Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 米軍の辺野古移設推進――ブレない防衛政策を!【後編】 2016.03.27 文/幸福実現党・沖縄県本部副代表 金城タツロー 【前編】では、辺野古移設をめぐる国と沖縄県の3つの裁判を振り返りました。【後編】では、裁判のその後の展開から国防のあり方を述べて参ります。 ◆裁判が意外な方向へ急展開 代執行訴訟において福岡高裁那覇支部が和解案を提示、3月4日、国と県双方が受け入れ和解が成立しました。 裁判所は、国と県の間で行われている裁判をすべて取り下げ、工事を中止した上で、国が、翁長知事が行った埋め立て承認の取り消しの是正を指示するよう求めました。 そして沖縄県側がそれを不服とする場合には、国の是正指示を取り消す裁判を起こし、この裁判の結果に双方とも従うとしております。 あわせて、この裁判の判決までに、国と沖縄県は円満な解決に向けた協議を行うことなどが盛り込まれています。 代執行裁判において、裁判所がなぜ和解案を提示したのか。 代執行裁判は1995年にも提起されています。当時の大田昌秀知事が米軍用地の収用に必要な代理署名を拒み、訴訟に発展しました。 翌96年、福岡高裁判決で国側が勝訴し、橋本首相が知事の代理署名を代執行し、その後、最高裁で県側の敗訴が確定しました。 その後2000年に地方自治法が改正され、地方の権利が拡大します。今回は裁判所の側も政府寄りの立場で判決を下したと思われたくないがために 和解案を出してきたのではないでしょうか。 政府の側も工事を継続した中、県議選や参議院選の最中に事故でも起きれば 選挙に不利になると考えたのではないかと思われます。 しかし私は冒頭述べましたように、こと安全保障に関しては、ブレずに一貫していなければならない、と考えます。 ◆選挙対策のために辺野古移設を取りやめか 更にゆゆしき事態です。 安倍首相が、辺野古への移設を諦め、鹿児島の無人島に普天間を移設するのでは、とささやかれています。 それについて、幸福実現党大川隆法総裁は、3月13日の福岡の大講演会の中で、次のように警鐘を鳴らしました。 「鹿児島県の孤島に、海兵隊を移すからいいだろうという話が妥協的に出たとしても、それは沖縄が中国に取られていく歴史です。」 そして、裁判の和解をきっかけに、うごめいているものが表面化して参りました。 「『馬毛島に普天間を』おおさか維新、暫定移転を提言」という記事が3月25日付の沖縄の新聞を踊ります。 仲井眞前知事は、辺野古の埋めたて承認の条件として、政府に普天間の5年以内の運用停止を約束させたとされていますが、中国の脅威から県民の生命を守ることを第一義とするならば、更に欲を出して政府と条件闘争をしてはなりません。 そもそも、当初の日米合意における普天間の返還の条件は、代替施設の建設を完了してから、ということになっていたはずです。 私も沖縄県民であるがゆえにご忠告申し上げたいと思います。 政府におかれましては、こと安全保障政策に関しては、沖縄県に対し、一歩も引いてはなりません。 普天間の5年以内の運用停止など、当初の日米合意にはない、とつっぱねれば良いのです。むしろそのようにしたいので県民の皆様、本気で協力してくださいというべきです。 でなければ、また振り出しに戻ったうえ、日米の信頼を傷つけ、結果、沖縄県民を最大の危機にさらすだけでしかありません。 米軍の辺野古移設推進――ブレない防衛政策を!【前編】 2016.03.26 文/幸福実現党・沖縄県本部副代表 金城タツロー ◆国民を守る政策がブレるということは絶対にありえない 私は、2009年の衆議院選挙に出馬してより今まで、自分の掲げる政策が簡単に右にいったり、左にいったりしては絶対にならないと肝に銘じてまいりました。 特に、安全保障政策がコロコロ変わるというのは、大問題です。 一部の沖縄の政党や政治家は、世論の動向に敏感で、巧みに政策を変えてきました。 保守と言われる方々でも、普天間飛行場の辺野古移設の条件付き容認→県外を主張→条件付き容認と主張を変え、それが政治不信のもとになっています。 選挙にはマスコミが沖縄県民に与える印象操作がもっとも大きな力を持つので、普天間は県外が当然、という世論が形成されてしまえば、県内移設を掲げて選挙に臨んだ場合、勝ち目はないかもしれません。 しかし、こと安全保障に関しては、「県民の生命・財産を守る」ということを第一義として掲げるべきだ、と私は思うのです。 そうでなければ、政治に対する信頼は失墜してしまいますし、マスコミに反省を促すこともできません。 特に、主張が180度変わった翁長知事に対し、なぜ「かつては県内移設が県民を守ると確信し、今は県外移設が県民を守ると確信している」のか、ご本人に直接聞いてみたくてたまりません。 ◆私が辺野古移設を徹底して推進した理由 ところで普天間の辺野古移設に関して、日米が合意するまでの間にもさまざまな案が提示されておりました。 嘉手納統合案や、キャンプシュワブ陸上案もありましたし、勝連のホワイトビーチへの移転案もありました。 また、そもそも普天間が本当に危険なのか、という疑問も投げかけられています。普天間飛行場を離発着したヘリや航空機の事故よる沖縄県民の死傷者は戦後おりません。 ですから「普天間問題」という言葉そのものが幻想なのではないか、という意見もあります。 そのような議論百出する中で、私が辺野古移設を徹底して推進したのは、絶対に「日米同盟」に亀裂を生じさせてはならない、という信念からでした。 どのようないきさつがあろうとも、普天間飛行場は辺野古沿岸に移設、ということを日米が最終合意しているのです。合意前であれば、さまざまに意見を戦わせることも良しでしょう。 しかし、結論を見出したならば、そこに向かって着実に前進する以外にないではありませんか。 