊)こうした資本増強が世界各国の銀行に課せられると、企業への資金供給が減り、経済成長の足かせとなります。 銀行の資本増強は一面、金融システムを安定させますが、その反面、企業や個人から資金が引き上げられ、金融機関の投融資が減っていくことを意味します。これは良いことではありません。 ◆資本主義経済の二律背反 さて「金融危機が起こっても民間資本が自力で回復できるようにする」というバーゼル規制の目的は簡単に否定できるものではありません。 政府機関やIMF等、公的機関による事後的な対策、救済措置は、市場競争による自浄作用を歪める面もありますし、経営状態の悪い金融機関は事後的な救済を期待して博打的な投融資を拡大させる傾向があるからです。 しかし金融危機を未然に防ぐべく規制を強化すればバブルも発生しづらくなりますが、経済成長も鈍化してしまいます。 一方でバブル発生を許容して成長を優先すれば、バブルが崩壊したときの事後的な救済、すなわち公的資金頼みのモルヒネ漬け経済になりかねません。資本主義経済はこの二律背反に悩まされ続けて来ました。 では私たちはこの問題をいかに解決していくべきでしょうか。 資本主義経済はバブルの歴史でもあり、バブル発生とその崩壊を繰り返しながら、成長を続けてきました。ゆえに事前に規制を強化してバブルの発生そのものを否定するのではなく、金融危機が起こっても公的資金に頼らずに、民間資本の力で自力回復できるシステムを創造するべきです。 ◆日本から新たな経済モデルの創造を! かつて1907年、J・P・モルガンのモルガン商会が巨大な資金を出して金融恐慌から米国を救った事例があります。 ところがその後、一つの巨大な民間銀行の存在に左右される経済の不安定性やモルガンの独占に近い体制が批判されたこともあって、米国においても金融恐慌に対して民間資本が自力で対処する体制は定着しませんでした。 しかし資本主義経済がこの二律背反で混乱し、規制強化の方向に流れている今、改めて民間資本が金融危機に自力で対処していく体制を考え直してみるべきです。 そのためのアイディアはすでに幸福実現党・大川隆法総裁より出されております。 まず日本銀行が新たに株式を発行し、民間優位の資本構成にすることです。つまり金融危機の救済のための基金を民間金融機関から出資させ、民間資本の力を合わせます。 さらに同じ論理を世界に広げるならば、IMF等の国際的な救済機関も各国の財務当局で資本を構成するのではなく、民間から出資を募って民間優位で資本を構成させます。公的資金や官僚に頼るのではなく、民間の資本と手法で世界の金融危機に対処していく体制を創ります。 さて、こうした民間資本で世界の金融危機に対処していく体制をつくっていくためには、平時に競争関係にある民間の金融機関同士の「共助の精神」が必要です。 規制を強化するのでもなければ、公的資金に頼るのでもない、新しい経済モデルは「和を以て貴しとなす」日本にこそ発信していく使命があります。 法人税減税を機に、日本は経済の飛躍的進歩を目指せ! 2014.05.26 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆法人税減税議論 法人税減税について政府内の議論が今、大詰めを迎えています。 先日行われた経済財政諮問会議での安倍首相の指示により、6月に取りまとめる、経済政策の基本指針である「骨太の方針」に、法人税減税が明記されることになっています。 日本の法人税は35.64%(東京都の場合)と、欧州(ドイツ 29.59%, イギリス 23.00%)や、アジア(韓国 24.20%, シンガポール 17.00%)などに比べて高い水準となっています。 高い法人税が、日本の経済の空洞化を促進しかねないとして、法人税率の引き下げを行うべきだとする意見がほとんどである一方、法人税の具体的な引き下げ方などに関しては意見が分かれており、この議論では「総論賛成、各論反対」となっています。 ◆法人税減税による経済効果 今、各企業が、その活動領域を自国に留めず他国にまで広げ、経済のボーダーレス化が進んでいることは言うまでもありません。 