Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 海上封鎖で食料断絶?台湾情勢の緊迫化で迫る日本の食料危機【後編】 2022.08.29 https://youtu.be/ugpWvLgFYns 幸福実現党党首 釈量子 ◆危機の時代に求められる農政のイノベーションを! 安倍政権で掲げられた成長戦略の1つの柱でもあった農業分野ですが、改革は遅々として進んでいないのが実情でしょう。 2020年度版の「食料・農業・農村基本計画」においては、それまでの「主業農家や法人を中心に大規模化していく」という方針を撤回し、「担い手の多様化」という言葉でまとめられ農政改革は「後退」を始めていると考えられます。 また、2018年には建前上廃止となった減反政策ですが、コメ農業が盛んな地域ほど、未だに減反がまかり通っているのが現状です。その中心となるのが、食用の米から飼料米、エサ米への転作です。 飼料自給率も低い日本にとって、「国産化」と最もらしいことを掲げていますが、コメは飼料にするには高コストで向かないと考えるのが世界基準です。 現に、人間が食べるようなコシヒカリを豚用の飼料米として生産しているケースもあると言われています。 そしてこれ全部、国民の税金です。同等の金額(約950億円)で、6倍以上の飼料用トウモロコシを輸入できるほどの高コストぶりです。 危機の時代に自給体制は必要ではありますが、コスト感覚のなさは相変わらずです。では、日本農政のイノベーションに何が必要なのでしょうか? ◆日本農政のイノベーション (1)コメの増産 まず一刻も早く求められるのは、コメの生産調整の完全撤廃です。失われた水田を可能な限り、少しずつ取り戻し、思い切りコメの増産に舵を切るべきです。 また、海外向けにどんどん輸出すべきです。このように国内需要を大きく超えた生産余力を有することが、危機の時代には国民の命を救う備蓄の役割を果たすことになるのです。 畑作では同じ農作物を作り続けると、収量の減少や病害虫の発生など「連作障害」が起こりますが、稲作では「連作障害」は起きません。 また、小麦などと異なり、食べるのに加工する必要もありません。食料安全保障上、安定性が高く、危機の時代に最適な穀物こそコメだと言えます。 また、ただでさえ穀物市場は生産量に比べ、取引量が少なく「薄い市場」ですが、コメ取引は小麦の4分の1と、極めて「薄い」商品です。 コメの生産潜在力を多分に持つ日本は、有事において国際社会で大きな影響力を発揮することも可能です。 (2)戦略的な穀物備蓄 またコメ増産と共に、急がれるのは戦略的な食糧(穀物)備蓄体制の構築でしょう。 現時点で、コメについては約100万トンが政府備蓄、約270~280万トンは民間が抱える在庫と言われています。 しかし、もって半年、全国民がコメしか食べられない状況と仮定すれば、2~3か月程度分しかありません。 少なくとも年単位の兵糧攻めに耐えられるだけの備蓄体制は必要ではないでしょうか。同時に、小麦(現状2.3か月分)、大豆、トウモロコシなど(現状は飼料向け100万トン)を大量に輸入して備蓄しておく必要があります。特に、たんぱく質の供給源として大豆の備蓄は必須だと言えるでしょう。 仮に、減反政策に投じられる財源(3500億円)が活用できるならば、約2,000億円を備蓄設備とコメ以外の小麦や大豆、トウモロコシの輸入拡大に振り分ける方がはるかに効果的でしょう。 同時に、天候不順による不作などで経営が苦しくなる主業農家に限定して、EUが行っているような直接支払いなどのセーフティーネットを構築することで、日本の安全保障を食料面で支えてくれている農家を本当の意味で守ることが出来ます。 これは約1,500億円で実現できると、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏が試算されています。 最後に付け加えるならば、食料生産に不可欠な肥料の確保です。 前回の動画同様、肥料自給率ほぼゼロ%の日本はその多くをロシアや中国、ベラルーシなどに依存しており、ロシアを敵性国に回したことで肥料の確保が大変厳しい状況です。 堆肥を最大限活用しようと努力する自治体が早くも出始めていますが、国を挙げての食料増産となれば、化学肥料は必要不可欠です。 肥料の自国生産が困難ならば、何とかロシアからの輸入再開の糸口を見つける外交努力を行うべきです。 また、シーレーンリスクを負わないロシアとの関係改善を果たせれば、肥料のみならず、大豆やとうもろこしなど、不足が見込まれる穀物の確保にもつながるかもしれません。 ◆今こそ農政の転換を図る時 冒頭でも申し上げましたが、いつ何時、日本が有事のど真ん中に立たされてもおかしくない状況がすぐそこまできています。 そんな中、軍事防衛においても、エネルギー・食料など兵站面においても、不安が山積なのが日本という国です。 現時点で本当に食料輸入が途絶すると、終戦直後の食料事情よりも、酷い状況になるとも言われており、先ほどの山下一仁氏によれば、餓死者は国民の半数にあたる6000万人に上るという試算が出ているくらいです。 この危機の時代に一刻も早く、一部の既得権益を守るだけの世界でも異常な農政から、日本国民の豊かさと生命を守り抜く、あるべき農政への転換を図るところから始めるべきではないでしょうか。 海上封鎖で食料断絶?台湾情勢の緊迫化で迫る日本の食料危機【中編】 2022.08.28 https://youtu.be/ugpWvLgFYns 幸福実現党党首 釈量子 ◆失った水田面積は四国一つ分!?コメの生産調整(減反)の驚くべき実態 終戦直後の900万トンから一時は1400万トンを超えるまでコメの生産力を拡大した日本でしたが、1970年頃から価格維持を目的としたコメの減反が始まり、なんと今では700万トンまで半減しています。 減反に応じ、他の作物に転作するコメ農家に、補助金を支払うことで生産量の調整を図っていきました。が、莫大な財政支出を伴って、自国の主力の穀物生産を減少させた事例は日本以外に見つけることは難しいと言えます。 実際に、米国や中国、インドといった生産国を中心に、この半世紀でコメ生産は3倍規模まで増産、世界全体では3.5倍以上も増産しています。 一方で日本は半減、あまりにも逆行しています。(グラフ)これはコメだけではありません。