Home/ 新着一覧 新着一覧 「譲位」問題から考える戦後政治の問題点 2016.11.12 幸福実現党兵庫県たつの市地区代表 和田みな ◆天皇陛下の譲位へのお気持ち表明を受けて 本年8月8日、天皇陛下がビデオメッセージで「譲位」の意向をにじませるお気持ちを表明されてから3ヵ月が経ちました。 当初、各種メディアにおいても大きく取り上げられたこの問題への国民の関心は高く、関連書籍の発刊や様々な発信が続いています。 多くの国民が日本の国柄を知る機会になっていることは大変素晴らしいことであると感じています。 前回の私のHRPニュースファイルでは、天皇陛下の最も重要なお仕事は「祈る」ことであると述べました。 天皇陛下は今の政治に失われた「神秘的なもの」「聖なるもの」を大切にしてきた祭政一致の精神の象徴であり、天照大神から繫がる日本国民の「神人合一」の精神の象徴です。 国民が宗教心を失い、宗教性を否定すれば、天皇や皇室の基盤は脆弱なものになってしまいます。 幸福実現党は責任ある宗教政党として、皇統を守るためにも、国民が真の「宗教心」を取り戻すことが重要であると考えています。 「天皇陛下のお気持ちメッセージから考える日本の精神」 http://hrp-newsfile.jp/2016/2917/ ◆譲位までの政治スケジュールは? 一方で、政府は先月から「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を開催しています。 会議では、構成メンバーのみならず、様々な専門家からヒアリングを実施し、陛下にとっても国民にとっても「最も良い結論」を導いていくことが必要であると確認されました。 現在、10日に一度のペースで会議が開かれ、現在第3回まで行われています。 今後のスケジュールとしては、来年の年初に有識者会議が論点整理を公表し、衆参両院で協議を進め、春ごろに有識者会議が政府に報告書提出し、5~6月に「譲位」を実現するための法案を政府から国会に提出する予定です。 ◆有識者会議の内容 有識者会議では、専門家からヒアリングを行いますが、その内容は、日本国憲法における天皇の役割、国事行為や御公務のあり方、負担軽減方法、摂政の設置や国事行為の委任について、退位の理由や退位後の活動について、特別法か制度化すべきかなど8項目となっています。 また、ヒアリング対象の有識者は現在16名で、3回に別けてヒアリングが行われます。 その顔触れは、教授が最も多く、ジャーナリスト、作家、元官僚、元判事などとなっており、安倍総理に近しい保守層の識者の名前が並んでおり、会議の資料を見ると保守系の雑誌を読んているような感覚を受けます。 また、日本国憲法第4条で、天皇は「国政に関する機能を有しない」とされているため、「天皇陛下のお気持ちをうけての法改正」は憲法違反となります。政府は天皇陛下のお言葉とは関係なく譲位について検討することとなっています。 ◆美智子皇后陛下のお考え このような中、10月20日に82歳のお誕生日をお迎えになられた美智子皇后陛下が、天皇陛下のお気持ちメッセージを受けてのお考えを述べられました。 そこには、このようにあります。 「私は以前より、皇室の重大な決断が行われる場合、これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり、その配偶者や親族であってはならないとの思いをずっと持ち続けておりましたので、皇太子や秋篠宮ともよく御相談の上でなされたこの度の陛下の御表明も、謹んでこれを承りました。」 ◆有識者会議の違和感 皇后陛下のこのメッセージを受け、私の中で有識者会議に対する違和感が鮮明になりました。 それは、皇后陛下のメッセージにあるように、皇室の重大な決断を決定するにあたり、部外者である学者やジャーナリストだけの意見で本当に良いのかということ、そして、天皇陛下が最も大切に感じられている「祈り」についての専門家である「宗教家」が会議に呼ばれていないことです。 天皇の「形」だけでなく、精神的なものを守ることを大切に考えるのであれば、皇族の方々や宗教を抜きにした議論をこれ以上続けても、政府の目指す「最も良い結論」は導けません。 ◆国民の幸福の実現のために新しい憲法が必要 繰り返しになりますが、天皇陛下の最も重要なお仕事は「祈る」ことです。 しかし、平成21年の御公務・宮中祭祀の見直しの際にも新嘗祭や旬祭といった大切な宮中祭祀の簡略化が行われてしまいました。宮内庁の職員であっても宮中祭祀の意味を理解しない人が増えている現状の中で、皇統を守るためには、宗教的な議論に蓋をすべきではありません。 私は以前、道徳の教科化にむけた文科省の会議を傍聴しました。その際も委員の一人から「宗教的な議論を」との意見が出ました。 道徳教育を本当に意味のあるものにしたければ、宗教的な議論をこれ以上避けていてはいけないと良識ある人たちは分かっていたのです。 しかし、ついに10回の会議で宗教的な内容に触れられることはありませんでした。そこにあるのは、子供たちのために何が必要かという視点ではありませんでした。 このように戦後の日本の政治は間違った「政教分離」の考え方に支配され、宗教に一切触れずに政治を行ってきました。そして、本当に重要な議論ができずにいるのです。 しかし、本来は国民の幸福のために何が大切か、タブーを抜きにして議論すべきです。それが民主主義の基本ではないでしょうか。今こそ、新しい憲法の制定が必要です。 今後も、有識者会議の内容を見極め、今回の議論を契機とし、宗教政党として日本の国柄である「祭政一致」の政治を取り戻すべく、訴えて参ります。 ※天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumu_keigen/kaisai.html 大学入試改革によるゆとり教育復活の危機 2016.11.10 幸福実現党神奈川県本部副代表 HS政経塾 第4期生 壹岐愛子 ◆新テスト導入は教育改革になりうるのか 文部科学省は、「大学入学者選抜改革」として2020年度から大学入試センター試験を改め、新テストを導入する計画です。