Home/ 河田 成治 河田 成治 執筆者:河田 成治 岐阜県本部副代表 「集団的自衛権」への批判に答える 2013.10.08 ◆「集団的自衛権」見直し反対が強まる 現在、安倍政権が「集団的自衛権」の見直しを進めようとしていることに対しての批判が強まっています。 ノーベル賞作家の大江健三郎氏らは「集団的自衛権が拡大されて、自衛隊が米国が戦う戦争の後尾で何でもやるということになれば、九条がなかったのと同じことになる」として強い反対活動を展開しています。(10/8 東京「『憲法 断崖絶壁に』集団的自衛権の解釈変更反対」) 連立与党の公明党も慎重姿勢を崩しておらず、集団的自衛権の行使容認に向け、年内に報告書の提出を予定していた有識者会議の報告が来年に先送りされました。(10/6 産経「集団的自衛権の安保法制懇 年末報告見送り 公明に配慮」) 今回は最近、強まっている集団的自衛権批判に対して、答えていきたいと思います。 ◆「集団的自衛権」見直しは、憲法9条に違反するか? 大江健三郎氏ら護憲派は「日本国憲法では、集団的自衛権を行使できないことになっているから、政府見解で安易に変えるのは、憲法違反である」と批判を強めています。 「戦争、武力の行使または威嚇の放棄」という憲法の規定について、政府は「わが国は専守防衛のための必要最低限度の自衛力は認める」との解釈を展開しています。 すなわち、「必要最低限度の自衛力」に「集団的自衛権」が含まれるかどうかが解釈の争点となります。 結局、「集団的自衛権」も憲法解釈の問題であり、頭から「集団的自衛権」は憲法違反だと決めつけることは間違っています。 必要なことは、国連が国連憲章第51条で、加盟国に明確に認めている「自衛権」のひとつである「集団的自衛権」について、現憲法の理念に沿って、その内容を法律で定めていけば良いのです。 これが政府が進める「国家安全保障基本法」の必要性でもあります。 ◆日本は侵略国家になるか? また護憲派は、「集団的自衛権」の行使を認めれば、「日本が海外へ派兵できるようになってしまう」「日本が侵略国家になる」「日本が戦争に巻き込まれる」といった批判を展開しています。 例えば、共産党の新聞「赤旗」は「ソ連は同盟国への集団的自衛権を口実として、ハンガリー(1956)、チェコスロバキア(1968)、アフガニスタン(1979)に軍隊を投入した」と批判しています。(2003年12月25日(木)「しんぶん赤旗」) しかし、日本は旧ソ連のような侵略国家ではありませんし、日本政府が進めているように、「国家安全保障基本法」によって、「集団的自衛権」の中身を規定し、平和国家であることを明確にすれば良いのです。 私は元自衛隊員として、自衛隊の名誉にかけて明言致しますが、「集団的自衛権」が、外国に進軍できる口実になるなどと真面目に考えている防衛省・自衛隊関係者は一人もいません。 これと似たものに、「アメリカの戦争に日本が巻き込まれてしまうのではないか」という批判もあります。 例えば、イラク戦争では、当時のブッシュ大統領はイラク戦争を行いましたが、日本は「集団的自衛権」の行使を認められていなかったために、補給や輸送に限定して、戦闘に関係ない形でイラク戦争に参加しました。 もし、「集団的自衛権が行使可能だったならば、日本は海外派兵というアメリカの要請を拒否できただろうか?」という批判です。 しかし、集団的自衛権は、「権利」であって「義務」ではありません。したがって、当然ながら集団的自衛権の拒否も可能です。 そのためにこそ、曖昧な日米安全保障条約の内容を詰める必要があります。 安倍首相が「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定を進めようとしているのもこうした背景があるのでしょう。(10/3 NHK「日米『2+2』ガイドライン見直しへ」) 日米同盟が「集団的自衛権」と一体のものであるからこそ、必然的な作業としてガイドラインの見直しを進めていくべきです。 しっかりとガイドラインを定めれば、「集団的自衛権」の行使を認めることによって、日本が戦争に巻き込まれる心配はありません。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 「集団的自衛権」はなぜ重要か?(2)日本の空が危ない! 2013.09.24 ◆「集団的自衛権」行使容認もトーンダウンか? 安倍首相は22日、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈見直しの結論について、「いつまでにではなく、議論がまとまるのを見守りたい」と述べ、年内の見直し表明にこだわらない考えを示しました。慎重論が強い公明党に配慮した形です。(9/22 産経「首相、公明配慮と中朝対応ジレンマ 集団的自衛権」) 公明党への配慮も必要なのでしょうが、9月以降も尖閣周辺で、中国による挑発行為が激化しており、日米同盟を強化し、日本の守りを固めるためにも「集団的自衛権」の行使容認は急務です。 私は、前回のHRPニュースファイル「『集団的自衛権』はなぜ重要か?(1)」で、米軍の存在は「日本防衛の一部」であり、「集団的自衛権」は、憲法9条の「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲に入る」と解釈するのが筋だと述べました。 ◆日本の空が危ない! ここで、最近の状況を見ておきたいと思います。 昨年2012年は、22年ぶりに自衛隊機の緊急発進回数が500回を突破しました。その内、中国機への対応が約半数で、他の国を引き離しています(計567回の内、中国は306回)。 