この半世紀で小麦、トウモロコシなど、他の穀物においても減産している国はほぼ皆無です。 【参考】この国の食糧安保を危うくしたのは誰か https:/cigs.canon/article/20220602_6800.html 【参考】「武力攻撃より食料不足で壊滅」米の生産を減らし続ける日本が抱える本当の危機 https://www.gentosha.jp/article/21521/ また半世紀続いた減反政策によって、失われたものは少なくありません。 まず、農業にとって最も大事な資源である「農地」です。1970年には350万haあった水田のうち、200万haが水田として活用されなくなっています。 200万ha(20,000㎢)は、四国4県分(18,297㎢)よりも広いと考えれば、半世紀で失われてしまった水田は空前絶後の規模だと分かります。 これを取り戻すことは容易なことではありません。 また、「智慧」の喪失です。「たくさん作るな」という指令に等しい減反によって、特に、それまで精力的に取り組んできたコメを沢山作る技術(単収増加)がタブーとなり、失われていきました。 そして、農村からコメ農業への「情熱」「やる気」を失わせた点が、最も大きいでしょう。 コメ作りで生計を立てる主業農家ではなく、会社勤めをしながら、週末に片手間でコメを作るような零細(兼業)農家に補助金を支払うといった、極めて不公平で社会主義的な仕組みを作ったことで、農村から「勤勉の精神」が失われました。 そして、補助金と高い米価、また農地の転用期待、要するに「将来、持っている農地が高く売れるかもしれない」といった期待感などを甘いエサとして、農業を本業とするつもりがない零細(兼業)農家を、大量に農業に引き留めてしまいました。 これこそ農地集約化、大規模化などを阻害し、農業改革が一向に進まない真なる要因だと言えるでしょう。では、なぜこのような不合理極まりない政策が、半世紀もの間、続いてしまったのでしょうか。 それはひとえに、零細・中小農家へのバラマキによる見返りとして、農村に堅固な票田が出来るという農林族議員の利得や金融機能(JAバンク)を柱に経済基盤を拡大し続けた農協組織のお互いの「既得権益」を守りあうという強固な結束があったからです。 ◆もう一つの異常なコメ農政 ~高すぎる関税障壁とその犠牲~ 以上のように、コメの生産調整(減反)によって、莫大な財政支出を行いながらコメの生産量を減らし、高い米価を維持してきました。 いわば国民に対して「税金」と「商品価格」の二重の負担を強制しつつ、自国の食料安全保障を脆弱化するという、国際的には異常すぎる政策が罷り通っています。 しかし、コメ農政の異常さはこれで終わりません。 それが「高すぎる関税」です。コメにかかる関税は従量税で1㎏あたり341円ですが、国内米価となる約240円を100円以上も上回っているわけです。 要するに、輸入される米価が仮に0円/kgでも、341円となるため、誰も買いません。このように、高すぎる関税障壁を築くことで、海外から実質的に輸入されない仕組みを作っています。 関税交渉の時、コメの高い関税を死守するために、バーターとしてほかの物品の完全を下げるなどしているわけですが、この数十年の差し出した犠牲はあまりに多く、莫大な経済的利益が失われたと言っても言い過ぎではないと思います。 ここで、国の農業保護の度合いを観てみたいと思います。 よく日本はアメリカよりも低いと言われていて、フードスタンプなど食糧費の補助をしていますが、OECDの指標でPSE(Producer Support Estimate:生産者支持推定量)という指標があります。 これは財政支出における「納税者負担」と、関税も含めた国内外の価格差から算出する「消費者負担」の合計から算出したものです。 それをみると、2020年時点で日本は40.9%と、アメリカ11.0%、EU19.3%と比べて際立って高く、主要国で3本の指に入る農業保護国となっています。 (https://cigs.canon/article/20220104_6468.html) ただ、日本の場合、農業保護といっても、(主業)農家が守られるのではなく、農協組織と農林系議員の間の「既得権益」が守られるという真実は、何度繰り返してもいい足りないくらいです。 (後編につづく) 海上封鎖で食料断絶?台湾情勢の緊迫化で迫る日本の食料危機【前編】 2022.08.27 https://youtu.be/ugpWvLgFYns 幸福実現党党首 釈量子 ◆ヨーロッパを襲う歴史的干ばつ 世界で広がる異常気象が食料危機に更なる影響を与えそうです。 日本でも記録的な豪雨で農作物などにも大きな被害が及びましたが、ヨーロッパでは逆に深刻な水不足によって大変な事態になっています。 英国を含んだEU地域の実に60%において、干ばつの被害が深刻化していると報じられており、そのうちの4分の1で植物の生育が厳しいほどの水不足が発生しているとのことです。 調査によればEU圏内のトウモロコシ、大豆や、植物油の原料となるヒマワリの生産は8~9%低下すると予測されています。 特に、歴史上最悪の干ばつに見舞われているフランスでは、ベシュ環境相が5日、「100以上の自治体で飲用水が尽きた」と述べ、給水車が出動している緊急事態が続いています。 農作物(レモンやオリーブ)への被害は「壊滅的な状況」とされ、12日には英国・イングランド8地域でも「干ばつ宣言」が発令され、被害の深刻化が懸念されています。 ウクライナ戦争が長引き、世界の穀倉地帯からの食料供給が大打撃を与えるさなか、ヨーロッパでの干ばつによる大凶作は、世界の食料危機を更に加速させそうです。 ◆台湾有事で日本に届かなくなる食料とは 更に、ペロシ米下院議長の電撃的な台湾訪問によって、台湾を巡る情勢が緊迫化の一途を辿っています。 「台湾有事は日本有事」と我々も繰り返し訴えてきましたが、食料自給率(カロリーベース)37~38%しかなく、6割強を輸入に依存する日本はいよいよ死活問題です。 それが、米台中の間での軍事的緊張の高まりに応じて、バシー海峡など日本のシーレーンが中国海軍によって封鎖される可能性が高まっているからです(図)。 もしシーレーンが封鎖されると、石油タンカーや、食料などの物資を運ぶ民間商船の航行が阻害、迂回を強いられ、状況によっては拿捕される恐れも出てきます。 