Home/ 新着一覧 新着一覧 北朝鮮情勢に見る「米中の駆け引き」 2017.06.01 北朝鮮情勢に見る「米中の駆け引き」 幸福実現党 政調会外交部会 副部会長・彦川太志 ◆「米中の駆け引き」から読む北朝鮮包囲網 トランプ大統領が北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を求めた包囲網の形成を初めてから、間もなく2ヶ月が経過しようとしています。 最近の報道では、今週中にも米朝外交関係者が北欧を舞台として非公式会談の開催を調整していることが伝えられておりますが、間違っても「北朝鮮問題は米朝二国間の交渉によって解決すれば良い」などと考えるべきではないでしょう。 今回の北朝鮮包囲網の形成は実質的に4月の米中首脳会談から始まっていることを考えれば、北朝鮮問題は米国にとって米中間の駆け引きの問題であったことが見えてきます。 その事実を端的に象徴しているのが、米中首脳会談で習近平国家主席が持ち出したと言う「100日間の猶予」と言う取引です。 ◆中国に「100日間の猶予」を与えつつ高められた軍事的緊張 報道によれば、4月上旬の米中首脳会談においてトランプ大統領は習主席に対して「北朝鮮問題の解決のために、中国が経済的影響力を行使する」ことを求め、これに応じない場合は中国の企業や金融機関に対する制裁を実施する用意があると発言したと言います。 これに対して、中国は北朝鮮に対する経済的影響力の行使と引き換えに、「100日間は軍事的手段を取らない」事をトランプ大統領に求めたと報道されております。(※1) こうした「取引」が米中首脳会談の時点で交わされていた事を念頭に置くならば、4月以降の北朝鮮情勢を巡る軍事的緊張は、トランプ大統領が「100日間の猶予」と引き換えに、中国に「経済制裁」を履行させるための「プレッシャー」としての側面があったと思われます。 トランプ大統領が北朝鮮に軍事的なプレッシャーを与えながらも、実際に軍事行動に踏み切らなかった理由は、この辺りにあるのではないでしょうか。 ◆中国は「取引」を履行せず、事態は中国・北朝鮮に有利に ところが、「100日間の猶予」の中で実際にトランプ大統領が直面した事は、中国による制裁の不十分な実態と、イランによる挑発、米国内でのトランプ大統領に対する「機密情報流出疑惑」でした。特にイラン問題や国内メディアとの戦いには、大きなエネルギーを割くことを余儀なくされています。 この様な「事実の断片」を眺めてみると、結局、北朝鮮を包囲しようとするトランプ大統領の行動を妨害する事件ばかりが発生し、北朝鮮や中国のみが得をしている事実が見えてきます。 特に、北朝鮮や対テロ問題に関するロシアとの協調を妨害するかのようなメディアの動きには、ある種の「意図」さえ感じます。 つまり、習主席の持ち出した「100日間の猶予」とは、結局のところトランプ大統領による北朝鮮包囲網を突き崩そうとする「時間稼ぎ」としての効果があったわけです。 ◆トランプ政権に提案したい「もう一つのオプション」 文政権の登場によって半島情勢が複雑化する中、事態の膠着を座して見守るトランプ大統領ではないでしょう。 7月には「100日間の猶予」も切れると見られていますので、「取引」を誠実に履行しなかった相手に対して、トランプ大統領が実力行使に出る可能性は高いと考えられます。 トランプ大統領の政治は一言で言って、嘘や不正を嫌う「正直者の政治」です。自国民の幸福を心底から願い、正当に働く者が「神の恩寵」としての繁栄を享受する。そうした国造りを目指した「有言実行」の政治を目指している事は明らかです。 そのようなトランプ政権に対して、北朝鮮の核・ミサイル危機に直面する同盟国としての立場から、日本はもっと国防に「正直」であって良いのではないでしょうか。 これは個人的な意見ではありますが、半島情勢を前進させるプレッシャーとして、トランプ政権は日本の核装備の可能性もオプションとして検討するべきだと思います。 日本に三度目の核を落とさせないと言う大義が立つだけでなく、半島全体の左傾化に対する強力な牽制球となる事でしょう。 南シナ海への「いずも」等の海自艦の派遣が示す通り、日本には世界とアジアの「自由・平和・民主主義・そして神仏の下の繁栄」という普遍的な価値観を守ろうとする意欲があります。 日本が自由の灯台としてアジアの未来を照らし続けるためにも、米国は日本に対し、フェアな防衛力の保有を認める時期に来ているのではないでしょうか。 ======================== ■6/17(土)13時~ 幸福実現党政調会・外交部会 月例公開セミナーのお知らせ 日々、幸福実現党にご支援を賜り、誠にありがとうございます。 6月17日(土)13時より、ユートピア活動推進館3階大会議室において幸福実現党政調会・外交部会主催の公開セミナーを開催させていただきます。 北朝鮮包囲に大胆な外交手腕を発揮したトランプ大統領ですが、足元では2018年度予算の議論が本格化しつつあります。 今回のセミナーでは、米国2018年度予算案に関する報道を中心に、トランプ大統領の経済政策を解説させて頂きます。 当日ご参加頂きました皆様には、外交部会作成のお持ち帰り資料をご用意させていただきます。多くの皆様の御参加をお待ちしております! テーマ:「具体化するトランプ・バジェット」&質疑応答 日時:6月17日(土)12:45開場 13:00開始 15:00終了予定 場所:ユートピア活動推進館3F大会議室 東京都港区赤坂2-10-8 会費:1000円(持ち帰り資料あり) 主催:幸福実現党政調会 外交部会 講師: 同 副部会長 彦川太志(情報分析担当) ◆お申し込み・お問い合わせ ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。 ※件名に「6月17日セミナー希望」とご記入ください。 