Home/ 中村こうき 中村こうき 執筆者:中村こうき 【前篇】「集団的自衛権」行使容認が必要な理由 2014.06.05 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 『抑止力』の観点 ◆戦争と善悪の智慧 現在の日本にとって、安全保障上、最も脅威となっている国は中国です。 まず前提として、自国民にさえ信教や言論の自由を許さず、人権蹂躙、弾圧を繰り広げる中国が他国をも不幸に陥れる侵略戦争は悪であり、その横暴を防ぎ、人々の幸福を護ることは善であることを押さえたいと思います。 「侵略戦争に対する防衛の戦いも悪」であれば、「善悪を判断する智慧がない」「神仏の心がわからない」ということであり、悪への屈従や隷属、奴隷の平和になりかねないものです。 ◆具体的シミュレーションによる「集団的自衛権」の考察 パラセル諸島やスプラトリー諸島に、威嚇、強制、実力行使を重ねる中国は、ベトナム、フィリピンに、本格的な侵略戦争を起こす可能性も考えられます。 この情勢を例にとって、なぜ、「集団的自衛権」の行使容認が必要なのかを説明いたします。 第一に『抑止力』の観点から、第二に『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から、確認していきます。 『抑止力』とは、「達成が困難、又は許容できない代償(結果への恐怖)を予見させ、侵略を思い止まらせる力」です。 『抑止力』は、三つの要因、即ち、①「能力」、②その能力を行使する「意思」、③その能力と意思が相手に伝わり「認知」されること、で達成が可能となります。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できる場合の『抑止力』 日本は、アメリカに対して、「ベトナムやフィリピンへの安全保障の使命と責任を果たして下さい。日本もアメリカと共にその正義の使命を遂行します。」と、アメリカの「意思」に対して、強い影響を与えることができるようになります。 中国は、アメリカの介入の「意思」を高く見積もり、日本の介入の「意思」も、「認知」せざるをえなくなります。 中国軍は、現時点では、米軍に対して、通常戦力も核戦力も全く歯が立たず、対自衛隊でも、通常戦力だけでは勝てません。量は多くとも、兵器と訓練の質が劣るからです。この「能力」差は、中国軍はかなり「認知」しています。 中国は、米軍と自衛隊の介入を想定することで、侵略意欲が大きく削がれることになります。 「集団的自衛権」の行使容認は、『抑止力』を格段に増大させ、中国の侵略を未然に防ぐ大きな力になるということです。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できない場合の『抑止力』 世界の警察官から引きつつあるアメリカに対して、「日本は協力しないが、アメリカは他国への国際責任を果たしてほしい」では、説得力がありません。 日本の「集団的自衛権」行使不可は、アメリカの正義の介入「意思」を弱める方向に働きます。 中国は、日本の「能力」と「意思」は無視していいことになり、アメリカの介入「意思」が弱まる方向に、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)を駆使し、機を見て侵略することを狙います。 「優位戦」とは、こちらが主導権を握って“戦場”を選び、攻めることも守ることも自在、戦いの手段、ルールから、勝利や敗北の定義まで決められる立場から仕掛ける戦いで、「劣後戦」はそれらのイニシアティブがない立場からの戦いを言います。 中国が「優位戦」をしやすく、日本と米国が「劣位戦」に陥りやすいため、『抑止力』が弱まる選択が、「集団的自衛権」行使不可です。 逆に、日本と米国が「優位戦」を展開しやすいため、中国が「劣後戦」に甘んじやすく、『抑止力』が強く働く選択が、「集団的自衛権」行使容認なのです。 次回は、『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から述べてみたいと思います。 「東京裁判史観」からの脱却を!――「A級戦犯」の名誉回復は既に終わっている 2013.08.17 今回、安倍首相は靖国参拝を見送りましたが、それは中国や韓国による「A級戦犯を祀る靖国神社への参拝は軍国主義の復活だ」という批判に配慮したためだと言われています。 「自虐史観」の淵源には、「東京裁判史観」「コミンテルン史観」「中華帝国主義史観」等がありますが、特に影響力が大きいのが「東京裁判史観」です。 靖国参拝でも、「A級戦犯の合祀(ごうし)」が、左翼マスコミや中国、韓国からの批判論点となってきました。