それに対し、翁長知事は、「私も保守の人間だ。日米同盟を守りたい。だからこそ、県民が反対する新基地建設に反対しているのだ」とおっしゃいますが、それは嘘に満ちています。 米国政府は、日本への内政不干渉の立場を貫いているのです。 ◆辺野古移設をめぐる訴訟合戦 仲井眞知事が辺野古の公有水面埋め立ての承認をしたのが、2013年12月27日です。 私は仲井眞知事とは、2010年の沖縄県知事選挙において戦いました。当時、仲井真氏は「普天間は県外」を主張。 しかし私は日米同盟を堅持し中国の脅威から沖縄県民の命を守るためには、日米が合意したところの辺野古移設を完遂しなければならないと主張しました。 選挙の結果は仲井真氏の圧勝でしたが、しかしその後仲井眞知事は選挙公約を破って、私の主張を受け入れ、辺野古移設の工事の承認をしたのです。 仲井眞知事の承認後、沖縄のマスコミは反仲井眞キャンペーンを張り、公約違反を訴える県民の声を徹底的に掲載し続けます。 その後、知事選で仲井眞陣営の選対委員長であった翁長市長(当時)が次期知事候補として浮上、2014年11月16日に投開票された県知事選では県外移設という公約を掲げて現職の仲井眞氏を破り県知事に当選しました。 当選後、翁長知事は辺野古移設阻止のため有識者会議を立ち上げます。 2015年7月16日有識者会議が仲井真前知事の辺野古埋め立て承認に瑕疵があると翁長知事に報告 10月13日、翁長知事が仲井眞前知事による埋め立て承認を取り消し 10月14日沖縄防衛局が取り消しの効力停止などを国交省に要求 10月27日国交省が取り消しの効力停止を決定 10月27日国交省が(知事に代わって)代執行の手続き開始を表明 11月2日県が国地方係争処理委員会に政府の対応を是正させるよう求め、審査を申し出 11月17日国交省が高裁に提訴(代執行訴訟) 12月24日国地方係争処理委員会が県の申し出を却下 12月25日県が国土交通省の執行停止は違法と那覇地裁に提訴(抗告訴訟) 2016年2月1日県が国地方係争処理委員会が県の申し出を却下していたことに納得がいかないと福岡高裁那覇支部に訴え(係争委不服訴訟) 以上、国と県とが3つの裁判を争う事態となりましたが、県が訴えていた2つの訴訟内容は「国土交通省の執行停止は違法」だと主張するのもので、大きな違いはありません。 (つづく) 日本のミサイル防衛に盲点はないのか 2016.03.24 文/幸福実現党・大分県本部副代表上田あつこ ◆日本の弾道ミサイル防衛の現況 平成27年版防衛白書の中で読み取れるように、日本政府は北朝鮮の「戦略的抑止力」を過大に評価することを恐れています。(平成27年版防衛白書・概観) 北朝鮮の危険性を認識していながらも、中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)を見ても対策が充分ではないところに、その影響が表れています。 ※中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度) http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2014/pdf/chuki_seibi26-30.pdf これを見ると、日本の弾道ミサイル防衛(BMD)整備はまだその途上にあり、政策評価を見る限り、その完成は平成32年以降を目途としています。 ◆自衛隊のBMD能力 それでは、現在の自衛隊のBMD能力がどの程度なのか、今すぐそこに迫る北朝鮮の脅威に対応可能なのでしょうか?これが問題です。 ※参考 弾道ミサイル防衛(平成20年3月防衛省) http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/19/sougou/sankou/02.pdf 自衛隊のBMDは2段構えになっており、第1段階ではイージス艦搭載のSM-3を使用して、大気圏外(ミッドコース段階)での迎撃をおこないます。 第2段階では、陸上自衛隊のPAC-3を使用して大気圏内(ターミナル段階)で迎撃をおこないます。 ただし、これまでの演習実績をみると、SM-3での迎撃は高度160kmで実施され、PAC-3は高度20km程度が限界です。 平成24年に北朝鮮が発射した準中距離弾道ミサイルは、高度500kmで飛翔したことが分かっています。 ※平成27年版防衛白書 図表1-1-2-3 http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2015/html/n1121000.html#zuhyo01010203 平成28年2月に発射されたミサイルは、さらに高速度であることから、高度は500kmより高かったであろうと思われます。 SM-3の射程高度は500kmが最高と言われており、実際には米軍が高度247kmで軌道をはずれた人工衛星を破壊したのが最高高度です。 つまり、それより高い空域での実績はまだありません。少なくとも、高度500km以上の空域を飛ぶICBM(大陸間弾道ミサイル)やIRBM(中距離弾道ミサイル)をその高度では破壊できないことになります。 しかも、ミニマムエナジー軌道をとるミサイルは低高度になるので迎撃の成功率が高まるが、ロフテッド軌道をとり落下速度をマッハ10以上に高めた弾頭を迎撃するのは至難の業です。 SM-3が迎撃に失敗した場合、有効射程距離に入った弾頭を、PAC-3はわずか数秒のうちに破壊しなければならなりません。 さらに、核ミサイルで敵国に一定のダメージや脅威を与えることだけを考えるのなら、ミサイルを着弾させる必要もないのです。迎撃ミサイルが届かない大気圏外で爆発させればよいからです。 これは半径百キロメートルから千キロメートルの広範囲にわたって強い電磁障害を引き起こします。 