担当:彦川太志 【victory777dh@gmail.com】 =============================== 出典 (※1)2017/5/22 TASS(ロシアの国営通信社) 「China did not ask the US to give him 100 days to put pressure on the DPRK」 参考(HRP News File) 2017.05.18中東情勢の影響受ける北朝鮮包囲網 http://hrp-newsfile.jp/2017/3182/ 2017.05.02米、北朝鮮への攻撃、間近?!――日米連携でアジアに平和を http://hrp-newsfile.jp/2017/3166/ 2017.04.20 緊迫する朝鮮半島情勢を読むーートランプ外交と日本の指針 http://hrp-newsfile.jp/2017/3153/ 2017.04.13 トランプ政権のシリア・北朝鮮封じ込め政策――国防政策転換のチャンス! http://hrp-newsfile.jp/2017/3147/ 文在寅新大統領、ファシズム台頭か?! 2017.05.30 https://hr-party.jp/special/Northkorea/article011/ ※本日は、「幸福実現NEWS」(vol.88)より、「文在寅新大統領、ファシズム台頭か?!」をお送りします。 ◆文在寅氏が目論む南北朝鮮統一 文在寅氏は若い世代(40代以下)から圧倒的支持を得て勝利した。韓国では若年層の失業率が10%を超え、「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない「七放世代」が増加。 朴前政権やサムスン等の財閥に彼らの不満と怒りの矛先が向かったが、文氏は「偽の保守を松明で燃やしてしまおう」等の過激な言葉を用いながら、朴槿恵退陣デモや選挙を通して支持者を拡大してきた。 文氏は信用に足る人物なのか? その政策の中身を見てみたい。 1.資本主義の否定 第一の特徴は、資本主義の否定。政府主導の経済成長を発表しているが、要は、増税で民間の活力を奪い、政府に権力が集中する「国家社会主義」の発想だ。 例えば、「公共部門で81万人の雇用創出」(4月28日、テレビ討論)を掲げているが、その主な財源は大企業や高所得者層向けの増税頼み。まさに民間が減退し、官が肥大化する政策だ。 また、「財閥改革の先頭に立つ」(5月10日、就任演説)との発言もあるが、10大財閥がGDPの7割以上を占める韓国では、「財閥の弱体化→景気低迷→失業者増」の結果に終わるだろう。 2.韓米同盟の否定・反日路線 第二の特徴は、韓米同盟の否定と反日路線。朝鮮半島情勢が緊迫するなかにあっても、文氏は北朝鮮への経済制裁に反する「開ケソン城工業団地再開」や、米国の不信感を助長する「THAAD(超高高度防衛ミサイル)配備反対」を訴えた。 慰安婦問題に関する「日韓合意」についても「国民感情」を理由に見直しを求めている。自由主義圏の連携が崩れようとしている。 3. 朝鮮民族による南北統一 第三の特徴は、「朝鮮民族」による南北統一。文氏は選挙中に発表した「朝鮮半島平和構想」で、金大中・廬武鉉が推進した「太陽政策」を発展的に継承すると語った。 さらに、南北統一については「南北経済統合(単一市場)」を経て段階的な統一のビジョンを掲げている。 韓国には大国願望を根底に置いた核保有願望があるため、文氏が南北統一ありきで北朝鮮の核保有を容認することも想定すべきだろう。 文氏は国民の歓心を買うために耳ざわりのいい言葉を多用するが、「否定」が綱領になっており、建設的な政策は皆無だ。 「保守殲滅」を宣言する文氏を恐れ、韓国の脱北者3000人が文氏当選なら海外に集団逃亡すると発表したが、今回の新大統領誕生に至る動きは、戦前のファシズム台頭を思い起こさせる。 近い将来、文氏が「反日」を旗印に朝鮮民族の統一を進め、核武装した統一朝鮮が誕生するという「最悪シナリオ」に日本は備えるべきだろう。 ◆東アジアにさらなる自由の創設を! 日本の安全保障が一層悪化するなか、国防強化は急務だ。安倍首相による改憲案(憲法9条に自衛隊の存在を明記)は、「自衛隊=違憲」との批判を一蹴できたとしても、肝心の国防強化には何ら貢献しない。 防衛力強化に向け、9条を全面改正し、「戦力不保持」「交戦権の否認」を定めた9条2項を見直し、自衛隊を「軍」として位置付ける必要がある。 また、従来の「日米韓の連携強化」の見通しが立たないため、対北外交戦略も見直しが必要だ。北朝鮮の脅威除去に向け、軍事行動も辞さない米政権による圧力強化の姿勢を支持しつつ、ロシアとの関係強化を含め、日本も北朝鮮の封じ込めに主体的に努力する必要がある。 日本は今後、自主外交・自主国防に舵を切るべきだ。さらに、安倍政権の「官民対話」「同一労働同一賃金」等に見られる国家社会主義的な政策を見直しつつ、日本は東アジアの更なる「自由の創設」に向けて積極的役割を果たすべきだ。 高まる北朝鮮のミサイル危機――米中対立・大国間で揺れ動く日本【後編】 2017.05.27 高まる北朝鮮のミサイル危機――米中対立・大国間で揺れ動く日本【後編】 幸福実現党国防部会会長 新潟県阿賀野市議会議員 横井 基至 ◆ロシアの存在の重要性 ロシアは貨客船「万景峰」受け入れや数万人規模の北朝鮮労働者の受け入れを継続するなど、北朝鮮への国際社会からの圧力が高まる中、融和的な姿勢を見せています。 民間が決定したこととなってはいますが、政治的判断が背後にあることは当然との見方があります。 これはいつものロシアがとるポーズと捉えるべきで、国際社会が連携した北朝鮮への圧力にロシアも加わって欲しいところではあります。 そのためには、日本を含む欧米諸国がロシアへの経済制裁を解除することが鍵になると思います。 しかし米国内では、トランプ大統領を弾劾しようとする勢力が「ロシアゲート」なる偽ニュースを流し、ロシアとの関係改善を阻んでいます。 そのために北朝鮮問題で米国がロシアとうまく協議できていない故、もう一歩踏み込んだ米国の関与ができないのではないのでしょうか。 また米ロの仲が良くなっては困るのが中国であり、中国へ強硬な姿勢をとっているトランプ政権そのものを崩壊させたいと思うのも中国共産党です。 