その中で、日本は、雇用の拡大や、経済成長の促進のため、国内外企業の立地選択や投資を日本に喚起させるための、より望ましい環境の整備を行うことが必要となっています。 しかし、日本の高い法人税が、企業の立地や投資選択の障壁になっているのが現状です。 経済産業省の外資企業に対するアンケート調査(「外資系企業動向調査」(2012年))によると、「日本のビジネスコストによる阻害要因」の一つを「税負担」と考える企業が60.9%にのぼることが明らかとなっています(3つまでの複数回答によるもの)。 また、日本経済研究センター(『成長を呼び込む税制改革提言』参照)によると、法人税率を引き下げると、対内直接投資が促されるなどして市場開放が進み、それが企業の生産性を向上させ、経済成長に貢献するとしています。 実際に、OECDの2008年の論文(『税と経済成長』)は、法人税率の35%から30%への引き下げで、企業の全要素生産性(企業の生産要素をその重要性に応じて加重平均して算出された、企業の生産性の指標)が0.4%向上するとしています。 このように、法人税の減税は、国内外企業による日本への立地選択や、投資の促進、あるいは、生産性の向上などといった効果を期待することができるわけです。 ◆課税ベースの拡大議論 法人税減税を行うメリットが明らかな一方、どのように引き下げるべきかが問題となります。 現在の法人税体系では、「特定の政策目標を実現するための政策手段(森信茂樹『日本の税制』参照)」については、優遇措置として、課税ベースからの除外が認められています。 その中で、法人税収の引き下げによる法人税収の低下分を穴埋めするために、課税ベースの拡大を行うべきだという意見があります。 確かに、日本の経済発展の目的にそぐわないものに対する優遇を取りやめ、それが租税の中立性に寄与する点で、課税ベース拡大論に対し、一定の評価を与えることはできるでしょう。 しかし、現在の議論では、企業の研究開発や設備投資などを、課税ベースの拡大対象にすべきとする意見もありますが、それは日本の経済成長にとっては、必ずしも好ましいものでないでしょう。 ◆法人税のパラドックス 法人税減税のもう一つの効果が、法人税率の引き下げによる税収の向上、いわゆる「法人税のパラドックス」です。 1998年から2007年にかけて、欧州主要15か国の法人税率の平均が36.9%から28.7%に引き下げられた一方、名目GDPに占める法人税収が2.9%から3.2%へ増えており、法人税のパラドックスの発生が、実際に確認されています。 また、嘉悦大学の真鍋雅史准教授は、2014年3月に行ったシミュレーション分析(『法人課税、設備投資と財政収支』)で、日本では、「法人減税1円あたりの設備投資誘発額が6.01円となり、それを通じ、税収が1.85円増加する」としています。 欧州での事例が、「課税ベースの拡大」をパラドックスが生じた一つの根拠としているのに対し、真鍋氏の研究では、出発点として、課税ベース拡大議論が行われていないということは注目に値します。 つまり、仮に課税ベースを拡大しなくても、法人減税による投資の促進により、GDPが押し上げられ、それが税収増につながりうるというわけです。 ◆法人税減税の基本的なあり方とは 以上から、法人税減税は基本的に、国内への投資の促進、経済の活性化、及び経済の拡大による税収増を目指すべきものであると考えます。 ここで、法人税減税が、単に企業の内部留保の拡大につながることを避けるために、法人税減税と一体で規制緩和を促進するなど、投資環境の整備が同時に行われるべきでしょう。 一方で、社会保障費など、国の財政の歳入部門の増大を賄うために、消費税は上げるべきだとする意見が多数を占めています。 やはり、税収の向上は、経済の拡大を通じて実現するべきです。法人税減税については歓迎しつつも、経済のパイを縮小させる消費税のさらなる増税は、弊党が一貫して主張してきたように決して行うべきではありません。 