Home/ 新着一覧 新着一覧 【歴史的円安】バラマキは亡国への道。定額減税でも家計負担10万増。今こそ「小さな政府・安い税金」の実現を! 2024.06.25 https://youtu.be/xWcD6l_X90E 幸福実現党党首 釈量子 ◆円安で苦しむ日本 今、日本では、円安による輸入品の高騰もあって物価高が続いています。にもかかわらず給料は上がっていないため、生活が苦しくなっています。 物価高に影響を及ぼす円安について、最近は、「歴史的円安」という言葉も使われています。 円安とは、ドルに対して円の価値が下がるということですが、英語では「weak」(弱い)。人間の身体に例えると、「脈拍が落ちてくる」ように元気がなくなっている状態です。 これまでは、「円高不況」という言葉があり、輸出企業には円安の方が有利だという声も根強くありました。 実際、円安の恩恵を受けてトヨタの2024年3月期連結の営業利益は5兆3千億円を超え、過去最高を更新しました。営業利益が5兆円台になるのは、日本企業初です。 しかしトヨタも含め、製造業の七割が海外に生産拠点を持っています。現地生産したりして、少しでも人件費の安いところに移してきました。 背景にあるのは日本のコスト高です。日本はエネルギーや食料品など、生活に必要な品物の大半を輸入に頼っています。 極端な円安になると、輸入に頼っている化石燃料が高騰し、電気代が恐ろしいほど値上がりします。 「円安」の影響をもろにかぶるのが中小企業です。部品などを作る下請け企業は、海外から材料を輸入して造っているので、円安で材料費が高くなるわけです。 こうしたわけで、中小企業の6割以上が、「円安は自分の会社の利益にとってはマイナス影響です」と回答しており、「円安がプラスになっています」と答えた中小企業はわずか7.7%です。 大企業では賃上げができても、円安で苦しむ中小企業は従業員の賃金を思うようには上げられません。 そのため、物価高を考慮に入れたうえで賃金がどれほど上がったかを示す「実質賃金」は、25カ月連続マイナスです。 定額減税などしても、今年の家計負担は、昨年比10万円あまり増えることが想定されています。 ◆円安の原因は? では円安の原因は何か?以前は、自動車など日本からの輸出が増えれば「円高・ドル安」が進むとされてきました。 教科書的には「ドルが日本国内にどんどん入ってくると円高になる」と言われてきましたが、今は、貿易収支よりも資本取引の影響が遥かに大きくなりました。 1980年の外為法改正で、資本の取引が自由化されて、外貨預金などする人が大幅に増え、金利差の生まれるところに大量の資金が利益を求めて、大きく移動します。 ちなみに、世界の貿易額は、2022年は24.2兆ドル、1日約663億ドル。1ドル150円で換算すると約10兆円です。一方、世界の外国為替市場の取引額は1日あたりの平均が7兆5千億ドル(1,125兆円)。貿易額の100倍をはるかに超えています。 アメリカがインフレ対策として高金利政策を維持しています。その一方で、日本は低金利政策を続けているため、円安が止まらないのだということが言われます。 それなら、日本も金利を上げればいいのですが、それができません。 金利を上げたら、自宅などローンを組むような大きな買い物をする時に負担が増えたりして、経済にもっとブレーキがかかります。 何より、最大の理由は、バラマキや手厚い社会保障によって財政赤字が増えすぎて、金利を上げると、政府の利子の負担が大幅に増えてしまう。つまり、日本政府の借金がもっと膨らんでしまうわけです。 しかし日本は、財政赤字が巨額過ぎ、とても金利を上げられません。 財務省の試算では、長期金利がこれまでの想定より1% 上がった場合、2033年度 の国債の利払い費がさらに8.7兆円増えるとされます。これは2024年度の防衛関係費(約7.9兆円)を上回ります。 その結果、日米の金利差はなかなか縮まらず、円を売ってドルを買う動きはしばらく続くとみられます。 では、現在の円安、物価高の苦境から脱するためにはどうすべきでしょうか。 (1)補助金、給付金などのバラマキをやめること まずは、財政赤字を膨らませる原因となる補助金、給付金を止めることです。 円安で家計が苦しいという訴えが出てくるとすぐ「給付金を出しましょう」という話が出てきますが、日本経済にとって逆効果です。 補助金を出すためには、増税するか国債を発行することになるからです。 増税は企業や個人のやる気、働く意欲を失わせ、経済を低迷させてきました。「タコが自分の足を喰う」と言いますが、バラマキは必ず将来世代のツケになります。 そもそも「補助金」バラマキは、まぎれもない選挙対策です。生活が苦しくなるほどにバラマキがよく効くのです。 1998年に公明党肝いりの「地域振興券」から、バラマキがさも「優しい政治」のように大手を振っています。 セーフティネットは必要ですが人々の「政府から奪いたい」という心を増長させると、またくれないかなというさもしい心を引き出します。 国民の働く意欲を奪うようになるので、 政治における愛というのは、単なる優しさではなく、智慧を持って与えなくてはなりません。 小学生が「将来の夢は生活保護を受けて楽に暮らしたい」と言っているという記事もありますが、現金を懐に入れる政治が外道も外道、国民の精神を歪めます。 大川隆法総裁は「人の心の弱みに付け込み、餌で魚を釣るがごとく、人々を釣るような行為で政治権力を取ろうとする者たちに対しては、やはり、『それは悪魔の所業である』と言わざるを得ない」と指摘されています。 (2)規制緩和と減税 次に、規制緩和と減税です。円安対策の王道は、日本経済への信頼を取り戻すことです。 政治がやるべきは、現金お金を配ることではなく、民間が働きやすい環境づくりです。民間の智慧を最大に発揮してもらえるように、自由の範囲を拡大することです。 速攻やるべきは、規制緩和です。「働き方改革」といった残業規制、働かせない改革を撤廃することです。 そして「減税」です。税金と社会保険料を取られると貯金もできない国にしないでほしい。 現在、「安い税金」について訴える政党は増えてきましたが、そうした政党の一部は「お金持ちや企業からは取る」と主張します。 そこで「目指すべきは小さな政府」です。バラマキのためにお金持ちからたくさんの税金を取ると、お金持ちはお金を使わなくなります。そうした「ゆとり消費」というのは、景気に大きな影響があります。 政府が税金でやる仕事はたいてい、バカバカしいことになります。「民間ができることは民間で」という「小さな政府」を目指すべきと主張している政党は、幸福実現党以外にありません。 バラマキは亡国の道です。「小さな政府、安い税金」によって、国民の自由の範囲を広げ、やる気のある人、頑張る人が報われる社会をつくることが全ての人の幸福につながるはずです。 災害後のトイレ対策は自助による携帯トイレの備えを 2024.05.31 https://youtu.be/bqHH-faFJC8 HS政経塾11期卒塾生 牛田久信 ◆災害ごとに繰り返されるトイレの問題 2024年元旦に発生した能登半島地震では、死者245名、負傷者1300名以上、住宅被害12万戸以上(5/8現在、内閣府発表)などの甚大な被害が出たと当時に、被災直後のトイレ問題が浮き彫りとなりました。 地震直後、石川県内では11万戸の断水が確認され、公共施設や各家庭の水洗トイレを使うことはできませんでした。 その結果、行政は発災直後に、簡易トイレ設置が急務となったり、携帯トイレを配布するなどの対策に迫られました。 大震災で断水が生じると、トイレは使えない場所となります。一見、使えるように見えても、トイレの排水先の下水管が破裂している危険性もあり、安易に使用してはいけません。 それにもかかわらず、発災直後も容赦なく襲ってくるのが生理現象です。しばらく我慢できる水や食糧に比べて、排泄行為は数時間が我慢の限界でしょう。 こうしたトイレの問題は、実は大地震が起きる度に繰り返されています。 1995年の阪神大震災では、地震後の断水でトイレが使用できなくなり、避難所のトイレはおろか、校舎のグランドや側溝、砂場までもが糞尿まみれとなりました。 