台湾近海のシーレーンが封鎖された場合、日本に入ってこなくなる食料として、穀物を中心に具体的に見ていきたいと思います。 全量を国内で自給できている米は別として、まず小麦です。 自給率は15%程度(2020)ですが、米国(227万トン)、カナダ(180万トン)、豪州(106万トン)の3ヵ国で輸入のほぼ全量を賄っているため、台湾周辺のシーレーンリスクは負っておりません。 一方で、問題なのは大豆(自給率6~7%)とトウモロコシ(自給率0%・スイートコーン除く)です。 大豆輸入の15%、とトウモロコシ輸入の約40%をブラジル産に(おそらくアルゼンチン産も)依存していますが、両品目共にブラジル産の約7割が、サントス港など大西洋側の港から輸出され、南アフリカ喜望峰経由で、インド洋から台湾近海を航行するルートを通ります。 これらがシーレーン遮断の影響を受ける可能性が高くなっています。 割合としては輸入大豆の約1割、トウモロコシの約3割を占め、日本の食料調達に与える被害は甚大だと言えるでしょう。 用途は、輸入大豆の3割が食用、7割が油など、輸入トウモロコシの75%が飼料用、25%がでんぷんなどの加工用です。 更に、戦域の拡大によっては、中国や北朝鮮に囲まれ、ロシアまで敵に追いやった日本周辺の海上路が全て分断される恐れは無きにしもあらずです。 そうなれば、北米や豪州方面からの船舶も日本に寄港できず、全ての穀物輸入が途絶える恐れすらあるのです。 ◆あるべき食料安全保障体制とは? このように、天災や戦争などの外部要因によって、日本と世界を取り巻く食料事情(肥料含め)はかなり厳しい局面を迎えつつあります。 食料を買うお金がいくらあっても、物理的に手に入らなくなる状況がすぐそこまできていますが、日本はそうした局面に全く対応できておりません。 万が一、輸入が全て途絶えても、全国民を食べさせるというサバイバル思考をベースに、あるべき食料安全保障体制を早急に検討する必要性があります。 その一丁目一番地となるのがもちろん「食料増産」です。自給力を高め、有事に対応できる体制を早急に整えるべきです。 特に、生存に直結する穀物の増産は不可欠でしょう。しかしながら、日本農政は半世紀に渡って、真逆の方向に「大きな失敗」を犯し続けてきました。 それは本来日本の強みであり、大きな武器であるはずのコメを減産し続ける政策を採ってきたことです。正式には生産調整、また俗に減反と言われるものです。 (中編につづく) 台湾海峡で米中もし戦わば。米軍勝利も、米空母2隻撃沈・戦闘機900機以上が撃墜【後編】 2022.08.26 https://youtu.be/4XwWly_E9Jk 幸福実現党党首 釈量子 ◆台湾を巡る米中戦争のシミュレーション 前編で紹介した「台湾を巡る米中戦争のシミュレーション」は、米軍の元大将や防衛専門家が、米国と中国を示す青と赤の2つのチームに分かれ、9月までに22回のシミュレーションを行うそうです。 両陣営とも戦略を練りながら、空母や戦闘機、潜水艦などの軍事上の配置を示すピースを、チェスの盤面ように、テーブル上に広げられた太平洋の台湾周辺の地図に、交代で打ちます。 実際、台湾の陸上戦を想定し、陸上地図の上で、18回までこのウォーゲームをやってどうなったかが報道されています。 まず中国は、台湾侵攻の際に、先制攻撃を仕掛けます。 それによって、米軍は数十億ドルの空母2隻を沈められます。日本とグアムにある米軍基地も攻撃され、数百機の最先端戦闘機が破壊されるだろうとしています。 次に、人民解放軍は22,000人の兵士を台湾に上陸させ、台湾南部を制圧します。そして解放軍はゆっくりと北進し、滑走路や港湾の確保を目指します。 しかし、中国は徐々に勢いを失っていきます。 米軍と日本の自衛隊によるミサイル攻撃や、潜水艦の攻撃が、台湾攻撃の根元を断つかのように、中国本土の港湾を破壊して、中国の哨戒線(警戒ライン)を突破してくるからです。 人民解放軍の揚陸艦も破壊され、中国は台湾に軍隊を送ることができなくなりました。 米軍の強力な空軍力や海軍力に対抗するには、中国の長距離弾道ミサイルが、決定的に不足していました。 こうしたシミュレーションが繰り返され、9月まで続けて12月に発表することになっています。 今の段階ではほとんどのケースで、米国と台湾は最終的には勝利を収めています。 しかし莫大なコストが発生することがわかり、損失の規模として、米国は900機以上の戦闘機を失い、これはアメリカの海軍と空軍が保有する戦闘機の半分に相当します。 8月4日に中国が軍事演習でミサイルを撃ちましたが、シミュレーションで想定された中国の能力を裏付けるものだったようで、いよいよ現実味を帯びてきているわけです。 日本人が「台湾有事は日本有事である」という現実を受け止め、日本の外交や国防のあり方を考えるための参考になると思います。 ◆米国議会の台湾防衛への決意 米国議会は超党派で台湾防衛を強化するために、従来の「台湾関係法」に基づく台湾政策を見直すために、新たに「台湾政策法2022:Taiwan Policy Act of 2022」の制定に向けて取り組んでいます。 狙いは、米台関係を一層強化し、台湾防衛の意思を明確に示すことにあります。 この法案の最も注目すべきポイントは、台湾を「主要な非NATO同盟国」と認め、日本と同じように、同盟国として扱おうとしていることです。 実質上、日米同盟と同じような米台同盟を目指したものです。 この法案が成立すれば、現行の「台湾関係法」では表立って行うことができない、米台共同軍事演習に道を拓くことができます。 他にも、この法案には、今後4年間に渡って台湾へ45億ドルの軍事支援を行うことや、台湾が国際機関に加盟できるよう推進すること、中国が台湾に制裁した場合に米国が代わりに中国に金融制裁を行使すること、などが含まれています。 中国の反発は必至だと思いますが、米国議会の台湾防衛への決意のほどがうかがえます。 ◆日本は台湾有事への備えを急ぐべき では日本はどうするか。日本も、日台関係強化のために出来ることがもっとあります。 例えば、台湾と中国が昨年秋に表明を行ったTPP加盟について、日本は自由貿易を守る立場から、台湾のTPP加盟支持を表明してはどうでしょうか。 また、日本と台湾の間には正式な国交がありませんので、「日本版台湾関係法」制定に向けて着手すべきだと考えます。 