しかも、一昨年に比べて対中国は2倍に増加しました(2011年は計425回の内、中国は156回)。中国の挑発行動はますますエスカレートしているのです。 今年の4月には、監視船が尖閣周辺の領海に、8隻で押し寄せました。 これだけでも大きな脅威ですが、これと連動して、中国軍の最新鋭戦闘機が40機以上も尖閣近辺に飛来し、海空連携の示威行動を行いました。 航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対処しましたが、自衛隊のパイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せたことに、防衛省は「前代未聞の威嚇だった」と述べています。(4/27 産経) ちなみに、尖閣諸島は沖縄本島の那覇から約420キロ(魚釣島)も離れていますので、戦闘機でも発進してから30分程度かかります。往復で1時間です。ですから、尖閣上空に留まれる在空時間は、どうしても短時間となります。 私はこの事件を見て、米軍の空母がなければ、沖縄方面の防衛は難しいと実感しました。 また、中国軍の戦闘機が、米海軍の海上パトロール任務につくP3C哨戒機と空軍のC130輸送機を執拗に追尾した事件がありました。 さらに9月8日には、中国の「H-6爆撃機」2機が、沖縄本島と宮古島の間を飛行。翌9日には、中国の無人機が、尖閣諸島に接近し、いずれも航空自衛隊の戦闘機が、緊急発進しました。 ◆「集団的自衛権」を行使できなければ、日米同盟が根底から揺らぐ 米空軍は、尖閣諸島を守るために、空中警戒管制機(AWACS:エーワックス)でパトロールしてくれています。 これらの日本防衛任務についている米軍に対し、現状では、自衛隊は米軍を守ることが出来ません(例えば、米軍の輸送機を自衛隊のF15がエスコート、防御するケース)。 前回も述べましたが、米軍を見殺しにすれば、日米同盟が根底から揺らぐ危機になるかもしれないのです。 ここに面白い調査があります。昨年の12月の総選挙の後、毎日新聞が行った当選した国会議員へのアンケートは、大変興味深いものでした。 なんと国会議員の78%が集団的自衛権の容認に賛成したのです。 この結果からも、国会議員も本音では「集団的自衛権」は、極めて重要であることを、よく理解しているものと思います。 ◆尖閣や沖縄を護る日米合同訓練 わが国の防衛は、現状、日米の共同作戦を抜きには考えられません。 今年6月には、尖閣や沖縄などの離島が占領されたことを想定した、日米合同の奪還・防衛訓練が行われました。 これは日本の陸海空の3自衛隊が合同参加する初の演習として非常に注目された演習でした。(防衛省「米国における統合訓練:ドーン・ブリッツ13」) この日米合同演習は、中国からしっかり中止の要請があったことを付け加えておきます。 この演習で、日本のヘリ空母にアメリカのオスプレイが着艦するという歴史的訓練もありましたが、この訓練の重要性は「日米で共同して尖閣を護る」という強力な意思を内外に示したことです。 もはや「集団的自衛権」を前提としなければ、作戦が成り立たないのです。 例えば、日本のヘリ空母に向かっている米軍のオスプレイに、中国からミサイル攻撃を受けたらどうでしょうか? オスプレイに自衛隊の隊員が乗り込んでいる場合もありますし、沖縄の民間人の救助、避難のためにオスプレイに同乗させていることだってあり得ます。 こうした様々なケースを想定しても、「集団的自衛権」行使容認がなぜ必要なのかご理解頂けるのではないでしょうか。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 「集団的自衛権」はなぜ重要か?(1) 2013.09.03 ◆集団的自衛権の見直しが始まった 安倍首相と石破幹事長が会談し、石破氏は、集団的自衛権の行使を巡る憲法解釈の見直しについて、今週中にも党の幹部の間で論点整理を始める考えを示しました。(9/3 NHK「自民 集団的自衛権で論点整理」) また、小野寺防衛相は3日の閣議後の記者会見で、米国のヘーゲル国防長官と会談した際、「集団的自衛権行使容認」に向けた日本政府の検討に理解を求めたことを明らかにしました。(9/3 日経「防衛相『集団的自衛権検討に理解を』米長官に求める」) 安部政権は「集団的自衛権」の行使容認に向けて、いよいよ動き始めました。早ければ、今秋の臨時国会で容認を表明する検討に入っています。 この動きは大いに歓迎すべきで、是非とも実現すべきです。しかし、「集団的自衛権の行使容認」に向けた一連の活動を阻止しようとする左翼勢力も勢いを増しています。 このような中、左翼や中国の横槍に屈せず、改めて「『集団的自衛権』とは一体何か」「左翼の批判は的を得ているのか」「この見直しで何が変わるのか」等について、シリーズで考えてみたいと思います。 ◆「集団的自衛権」とは何か 集団的自衛権とは、国連憲章第51条で、加盟国に明確に認められている自衛権のひとつです。 ※【国連憲章第51条】この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。 「集団的自衛権」とは具体的には、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利」のことです。 例えば、尖閣諸島で有事が発生し、日米共同で尖閣防衛を行う際に、中国が米軍を攻撃したら、自衛隊が米軍を守ることができる権利です。 ある意味、当然のことであり、国際法上、「集団的自衛権」を保有していることは当然に認められています。 ◆政府の摩訶不思議な憲法解釈 しかし、「集団的自衛権」に関する政府の公式見解は、「我が国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであつて、憲法上許されないと考えている。」というものです。(昭和56年5月29日「憲法、国際法と集団的自衛権」に関する質問に対する答弁書) 政府は「集団的自衛権」について、「権利は保持しているが、行使できない」「保有すれども行使せず」という憲法解釈に固執し続けてきました。 これは例えば、「近くで家族や友人が強盗に襲われているのに、助ける権利は持っているが、助ける行動を起こしてはいけない」と言っているような理不尽な内容です。 したがって、現在の法解釈では、アメリカの軍艦に飛んできたミサイルは撃ち落とすことはできません。 本当に、このような状態で「日米同盟」を維持していくことができるのでしょうか? ◆米軍が自動的に日本を守ることは定められていない 中には、「日本の防衛は、米軍に任せて日本は何もしなくてもいいのだ」という方がいます。 しかしこれは暴論です。日米の防衛協力行動の指針に、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」というものがあります。 ガイドラインの「IV 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」には、「自衛隊は、主として日本の領域及びその周辺海空域において防勢作戦を行い、米軍は、自衛隊の行う作戦を支援する。」と定められています。 すなわち、諸外国からの日本に対する武力攻撃に対しては、自衛隊が主体となって防衛し、米国がこれを補完・支援することになっているのです。 まず、自衛隊が主力となって戦い、次に、米軍が極力、速やかに到着して、自衛隊の作戦を支援するということです。 あくまでも、「日本の能力を超えた部分において、米軍が支援する」というのが米軍の役割です。 しかも、これは「指針」であって、米軍の義務ではありません。つまり「必ず助けてくれる」と言う確約ではありません。これは、日米安保のもろさを示している一例です。 ◆なぜ「集団的自衛権」が重要か? 日本が侵略を受けた際、自衛隊がまず出動し、次に米軍がやって来て共同で防衛することになります。 しかし、その時に、米軍が敵から攻撃されたとして、その時に、自衛隊が米軍を護る援助ができなければどうでしょうか? 第一に、間違いなく、日米関係にヒビが入ります。 日本の「集団的自衛権」の複雑な事情など、アメリカの国民のほとんどは知りません。 米国民が「日本は米軍を見捨てた」と騒げば、それだけで日米同盟は破たんの危機に瀕します。 日米同盟が崩壊すれば、日本単独の防衛力では、中国や北朝鮮の脅威から日本を守ることは極めて難しいのが現状です。 第二に、「集団的自衛権」は「日本の防衛のために不可欠」だということです。 日本の防衛は、そもそも米軍と協力して行う事を前提にしている以上、米軍に降りかかる火の粉を追い払うことを、他人の問題と切り捨てるわけにはいかないからです。 「集団的自衛権」行使に反対の方が、「我が国は、日本を護るための必要最小限度の防衛しか認められていないから、米軍まで護るという集団的自衛権は憲法違反である」という言い方をします。 しかし、自衛隊に足りない防衛能力を補おうとして米軍は支援してくれるのですから、米軍の存在は「日本防衛の一部」であることは明白です。 したがって、「集団的自衛権」は、憲法9条の「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲に入る」と解釈し、行使を容認すべきと考えます。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 中国共産党の「自由の弾圧」を許すな!(2)――中国の宗教弾圧の実例 2013.08.20 ◆中国の宗教弾圧の実例 アメリカ国務省の昨年の調査によると、中国の人権状況は悪化し続けているとのことです。 「宗教はアヘン」だと喧伝する唯物論国家・中国において、特にひどい人権弾圧は「宗教弾圧」です。 10年ほど前、中国の「法輪功」という宗教と気功を合わせたような団体組織が弾圧された事件がありました。 「法輪功」が急成長し、共産党員以上に人数が増えたため、共産党を揺るがす勢力になるのではないかと恐れた中国政府が大弾圧を行ったからです。 捕まった法輪功信者は数万人に及ぶとされ、沢山の方々が迫害により死亡し、現在は中国国内で「法輪功」は一切禁止されています。 恐ろしいのは、「臓器狩り」の疑いが持たれていることです。 国際人権団体の詳しい調査が行われた結果、「法輪功の学習者から臓器を摘出し、臓器移植に利用している」ことが明らかになりました。 これは『血まみれの臓器狩り(Bloody Harvest: The Killing of Falun Gong for Their Organs)』としてカナダで出版され、世界44カ国で発表されています。 この報告を受けて、国連のマンフレッド・ノーワック国際連合拷問特別調査官が、2005年に中国で調査を行っています。 その報告書には下記の通り、記されています。(2009/8/13 大紀元「国連拷問特別調査官:生体臓器狩り、今も中国で…」より⇒http://www.epochtimes.jp/jp/2009/08/html/d61170.html) ・法輪功学習者たちは、心不全を起こす薬物を注射され、臓器を摘出されている間あるいはその後に殺害される。 ・明らかに、中国国内の病院の臓器移植手術件数は、1999年から急激に上昇している。