悲観論に負けない人口増加策を 2014.05.21 文/千葉県本部副代表 HS政経塾 2期生 古川裕三 ◆自治体の消滅~恐怖の予言~ 今月の8日、日本創生会議が発表した試算では、全国の自治体のうち、青森市や秋田市などの県庁所在地を含む、実に896もの自治体が将来的に消滅する可能性があるという“恐怖の予言”がなされました。 その背景として、20~30代の女性が地方から都市部に流入し、出産適齢期の女性の数が減っていくことが指摘されています。つまり、そもそもの女性の数が減少するため、たとえ、合計特殊出生率が改善したとしても、人口が減り続けて消滅する可能性があるというのです。 これに対し、政府の経済財政諮問会議の専門調査会が、人口減少に歯止めをかけるべく、「50年後に1億人」の維持を目指す方針を掲げ、その具体案を来月に策定する「骨太の方針」に盛り込むと表明しました。(産経新聞5/15主張) 政府は、現在1.41まで下がっている出生率を、2030年までに人口を維持するための水準(置換水準)である2.07まで回復させることを目標にしています。その実現に向け、第三子以降への経済的支援の傾斜配分や、女性が働くことを阻害している諸制度の見直しの必要性も提言されています。 目標値を定め、人口減少を食い止めようとする政府の試みはよいとしても、やはり今一つ「希望」が感じられません。 ◆悲観論に負けるな 前回のHRPニュースにも書いたように、男女雇用機会均等法が施行されて以降、女性が活躍してきた反面、経済的な要因や、保育所不足などの社会的な要因も相まって、子供の数が減り続けてきました。しかし、その流れを逆転させるのが幸福実現党です。 わが党は、5年前の立党時から「3億人国家構想」を掲げており、現在は、目標として「1億5千万人国家」の実現を打ち出しています。その根本には、「日本を世界一のリーダー国家に」という志と信念があり、巷の「下山の思想」とは一線を画します。 ◆田中角栄に学ぶ、平成版・列島改造論 かつて田中角栄首相は、『日本列島改造論』を著し、日本列島に高速道路網と新幹線網を整備することで、都市と地方の格差を是正し、「国土の均衡ある発展」を標ぼうしました。 もし田中角栄元首相なら現代の日本列島をどう改造するか、その答えが『景気回復法』(大川隆法著)の「第二章 日本を新たに改造せよ」のなかで明らかにされています。 特筆すべきは、未来産業について、「地方の人口を増やして、雇用を生む」ものが重要と指摘している点です。 具体的には、ものづくりの産業を中心に、地方に工場をつくれば法人減税をするなどの優遇税制により、企業誘致を積極的に行うことを提唱しています。 現在、政府も成長戦略の一環として、様々に特区構想を打ち出してはおりますが、思いきりに欠けます。例えば本当に特区にすべきは、福島第一原発の周辺地域で、まったく健康に害がない放射線量であるにもかかわらず、当時の菅元総理の被害妄想と責任回避のために避難区域に指定され、未だに復興が進まない各自治体などではないでしょうか。 それこそ大胆に、「この先10年は法人税をゼロにします」と宣言し、「ベンチャーを起業するなら東北へ」、「設備投資するなら東北へ」というメッセージを発信すれば新たな起業も増え、大企業も設備投資に積極的になり、雇用が生まれます。 そして、現在の極端な東京一極集中現象が緩和され、若者が地方に戻ってきます。詰まる所、若者が都市に行くのは、地方で仕事がないという点に尽きますから、地元に雇用先が増えれば、そこで結婚し、家庭を築き、生活を営む若者も増えるでしょう。 このように、地方人口が増えれば、「自治体の消滅」は回避でき、冒頭の“恐怖の予言”を乗り越え、希望の未来を到来させることができます。 「なりゆきまかせ」が嫌いで「大きく考える」ことが好きな幸福実現党は、「積極的なアイデアで、どうやったら日本をより豊かで幸福な国にできるか」を発信し続けます。 『ヒト・モノ・カネ』の流れを押さえてダイナミックな富の創造を! 