蔡英文総統は、日本に「日台の安全保障対話」を望んでいます。安全保障分野の交流を今こそ実現すべきです。 台湾に近い南西諸島のミサイル配備増強も必要です。他にも、台湾の邦人救出や、中国本土に出ている企業を日本に帰すことなども、同時に必要になってくると思います。 課題は山積ですが、台湾は「自由・民主・信仰」の価値観を共有する日本の運命共同体です。 日本は「自分の国は自分で守る」体制を構築すると同時に、台湾有事への備えを急いで、日本を守らなくてはなりません。 台湾海峡で米中もし戦わば。米軍勝利も、米空母2隻撃沈・戦闘機900機以上が撃墜【前編】 2022.08.25 https://youtu.be/4XwWly_E9Jk 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国が台湾統一に向けたリハーサル? 台湾海峡の緊迫度が増しています。 中国は米下院議長のナンシー・ペロシ氏の台湾訪問に反発し、8月4日から数日間かけて実戦さながらの軍事演習を行いました。 中国の官製メディア「環球時報」は8月3日の時点で、「今回の軍事演習は台湾統一に向けたリハーサルであり、今後も引き続き行われる」と報道しました。 軍事演習が始まる前日、まず大規模なサイバー攻撃が行われ、台湾各地のセブンイレブンでは「戦争屋のペロシ、台湾から出ていけ」という文字が大きく映し出されました。 台湾鉄道や地方行政の電子掲示板にも「偉大な中国はいずれ統一される」という文字も表示されました。 台湾国立大学もハッキングされ、「世界には一つの中国しかない」と表示されました。 台湾政府は今回のハッキングについて、中国製のソフトウェアが使用されたことが原因であるとことを突き止めて、公的機関のすべての敷地内で、中国製機器を使用することを即座に禁止しました。 そして、8月4日から始まった軍事演習では、台湾を包囲するように海上封鎖の予行演習を行いました。 海上封鎖の目的は、米国から台湾への軍事支援を断ち、台湾の輸出入を止め、台湾の無血開城を迫ることにあります。 日本にとっても、台湾海峡は中東からマラッカ海峡を経て原油を輸入するための重要なシーレーンの一部です。 実際に「海上封鎖」の予行演習をされたことによって、台湾海峡を航行する予定の数十の船舶が台湾海峡を迂回せざるを得ませんでした。 実際に事が起きれば、迂回で済むかわかりません。拿捕されたり、撃沈される可能性や、またエネルギーや食糧など、日本の安全保障が危機に陥るのは間違いありません。 ◆台湾の半導体も中国の管理下に さらにもう一つの危機は、半導体です。 もし中国が台湾の海上封鎖を行ったら、世界的に有名な台湾の半導体企業TSMCの輸出を、中国が管理するということになります。 半導体は、iPhoneなどスマホやパソコンばかりではなく、自動車など様々使われており、半導体を押さえられたら世界経済は中国に握られることになります。 昨年、アメリカ陸軍戦争大学の雑誌(『PARAMETERS』)で「中国が台湾侵攻をするなら、TSMCを焼き払え」という論文が一番読まれました。 TSMCが無くなれば、中国が台湾侵攻する理由も無くなるだろう、というものです。 現在起きているエネルギーや食糧危機に続いて、半導体危機が現れたら、世界経済は大混乱に陥ります。 ◆中国の弾道ミサイル5発がEEZに着弾 さらに、8月4日は、中国が発射した弾道ミサイル5発が日本の経済的排他水域(EEZ)に初めて着弾しました。 この演習は、より実戦に近い演習を想定し、習近平国家主席自ら判断したと言われています。 これは、台湾に近い南西諸島海域の軍事封鎖は避けられないため、台湾侵攻の際に「日本は介入するな」という牽制の意味があると思います。 石垣市の中山市長は、「台湾を超えて来た中国のミサイルは私たちの島のすぐ近くに着弾した。与那国島の80km近辺にも落ちている。台湾有事は決して他人事ではないという感じだ」と話し、住民の避難体制の整備を政府に要求しました。 ◆台湾海峡で米中もし戦わば こうした深刻な事態を受け、8月上旬、アメリカワシントンD.C.に本部を置く、民間シンクタンク「CSIS戦略国際問題研究所」が、「台湾を巡って米中戦争が起きたらどうなるのか」をシミュレーションし、米国で話題となっています。 今回のシミュレーションは、前提として米国の公式見解では、台湾侵攻の際に関与するかどうかを明言しない「あいまい戦略」を採用しています。 あいまい戦略とは、「台湾が中国に武力攻撃を受けた際に、米国がこれにどう対応するか明言しないでおく」という政策です。 そうすることで中国を挑発せず、また一方で台湾がアメリカの安全保障の約束に自信を持つと、独立を宣言したりしかねないので、中国の台湾進攻の糸口を作らないよう微妙なバランスに配慮したものです。 ただ今回は、「2026年に中国が台湾に侵攻し、米軍が軍事的に関与する」という前提でシミュレーションが検討されました。 また、日本については「本土が攻撃されない限り、直接的な軍事介入までは至らないが、日本国内の米軍基地の利用を許可する」とされました。 他にも、「核兵器は使用しないこと」や、「2026年までに配備可能な軍事力を前提とすること」などが前提とされました。 2026年という設定は、人民解放軍の創立100周年にあたる2027年までに台湾侵攻を行うということから来ています。 (後編につづく) 「反撃能力」では日本は守れない。自前の核保有こそ「最大の抑止力」【後編】 2022.07.23 https://youtu.be/HQBVUzrZ2X0 幸福実現党党首 釈量子 ◆自前の核装備を 「核を使った攻撃」の議論については、根強い反対があるかもしれません。 とはいえ、現在の日本を取り巻く状況を考えた時、どうしても核を使った攻撃を想定しておくことが必要で、そのこと自体が「抑止力」になるのです。 特に日本は、中露北の3つの核保有国を相手にしています。この状況で核保有の議論がないのは大変心もとないことです。 「核シェアリング」といって、アメリカの核を持ち込んでもらい、いざとなったらアメリカに核を発射してもらうという方法もありますが、これは抑止力としては不十分です。 中国とロシアを合わせた核戦力はアメリカの核戦力を凌駕しており、中露が歩調を合わせている今、自国を攻撃される危険を冒してまで、アメリカが日本のために核を提供して守ってくれる保障はないからです。 