情報を漏らし貶めるなどの工作を行うことは、中国にとって容易なことのはずです。まさに中国は将来の米中軍事衝突に「戦わずして勝つ」作戦を実行中なのです。 このような状況を打開するためにも、日本政府は単独でもロシア制裁を解除するべきです。 ◆中国は協力者なのか トランプ政権になってから大きく変わったものとして、対中国政策があります。 2020年代には中国は米国を抜いて世界第1位の経済大国となり、2043年頃には米中の国力(米国国家情報会議による国力比較。国力はGDP・人口・軍事費・技術投資から試算したもの)が逆転することになります。 中国国民は大国意識の増大から、必然的に平和台頭路線を踏み外す可能性はほぼ間違いありません。 中国の東シナ海、南シナ海における覇権的行動は拡大の一途をたどる中、比大統領ドゥテルテ氏は15日、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」がテーマの国際会議に合わせ、北京で習氏と会談した際、「(南シナ海の係争海域は)私たちのものだと主張し、海底油田の掘削をするだろう」と話しました。 その発言に習氏は、友好的ながら決然として「現在の良好な関係を維持したい。だが、その問題を強行するならば、戦争になる」と返答したということです。 南シナ海での中国の主権主張を全面否定した国連海洋法条約に基づく仲裁裁定について、中国は応じない構えです。 このように中国は武力を背景にして、もはや誰の言うことも聞かなくなっています。 米国はリバランス政策によって東アジアへの関与を強める過程で、米国としても「力による平和」構築以外の道はなくなってきており、2020年から2030年の間で米中の武力衝突が予測されています。 ◆北朝鮮問題のゴールはどこなのか 現在の北朝鮮問題の終着点として、米国としては北を非核化し東アジアのパワーバランスをとり、日米韓の連携を強化することが、平和と同盟国の国益につながるというものでしょう。 一方、中国が望む北朝鮮問題の終わり方は、中国の軍事拡張のシナリオから見れば、米軍を朝鮮半島や沖縄から追い出し、グアムまで押し下げ、中国海軍の太平洋進出を成し遂げることにあるでしょう。 このように、思惑が全く違う中で、果たして中国は石油の供給を制限しているのかも不透明ですが、ここはトランプ大統領が習氏のメンツを保つため、忍耐の時間を過ごしているのでしょう。 北朝鮮のミサイル発射に対して、トランプ氏のツイッターが沈黙していることからも察することができます。 米中両国は将来の武力衝突を想定し、腹の探り合いをする中、この大国同士に囲まれた日本は、どのように生き残り、国民を守っていくのか、主権国家としての意思が感じられないのが現状であり、これでは国が存続できるかどうか大変危険な状況です。 北朝鮮の核開発・ミサイル開発をやめさせ、一党独裁体制を崩壊させ、民主化を進め、北朝鮮国民の人権をまもる。教育や経済の発展も促す。南北の統一。 日本政府がどこまで関与できるかは定かではありませんが、安全保障を考える上で、東アジアのリーダー国として、ここまでやらなければならないと考えます。 ◆今、日本がするべきこと ・日米共同をさらに強固なものとし、日本国内、周辺でオペレーションを行う米軍に支援を行うとともに、沖縄での辺野古移設を粛々と進める。 ・米中の軍事衝突を想定し、防衛大綱の見直しを行い、自主防衛を可能とする防衛力の強化をするため、防衛費を現状の2倍以上に引き上げ、10年以上はこの体制を維持する。 ・米国の軍事的関与が行われるか否かにかかわらず、北朝鮮の核実験や大陸間弾道ミサイルの開発が止まることなく、北朝鮮の軍事力が質と量とも増大し地域のパワーバランスを不均衡している現実から、米国の東アジアに対する核の傘は破れたと判断し、日本独自で自衛のための核装備を行い、米国のリバランス政策を補完する。 ・全国に国民を守るシェルターや地下の避難施設などを構築する。 ・難民対応と、武装難民への対処を行う。 ・米ロの距離が縮められない状況であるならば、日本がロシアとの協議に臨み、米ロ関係向上の仲介役を行い、ロシア制裁の解除を日本が率先して行う。 元・陸上自衛隊幹部学校長、陸将の樋口譲次氏の言葉を借りるならば、安全保障、国防は、イデオロギーや政治思想ではなく、その国が置かれた地政学的特性を基礎として、常に現実的な視点から考察し、機を失せず行動しなければならない、まさにその時である考えます。 また北朝鮮問題は一過性のものではありません。日本は中長期的な安全保障ビジョンを持ち、日本を守るためあらゆる手段を講じるべきであります。 <参考・出典> ニューズウィーク日本語版 2017/5 /13 「陸上型イージスがTHAADより優勢 日本のミサイル防衛強化策」 BBC NWES JAPAN 2017/5/15 「日北朝鮮、発射実験のミサイルは大型核弾頭搭載可能の「新型」と主張」 産経ニュース 2017/5/19 「ロシアが北の貨客船「万景峰」受け入れ 港周辺は特務機関が封鎖 中国人観光客がターゲット?」 産経ニュース2017/5/20 「【緊迫・南シナ海】「天然資源採掘するな」 中国が比に戦争警告 習近平主席がドゥテルテ氏に』 樋口譲次 編著 「日本と中国、もし戦わば 中国の野望を阻止する『新・日本防衛論』」 ピーター・ナヴァロ著 赤根洋子訳 飯田将史解説 「米中もし戦わば 戦争の地政学」 高まる北朝鮮のミサイル危機――米中対立・大国間で揺れ動く日本【前編】 2017.05.25 高まる北朝鮮のミサイル危機――米中対立・大国間で揺れ動く日本【前編】 幸福実現党国防部会会長 新潟県阿賀野市議会議員 横井 基至 ◆高まる北朝鮮のミサイルの脅威 北朝鮮は14日に新型の地対地中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を実施し、成功したと発表しました。 この実験では高度が2000kmまで達し、射程はグアムや米国本土にまで達する可能性があり、朝鮮中央通信社(KCNA)の発表では大型核弾頭の装着が可能と主張しています。 