現在大学側と文部科学省で会合が繰り広げられていますが、様々な問題が浮き彫りになっております。 たとえば開催時期は1月のままで変更なしにも関わらず、記述式になれば、多数が受験する私学は「採点が間に合わない」問題も発生してきます。 対策として、文部科学省が解答文字数の少ない一部の問題を、大学入試センターで採点する案を新たに検討しているなど、制度面において大学側に大幅な負担を増やし、大学入試に携われる関係者を混乱させております。 ◆公平性が疑問視される「思考力・判断力・表現力」重視の新テスト 文部科学省による「大学入学者選抜改革」は、「確かな学力」のうち「知識・技能」を単独で評価するのではなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価します。 従来の「教科型」に加えて、「合教科・科目型」「総合型」の問題を組み合わせて出題する予定です。新しい試験では「人が人を選ぶ」個別選抜を確立していくことに重きを置き、将来的には「総合型」に集約する方向性です。(文部科学省ホームページより) この背景には、従来のセンター試験方式は、知識の再現を一度の一斉試験で問うもので「評価が偏っている」とみている点があるからです。しかし、本当に評価は偏っているのでしょうか。 大学入試で一定期間みっちり勉強して基礎学力をつけることはその後の人生において必要なその人の胆力を鍛えることにつながります。 テストで合理的に判定されることは悪いことではなく、努力した人が報われる点においては至って公平な評価です。 むしろ改革後に重きをおく「思考力・判断力・表現力」を評価する方式では、採用する人の考えによるところもあり、恣意的な介入が入る可能性は十分にあり公平を保つことは難しくなっていくでしょう。 ◆ゆとり教育がもたらした、学力低下と不登校増加 知識の詰め込みを悪とする考えは、ゆとり教育の再来を感じさせます。2002年にゆとり教育が本格的に導入されてから日本の子供の学力は大幅に低下し、結果的に私立受験や塾通いする子供が増大し、公立高校の存在意義を貶めることになりました。 また、ゆとり教育が本格的に始まってから、不登校生数も増えているのが実状です。 大学入試で培った経験はたとえ志望校に合格しなかったとしても、努力した経験は糧となり、その後の大学、社会で生きていくための強さを養うことにもつながります。 これまでの大学入試は知的訓練を行う上での大きなモチベーションにつながっていることを見落としてはいけません。 ◆学校・塾間で切磋琢磨していくことが質の高い教育を生む 学力を底上げしていくことは、国家を下支えしていく大きな力になります。 今回の「大学選抜制度改革」により、知識を教えることを主としていた塾の存在は大きく揺らぐ可能性がでてきます。 しかし、塾のようにサービス・質の高い教育があるからこそ、日本はゆとり教育後もなんとか世界上位クラスの学力を維持することができました。 今、国家がすることは大学入試の制度の中身を変えることではなく、公教育にそのものの質を上げ、切磋琢磨していく環境を整備してくことです。 幸福実現党は、教育分野に市場原理を導入する必要性を掲げ、全国学力テストの公開、教育バウチャー制度の導入など、学校間での競争を促してまいります。 月面基地の早期建設をめざして 2016.11.08 HS政経塾6期生 須藤有紀 ◆宇宙でも?迫りくる中国の脅威! 先月17日、中国は1ヵ月の長期任務を目標とした、有人宇宙船「神舟11号」の打ち上げを行ないました。またその2日後、中国時間の19日午前3時31分、地球から393キロ離れた軌道上で、実験室「天宮2号」へのドッキングにも成功しました。 現在、中国の宇宙開発技術、打上経験、実績は、アメリカや旧ソ連を含むロシアにははるかに及んでいません。 しかし、着々とその差を縮めて来ています。 習近平国家主席は、2030年に「宇宙強国」となることを目標に掲げています。 中国政府も宇宙計画を優先課題と位置づけ、2018年には独自の宇宙ステーション「コアモジュール」を打ち上げ、2022年に稼働を計画しています。 また、2017年には月面の土壌サンプル採取を計画し、2018年には月面裏側への着陸を計画するなど、月探査に意欲を見せています。 こうした中国の動きに対して、日本はなかなか宇宙開発に乗りきることが出来ていません。 ◆本気でやるなら、「プログラム的探査」 元日経BP記者でノン・フィクションライターの松浦晋也氏は、日本の宇宙開発の問題点は特に「プログラム的探査」の欠如にあると指摘しています。 プログラム的探査とは、長期的な計画に基づいて、戦略的に行われる探査の事です。 月探査で言えば、大まかには以下のようになります。 (1)月の周りを回って月表面の情報を集める探査機を打ち上げる。 (2)月に着陸する。 (3)月を走り回って情報を集めるローバーを送り込む。 (4)月の物質を収集し、持って帰る「サンプル・リターン」を行う。 (5)有人探査を行う。 日本は、はやぶさを例外として、ほとんどのプロジェクトが単発です。 月探査においても、jaxaは月探査の長期計画をjaxa案として出していますが、実現はなかなか厳しいようです。 ◆立ちはだかる「予算」の壁 2007年に、日本で初めて月探査のために打ち上げられた月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、目覚ましい成果をあげて諸外国から称賛を浴びました。 しかし、その後続機である「SELENE-2」は開発を中断されています。理由は色々と考えられますが、一番は予算の不足だと言われています。 