しかし、その批判は全く正当性がありません。 ◆「東京裁判」は「捏造復讐裁判」 大東亜戦争は、「欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたもの」(「大川談話―私案―」より)と考えるのが、正当な歴史認識です。 日本は「ABCD包囲網による経済封鎖」「絶対的排日移民法」等に象徴される人種差別、共産主義者の工作等によって追い込まれた末、正義を貫く「自衛のための戦争」に踏み切らざるを得なかったのです。 「東京裁判」では「侵略戦争の共同謀議」「南京大虐殺」等について証拠もなく裁かれましたが、それらは、そもそも事実無根の内容でした。 日本を「侵略戦争した悪い国家」と決めつけ、米国の原爆投下(原爆死没者名簿登載者数 広島26万人、長崎15万人)や東京大空襲(8万4千人死亡、4万9千人負傷)等の民間人大量虐殺を正当化し、日本の復活阻止を図る「捏造復讐裁判」こそが、「東京裁判」の本質であったのです。 実際、日本の占領のために進駐したマッカーサー元帥本人が、後にアメリカ上院の軍事外交合同委員会で、「日本が戦争に入った目的は、主として自衛によるものであった」(Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.)と全く逆の証言をするに至っています。 ◆無効な「東京裁判」 「東京裁判」は、手続きとしても公正さとはかけ離れたものでした。裁判には、(1)裁く根拠となる法律の存在、(2)裁判官の公平性、(3)被告に対する弁護人と検事の存在、という3つの要件が必要です。「東京裁判」で満たされた要件は(3)だけでした。 (1)「東京裁判」は、「極東国際軍事裁判」と言いますが、国際法上の法的根拠はありません。「管轄権(裁判を行う権限)」の根拠を問う意義申し立てをウェッブ裁判長は却下し、管轄権も明らかにできずに裁判を進めました。 すなわち、「東京裁判」は、裁く権限が示されないままに行われた裁判だったのです。 管轄権のない裁判は無効です。結局、マッカーサー司令官の命令でつくられた「極東国際軍事裁判所条例」が根拠ということでしたが、これは「事後法」ですから、裁判は本来成り立ちません。 「事後法の禁止」「法の不遡及の禁止」は文明国の大原則です。「後出しジャンケン」を使えば、誰をも有罪にできるからです。GHQはこの大原則を破ったのです。 (2)裁判長と判事は全て戦勝国側の人間でした。全員を中立国から出すか、半分を敗戦国から出す常識的なルールは適用されませんでした。 こうした裁判であったがゆえに、11人の判事の中でただ一人の国際法専門家だったパール判事は「各被告はすべて起訴状中の各起訴事実全部につき無罪」との判決を下したのです。 ◆既に名誉回復された「A級戦犯」 東京裁判における「A級戦犯」の「A級」とは、戦争を始めること(=「平和に対する罪」)に関係した大物という分類です。しかし、戦争を計画し、準備し、始める「平和に対する罪」は、国際法のどこにもありません。 日本が受諾した「ポツダム宣言」には、「戦争犯罪人(注:捕虜虐待や略奪、強姦、民間人殺害等の戦争法規に違反した犯罪者)」を裁くという条項はありましたが、「平和に対する罪」は「戦争犯罪人」の対象に入っていません。 結局、根拠のない罪を事後法をでっち上げ、捏造された「侵略戦争のための全面的共同謀議」で裁いたわけです。(現在でも、戦争を始めたことを戦争犯罪とする規定は国際法には無く、いかなる文明国にもその概念は無い。) A級戦犯で死刑になった人は、東條英機、廣田弘毅などの7人ですが、「平和に対する罪」(侵略戦争の共同謀議)のでっち上げだけでは、さすがに死刑にできず、「通常の戦争犯罪および人道に対する罪」とセットで死刑になっています。 これも、捏造された捕虜虐待に対する「監督不行き届け」という名目で、強引に罪を問われたわけですから、話になりません。 つまり、「A級戦犯」とは国際法的根拠もなく判決が出た「濡れ衣」であり、本来、誰も該当しないのです。 さらに、手続き上でも、赦免され、名誉回復は終わっています。サンフランシスコ講和条約第11条で「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国犯罪法廷の諸判決を受諾」したため、「裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定および日本国の勧告」を忠実に行いました。 国会決議を経て関係11カ国の同意を得、A級戦犯とされた人たちを釈放し、さらに国会決議で恩給や遺族年金が支払われることになりました。