さらに22日、中距離弾道ミサイル「北極星2型」の発射実験に成功し、核弾頭の末期誘導性能が確認されたと(KCNA)は発表しました。 このミサイルはもともと潜水艦から発射されるミサイルを地上発射用に改造したもので、射程距離が2,000kmと日本がすっぽりと収まります。 さらに金正恩氏が「北極星2型」の実戦配備を承認して量産を指示したことなどから、日本へのミサイルの脅威は新たな段階に突入しました。 また核をEMP兵器として使用することにより、電子機器が破壊され、日本の都市機能やライフラインが壊滅状態になることも考えられます。 【参考】〈トランプ・チャンネル#22 幸福実現党〉――党外務局長 及川幸久 北朝鮮の脅威 その凄さを韓国新大統領はわかっているのか? (6分30秒~ EMP兵器についての説明あり) https://www.youtube.com/watch?v=qqRARvZCVqI&t=146s ◆イージス・アショア導入へ 5月13日、弾道ミサイル防衛強化の一環として整備を検討している新型迎撃ミサイルシステムについて、日本政府が陸上配備型イージス(イージス・アショア)の導入に傾いていると報道がなされました。 イージス・アショアは1基700~800億円と、1基1000億円以上のサードより調達価格が優位なうえ、サードは迎撃高度が40~150kmしかないのに対し、イージス・アショアは高度1000キロ以上に達する日米共同開発の迎撃ミサイルSM3ブロック2Aを発射可能で、2~3基で日本全土を防衛できるとされています。 さらにイージス・アショアであれば、24時間体制の弾道ミサイル警戒任務を続けるイージス艦の負担が減り、訓練や他の任務に振り向けることが可能になると見込まれています。 ◆ミサイル防衛力を補完する新たな装備の開発を 幸福実現党は以前から日本のミサイル防衛力向上のため新たな装備拡充を訴えてきましたが、この度のイージス・アショア導入を進めることには強く賛成の立場です。 これまで政府の中ではサード導入ありきで議論が進んでおり、それには反対の立場でした。 サードは高価なうえ、機材やシステムがブラックボックス化されていること、同時に多数のミサイル攻撃(飽和攻撃)の対応策とならないことなどが主な理由です。 イージス・アショアも飽和攻撃対処には限界がありますが、サードミサイルよりはるか高い宇宙空間で迎撃できるところに利点があります。 またイージス・アショアは地上に固定された施設のため、そのものを防護する必要があるなど課題は残りますが、価格が安い分、その予算を飽和攻撃対処としてマイクロウェーブ兵器の独自開発や、レールガンの開発を進めるなど、日本独自のミサイル防衛構築に振り分けるべきです。 今後の新装備の導入は自主防衛を目指した装は備体系の構築が必須となります。その上で、イージス・アショアの選択は正しいと考えます。 ◆高まる国民の危機意識 また、北朝鮮の中・長距離弾道ミサイル「火星12型」の発射した際、高度が2,000kmにも及び、射程は6,000km、直線距離で700km飛んで日本海に落下しました。 通常の軌道で打ち上げていたなら、4,000kmも飛んだと分析されています。 時間にして30分と、これだけ飛んだのになぜJアラートが鳴らないのかという疑問はありますが、航空自衛隊のレーダーで捉えられたミサイルの落下予測地点が日本海上で、日本に危害は及ばないと判断されたためでしょう。 全国各地の自治体で続々とミサイル避難訓練が行われ、国民の危機管理意識は高まりつつある中、「Jアラートは本当に鳴るのか?」という疑問の声も聞こえてきます。 政府は近いうちに、何らかのかたちで鳴動試験を行うことも必要ではないでしょうか。 (つづく) IoT導入には、「サイバー・セキュリティシステム」が不可欠 2017.05.23 IoT導入には、「サイバー・セキュリティシステム」が不可欠 HS政経塾第6期生 山本慈(やまもと・めぐみ) ◆生産効率化の対策としてのIoT導入 経済産業省の調査から、海外に工場をもつ日本企業の1割以上が、ここ1年間、国内に生産拠点を戻していたことが明らかになりました。 国内へ移転する理由としては、円安や現地の人件費の高騰、品質管理の向上が挙げられます。また、ほとんどが中国、上海から移転しているようです。 生産拠点が国内に戻れば、雇用者数が増え、失業率の低下に寄与するはずですが、国内回帰したほとんどの企業では、人手不足が問題になり、総務省の調査では、リーマン・ショック以降、「製造業」の大幅な減少が続いていると報告されています(2011年)。 就業者数減少の対策と生産の効率化を図るために、7割以上の企業が「IoT(Internet of Things)」導入を検討しています(ボーダフォン・グローバル・エンタープライズ・ジャパンが2016年に行った調査)。 ◆IoT導入で、サイバー攻撃の危険性が高まる IoT導入などで、産業のIT化が進む一方、サイバー攻撃が問題として挙げられます。 サイバー・セキュリティ大国であるオランダは、国土に浸水する海水が国家安全保障の脅威になり、制御システムで海水の国土浸水を防いでいます。 産官学連携機関HSDのハンス・ヴォン・ローン氏は「サイバー攻撃でバルブなどの制御システムがハッキングされれば、広く浸水被害が発生しかねない。数年前に寸前で被害を食い止めた事件が起きた」と話しています(19日付日経産業新聞)。 このように、サイバー攻撃によって、国家が危機に陥る恐れがあります。 またIoT搭載の機器をハッキングし、スパイ活動や製品を危険なものに変えることも可能と報告されています。 アメリカ人で11歳のルーベン・ポールくんは、オランダで開催されたサイバーセュリティ会議でIoT機器を使用して、会議に参加した人の電話番号を取得し、その人のスマホを乗っ取るなどの実演をして見せました。 ※やじうまPC Watch http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1060047.html ◆世界から遅れる日本のサイバー・セキュリティ・システム 産業のIT化とIoT搭載製品が普及される中、日本のサイバー・セキュリティ・システムは世界から遅れをとっています。 