2014.05.20 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ※YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします! 是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=vxhSjaM3Cu8 ◆ハブ機能の強化を目指す2つの動き 2020年のオリンピック日本開催を見据え、「ヒト・モノ・カネ」のハブ機能を強化していこうという動きが活発化しています。 一つ目の動きとして、羽田・成田両空港に発着できる航空便を大幅に増やすという「航空ハブ機能の強化」です。 国土交通省の検討案によると、2020年までに発着回数を約1割増の83万回、30年代までに最大110万回まで増やし、韓国・仁川空港などに対抗し、アジアのハブ空港を目指すという目標設定がなされています。(日経5/17) そのために必要なのが、東京上空の飛行制限の緩和です。 今まではタブー視されてきましたが、東京上空を飛行できると発着枠が飛躍的に増加する為、低騒音の旅客機の使用などの対策を講じ、規制緩和に踏み切ることになっています。 また二つ目の動きが、海外の銀行や投資家を東京に集積させるという「金融センター機能の強化」です。 16日、邦シンクタンク数社が合同で「東京金融シティ構想」を発表し、税制面での優遇措置やアジア通貨に強いなどの専門性や仕組みを整備していくべきだと指摘しています。(日経5/17) イギリスの民間機関が発表している「国際金融センター指数」によると、法人実効税率が格段に低い香港(3位、税率16.5%)、シンガポール(4位、17%)に大きく差を付けられ、日本は6位と経済規模の割に低評価に止まっています。 構想の中心となった日経センターの杉田会長は「アジアの金融センターにする構想は以前からあった。デフレ脱却やオリンピック開催で追い風が吹く、今が最後のチャンス」と強調していますが、まさに政府が具体化に向けてどれだけ本気で取り組めるかが、成否のカギを握っています。 ◆ただの砂漠を大都会に変貌させた3つのハブ機能:ドバイの発展に学べ ドバイといえば、今でこそ「世界の大富豪が集まる街」というイメージを彷彿とさせますが、ほんの30~40年前は砂漠で覆われたアラブの田舎の港町という雰囲気でした。 短期間でドバイをただの砂漠から大都会へと進化させたことこそ、3つのハブ構想です。 第一に、中東最大の港湾ハブを形成し、「モノの流れ」を押さえた点です。 1960年代末からジュベル・アリという地区に大規模な先行投資で人工港湾施設と経済特区の整備を行った結果、世界最大の人工港湾、そして中東最大のハブ港湾・コンテナターミナルにまで成長し、2011年に世界で9位(中東では1位)の貨物取扱量を誇っています。 第二に、ドバイを国際空港化させ、「ヒトの流れ」の拠点を作った点です。 ドバイ国際空港では、24時間体制で乗り継ぎが便利なこともあり、年間の空港利用客数は増え続け、本年第1四半期の国際旅客数が1800万人(ドバイ人口192万人)を超えて、英ヒースロー空港を抜いて世界一となっています。 第三に、ドバイに金融センターを設け、「カネの流れ」を集めたことが挙げられます。 元来、中東の金融センターはバーレーンが担ってきましたが、2004年に国際金融センター(DIFC)を金融フリーゾーンとして設立し、その後は巨額なオイルマネーの獲得を目指して、世界中の金融機関が殺到したと言えます。 このように、「ヒト・モノ・カネ」の流れを押さえた結果、19世紀後半には4000人しかいなかった港町が、2001年には103万人、2011年3月時点では192万人にまで膨れ上がっています。 こうした激増する人口が、ドバイの好況と雇用の創出を象徴していると言えるでしょう。 ◆ドバイが成功した理由は何か? その背景には、ドバイ首長国の親子2代の事業家的な才覚と強いリーダーシップが存在したことは確かです。 