SELENE-2は、月への着陸探査をめざしたプロジェクトでした。 SELENE-2サイエンスチームは、「着陸探査は周回探査に比べても2倍の費用がかかる」とした上で、各国は1000億クラスの予算で実施していると指摘しています。 日本の宇宙開発関連予算は3000億円規模なので、着陸探査だけでもおよそ3分の1の予算規模を必要とすることが分かります。 しかし、現実に中国が月探査に力を入れ、月面基地建設や「宇宙強国」としての地位に色気を示している以上、日本も月探査に積極的にならねばなりません。 有人飛行経験のあるアメリカなどと協力して月への有人飛行を行い、中国をけん制する必要があります。 ◆でっかい理想を掲げて積極投資を! SELENE-2は、成果を最大化するために様々なミッションを担おうとしていましたが、開発を中断され、そのミッションの一部を別プロジェクトが引き継ぐ形となりました。 公募で決まったプロジェクトである、SLIMは、ピンポイント着陸の実証を目的とし、2019年にイプシロンで打ち上げ予定となっています。 SLIM自体は素晴らしいプロジェクトですが、SELENEとは別プロジェクトの単発ミッションです。単発ミッションは、同様の探査プロジェクトの結果が出てから、次のプロジェクトに移るので、移行期間が長くなりがちです。技術継承や人材確保、部品などの面で様々な弊害が生じます。 幸福実現党は、「高付加価値の未来産業(航空・宇宙産業、防衛産業、ロボット産業、新エネルギー開発など)に対し、10年以内に100兆円を投資し、振興を図る」という政策を掲げています。 やはり、こうした大胆な政策を掲げ、単発ミッションではなくプログラム全体に対して、積極的な投資をはかる必要があるのではないでしょうか。 ◆宇宙はフロンティア 宇宙は21世紀のフロンティアです。 宇宙開発の過程で編み出された技術は、私たちの生活に転用され、より便利な物を生み出しています。 カーナビや、Googleマップなどの地図サービス、天気予報などは、衛星を使っていますし、宇宙服の技術を転用した肌着や、高性能の浄水器なども誕生しています。 また、月の資源を利用した建設材料や、フロン3といった新エネルギーの材料の発見も期待されます。 こうした経済的発展可能性の面からも、先述した安全保障の面からも、月面開発は重要です。 日本は国家として、月面基地建設までを視野に入れた月面開発プログラム全体に大規模な予算を投入すべきです。そのためにも、まずは宇宙産業を戦略産業に位置付け、官民ファンドの創設などを検討する必要があります。 日本のさらなる発展のためにも、宇宙開発が一段と進むことを願ってやみません。 (参考) 産経新聞 http://www.sankei.com/life/news/160101/lif1601010006-n5.html 東洋経済 http://toyokeizai.net/articles/-/140675 CNN.com http://www.cnn.co.jp/fringe/35090776.html 「合わせ技は認められないのか~SELENE-2の実情~」 http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss13/paper/S2-004.pdf 日経BP http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/matsuura/space/071026_change/ 日露平和条約に向けて:今こそ東京―モスクワリニア構想の提案を! 2016.11.06 HS政経塾一期卒塾生 逗子市政を考える会 彦川太志 ◆領土の帰属よりも、ロシアとの関係強化を狙う安倍政権 プーチン大統領の12月訪日が近づくにつれて、日本国内では平和条約締結に伴う日露関係の前進が大きく期待されています。 安倍首相はロシア側との交渉に当たって、総額1.7兆円に上る経済協力を提示すると共に、北方領土問題については二島(歯舞、色丹)「引き渡し」、二島(国後、択捉)棚上げと言った着地を模索していると見られています。(11/5現在) 特に北方領土の引き渡しに対する姿勢は、従来の「四島一括返還」を求めていた姿勢から、「二島」の「引き渡し」へと大きく変化しており、この部分の譲歩をもって「新しいアプローチ」と称していた事が指摘されています。 【参考】鈴木宗男氏による解説 「Japanese expert proposes to sign peace treaty with Russia on basis of 1956 declaration(10/16タス通信)」 http://tass.com/world/904482 もしこの通りの交渉がなされるのであれば、「そもそも北方領土はロシア(ソ連)が不法占拠しているだけなので、日本に返すべきだ(返還)」という日本政府の従来の主張から、「第二次大戦後に領有権はロシアに移っているので、平和条約締結を機に二島を日本にプレゼント(引き渡し)するだけだ」というロシア側の立場に日本が譲歩したという事になります。 つまり、そもそもの領土の帰属にこだわるよりも、領土が返ってきて、しかもロシアとの関係を前進させることに国益を見いだしたと言えるでしょう。 南シナ海はおろか、日本海でも合同演習を行う中露両国の接近に楔を打ち込むことを優先している点、ある程度評価できると考えられます。 ◆ロシア側の評価は必ずしも高くない? しかしながら、ロシア側の反応を見てみると、必ずしも「二島引き渡し」と「経済協力」の平和条約パッケージが高い評価を得ているとは言い難いようです。 それは結局のところ、安倍政権による平和条約交渉の視野が北方領土からサハリン、ウラジオストク辺りの「極東」に集約されているほか、日露関係をいかなる方向に発展させて行きたいのかという、具体的な長期ビジョンが欠如していることに原因があると考えられます。 