ゆえに、自前の核装備を急ぐ必要があるのです。 ◆自前の核で日本を守り抜く とはいえ、現実的にアメリカは日本の核保有を許さないだろうという見立てもあります。しかし、まずは「自前の核で日本を守り抜く」という明確な国家意思を持つことです。 「広島的平和主義」の岸田首相にとっては、非核三原則の撤廃すら困難だと思います。 しかし、核を落とされた国だからこそ、「いざとなれば核を使った電磁パルス攻撃を行う」という体制を整えることで、相手国に核を落とさせない国、核を使わせない国にしなければならないのです。 5月下旬に行われた日米首脳会談では、バイデン大統領が日本の常任理事国入りを支持すると発言し、日本でも歓迎の声が上がりました。 実際に常任理事国の一角に入ったら、国際紛争の解決などに責任を負うことになりますが、現在の日本には、問題を解決する実力も覚悟も十分とは言えません。 現在の国連は、常任理事国同士が二手に分かれて戦っているような状況にあります。ゆえに日本は滅びる側につかないよう、国力相応の軍事力と外交力を持つための努力をしなくてはなりません。 ◆憲法9条の改正で国家防衛の意思を明確に そのように「自分の国は自分で守る」体制を整えるためにも、やはり憲法9条の改正は待ったなしです。 国防の議論が行われるたびに「足かせ」となっているのが、戦力の不保持と交戦権の否認を定めた憲法9条です。 「自衛のための最小限の戦力はよい」「しかし、攻撃的な兵器は許されない」など、解釈を変えることによって乗り越えるのはもはや限界です。 憲法9条の改正は、日本が本当の意味で自立した主権国家になる道です。国力相応の国防力を持てば、独自外交も展開できます。 現在、岸田首相はアメリカ追従でロシアを敵に回してしまいました。これは岸田首相の判断ミスもありますが、自国の防衛をアメリカに委ねている弱みもあると言えます。 中国の脅威を考えたならば、日本の現在の軍事力でロシアも敵に回すことの間違いが分かるはずです。 ゆえに、「中国の脅威に関しては一緒に戦うが、この件について日本はロシアとの友好を取る」という姿勢が必要でした。 少なくとも、ロシアへの制裁撤回は今すぐにでも行い、敵を減らさなければ、日本は国家存続が危ういことだけは強調しておきたいと思います。 ◆戦争自体が悪ではない そして最後に強調したいことは、日本人の中に根強く残る「戦争イコール悪」という考え方の間違いです。 大川総裁は『ウクライナ問題を語る 世界の7人のリーダー』のあとがきにおいて「世界史の中では、戦争自体が悪であるのではない。神と悪魔の区別がつかず、正義を闇に葬る戦争を「悪」というのである」と述べています。 先の大東亜戦争も、日本は自国を守ると共に、アジア諸国を欧米の植民地支配から解放すべく戦いました。実際、アジア諸国は戦後独立を果たしました。 こうした日本の行為がすべて悪で、植民地支配を行ったヨーロッパや核兵器を日本に落としたアメリカが正当化されるのは、おかしなことではないでしょうか。 大切なのは、神仏の目から見て何が正しく、何が間違っているかという判断です。そして、正義を守るためには、時には戦わなければならないこともあるのです。 私たち幸福実現党は、この国に精神の柱を立て、神仏の心を心として、日本と世界の正義を守るために必要な備えを行ってまいりたいと思います。 【参考】 『ウクライナ問題を語る世界の7人のリーダー』大川隆法著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2799 「反撃能力」では日本は守れない。自前の核保有こそ「最大の抑止力」【前編】 2022.07.22 https://youtu.be/HQBVUzrZ2X0 幸福実現党党首 釈量子 今回は、国際情勢が緊迫している中において、どのように日本を守っていけばよいのか考えてまいります。 ◆時代遅れの「反撃能力」 ロシア・ウクライナ戦争を受けて、岸田政権が対露制裁に踏み切って以降、日本は、中国、ロシア、北朝鮮の「三正面の脅威」に備えなければいけなくなりました。 しかもこの3か国は核保有国です。 自民党の安全保障調査会は、4月下旬に、「敵基地攻撃能力」という名称を、「反撃能力」という呼び名に変えました。 この「敵基地攻撃能力」という概念は、1956年の鳩山一郎内閣が示したもので、幸福実現党も2009年の立党時に、北朝鮮のミサイルの脅威を念頭に「敵基地攻撃能力」を訴えました。 しかし、それは当時の北朝鮮のミサイルが液体燃料を使い、燃料注入で明らかに発射の兆候が分かるのに、これを放置するのはあり得ないという主張でした。 しかし今や北朝鮮のミサイルは固形燃料を使い、さらにトンネルからの発射や、潜水艦からの発射にも成功したと言われています。 非公表ではありますが、弾道ミサイル基地は20か所もあるとされます。つまり、発射の兆候が極めて読みにくくなり、さらに脅威も増しているのです。 こうした状況で「反撃能力」といっても、もはや時代遅れです。 中国については、米国科学者連盟の分析によれば、地下の弾道ミサイルサイロが300、移動式発射台が100以上あると推計されています。 こうしたミサイル基地を全て叩くことなど、ほぼ不可能です。逆に、中途半端な反撃をすれば、核の報復を受けることになりかねません。 「反撃能力」を持つこと自体に反対する野党は論外ですが、現在の「反撃能力」の議論には、どうも具体性が欠けています。 「憲法や法律の範囲内で何がやれるか」ではなく、「国を守るために本当に必要な防衛力とは何か」をタブーなく考える時が来ているのではないでしょうか。 ◆日本を守るために必要な戦力とは では、三か国の脅威から日本を守るためには何が必要になるでしょうか。まず重要なことは、通常兵器で敵基地を攻撃するのは限界があると知ることです。 具体的には、核兵器によるEMP攻撃(電磁パルス攻撃)ができる状況を整える必要があります。 電磁パルス攻撃とは、高層大気圏で核爆発を起こして強力な電磁波(ガンマ線など)を発生させ、電子機器に過負荷をかけて誤作動させたり破壊したりすることを目的とした攻撃のことです。 人体には直接的な影響はないものの、飛行機や電力網、通信網、衛星通信を麻痺させ、電気制御された水道やガスのインフラなどを止め、相手国のミサイル発射能力などの攻撃力を大方奪うことができます。 