地上の電子機器は回路が焼き切れ、復旧までには長い時間がかかるといわれています。 病院などでどういうことが起きるか、想像に難くありません。停電により、多くの死者が出る可能性はあるし、都市機能はマヒしてしまうでしょう。 ※参考 核実験(wikipedia) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93 結局言えることは、定められた条件を前提とした迎撃実験には成功しているが、その条件は非常に限定されているということです。迎撃ミサイルは完全ではありません。 ◆BMDの意義 それでは、BMDそのものの意義をどう考えるべきなのでしょうか。 戦略的抑止力は現在実用化されている技術としては、核の保有以外は無いということです。 SM-3などのミサイル防衛システムは、核という抑止力の効果を高めるために有効なツールであって、それ単体で抑止力になるものではありません。 これこそが日本のミサイル防衛の盲点です。ミサイル防衛のポイントは、敵国に核ミサイルを撃たせないことにあります。 特に、上記の大気圏外での核攻撃を最も受けやすいのが、核抑止力を持たない日本のような国です。恫喝の手段としてこれほど有効なものはないでしょう。 そして、攻撃を仕掛けた国が、「実験中の事故による爆発であり、故意ではない」と言い訳した場合、どのような報復ができるのでしょうか。 7年前、幸福実現党が立党した直接の理由が、この北朝鮮ミサイル問題です。当時、国民の皆様にご理解をいただき、議員輩出できていたら・・・。 次が最後の機会という思いで、みなさまにお訴えしていきたいと思います。 北の暴挙に、目覚めよ日本! 2016.03.23 ◆北朝鮮の野望 北朝鮮は米韓の合同軍事演習に対抗し、「5回目の核実験を今すぐにでも実施できる」と反発を強めています。北朝鮮はなぜ、このような挑発行為を続けるのでしょうか。 北朝鮮の本当の狙いは朝鮮半島を統一することです。 そのための2つのシナリオを描いています。 一つは、日本に向けてミサイルを発射し、恐怖に陥れながら米国を牽制し、いきなり韓国への武力侵攻を図ること。 もう一つは、核兵器で韓国を脅し、韓国が何もできず白旗を揚げて降伏することを狙っています。 北朝鮮の軍事力を過小評価する向きもありますが、韓国軍66万人、自衛隊23万人に対して北朝鮮は120万人の軍隊を持っています。 3月に入って、頻繁にミサイル発射を繰り返すのも北朝鮮を攻撃できるような体制をつくる前に「韓国を降伏させたい」と考えているともとれます。 実際に、20日の軍事演習では、韓国上陸への奇襲作戦を実施し、「核の小型化」に成功していることをみても着実に、北朝鮮による朝鮮半島統一が現実味を増してきています。 ◆中国のシナリオ 北朝鮮に対して、中国は暴走を止めるような手段をとるのでしょうか。 中国は国際社会の信用を得るために、北朝鮮に厳しい態度を取っているように見せるかもしれませんが、それらはパフォーマンスであって決して、本気で北朝鮮を叩いたりすることはありません。 なぜなら、中国が一番、嫌なことは、日本や米国が台湾や韓国を足場にして攻め込んでくることであり、朝鮮半島が米国寄りの自由主義国である韓国に統一されると、中国にとって非常に危険なのです。 そのため、米国や日本に対する備えとして北朝鮮を裏で支え、温存し、朝鮮半島を中国寄りの立場で統一させたいと考えているのです。 中国の本当の狙いは、2020年までに米軍を追い出し、アジアの覇権を握ることです。 まず、台湾を取り、次に朝鮮半島を中国の属国化というかたちで統一し、日本の一部を占領することを国家戦略とし、着実にその計画を実行しているのです。 ◆欧米メディアや研究者の間違った見方 欧米メディアやオバマ政権に近い立場の研究者の、北朝鮮の暴走を止めるために「六カ国協議の再開」や「外交的決着の望みは中国にかかっている」という見方は大きな間違いです。 オバマ政権が中国の顔を立てて、北朝鮮と交渉させていますが、時間稼ぎをしているだけで、その間に核開発を進め、軍事増強をし、北朝鮮の野望と中国の国家戦略の実現に向けて着々と動いています。 中国軍はいざとなれば、瀋陽軍区から2時間で平壌まで制圧できる体制をつくっています。 欧米メディアや研究者が主張するように、中国が北朝鮮を説得したところで、アジアが平和になるわけではありません。代わりに中国の核兵器が鴨緑江を渡って、北朝鮮に入ってくるだけだということを知らなければなりません。 ◆何もできないオバマ政権 米国は、もっと早い段階で北朝鮮の核基地などを攻撃する選択もありますが、それを行うことで、瀋陽軍区の中国軍が南下して、北朝鮮と合体することを米国はとても恐れています。 単に「北朝鮮だけを攻撃する」ということであれば可能ですが、中国との戦争につながる恐れがあるのでなかなか判断できずにいます。 最近の米韓合同演習では「核基地への先制攻撃」も実施していますが、実行に移すかは謎です。北朝鮮や中国は結局、何もできないオバマ政権の足元の弱さをすでに見透かしています。 ◆今こそ、問われる日本の外交手腕 朝鮮半島に差し迫る危機の中で日本に打つ手はあるのでしょうか。現実的な問題として、米国だけに頼るのではなく、日本独自の外交方針や軍事的見解を考える必要があります。 (1)日米韓での合同軍事演習の実施 まずは、日・米・韓(本当は台湾まで含めたいが)で実戦を見据えた合同の軍事演習を早急に行うことが重要です。 (2)ロシア、インドとの首脳会談 4月末から5月上旬に、安倍首相がプーチン大統領を非公式で訪問する予定になっていますが、一日でも早く、ロシア、インドと首脳会談を行い、いざという時に日本を助けてくれるような協力体制をつくることです。 特に、日本が米国以上に核兵器をもったロシアを巻き込み、背後から睨みをきかされることは北朝鮮や中国にとって嫌なはずです。 