プーチン大統領は以前、ブルームバーグのインタビュー記事で「中露関係並みの高度な信頼関係」を日露で築くことが、領土問題進展の条件だと発言しています。 この記事の中で、ロシアは昨年「ハイレベルの信頼関係」を持つ中国と636億ドルの貿易を行い、1000億ドルの規模までこれを拡大しようとしている事を明かしています。 一方、同年度の日本とロシアの貿易総額は213億ドルであり、今回の経済協力1.7兆円を加味しても376億ドルと、中国の半分程度にしかならないことも指摘されているのです。 ◆発想を大きく、ロシアとの中長期的な経済協力ビジョンを掲げよ 例えば長期的に「ロシアとの貿易総額を1000億ドル規模まで拡大する」という構想を打ち出すと共に、東京からモスクワまでリニア新幹線を走らせるようなプロジェクトを提案すべきではないでしょうか。 もちろん、北方領土は全島返還を求めて行くべきとは考えますが、視野が狭くなってはいけないと思います。 中国の覇権主義による危機が高まっている現在、日露平和条約の締結は、中露接近に歯止めをかけ、中国にアジアでの安保、外交上のフリーハンドを与えない、と言う戦略目標を達成するような構想のもとに組み立てられるべきではないでしょうか。 富山市議会の政務活動費不正問題が問いかけるもの 2016.11.04 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆10/30(日)富山市議補選が告示! 10/30(日)、富山市議補選が告示されました。 報道でもご存じのとおり、議員定数40人の富山市議会議員の内、12人の現職議員が政務活動費の不正による議員辞職という異例の状態となったために、補欠選挙が告示されました。 ◆自民・民進で組織ぐるみの不正が発覚 一連の問題について、当初は一部の自民党議員だけにとどまるものと思われていました。 しかし地元の北日本新聞による徹底的な追及のキャンペーンが続き、9月はほぼ毎日、一面に現職議員による不正問題が掲載され、報道された議員の多くが辞職に至りました。 その中で、不正は自民党議員だけでなく民進党議員にまで及んでいることが明らかになりました。 こうした多くの現職議員による半ば組織ぐるみの不正について、共産党・社民党は報道が出始めてから一気に批判を行っていますが、今まで富山市議会に議席を持っていながらこの件を追求できていなかった事にも大きな責任があると言わざるを得ません。 さらに、「維新の会」についても、根拠地とする関西で、現職大阪市議の妻が自家用車のリース代に充てていたことが分かり、こちらも大きく取り上げられています。 上記のとおり、既成政党を中心に地方議員のモラルが大きく低下していることが表面化し、政治への不信感が高まっています。 ◆なぜ、北陸で問題が起きたのか さらに、この問題は富山市だけでなく隣接した高岡市等でも発覚しています。 北陸では、浄土真宗を信仰される方が多いのですが、この開祖でもある親鸞は「悪人こそ救われる」という、悪人正機説を唱えました。 これは、一面、自分は「悪人でも仏や神に愛されている」という救いの原理になっていますが、一方「悪い事をしても、最後は救われるのだ」という教えです。 大川隆法党総裁は、今年の3月17日に高岡市民会館で行われた講演会「夢を実現する心」でこうした点について以下のように述べました。 「阿弥陀様の慈悲がいくら深いからといって、今世においてでたらめな生き方をし、他人様に迷惑をかけ、ほかの人が後始末をしなくてはいけないような生き方をしたのでは、ちょっと考え違いがあるのではないか」(『世界を導く日本の正義』P.100より) この点からも今回の政務活動費不正問題を放置してしまうということがあってはならないのではないでしょうか。 ◆必要なのは「正しき心の探究」を行う宗教政治家の輩出 今回の不正問題の責任は、まず半ば組織的に不正を行った自民党、民進党にあることは当然ですが、そうした実態を見過ごし続けてきた共産党、社民党にも全く責任がなかったとは言えません。 残念ながら、一連の報道を通じ、富山市の有権者の多くは政治への信頼を失いかけています。 そうした意味では、今回の補選が問いかけるものは、本来の政治にあるべき善悪の基準をしっかりと打ち出している政党と政治家の登場が望まれているということではないでしょうか。 私たち幸福実現党は、こうした政治不信が高まっている時期こそ、「正しき心の探究」を通じ、徳を身につけた政治家の輩出が大切であると訴え、実現することを目指しています。 こうした新しい選択としての幸福実現党の躍進が今、望まれているのではないかと思います。 今後、全国各地の地方選においても「正しき心の探究」を目指す議員の輩出に向けて、さらに取り組みを加速化させていく所存です。 国民の皆さまのご支援を心よりお願いいたします。 「保守」とは何か? 2016.11.03 幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆そもそも保守とは何か? そもそも保守とは何でしょうか? 幸福実現党も、「保守」ですが、日本の保守派から一部批判を頂戴することがあります。 日本では、天皇を尊崇する人たちを保守と呼ぶことが多いと思います。しかし外国には天皇のご存在はありません。でも外国にも「保守」は存在しています。 ◆アメリカの保守――「伝統の保持」「普遍的価値」 アメリカの「保守主義」について、産経新聞の古森義久氏は次のように定義しています。 「トランプ候補はイデオロギー色ゼロ…米保守主義は空洞化したのか?」(産経10./23)より http://www.sankei.com/column/news/161023/clm1610230005-n1.html 【ごく簡単にいえば、保守主義とは政府の民間介入を最小限にする「小さな政府」、社会的な価値観では伝統の保持、対外的には強固な軍事力を含めての普遍的価値の投射、そして介入などを求める思想である。】 