Home/ 釈 量子 釈 量子 執筆者:釈 量子 幸福実現党党首 コロナを人にうつしたら罰金?都民ファーストの会の酷すぎる条例案【後編】 2020.11.11 幸福実現党党首 釈量子 ◆感染症を名目とした自由の侵害 今年は、感染症対策を理由に、様々な領域で「人間としての基本的な権利」が侵害されてきました。 営業時間の規制によって、「働く自由」「営業の自由」が奪われ、多くの事業者が休業・倒産を余儀なくされています。 また学校や大学も、オンライン授業が主となり、「学問の自由」「教育を受ける権利」も大きく侵害されました。 また、コロナ感染者は、行動履歴や濃厚接触者を行政に報告しなければならず、「誰と交友関係を持っているのか」「誰と会っていたのか」といった個人情報を、自治体に伝えるケースがあるわけです。 役所側のずさんなデータ管理によって、個人情報が流出したというケースも愛知県や兵庫県で報告されています。 本来、「誰が病気になり、どこに入院している」、というのは、極めてセンシティブな個人情報です。 自治体に個人情報が集積され、役所の職員、地方議員、警察や税務署などが、自治体を通じて容易に個人情報を見られる状況というのは、大変恐ろしいことのように思います。 ◆感染症全体主義 もちろん感染が判明して、明らかに症状が出ているような状況で外出するのは当然避けるべきです。 しかし、基礎疾患を持っている人や妊娠中の方が外出を控えたり、マスクをして外出するなど、それぞれ対策を取るように、個人の自己責任に任せるべきではないでしょうか。 ただ、罰金付きの規制強化になると、様々なところに問題が生じてくるはずです。 既に、東京都がコロナ対策の強化を発信することで、全国に委縮効果を波及させてしまった経緯もあります。 中小企業のみならず大企業も「クラスターを出したらおしまいだ」と自粛を余儀なくされるうちに、経営的に苦しくなり、GDPの70%を占めるサービス業を中心に、休業や倒産に追い込まれています。 このように感染症対策を名目に、国民や都民の情報を管理して、行動を統制しようという傾向は、イギリスの作家、ジョージ・オーウェルが「1984」という小説の中で描いた、一元管理の独裁社会に近づいていると言えます。 「コロナ感染拡大阻止」という1つの目的のために、自由が際限なく奪われ、感染者への差別が極端までいくと、ナチス・ドイツ、あるいは中国共産党がネットで国民を完全監視するような「感染症全体主義」に陥ってしまうのではないかと思います。 ◆自由を制限しようとする菅政権の危うさ これは決して大げさなことではありません。 小池都政のみならず、菅政権も、本来民間の経営の問題について、政府がどんどん介入していく傾向が非常に強まっています。 例えば、本来は民間が決定すべき携帯電話の料金値下げについて、政府が強制的に介入して料金を下げさせていいのかどうかは、慎重に考えるべきでしょう。 また、NHKの受信料徴収を確実にするため、TV所有者のNHK受信料の支払いを法律で義務化し、更にTVを設置するための届け出まで義務化するなどの措置が検討されています。 こうして、一つの特定の目的のためとはいえ、どんどん法律を増やし、個人情報を政府が管理し、営業や経営など、経済活動の自由が失われれば、旧ソ連や中国のような国に近づいていくことを意味しています。 ◆今求められる「知恵のある自助論」 今必要なのは「政府による統制」ではなく「知恵のある自助論」です。 個人や企業が自分の知恵と工夫で社会を維持しつつ、どう生き抜いていくのかを考えることが、いま非常に大事なのではないでしょうか。 トランプ大統領はコロナウィルスに感染したものの、3日で退院し、「コロナを恐れるな」「コロナにあなたやあなたの人生を支配させてはならない」と発言しましたが、これは若い時からキリスト教の牧師でもあるノーマン・ビンセント・ピール博士の教えを学び、信仰心と心の力がどれほど強いかをよく知っているからだと思います。 私たち幸福実現党は、「この世は、魂を磨く修行の場である」と考えています。 人は何らかの形で必ず死を迎えることにはなります。 いま特定のウイルスを恐れて、全ての活動や経済を止め、自由を放棄したなら、この世に生を受けて、働くことの意味なども捨てることに他ならないのではないでしょうか。 自分や家族や社会を冷静に、宗教心に基づく死生観を持って見つめ直し、自助努力の精神で立ち上がっていくことが、日本を復活させることにも、そして全ての国民の幸福のためにも、最も大事なことではないかと思います。 コロナを人にうつしたら罰金?都民ファーストの会の酷すぎる条例案【前編】 2020.11.10 幸福実現党党首 釈量子 ◆「都民ファーストの会」のトンデモ条例案 都議会の最大会派である「都民ファーストの会」が発表したコロナ対策条例が物議をかもしています。 これは「他人にコロナを感染させたり、クラスターを発生させた事業者に罰金を科す」という罰則付きの条例案を、全国で初めて制定しようとする動きです。 しかし、これは単に東京都の問題だけでは済まない様々な問題をはらんでいます。 条例案は「東京都新型コロナウィルス感染症対策強化に関する特別措置条例(案)」というもので、都民ファーストの会のホームページで公開されています。 (https://tomin1st.jp/news/archives/1519/) そこには、「正当な理由なく検査を拒否する者に対して罰則」「PCR陽性者や事業者が要請に従わず感染を生じさせた場合に罰則」という条項が設けられています。 ◆条例案のもとになったのはアンケート結果? なぜ、このような条例を提案するのでしょうか。 「都民ファーストの会」が実施したアンケート結果によると「PCR陽性者が要請に従うよう罰則を科すべき」という回答が54.6%を占め、これが根拠になっているようです。