アジアの平和のために、日本はロシアと平和条約締結までもっていく努力が不可欠です。 条約を結ぶに当たっては、通常は事前に国会の承認が必要ですが、緊急の場合に限り、事後の承認でも良いので、安倍首相は勇気をもってロシアと何らかの友好条約を結んで日本に帰ってくるべきでしょう。 米国が反対する可能性が高いですが、米国とは同盟国としてヨーロッパと行っているような「核シェアリング」を検討する議論に入るなど、集団的自衛権からもう一段、踏み込んだ関係を築いていくことです。 米国も中国にすり寄るなど「大人の関係」を続けているので、日本とロシアの友好関係に反対するようなら「米国は同盟国として本当に日本を守ってくれますよね?」とくぎを刺すくらいの強い交渉力が必要です。 また、米国との関係が悪化しないように、米国の重要なパートナーである、カナダやイギリスなどとも関係を強化し、味方を増やしておくことが重要です。 (3)共和党政権誕生への情報戦 短期的な情報戦として、官民が連携して、米国の次期大統領選で共和党政権が誕生するように世論に働きかけていくことも急務です。 米国世論をつくっている言論人やシンクタンク、大学の研究者に「アジアの平和のために日本が共和党政権を望んでいる」ということを伝えるだけでも影響力は大きいでしょう。 中国は、今月に入り、メディアを使って共和党有力候補のトランプ氏を「トランプの当選は大規模テロに匹敵する」などと強い批判を始めました。 一方で、民主党の有力候補のヒラリー氏に対しては、「国務長官時代に付き合いがあったので、交渉できる相手だ」と批判していません。 中国がメディアを使って米国の特定の候補者を批判するのは異例のことで、それほど共和党政権が誕生することを恐れているのかもしれません。 日本のマスコミもトランプ批判に便乗することは北朝鮮や中国のプロパガンダに加担することであり、もっと日本の国益にあった公正な報道を心掛けるべきではないでしょうか。 夏の参議院選を前に、安倍政権も大きくブレていますが、党利党略のためではなく、国難の危機を直視し、国民の生命・安全・財産を守るという政治家としての本来の使命に務めて頂きたいものです。 私たち国民もマスコミにおどらされることなく、日本とアジアの平和を守るために必要なことは何かを真剣に考えられる人であってほしいと強く願っています。 「愛しているから黙ってられない」。幸福実現党は、勇気をもって本当のことを言い、行動していきます。 原発停止は、日本に危機を及ぼす―経済成長とエネルギー安全保障を支える政策を! 2016.03.22 文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし) ◆高浜原発運転差し止めの仮処分を大津地裁が決定 大津地裁は9日、滋賀県の住民29人が福井県の関西電力高浜原子力発電所3、4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請で、差し止めを命じる決定を出しました。 関西電力は大津地裁の決定を受けて、原発の運転を停止。運転差し止めの理由として、重大事故や津波の対策、事故時の避難計画の策定などについて、「関電側が主張や説明を尽くしていない」ということをあげています。 関西電力は14日、「当社の主張や立証を客観的に検討して判断したとは考えられない不当な決定だ。極めて遺憾であり、到底承服できない」として、大津地裁に異議を申し立てました。 ◆現場では不満と戸惑い、国民は半数以上が「支持しない」 大津地裁の判断を受けて、現地の行政や経済界からは不満と戸惑いの声が上がっています。 福井県の西川知事は、「(原発が)何度も止まったり動いたりする状況を繰り返すのは遺憾」とし、高浜原発のある高浜町の野瀬町長は「地裁ごとに判断がばらつき、立地自治体として翻弄されるというか、もてあそばれているような状況にある。」と不満を表明しました。 関西経済連合会の角副会長は「なぜ一地裁の裁判長によって国のエネルギー政策に支障を及ぼすことが起こるのか。可及的速やかに法律改正せねばならない」と持論を述べました。 なお、日本経済新聞社のWEB調査(クイックVote)によると、原発を止めた大津地裁の決定を「支持しない」が60%を占めています。 原発止めた地裁決定「支持しない」60% (3/17日経 電子版) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98497020W6A310C1000000/ ◆原発停止は日本に危機を及ぼす選択 これまで高度な専門性が求められる原発の安全性の判断は、「行政側の合理的な判断に委ねられる」とし、司法は抑制的であるべきだとする判例が踏襲されてきましたが、それを逸脱しています。 さらに、今回の決定は大局的に見て日本に危機を及ぼす選択です。 ◆エネルギー安全保障は外交の重要な課題 日本のエネルギー自給率はわずか6%です。国際問題などの外的環境の変化や経済的なコスト面、供給の安定性から考えて原発再稼働は現実的な選択です。 【参考】平成25年度エネルギー⽩書概要(平成26年6月『資源エネルギー庁』) 「我が国の一次エネルギー自給率は、震災前(2010年:19.9%)に比べて大幅に低下し、2012年時点で6.0%。これは、OECD34か国中、2番目に艇い水準」 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2014gaiyou/whitepaper2014pdf_h25_nenji.pdf 日本の発電の大部分は火力発電ですが、原料となる原油は8割以上が政情不安定な中東からの輸入です。そのため、今後の国際情勢の悪化で、原油価格の高騰や原油の供給が滞る恐れがあります。 