こうした教訓を充分に活かせず、2011年の東日本大震災においても、同じように避難所のトイレは排泄物の山となりました。 被災後のアンケートでも、避難者が困ったことの7割以上にトイレの問題を挙げており、被災後にまず直面する大きな問題となっています。備蓄対策として、水や食糧にはよく目が行きますが、手薄になりがちなトイレ対策は、今もなお盲点となっています。 ◆トイレ対策不足は命に関わる 一般に、災害では、インフラの崩壊や清潔な生活環境の破壊、飲み水確保の困難などによって、感染症のリスクが高まります。 インフルエンザや肺炎、コロナなどの呼吸器感染症やノロウィルスなどの食中毒、外傷から広がる破傷風など、枚挙に暇がありません。さらに、トイレ対策不足は、より一層の感染拡大を招くのです。 2016年の熊本地震でのノロウィルス集団感染はその典型です。複数の避難所において発症が確認され、不衛生になっているトイレが発生源の可能性が高いと指摘されました。2010年、ハイチでもマグニチュード7以上の地震の後、ハイチ国内でコレラが大流行しました。 トイレ問題が起きると、感染症の他にも、トイレに行かなくて済むように水分補給や食料摂取を控えることで、脱水症状や血行不良、エコノミークラス症候群を招くこともあります。 エコノミークラス症候群とは、食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないことで、血行不良が起こり、血液が固まってしまい、血の固まりで血管が詰まってしまう病気です。 重症化すると、肺に詰まって肺塞栓などを誘発することもあります。2004年の新潟中越地震においては、死亡事例も発生し、震災後に同症状の発生リスクが広く認知されるようになりました。 ◆行政側も、自助の精神を育む取組みを こうした問題の解消には、即効性のある携帯トイレの普及が急務です。 携帯トイレは、便器に便袋を設置し、付属の凝固剤を使用することで、排水せずとも排泄することが可能となります。使用後は、燃えるゴミとして処理し易いこともメリットです。 携帯トイレの使用によって、トイレの我慢からくる健康被害を防ぐだけでなく、排泄物を避難所や住環境に溢れさせない衛生環境の維持にもつながります。ですから、携帯トイレの普及は、災害対策に不可欠なのです。 しかしながら、行政が町の防災倉庫に大量の携帯トイレや仮設トイレを備えるだけでは対策として不十分であると言えます。 震災直後は、行政機能が麻痺し、そうした公助が行き渡るのには、時間を要します。一方で生理現象は待ってくれません。 発災後に繰り返されたトイレ問題を踏まえると、国民側も、公助を当てにする政府頼みの姿勢は、自分自身の安全や健康を損ねるリスクがあることを知っておかなければなりません。自分(家族)の命は、自分(家族)で守るという自助の精神が重要です。 しかし、2021年のミドリ安全株式会社の調査によれば、備蓄品として災害対策用トイレを備えている家庭は、1割程度に過ぎず、各家庭の普及が急務なのです。 内閣府発行の「地区防災計画ガイドライン」において、地域防災力向上のため、計画を立てるだけでなく、検証し見直していくことを推奨していますが、この携帯トイレの普及率においても、行政や地方議員が中長期的な視点で、現状の把握と向上に努めなければならないと考えます。 幸福実現党の大川隆法党総裁は「政府がやるべきことは、『チャンスの平等を、すべての国民に与える』ということ、そして、最低限の仕事として、『国民の生命・安全・財産を守り切る』ということ」(『日本を夢の国に(街頭演説集4)』「5 一人びとりに未来の可能性を」)と述べられました。 地方政治で言えば、住民を守ることも大きな使命だと言えるでしょう。それを果たすには、震災後のトイレ対策の重要性を、防災訓練や行政広報、SNSの発信等で啓蒙するだけでは足りません。 携帯トイレが自分の町の家庭にしっかり普及しているかどうかを評価することで、地域防災力の進捗を把握して、毎年毎年引き揚げていくことに責任感や使命感を持つことが行政や地方議員には求められるのではないでしょうか。 