多摩大学大学院教授であり、(サイバー・セキュリティの)ルール形成戦略研究所所長である國分俊史氏によれば、日本のサイバー・セキュリティは「防止」することに焦点をあてすぎ、セキュリティーを破られた後の「対応」に考えがいたっていないケースが多いといいます。 国際社会では、サイバー攻撃は日常的にあり、サイバー攻撃に対するシステムを構築することは国防上当然のことです。 世界中でIoT搭載製品が普及することをふまえ、EUとアメリカ間では、サイバー・セキュリティの技術レベルを国際規格化する話し合いが大詰めを迎えています。 ※Forbes「世界に遅れる日本のサイバー・セキュリティ 「安全神話」が障壁に」 https://forbesjapan.com/articles/detail/15532 つまり、市場で商品を売買する際に、最低限のサイバー・セキュリティを導入していなければ、グローバル市場で取り扱えないということです。 今ではEUとアメリカ間だけですが、将来的には日本にも関わることといえます。 ◆セキュリティ技術をあげるべき IoTを製造業に導入したり、製品に搭載したりすることは、製造や日常生活の効率面などのメリットから、今後も普及していくでしょう。 ただし、その弱点をねらうサイバー攻撃に対しては、ただちに措置できるサイバー・セキュリティ・システムの構築や、技術レベルを高めておく必要があります。 また貿易によって経済が成り立っている日本では、サイバー・セキュリティの国際規格を超える技術を国家が促進していく必要があるでしょう。 中東情勢の影響受ける北朝鮮包囲網 2017.05.18 中東情勢の影響受ける北朝鮮包囲網 幸福実現党 政調会外交部会 副部会長・彦川太志 先月より、北朝鮮に核兵器開発を放棄するよう、圧力をかけていた米トランプ政権ですが、5月は中東情勢の変化や韓国大統領選等の様々な問題に直面し、難しい舵取りを余儀なくされていました。 今回のニュースファイルでは、トランプ政権が直面していた「北朝鮮包囲網の切り崩し」と、日本外交に求められる役割について解説したいと思います。 ◆イランが巡航ミサイルを発射――米国に与えたインパクトとは 朝鮮半島を巡る軍事的緊張が高まっていた5月2日、紅海で突如イラン海軍が潜水艦から巡航ミサイルの発射試験を実施し、各国の注目を集めました。 米FOXニュースの報道によれば、ミサイルを発射した潜水艦は、2010年に韓国の哨戒艦「天安」を撃沈した北朝鮮の潜水艦、ヨンオ級と同型であった事が報道されています。(※1) ミサイル発射試験自体は失敗だったようですが、同艦は北朝鮮から技術供与を受けてイランが生産している事で知られています。 翌5月3日に米国が「ミニットマンIII」ICBMの発射試験を実施(※2)している事を考えれば、「北朝鮮製の潜水艦がミサイルを発射した」という出来事が、トランプ政権に与えたインパクトの大きさを図ることができるのではないでしょうか。 事実、FOXニュースの記事末尾には、北朝鮮が過去、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射試験に成功した事実が触れられており、この行間から「SLBMを発射可能な潜水艦技術も、北朝鮮からイランに渡っているのではないか」という懸念が暗に示されていると考えられます。 イランのミサイル発射をきっかけに、米国は北朝鮮ばかりかイランの問題にも直面し、アジアと中東を両睨みとする難しい舵取りを強いられる事となったのです。 ◆イラン牽制を狙い、中東・ロシアとの関係を強化したトランプ大統領 しかし、トランプ大統領の優先順位はあくまで「北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させる事」にありましたので、イランに対しては中東諸国やロシアを巻き込んだ外交的圧力で対応する事を選択しました。 まず中東に対しては、トランプ大統領は5日、5月下旬からサウジアラビアやイスラエルなどを歴訪する事を発表し、イランの外交的孤立を意図しました。 サウジ紙の報道でも、トランプ氏が湾岸諸国(GCC)と共にイランやテロリズムの問題について討議する予定を伝えている(※3)ほか、イラン系メディアなどは明確に「トランプ氏の狙いはイランを孤立させること」だと反応しています(※4)。 また、中東諸国との関係強化に平行して、トランプ政権はロシアとも連携しようとする動きを見せています。 具体的には、イランが巡航ミサイルを発射した当日、トランプ大統領はプーチン大統領と電話会談を行ったほか、10日にはロシアのラブロフ外相と会談を行い、露外相に対して「ロシアがシリアやイランを制御するべき」だと力説した事が伝えられています(※5)。 ◆得をしたのは北朝鮮、そして中国 以上のように、トランプ大統領は5月2日から約一週間に渡ってイラン問題にエネルギーを費やす事となりましたが、これで「得をした」のは間違いなく北朝鮮と中国です。 この間、韓国では「韓半島での軍事行動は、韓国の同意なしに実行することは不可能だ」と公言する(※6)、北朝鮮に融和的な文在寅政権が誕生しており、北朝鮮にとって有利な状況が生まれました。 この文政権に対し、中国はTHAADミサイルの配備撤回を働きかける(※7)一方、経済面では「一帯一路」会議への参加を急遽呼び掛ける(※8)ことで、北朝鮮包囲網からの韓国の切り崩しを図っています。 さらに、最近では10日のラブロフ外相との会談をめぐり、トランプ大統領に「機密情報漏洩疑惑」が浮上しておりますので、内政問題にトランプ大統領のエネルギーが削がれていくことが予想されます。 ◆「北朝鮮包囲網」切り崩しを阻止せよ!日本に求められる役割とは このような状況を見る限り、米国の北朝鮮包囲を、米国の内外から切り崩そうとする何者かの意図が働いていることは明確だと言えます。 北朝鮮の核ミサイル開発を巡る状況が長期化・複雑化するほど、日本の安全保障環境は悪化していきます。