しかし、その数に相当するドナーや死刑囚は存在しない。 ・強制労働収容所に監禁されている人の大多数は法輪功学習者であり、彼らは裁判を受ける権利も与えられない。 ・法輪功学習者は、拷問被害者の約3分の2を占め、ノーワック氏が中国を出てからも、全く状況は好転していない。 ◆民主的で自由な国へ 習近平体制の下、中国当局は北京や上海の大学に対し、「自由」「人権」「報道の自由」「共産党の歴史的な誤り」など「七つの禁句」を授業で教えてはならないとする指示を出しました。(5/11 共同「中国当局『報道の自由』教えるな 大学に指示」) しかし、抑圧され、弾圧され、苦しむ中国の人々の解放のためにこそ、中国政府は、この「7つのこと」を実行すべきです。 中国13億人の人たちが、言論・報道の自由、表現の自由、信教の自由がないままに置かれているのは、やはりおかしいと思います。 政府の批判を一言も言えないような国、自由な信仰が禁じられている国、知りたい事実を知ることができない国――これは国民にとって不幸です。 中国は「反日教育」を通じて、日本人の非道さを自国民に洗脳することで、中国共産党自身への批判の矛先をかわそうとしています。 そして、「南京大虐殺」を捏造して騒ぎ立てたり、靖国参拝に内政干渉したりしています。 しかし、中国から「戦争中に悪いことをした」「謝罪せよ!」と言われっぱなしではなく、日本は「中国こそ、もっと民主的な国になるべきである」と正論を返すべきです。 ◆日本よ、誇りを取り戻せ! そのためにも、日本人はもっと、日本という国に「自信」と「誇り」を持つべきです。その第一歩が「憲法9条改正」です。 「自分の国は自分で守る」という当たり前のことが、自主自立した国家の条件だからです。そして最終的には「自主憲法制定」までいかねばなりません。 そして、日本は「アジアのリーダー」として立ち上がり、中国の民主化、自由化、繁栄を支援すべきです。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 中国共産党「自由の弾圧」を許すな!(1)――日本よ、「自由の盟主」たれ! 2013.07.23 ◆「表現の自由」がない中国 過去、4回にわたって、中国共産党幹部の腐敗の実態についてお伝え致しました。 中国は腐敗や汚職を取り締まることなく、報道や情報を規制し、「共産党一党独裁体制」の堅持を図っています。 先日、中国共産党幹部の資産公開要求など市民の行動を通じて社会を変えようとする「公民運動」を展開したとして人権活動家ら少なくとも数十人が逮捕・拘束されたことが分かりました。(7/19 時事「中国『公民運動』の数十人拘束=人権活動家ら徹底弾圧-習指導部」) 習近平政権は今年に入り、民間勢力の拡大を強く警戒し、公民運動参加者への「拘束路線」を本格化させ、北京の人権派弁護士は「全国で約100人が捕まった可能性がある」との見方を示しています。(同上) また、中国当局は北京や上海の大学に対し、「七つの禁句」を授業で教えてはならないとする指示を出しました。「七つの禁句」は下記の通りです。(5/11 共同「中国当局『報道の自由』教えるな 大学に指示」) (1) 普遍的な価値 (2) 報道の自由 (3) 公民社会 (4) 公民の権利 (5) 共産党の歴史上の誤り (6) 権貴資産階級 (7) 司法の独立 上海の大学教授は「公民権や報道の自由を論じられないなんて、それでも大学と言えるのか」と反発しているといいます。 ◆天安門を指導した劉暁波氏 2010年に中国の民主運動家の劉暁波氏が、ノーベル平和賞を受賞しました。この劉暁波氏こそ、天安門で断食抵抗運動などを行い、指導的な役割を担った活動家です。 劉氏は事件後に「反革命罪」で投獄されてしまいましたが、他のリーダーの多くがその後に海外亡命する中で、釈放後も出国せずに引き続き民主運動を続けました。 劉氏は「天安門事件の殉難者の名誉回復と人権保障などの民主化」を呼びかけ続けたために、更に二度の投獄や強制労働を受け、現在も刑務所に投獄されたままです。 劉暁波氏は、獄中で「この受賞は天安門事件で犠牲になった人々の魂に贈られたものだ」と語り、涙を流したと伝えられています。 この劉暁波氏のノーベル賞受賞の際、受賞のニュースがアメリカCNNや日本のNKHなどで流されると、中国のTVは、一斉に画面がブラックアウト、映らなくなって、その模様を国民に知らせないようにしました。 さらには、日本など各国に対し、劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式に出席はおろか、支持もしないように要請しています。 しかし人々の記憶から消し去ることはできません。 香港では、毎年6月4日に、天安門事件の犠牲者を追悼するキャンドル集会が行われ、昨年2012年の集会では、過去最高の約18万人の参加者にふくれあがりました。 ◆日本よ、「自由の盟主」たれ! しかし、このように海外メディアに漏れて来ている中国政府の人権弾圧は「氷山の一角」に過ぎません。 現在、人権弾圧に抗議する運動が中国全土で起き続けており、中国では近年、暴動やデモが当局発表で毎年10万件以上発生しています。 特に、習近平政権になって以降、中国政府は反政府運動や民主化運動の活発化を恐れ、国内の自由の引き締め、弾圧を強化しています。 逆に言えば、それほど締め付けを強化しなければならないほど、共産党一党独裁支配への国民の不滿や反発のエネルギーが高まっているのです。 日本は「自由主義」を奉ずるリーダー国家として、またアジアの隣国として、このような中国政府による人権弾圧から中国人民を守り、解放していく使命があると言えます。 