住民の自助の精神を育み、着実な備えにつながるまで、根気よく地道に取り組み続けることこそが、災害対策には肝要な姿勢であると考えます。 国民を更に貧しくする「働き方改革」は天下の愚策。働きがいのある国にするには。 2024.05.27 https://youtu.be/KwdMsNLEDJE 幸福実現党党首 釈量子 ◆「2024年問題」働き方改革で貧しくなる日本 2015年に大手広告代理店で起きた過労自殺をきっかけに、2019年から、残業時間の上限などを規制する「働き方改革」が始まりました。実質上の「働かせない改革」で、これに対して苦しんでいるという声が多数寄せられています。」 例えば、大阪府の商店経営者からです。 「朝10時に開店で、夜8時に閉店しています。10時間労働となるので2人、あるいは3人シフトにせざるを得なくなりました。これで人件費が上がりました。また、政府は賃上げを要請しています。給料を上げると、雇用保険、社会保険の負担も上がります。賃上げ税制で戻ってくるといっても、微々たるもので雀の涙。残業規制がとにかく一番キツイ。」 この「働かせない改革」ですが、これまで「運送業」「建設業」「医療」の3つの業界においては、仕事の大部分を人間の労働力に頼る、その対応に時間がかかるため、猶予期間が儲けられていたのですが、4月からその3つの業種の猶予期間が終わり、約2カ月経ちました。 案の定、憤懣やるかたない声が噴出しています。人手がないとそもそも仕事が回らない「労働集約型産業」は、システム導入などで業務を効率化するといっても、限界があります。 こうした業種に「働く時間を減らせ」「さもなくば処罰する」という政策は、現場の実情を無視しているといえます。 ◆「働き方改革」の悪影響について ●建設業界 建設現場は天候の影響などもあって思うように工事が進まない場合、以前は一時的な残業で対応していましたが、今後は、時間外労働の上限は「月45時間、年360時間」を原則とし、災害復旧などの特別な事情がある場合でも、年間720時間以内、ひと月最大100時間未満となります。 違反した場合は罰則がかせられるので、より多くの人手を確保する必要に迫られています。 いま、ビルの建て替え工事などが先送りになることが相次いでおり、例えば、広島駅前に建設されるアパホテルは、当初、2026年春の開業を目指していましたが「時間外労働の上限規制」の影響で、2028年春に約2年延期となっています。 大手だから余裕かと言えばそうでもなく、大きいところほどメディアも取り上げ公表されるので厳しいです。 工期の延長の影響は深刻です。コロナ禍以降、資材価格が高騰し、人手不足、人手を確保のための賃上げの圧力、そこに「働き方改革」という名の残業規制がのしかかりました。 帝国データバンクによると、2023年、建設業界の倒産件数は前年比38.8%増と急増しています。 倒産が増え、工事の停滞や先送りが生じると、元請けから下請けへの支払いが遅れ、資金繰りが悪化する企業がさらに増えてしまいます。地域経済への影響もあるので、目が離せません。 ●運送業 運送業も、残業の上限が年間960時間となりました。 他にも ・1日の拘束時間(労働時間)は原則13時間が上限。 ・休憩時間を8時間以上確保すれば最大15時間まで延長可能。 ・連続運転時間は4時間が上限。4時間経過後は30分以上の休憩が必要。 ・1週間に2回までは拘束時間を15時間まで延長可能。 ・この上限規制に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科される可能性があります。 運転手一人が働ける時間が短くなるため、一人でやっていた仕事を二人、三人でやらねばならなくなり、多くの運転手を必要とすることになりました。 ドライバー不足は、様々な業種に深刻な打撃を与えています。特に長距離輸送のトラック運転手には深刻な問題が生じています。 