我が国としては米国が北朝鮮問題の解決に集中できるよう、外交・安保面からサポートを行うことが重要です。 具体的には、自衛隊に敵地攻撃能力の保有認めつつ、米軍の連携を緊密化させて行くことはもちろん、韓国を北朝鮮包囲網から脱落させないこと。そして米国のエネルギーが中東情勢に吸い込まれないよう、中東におけるロシアの役割を重視していくことだと考えます。 <参考・出典> (※1)2017/5/3 FOX NEWS 「Iran attempted missile launch from submarine, US officials say」 (※2)2017/5/3 Air Force Global Strike Command 「MALMSTROM TESTS MINUTEMAN III MISSILE WITH LAUNCH FROM VANDENBERG」 (※3)2017/5/7 Saudi Gazette 「The focus in the US -GCC summit would be the file of Iran and confronting the potential threats posed by it to regional security.」 (※4)2017/5/5 Pars Today 「トランプ大統領、初の外遊でサウジアラビアとイスラエルを訪問」 (※5)2017/5/10 White House 「Readout of President Donald J. Trump’s Meeting with Foreign Minister Sergey Lavrov of Russia」 (※6)2017/5/12 Tehran Times 「Trump’s North Korea policy just got… 憲法9条を改正し、国民の安全と生命を守る国家へ 2017.05.16 憲法9条を改正し、国民の安全と生命を守る国家へ HS政経塾第6期生 坂本麻貴 ◆有事に対して備えなく、憂いが残る行政事情 北朝鮮がミサイルを撃った場合、日本では「Jアラート」が鳴り、国民に避難するよう警告されます。 「Jアラート」が鳴ってから、着弾までは約7分。あるいはもっと短いといわれます。 しかし、14日の未明にミサイルが発射され、30分間飛行した後、日本海に落ちましたが「Jアラート」は鳴りませんでした。 実際に、ミサイルが日本に向かって発射された場合、国民の救助に当たるのは地方公共団体です。 自然災害時とは違い、自衛隊は迎撃などに当たるためです。 地方公共団体によっては、まず司令塔にあたる職員や関連機関で訓練を実施し、今後市民も巻き込んで訓練していこうとしているところもあります。 しかし、地方公共団体で具体的な対策を取っているところはほとんどないのが現状です。 「ミサイル着弾は前例がなく、訓練や備蓄を準備するだけの予算をつけることが難しい」「国の判断で鳴らすので、鳴ってすぐに対応することが難しい」という団体もあります。 そのため、ミサイルを想定した避難訓練をすることや、備蓄の用意、生物兵器だった場合に備え、ワクチンや医薬品の準備と関連機関との連携を求める活動を行なっています。 ◆国民の声 9条に自衛隊の存在を加える「加憲」に国民の55%が賛成だと、16日の産經新聞で報じられました。 地元をまわって、皆さまの声を聞いても、「9条を改正するべき」「2項の矛盾を改めるべき」という声を多く頂くようになってきました。 憲法を改正することは、自民党の党是。安倍首相はその念願を叶えたいところですが、各方面に配慮して9条1項2項はそのまま残し、あくまで自衛隊の存在を加えるとしています。 ◆「加憲」よりも「改正」 しかし、それでは国民にたいして不誠実です。政治は諸外国に対しても、国民に対してもまっすぐであるべきです。 憲法9条を改正し、主権国家としての交戦権を認めるよう改正しなくてはなりません。 その上で、更に、人はなぜ尊いのか、人権の尊厳の根拠は何であるのかを、国の柱である憲法に定めた自主憲法を制定するべきです。 いざという時、しっかり大切な人たち、愛する国をまもるための国家をつくっていくべきです。 「地域医療構想」を疑ってみる 2017.05.13 「地域医療構想」を疑ってみる 幸福実現党・岡山県本部代表 たなべ雄治 ◆地域医療構想の分析結果 厚生労働省は今月10日、各都道府県による「地域医療構想」の分析結果を公表しました。 「地域医療構想」 とは、団塊の世代が後期高齢者に入る2025年時点の医療提供体制を想定したものです。 在宅医療を推進しつつ病床数を調整し、コストを抑えて効率的な地域の医療提供体制を整えるのが目的です。 全国341の区域についての分析結果によると、長期療養向けの入院ベッド「慢性期病床」および救急医療や先進医療を担う「高度急性期病床」と「急性期病床」の数は減少する傾向です。 一方でリハビリ患者らが入る「回復期病床」については高齢者のニーズが高まり、多くの地域で増加するという結果が出ていますが、全病床トータルでは減少する見込みとなりました。 ところで、なぜここで「病床数」を気にしているのでしょうか。 それは、病床を上述のとおり4分類して、その数に規制をかけているからです。 地域ごとにニーズを吸い上げ、それに合わせて病床数を規制して、管理によって医療提供を効率化しようというのが「地域医療構想」の方針なのです。 ◆管理による効率化の危険性 ところが管理による効率化には、失敗してきた黒い歴史があります。 需要と供給のバランスで価格が決まる市場経済とは異なり、管理された経済では競争原理が働きませんし、変化に対する自動調整も働きません。 まさに日本の医療分野においても、これで失敗した事例があります。 看護師を手厚くした病床の診療報酬を引き上げたところ、多くの病院がそちらに偏り過ぎて、医療費の値上がりと看護師不足を招いたことが実際にありました。 市場経済にはない、不安定さがどうしても付きまといます。 ◆では市場経済が良いのか では反対に、医療を手放しで市場に任せても良いものでしょうか。 