正式な手続き上でも、A級戦犯はいなくなったのです。 その証拠に、A級戦犯として終身刑になった賀屋興宣(かやおきのり)氏は、池田内閣の法務大臣を務め、禁固7年だった重光葵(しげみつまもる)氏は、鳩山内閣の副首相兼外務大臣に就任しました。 1956年日本の国連加盟の際には、重光は日本を代表して国連で演説を行い、「日本は東西の架け橋になる」と言って、満場の拍手を浴びています。日本の国会も国際社会も、「A級戦犯は無くなった」と認めているのです。 「靖国神社にはA級戦犯が合祀されているから、首相が参拝するのはけしからん」といった批判に対しては、「A級戦犯などいない。昭和殉難者など、命を投げ出して国に尽くした人々が眠っているだけだ。そもそも東京裁判に国際法的根拠はない」と、正面から反論すれば良いのです。 ◆日本の誇りを取り戻し、平和と正義の守護神となれ! 今こそ、「東京裁判史観」等の「自虐史観」を一掃し、日本の誇りを取り戻すべき時です。 幸福実現党は、日本が今後、「いかなる国であれ、不当な侵略主義により、他国を侵略・植民地化させないための平和と正義の守護神」となり、「世界の恒久平和のために尽くす」ことができるよう、政治を推進して参ります。(文責・幸福実現党茨城県本部 中村幸樹) 憲法9条を改正し、「正義」を体現できる国家に! 2013.07.10 ◆抑止力の三要件 昨日のHRPニュースファイルで、憲法9条を改正し、「抑止力」を高める必要性を指摘しました。 「抑止力」とは「達成が困難、又は許容できない代償(結果への恐怖)を予見させ、侵略を思いとどまらせる力」のことです。 「抑止力」の例としては、「刑罰が犯罪を抑止する」「軍事力が戦争を抑止する」「核兵器の保有が核戦争を抑止する(「核抑止」)」といったことが挙げられます。 「抑止力」の構築のためには、(1)攻撃を拒否し、報復する「能力」を保有し、(2)その能力を行使する「意思」を持ち、(3)その能力と意思が相手に伝わり「認知」されることの三要件が必要です。 では、具体的な「抑止力」の事例について、見てみましょう。 ◆抑止の事例(1)―「エアランド・バトル」 「エアランド・バトル(Air Land Battle)」は、1980年代後半、NATO軍へのWTO軍(ソ軍)の大規模通常攻撃に向けて開発された戦略です。 長射程火砲、ミサイル、精密誘導兵器を組み合わせ、空地一体の正確で大規模な火力で、敵の後続部隊を撃破してしまう縦深戦闘戦略です。 ソ連との戦力量の格差により、NATO軍正面は「抑止不可能」と思われていましたが、軍事技術の進歩による戦力の質(「能力」)を生かした新戦略(「意思」)をソ連に「認知」させることで、抑止を可能ならしめました。 ◆抑止の事例(2)―「エアシー・バトル」 「エアシー・バトル(Air Sea Battle)」とは、中国のA2/AD(Anti-Access.アクセス拒否/Area-Denial.エリア拒否)に対抗する戦略です。 中国のA2/AD戦略とは、米空母が寄港する在日米軍基地を先制攻撃することで、米戦力の核である米空母を日本に寄港できなくして、空母艦隊の戦闘力を大きく削ぎ、ひいては米軍を西太平洋から追い出すための戦略です。 これに対して、「エアシー・バトル」とは、米軍が陸・海・空・宇宙・サイバー領域の一元的運用、特に航空戦力と海上戦力の能力統合に焦点を置いて、中国軍を「ネットワーク化され、統合された縦深攻撃(Attack-in-Depth)」で圧倒してしまう戦略です。 いわば、米空軍・海軍の攻撃能力を統合して、中国の弱点を突いて、A2/AD戦略を突破する戦略です。 現時点では「抑止」が成功し、台湾や日本への本格的な侵攻は起きていませんが、(1)中国軍の「能力」(装備の質)が米軍を凌駕、(2)米大統領の「意思」が、東アジアを中国に任せる方向に変更、(3)「認知」の失敗――のいずれかが起きれば、抑止は破れてしまいます。 それを未然に防ぐためにも、また破れた後のエスカレーションを途中で抑止するためにも、日本は憲法9条を改正することが急務です。 ◆憲法9条改正で「3つの条件」をレベルアップする 幸福実現党は「新・日本国憲法試案」を掲げており、試案第5条には「国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する」ことを掲げています。 このことによって、「抑止」の三要件である(1)「能力」、(2)「意思」、(3)「認知」をレベルアップする道が開けます。 (1)ステルス戦闘機、無人航空機、オスプレイ、巡航ミサイル、弾道ミサイル、空母、原子力潜水艦、島嶼防衛力、サイバー空間防衛力、宇宙空間防衛力、核抑止力等で、抑止に必要な「能力」(装備等)を保有できます。 (2)国家の主権放棄を意味する憲法9条を改正することは、防衛の「意思」表示であり、国防意識やサムライ精神の復活につながります。 自衛隊法の根拠も明確となることで、交戦規定は国際法に準じたネガティブリストを採用できます。 その結果、懲罰的抑止(deterrence by punishment)と拒否的抑止(deterrence by denial)を組み合わせた、より有効な抑止戦略も立案できます。 (3)憲法9条の改正と、日本版CIAの創設、スパイ防止法の制定等により、相手に抑止のための的確な情報を「認知」させることが容易になります。 ◆「不滅の正義」を打ち立てる幸福実現党 GHQのマッカーサー最高司令官の指令のもと、ケーディス大佐が中心になって約一週間でつくられたのが現行憲法です。 その中でも“嘘”の多いのが憲法9条です。 条文を素直に読めば、自衛隊は日本船に近づく海賊を追い払うこと(武力による威嚇又は武力の行使)さえできず、自衛隊(陸海空軍その他の戦力)の存在そのものが違憲となります。 幸福実現党は、憲法9条は改正し、自由・人権・私有財産を侵害する中華帝国の覇権主義を押し止め、この国に「世界の正義」「仏神の正義」「不滅の正義」を体現して参ります。(文責・幸福実現党茨城県参議院選挙区代表 中村こうき) 「憲法9条改正」で、日本を護る「抑止力」の構築を! 2013.07.09 ◆日本の平和を護る幸福実現党 幸福実現党は、日本の平和を護るために、主に、以下の5つの外交・安全保障政策を掲げています。 (1)日米同盟強化。 (2)中国包囲網等の戦略的外交の遂行。 (3)憲法9条改正(改正までは憲法解釈の変更)、自衛隊法等の関連法の改正。 (4)自衛隊の装備のレベルアップ。 (5)思想戦・情報戦も駆使した中国・北朝鮮の民主化・自由化の促進。 私、中村こうきは、防衛大学校卒業後、幹部自衛官として陸上自衛隊に勤務した経験から、「防衛のプロ」として、自主防衛戦略を遂行すべく、参院選茨城選挙区より幸福実現党公認候補として立候補させて頂きました。 今回は特に「抑止力」の観点から、「憲法9条改正」の必要性について論じたいと思います。 ◆憲法9条があったから、日本の平和が守られた? 社民党や日本共産党などは「戦後の平和は憲法第9条があったために守られていた。だから、憲法9条を改正したら、日本の平和は守れない」と街宣活動をしています。 しかし、喩えるならば、「警察がなくなれば、暴力団や犯罪者がいなくなる」という論理が間違っていることは小学生でも分かります。 もし警察官に対し、「武器による威嚇又は行使は、犯罪を解決する手段としては、永久に放棄する。そのため、警棒、ピストル、その他の武器は保持しない。戦う権利はこれを認めない」という9条的な制約を加えれば、犯罪防止にはならず、むしろ凶悪犯罪は増えます。 同じく、「憲法9条があったから日本の平和が守られた」というのは明らかな詭弁であり、自衛隊や日米同盟の存在があったからこそ、日本の平和が守られて来たのが現実です。 憲法9条は「戦争放棄・戦力不保持・交戦権の否認」であり、憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という国際情勢認識の上に成り立っています。 しかし、今、中国の尖閣・沖縄に向けた覇権主義の拡大、核ミサイル開発を進める北朝鮮等を見れば、「平和を愛する諸国民」という憲法前文の国際情勢認識が「空想」であることは明らかです。 まさしく、中国や北朝鮮から見れば、「空想的平和主義」の憲法9条は日本への侵略、占領を容易にする条文であります。 ◆憲法9条を改正し、「抑止力」を強化せよ! 憲法9条は、自衛権の行動、規模、装備等を厳しく制約し、自衛隊が「抑止力」を働かすことができない状況に追い込んでいます。 「抑止力」とは「達成が困難、又は許容できない代償(結果への恐怖)を予見させ、侵略を思いとどまらせる力」です。 その構築には、(1)「能力」、(2)その能力を行使する「意思」、(3)その能力と意思が相手に伝わり「認知」されることが必要です。 日本が危機を乗り切り、平和を護るためには、「抑止力」強化の観点から、憲法9条改正が急務です。 しかしながら、自民党を含む既存の政党は、参院選における憲法改正の議論は「96条改正の是非」で終わっており、どの政党も憲法9条改正論議から逃げているのが現状です。 今こそ、「憲法9条改正」を堂々、正面から訴えている幸福実現党による戦後政治からのイノベーションが求められているのです。(明日に続く) (文責・幸福実現党公認 参院選茨城県選挙区候補者 中村こうき) すべてを表示する « Previous 1 2