今、中国は「共産主義」という名の全体主義的イデオロギーを中国の隣国に広げようとしています。日本もそのターゲットに入っています。 日本は自国とアジアの「自由を守り抜く」という観点からも、中国の覇権主義の拡張を許さず、「自由の盟主」として「中国包囲網」を形成していく使命があるのです。(次回に続く) (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 中国共産党幹部の腐敗の実態(4)――中国経済崩壊の序曲 2013.06.25 ◆中国「7月危機」が現実味を帯びる 中国経済の危機説が全世界に広がっています。 24日、上海総合株価指数が前週末の終値に比べ5.30%下落しました。下落率は約4年ぶりの大きさで、年初来最安値となりました。(6/25 産経「上海株急落5.3%安 中国7月危機、現実味」) 株価の下落は、高利回りの財テク商品の償還が今月末にも行き詰まり、「資金ショートで中小の銀行では連鎖破綻が起きるのではないかとの警戒感が広がった」(市場関係者)ことが背景にあると報道されています。 中国では、今年6月末までに総額1兆5千億元(約24兆円)の財テク商品が償還満期を迎えますが、原本割れのリスクも高く、資金ショートによる大手銀行も含めた金融機関の破綻の噂が広がっています(「7月危機」説)。 こうした事態について、米著名投資家のジョージ・ソロス氏は「米金融危機を招いたサブプライム住宅ローンと似ている」と分析。投資家に警鐘を鳴らしています。(6/24 産経「中国『影の銀行』炸裂の予兆 7月危機説に現実味」) 中国は現在、「インフレ抑制策」を最優先課題としています。(2/7 ロイター「中国人民銀が再びインフレ抑制優先へ、成長支援からシフト鮮明」) したがって、中国の中央銀行が銀行の破綻を救うために、大量の紙幣を刷ることは難しく、「7月危機」はいよいよ現実味を帯びています。 ◆高度経済成長しなければ国内が崩壊する 中国統計局が発表した今年1~3月期の実質GDPは前年同期比7.7%増となり、予想外の減速となりました。 しかし、中国経済の実態はもっと深刻です。GDPの算出についてデタラメぶりが暴露されたほか、貿易統計では輸出額の大幅な水増し疑惑も浮上しています。(4/16 夕刊フジ「中国GDPに粉飾疑惑 「減速」どころか実態深刻か 水増し報告当たり前」) これまで、中国政府は毎年の「経済成長率8%維持」を至上命題にしてきました。それはなぜでしょうか? それは、「一人っ子政策」など厳しい人口抑制策をとっている中国でも、乳幼児死亡率の低下と高齢人口の増加によって、毎年800万人も人口が増加しているため、年に少なくとも約1千万人分の新規雇用の創出が必要になってくるからです。 1千万人の新規雇用をつくるためには、中国は8%の経済成長を死守する必要があります。 すなわち、中国は常に「高度経済成長」し続けなければ、国内統治が崩壊するのです。 しかし、その死守すべき「GDP8%成長」の達成が不可能になってきました。 不動産バブルの崩壊と、地方政府の巨額の赤字負債、共産党一党独裁下のいびつな経済活動の歪みが、限界に達しようとしているからです。 ◆高度経済成長ストップで暴動勃発のリスク高まる 中国経済が今までのような経済成長を続けられなくなったら、暴動が抑えられなくなってくることもあり得ます。 共産党一党独裁体制で、国民が食べていけなくなったら―― 昨年、中東や北アフリカで、経済的貧窮から体制の打破を求めて、革命運動が起きました。「ジャスミン革命」と言われています。 こうした現象は、中国共産党にとって「大きな脅威」です。 中国は崩壊の前に一刻も早く、共産党一党独裁の政治体制をやめ、不等な貧富の差を無くし、「自由からの繁栄」を目指すべきです。 そのためには、日本は、国内の問題だけで無く、世界のリーダーとして中国を指導する気概を持たねばなりません。 そして、日本は自虐史観に基づく土下座外交をやめ、「自由の大国」として誇りを持ち、「世界を救うリーダー国家」となる気概が必要です。 中国13億の国民が広く豊かさを味わえる体制へと変わることを心から望んでいます。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 中国共産党幹部の腐敗の実態(3)――危険ラインに達した中国の「格差社会」 2013.06.18 危険ラインに達した中国の「格差社会」 日本は「格差社会」が進んでいるという人もいますが、日本とは比べ物にならない程の深刻な格差が「完全平等」を掲げる共産主義国家・中国で起こっています。 その格差は、もはや是正不可能なほど深刻で、中国国内に大きな政情不安をもたらしています。 中国共産党幹部の腐敗の実態(1)でも言及しましたが、「ジニ係数」(国民の所得格差を計る指標で、1に近いほど格差が大きい)で比較すると、日本のジニ係数は0.336、世界平均は0.44であるのに対して、中国は0.61と、世界平均を大幅に上回っています。(2012/12/11 人民網「中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻」) 例えば、中国の労働者平均の年収は約30万円です。また農村では18.5万円程度です。一方、ある保険会社の役員(中国共産党員)の年収は約8億5千万円でした。労働者平均の約3000倍、農民工平均の4500倍です。(2012/10/24 産経) 深刻な都市と農村の格差 また、中国社会科学院が発表した「社会青書」によれば、中国の都市部と農村部の収入格差は最大で約9.3倍に達しています。