ここで指摘されている「伝統の保持」「普遍的価値」とはどんなものなのでしょうか?そこに「保守の本質」がありそうです。 ◆イギリスの保守――「歴史の縦軸、国家の連続性」 また「そもそも保守主義とは何か」という問いに、八木秀次氏は、「保守主義の父エドマンド・パーク」を取り上げ、イギリスの保守について次のように述べています(『保守はいま何をすべきか 』(著者/中西輝政・八木秀次/PHP研究所)。 【「国家は、現に生存している者の間の組合たるに止まらず、現存する者、すでに逝った者、はたまた将来生を享(う)くべき者の組合である」(エドマンド・バーク著『フランス左翼についての省察』)――「なるほど、(保守が何かは)過去、現在、未来という時間軸に着目すれば、わかるじゃないか」と。(保守とは)歴史の縦軸、国家の連続性ということですね。】 次のようにも述べています。 【常に祖先の面前にいるかのように振る舞うことで、われわれの自由が高貴な自由になる、彼(エドマンド・バーク)はキリスト教徒ですが、われわれ日本人でも良くわかる。「ご先祖様が見守っている」という思いの中で、日々のわれわれの言動が高貴な洗練されたものになっていく。】 つまり、「歴史の縦軸、国家の連続性」に保守の由来があるということです。 ◆保守のもう一つの視点――「国民の生命・財産を守る」 保守には、「縦軸(時間)」と「横軸(空間)」があります。 エドマンド・パークが言う「国家の歴史の連続性」が「縦軸」です。 「横軸」は、「現在生きている国民」です。これが保守政党では「国民の生命・財産を守る」という政策になります。 ◆日本の保守――「天皇」 先に述べた通り、日本の保守は、天皇を尊崇することを主眼に置いています。 「天皇」の本質は、「日本神道の神々をお祀りする『神官の長』」(『保守の正義とは何か』/大川隆法著/ 幸福の科学出版)であり、国民の先頭に立って、神々に国民の安寧と世界の平和を祈る最高位の神官というご存在です。 ◆保守の本質とは何か 以上、イギリスの保守、アメリカの保守、日本の保守に共通するものは何でしょうか?ここに保守の本質を紐解く鍵があります。 それは、ずばり「神への信仰」です。保守の本質には、「信仰」があるのです。 イギリスやアメリカにはキリスト教の「信仰」があり、イスラム教にも「信仰」、日本神道にも「信仰」があります。 いくら保守と言っても、「神への信仰」がなければ「保守」ではありません。幸福実現党が、「宗教政党である」という理由は、「神への信仰」があるからです。 ◆保守の性質 保守の本質には「信仰」があると述べましたが、その性質には、「愛」「正義」「自己責任の原則」「自立」の精神があるのではないでしょうか。 西郷隆盛の「敬天愛人」は、信仰や愛を表し、吉田松陰の「僕は忠義をするつもり、諸友は功業を為すつもり」などの言葉には、忠義(信仰)や公憤が表れています。 福沢諭吉の「一身独立して一国独立す。(『文明論之概略』)」は、自立・自己責任を表しています。 ◆保守と左翼の違い ここで、保守をさらに明確にするために、左翼との違いを比較しておきましょう(あくまで私見)。 保守は、「信仰心」 左翼は、「唯物論」 保守は、「与える心」 左翼は、「奪う心」 保守は、「足ることを知る」 左翼は、「欲望の拡大」 保守は、「無我」 左翼は、「我欲」 保守は、「公憤」 左翼は、「私憤」 保守は、「愛による革命」 左翼は「暴力のよる革命」 保守は、仏神の「真理」を基とする 左翼は人間の「理性」を基とする 保守は、仏神から降ろされた「法」によって国を治める 左翼は、人間がつくった「法」で国を治める 保守は、「自由」を求める 左翼は、「隷属」を求める 保守は、「自立」 左翼は、「依存」 保守は、「自己変革」を迫る 左翼は、「他者変革」を迫る 保守は、「結び付ける力」 左翼は、「分け隔てる力」 保守は、「信頼」 左翼は、「不信」 保守は、「調和」を生む 左翼は、「不和」を生む 保守は、国家や全人類の「幸福」を追求する 左翼は、自分の組織(労働組合)だけの「利益」を追求する。 保守は、自分の「義務」を果たす 左翼は自分の「権利」を主張する 保守は、自己犠牲をいとわない 左翼は、他人を犠牲にすることもいとわない ◆幸福維新の志士として 明治維新の志士は、たくさんの詩(和歌)を詠み、「涙」を流しました。 しかしマルクス主義者は、詩を詠むこともできず、涙を流すこともありません。 その違いは、どこにあるかと言うと、心に「愛」があるかどうかです。 幸福実現党は、神への信仰を持った「真の保守」であり、今後も「愛」を持って日本国民の幸福と繁栄、そして世界の平和に貢献して参ります! 新しい企業誘致の考え方で地方の活性化を! 2016.11.01 HS政経塾六期生 坂本麻貴 ◆リニア開通で地方の人口はどうなる? リニア中央新幹線の開通が、2027年に品川―名古屋間、その10年後には、大阪までが開通する予定です。 それに向けて、国土交通省は先月24日、経済効果などを高めるインフラ整備や制度設計を目的とした調査プロジェクトを年度内に立ち上げることを決めました。 リニア開業は移動時間の大幅短縮に伴う新たな人やモノの流れだけでなく、ライフスタイルそのものにも変革を起こす可能性があり、国交省は早期に青写真を示し、地方との意思統一も図っていく考えのようです。 リニア中央新幹線は、品川-名古屋間をおよそ40分で結びます。(大阪まで67分)そうすれば地方へ人口を集めることができ、地方の活性化が見込まれます。 一方、逆に都心部に地方の労働人口が吸い上げられ、格差が一層深まるのではないかと言った懸念も指摘されています。 