Home/ 黒川 白雲 黒川 白雲 執筆者:黒川 白雲 前・政務調査会長 「日本の影の支配者」勝栄二郎・財務事務次官こそ、日本衰退の元凶である。 2012.03.06 3月6日(火)、大川隆法党名誉総裁「『財務省のスピリチュアル診断』―増税論は正義かそれとも悪徳か―」と題する公開霊言が全国一斉に緊急公開され、各界で大きな話題を呼んでいます。⇒http://goo.gl/XY1Wk 本公開霊言は、消費税増税を目指す安住財務大臣と、「影の総理大臣」「キングメーカー」として政界、官界に君臨し、マスコミをも自由自在に操る勝栄二郎(かつえいじろう)財務事務次官の守護霊にインタビューを行い、その隠された恐るべき本心に迫ったものです。 本公開霊言を聞いた多くの方々が、「日本の影の支配者」である勝栄二郎氏こそが「日本を滅ぼす元凶」であることを実感されたことと思います。 「事務次官」とは、大臣を補佐する官僚で、大臣に対して大きな影響力を持つと共に、事実上、各省庁を取り仕切っている存在です。 勝栄二郎氏は「十年に一人の大物次官」「最後の大物次官」「影の総理」と呼ばれ、消費増税に驀進(ばくしん)する財務省にとっては切り札的存在です。 野田氏が総理の座につくことができたのも、勝氏ら財務官僚が増税推進派の野田氏を総理にすべく工作をしたからであり、野田首相は勝氏に組閣について相談したぐらい勝氏に頼っていると言われています。(『プレジデント』2011年10月31日号「増税一直線 大物次官“直勝”内閣にブーイング」⇒http://goo.gl/6VOnR) 野田政権は、財務省に完全に支配されており、「真の総理は野田佳彦ではなく、その背後にいる勝栄二郎事務次官である」ということが永田町と霞が関の共通認識になっています。(『週刊現代』2011年10月3日号「野田を操る”本当の総理”勝栄二郎の正体」⇒http://goo.gl/zILWv) そして、政治家もマスコミも、財務省が管轄する国税庁を恐れており、「マスコミもビビって勝氏のことを書くことができない」(同上)と言われています。 実際、朝日新聞も、読売新聞も税務調査で申告漏れを指摘され、その後、「増税礼賛」の論調を強めています。(『週刊ポスト』2011年10月7日号「朝日、読売を国税狙い撃ち『財務省には逆らえない』と幹部談」⇒http://goo.gl/S4Kjq) 今回の公開霊言を通じても、勝事務次官が、ありとあらゆる手立てを使って政界、官僚、マスコミを牛耳り、財務省の「省益」に過ぎない増税を強行し、国民から財産を略奪しようとしている「大貧乏神」の本質が明らかになっています。 民主党政権は「脱官僚依存」「政治主導」を掲げて政権を執りましたが、現状は「官僚依存」「官僚主導」政権に堕しています。 政治は本来の役割である、行政機構の民主的コントロールの役割を取り戻すと共に、増税に向けて奔走している財務官僚は、公務員は単なる「全体の奉仕者」(憲法第15条2項)に過ぎないことを自覚して「公僕」に徹し、「省益」のためではなく、国民の幸福のために仕事をするよう根本から改心すべきです。(文責・黒川白雲) 「原発ゼロ」シミュレーション―「原発ゼロ」は絶対に避けるべき 2012.02.28 2/26付「原発全基停止目前!政府は原発の再稼働に向けて全力を尽くせ!」でお伝えした通り、「原発ゼロ」が目前に迫っています。 「十分な節電を行えば、原発稼働ゼロでも夏乗り切れる」という原発反対派の意見がありますが、本当に「原発ゼロ」でも大丈夫なのでしょうか?「原発ゼロ」のシミュレーションをしてみたいと思います。 原発の再稼働がなく、昨年の夏並みのピーク需要となった場合、今夏、下記事態の発生が予測されます。 (1)約1割(▲9.2%、▲1,656万Kw)のピーク供給力が不足し、供給予備率が低下。最悪の場合には大規模停電が発生する。(出典:2011/11/1 エネルギー・環境会議「今後の電力供給対策について」⇒http://goo.gl/8HiX8) ※電力会社別の2012年夏の電力供給予備率予測(2010年並の猛暑を想定)では、東京電力▲13.4%、関西電力▲19.3%、四国電力▲11.3%、九州電力▲12.3%、北海道電力▲6.4%等が顕著である(同上)。 ※一般に、供給予備率は8~10%程度が適正で、3%を切ると大規模停電のリスクが高くなる。 (2)供給予備率を確保するために「節電」の依頼、または「電力使用制限令の発動」を行うことになり、経済活動が制限される。 ※理論上はピーク時の需要のみカットすれば良いが、リアルタイムにピーク時の需要をカットすることは困難なため、結果として過剰な節電、経済活動の縮小を余儀なくされる。 (3)その結果、2012年度のGDPを最大3.6%(20.2兆円)押し下げ、電力不足が国内産業の空洞化を加速させることで失業者数も20万人増加する。(2011/7/28 日本エネルギー経済研究所「短期エネルギー受給見通し」⇒http://goo.gl/sArqx) (4)供給力を火力発電所で代替するため、化石燃料の輸入が増え、1日約100億円、年間3.5兆円もの国富の流出増(貿易赤字の増加)が起こる。(2011/6/24 日本エネルギー経済研究所「原子力発電の再稼動の有無に関する 2012 年度までの電力需給分析」⇒http://goo.gl/ehiUK) (5)需要増加とバーゲニングパワー(価格交渉力)の低下により、燃料価格が高騰する。 (6)化石燃料への過度の依存により、ホルムズ海峡や南シナ海等での有事の際には、燃料価格が大幅に高騰したり、輸入が途絶する可能性が高まる。 もちろん、原発反対派が主張しているように、理論上は「原発ゼロ」になったとしても、どこまでも節電し、どこまでも経済活動を縮小すれば、大停電は回避できるでしょう。 しかし、その代償として、昨夏、東電管内でなされたようなビルの空調カット、電車の間引き運転、休日の調整(土日→平日)、休日の追加、生産の延期、生産場所の移転等を、今夏は全国規模で徹底展開する必要が出てきます。 その結果、電力供給の不安定化、使用制限、電力価格の高騰等が起こり、産業が海外に移転し、国内産業の空洞化が起こり、景気悪化や失業者の増大は避けられなくなります。 これはまさに、左翼・民主党の目指す「日本の衰退した未来」であります。 「原発ゼロ」で経済の大幅な落ち込みと国富の流出をもたらし、国力を衰退させ、中国の侵略に対抗できなくなるようにするのが、亡国・民主党や中国共産党の戦略です。 また、「原発ゼロでも、十分な節電を行えば大停電は回避できる」というのは理論上、計算上のことであり、現実問題としては、供給予備率の低下は大きなリスクを伴います。それは、発電施設の稼働率は常に100%ではなく、また電力系統には様々なトラブルがつきものだからです。 例えば直近では、1月25日に北海道と本州を結ぶ送電線「北本連系線」の一部が船舶の錨によって損傷を受け、一瞬にして30万kWの融通容量が失われました。(1/25 共同 http://goo.gl/KtWwd) また、2月3日には九州電力の新大分火力発電所で、凍結による設備のトラブルから、一瞬にして230万kWの供給力が脱落しました。九電は緊急的に他電力6社から計240万kWの供給を受け、供給予備率3.3%を確保し、かろうじて計画停電を回避しました。(2/3 朝日⇒http://goo.gl/60212) このように、現実的には電力系統には様々なトラブルがつきものです。また、原発の停止により、老朽化した火力発電所を無理に動かしているので、故障の可能性も高まっています。 「ベース電力」を賄っていた原発の停止は電力総量を低下させ、電力供給は全国的に「綱渡り」状態にあります。その結果、こうしたトラブルによる大規模停電のリスクも高まっています。 こうした点からも「原発ゼロ」は絶対に避けるべきです。(文責・黒川白雲) 2月22日は「竹島の日」――韓国に不法占拠されている竹島の領土権確立を! 2012.02.21 1905年2月22日に島根県が竹島の所属所管を明らかにする告示を行った経緯から、同県は条例で2月22日を「竹島の日」と定め、県主催で、韓国に不法占拠されている竹島の領土権確立を目指した式典が開催されます。 竹島は島根県隠岐郡隠岐の島町に属し、東西の2主島と数十の岩礁から成り、その総面積は21万平方メートルで東京ドームの約5倍の広さがあります。 竹島周辺の水産資源の種類、数量ともに極めて豊富であるばかりか、同島周辺には「次世代エネルギー」として熱い期待が寄せられているメタンハイドレートが大量に埋蔵されていると見られており、竹島はわが国の国益にとっても非常に重要な価値を持った島であります。 竹島は、歴史的に見ても、国際法に照らしても、わが国固有の領土であることは明らかであり、韓国側の主張の正当性は皆無です。 明治37年(1904年)隠岐島の住人中井養三郎が竹島でアシカ猟を行うため政府に竹島の領土編入及び貸与を願い出、政府は明治38年(1905年)1月28日の閣議で同島を正式に「竹島」と命名し、島根県隠岐島司の所管とする旨を決定しました。 これに基づいて、島根県知事は同年2月22日付けの島根県告示第40号をもってその内容を公示しています。これをもって国際法的にも、竹島は正式に日本の領土となりました。 日本の敗戦後、GHQは竹島を日本の行政権から外しました。日本の主権回復時に日本の領域を決める際、韓国政府は、当時、日本を占領していたアメリカに対し、竹島が韓国の領土であることを認めるよう文書を送っています。 しかし、これに対して、アメリカは「ドク島、または竹島ないしリアンクール岩として知られる島に関しては、この通常無人である岩島は、我々の情報によれば朝鮮の一部として取り扱われたことが決してなく、1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下にある。この島は、かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない」と回答しています。(外務省:サンフランシスコ平和条約における竹島の扱い⇒http://goo.gl/y95zU) アメリカ政府は「竹島は日本の領土である」ことを公式に肯定しています。 しかし、昭和27年(1952年)、GHQから日本に主権が回復するドサクサに紛れて、李承晩韓国大統領は「海洋主権宣言」を行い、国際法に反して「李承晩ライン」を一方的に設定。そのライン内に竹島を取り込みました。 そして、韓国政府は警備隊員を竹島に常駐させ、現在に至るまで不法占拠を続けています。 ライン設定前後から拿捕された日本漁船は328隻、抑留された船員は3929人、死傷者は44人に上っており、被拿捕漁船乗組員やその家族、漁業関係者に大きな苦痛を与えて来ました。