(2012/12/26 赤旗「都市と農村 格差9.3倍 中国社会科学院が発表」) 例えば、上海都市部住民1人当たりの年収は3万6230元(約56万円)もあるのに対し、甘粛省農村部の1人当たりの年収は3909元(約6万円)に過ぎません。 さらに都市・農村格差として、次のような事例もあります。 現在の中国の繁栄は沿海部の都市とその郊外に集中していますが、都市の生活は農村部からの出稼ぎ労働者なくしては成立しません。 都市住民が嫌う飯場や清掃等の「3K職場」は、ほとんどこの出稼ぎ労働者の仕事です。 出稼ぎ労働者には、職種制限や差別的低賃金はもとより、都市住民が享受している諸種の社会保障サービスを受けることはできません。 彼らには都市の教育・医療・保健サービスを受ける権利が与えられていないのです。もしサービスを受けられたとしても、法外な代価が要求されます。 「平等」をどの国よりも追い求めているはずの共産主義国家が、世界で最も格差がついているとは誠に皮肉なものです。 中国崩壊の序曲――今こそ、日本は中国の民主化を支援せよ! 現在、こうした「格差」や賄賂・職権乱用等の腐敗・汚職を放置している中国共産党政府に対して、中国人民の不満は限界まで高まっており、中国各地で暴動が多発しています。 中国各地では、貧富の差の拡大や役人の腐敗・汚職に怒った民衆の暴動やデモが頻発しており、昨年は約20万件、1日当り約550件に達しています。(SAPIO 2012/6/6号「中国の暴動・デモ1日548件 公安費予算9.1兆で国防費上回る」) そのため、それを取り締まる公安費(2012年予算:約10.9兆円)が2010年以降、膨張を続ける国防費(同:約10.4兆円)をも上回るという異常事態になっています。 中国共産党政府は、民衆に溜まっているこうした不満を「反日」運動にぶつけ、ガス抜きをしていますが、今や抜けたガスに引火しつつあります。 尖閣諸島の国有化に際し、中国各地で大規模なデモと暴動が起きましたが、日本へのデモのはずが、プラカードには中国共産党への不満や抗議を書いたものも多数あったことを見ても、中国政府への不満が、巨大なエネルギーとなって溜まっているのは明らかです。 中国は既に社会が転覆する危険ラインに達しています。 善良な中国国民を苦しめている最大の存在は「中国共産党政府」です。 西側諸国が「ソ連包囲網」を形成してソ連を崩壊させたように、今こそ、日本政府が主体となって、米国や中国周辺の民主化された国々と連携を強めて「中国包囲網」を形成し、中国の民主化を実現すべきです。 (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 中国共産党幹部の腐敗の実態(2) 2013.06.11 「太平洋は米中のもの」と豪語する習近平氏 「広大な太平洋には米中のような2大国が共存する十分な広さがある。」 6月7日、オバマ大統領と会談に臨んだ習近平国家主席は、このように述べ、日本の頭越しに、「アジア太平洋を米中二カ国(G2)で管轄する」意思を示しました。 「快挙を成し遂げた」――中国共産党機関紙、人民日報が10日付社説でこう論評するなど、中国メディアは習近平国家主席の訪米の成果をそろって強調しました。(6/8 AFP) しかし、尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海における周辺国との対立問題では、米国に理解と配慮を求めた習主席に対して、オバマ大統領は“ゼロ回答”で応じました。(6/10 夕刊フジ「米中、尖閣で決裂 習近平主席“厚顔主張”」) 特に、尖閣諸島問題では両国で激しい応酬が交わされ、習主席は領有権を主張した上、「日本は挑発を止めるべき」と図々しい発言を行っています。 「盗人猛々しい」とは、まさにこのことです。尖閣領域への領海・領空侵犯などの“挑発”を続けているのは一体、どこの国でしょうか? それに対して、オバマ大統領は緊張緩和や対話解決への取り組みを促し、議論が決裂して終わりました。 中国共産党の腐敗の実態 まさしく、中国共産党は“厚顔主張”で、道徳心や倫理観の欠片も存在しない“世界のバイ菌集団”です。 先日、[HRPニュースファイル651]「中国共産党幹部の腐敗の実態(1)」にて、2011年度に摘発された汚職官僚の数は14万人を超え、更に毎年増える傾向にあることをお伝え致しました。⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/38144.html また、米紙ニューヨーク・タイムズが昨年10月、「中国の温家宝前首相の一族の資産が少なくとも約27億ドル(約2200億円)に上る」と報じたのは記憶に新しいところです。 では、なぜ中国共産党は、かくも上から下まで倫理観に欠け、汚職だらけなのでしょうか? もちろん、中国の国民性や世界有数の民度の低さも関係していますが、最大の原因は、中国共産党の「一党独裁体制」にあります。 中国の共産党員は、13億の人口の内、わずか6%の約8000万人です。このわずか6%の一握りの共産党員が中国の政治、裁判所、軍隊、行政を掌握しているのです。 そして、共産党員でない残りの94%もの中国国民には、国の代表を選ぶ「選挙権」すら無く、国の政治に意見や批判も許されません。 共産党への批判は、命がけでないと出来ないのです。 例えば中国の公安当局は、共産党を批判した人を、裁判なしに最長4年間、強制労働につかせることができます。 最近、中国の準公務員だった任建宇氏が自身のブログに政府批判記事を書き込んだことで、「国家転覆をもくろむ反逆行為の罪」と断定され、裁判を経ずに強制労働2年に処されてしまいました。 