年間の残業時間の制限だけではなく「連続運転が4時間を超えると30分の休憩を挟む」「1日の拘束時間は原則13時間以内」などの細かいルールがあるため、あと少しで会社に戻れる場所まで来たのに、そこでトラックを止めて朝まで休まなくてはならず、家に帰れなかったというケースもあるようです。 次に「バス業界」です。 慢性的な運転手不足に加えて、残業規制強化によって、全国各地の路線バスが大幅に減便となり、千葉県の調査によると、県内35の路線バスにおいて、4月16日時点で半年前より1900便減ったと公表しています(3万1900便から3万便へ)。 減便理由の8割が、残業時間などの時間外労働規制の導入を上げています。 また、「運転手不足と時間外労働の上限規制」を理由に、修学旅行のバスの手配ができないと断わるケースも発生し、「業界崩壊の危機」とも言われています。 「引っ越し業界」でも、残業規制の強化でドライバーが確保できないため、3月の引っ越し依頼を100件以上断ったという企業があり、新入学や入社シーズンの3月から4月、引っ越しができない「引っ越し難民」が続出しています。 「宅配業界」は、翌日配送していた地域への宅急便を、翌翌日配達に変更したり、翌日の配達時間の指定を断ったりする対応を取っています。 スーパーやコンビニなどの小売業においても、商品を各店舗に配送する回数を減らす対応をしています。 ●医療 医療も、既に土曜日の外来診察を減らすなどの対応を始めています。救急患者のたらいまわしなどがもっと深刻化する可能性もあり、死亡率が上がるのではないかと危惧されています。 また過疎地など地域医療に影響が出ると予測されています。実際、北海道の離島への医師の派遣を減らす、見送るといった事例が出始めています。 ◆「働き方改革」の対応に追われる企業 このような中、企業も仕事を断る、減らす、またコストの負担に耐えながら対応を取り始めています。 長距離輸送運送会社では、一人のドライバーで運ぶと一日の上限時間を超えてしまうため、中継点でドライバーを交代して二人にするといったスイッチ体制を組むなどしていますが、人件費は増えます。 そこで、1台で通常の大型トラック2台分の荷物を運べる「ダブル連結トラック」(全長25メートル)を導入する企業も出てきました。(鴻池運輸) 運送業では、2025年には現在運んでいる荷物の28%が、2030年には35%が運べなくなるという試算も出ています。 深刻な危機感から、物流大手のヤマトHDは、効率的な共同輸送に向けて、荷主と物流会社のマッチングを行う新会社を設立したと発表しました。トラックの積載率を向上させ、配送の効率化を目指すということです。 こういうと、よくお役人は、「2024年問題をプラスに捉えて…」とか「物流の改革が進みつつあるのは、政府が残業規制を強化したからだ」などというのですが、違和感があります。 大型トラックには、休憩時間や一日の上限時間を守っているかを確認するため、運転速度、運行時間、走行距離などを記録する「デジタコ」と言われる機器の装着を義務付けられています。 また、国交省の役人が「トラックGメン」となって監視の強化も始まりました。こうした規制の強化のオンパレードで、これで仕事をしているつもりなら、それは社会主義の国の官僚と変わりません。 国交省は「2024年問題」対策に、総額482億3500万円(22・26倍)という超大型予算を組んでいますが、政府がやることはたいてい壮大な「無駄遣い」となり、税金をドブに捨てるのと同じという状況になりがちなのです。 ◆働き過ぎを一律決めるな! 自由の領域を増やすのが政治の仕事 私たち幸福実現党は、政治の仕事とは「国民の血税を再配分して、規制を強化すること」ではなく、その逆である「自由の拡大」だと考えています。 「働き方改革」が進む中、2021年に労災認定の基準、いわゆる「過労死ライン」が見直されましたが、何時間の仕事を「働きすぎ」かなど、年齢や体力など個人差がありますし、「仕事の負担感」も、やりがいや職場の雰囲気など、さまざまな要因に左右されます。 そうした個人や企業の事情を無視して、一律「働きすぎ」の基準を決め、休憩時間まで口を挟み、残業時間を守らないと企業に罰則を科すというのは、政府がすべてを把握し、経済をコントロールできると思っているからでしょう。 