地方を元気にするためには、地方に住む若者を増やすことが課題だとして、政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、「地方における安定した雇用の創出」、「地方への新しいひとの流れをつくる」といった目標のもとに政策を講じています。 ◆「亀山モデル」にみる企業誘致の成功と陰り 三重県は全国に先駆けて大規模な企業誘致を行ってきました。クリスタルバレー構想として、シャープ㈱を亀山市に誘致した例で、『亀山方式』とよばれるほど一時期大きな注目をあびました。 『亀山方式』とは、大型の補助金や助成金によって企業にインセンティブを支払うというもので、当時シャープの誘致に県と市が投入した補助金は135億円でした。 また、用水や道路のなど受け皿の準備にも力を入れ、企業のニーズに合った立地条件をつくりました。 県によると、その成果は大きく、関連企業も含めて、2004年の創業から2011年には雇用者数は2.8倍の7100名に増え、税収も315億円になり、投入した補助金以上の効果があったとしています。 しかし、家電業界では工場閉鎖や売却が増えているのが現状です。 例えば、愛知県一宮市に立地していたソニーのテレビ工場は2009年に閉鎖されました。また2012年には大阪府貝塚市のパナソニックの工場も閉鎖しています。 前述のシャープに関しても、今年8月12日には台湾の鴻海精密工業によるシャープ買収の手続きが完了しました。 家電工場中心の誘致政策にも陰りが見えつつあるのが現状です。 ◆新たな産業誘致を 今まで企業を地方に誘致する際、『亀山方式』のような、補助金・助成金でのバックアップや、「企業立地促進法」 による税制面での優遇などの処置がとられることが一般的でした。 その際は、地方税収の中で約25% をしめる固定資産税の減免です。固定資産税は地方税ですが、海外を見ると国税である法人税を減免する国も多いのです。 例えばシンガポールは新規企業の法人税は最長15年間免除、タイ王国では8年間免除、その後5年間は5割減免という優遇策がとられています。 外資系企業を誘致するにしても、こうした状況から日本へ誘致するメリットは少ないということが言えます。 工場中心の企業誘致に行き詰まり、外資系企業も見込みが少ないとなると今後、どういう分野の企業を誘致するのかということが非常に重要です。 ◆地方が活性化するためには 現在、成長産業と言われる分野には、「航空宇宙産業」、「医療」、「食」が挙げられます。 航空宇宙産業では、既に愛知県の旗振りで「アジアNO.1航空宇宙クラスター形成特区」が行われています。また、医療分野についても「あいち医療イノベーション推進特区」をすすめています。 三重県を例にすると、同県は井村屋製菓㈱(上場)や㈱柿安(上場)、㈱おやつカンパニー(非上場)など、食分野の企業が多く立地しています。また、和牛や海産物にも恵まれ、茶業でも全国3位のシェア を持っています。 今後、三重県において一つの可能性として、食産業を誘致し集積地をつくることで新たな集積地をつくり、世界的な人口増加に伴う食糧問題に取り組んでいくことが上げられます。 地方の活性化の問題は、国内の人口をどう呼び寄せるかという「パイの奪い合い」から視点を変え、「世界で問題になっていることは何か」ということに目を向けることが解決の鍵なのです。 小さな政府の使命を再度問う 2016.10.30 幸福実現党・岐阜県本部副代表 加納有輝彦 ◆中古住宅やエコリフォームに対する支援の開始 麻生政権時、省エネ性能の高い家電を購入した国民に、他の商品と交換できるエコポイントを付与する家電エコポイント制が導入され、総額約6900億円の補助金が投入されました。 CO2対策、経済の活性化、地上デジ対応テレビの普及を図るのが目的で、環境省、経済産業省、総務省が中心となって取り組まれてきましたが、その後、国土交通省でも省エネ住宅の新築やエコリフォームの普及を図る住宅ポイント制度も実施されてまいりました。 去る10月11日、平成28年度第2次補正予算が成立し、「住宅ストック循環支援事業」(国土交通省)として中古住宅やエコリフォームに対する支援が実施されることになりました。 ※住宅ストック循環支援事業について http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000121.html 全国9つのエリアで、国土交通省主催の住宅リフォーム等に関する支援制度説明会が順次開催されました。 中部エリアでも10月26日に名古屋市公会堂大ホール(1990人定員)で開催され、多くの事業者が参加し関心の高さ、期待の大きさを示しています。 主な補助内容は、 (1)住宅のエコリフォームに最大30万円/戸 (2)40歳未満の者がマイホームとして中古住宅を取得する際に、インスペクション(建物状況調査)+エコリフォーム費用に対して50万円/戸 (3)耐震性のあるエコ住宅に建替えるに際し、50万円/戸 (1)(2)については、耐震性を持たせる場合、それぞれ15万円上乗せされます。 新築住宅の着工件数が減少しつつあるなか、特に地方においてリフォーム工事への補助金は、工務店等の建設事業者にとって仕事を頂くための「必要不可欠」なインセンティブ(誘導)となりつつあります。 地方における建設業界の仕事の創造は、国の補助金に期待するところ大であり、今回の国土交通省主催の住宅リフォーム等に関する支援制度説明会に多くの事業者が参加したことは、期待の大きさを示すものと考えます。 ◆消費税増税と補助金 エコポイント等の補助金を必要とする理由として、そもそもお客様の財布の紐が固くしまっており、大きな値引きが「消費を喚起する」「消費を誘引する」そのことに尽きます。 国は一方で、消費税の増税で消費者の財布の紐を締め上げ、一方で補助金で緩める、マッチポンプ(マッチで自ら火事を起こして煽り、それを自らポンプで消す)と揶揄される所以です。 