(https://tomin1st.jp/) こうしたアンケートや世論調査の多数意見ということで罰則を設けようとしていますが、あまりにも粗すぎる内容であることから、都議会で反対意見が相次いでいます。 例えば、「感染経路の特定などは非常に難しく、外出が原因で『感染させた』ということを立証するのは困難」「都知事によって感染拡大防止のルールは確立されておらず、休業要請も任意なのに『それを破ったら罰則』というのはおかしい」といった批判です。 ◆PCR検査陽性=感染ではない それ以外にも、重大な問題点があります。 一つは、PCR検査を過信しているという点です。 この条例案は、PCR検査の陽性者に関して、その行動を制限し、ルールを制定しようとしていますが、PCR検査の陽性だけを重視することには大きな問題があります。 多くの医療関係者が指摘していますが、PCR検査の陽性者は、必ずしも感染者ではありません。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75285?imp=0) 遺伝子の断片を検出する「PCR法」では、ウイルスのカケラが喉に残っているなど、「ウイルスの痕跡がある」というだけで陽性と判定されてしまうのです。 また、人に感染させるには、数百〜数万以上の個数のウイルスが必要と言われますが、この検査法では、ウイルスが数個でも陽性の反応が出ることがあります。 このように、PCR検査法では、陽性になった人が、他の人にウイルスをうつす可能性があるかどうか分からないということです。 ◆ウイルスがいる状態=感染ではない また、ウイルスが体内に「いる」という状態と、細胞の中に入り込んでいる「感染」とは厳密には異なります。 感染とは、細胞の中にウイルスが入り込んで初めて起こりますが、表面にウイルスがいるというだけで、PCR検査では陽性になり得ますが、それは感染とは違います。 また、健康で「免疫力」がしっかりしていれば、風邪やインフルエンザにかからない人がいるように、体内にウイルスが取り込まれても、粘膜や粘液など、細胞を守る機能が正常に作用し、自然に排出できるからです。 しかし、PCR検査では、表面の採取したサンプルの中にウイルスがいるというだけで、陽性と判定されてしまう可能性があるのです。 ◆罰金の根拠とすべきではない不完全なPCR検査の技術 更に、感染することと、発症することも異なります。 感染しても、発症しない人もいますが、それは、少しの細胞にしか感染しなかったか、免疫系が作用して、感染を小規模で食い止めているケースです。 このように、擬陽性や偽陰性があると言われるPCR検査の技術自体、完全とは言えません。 また、新型コロナ対策分科会長の尾身茂氏が10月中旬に行われたイベントにおいて「感染後3日~3週間は陽性が続くが、実際に感染性を有するのは半分程度。つまり誰にでもPCR検査を行った場合、陽性者の約半分は感染性がない」と注目すべき発言をしました。 つまり、PCR検査で陽性が出たからと言って、その人の周辺で感染者が出た場合に責任を追及し、罰金を科すという根拠にはなりえないのです。 罰金という大きな責任の追及の根拠に、PCR検査を用いるのは、非常に不適当なのです。 ◆インフォデミックによって生まれる悪しきポピュリズム それ以外にも、感染者が特定された場合、またクラスターとなったお店・事業所が報道されることによって、インターネットやチラシ等で誹謗中傷を浴びせられ、脅迫文を送りつけられるような事例まで報告されており、社会問題になりました。 学校でも、感染者が出た家庭の子供にいじめが起きたということも発見されています。 こうした風潮を煽っているのがマスコミ報道です。 インフォデミックという言葉を発信される専門家もいらっしゃいますが「コロナをうつされる」という危険や、人々の不安を煽った結果、マスコミを通して情報を得る人にますます恐怖心を植え付けています。 都民ファーストの会は世論調査、つまり民意をテコにした条例案を主張していますが、不安に煽られた世論を受けて、それに迎合した政策を掲げて支持率を上げようとするのは、これは典型的な悪しき「ポピュリズム」そのものです。 こうした方向に政治が動けば、人々の間でますます不信が募り、感染者やその家族を「悪」だとして、排除するような動きが横行し、差別や人権問題になります。 こうした動きを本来、政治の側が煽るようなことは断じてしてはならないことです。 半導体「中国包囲網」強固に。日本企業、脱中国への大転換!【後編】 2020.11.02 https://youtu.be/WShEfjLnmz8 幸福実現党党首 釈量子 ◆止まらない日本企業の中国依存 ところが、日本企業の中国依存はまだ続いています。 日本が誇る輸出企業のトヨタは中国投資を強化していますが、その背景には中国市場の将来性があります。 今年6月には、中国の自動車メーカー5社とトヨタが出資し、水素燃料電池車(FCV)技術の開発合弁会社を設立し、燃料電池車の新規市場開拓も計画しています。 FCVに関しては、世界で最初の商用車「ミライ」を出したトヨタが大きく先行していますが、中国に技術を奪われる可能性があります。 ◆日本の「いいとこ取り」の手法が限界に? というのも、FCVは、無人攻撃機、電動高速戦車などへ「軍事転用」が可能となるからです。 FCVが持つ静粛性と、走行距離の長さ、燃料電池システムの発熱の少なさなどが、軍事用途として、相手に発見されるリスクを低減するという利点があるとされます。 しかし、中国には鉄鋼や造船、建機、鉄道、家電、自動車まで、中国国内に生産拠点を構えた外資から技術を貪欲に吸収し、自国産業のレベルを上げてきました。 