(「竹島領有権問題について」http://goo.gl/1c0V1) 現在、韓国は竹島に大型埠頭や観光施設等の建設計画を進め、実効支配強化を図っています。(2011/11/15 サーチナ⇒http://goo.gl/Vnffn) 日本政府は、歴史的にも国際法的にも根拠の無い、韓国による竹島の不法占拠に対して、毅然たる態度で抗議し、日本固有の領土である竹島の主権の早期回復を目指すべきです。(文責・黒川白雲) 財務省の「日本の国民負担率が低い」は統計のトリックである。 2012.02.14 【財務省の統計トリック】 「国民負担率」とは、租税負担率と社会保障負担率を合計した割合のことです。大雑把に言えば、私達が稼いだ所得の内、税金や年金、医療保険などのために支出する割合だと言えます。 政府が増税の根拠を示す際、よく用いるのが「国際的にみて日本は国民負担率が低いから、まだ増税の余地がある」という議論です。今回は、この点について検証致します。 財務省は、ホームページで「国民負担率の国際比較」と題し、国際比較のグラフと共に「日本の国民負担率は、主要先進国と比べると低い水準にあります」と説明しています。⇒http://goo.gl/o8vyA このグラフによれば、国民負担率は日本38.8%、アメリカ32.5%、イギリス46.8%、ドイツ52.0%、スウェーデン59.0%、フランス61.1%となっており、確かに、日本の国民負担率はアメリカに次いで低い数値となっています。 このグラフだけ見ると、日本も増税する余地が大いにあるような錯覚に陥りますが、ここに「統計のトリック」があることを指摘しておきます。 「第一のトリック」は、財務省統計では、租税負担と社会保障負担の合計の「国民所得」に対する割合を「国民負担率」としていることにあります。 国際標準では「国民負担率」は「国民所得に対する割合」ではなく、「GDP(国内総生産)に対する割合」が用いられています。 ※『国際比較にみる日本の政策課題』(国立国会図書館)p.28には「日本では一般的に、租税・社会保障負担額の対国民所得比が用いられるが、対国民所得比を用いると分母に間接税が含まれないため、税収に占める間接税の割合が高い国は相対的に負担率が高く表わされる傾向がある。OECDの統計では、国際比較をする際、租税・社会保障負担額の対GDP比で比較をして」いると記されています。⇒http://goo.gl/bFXzY すなわち、財務省方式の「対国民所得比」を用いると、分母に間接税が含まれないため、間接税の割合が高い欧米の国は相対的に負担率が高く、日本は相対的に負担率が低く見えるというトリックが駆使されているのです。 実際、国際方式である「対GDP比」の「国民負担率」で見ると、日本28.1%、アメリカ26.4%、イギリス37.3%、ドイツ39.3%、スウェーデン43.7%、フランス45.2%となり、財務省方式と比べて、日本と欧米との差は大きく縮まります。(財務省「国民負担率の国際比較」より⇒http://goo.gl/eC1rZ) 「第二のトリック」は、税金負担と社会保障負担に財政赤字額を加えた割合である「潜在的国民負担率」(対GDP比)を見せないようにしていることにあります。 「将来の税金」とも言える財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」で比較すると、日本36.2%、アメリカ32.3%、イギリス42.1%、ドイツ39.3%、スウェーデン43.7%、フランス48.5%となり、日本と欧米との差は更に縮まります。(同上) 上述した財務省方式では、日本と「高福祉・高負担」国家であるスウェーデンの国民負担率の差は20.2ポイントと大差がありますが、「潜在的国民負担率」(対GDP比)で見ると、両国の差は僅か7.5ポイントに過ぎません。 結局、財務省の統計は、世論を増税に導かんがための「統計のトリック」を大いに駆使したものであり、こうした「悪意ある統計」を垂れ流しにし、国民を洗脳しているマスコミも同罪です。 【「重税感」こそが問題の本質】 また、「国民負担率」に関わらず、日本人の多くが「重税感」を感じている理由について、慶應義塾大学の土居丈朗教授は「払った税金に見合うだけのメリットを自分たちが得られないから」と説明しています。(土居丈朗著『財政学から見た日本経済』光文社新書) すなわち、「日本は国民負担率が低いから、まだ増税の余地がある」という単純な議論は間違いで、私達の税金が無駄遣いされ、国民がメリットを受けていないことにこそ問題の本質があるのです。 「重税感」は「国民負担率」だけでは表されません。行財政の無駄を放置したまま増税すれば、日本国民は更なる「重税感」を負うことになります。 「日本の国民負担率が他国と比べて重いか軽いか」は二の次であり、政府は「増税」を論じる以前に、まずは「払った税金に見合ったサービスが供給されていない」お粗末な国政・行政の現状を改革していくことから始めるべきです。(文責・黒川白雲) 米軍海兵隊の先行移転により、抑止力は低下するか? 2012.02.07 昨日の「野田首相は『増税』ではなく、『普天間基地固定化』回避に全力を尽くせ!」にありますように、2006年の日米合意では「普天間基地移設還」と「米海兵隊8000人のグアム移動」とがパッケージとして計画されていましたが、日米両政府は両者を切り離し、先に4700人をグアムに移転させることで合意しました。 