何百発とあるミサイルのサイトをすべて通常兵器で叩くことは不可能であり、もし通常兵器で叩けば、当然、全面的な反撃を受ける可能性があります。 ですから、一瞬で大半の攻撃力を奪う方法を備えておく必要があるわけです。 そのうえで、日本が海軍基地などをミサイルで叩き、アメリカが日本近海に来援できる状況をつくります。アメリカの打撃力で中国奥地にあるICBM基地などを破壊することで、中国の攻撃力を無力化するのです。 それでもどうしても叩き損ねる基地や兵器が出てくるので、万が一に備えて、電磁波バリアをはりめぐらせ、迎撃システムや避難シェルターも備えておく必要があります。 こうした戦力を備えるためには、当然のことながら、防衛予算が必要です。自民党は5年以内に倍増すると言っていますが、遅すぎます。 今すぐ倍増すべきですし、倍増した予算はアメリカの兵器購入に使うのではなく、今、述べたようなミサイルや電磁バリアなど、国産の兵器開発に投じるべきです。 幸福実現党は2009年から防衛産業の育成を訴えてきました。もちろん、13年前から防衛産業に力を入れていたらよかったのですが、今ならまだギリギリ間に合います。 さらに、相手国の指揮命令系統を混乱・麻痺させるためのサイバー攻撃ができるよう部隊の整備も必要ですので、こうした人材養成にも予算を付ける必要があります。 ですから、経済発展に資さないバラマキ予算に使っている場合ではないのです。このように他国の攻撃を想定した備えをしておくことは大事です。 (後編につづく) 「吉田ドクトリン」から脱却し、九条改正、国防軍編成、防衛産業の育成を目指す【後編】 2022.07.07 http://hrp-newsfile.jp/2022/4321/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆「吉田ドクトリン」で日本が失ったもの(2):防衛産業 吉田ドクトリンを信じている人は、軍事にお金を使うことは経済の発展につながらないと考えています。 そうした考えのもとで、再軍備の勧めを断った結果、日本は、国家に不可欠な産業の一つを失いました。 それが、防衛産業です。 三菱重工のように自衛隊の装備をつくる企業はありますが、どの企業も、全体の中でその割合は低く、ほとんどが1割前後にとどまっています。 しかし、米国の防衛大手を見ると、ロッキードマーティンは9割以上が軍需です(71%が国防総省から受注。28%が世界への兵器輸出)。 レイセオンテクノロジーは軍需が65%を占めています(民間向け売り上げは35%)。 欧州を見ても、売り上げを占める軍需の割合は高く、英国のBAEシステムは9割、スウェーデンの国産戦闘機をつくるSAAB (サーブ)は8割あります。 日本には、防衛に特化した大手企業がなく、腰を入れて防衛産業に打ち込みにくい状況が続いているわけです。 2021年度の防衛費をみると、4分の3が現状維持に使われ、残りの4分の1から新規の装備費を出していますが、そのお金も、米国からの装備品購入に回される割合が増え続けています。 日本は、自国に防衛産業を育成しきれていないのですが、防衛装備を他国に依存しながら、自主防衛を実現することはできません。 国際政治アナリストの伊藤貫氏は、米国の兵器は「ブラックボックス」で管理されているので、もし、将来の大統領が「中国とは戦わない」と決めたならば、日本に売った兵器をすべて止めることが可能だとも指摘していました。 F35戦闘機を例にとると、予算が増えない中で米国兵器ばかりを買った場合、日本企業に払うお金が減り、戦闘機の生産基盤を維持できなくなります。 F2戦闘機の生産は終わったため、新しい需要を生み出さなければ、F35を買っている間に国内の技術者が離散し、日本は「戦闘機の作れない国」になってしまうのです。 そうした問題があるので、欧州ではユーロファイター、スウェーデンではグリペンという、自前の戦闘機を作り続けてきました。 防衛産業がなければ「独立」を維持できないからです。 こうした新型戦闘機の開発には「兆」の単位のお金がかかります。 それは、防衛予算の倍増なしには不可能なのです。 ◆防衛産業への投資は未来産業の育成のためにも不可欠 そもそも、軍事にお金を使うことは経済の発展につながらない、という考え方は、正しくありません。 日本でも、戦時中に戦闘機や軍艦、戦車などをつくっていた技術者は、戦後、民生用の航空機や船、自動車などの製造に力を注ぎ、経済発展に大きく貢献しました。 愛国心に満ちた技術者たちの力があって、「重厚長大」産業の復活が早まったのです。 たとえば、ヤンマーディーゼル社の山岡浩二郎社長は、「ヤンマーに入社した旧海軍の技術陣は、それこそそうそうたる顔ぶれであり、ヤンマーが今日あるための大きな礎石であった」と述べています(沢井実『海軍技術者の戦後史』名古屋大学出版)。 新幹線の振動問題を解決したのは、ゼロ戦の飛行を安定させた松平精という技術者です。 当時、新幹線開発を支えた鉄道技術研究所(鉄研)には、1000人もの旧軍技術者が集められていました。 軍事のために用いた技術力は、民間経済のためにも使えるので、軍事費を無駄な浪費と見なすのは、間違った考え方です。 今の社会のインフラをみると、軍事で使われて発展したものが数多くあります。 例えば、その一つが鉄道です。 プロイセンでビスマルクが宰相だった頃、モルトケ将軍は鉄道を用いて兵士をいち早く投入し、普墺戦争、普仏戦争に勝利しました。 鉄道は、社会の基幹インフラとなると同時に、軍の輸送や兵站を支える役割を果たしています。 航空技術は、第一次大戦前は、好事家の趣味程度のレベルでしたが、第二次大戦の頃には主戦力に変貌します。 そして、戦後世界を支える基幹技術となりました。 宇宙ロケットの技術と弾道ミサイルの技術も、かなりの部分が重なります。 原子力は兵器だけでなく、発電においても、エネルギー政策の基幹を担っています。 インターネットも、もとは軍用だったものが、民間に普及し、世界のインフラとなるに至りました。 軍事への投資には、基幹的な技術のレベルを高めるものが数多くあります。 世界の主要国が軍事に投資する中で、日本だけがそのお金を惜しんでいると、世界的な技術開発競争に劣後する危険性が高まるのです。 ◆「吉田ドクトリン」を乗り越え、真の独立、主権回復をめざす 国防軍も、防衛産業も、日本の独立を守るためには、不可欠なものです。 日本が21世紀に、独立国として、大国の責任を果たすためには、吉田ドクトリンから脱却しなければなりません。 憲法九条を抜本改正し、国防軍を編成し、自国の防衛産業を発展させる必要があります。 これがなければ、北朝鮮の核ミサイルや中国の軍拡には対抗できません。 日米同盟を維持しながらも、自主防衛力の強化を進めていかなければなりません。 米国が「世界の警察官」をやめた時代においては、自分の国を自分で守らなければならないからです。 そのために、幸福実現党は「吉田ドクトリン」からの脱却を呼びかけています。 そうであってこそ、日本が真の独立を果たし、主権を回復したと言えるからです。 経済大国となった日本は、いつまでも「一国平和主義、一国繁栄主義」を続けることはできません。 幸福実現党は、「自由・民主・信仰」を守り、中国や北朝鮮などの唯物論国家、一党独裁の国家から、アジアの国々を守るべく、力を尽くしてまいります。 【参考】 ・大川隆法著『国家繁栄の条件』幸福の科学出版 ・岸田文雄『岸田ビジョン』講談社+α新書 ・防衛白書 令和3年度版 ・『SAPIO 2015年10月号』 ・沢井実著『海軍技術者の戦後史』名古屋大学出版 「吉田ドクトリン」から脱却し、九条改正、国防軍編成、防衛産業の育成を目指す【前編】 2022.07.06 「吉田ドクトリン」から脱却し、九条改正、国防軍編成、防衛産業の育成を目指す【前編】 http://hrp-newsfile.jp/2022/4320/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆「脱吉田ドクトリン」のための言論戦 幸福実現党は、参院選の公約で「日本は独立国として、いわゆる『吉田ドクトリン』、軽武装・経済優先の国家方針を転換し、国民の生命・安全・財産を守るための体制整備を急がねばなりません」と訴えました。 そう主張しているのは、この原則が、今後、日本を侵略を守るために、最も大きな障害となるからです。 吉田茂首相は、戦後講和を実現した1951年に、アメリカと安全保障条約を結び、「アメリカに守ってもらって、日本は経済活動に邁進する」という路線を敷きました。 アメリカに安全保障を依存し、軽武装のままで経済復興を最優先したのです。 1950年に朝鮮戦争が起き、アメリカが対日政策を転換した時、憲法改正の要請を断り、吉田茂は、アメリカを「日本の番犬」に見立て、経済成長に専念する体制をつくりました。 その後、日本は世界有数の経済大国になったので、長らく、この「吉田ドクトリン」がよしとされてきました。 しかし、今や中国の軍拡が進み、北朝鮮までが核ミサイルを日本に向けています。 米国が「世界の警察官」をやめた時代には、自分の国を自分で守らなければならないので、幸福実現党は「吉田ドクトリン」の転換を呼びかけています。 「半主権国家」となった日本を立て直そうとしているのです。 ◆「吉田ドクトリン」を愛している岸田首相 これに対して、岸田首相は、その著書で、自分が率いる宏池会こそが「吉田ドクトリン」の後継者だと主張しています。 「吉田茂の経済重視政策は、池田勇人元総理、大平正芳元総理、鈴木善幸元総理や河野洋平元衆議院議長、宮澤喜一元総理ら宏池会の先輩方に引き継がれました。結果からみれば、この方針により奇跡的な経済復興を遂げ、世界第三位の経済大国としての地位を回復することができました」(『岸田ビジョン』) これは、吉田首相がGHQの再軍備の勧めを断り、経済を優先したことが繁栄をもたらした、という歴史観です。 しかし、この考え方は、過去の「成功体験」が、日本を滅ぼしかねないことに目をつぶっています。 日本が「GDP比1%」の呪縛に囚われている間に、中国の公表軍事費は、日本の4倍以上にまで増えました(※円でいえば26兆3000億円程度。米国防総省は、その実態を1.1~2倍程度と見込む)。 また、北朝鮮はすでに700~1000発の弾道ミサイルを保有しています。 (※防衛白書令和3年度版は「『Jane’s Sentinel Security Assessment China and Northeast Asia』によれば、北朝鮮は弾道ミサイルを合計700~1,000発保有しており、そのうち45%がスカッド級、45%がノドン級、残り10%がその他の中・長距離弾道ミサイルであると推定されている」と記述) バイデン政権は、ロシアとウクライナの戦いに際して、他国のために核戦争をしないことを明らかにしました。 日米同盟があっても、防衛費の倍増や非核三原則の撤廃、自前の核装備の検討を、本気で考えなければいけなくなったのです。 ◆「吉田ドクトリン」で日本が失ったもの(1):自主防衛力と独立の気概 この「吉田ドクトリン」に関しては、米国への順応と経済復興だけが重んじられ、憲法改正や自主防衛力という、国の根本にあるべきものが軽視された、という批判があります。 その代表的な論者は「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根康弘元首相でした。 中曽根氏は、戦後のかじ取りの難しさを考慮しつつも、「吉田路線で失われたものは無視できない」と考え、「吉田政治からの脱却」を訴えました。 しかし、それは志半ばで終わってしまいました。 安倍首相の「戦後脱却」も、かけ声だけで終わり、いまだ日本は、自主防衛が困難な体制に置かれています。 中国が台頭し、米国がアジア重視にかじを切っても、日本は同盟を強化する政策が実現できなくなっているのです。 国のトップが「自分の国を自分で守る」という理念を捨てたツケが、こうした形で回ってきました。 この問題に関して、大川隆法党総裁は、過去、何度も警鐘を鳴らしてきました。 「日本も、戦後、どこかの時点で、この「吉田ドクトリン」を見直さなければいけなかったのです。ここに大きな間違いがあったと思います」(『平和への決断』第5章 … page.211) 「神は、『クラゲのように漂って生きているだけの国家を許してはいない』」 「戦前がすべて間違っていたわけではありません。吉田茂の考え方のなかに、『日和見的な生き方』と、「責任を取らない考え方」があり、さらに、「神様のいる国としての国家運営という『神国日本』的な考え方が、スポッと抜け落ちていた」ということです。