気が付くと、様々な分野でシェアを拡大してきたのですが、トヨタの虎の子のFCVを中国に奪われ、トヨタの技術的優位が脅かされないか非常に心配です。 このように、米中ハイテク戦争が進むなか、日本は米中双方から利益を得ることを目指してきましたが、「いいとこ取り」の手法に限界が来たのではないでしょうか。 ◆中国の「軍民融合」が日本企業に及ぼすリスク 習近平国家主席は、国家の安全保障と経済発展にとって極めて重大な戦略として「軍民融合」を提唱し、2015年には「軍民融合政策」を「国家戦略」に昇格させています。 具体的には、資金や技術、情報、また「千人計画」に象徴される人材、つまり頭脳を介し、軍事企業と民間企業の円滑で切れ目のない融合を目指しています。 そのため軍と民の境界線が極めてあいまいとなっていて、日本企業が関係するリスクは極めて高くなっています。 米国では、企業スパイの逮捕や、研究者が「千人計画」に入っていることを隠していたために、FBIに逮捕されるケースなどが続出しています。 ◆腰が入らない日本政府の「脱中国」の後押し 日本においても10月13日、大阪に本社がある積水化学の日本人の元研究員がその研究内容を中国企業に漏らしたとして書類送検されたばかりです。 警察によると、一昨年から去年にかけて、企業秘密にあたるスマホのタッチパネル画面に関する研究内容について、中国の通信機器関連会社「潮州三環グループ」にメールで伝えたとして、「不正競争防止法」違反の疑いが持たれています。 こうした状況を見ると、政府が日本企業の「脱中国」を後押ししなくてはならない状況です。 日本政府は企業の国内回帰に向けて、中国の撤退補助金として2,200億円、補正予算として860億円を上乗せしています。 その他にも、東南アジア諸国への供給網分散補助金235億円を用意する予定でいます。 しかし、メディア報道(10月21日現在)によると「日本企業が全面的に撤退して別の国に工場を新設する場合は適用しない公算が大きい」とあり、要するに中国に拠点を残したままで、東南アジアに拠点を新設することを条件としているということです。 これでは、企業の負担が重くなるばかりで、まさに中国政府の顔色をうかがった政策といえます。こうした余計な条件は取り除くべきです。 ◆今必要なのは「Go back to Japan!」 政府はコロナ禍で個人消費や企業の設備投資が冷え込むなか、「Go Toキャンペーン」などで景気対策を行っていますが、これは一時しのぎに過ぎません。 コロナ禍でサービス産業中心に失業も急増しており、これが雇用に跳ね返ってくるのはこれからです。 インバウンドが見込めなくなった地方自治体も、雇用を生む方法を考えなくてはなりませんし、日本の経済成長や地方活性化のために「国内回帰」は強力な切り札です。 日本政府も帰ってきやすい環境づくりとして「投資税額控除」などの大胆な減税政策や、規制緩和、脱中国支援の資金拡充などの政策を打ち出し、日本企業の国内回帰を早期に促す必要があると思います。 日本は中国の不正を許さず、国益を守るために行動すべきです。 いま「Go Toキャンペーン」をやっていますが、大事なのは「日本に帰ってきましょう」という「Go back to Japan!」ではないでしょうか。 半導体「中国包囲網」強固に。日本企業、脱中国への大転換!【前編】 2020.11.01 https://youtu.be/WShEfjLnmz8 幸福実現党党首 釈量子 ◆現代文明に不可欠な「半導体」 去年からずっと話題になっておりますが、現代人の生活に欠かせない「半導体」を巡って、トランプ政権が対中包囲網をさらに強化しています。 電化通信や銀行のATM、自動車や交通などの生活インフラ、またAI(人工知能)、軍事や宇宙領域に至るまで、競争優位性の決定的要因となるのがこの半導体という領域です。 そして今、まさにこの領域で米中によるテクノロジーの覇権戦争が繰り広げられており、それに伴い日本企業や日本経済への影響が大変大きくなっています。 ◆米国によるファーウェイ制裁 9月15日、トランプ政権によるファーウェイへの制裁が発動され、米国製の半導体などの中国への輸出が止まりました。 それに伴い、iPhoneのカメラに使用されるソニー製のイメージセンサーや、旧東芝メモリのキオクシアの半導体も、ファーウェイへの出荷を停止しました。 米国の制裁措置に抵触すると、取引を禁止する顧客リストに掲載されたり、取引先や銀行等から取引停止を宣告される可能性があります。 また、多額の賠償金を負わされるリスクもあります。 ◆ファーウェイ製品に不可欠な日本製の品質 ソニーのイメージセンサーは世界シェア48%でトップ、2位はサムスン電子で18%です。 ファーウェイは最新のカメラ機能を搭載し、画像が美しいのが強みなので、もしソニーのイメージセンサーが手に入らなくなれば、スマホの販売に影響を与えることが確実です。 更に10月には、トランプ政権は半導体の受託生産を行っている中国最大手SMIC(中芯国際集成電路製造)を対象に、新たな制裁を課しました。 米国の半導体製造装置や原材料をSMICに輸出する際に、事前に商務省の許可が必要になりました。 SMICは台湾のTSMCに技術レベルでは4~5年遅れていますが、中国の「製造2025」を実現するために、半導体の自給率を高めるための中核企業です。 ◆トランプ政権が推進する半導体生産の国内回帰 しかし、今回の米国の規制によってSMICの株価は急落しました。 トランプ政権は、このように対中制裁を強化しながら、米国内での半導体生産の強化にも着手しました。 今年6月、超党派で「CHIPS for American Act」「American Foundries Act of 2020」という2つの法案を提出しています。 