この見直しの背景には、普天間移設の見通しが立たず、移設が進まないことで、アメリカ議会がグアム移転費を2012会計年度の国防権限法案から削除するという結果に至った(上院では予算案凍結、下院で予算案認可)ことから、再編を急ぎたいアメリカ政府の思惑があるものと見られます。 自民党議員からは、こうした「米海兵隊の先行移転」について「抑止力低下」を懸念する声が相次いでいます。 今回の米軍再編の見直しは、果たして、日本の安全保障の「抑止力低下」をもたらすのでしょうか?また、「日米同盟」弱体化をもたらすのでしょうか? まず、今回の再編見直しでは「普天間基地移設」と「海兵隊グアム移転」分離よりも、海兵隊のグアム移転に関するロードマップ(行程)の内容が大きく変わったことに注目すべきです。 その理由は、今年1月に発表されたアメリカの新国防戦略において「アジア太平洋地域」に米軍の重点を移すことと大きく関係しています。 新国防戦略では「アジア太平洋における同盟国」(日本、韓国、フィリピン、オーストラリア等)との関係が「安全保障の重要な基盤」であるとされています。⇒http://goo.gl/F0qSK 米政府としては、海兵隊のグアム移転の規模を8000人から4700人に縮小し、残る3300人程度はハワイ、豪州、フィリピンなどの基地にローテーションで派遣する意向だと報じられています。 沖縄に残る米海兵隊は司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される第31海兵隊遠征隊となります。(外務省:再編実施のための日米のロードマップ⇒http://goo.gl/VHiQV) この部隊はアメリカ海兵隊の緊急展開能力を担う部隊として、7つある海兵隊遠征隊の中で唯一、海外に展開している部隊であり、同部隊が日本に駐留していることは、島嶼を守る自衛隊との連携を踏まえ、「抑止力」維持のために極めて重要です。 確かに、見た目の在日米軍の「プレゼンス」は低下しますが、アジア太平洋全域の視点で見ると、日本のみならず、フィリピン、オーストラリアなどの米国の同盟国による中国包囲網が強化されることで、中国の侵略行為に対する全体的な「抑止力」は高まります。 そして、オーストラリアやフィリピンを含むアジア太平洋地域の米軍(米太平洋軍)は、在日米軍を中核とし、様々な事態に柔軟に対処していくことが予測されます。 すなわち、米軍再編の見直し案が実行されれば、中国を意識した米軍の「アジア太平洋重視」戦略が強化されると共に、在日米軍の役割が急速に拡大するため、「日米同盟」はますます重要なものとなります。 その意味でも、野田政権は普天間基地移設問題の円滑な解決を図り、「日米同盟」を迅速に修復していく必要があります。 また、局所的な「米海兵隊のプレゼンス低下」を補完するためには、南西諸島の島嶼防衛に向け、沖縄に残る米海兵隊と自衛隊との連携強化を図ると共に、陸上自衛隊の「海兵隊化」を早急に進める等の「自衛隊再編」や「自主防衛強化」が急務であります。(文責・黒川白雲) 社会保障問題の解決策は「増税」ではなく、「デフレ脱却」と「経済成長」である 2012.01.31 消費税率引き上げを含む「税と社会保障と税の一体改革」で、政府・民主党は大綱の月内の閣議決定を見送らざるを得なくなりました。 野田首相は三月の関連法案提出を目指し、与野党協議を経て閣議決定することを目指していましたが、与野党協議の糸口がつかめない状態にあります。 その大きな原因の一つは、1月6日に政府・与党社会保障改革本部が決定した「社会保障・税一体改革素案」の「最低保障年金7万円」にあります。⇒http://goo.gl/3mwoz 昨年6月30日、同本部が決定した「社会保障・税一体改革成案」においては「最低保障年金」という表現は見られますが、「7万円」という具体的支給額は見られません。⇒http://goo.gl/mPKFd 突如出てきた「最低保障年金7万円」は財源も示さない中途半端な内容だったため、野党からは「財源を示せ!」という追及の声が上がりました。 しかし、野田首相は最低保障年金の導入などの改革を行った場合、消費税率10%への引き上げとは別に、2075年時点で最大で消費税率7%分の財源が必要との民主党の試算について「当面非公表」としました。 この試算の存在が報道されてから、国民世論の反応はすさまじく、「国民は消費税10%の2~3年後に、さらに7%上がるとみている」(輿石氏)と、世論の反発を警戒して、急遽、試算の公表を隠蔽した格好です。(1/30 夕刊フジ「民主、今度は“年金試算”を隠蔽!選挙のため“臭いものにフタ”」⇒http://goo.gl/xS9HP) 野田首相は非公開は「隠滅ではない」と言い張っていますが、財源の試算も示さないまま、選挙対策の甘い文言を並べ、「増税が必要」だという結論だけを国民に押しつける野田首相の姿勢に対し、国民はより一層、不信感を募らせています。 そもそも、「財政状態の悪化が、社会保障制度の破綻をもたらしている」という「税と社会保障の一体改革」の大前提自体が間違っています。 ファンドマネージャーにして経済評論家の近藤駿介氏は「無責任な政治〜『適度なインフレ』を前提に設計された『現在の社会保障制度』を『消費増税』で維持すると主張する理解し難い理屈」(⇒http://goo.gl/tmvOh)と題し、下記論点を述べています(筆者要約)。 ・「社会保障制度を維持するために増税しなければならない」というのが「財政再建原理主義者」の常套文句だが、「消費増税」は「社会保障制度の維持」のために何の解決策にもならない。 ・2004年に自公政権下で、年金「100年安心プラン」が決定されたが、「100年大丈夫」だったはずの年金制度が僅か7年で立ち行かなくなった。その理由は同プランが3.2%という高い運用利回りを前提に設計されていたことにある。 ・実際の年金運用の利回りを見てみると、平成22年度▲0.25%、直近5年間で▲0.32%、過去10年間でも+1.2%に留まっており、「100年安心プラン」の前提となる3.2%という運用利回りを大きく下回っている。 ・さらに2011年度第2四半期の運用利回りは▲3.32%と悪化。こうした、年金制度設計上の運用利回りと、実際の運用実績との乖離による収支悪化が、社会保障制度の維持を困難にしている。 ・素人財務相が強調している「税収の減少」が「社会保障制度の維持」を困難にしている原因ではない。 ・要するに、景気低迷に伴う、賃金低下による年金保険料の収入の減少と、デフレ進行による運用利回りの悪化が年金破綻の危機をもたらしている。 ・従って、政府が「社会保障制度維持」のために採るべき選択肢は「年金給付を減らす」か、「デフレからの脱却」を図り、「賃金上昇」「長期金利上昇」が起きるような経済状況を作り出すか、のいずれかである。 政府は財源も示せないまま、「増税」を国民に押し付けようとしています。社会保障の財源問題の解決策は「増税」ではなく、「デフレ脱却」と「経済成長」にあることを野田首相は全く理解していません。 幸福実現党が主張しているように、日銀が「インフレ目標」を設定し、より大胆な金融緩和を行い、迅速な「デフレ脱却」を目指すと共に、「未来ビジョン」を見据えた成長戦略の実現こそが「社会保障制度維持のための根本解決策」であるのです。(文責・黒川白雲) 「宗教は政治参加の権利を持つ」――米大統領選に見る「政教分離」の本質と大誤解 2012.01.22 アメリカ大統領選に向けた共和党の候補指名争いの第3戦、南部サウスカロライナ州の予備選が21日に行われました。保守派のギングリッチ元下院議長が、選挙戦をリードしてきたロムニー氏を破って、初めて勝利し、大激戦の様相を呈しています。 今回の大統領候補選びで話題になっているのが、ロムニー氏が熱心なモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)の信徒であることです。 モルモン教は1830年にジョセフ・スミスによって創設された「新興宗教」であり、聖書とは異なる「モルモン経(けい)」という古代アメリカ大陸の民の記録が刻まれた経典を信仰しています。キリスト教会から「異端」「カルト」として激しい迫害を受け、現在のユタ州ソルトレークシティーに本拠を構えるに至っています。 このことについて、ついき秀学党首はサンケイビジネスアイのコラム「【ついき秀学のMirai Vision】米大統領選に見る信仰と政治の関係」において、「こうした事情を踏まえながらも、モルモン教徒の同氏を大統領候補として選ぼうとしている米国民は、新宗教の受容に比較的前向きとも言えますし、また、新宗教への偏見を超えて政治家の手腕を見定めようとする人たちである」と指摘しています。⇒http://p.tl/CzsE 合衆国憲法は、修正第1条で「合衆国議会は、国教を樹立、または宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する法律…を制定してはならない」として、「国教会の不樹立」と「信教の自由」を制定しています。 日本国憲法においても「政教分離」と「信教の自由」規定が制定されていますが、この理念は元々、ヨーロッパで誕生し、アメリカで制度的に確立し、日本国憲法に導入されたものです。 この「分離(separation)」という言葉が「宗教が政治に参加することを禁じている」といった大きな誤解を生んでおり、教養に欠ける左翼系知識人や左翼マスコミは完全に間違った捉え方をしています。 厳格な「政教分離の原則」が定められているアメリカであっても、宗教を信じる人が自らの信仰を堂々と表明し、大統領になろうとしています。(逆に「無神論者」であれば、アメリカ大統領には絶対なれないでしょう。) 日本の左翼系知識人や左翼マスコミは「政教分離」とは「信仰を持っている人が政治家になってはならない」という意味ではないことを、本家のアメリカを見て、よく学ぶべきです。これはとんでもない大誤解です。 そもそも、「政教分離原則」とは、「国家の宗教的中立性」を確保することで、「宗教的寛容性」を保障するための規定です。 すなわち、「政教分離原則」は「国家による宗教の自由競争への不介入」を定めるものであり、「信教の自由」を保障・補強するためにあるのです。 「政教分離の原則」は「経済の自由競争市場を守るために、国家は原則、経済に介入してはならない」という原則と同じく、「技術的手段」に過ぎないのです。 すなわち、「政教分離」規定とは「国家による宗教への介入を禁止する」規定であり、「宗教が政治に関わることを禁止する」規定ではありません。