ドバイは産油国の中では原油埋蔵量が少なく、将来性が乏しかったため、早期から資源依存型経済からの脱却が図られたことが功を奏し、ハブ港湾、国際空港の整備と世界に通用する航空会社の創設を行い、最優先で海路と空路を押さえた先見力があったと言えます。 そして、何よりも税制と規制の少なさが世界中の企業を惹きつけるポイントと言えます。 ドバイでは所得税はなく、法人税は一部の業種を除いて、課税されておりません。 その一部の業種に含まれる外資銀行についても、国際金融センター(DIFC)では(1)100%外国資本で金融機関を設立できる、(2)利益・配当送金が自由、(3)法人・個人とも50年間は所得無課税、(4)外国人雇用が自由、などのメリットが享受でき、規制緩和は年々進んでいます。 また、UAEはアラビア語圏であるにもかかわらず、英語が幅広くビジネス言語となっており、英語圏の企業はもちろん、世界中の企業が言葉の壁を感じずに進出できる利点もあります。 ◆日本発!ダイナミックな富の創造を! もちろん日本とドバイの実体経済の規模は全く異なり、ドバイのようにハブ機能を強化するのみで、日本の未来の発展を後押しできるとは思いません。 むしろ、ドバイから学ぶべきことは成功をもたらした2つの中身です。 大きな構想を短期的に実現したリーダーシップ、そしてその構想を成功させるために大胆に自由の領域を創りだしたことでしょう。 特に、法人税減税が議題に上がっておりますが、所得税や日本に数多く存在する税制の簡素化を図ることが世界から「ヒト・モノ・カネ」そして「情報」という富を集積させる一里塚だと考えます。 また、日本に蔓延る数多くの規制も議論が進まない領域ではありますが、国際標準と言える規制緩和を行うことが富の集積を促進させるために必要です。 ハブ機能を充実させ、世界中からの富の集積が促進できれば、安全保障的にも、日本に対する軽々しい軍事行動などは難しくなり、自ずと日本が守られることにもなります。 既に日本には、世界的にもトップクラスの技術力、人材、産業インフラがあります。 世界中からあらゆる富が集まることで、ダイナミックなイノベーションが創発され、世界をリードする富の創造がなされるのは間違いありません。 ※YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします! 是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=vxhSjaM3Cu8 【高齢者と農業】――高福祉国家を超えて「生涯現役社会」への一試案 2014.05.16 文/幸福実現党石川県本部副代表 宮元智 ◆高齢者は農作業がお好き? 「世界最速」で進んでいると言われる日本の少子高齢化。 このままであれば、社会保障制度が破綻することはもとより、国家そのものが消滅してしまうかも知れません。 子供は急に増やせません。また、働いて稼げるようになるまでには20年以上かかります。早晩移民を受け入れざるを得ないとしても、長年単一民族主義で来た日本人にはにわかには受け入れられないでしょう。 ならば、高齢者の方々を、戦力外にしておくのではなく、国富増大のための重要な戦力になっていただきましょう。 仕事をリタイアした高齢者の方々は、ボランティア活動も含めて意外と働いています。つまり、様々な形で付加価値を創造しています。 地方の場合ですが、高齢者の方々は、村が“限界集落”と化しても、都会へ出た息子たちの所へは行かず、身体が元気なうちは不便でも長年住み慣れた土地に暮らすことを選ぶ人が多いようです。 また、高齢者の方は、意外と農作業が好きな人が多いようす。農業を通して、創造の喜びを味わっておられるのかもしれません。 ◆高齢者を“戦力”に 一方、日本の農業に目を向ければ、少子高齢化とも絡んで、後継者不足、膨大な耕作放棄地、補助金漬け、食糧自給率の低さなどの諸問題を抱えています。 高齢者を日本の農業の“戦力”に変えることができるならば、農業の復興と、社会保障費の抑制に貢献できます。まじめで責任感の強い高齢者にとって、生き生きと、余生を完全燃焼できる道となるでしょう。 ◆パワードスーツと植物工場で生産性を高める ただ、農業は、基本的に、重労働です。 農作業好きの高齢者も、自分の体力や能力に応じた範囲でしかできないので、ほとんどの場合、趣味に毛が生えた程度で終わります。生産性や付加価値の面がボトルネックとなります。ゆえに、それをサポートする施策が必要です。 例えば、重労働から解放するために、農作業用“パワードスーツ”の開発なども必要でしょう。 筋力を機械的にサポートするパワードスーツは既に実用化のレベルになっています。医療・介護・軍事だけでなく農業でも応用できれば、よりマーケットは広がり、大量生産により安価になるでしょう。 また、植物工場、野菜工場などで農作物が栽培されるようになれば、農業は今より遥かに生産性の高い産業に変わっていくでしょうし、空調の効いたビルの中での作業ならば、熱中症などの心配もいりません。 さらに、農業が、通常の会社勤務のようなスマートな職場になれば、農業を継ごうと思う若者も村に帰ってくるかも知れません。こうして、高齢者による農業の復興は、過疎や限界集落、後継者不足、耕作放棄地の問題の解決にもつながります。 ◆食糧危機の解決と国富増大への貢献 地球の人口爆発の時代を迎え、人類は食糧危機の問題に直面しています。 安価な食糧を、大量に増産しなければいけません。そうした使命感をもって、日本の高い農業技術を、さらに進化させなければなりません。 さらには、「ルビーロマン」(一房数十万円もする石川県産の高級ブドウ)のような高付加価値の農作物を開発し、世界の富裕層に提供することができたならば、国富増大にも大きく寄与できます。高齢者は、その貴重な担い手になりえます。 ◆未来型国家の条件―愛と自由 世の中に何も貢献することなく、ただ年金を貰って、日々を送るだけの人生は虚しいものです。高齢者も自ら働いて富を得て、かつ税金を納められるような社会は、国家社会主義型の高福祉国家に対するアンチテーゼであり、新しい国家モデルの提示でもあります。 その底流を流れる考えは、「自分以外の他者に対して、何らかのお役に立つことを喜びとする心」であり、宗教的には、「与える愛」と呼ばれます。 「生涯現役社会」の背骨となる思想は、すなわち「愛の思想」なのです。「福祉国家」の美名の下に重税を課す国家の行き着くところは、国家社会主義型の「自由のない社会」です。 私たち幸福実現党の目指す社会は、抑圧や恐怖によって支配される社会ではなく、愛と自由に満ちた繁栄する社会です。 その未来型国家モデルを示すことがリーダー国家・日本の使命でもあります。ただ社会保障費を削るために高齢者にも働いてもらうという発想ではなく、「愛と自由」、「繁栄」という観点から、「生涯現役社会」も構築されていくべきと考えます。 「経常収支」に一喜一憂せず、世界規模での富の創造を! 2014.05.15 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆比較できるなかで最少の経常黒字 財務省は12日、2013年度の国際収支を発表しました。そのなかで、2013年度の経常収支が7899億円となり、比較できる1985年度以降で過去最少となりました。 経常収支とは、海外と国内の取引で海外にどれだけお金を払ったか、海外からどれだけお金が入ってきたかを表す指標です。 海外からお金が多く入ってくると経常収支は黒字になり、国内からお金が多く出て行くと経常収支は赤字になります。 海外に物を売ってお金が入ってきたり、買ってお金が出て行った場合は「貿易収支」、海外に投資したり、海外の子会社から配当金が入ってきた場合は「所得収支」、発展途上国に援助をした場合は「経常(資本)移転収支」、海外旅行でお金を使ったりする場合は「サービス収支」として集計されます。 経常収支は、東日本大震災後の2011年度から、7.6兆円(2011年度)、4.3兆円(2012年度)と連続して減少しており、昨年度はとうとう1兆円の大台を割り込みました。 最大の要因は貿易収支の赤字です。