最先端の半導体製造能力の78%がアジアで占められていることから、米国内で半導体生産のサプライチェーンを構築しようとしているわけです。 ◆減税政策こそ国内回帰の最大の武器 この法案の最大の目玉は「投資税額控除(ITC)」という減税政策です。 これにより、半導体製造装置や設備への投資額の40%を税金の支払いから控除できるようになります。 これにより、過去20年間で約半分に減ってしまったとされる米国の半導体製造力を向上させるとともに、数千人の雇用を生み出すことを狙っています。 台湾の半導体受託生産大手のTSMCの工場をアリゾナ州に誘致することが決まっていますが、米国内に半導体の一大集積拠点を設けるつもりで、予算規模は2.2兆円~2.6兆円と莫大な金額です。 米国にとって中国とのハイテク戦争は、単なる経済戦争ではなく、米国の安全保障に関わる問題であり、要するに最新鋭戦闘機に欠かせない部品を、いつでも調達できる体制を作りたいわけです。 このように、米国は半導体「中国包囲網」をどんどん強化しています。 ◆対中制裁による日本企業への影響 こうした状況の中、日本企業も大きな影響を受け始めています。 前述の通り、ソニーはファーウェイへのイメージセンサーの輸出を停止しましたが、ソニーの2021年3月期のイメージセンサー売上計画は8,700億円となっており、そのうち、ファーウェイ向けは約2,500億円と言われています。 ファーウェイのスマホ販売が落ち込むと、ファーウェイ向けの電子部品等を供給してきた村田製作所などの電子部品メーカーにも影響が出てきます。 これらを合算した日本企業とファーウェイの取引総額は約1.1兆円にもなると言われ、日本企業にとってもかなりの影響が出るものと思います。 ◆中国による報復制裁「輸出管理法」とは? また、新たな制裁対象になった中国のSMICは日本企業との取引が多く、半導体製造装置をSMICに輸出している日本企業が今後、出荷できなくなる可能性があります。 こうした米国による制裁だけではなく、10月18日、中国の全人代で、米国への対抗措置として「輸出管理法」が成立し、今年12月から施行されます。 これは、安全保障などを理由に「禁輸企業リスト」をつくり、特定の企業への輸出を禁止するものです。 この法案の対象は、中国から材料を輸入して、完成品を海外へ輸出する「第三国」も含んでいるので、日本企業も対象になります。 例えば、日本企業はレアアースを中国から輸入し、ハイテク製品の部品を製造し、米国企業に輸出していますが、こうした企業が、中国の「輸出管理法」に抵触する可能性が出てきました。 このように、日本企業は、米国と中国の二者択一を迫られる状況にあります。 しかし、台湾のTSMCがいち早く、ファーウェイとの取引を止め、米国との取引を優先しましたが、日本企業の進むべき方向も、まさにそこにあると思います。 米国や台湾、日本で、最先端の半導体供給網を構築すべきだと思います。 菅政権の時限爆弾「親中派」――日米豪印同盟で中国包囲網に舵を切れ 2020.10.07 https://youtu.be/fhuI8Ep8C08 (9月18日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆菅新政権の外交手腕 年初から中国発の新型コロナウイルスのパンデミックもあり、米中対立が激しくなる中、菅新政権がスタートし、その外交手腕に注目が集まっています。 今回は菅新政権を取り巻く、アメリカ、中国の動きについて、日本はどうあるべきかについて考えてみたいと思います。 9月17日、「親中派」と言われている自民党の二階幹事長が、石破派の政治資金パーティで講演し、約1,500人の前で驚きの発言をしました。 「中国とは長い冬の時代があったが、今や誰がみても春を迎えている。私が(2015年に)3,000人の訪中団を率いたのがきっかけだ。」 そして、習近平国家主席の国賓待遇での来日については「穏やかな雰囲気の中で、実現できることを心から願っている」と発言しました。 二階幹事長は、アメリカの有力シンクタンクから名指しされていますが、「親中のスタンス」は全く変わっていません。 一方で総裁選挙の際に石破氏が「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」と言及したのに対して、菅氏は「反中包囲網にならざるを得ないのではないか」とコメントしました。 これに対し、早速、中国が反応しています。 ◆中国の反応 9月14日の「環球時報」は、社説で次のように言及しました。 総裁選での「菅氏の政策は最も安定的なものだった。(中略)日本政府は国益を最大限にするために、日米関係を大事にしながら、同時に、中国との関係を発展させていくだろう。」 「米国は日本の唯一の同盟国であるが、中国は最大の貿易相手国である。」 日中関係に「期待」を示しつつも、アメリカがサプライチェーンの脱中国を促進し、オーストラリア、インドとの結束を強くしようとしている点に「懸念」を滲ませています。 ◆米国による中国包囲網構築が本格化 米国は、アジア太平洋戦略の一環として、オーストラリア、インド、日本を含め「4カ国安全保障対話QUAD(クアッド)」を進めています。 中国はこれを、相当嫌がっているわけです。 ポンペオ国務長官は、9月から10月にかけて、これら4カ国の外相らと立て続けに会談を行っています。 他にも、オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官も、10月はハワイでこの4カ国、QUAD(クアッド)の安全保障担当の高官らと会う予定と報道されています。 年末には、インドが日本と米国と共に毎年行っている海上軍事演習「マラバール」に、オーストラリアを招待すると言われています。 