(そもそも、憲法とは、国民が国家権力を縛るものに過ぎません。) よく誤解がありますが、「政教分離」規定は、宗教が政党をつくったり、宗教政党が政権を担うことを禁じるものでは、断じてありません。 この件について、政府は一貫して以下のような公式見解を表明しています。(1970年3月31日 佐藤榮作内閣総理大臣「衆議院議員春日一幸君提出の宗教団体の政治的中立性の確保等に関する質問に対する答弁書」より⇒http://p.tl/lN1U) 「政府としては、憲法の定める政教分離の原則は、憲法第20条第1項前段に規定する信教の自由の保障を実質的なものにするため、国その他の公の機関が、国権行使の場面において、宗教に介入し、または関与することを排除する趣旨であると解しており、それをこえて、宗教団体又は宗教団体が事実上支配する団体が、政治活動をすることをも排除している趣旨であるとは考えていない。」 「政教分離原則」は、宗教団体の政治活動を妨げるものではないというのが、学説、政府見解の一致した意見となっており、既に決着がついている問題です。幸福実現党は、こうした「政教分離」に対する誤解を正していく啓蒙活動も進めています。 ドイツでは「ドイツキリスト教民主同盟(CDU)」のメルケル党首が首相になり、政権与党になっています。また、イスラム教系政党、ヒンドゥ教政党なども党勢を伸ばしており、海外で宗教政党は、自由主義、社会主義と並ぶ「第三の潮流」として定着しています。 世情が不安定化し、国家の軸が不安定になっている現代には「宗教政党」が不可欠であり、日本においても正しい「宗教政党」が政治に影響力を持つことが必要であります。(文責・黒川白雲) 恐るべき財務省による国家支配――民主主義を破壊する野田・財務省内閣を阻止せよ!! 2012.01.17 野田首相は17日、消費増税を含む「社会保障と税の一体改革」の実現に向け「政治生命をかける。不退転の気持ちだ。すべてをささげていきたい」と表明。24日からの通常国会では消費増税関連法案を成立させる考えを示しました。(1/17日経) 本来、政治家は既得権益や官僚・公務員による税金のムダ遣いと闘い、経済成長による税収増のために政治生命を懸けるべきです。そうした努力もすることなく、国民の負担を増やす「増税」のために「不退転」となるなど、言語道断です。 16日にも野田首相は党大会で、消費増税を含む「社会保障と税の一体改革」を「やりきることなくして日本と国民の将来はない」と語っていますが、このような不況下に増税を断行しようとしている自分自身が「日本と国民の将来」を暗くしていることに気づくべきです。 そもそも、松下政経塾で、松下幸之助氏から直々に「無税国家」の理想を学んだ野田首相が、なぜ、「増税に政治生命をかける」ような「増税原理主義」に陥っているのでしょうか? それは、野田首相が財務省の傀儡(かいらい)政権であるからです。より具体的に言うならば、野田首相は“財務省の天皇”と称されている勝栄二郎(かつえいじろう)事務次官の「パペット(操り人形)」、若しくは「ペット」に過ぎないからです。 そもそも、野田首相の誕生自体、勝事務次官の力によるところが多かったため、野田首相は「増税一直線」の勝事務次官に頭が上がらないのが現実です。ある官邸関係者は以下のように述べています。 「民主党内では、先の党代表選の第1回目の投票で野田氏が第2位につけることができたのは、勝氏ら財務官僚が“野田氏に入れてほしい。反消費税の小沢系の海江田万里はまずい”と民主党議員に働きかけたからと言われている。また野田氏は組閣に先立ち、勝氏に“いい人はいないか”と大臣候補について相談したぐらい勝氏に頼っている。」(「プレジデント」2011年10月31日号) たちあがれ日本の片山虎之助議員は予算委員会で「野田内閣は『直勝内閣(ちょっかつ)』と言われている」として、「財務省主導」の野田首相を皮肉っています。勝氏による「直轄内閣」というわけです。 また、財務省では若手官僚を中心に組織された100人規模の政界工作部隊やメディア工作部隊を構成しており、勝栄二郎・事務次官の直系とされる香川俊介・官房長の支持で政界やメディアを支配し、操作していると言われています。(「週刊ポスト」2011年10月7日号) 財務省の報道機関工作の有力な武器が国税の税務調査であり、朝日新聞や読売新聞の申告漏れに関する税務調査の後、読売は丹呉泰健・前財務事務次官を社外監査役に迎え、朝日も「増税礼賛」の論調を強めています。(同上) すなわち、財務官僚が野田首相を誕生させ、財務省のシナリオに沿って野田首相が消費税増税や「社会保障と税の一体改革」を進めているのが実態なのです。 「民主主義制度」は全く無視され、政治・官僚・マスコミ一体となった「国家社会主義」への道を歩もうとしているのです。(参照:1月18日(水)緊急発刊『国家社会主義への警鐘』 http://p.tl/Aaee) 日本国憲法前文にある通り、この国の主権者は「国民」であり、公務員は単なる「全体の奉仕者」(憲法第15条2項)、すなわち「公僕」に過ぎません。 しかし、「公僕」たる官僚が政治・行政・司法・マスコミ・経済界等、全てを牛耳っています。この傾向は「政治の弱体化」によって、ますます進行しています。 民主党が当初、目指していた「政治主導」のように官僚を排除する必要はありませんが、官僚が内閣や国会を事実上、支配している現状は「民主主義の原則」を根本から歪めています。 