地方の事業者が、補助金制度を利用して仕事を頂くことは、当然の行為です。 しかしながら、事業者の仕事を国の補助金が創造するという姿は、本来の姿とは思えません。国が、税金を吸い上げ、税金を使って仕事を創造する、この方向は「大きな政府」へと真っ直ぐに繋がっています。 私たちは、現行の制度を利用して仕事を創造しつつ、マクロの目を持たなければならないと思います。エコポイント制度から始まったエコ住宅への補助金の原資は、「税金」です。 ◆大きな政府と小さな政府 わが国が立ち戻る原点は、2009年8月21日に放送された幸福実現党大川隆法総裁の政見放送です。この内容に、立ち戻るべき原点が凝縮されています。 税金に関しては、「皆様方の選択は二つに一つです。『大きな政府』を選ぶか、『小さな政府』を選ぶか、どっちかです。」 小さな政府を明確に訴えているのは幸福実現党のみであり、小さな政府とは、国民の生命安全財産を守るための必要最小限の機能を国が担い、それ以外は、企業や各人の創意工夫によって未来を切り開いていける国がよいとされました。 大きな政府は、多額の税金を国民から取って、ばらまく。民主主義の最大の欠点。ばらまいて票を頂くことであると喝破されています。 最後は、「少ない予算の中で、国民の生命安全財産を守りきるために闘う。」これが小さな政府の使命であると結ばれました。 本来、企業や各人の創意工夫によって未来を切り開いていくべきものが、国のばらまき政策である「エコポイント」という補助金にぶら下がることは、一事業者・個人としては現状やむを得ないものの、その方向性は限りなく肥大していく大きな政府であるということをしっかりと認識しておく必要があると思います。 幸福実現党は、小さな政府を明確に訴えている唯一の政党として、「少ない予算の中で、国民の生命安全財産を守りきるために闘う。」を使命として精進してまいります。 生活保護制度について考える 2016.10.29 幸福実現党 大阪府本部副代表 数森圭吾 ◆生活保護制度とは 生活保護制度とは社会福祉六法の一つである生活保護法に基づいて施行される福祉制度の一つです。 生活保護法の目的は、「日本国憲法第25条(生存権)に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」(第1条)とされています。 つまり生活保護とは「一時の」最低限度の生活を保障しながら自立を促すための制度であり、また障害を抱える方など働きたくても働くことのできない方々の生活を保障するためにも、現状において重要な制度であるといえます。 しかし他方、この制度が抱える様々な問題をみていくと、この制度が人の弱さを助長している側面があるということも明らかになってきます。 ◆生活保護受給率 平成26年の厚生労働省発表データによると、都道府県別に見た生活保護受給率は以下の通りとなっており、受給率の最も高い大阪府と最も低い富山県の差は10倍以上となっています。 大阪市の発表によると、大阪府がトップとなっている背景には「失業率」「離婚率」「高齢者の割合」が高水準になっていることや、全国最大の日雇い労働者のまちへの多亜府県からの流入が多いことなどがあげられていますが、他方で行政側の審査の甘さなども指摘されています。 1 大阪府 3.35% 2 北海道 3.11% 3 高知県 2.79% 4 福岡県 2.56% 5 沖縄県 2.41% 6 京都府 2.31% 7 青森県 2.28% 8 長崎県 2.20% 9 東京都 2.16% 10 鹿児島県 1.93% 47 富山県 0.32% ◆生活保護制度が抱える問題点 2015年度生活保護費の予算は約3兆円。今後も増加していくとみられており、制度が抱える数多くの問題も議論の対象となっています。 ・外国人への保護費支給問題 外国人への生活保護費の支給です。2010年のデータで総世帯数と被保護世帯数の割合を比較すると、日本国籍世帯の受給率は2.6%であるのに対して外国籍世帯の受給率は3.6%となっています。 特に韓国・朝鮮籍世帯の受給率は14.2%と非常に高くなっています。また外国人受給者の場合、海外に資産を持っていても、調査に限界があるという点も問題となっています。 実際に資産や所得を海外に隠して生活保護を不定受給していたという事件も起こっています。 ・貧困の連鎖 生活保護世帯で育った子供が、大人になって再び生活保護を受けることを「貧困の連鎖」といいます。 関西国際大学の教授が行った実態調査によると、貧困の連鎖の発生率は25.1%というデータも出ています。この実態をみると自立を助ける制度として生活保護が役立っているのか疑問に感じざるをえません。 ・国民年金とのバランス問題 また、生活保護で給付される金額が、国民年金の老齢基礎年金よりも多い事が指摘されています。 都市部で支給される生活保護費と国民年金(満額)を比較すると倍以上のひらきが存在します。これは国民年金をコツコツと納めてきた国民にとっては納得しがたい状況であるのも理解できます。 ・医療扶助の不適切受給問題 医療扶助は年間約1.5兆円で、生活保護費のおよそ半分を占めています。これは投薬回数や診察回数に関わらず、受給者なら本来の自己負担分はすべて公費負担となるからです。 医療扶助を利用し、不必要な検査や注射を繰り返したり、医薬品を過剰処方することで医療費の増大につながっているという指摘もあります。 このように多くの問題を抱える生活保護制度。制度の理想と実態の乖離や日本の現在の厳しい財政状況から考えると制度の見直しが必要となるのはまちがいないでしょう。 ◆福祉が実現すべきは「楽」?「幸せ」? セーフティーネットとしての福祉制度は非常に重要なものです。しかしそこには落とし穴も存在しており、制度が人間を堕落させてしまう恐れがあることも知らなければならないと思います。 「楽」をしたいという思いがでる、安きに流れるのが人情だと思います。