国家の批判を一切許さない「共産党一党独裁体制」が、数え切れない汚職や腐敗の温床となるのは、火を見るより明らかです。 なぜ腐敗が起きるのか? もちろん、中国にも法律は存在しています。しかし中国は、日本や欧米のような「近代的法治国家」ではなく、「人治国家」です。 中国では法律の解釈の基準や細則が決められておらず、権力者の裁量がとても大きいため、許可を出すにしても「その人次第」、つまり「賄賂(わいろ)次第」という仕組みが出来上がっています。 例えば、中国には「灰色収入」といわれる賄賂があります。これは、現金の代わりに、高級なお酒やたばこを贈るやり方で、税金逃れの方法であり、賄賂の手段として重宝されています。 その「灰色収入」は、合計でなんと1年間で約80兆円にも及んでいるといいます。 その結果、中国全国民の内、約20%の特権階級が、中国の富の80%を独占しているのです。(参照:王小魯(中国経済改革基金会国民経済研究所副所長)著『灰色収入と所得分配』) 更には、わずか1%の共産党幹部や政府要人が、中国の富の約半分を独占していると言われています。(澁谷司著『中国高官が祖国を捨てる日』経済界新書) 中国共産党は「政企不分」(政府と企業の不分離)が当たり前で、「縁故資本主義」によって共産党幹部が「超巨大利権集団」となっているが現状なのです。 (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 天安門事件24周年――天安門事件を風化させてはならない! 2013.06.04 天安門事件24周年を迎え、中国当局が警戒を強化 6月4日、中国は天安門事件24周年を迎え、北京市内は天安門広場を中心に厳重な警備体制が敷かれました。 遺族や民主活動家らの外出が禁じられ、インターネット上では事件に関する書き込みが次々と削除されているほか、海外のテレビ局のニュースが突然見られなくなるなど、中国当局は警戒感を強めています。(6/4 TBS「天安門事件から24年、中国当局は警戒感示す」) 中国で視聴できるNHKなど海外のテレビ放送は、天安門事件に関するニュース項目になると画面が真っ暗になり、中断しました。天安門事件について中国のメディアは一切報道していません。 天安門事件24周年に先立ち、習近平政権は、共産党は北京や上海の大学に対し「報道の自由」など現体制を脅かしかねない「七つの禁句」を授業で使わないよう通達したと言います。 「七つの禁句」とは、(1)「人類の普遍的な価値」(2)「報道の自由」(3)「民主的な社会」(4)「公民の権利」(5)「中国共産党の歴史的誤り」(6)「特権資産階級」(7)「司法の独立」だそうです。(5/24 相馬勝のチャイナウオッチング) 日本では肯定的に使われている言葉も多くありますが、習近平政権が統制色を強めていることは確かであり、この一点からも、今の中国がいかなる統制社会であるかが伺えます。 中国の本質を世界に露見させた「天安門事件」 では、「天安門事件」とはどのような事件だったのでしょうか? 24年前の1989年6月4日、中国が自国の国民をどれほどひどく扱うのか、その実態が世界に知れ渡りました。 そもそものきっかけは、中国の自由と民主化を求めて、大学生が天安門広場でデモを始めたことです。これが中国全土に広がり、大きな民主化運動に発展しました。 デモは大きな盛り上がりを見せ、北京市内でも、民主化を求めた100万人デモが起きました。まさしく「革命前夜」といった雰囲気だったと思われます。 この民主化運動に危機感を持った中国政府は1989年5月19日、戒厳令を敷き、人民解放軍を動かしました。 一方、民主化に理解のあった改革派の趙紫陽元総書記などは「学生達の理にかなった要求を、民主と法律を通じて満たさなければならない」等と演説しましたが、趙紫陽氏は全役職を解任されて失脚、自宅軟禁されてしまいます。趙氏は2005年に亡くなる最近まで、ずっと自宅軟禁されたままでした。 政府と民衆の対立が激化する中、学生達は強硬に運動を続け、北京美術学院の学生によって作られた、ニューヨークの「自由の女神」を真似た「民主の女神」像が、天安門広場に建てられたりしました。 しかし、ついに「悲劇の日」がやって来ました。6月4日の未明、戦車や完全武装の兵士が、天安門広場の学生や民衆に突入し、無差別に発砲しました。 兵士が学生に発砲したり、戦車が学生を轢こうとしている動画は今もyoutube等に残っています。⇒http://www.youtube.com/watch?v=c4Hc9Fjrfl4 「天安門事件」を風化させてはならない この事件による死傷者については、中国共産党の報道規制によって正確な人数が分かっていませんが、数千人規模と言われています。 ウィキリークスが2011年8月に公開した米外交公電の1990年3月の内容には、軍兵士の「無差別発砲」で、1000人以上の学生を死亡させたと記載。ソ連公文書のソ連共産党政治局が受け取った情報報告では、「3000人が殺された」と見積っています。 この事件の後、中国国内では天安門事件の報道が厳しく制限されています。 そのため、現代の中国では、天安門事件そのものを知らない若者も増えています。日本に留学してきた若い中国人の方が、「日本に来て初めて知る」という状態です。 日本に対して「歴史を振り返っての反省と謝罪」を強く求め続けている中国共産党政府は、この事件については、反省や謝罪が全く無いどころか、この事件が存在しなかったかの如く振舞っています。 天安門事件で拘束された男性は刑務所の中で、頭を壁に何度も打ち続け、こう叫んだと言います。 「聞こえるものは聞いてくれ。俺は今度生まれ変わるとしたら中国人には絶対生まれてこない。