実はそう簡単ではありません。経済学においては一般的に、医療は市場経済になじまないと言われています。 医療には、市場経済を働きにくくする要因がいくつかあるからです。 例えばテレビを買いたい場合、店頭やカタログ、ネットの評価など、色んな情報を参考にしながらじっくり選ぶと思います。 ところが医療サービスを受ける場合、買い手(患者)は十分な情報を得ることができません。医療においては高度な専門知識が要求されるからです。 電気屋さんに、「このテレビを買いなさい」と強制されることはあり得ません。 しかしお医者さんに「その症状にはこの治療が必要です」と言われたら、「そうですか」としか言いようがありません。 極端に悪い表現をするなら、売り手(医者)の言い値で買わされる状況なのです。 これが、医療で市場経済がうまく働かないとされる大きな要因の一つです。(経済用語で「情報の非対称性」と言います。) ◆医療を市場経済に任せた失敗事例 そんな中、医療を市場経済の競争原理に任せた国があります。それがアメリカです。 その結果どうなったかというと、医療費が高騰しています。 例えば、初診料3万円。虫歯一本10万円。盲腸手術100万円・・・。お医者さんの言うままに、高値が付けられているという状況なのかも知れません。 また、それにつられて医療の保険料も跳ね上がり、一家四人で月15万円にもなるとか。 先進的な医療技術が多くて研究開発の元を取るために高価になったり、(訴訟国家だけあって)医療訴訟保険料に連動して医者の人件費が上がったり、アメリカ特有の要因であることはあるのですが。 それにしても怖いです。 ◆医療をどう捉えるか 医療を安易に市場経済に委ねるわけにはまいりません。 しかしだからと言って、競争原理を諦めるのも早計です。 成功報酬制度を導入して、制限的に競争原理を取り入れたイギリス医療の実例もあります。 あるいは、公共と民間が並立して競争している分野もあります。例えば学校ですが、公立学校の存在が私立学校の学費の高騰を抑制しています。 同様に、国選弁護士と私選弁護人のような関係の制度も存在しています。 はたまた、混合診療を解禁することで保険外診療が浸透すれば、その分野で競争原理を働かせることもできていくでしょう。 完全には市場経済に任せないことで、アメリカのような医療費高騰を防ぐことは可能です。 行政が進めている「効率化された管理」だと、状況が変化すると途端に非効率化してしまします。 部分的にでも競争原理を取り入れていき、「競争による効率化」を導入すべきでしょう。 効率的な状況を維持するためには、これが必要です。 危機にある朝鮮半島——立ちはだかる壁 2017.05.11 危機にある朝鮮半島——立ちはだかる壁 幸福実現党・政務調査会 都市計画・インフラ部会 曽我周作 ◆非現実的な条件設定 朝鮮半島情勢が緊迫している中、韓国では新しい大統領が選出されました。文在寅大統領は親北派といわれ、今後の日米韓の連携など気になるところです。 そんな中、もしも有事が起きた場合、自衛隊による邦人保護は可能なのでしょうか。 例えば外務省のホームページにある資料には実施要件として、以下の条件があり、その全てを満たす必要があると書かれています。 (1)保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められること。 (2)自衛隊が当該保護措置を行うことについて、当該外国等の同意があること。 (3)予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。 (参考)http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/nsp/page1w_000098.html まず、(1)にかかれていますが、邦人保護が必要になる有事の際に「戦闘行為が行われることがないと認められること」が条件になっています。 有事の際にそんな条件がついていたのでは結局邦人を救出できないのではないかと感じるのが普通の感覚ではないでしょうか。 また、(2)には「当該外国等の同意があること」とありますが、朝鮮半島有事の際に、例えば韓国がもしも同意したとしても、北朝鮮が同意するとはとても考えられません。 戦争状態のときにこんな要件がついていて、在留邦人や拉致被害者の救出は、一体どうなってしまうのだろうかと思います。 さらに、(3)には「部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること」とあります。 韓国当局などはともかく、例えば北朝鮮の朝鮮人民軍などと連携や協力が可能だと考えられるでしょうか。 これらの条件が全て満たされることが、自衛隊が在外邦人の救出のために出動できる条件だとは、まったくもって非現実的な条件と言わざるを得ません。 もはや、超法規的措置として、自衛隊を送り込む他に、手だてがないと考えざるを得ない状況です。 ◆韓国の新大統領、文在寅氏を警戒せよ さらに、韓国の新しい大統領の文在寅氏ですが、親北派であり、日本に対してはいわゆる「慰安婦合意」などを見直す姿勢を示すなど、反日的な姿勢をしめしています。 この人物は我が国の領土である竹島にも足を踏み入れています。 そのため、北朝鮮の問題が緊迫している時に、この大統領で北朝鮮に甘い姿勢を示す一方で、日米との連携に水を差し、事態が悪化することが懸念されている状況です。 文氏については「人権派弁護士」などと言われているものの、本当の意味で、自由や人権を守る人物かというと極めて疑問があります。 例えば「2008年、ゴムボートで脱北した子供を含む22人が北朝鮮に送り返された。中朝国境で活動する韓国籍を持つ脱北者らが摘発され、北朝鮮に強制送還されるケースが相次いだが、盧政権は放置した」と言われています。 (参考:http://www.sankei.com/world/news/170510/wor1705100009-n3.html) 文氏は、盧武鉉元大統領の側近でした。