これが、戦後の「無神論国家」、「神様のいない国家」が、経済的にのみ繁栄した理由でもあります。この罪には、やはり、『マルクスに次ぐぐらいの悪さ』があるのではないでしょうか」(大川隆法著『国家繁栄の条件』幸福の科学出版) 《引用終わり》 この「吉田ドクトリン」によって、日本は憲法を改正できず、自主防衛の力を養えないまま、漂流する国となってしまいました。 識者の中には、生前の吉田に再軍備の意志があったという人もいますが、吉田政権の意思決定が、戦後政治に与えた影響は甚大でした。 その意志があろうがなかろうが、後代への影響を考えれば、吉田茂が、その責任を問われるのは当然です。 国会答弁で、「再軍備は未来永劫しないと言っているのではない。現下の状況においてこれを致すことはしない」とは言いましたが、再軍備のチャンスを逃したことが、その後の歴史に大きなツケを遺すことになったのです。 吉田茂に対して、大川隆法党総裁は、憲法改正と再軍備が「『一つの国としての自主権であり、独立国家としてのかたちをつくるためのチャンスである』ということを彼が見抜けなかった」ことに「不明」があったと批判しました。 そして、それが「何十年も祟ることになるとは、おそらく、本人も思ってはいなかったのではないでしょうか」と指摘しています(大川隆法著『国家繁栄の条件』幸福の科学出版) (後編につづく) 重大な分岐点が迫るロシア・ウクライナ戦争――停戦交渉の道を拓くべき【後編】 2022.07.04 重大な分岐点が迫るロシア・ウクライナ戦争――停戦交渉の道を拓くべき【後編】 http://hrp-newsfile.jp/2022/4315/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆泥沼化を避けるためには、停戦交渉が必要 今、欧米は、「どこまでウクライナへの武器支援を続けるのか」という問題を突き付けられています。 戦争を長引かせ、犠牲者が増えるだけとみて、支援を打ち切るのか。それとも、戦局が変わることを期待して、延々と支援を続けるのか。 この問題に、落としどころを示したのが、冒頭で紹介したキッシンジャー氏の提言だと言えます。 キッシンジャー氏は、アメリカがベトナム戦争を終わらせた時の大統領補佐官でした。同氏は、戦争は、どこかで終わらせなければいけないことを知っています。 しかし、ゼレンスキー大統領は、戦争をどこで終わりにしたらよいのかが見えていません。 現在、東部の帰属は戦争の結果で決めるしかなく、7月初の時点ではロシアが優勢です。 市民を民兵として動員するウクライナの戦い方は、敗勢に回った場合、多くの犠牲者が出るので、本来、ゼレンスキー大統領は、交渉が可能な間に「落としどころ」を考えなければいけません。 武器支援の中心を担う米英は、自分たちの血は一滴も流さずに、ウクライナに代理戦争を行わせ、ロシアを弱体化させようとしています。 支援なしには戦いを続けられない国は、はしごを外されたら終わりなので、キッシンジャー氏の忠告通り、「落としどころ」を考えるべきなのです。 ロシア・ウクライナに停戦を呼びかけたキッシンジャー氏は、ロシアと中国を同盟関係に追い込むことが、最も危険だと考えています。 フィナンシャルタイムズ紙のインタビューでは、以下のような大局観を述べています。(※3) 「ウクライナ戦争が終わった後、世界の地政学的状況は大きな変化を経験する」「すべての問題について、中国とロシアが同一の利害を持つのは、不自然なことだ」 「戦争後の状況では、ロシアは、最低限ヨーロッパとの関係や、NATOに対する姿勢を見直す必要が出てくる」「アメリカも、特にヨーロッパも、そうする必要がある」 「だから、2つの敵対国に対して、彼らを連携させるような形で、敵対的な立場を取るのは賢明ではない」「総合的な戦略からすれば、これからの時代、ロシアと中国を一体のものとして扱うべきではない」 今回、ウクライナをめぐって、欧米と日本がロシア叩きを続けた結果、中露が結託して動くことが増えてきました。 しかし、世界大戦の危機を避けたいのなら、中露の分断のための大戦略が必要です。 国際政治学者のミアシャイマー氏も、日本は、ウクライナ戦争の早期終結に向けて、米国に働きかけるべきだと論じました(『文芸春秋2022年6月号』)。 「ロシアではなく中国が本当の脅威であり、長期的にはロシアと協力するほうが合理的であることを、米国政府に理解させなければなりません。そのためにも、まずは日本が米国に対して、ウクライナ戦争を早期に終結し、全力で軸足を東アジアに向けるよう進言すべきです」 今まさに、中露を同盟関係に追い込み、そこに他の反米国がつらなって第三次世界大戦が起きることを防ぐための努力が必要なのです。 ◆この戦争の着地点はどこか? そうした大局観をもって、幸福実現党は、停戦とウクライナの中立化に向けた独自外交と、中露分断の必要性を訴え、3月以降、声明を出しています。 『日本はウクライナの中立化に向けた外交努力を(党声明)』(令和4年3月11日) https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12477/ 『ロシアに対する追加制裁の撤回を求める(党声明)』(令和4年4月9日) https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12565/ 幸福実現党は、バイデン政権のように「民主主義国家vs専制国家の戦い」という枠組みで国際社会を捉え、ロシアを敵視する路線では、中国の暴走は止められないと考えています。 「信仰ある国家vs無神論国家」という見方で捉え、信仰を理解するロシアを対中包囲網に参加させる戦略が必要だと訴えています。 我が党は、ウクライナの火種が次の世界大戦へと広がることを防ぐべく、力を尽くしてまいります。 (※3) フィナンシャルタイムズ紙のキッシンジャーのインタビュー Henry Kissinger: We are now living in a totally new era | FT https://www.youtube.com/watch?v=6b89jcNqgJo&t=279s すべてを表示する « Previous 1 … 4 5 6 7 8 … 101 Next »