中国人なんて嫌だ。悲しすぎる。」 中国の言論統制に負けることなく、幸福実現党は天安門事件と中国共産党政府の実態を全世界に訴え続け、中国13億人を解放し、中国の自由化、民主化を支援して参ります。 (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 天安門事件24周年――中国共産党幹部の腐敗の実態(1) 2013.05.28 1989年6月4日に起きた中国の天安門事件から間もなく24年となります。 あの「天安門事件」とは何だったのか?そして、天安門事件を引き起こし、世界に覇権を広げ続けている「中国共産党」とは一体何なのか? 今後、数回にわたって、その本質を探りたいと思います。 その悲惨な内情を知って頂き、一日も早い共産党一党独裁体制の崩壊と、その中で苦しむ13億の人々の解放、そして、中国が真の意味で、日本と友好関係と繁栄のパートナーシップを築ける「自由を尊重する民主主義国家」へと変貌することを願って―― 「所得格差」が危険レベルに達した中国 中国国家統計局は、国民の所得格差の程度を示すジニ係数が2012年は0.474だったことを発表しました。(1/19 産経「中国『所得格差』危険水域さまよう ジニ係数12年ぶり発表」) 「ジニ係数」とは、国民の所得格差を計る指標で、ジニ係数の範囲は0~1となっています。0は完全な「平等」、1に近いほど格差が大きいことを意味します。 例えば、一人の王様がすべての富を独占し、国民全員が無一文とすると、ジニ指数は「1」になります。 繁栄発展する社会のために、切磋琢磨や自助努力の結果、適度な格差が生まれることは奨励すべきことで、自由経済の先進国ではだいたい0.35程度です。 日本のジニ係数も0.336(2010年度)であり、世界の先進国と比べても比較的格差の少ないレベルになっています。 一方、格差が拡大し、社会騒乱が多発する警戒ラインは0.4です。 中国の実際のジニ指数は、政府発表よりはるかに大きく、例えば、西南財経大学が実施した「中国家庭金融調査」の結果によると、2010年の中国家庭のジニ係数は0.61と、世界平均レベルを大幅に上回っています。(2012/12/11 人民網「中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻」) これ程までの大きな所得格差は、今までボリビア等の一部アフリカや中南米の諸国に限られていまいた。 ここまで所得格差が開いた理由は、一部特権階級への富の集中であり、「中国共産党一党独裁」の弊害そのものと言えるでしょう。 海外へ逃げる中国共産党幹部 現在、中国共産党の幹部の多くが、海外に移住したり、資産を逃がしています。 例えばこの20年で、中国の高官が約2万人も海外に逃亡、また約9兆6000億円ものお金を海外に逃がしました。これは一人当たり、平均12億円にもなります。 この海外逃亡のやり方は、第一段階は、まず自分の子どもを海外へ留学させて、足場をつくることから始まります。最近の10年では、約120万人もの中国公務員が、子どもを海外に出しました。 中国のトップ層はもっと率先垂範(笑)しています。中国共産党第17期中央委員会委員(中国トップの委員204名)の内、なんと9割の家族がすでに欧米に住んでいます。 本来ならば中国トップエリート層こそ、中国の未来に責任を持つべきですが、権力濫用で私腹を肥やし、挙げ句の果てに海外逃亡とは悲しい限りです。 中国の内情を知る高官ほど、中国という泥船から我先に逃げ出す姿は、中国の未来を強烈に暗示しています。 国家主席である習近平氏でさえも、姉夫婦の国籍はカナダで、弟はオーストラリア在住。娘はアメリカに留学させています。 また、2千億円もの資産を築いたとマスコミに暴露された温家宝元首相も、首相退任4カ月前の講演で、「どうか皆さん私をお忘れください。中国の皆さんも、海外にいる中国人の皆さんも、どうか私のことは忘れてください」と演説しています。(2012/11/23 ウォールストリート・ジャーナル) 温家宝氏も、心情的には「早く海外逃亡したい」ということでしょうか。 今日の中国では、家族と財産をすでに海外に移し、あとは本人がいつでも逃亡できるように外国のパスポートを持っている共産党幹部が多くいます。 特に移住先として圧倒的に人気が高いのが米国です。なぜなら中国の捜査機関がなかなか手を出せないからです。 例えば、高速鉄道建設の汚職事件で摘発された張曙光・元鉄道省運輸局長は米国に3軒の高級邸宅と2800億円の預金があると報道されています。 海外移住の実態は、米国側の発言でも裏付けがあります。ヒラリー元国務長官は、在任中のハーバード大での講演で「中国の9割の官僚家族と8割の富豪がすでに移民申請を出した。またはその意向がある」と述べています。 共産党幹部の汚職の実態 以上のように、中国の将来への悲観的観測と、汚職の追求から逃れるために、海外逃亡が後を絶ちません。 実際に汚職はたいへん多いようです。例えば2011年度に摘発された汚職官僚の数は14万人を超え、更に毎年増える傾向にあります。 このような事情から、胡錦濤氏は2012年秋の国家主席としての最後の共産党大会で「中国共産党の腐敗問題をしっかり解決できなければ、党にとって致命的なダメージとなり、ひいては党も国家も滅びる」と異例の発言をしています。 中国共産党幹部の腐敗が、文字通り「身から出た錆」となって、中国という国家を滅ぼしねない大問題となっているのです。 (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) すべてを表示する « Previous 1 2 3