また、日本への原油輸送ルートは中国の軍事基地建設で揉める南シナ海を通るため、もしその海上輸送ルート(シーレーン)が封鎖されれば、供給路が断たれ、原料が入ってこなくなるというリスクを抱えます。 資源、エネルギーなど海外依存度の高い日本にとって、海上交通路の安全確保は安全保障上の重要な要です。 エネルギー供給の危機に瀕した例としては、1970年代のオイルショックがあります。中東情勢の悪化によって、原油価格が高騰し、経済的混乱が起こり、トイレットペーパーや洗剤などの買い占め騒動がありました。 このままでは、同じような混乱が起こる恐れがあります。オイルショックの反省から海外からの石油燃料に対する依存度を低減するために、自国でエネルギーを安定的にまかなえる原子力が国家のエネルギー戦略として推進されてきた経緯があります。 ◆原発停止による日本経済への破壊力 原発停止に伴う日本経済への打撃も問題です。 火力発電にまかなう燃料費の増加は、2014年度で約3.4兆円。1日あたり90億円以上の国富が海外に流出しています。そして電力料金は、家庭用が約25%、産業用が約40%上昇しています。 【参考】エネルギーコストの状況 『資源エネルギー庁』 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/1-3-1.html 関西電力は、高浜原発3、4号機が再稼働すれば、電気料金の値下げを表明していましたが、運転差し止め命令を受け、値下げを見送ることを明らかにしました。 関西経済連合会の大竹副会長は、「各企業の節電施策はほぼ出尽くしたところで期待していた値下げ長くなり、企業が持ちこたえるには苦しい局面だ」と現状を述べました。 ◆求めるのはゼロリスクではなく、合理的な着地点 さらに問題なのは、原発にゼロリスクを求める姿勢がみられるということです。 原発事故を受け、その反省や国内外からの指摘を踏まえて世界最高水準の安全レベルを目指した新規制基準を定めましたが、大津地裁の判決は、規制委員会の策定手法に対して「非常に不安を覚える」と独自の見解を示しました。 絶対的な安全を求めて原発の再稼働を許さないのであれば、墜落する可能性がある飛行機は飛んではならず、事故を起こす可能性のある自動車を運転してはならないということになります。 最高水準の安全を求めながらも、どこに合理的な着地点を求めるかという姿勢が必要です。 安価で安定的な電力供給を確保し、日本の経済成長とエネルギー安全保障を支える政策という立脚点に立って、この国の未来をしっかりと見据えた判断を求めるものです。 北朝鮮の核ミサイルの開発――米韓合同軍事演習と日本の対応 2016.03.19 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆加速化する北朝鮮の核ミサイル開発 北朝鮮は、1月に自称「水爆実験」を行い、2月7日にはフィリピンの近海にミサイルを発射。 このミサイルは「テポドン2号の改良型」で、射程は約1万2000キロ。角度を変えれば米本土をほぼ射程に収める距離です。 3月に入ると、米韓合同軍事演習を牽制した北朝鮮は、「南朝鮮(韓国)はもちろん、日本と太平洋地域、米国本土にある侵略の全ての本拠地が、さまざまな攻撃手段の射程圏内に入っていることを一瞬も忘れてはならない」と声明を出しています。(3/8日読売) 北朝鮮は、3日に日本海へ向けて新型多連装ロケット砲弾とみられる6発を発射したのに続いて10日には日本海へ向けて、射程500キロの短距離弾道ミサイル「スカッド」を2発発射しました。 このミサイル発射は、日本海に向けて発射されていますが、発射角度を南に変えれば韓国への攻撃を想定したものです。 ◆日本を狙ったミサイル 続いて15日の朝鮮中央通信によると、金正恩は「早期に核弾頭の爆発実験と核弾頭搭載可能な様々な種類の弾道ミサイルの発射実験を行う」と述べ、関係部門に事前準備を指示しました。 18日未明には、中距離弾道ミサイル「ノドン」と推定される弾道ミサイルが発射されたのです。ミサイルは約800キロを飛んで日本海に落ちましたが、これも角度を南に変えれば九州まで届く距離です。 実際の中距離弾道ミサイル「ノドン」の射程は1300キロと推定され、日本全土を射程圏内に収めるものです。 ◆米国を狙ったミサイルの再発射の可能性 10日の「スカッド」と18日の「ノドン」の発射は韓国と日本を射程に収めるものですが、米国向けには、新型の大陸間弾道ミサイル「KN-08」の発射が警戒されています。 「KN-08」の射程はアメリカ本土に達する1万キロ。2月に発射されたミサイルのように発射台に固定するのではなく、「KN-08」は車両から発射できる移動式ミサイルで、発射の兆候を察知することは困難です。 長距離弾道ミサイルを完成させるためには、核弾頭の小型化と大気圏に再突入する際に発生する高熱や衝撃、振動などから核弾頭を保護し地上の攻撃目標に到達させるための技術が必要です。 この点について15日に北朝鮮は長距離弾道ミサイルに必要な大気圏再突入する際の「環境模擬試験に成功」と報じました。 北朝鮮が核弾頭の小型化や核弾頭の爆発実験に成功したのかについては、疑問の声がありますが、少なくとも着実に核弾頭を小型化した長距離弾道ミサイルの発射技術が向上していることは間違いありません。 ◆新たな核実験の前兆 また北朝鮮には、ミサイルの発射だけではなく、新たな核実験の兆候もみられます。 18日、米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮問題研究グループは、北朝鮮が1月に核実験を行った豊渓里(プンゲリ)の核実験場の衛星写真を公開し、既存の実験用トンネルの整備とみられる動きなどが確認され、「いつでもさらなる核実験を行う能力がある」と分析しています。(3/19読売) ◆史上最大規模の米韓合同軍事演習の内容 こうした北朝鮮に対して、3月7日から4月まで実施される米韓の合同軍事演習が進化しています。 