デモクラシー(民主主義)の原則は、国民の「民意」によって物事を決める政治体制ですが、「民意」を問わずに「消費税増税」を断行しようとしている野田・財務省内閣は、明らかに民主主義から逸脱した「暴走」を始めています。 「民意」は明らかに「消費税増税反対」にあります。 共同通信社の世論調査によると、行政経費の無駄削減が実現しない場合、増税すべきでないとの回答が79.5%に達しています。読売の世論調査でも増税に賛成が39%に対し、反対は55%に上っています。朝日の世論調査でも消費税増税に反対が57%となっています。 それでもなお、増税を実行しようとするならば、野田首相は即刻、解散・総選挙を行い、「民意」を問うべきです。 野田政権による増税を断固阻止し、「自由からの繁栄」を実現するため、1月28日(土)、幸福実現党が先陣を切って「民主党・野田政権の即時退陣を求めるデモ」を開催いたします。(詳細⇒http://p.tl/TgkP) また、幸福実現党は全国100万人署名を目指している「消費税増税に反対する請願(署名)」に協賛参加します。私たちの力を結集し、国民の「消費税反対の声」を集め、「重税国家」への暴走を食い止めて参りましょう!(詳細⇒http://p.tl/n6V5) TAKE ACTION!! ――今、私たち一人一人の行動が「消費税増税」の暴走を止め、「官僚支配」という、歪んだ国のかたちを正していくのです。 本年2012年、幸福実現党は「日本の大掃除」に取り掛かります!皆さまのご支援、何卒、よろしくお願い申し上げます!(文責・黒川白雲) イラン、原油禁輸ならホルムズ海峡封鎖――日本も世界平和に影響力を行使せよ! 2012.01.09 オバマ大統領は、1月5日にアメリカ国防総省にて演説を行い、「Sustaining U.S. Global Leadership: Priorities 21th Century Defense(米国のグローバルなリーダーシップを維持する:21世紀の国防の為の優先順位)」を発表しました。⇒http://p.tl/yd5D この文書は、アメリカの安全保障政策の根幹である「国家安全保障戦略」を、次の10年を見据えながら見直していくというスタンスで書かれているものです。 特筆すべき点としては、国防費削減に対処するため、「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」に基づく「二正面戦略」を見直し、「一つの大規模紛争」に限定し、「第二の地域」では敵が戦争を起こさないよう抑止していくという「選択と集中」戦略が取られていることです。 今回発表された文書の巻頭言はオバマ大統領自身が書いていますが、特に強調されているのは「イラクの戦いを終わらせた」「ビンラディンに正義の裁きを与えた」「国防予算を削減した」という三つです。これらは、今年の11月に行われる米大統領選に向け、オバマ大統領が自らの功績をアピールしていると推測されます。 本文に目を移すと、アメリカにとって「東アジア」と「中東」が、安全保障における重要な地域であることが言及されています。 「東アジア」では、アジアにおける同盟国との関係が、アジア太平洋地域の「安全保障の重要な基盤」であるとし、また、インドとのパートナーシップ構築を行い、北朝鮮の核計画抑止に努力するとしています。 一方、中国に関しては「覇権主義」という言葉は使われていないものの、より大きく扱われており、「脅威になりつつある」と表現しています。 中東については、暴力的な過激派と不安定の脅威に対抗するだけでなく、同盟国やパートナー国に対してアメリカがなした約束を履行するとし、懸念材料としては、中東における大量破壊兵器の拡散を挙げています。 ここでは、イランは名指しされておらず、中国の問題以上にイランの問題を慎重に取り扱っているように見受けられます。 しかし、現状、イランを巡る問題は極めて深刻です。 イランは、国際社会を相手に2011年末から2012年の年頭にかけてホルムズ海峡を巡って政治的・軍事的な駆け引きをしており、アメリカもパネッタ国防長官が現地時間8日、イランがホルムズ海峡を封鎖すれば軍事行動も辞さないという考えを示しています。 既に、イランは12月24日からペルシャ湾のホルムズ海峡で最大規模の軍事演習を行っており、27日には副大統領が「イランの原油輸出に対する制裁が科されたら、原油は一滴たりともホルムズ海峡を通過することはない」と海峡封鎖も辞さない構えを見せています。 イランがこのような危ない橋を渡っているのは何故でしょうか? 国連決議を無視してウラン濃縮活動を進めているイランに対して、米欧はイランの原油禁輸を行うよう各国に働きかけを強めており、外貨収入の約8割を占める原油輸出が滞れば、国連安保理による四度の制裁決議で打撃を受けている経済がさらに疲弊するのは必至です。 これにより、イランは従来の政策を維持して対決姿勢を堅持するか、それとも核兵器を捨てて経済状態を回復させるかの選択と決断が迫られているため、焦りが生じているものと推測されます。 誰も中東における更なる戦乱と混乱を欲してはいませんが、もはやアメリカとイランとの2国間で協議することは不可能な状態にあります。 それにもかかわらず、どの国もアメリカや欧米諸国とイランとの関係を取り持とうと動かないことは問題があります。 