国際共同演習「マラバール(Malabar)」は、2015年から日本を加えて、日米印3カ国による国際共同演習として毎年開催されてきました。 日米印3カ国が持ち回りで演習を主催し、2019年には日本が主催国として「マラバール2019」を日本の近海で行っています。 QUADが、NATOのような軍事的同盟関係強化だけでなく、経済にもその範囲を広げれば、中国の「一帯一路」も牽制できます。 ◆アメリカの台湾支援強化 もう一つ、中国が菅政権の動きで反応したのが、「日台関係」です。組閣後の9月16日、「環球時報」は社説で「岸信夫新防衛大臣」に着目しています。 安倍前首相の弟であり、岸信介元首相の孫である岸防衛大臣は、台湾に何度か訪問しており、同社説で日本には「一つの中国原則を堅持することと、台湾との政府高官交流を控えることを望む」と報じました。 米国も5月に、アザー米厚生長官が台湾を訪問しましたが、さらに9月16日、李登輝元総統の告別式にクラック国務次官を派遣すると発表しています。(19日、李登輝元総統の告別式に参列) また、トランプ政権は台湾海峡での「航行の自由作戦」を継続しつつ、台湾関係法に基づいて、F16戦闘機を66機の売却をはじめ、さらに大規模な兵器売却の準備を進めていることも報道されています。 蔡英文総統は、中国の国家安全維持法により、香港の自由が無くなった今、台湾が自由と民主主義のフロントラインにあるとの認識を持っています。 蔡総統は、米台関係の強化を第一優先に掲げながら、民主主義国との連携と、「脱中国のサプライチェーン構築」を呼びかけているのです。 ◆日本は政治哲学を持ち、対中包囲網構築に舵を切れ では、日本はどうすべきでしょうか。 中国は、日本が脱中国に舵を切り、台湾との政府高官交流を行ったりすることも警戒しています。 世界が中国包囲網を構築しようとしている中で、特に、日本にとってQUADは非常に価値あるものです。 日本は米豪印との関係と、加えて台湾との関係も強化し、「自由・民主・信仰」の価値を共有する国々との結束を強め、対中包囲網構築に舵を切るべきです。 世界に広がる中国発・AI監視社会の魔の手【後編】 2020.09.11 https://youtu.be/fEah86PxYUo 幸福実現党党首 釈量子 ◆世界に拡散される中国発・AI全体主義 そして、こうした中国発の「AI全体主義体制」は、水面下で世界各国に広がりつつあります。 昨年行われた米国のカーネギー国際平和財団の調査によれば、ウイグル人自治区等で実際に活用されているAIによる顔認証などの監視技術等が、「一帯一路」構想への参加国を中心に、既に60か国以上に輸出されており、欧州の先進国、そして日本の名前も挙げられています。 中国は自国14億人のみならず、日本を含めた世界各国の億単位の国民の個人情報まで、一手にすることが出来る危険性があります。 ◆中国人に必要な「魯迅」の精神 こうしたAI技術をベースにした監視体制について、「マナーが大変に悪かった中国人の行儀がよくなりつつある」と肯定的に評価する意見もあります。 しかし、中国共産党支配、習近平体制の下で命がけの言論活動を行っている言論人たちからは、次のような悲痛の声があがっています。 いまの中国社会は、「毛沢東時代に戻ったかのように言論が統制され、監視と密告制度が高度にデジタル化したものに変容した。」 興味深いのは、中国国内にとどまって全体主義体制と戦う知識人が、約100年前の中国の小説家「魯迅」の名前を引き合いに出していることです。「魯迅の精神が今こそ必要だ」と言います。 「阿Q正伝」というタイトルは聞いたことがあるかもしれませんが、魯迅は100年前に中国人の国民性の改造に取り組んだ人で、中国人の精神の弱点には「奴隷根性」があると喝破した人です。 魯迅は、中国が「立国」、つまり近代国家に生まれ変わるためには「立人」、すなわち個人の精神的自由、人格の独立が必要だと言いました。 いくら科学が発達して豊かになっても、中国人が独立した個人の自由を獲得しなければ近代文明国家になれない、それが魯迅の現代的意義だと、魯迅研究者の銭理群氏は語っています。 ◆中国のAI侵略の対応に遅れる日本 大川隆法総裁のもとに、先日、魯迅の霊が現れ、毛沢東革命の果実と、習近平の覇権主義に憤りを持っており、「中国に自由を」という強いメッセージを送ってきました。 霊界思想を信じる中国人は多いので、衝撃を与えると思います。 ■『公開霊言 魯迅の願い 中国に自由を』著者・大川隆法/幸福の科学出版 いま、中国に必要なのは、「自由」と「民主」、そして「信仰」という価値観。 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2426 中国のようにAIを神のように位置付け、人間が奴隷化していくような社会を創るなら、それは本当に恐ろしいことです。 AIの暴走で行きつく先は、「AIディープラーニング機能」を組み込んだ兵器の登場です。 「自律型致死性兵器システム(LAWS)」など、人間の手を離れて自ら敵を殺傷するような兵器で、まだ登場していませんが、恐ろしい殺傷能力を有することになります。 中国共産党のような唯物論・無神論の独裁国家が、これを手にして優位に立てば「AI全体主義」 が世界に広がる危機があるわけです。 アメリカはじめとする世界各国が「自由・民主・信仰」の価値観のもと、世界正義を守り抜くための大きな戦いが繰り広げられていると言っても過言ではないと思います。 いま日本も、迷うことなくアメリカのトランプ政権と歩調を合わせながら、人間がAIの奴隷になるのではなく、人間としての精神性の高さを目指すことの大切さを知ることです。 