米韓合同軍事演習は、毎年春に行なわれてきましたが、今年の演習は、米軍の増援演習「キー・リゾルブ」と野外実動演習「フォール・イーグル」を同時に行なっています。(3/5朝日) 演習規模は韓国側が例年の1・5倍の29万人、米側が2倍の約1万5千人が参加、米軍からは原子力空母や原子力潜水艦、空中給油機なども参加しています。 米軍が原子力空母や原子力潜水艦まで出す背景には、北朝鮮に対する並々ならぬ決意を感じます。 米軍はイラク戦争の教訓から、敵の重要施設を破壊し戦争を早期終結させる戦略を重視しています。 今回、軍事演習の破壊対象となる重要施設には、北朝鮮の軍事基地も含まれていますが、米特殊部隊も参加している点から、ピンポイントで金正恩の居所を特定し攻撃する訓練も含まれるとみられます。 ◆集団的自衛権と核抑止力 以上のように緊迫化する朝鮮半島情勢の中で、戦後70年、日本は「平和憲法」を信仰し、日本さえ戦争を仕掛けなければ世界は平和であると信じてきました。 しかし「平和憲法」の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」、日本の「安全と生存を保持」できる時代は終わったのです。 隣国には「平和を愛する諸国民」ではない、日本を名指しで核攻撃すると脅す国家が存在しています。 「集団的自衛権」は、北朝鮮の暴発を防ぐために日米韓が束になって結束することです。戦争を行う手段ではなく、戦争を抑止する力です。 また核保有については、横畠裕介内閣法制局長官が、18日の参院予算委員会で、核兵器の使用は憲法違反に当たるのかとの質問に対し、次のような見解を表明しました。 「わが国を防衛するための必要最小限度のものに限られるが、憲法上あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えてない。」 戦争をするのではなく、中国や北朝鮮の核兵器から日本を守りアジアの平和を守る意味でも現在核保有についての議論が国民の間から起こってもおかしくない状況にあるのではないでしょうか。 現実に迫る北朝鮮と中国の脅威――決断すべき時は今 2016.03.15 文/HS政経塾5期生 水野善丈 ◆好戦的になる北朝鮮 The Washington Postは13日、北朝鮮側が「ニューヨーク市の中心に水素爆弾を搭載した弾道ミサイルを落とすことによって、マンハッタンを吹き飛ばすことができる」と主張したと報じました。 北朝鮮の金正恩は、今月2日に国連が北朝鮮へ厳しい制裁をするなど、北朝鮮へ国際的な非難が強まっている中、ますます好戦的になっているようです。 ◆北朝鮮が好戦的になれる理由 今年1月に行われた北朝鮮の水爆実験に関しては、多くの専門家から「まだ成功していない」といった懐疑的な見方が大半でした。 しかし、私たちは、矮小なる北朝鮮と考えるのでなく、北朝鮮の核兵器の開発が前進していることを認識しなければなりません。実際に、日本だけでなく米国までもが北朝鮮の核ミサイル射程圏内に入っています。 北朝鮮への国際社会の経済制裁は強まっていますが、中国が北朝鮮を手放すことは決してないといえます。 なぜなら地政学的にも中国にとって北朝鮮は重要な国であるからです。北朝鮮のミサイル防衛のため韓国が配備しようとする「THAADミサイル」に中国が反対を示しているのもそのためです。 また北朝鮮は、水面下でイランとも強い繋がりをもっています。北朝鮮の水爆実験を受けて、過去最大規模の米韓軍事演習が行われた時を同じくして、イランが8日に、弾道ミサイルの発射実験を行いました。 これはすでに予言されていました。幸福の科学・大川隆法総裁により、北朝鮮の水爆実験が行われた直後の1月7日に収録された、金正恩第一書記の守護霊インタビュー『北朝鮮・金正恩はなぜ水爆実験をしたのか』では、以下のように金正恩は述べています。 (質問)イランと同盟関係にあるというわけですか?イランと連携ができているんですか? 金正恩守護霊:ええ?イランがねえ、中東でねえ、ミサイルを撃ってくれるんだよなあ。そうすると、アメリカはどうするだろうねえ。大変だろうねえ。 このように、北朝鮮が好戦的になれるのは、核兵器を保持していることと共に、バックに中国・イランなど支援をする国が存在することも忘れてはなりません。北朝鮮問題は一筋縄では解決できないのです。 ◆手遅れとなる日本 しかし、こうした国際情勢の中で、日本は遅れを取っています。日本のミサイル防衛は、PAC-3とイージス艦でありますが、2月7日に北朝鮮が沖縄の海上沖へ弾道ミサイルを発射した際には、北朝鮮のミサイルに対応できない現状が露呈されました。 一方、いまだに野党では、「安保法案廃止」を求めて野党連合を結成し、次期参議院選挙の争点と考えています。 また、安倍政権では選挙対策先行で、国防強化に妥協がはじまっています。憲法改正に対しての発言は控え、今月4日には、翁長知事の辺野古移設を巡る国への訴訟に対して、辺野古工事を一旦中止し再協議をする構えです。 ◆アメリカは日本を助けてくれない? こうした考えの背景には、なにかあればアメリカが日本を守ってくれると考えているのではないでしょうか。しかし、財政赤字のアメリカが、日本を守る保障はどこにもありません。 現在、アメリカでは、大統領選挙が行われています。そして、大統領に近いと注目されているのが、共和党のトランプ氏と民主党のヒラリー氏です。 トランプ氏は、「日米同盟は不公平」と主張しており、日本の防衛に巨額の軍事費を使うことに疑問視していることからも、大統領になれば、日本に自国防衛体制を築くことを促すでしょう。 また、ヒラリー氏に関しても、クリントン財団などを通じ選挙資金を集めており、世界各国と癒着していることもあり、日本を北朝鮮・中国から守るという決断は口で言うことはあっても、実行には移すことには疑問があります。 