文氏は北朝鮮の人権抑圧や不法行為についていったいどう考えているのでしょうか。 韓国で昨年施行された「北朝鮮人権法」にも文氏は反対したようです。この法律は北朝鮮の人権侵害の状況を調べ、記録し、その責任追及を目指すものです。 人権派弁護士とは名ばかりである可能性があります。 自国民に対しても、このような対応をする人物でありますから、ましてや有事の際に在留邦人の保護に積極的に動く保証は全くありません。 日本政府はそれを理解したうえで、主権国家として在留邦人の保護にかけては絶対に妥協すべきではないと考えます。 ◆朝鮮半島統一は非核の民主的、法治国家が最低条件 盧武鉉政権時代に北朝鮮は初めての核実験を行いました。 その時からさらに状況は大きく変わっています。北朝鮮は核開発、そしてミサイル開発を続け、我が国にとっても脅威は増すばかりです。 その上、もし文在寅大統領が、北朝鮮の独裁者と無警戒に融和すると、脅威はさらに高まります。 日本としては、朝鮮半島の非核化は絶対に譲れないところです。 ここでは絶対に妥協できません。それは韓国にも厳しく護るように、アメリカと協力して迫るべきです。 また、朝鮮民族にとっても分断された国家が統一することは悲願であるでしょうが、統一される国家が、核武装をした統一朝鮮だとすると、我が国は絶対に容認できません。 朝鮮半島が再び統一されるにしても、非核化された国家であること。そして、朝鮮半島の人々が自分たちの国の未来を自分たちで創ることができる民主的な国家であり、国際社会のルールを守る法治国家となるべきです。 しかし日本としては、統一朝鮮が核と弾道ミサイルを備えた軍事国家として誕生する事態になる可能性もゼロではないことを頭に入れながら、たとえそのような最悪の状況になろうとも、我が国を防衛するだけの抑止力を働かせるための憲法改正などに取り組むべきであります。 平和への一歩は「自由の創設」から踏み出せ 2017.05.09 平和への一歩は「自由の創設」から踏み出せ 幸福実現党広島第三選挙区支部長 HS政経塾第6期生 野村昌央 ウィーンで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会に合わせて今月5日、広島県と沖縄県の高校生8人が準備委の議長を訪問しました。 訪問には広島市長と長崎市長も立ち会い、「核兵器のない平和な世界」の実現を求める署名が提出されました。署名の人数は51万人以上にのぼります。 松井一実広島市長は「核兵器保有国が核廃絶にしっかりと努力すれば、核兵器を持とうと考える国も減るはずだ」と述べました。 これを受け準備委議長は「核兵器廃絶は世界中の人の共通の願いだ。核保有国と非保有国の意見をうまく整理して、良い結論が出るよう努力する」と応じています。 準備委議長の言うとおり、核廃絶は私達の願いです。では、広島市はどのようにして核兵器を世界から無くそうとしているのでしょうか。 ◆広島市の目標は条約の締結 広島市では「全ての核兵器の実戦配備の即時解除」という目標を掲げ、「2020ビジョン」という取り組みを行っています。 2020ビジョンは目標を達成するために、NPT等での国際合意を根拠として各国の政府に「核兵器禁止条約」締結に向けた交渉を求めるというものです。 そして、2020年までにすべての核兵器を解体することを目指しています。現在、加盟都市は162カ国・7295都市に上ります。 多くの都市がこの取り組みに加盟していますが、それだけで核軍縮が実現するのでしょうか。 もちろん、話し合いによって解決する道は常に開かれていなくてはなりません。こうした取り組みも無駄ではないでしょう。 しかし、現実は話し合いに応じない国もあります。 オバマ大統領時代、アメリカが世界の警察官を止めている間に、北朝鮮や中国などは軍備増強を進め、核開発を進めています。 しかも、これらの国は日本や周りの国に対して否定的な考えを持っています。 ◆中国や北朝鮮に「自由の創設」を 北朝鮮では一部の特権階級を除き、国民には自由がありません。 幸福実現党創立者の大川隆法総裁は、著書『危機の中の北朝鮮』で、北朝鮮の取るべき舵について、金正恩に対して次のように指摘しています。 『危機の中の北朝鮮』大川隆法著/ 幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1850 「『戦わずして潔く負けを認める』ことも、トップにまだ仁徳があることを証明することにもなる。今がその時ではなかろうか。」 トランプ大統領はシリアやISへの爆撃で示してきたとおり、北朝鮮の挑発に対しては行動で応えるでしょう。そうなれば金正恩政権は核兵器を捨てなければ政権が存続できる道はありません。 また、中国も日本の各都市に核ミサイルの照準を合わせていると言われています。 私達は、武器を捨てて平和を訴えても、自国の権益を拡大するために他国を脅かそうとする意図を持つ国を抑えることはできないということです。 平和を訴えるにしても、その間に軍事拡張を押しとどめる抑止力を持たなければなりません。 同時に、核兵器の廃絶を実現するためには、こうした覇権主義的な核保有国の民主化・自由化を進めなくてはなりません。 つまり、核廃絶のために具体的にできることは、この世界の至るところに「自由の創設」を実現するということです。 中国の人達も平和を望んでいます。中国の体制が、共産党の独裁から民主政治に変わることができれば、世界から核兵器を廃絶する道が見えてくるはずです。 ◆想定外は許されない 現在、ミサイル攻撃が現実に起きる可能性があることは明らかで、現実になった時には想定外という言い訳は通用しません。 もしもの時に国民を守るための備えは政府や自治体にしかできません。 話し合いの道は開きつつも、日本は核抑止力を持って中国の覇権主義を押しとどめつつ、中国内部からの民主化革命を後押しすることが、人権弾圧をこの地上から無くし、平和裏に核廃絶を実現する理想的かつ現実的な方法なのです。 すべてを表示する « Previous 1 … 71 72 73 74 75 … 253 Next »