また、「人の温もり」を大切にする社会こそ、これから人類が目指すべき社会であり、神の願われる未来なのだということを考えていきたいと思います。 世界に広がる中国発・AI監視社会の魔の手【前編】 2020.09.10 https://youtu.be/fEah86PxYUo 幸福実現党党首 釈量子 ◆トランプ大統領がTikTok使用を禁止? 日本でも若者に大人気の動画投稿アプリTikTok(ティックトック)ですが、7月上旬、トランプ政権は安全保障上の理由から米国内での使用禁止を発表しました。 8月上旬に、トランプ大統領は運営元の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、TikTokの国内での事業を米国企業に売却することを命じる大統領令を発令し、45日以内に売却できなければ、米国内の事業展開を禁止すると強気の姿勢を示しています。 今回、アメリカ政府が「安全保障上の理由」を挙げた背景には、TikTokがユーザーのスマホの識別番号を無断収集して、利用者の位置やアドレス、検索履歴等、個人情報が中国政府に流出する懸念があったためです。 ◆AIの技術進歩が生む中国の監視社会 TikTok は、AIによる顔認証など、ユーザーの好みに合わせたコンテンツが「勝手にどんどん出てくる」状態を作ることで、TikTokにハマったユーザー情報がAI技術で盗まれるというカラクリです。 TikTokだけではなく、中国AIベンチャーの技術進歩は目覚ましく、メグビー(Megvii)社は、顔認証だけでなく、服装・髪型や、どういう行動をしたかという「動態認識」もデータとして蓄積でき、新疆ウイグル自治区での弾圧に、実際に活用されていると言われています。 既にメグビー(Megvii)社が持つ顔認識プラットフォーム「Face++」は、既に日本市場に進出を果たしており、末恐ろしいものがあります。 ◆中国14億人を監視する3つの手法 では、中国共産党政権は、中国人全14億人を、どのように「監視」しているのか。3つの視点から見てみたいと思います。 (1)カメラによる「監視」 中国国内の監視カメラの台数は急増の一途を辿っており、今年の年末には、5億7,000万台に達すると見込まれています。これはたった3年で3.3倍以上増加した計算となります。 単なる監視だけでなく、人間の顔や体温などを瞬時に認識できる「AIカメラ」についても、中国では2,000万台以上が設置・導入されていて、「天網工程」(スカイネット)という、AIによる監視システムが中国全土に張り巡らされています。 「天網」は、今年2020年までに中国全土をカバーするとされ、一瞬で顔や服装、年齢、性別、動き、手にしているものなどが認識できます。 (2)検閲による「監視」 次に検閲による「監視」です。中国では印刷物への検閲はもちろんのこと、AIを駆使したネット検閲もかなり徹底しています。 中国本土においては、GoogleやFB、Twitter、LINEなどには接続出来ないため、基本的に、百度(バイドゥ)や微信(ウィーチャット)と言われる中国国内向けのものを使わざるを得ません。 政府に批判的なコメントをした有名ブロガーや人権派弁護士など影響力のある人物が逮捕されたり、公安警察に呼び出されて、過激な発言をしないよう指導される一般市民も数多くいます。 もっとも、最近はあからさまに削除されることもなく、本人も気づかないうちに検閲され、アルゴリズムで拡散されないよう外されるケースも出ています。 (3)社会信用スコアによる「監視」 特筆すべきなのが、「社会信用スコア」による「監視」です。簡単に言えば、中国社会における民衆それぞれに対する「通信簿」のような仕組みです。 最も有名なのはアリババ・グループが運用する「芝麻信用(ゴマ信用)」です。 当初、金融機関の融資審査に提供するサービスとして始まったのですが、ネット通販履歴や電子決済、資産、ひいてはSNSでの交友関係、学歴等に至るまで、膨大な項目についてAIを活用しそれぞれに総合点が算出されます。 点数は350点~950点と、まるで英語のTOEICのようなスコアで算出され、高得点を獲得すると、例えば自転車や傘、モバイルのバッテリーに至るまで、デポジット(保証金)不要で利用できます。 700点以上でシンガポールビザ、750点以上でルクセンブルクビザが取得できるなど、「国外移動の自由」まで、社会信用スコアによって決定されてしまいます。 微博(ウェイボー)では「陽光信用スコア」というものがあり、書き込みがデマだったり、問題があると減点される一方、中国共産党を礼賛するような書き込みや、他のユーザーの不適切な発言を通報すると持ち点が増える仕組みです。 まさに「密告制度」さながらの仕組みがAIを駆使した中国のネット社会には存在しています。 また、中国ではキャッシュレス社会が進んでいるため、何かあれば、一瞬にしてお金を巻き上げ、血を流さずに、自由を奪う仕組みがあります。 (つづく) コロナ禍で政治家が合法的買収?国民の血税を使ったそのカラクリ【後編】 2020.09.04 https://youtu.be/JYfiPWmgdO4 (8月28日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆一部農家に高額補償のカラクリ これは北海道のある市の農家の事例です。 昨年収穫した野菜を値段が高くなった春先に出荷するのですが、補助金(高収益作物次期作支援交付金)を申請した農家があったそうです。 その補助金は、所得ではなく耕作面積に対し補償する制度で、10アール当たり5万円です。例えば、耕作面積が40ヘクタールなら2000万円がポンと入ってくるわけです。 