しかし、ただ楽なことが本当に「幸せ」なのでしょうか。何もせずとも楽に生きられる毎日がずっと続いた場合、人間はそれを幸せだと思えるのでしょうか。 人間が人間らしく生きるため、生存権だけでなく憲法13条の幸福追求権を守るためにも、人間の幸福とは何かを深く考え、制度に生かしていかなければなりません。 人間の幸せには「努力」というものが密接に関係するように思います。努力を重ねる先に、心から感じることのできる幸福もあるのではないでしょうか。 もしそれを福祉制度が阻害していしまっているのであれば、それは本来の意味からして福祉と呼べるものではありません。 最低限の生活を守る福祉制度は非常に大切です。 しかし同時に多くの人びとがセーフティーネットを必要とする状況から脱し、努力の先に一つでも多くの成功をつかみ取ることのできる環境をつくることこそ大切な福祉であり、政治が実現すべき重要な仕事であると感じます。 日本に、迫りくる南シナ海危機への対策はあるのか 2016.10.27 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆ドゥテルテ氏の反米外交で、領土喪失の歴史が繰り返される? 先般、訪日したフィリピンのドゥテルテ大統領は、東京都内の講演で、「2年以内に、私の国から外国の軍部隊がいなくなってほしい」「行政協定の見直しや破棄が必要ならば、そうするつもりだ」と述べました(ドゥテルテ比大統領、米軍は「2年以内に撤退を」AFP通信、2016/10/26)。 そして、ドゥテルテ大統領に同行したヤサイ外相も記者会見でアメリカとフィリピン両軍の定期合同軍事演習が「中国側の疑念を高めることにつながりかねない」と述べ、現政権による中止の可能性をほのめかしています。 フィリピンの新政権は、南シナ海進出を目指す中国の野心を止めるために米国や近隣諸国と連携するのではなく、この問題を中比間の「話し合い」で解決しようとしています。ヤサイ外相は、米比軍事演習がその妨げになると見ているわけです。 ドゥテルテ大統領もヤサイ外相もアメリカとの同盟(米比相互防衛条約)を維持すると述べましたが、南沙諸島の問題は米比同盟の対象外としました。もし、今後、フィリピンが「米軍」を国外に追い出したら、90年代前半の米軍撤退後にミスチーフ礁を中国軍に奪われた時と同じ事態が繰り返されかねません。 米軍を抜きにしたフィリピン軍は旧式の駆逐艦や旧世代の戦闘機が主力なので、中国海軍の近代化された護衛艦や潜水艦、戦闘機等には、とうてい、対抗できないからです。 ◆「人権問題」でそりが合わないドゥテルテ政権とオバマ政権 フィリピンではドゥテルテ氏が大統領に就任してから2カ月余りで1000人以上もの麻薬取引の容疑者が警察官に殺されたとも言われています。これを問題視したオバマ米大統領に対して、ドゥテルテ比大統領は「我々に敬意を持たなければならない」と憤り、フィリピン国内記者会でオバマ大統領を罵倒しました。 ドゥテルテ氏は、植民地の統治者のように上から目線で説教をしてくる米大統領が我慢ならないのですが、9月5日にラオスを訪問したオバマ氏は、その暴言を聞き、翌日に予定した米比首脳会談を取りやめました。 そして、米比関係が冷え切るなかで、ドゥテルテ氏は10月に訪中します。そして、南シナ海を巡る中国の領有権主張を違法と断じた国際仲裁裁判の判決を棚上げまでして、ドゥテルテ氏は中国のインフラ投資を国内に呼び込もうとしたのです。 親中外交はインフラ投資を呼び込むためのポーズなのかもしれませんが、結局、米比関係は修復が難しくなったので、日比首脳会談では、同盟国の日本を通してフィリピンを日米側に取り込むための布石が打たれました。 現状では、フィリピンが日米寄りに一歩近づきましたが、11月以降、人権問題を重視するヒラリー・クリントン氏が大統領となれば、「暴言大統領」が政治を司るフィリピンとアメリカとの関係は、うまくいかなくなりそうです。 ◆高まりつつある南シナ海での地域紛争勃発の危険性 26日の日比首脳会談後の共同声明では「両国の種々の友好関係および同盟関係のネットワークが、地域の平和と安定、海洋安全保障を促進する」とうたわれました。基本的に、今の日本は「外交」で紛争を抑止することを目指しています。 しかし、フィリピンの新政権は「頼みの綱」である米軍追い出しに肯定的ですし、米大統領選でヒラリー氏が当選した場合は、人権問題を巡って米比関係が険悪になる可能性が極めて高いのです。 アメリカとフィリピンとの同盟関係にひびが入れば、中国にとってまたとないチャンスなので、今後、南シナ海では地域紛争が起きる危険性が高まっていくでしょう。 ◆日本に、南沙諸島をめぐる地域紛争への対策はあるのか しかし、今の日本では、その有事に対応する準備はできていません。 南沙諸島近辺を通る海上交通路(シーレーン)は、日本とアジアの米軍にとって重要な物資の運搬経路ですが、この防衛のために日本がどこまで動けるのかは、いまだにはっきりしません。 集団的自衛権の行使の要件の中には、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」と記されていますが、果たして、南シナ海のシーレーンの防衛というのは、前掲の「明白な危険」の中に含まれているのでしょうか。 フィリピンという国は、「わが国と密接な関係にある他国」の中に含まれているのでしょうか。 今の日本では次の選挙のための国内政策の議論が盛んですが、南シナ海の情勢が変わりつつある今こそ、有事に適切な判断を下すための準備を進めなければなりません。 そのため、集団的自衛権や防衛法制に関する議論を国防強化に結びつけるべく、幸福実現党は今後も力を尽くしてまいります。 すべてを表示する « 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