原発停止により液化天然ガス(LNG)など燃料の輸入が増大していることに加え、消費税増税前の駆け込み需要が発生したことにより、貿易赤字は10兆円に達しました。 ただ、海外の子会からの配当は増え、所得収支の黒字は16兆円と最大となったため、経常収支は黒字になったのです。 ◆海外旅行に行ったり、iPhoneを購入することは悪いこと? 2013年度は辛うじて経常収支は黒字になりましたが、経常収支が赤字になったらどうなるのか、不安に思う方もいるかもしれません。 ただ、経常収支がどういった原因で起こるのか、具体的に考えると「経常赤字は良くない」とはいえません。 私たちが海外旅行にいくと、そのお金は「サービス収支」で日本から出て行くお金と集計されます。また、iPhoneを購入した場合も、「貿易収支」のマイナスとしてカウントされます。 物やサービスを購入するときには、お金を支払わなければいけません。その対価が海外に出て行くか、国内にとどまるかは二次的な問題で、ほとんどの人は自分にとって必要だから、大切だから、好きだから、その商品を購入したり、サービスを受けるのではないでしょうか。 最近では、発展途上国の支援をするために、アフリカなどで生産されたコーヒー豆を購入する人もいます。逆に、日本企業を応援するために、国内で縫製されたジーンズを購入する人もいるでしょう。 どちらも尊重すべき判断であり、「経常収支が赤字になるから悪い」「黒字になるからいい」ということはできません。 ◆「あなたの所得」は「誰かの消費 」 経済取引は一面から議論できるわけでなく、一つの面があれば、もう一つの面が存在します。商品を購入する人がいれば、その商品を販売してお金を受け取った人がいます。 つまり、「あなたの所得」は「誰かの消費」であり、「あなたの負債」は「誰かの貯蓄」です。これを国際収支で考えると、日本の経常黒字は、他国の経常赤字になります。 少し話はずれますが、経済取引で大切なことは、お金を支払う側も受け取る側も双方が満足できるかどうかです。 「経済における正義とは等価交換である」。これは経済における示唆に富む言葉です。 物・サービスを売る側も買う側も、差し出したものと同等の、あるいはそれ以上のメリットを得ることができるから経済取引は成立するのです。この原理に反する企業は自然と淘汰されていきます。 ディズニーランドへ行って6000円取られたといって怒り出す人はいません。ディナーに行って5000円を払って損をしたと思った人が多ければ、そのお店が経営を続けるのは難しくなってくるでしょう。 経常収支の黒字が続いているとことは、日本企業が良いサービス、良い製品を提供し続けているということであり、経常赤字が発生しているということは、良いサービス、良い製品を海外から輸入しているということなのです。 ただ、日本は他国から購入するより、提供することのほうが多いというだけです。アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、デンマークなどでは、経常収支はよく赤字になっていますが、それで何か問題が起こっているわけではありません。 ◆「経常収支」に一喜一憂せず、世界規模での富の創造を 前述したように、海外旅行へ行く人が増え、海外に対する投資が増えれば経常黒字は縮小します。しかし、それは企業や個人の判断を集計した結果であって、一喜一憂する問題ではありません。むしろ、経常収支が赤字になったとしても、発展途上国へ投資を増やし、製品の輸入を増やすことは、世界から貧困を駆逐していく大きな力です。 また、日本にとっても、海外子会社から配当がもたらされるだけでなく、発展途上国がアメリカやヨーロッパの国々と同じように経済成長することで、日本の製品を多く買ってくれるようになります。 そういった企業を後押しするには、海外子会社からの配当にかかる税金を低く抑えるということも有効でしょう。 これからも、一つの経済指標に振り回されるのではなく、日本と世界の繁栄を目指した経済政策を提案して参ります。 すべてを表示する « Previous 1 … 53 54 55 56 57 … 78 Next »