どこかの国が調停に乗り出さないと戦争が起こる可能性が十分にあり、日本としても、最大限の紛争回避の努力をなすべきです。 もし、日本向けタンカーの9割が通過するペルシャ湾のホルムズ海峡で紛争が起これば、「脱原発」というポピュリズムによって原油依存度を高めている日本にとっては生命線を断たれることに繋がります。 日本は、アメリカと違ってイランと石油の取引をしている関係にあり、イランにとって日本は一番の輸出相手国です。同時に日本はアメリカにとっても有力な同盟国の一つでもあり、両者の仲介に立つには最適のポジションにあります。 また、日本はキリスト教とイスラム教との対立を第三者の立場で仲介していくことができる立場にあります。 日本は今こそリーダーシップを発揮してアメリカとイランとの仲を取り持って、戦争の危機を未然に防ぐべきであります。(文責・黒川白雲) 迫り来る「2012年問題」―自主防衛を急げ! 2012.01.03 2012年は日本を取り巻く主要国トップが一斉に交代する激動の一年になりそうです。日本としては、以下のような各国のトップ交代に関するリスクを認識し、外交・防衛の備えを強化すべきです。 【北朝鮮】金正日総書記の死去に伴い、金正恩氏への権力継承が進み、昨年12月30日、北朝鮮労働党は金正恩氏を人民軍最高司令官に任命。「金正日同志が示した先軍政治(注:軍事優先の国家方針)の道に沿って力強く歩む」と宣言しました。 国際人権擁護団体アムネスティは、金正恩体制強化のために数百人が粛清されていることを報告していますが、金正恩氏の傲慢で権力欲が強く、好戦的な性格は『北朝鮮―終わりの始まり―』の霊言や様々な証言等によって露見しています。 特に、日本が警戒すべきことは、北朝鮮は既に二度、核実験を強行し、「核保有」を自ら認めるに至っていることです。核の小型化に成功していれば、間違いなく、日本全土に届くノドンミサイルに核が搭載されます。 320発ものノドンミサイルが日本に同時に襲来した場合、日本のミサイル防衛(MD)では対応できません。一刻も早く北朝鮮の「先軍政治」を終わらせるべく、日本は日米同盟を基軸とした外交努力を展開すべきです。 【台湾】1月14日投開票の台湾総統選では、再選を目指す中国寄りの国民党・馬英九(ばえいきゅう)総統と民進党初の女性党首・蔡英文(さいえいぶん)主席とが互角の戦いを展開しています。 馬総統は、10年以内に中国との「平和協定」について交渉、締結する可能性を示唆しています。台湾では6割が「対中平和協定を支持」していると報道されていますが、これは民進党が批判しているように危険な協定です。 1951年、チベット政府が中国との間で「チベット平和解放協定」に署名し、中国軍のチベット入りを許可した結果、中国軍が易々とチベットに入り、武力鎮圧を行いました。 馬総統が勝利すれば、チベットと同じく、中国が戦わずして「台湾併合」を成し遂げる可能性が出て来ます。そうなれば台湾海峡は中国の「内海」となり、日本のシーレーンは分断され、日本の生命線が断たれる危険が高くなります。 【ロシア】3月4日にはロシアの大統領選が予定されており、プーチン首相の返り咲きが確実視されています。 プーチン氏は2001年に中国との間で「中露善隣友好協力基本条約」を締結するなど、「反米」を基軸として中国と連携するスタンスを有しています。 中露連携が強化されることは、日本としては、北と南西からの挟撃を受ける可能性が強まり、安全保障上の脅威がより一層強まります。 【アメリカ】アメリカ大統領選挙の焦点は、オバマ氏が再選されるか否かです。オバマ大統領の再選はかなり厳しい状況にあると言われていますが、対する共和党も候補者選びで混迷が続いています。 財政再建に伴う軍事費削減が迫られる中、米軍普天間飛行場の移設問題が契機となって、「在日米軍撤退」を公約に掲げる共和党候補者も出てきており、大統領選を通じて日米同盟のあり方がクローズアップされる可能性も高まっています。 【中国】秋には、第18回中国共産党大会において、胡錦濤国家主席の後継者として、対日強硬派の習近平国家副主席が党総書記に選出される見通しとなっています。 習近平氏は、反日・強硬路線を取った江沢民氏の「子飼い」であり、2009年7月のウイグル大弾圧・虐殺で陣頭指揮を取った猛悪な人物です。ノーベル平和賞をめぐる西側の中国批判に対しても強硬姿勢を示しており、日米との対立が強まる危険が高くなっています。 【韓国】12月19日、韓国大統領選挙が行われます。親米保守の与党ハンナラ党の次期大統領候補は女性の朴槿恵(パク・クネ)元代表でほぼ決まりと言われていますが、同党は李明博(イ・ミョンバク)政権の不人気により支持率が急降下しています。 その結果、親北・左派勢力が影響を持つ野党が政権奪還に成功すれば、北朝鮮が韓国に対して一定の影響力を持つことになり、朝鮮半島情勢が一層、不透明になることは避けられません。 周辺国の政情が不安定さを増す2012年、今こそ、幸福実現党が政権を担い、日本とアジアの平和を守ることが求められています。 幸福実現党は、国民の生命・財産・安全を守るために「日米同盟」を強化し、諸外国との連携により「中国包囲網」を形成しつつ、「自主防衛」体制を迅速に構築して参ります。(文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 7 8 9 10 11 12 Next »