つまり、今後アメリカ大統領が誰になろうと、日本離れは見えており、一刻も早く日本が主権国家として自主防衛体制を確立しなければならない時がきているのです。 ◆決断する政治を 幸福実現党は、2009年より北朝鮮の核ミサイルの脅威を訴えて国防強化・憲法9条改正を訴えてきました。 しかし現在は、数年前の北朝鮮・中国の脅威論ではなく、脅威が現実に存在し迫っていることを認識しなければなりません。 北朝鮮や中国は待ってくれないのです。こうした直近に迫る脅威に対して、日本は、核装備を検討する段階にきているのではないでしょうか。 今から、防衛予算を割いてミサイル防衛を張り巡らせるのには、費用も時間もかかります。 しかし、核装備を保持することは、北朝鮮や中国の脅威から一番の抑止力となり、日本・アジアの諸国を守る体制は盤石なものとなります。また、国際的にも発言力を高めることができ、外交戦略も生きてくるようになります。 こうしたことは今の日本では非常に言いにくいことでしょう。しかし、そうしなければ現状の防衛体制、憲法下では日本国民を守ることはできない段階に来ています。 今の日本には、選挙のための政治屋ではなく、国民のために世論では厳しいことも言い、決断し、実行できる政治的リーダーが必要ではないでしょうか。 【参考文献】 『北朝鮮・金正恩はなぜ水爆実験をしたのか』 大川隆法著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1612 スイスの「民間防衛」に学べ 2016.03.12 文/幸福実現党・熊本県本部副代表 木下順子 ◆スイスの「民間防衛」 スイスが永世中立国であることはご存知の方も多いと思いますが、軍事力を放棄し、ただ「平和」を唱えているわけではありません。 スイス政府編による「民間防衛」という本はあらゆる危険から身をまもるために、敵の戦略とその対処方法が具体的にわかりやすく記載されています。 そしてこの本はスイス政府により、全家庭に配布されたものです。 核兵器・生物兵器・化学兵器・心理戦・妨害工作とスパイ・外国の宣伝の力・避難所・燃料の統制・配給・食糧の割当、配給などが事細かに記されています。 ◆避難所の必要性について 人口1,000名以上の自治体については国の法律により、避難所を建設する義務が課されています。 「1,000名以下の場合でも特定の自治体については、州の規則により同様の義務が課されている。」 「これらの自治体では、新しい建物を建てる場合には、少なくとも最低の基準に合った避難所を作らなければならない。」 「このような避難所の建設費用については、連邦、州、市町村が、その約75%を負担する。」 「避難所を建設する義務のない市町村において、現存する建物あるいは、新築の建物にでも、基準に合った避難所をつくる場合には、連邦、州、自治体から、さらに多額の補助を受けることができる。」 とあります。 2006年には、スイスにはおよそ30万の核シェルターが個人の家屋、施設、病院といった場所にあり、5100の公共の防衛施設があり、通算すると、860万人もの人々が避難できます。 これは、当時のスイスの人口比で考えると、114%もカバーできる計算になるようです。 ◆事実を直視せよ 昼間人口13万人の都市の上空600メートルにおいて、20キロトンの爆弾が爆発した場合、準備の程度によって大体、次のような損害がでるでしょう。 ・急襲されたとき(死亡者35%、負傷者30%、助かる人35% 45,500人) ・警報があったとき(死亡者23%、負傷者17%、助かる人60% 78,000人) ・全員が避難所にいるとき(死亡者8%、負傷者2%、助かる人90% 117,000人) 日本を取り巻く諸国は、核保有国であり、大砲、ミサイルなどその他の誘導兵器は、原爆や水爆など、これらの爆弾や弾頭を自由に目的地まで運ぶことができます。 誘導兵器を意のままに使える国は、あらゆる地点からそれを発射させることができ、ですから、われわれが生き延びられるかどうか、被害を小さくできるかどうかは、事前の準備が充分にできているかどうかによるのです。 原爆に対する防禦の用意を完全に行っている民族だけが、核兵器による脅し、圧力に抵抗することができ、最悪、原爆が使用されてもあわてないように、平素からその準備をととのえておくことによって、初めて自分の国を守ることができるのです。 スイスは平時から、戦時に備えて2年間分位の食料、燃料等必要物資を貯え、24時間以内に最新鋭の武器を具えた約50万の兵力の動員が可能という体制で、平和と民主主義を守っています。 戦争に備えず、ひたすら平和だけを唱える我が国、日本もスイス政府に習い、政治、経済、心理面での防衛に、民間防衛および軍事防衛を加えた全面防衛に早急に取り組むべきです。 ※補足 スイスでは徴兵制度が採用されており、男子には兵役の義務があります。また、現役軍人以外は予備役軍人となり30年間務める必要もあります。 これらを全て合わせるとスイス国民の約10%が軍人であることとなるのでスイスの人口は世界銀行のデータによると、2013年の段階で約809万人。つまり、80万人以上が軍人ということになります。 なお、日本の2013年の人口約1億2837万人に日本の自衛官の数は約22万人。 参考 「民間防衛」スイス政府編:原書房 緊迫する東アジア情勢――安全保障に貢献する原子力技術の見直しを! 2016.03.08 文/HS政経塾 第5期生 表 なつこ ◆北朝鮮が核の先制攻撃を示唆 3月7日、韓国で、アメリカ軍と韓国軍の定例の合同軍事演習が始まりました。 これに対して北朝鮮は前日の6日、合同軍事演習を非難する談話を発表しました。この演習を遂行するならば、米韓両国に無差別の核攻撃を実施するという、「正義の核先制攻撃」を実施する方針という内容です。 ◆高まる朝鮮半島の緊張感 毎年行われる米韓合同軍事演習は、今年、北朝鮮の水爆実験や長距離弾道ミサイルの発射を受けて、ゲリラ戦主体の戦闘を想定した過去最大規模の演習となっています。 米軍の原子力空母や最新鋭のステルス戦闘機の派遣、海から上陸し北朝鮮の内陸部へ進撃する訓練など、例年より実戦的な演習が行われるようです。 また韓国メディアは、北朝鮮から韓国へ核攻撃の兆候が確認された場合には、米韓両軍の特殊部隊が北朝鮮国内の核やミサイルの施設を破壊・制圧する訓練や、金正恩第一書記などを暗殺する訓練も行うと伝えています。 北朝鮮は、こういった訓練の内容に対し、「侵略の性格を露骨にさらけ出した危険千万な戦争行為だ」と批判し、「敵に対するわれわれの軍事対応をすべて先制攻撃の方式に転換する」という報道官談話を発表しました。 攻撃的な発言は北朝鮮としては珍しくありません。例年、北朝鮮は、米韓両が毎年行う合同軍事演習に対して、強く反発しています。 アメリカでは、核をミサイルに積めないのに脅しとして言っているのではと見ている専門家もいます。 しかし、大川隆法幸福実現党総裁は、先の水爆実験では爆発規模の大きさから「核の小型化に成功した」と分析しており、日本政府もそのように考えています。 ◆中国やロシアの反応は? 核に関する国際情勢は、北朝鮮以外の周辺国家でも動いてきています。 アメリカと韓国が、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を韓国へ配備する実務協議を開始しました。これについては、北朝鮮のほか中国やロシアも、自国の安全保障を脅かすと反発しています。 中国政府は「THAADが自国の安全保障と核抑止力を損なうものだ」と批判、ロシアと協調路線をとって反THAAD体制を取り始めたとされています(3月8日付中央日報日本語版)。 以上のように、北朝鮮の核実験をめぐって、核兵器を保有する国同士が対立する、という図式が現れてきつつあります。 ◆日本は今どういう状況? 先日、国連安保理の対北朝鮮経済制裁が採択されました。国際的には、経済制裁は戦争行為の一つと認識されます。 緊迫する東アジア情勢の中で、日米同盟を基盤とし、日米韓の共同防衛体制を堅持するべき日本としても、さらに独自の安全保障体制を考えなくてはならないのではないでしょうか。 日本の安全保障体制は極めて脆弱です。 沖縄米軍普天間基地の移設については、工事の中止でいったん和解しました。これからまた国と沖縄の協議が重ねられる予定で、対立は解消していません。 日本の安全を守る抑止力の機能がある米軍基地について、問題を抱えているという状態です。 また、中国や北朝鮮が、アメリカまで届く核ミサイルを保有していると考えられる現状では、アメリカ本土も脅される可能性があるので、日本はアメリカの「核の傘」に頼りきることはできません。 ◆日本は自国の有する原子力技術に十分な知識を こういった現状を踏まえると、日本も核装備を検討することが急がれます。しかし、日本の原子力アレルギーは根強く、こういった検討には時間を要すると考えられます。 したがって、今日本が有している原子力技術が、潜在的に抑止力となっていることから理解をしていく必要があります。 日本は、核燃料の再処理技術を有しています。日本はこの技術を平和利用していますが、これは軍事用の再処理と共通する技術なので、世界では、日本はもう核兵器を所有しているのではとみている国も多いのです。 つまり「潜在的核保有国」ということです。この認識によって日本は守られているという面もあるのです。 日本は、自国を防衛するために、「悪の暴走を止め、平和を守るための核技術の利用」という考え方があることを広く認識するところから、始めることが必要ではないでしょうか。 辺野古移設を巡る国・沖縄県の和解成立を受けて(党声明) 2016.03.05 文/HRPニュースファイル編集部 昨日、下記の党声明を発表いたしましたので、お知らせいたします。 ◆辺野古移設を巡る国・沖縄県の和解成立を受けて(党声明) 米軍普天間飛行場の移設問題を巡る代執行訴訟で、移設工事の中止を含む和解勧告を国と沖縄県が受け入れました。 双方の対立が深まるなか、今般の背景に、国として普天間固定化を回避したいとの意図があることは理解できます。 しかしながら、外交・安全保障は国の専権事項にほかなりません。 一地方自治体の意向によって左右されることなどあってはならず、辺野古移設は粛々と進めてしかるべきで す。 北朝鮮が核実験やミサイル発射を行い、中国が強大な軍事力を背景に海洋進出の動きを強めるなど、日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、わが国の安全を確保するには、日米同盟による抑止力の維持・強化が不可欠です。 この度の和解案受け入れにより、日米合意で「2022年度またはその後」とする普天間返還が遅れる可能性は否定できません。 約束を違えたものとして日米の紐帯を損なうおそれなしとは言えず、政府の判断はわが国の未来に大きな禍根を残しかねないことを指摘するものです。 また、移設工事を中止する一方で、安倍晋三首相が「辺野古への移設が唯一の選択肢」と強調していることからは、和解成立が夏の参院選などをにらんだものであることもうかがえます。 国の安全保障政策を党利党略に基づく判断に劣後させたとするならば、本末転倒も甚だしいと言わざるを得ません。 今回の一事をもっても、安倍政権に日本の未来を託すわけにはいかないというのが、わが党の考えです。 この国を守り抜くとともに、日本をアジア太平洋地域の平和と繁栄の確保に貢献できる国家とすべく、わが党として雄飛を誓うものです。 平成28年年3月5日 幸福実現党 すべてを表示する « Previous 1 … 41 42 43 44 45 … 101 Next »