こうした農家への補助金は JAが中心になって取りまとめていることが多く、声が掛かるのは農水族の国会議員を推している農家だけで、他の農家が知った時には締め切りに間に合わなかったりするそうです。 ◆「移動制限」で観光業の仕事はゼロに また、政府から手厚くばらまかれたとしても全く割に合わないと痛感されている方もたくさんいらっしゃいます。 北関東で観光業を営む方によりますと、昨年4月から7月の売り上げは1億2000万円ありましたが、今年は200万円です。 コロナ禍で県をまたぐ移動制限されたことにより、ツアーも修学旅行も部活も遠足も何もかもが全部止まってしまったからです。 政府が「GOTOトラベルキャンペーン」をやっても7月8月は休業で、9月の仕事は今のところゼロだそうです。 ◆政府の「合法的買収」 では、政治家は何をしているのでしょうか。 東京都内に張られた某政党ポスターは、「給付の推進を我が党が実現した」と PR しています。これは、「お金をばらまいて選挙の票を買っている」のと同じです。「合法的な買収」ができるということです。 「個人がお金を配れば買収」となり逮捕されますが、これは参院選広島選挙区で起きたことです。 「合法的な買収」は、自民党が権力を維持してきた「戦後55年体制」の仕組みであり、公明党が与党に居続けることを可能にした仕組みと言って良いかと思います。 ◆「ばらまき政治」のツケは国民に こうした「ばらまき政治」が財政赤字を増やし、結局は国民への増税につながってきます。 すでに、政府の税制調査会は8月5日、コロナ対策による深刻な財政悪化を懸念して消費税の増税を中核に据えた議論が必要ではないかといった声が出ています。 そして今、政府がマイナンバーの銀行口座への紐づけを急いでおりますが、預貯金などに課税する可能性が指摘されています。 最近、幸福の科学出版より発刊された『トランプ経済革命』で、アーサー・ラッパー博士が、ムニューシン米財務長官が決定したトランプ政権の財政指数総額3兆ドル(約320兆円)を次のように批判しています。 「ヘリコプターマネーをもって景気刺激策であるなど主張するのは、あたかも核爆弾を平和の使者だと強弁するようなものだ。」 つまり、結局、「政府支出は課税を意味」し、ばらまきのツケは必ず国民に回ってくるという意味です。 ■『トランプ経済革命―側近ブレーンたちの証言』 著者 スティーブン・ムーア/アーサー・B・ラッファー/藤井幹久 訳/幸福に科学出版 https://www.amazon.co.jp/dp/4823302036/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_nIWtFbCNA4Z68 @amazonJP ◆今の日本に必要な政策と国民のマインド では、この増税を避けるにはどうしたらいいのかということですが、それがズバリ、「安い税金と小さな政府を目指す」ことです。 今、コロナ危機で、政治家がばらまき、国民の側も「もえるものはもらっておこう」という空気が蔓延していますが、それが多数になれば国は必ず衰退してしまいます。 厳しくは見えますが、「天は自ら助くる者を助く」という自助努力に基づき、知恵と工夫でコロナ時代をサバイバルする方向しか、すべての人を幸福にする道はありません。 そして額に汗して働く人を偉いと言えるような日本の国民性を大切にし、「努力は無駄にならない」ということを教えるのが宗教です。 コロナ対策で、社会基盤を壊したり、経済を全滅させるような極端な政策をとるのは、これは知恵のないあり方ではないかと思います。 ここは一度冷静になって「人の温もり」を大切にして、そして努力で額に汗して働く価値観というものを取り戻していく必要があるのではないでしょうか。 コロナ禍で政治家が合法的買収?国民の血税を使ったそのカラクリ【前編】 2020.09.03 https://youtu.be/JYfiPWmgdO4 (8月28日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆政府の「大盤振る舞い」 政府は、中国発新型コロナウイルス対策で一次補正、ニ次補正を合わせた財政支出は120兆円を超え、「大盤振る舞い」を行っています。 個人への一律10万円の定額給付金や事業者への休業補償をはじめ各種補助金が配られていますが、もともとは国民の血税です。 今回は、国や地方のバラマキの実態について考えてみます。 ◆たった千円で高級ホテルに宿泊できる? この夏、政府による「GOTOトラベルキャンペーン」が行われ、政府は「観光復興支援策」として総額1.7兆円を投じました。 おかしいのは、県や市も全く同様の補助金を計上していることです。 例えば、北海道は「どうみん割り」、さらに網走市では「さぁ、網走に行こうキャンペーン」があり、たつの市では「たつのおもてなしキャンペーン」があるそうです。 国と県と市と併用が可能なところも多いため、千円札1枚出せば高額の宿泊費が賄えてしまうというケースもあるようです。 このような地方自治体の取り組みを可能にしたのが、国からコロナウイルス感染症対策として配られた「地方創生臨時交付金」です。 一次補正で1兆円、ニ次補正に2兆円、休業要請に応じた事業所への協力金などに幅広く活用できるとされています。交付金を希望する自治体は実施計画を国に提出でき、すべての自治体が我も我もと手をあげました。 その額は、人口7〜8万ぐらいの市で約10億円ぐらいです。小さな町や村でも数億円です。 ◆地方自治体の困惑 自治体ごとの交付金の振り分けについては、「人口」「感染率(人口当たりコロナ感染者数)」「財政力指数(税収など自治体の稼ぐ力)」の指標に応じて配られています。 稼ぐ力の弱い自治体には比較的手厚くなる配分になっており、使い道に苦慮する自治体もあるようです。 こうした自治体の困惑を見越したのか、内閣府からは懇切丁寧に100以上の補助金事業の実例集がホームページにアップされておりました。 例えば、旅行券の他に、グルメ券、商品券、高齢者、妊婦への補助金、また図書館パワーアップ事業として蔵書を増やしたり、巣ごもりを支えるものです。 また、文科省から昨年より計画に上がっている「GIGAスクリール構想」は、小中高校生にタブレットを配るものですが、コロナ問題で前倒しで実施されています。 合わせて「地方蘇生臨時交付金」で市や町の議員全員にもタブレットを配布して、オンライン議会であるとか、ネット配信をするそうです。 「持続化給付金」に関しても国・県・市がそれぞれ同じような事業支援の給付があり、国や県の給付の併用も可能です。 このように自治体が交付金の使い方がわからずに、国の政策にぶら下がるようにばらまくことは問題ですが、それを望む国民にも問題があります。 ◆一銭も出さずにエアコンを5台つけた家庭 ある市では春先から建築業界の仕事が減ったことで、その負の連鎖を止めるため住宅リフォーム補助金を設けました。 リフォーム工事に関わる経費の一部補助で、エアコンが買えるため、補助金をフル活用してお金を一銭も出さずに、エアコンを5台もつけた家庭があったそうです。ちなみにこの市の感染者数はゼロです。 それから、ある自治体は水道の基本料金を数ヶ月無償化したのですが、無償化していない周辺の自治体の住民から不満の声が上がり、他の自治体もバラマキや無償化をやらざるを得なくなっているそうです。 多くの組長に圧力が働き、「この方面にいくらの補助金をつけました」、あるいは「我が市は県内で一番早く配りました」と競っている話が耳に入っています。 (つづく) 「沖ノ鳥島」周辺が戦場に?日本最南端の領土と領海を守れ【後編】 2020.09.02 https://youtu.be/RF6Z6P37kNM 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国が「南シナ海」でやったこと 1988年3月14日、スプラトリー諸島(中国が言う南沙諸島)のジョンソンサウス礁(中国が言う赤瓜礁)で、中国とベトナムのにらみあいがありました。 ベトナム海軍の兵士が上陸して測量し、ベトナム国旗を掲げたところ、中国軍が艦艇からボートを出してベトナム兵70名以上を銃撃して殺害しました。 その後、中国は赤瓜礁に高脚屋という「掘っ立て小屋」を建てて領有権を主張し、満潮時には1,2メートルも水没する岩礁を埋め立て、人工島を建設して軍事拠点化していきました。 ちなみに、沖ノ鳥島は水没することはありません。 2016年フィリピンは、中国が人工島を建設することは、国際法に違反すると提訴しましたが、オランダ・ハーグの国連の常設仲裁裁判所は中国の主張に「法的根拠なし」との判断を示しています。 しかし、中国はその判断を認めませんでした。 ◆沖ノ鳥島の戦略的重要性 中国が沖ノ鳥島を狙う理由は、ずばり戦略的な問題からです。 アメリカのシンクタンク「プロジェクト2049研究所」は、2020年から2030年の間に、中国が尖閣諸島と台湾を「同時」に軍事侵攻する可能性が高まっていると警鐘を鳴らしています。 沖ノ鳥島は、沖縄、台湾、グアムからほぼ等距離の位置にあり、アメリカと中国の双方にとって、重要な戦略ルートになるわけです。 台湾有事となれば、横須賀の米軍基地から第七艦隊空母機動部隊とグアムの原子力潜水艦が台湾に接近します。 中国はそれを阻止するために、機雷を敷設したり、潜水艦を展開しようとしています。すでに水中では米中の激しい「つばぜり合い」が展開されていると考えられます。 中国にとって、沖ノ鳥島近海は原子力潜水艦の「ハイウェイ」であり、台湾海峡を通らずに太平洋に抜け、米国本土を核で攻撃することが可能です。 すでに2011年6月には、中国海軍艦隊11隻が沖ノ鳥島から米軍基地のあるグアム島に至る海域で、大規模な軍事演習を行っています。 また、沖ノ鳥島近海は、海上輸送路として南シナ海のシーレーンが封鎖された時の迂回路になります。 日本にとってもオーストラリアから石炭などエネルギー資源や鉱物資源も輸入している沖ノ鳥島近海は非常に大事です。 ◆日本は何をすべきか すでに日本政府は、沖ノ鳥島に灯台を設置したり、海洋温度差発電やサンゴの移植などの試みも始めています。 最近の沖ノ鳥島海域で勝手に調査する中国船に対しては、取り締まりが可能になる法整備の検討に入っています。 日本は憲法を言い訳に、これまで最悪の事態に備えることを放棄してきたのですが、「まず自分で守る努力もしなければ、誰も守ってはくれない」という原則に立ち返るべきだと思います。 幸い米軍は、2019年5月に「海洋圧迫戦略」を打ち出しています。 具体的には、「第一列島線」(日本―台湾―フィリピン)で中国軍を封じ込め、また、長射程の対艦ミサイルを分散して、「中国艦隊」の「船を沈める」という方針を柱にしています。 台湾とオーストラリアも対艦ミサイルの保有を決めており、日本も「台湾有事は日本の有事である」ことを明確にし、米軍の戦略と一体化させるべきです。 また、アメリカ国防省は「インド太平洋戦略報告書」で台湾を「国家」と表現していますが、日本も日台交流基本法の制定を急ぎたいところです。 日本が中国の言いなりになってひれ伏したならば、「地球としての正義」が崩れることは間違いありません。 自国の平和のみならず、自由・民主・信仰の価値を守るためにも、「地球的正義」の観点に立ち、沖ノ鳥島の重要性について、考えを深めていく必要があるのではないかと思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 18 19 20 21 22 … 25 Next »