親切のつもりでしょうが、これは「致命的な思い上がり」です。 政府が、個人の働き方や労働契約に口を挟んでくるような政治が、国民の自由をどんどん奪っています。こうした政府の領域が大きくなっていくのと「大きな政府」といいます。 この真逆の「小さな政府、安い税金」にすべきだというのが幸福実現党です。 実際、トラックドライバーへのアンケートでは、「収入が増えるならもっと働きたい」と回答した人が42.5%と最多でした。 もちろん、「収入が増えたとしても働きたくない」という人もいますので、それは各従業員が会社と相談しながら働き方を決めればいいだけのことです。 働けなくなることで「手取りが減る」庶民にとっては、住宅ローンや子供の学費の工面など死活問題です。そのためいま「副業」に注目が集まっていますが、「エセ副業」など問題も多発しています。 そもそも、残業規制など、企業に余計な負担を強いることになるので、企業はそうしたコストを宅配サービスや商品の価格に上乗せします。国民にとっても「高い税金」を支払わされているのと同じようなことになるわけです。 ◆勤勉の精神を失わせる愚策「働き方改革」勤勉あってこその経済成長 結局、「働き方改革」は、「勤勉の精神」を失わせ、国を貧しくする愚策です。 特に怖いのは、長時間労働を処罰するような政府の動きが、「長時間労働は望ましくない」という考えがさも「常識」のように国民に浸透してしまうことです。 確かに、短時間で優れた成果を出すのが一番ですが、仕事に慣れない新人の頃は、頑張って働かなければ経験値も増えず、智慧や工夫も生まれてきません。 また、「自分は人の二倍、三倍努力しなければ身につかないけれども、それでも働きたい、お世話になった社長の役に立ちたい」と言う青年がいました。 「学習障害」と診断された青年です。効率よくサクサク仕事できなければ切り捨てられるような環境を、政治が作るのは本末転倒です。 実際問題ですが、「経済成長と労働時間」には関係があります。 イギリスでは、17000年から1870年までの170年間、経済規模が10倍に拡大しました。この成長を裏付けるのが労働時間です。年間の平均労働時間は約2600時間から3500時間へと35%も増えました。 そしてこの時代、『自助論』「天は自ら助くるものを助く」という自助の精神が読まれていたのは有名な話です。勤勉さが、国の成長を導くわけです。 見事にその逆の方向に向かっている「働き方改革」です実際、近年の日本の労働時間は減少傾向にあります。 1988年に約2100時間だった日本の年間平均労働時間は、33年後の2021年には1600時間程度と大幅に減少しています。 「年次有給休暇の取得」も義務づけられていて、2019年から、従業員に年間5日以上の有給休暇を取らせないと、違反者一人につき30万円以下の罰則が企業に科せられるようになりました。 日本の年次有給休暇の取得日数は、アメリカに次いで少ないものの、祝祭日の日数はG7諸国で最多となっています。休日全体は、ドイツに次いで多い国です。 日本の経済規模を示すGDPは中国、ドイツに抜かれ、世界2位から世界4位にまで落ち込みました。来年にはインドにも逆転されると見込まれています。 二宮尊徳型の「勤勉さ」を取り戻さなくてはならないのではないでしょうか。 そもそも「仕事」とは何か。大川隆法党総裁は、「人間は、ともすれば、仕事に不満を持ったりするけれども、『世の中に仕事がある』ということに感謝したことがないのではありませんか」(中略)「仏が、自分と同じような創造の喜びを人間に与えようとして、仕事というものを与えたのだ」と考えてよいのです。(『仕事と愛』) と説かれています。 「思いによってあらゆるものを創造する自由」が神の子の証明であるし、この「自由」こそ、人間の最大の幸福だということです。 また、「働く」ということが、多くの人への「愛」となれば、また多くの幸福を生んでいけます。 「働く」ということは、生きていく糧を得るということですが、この世に生まれてきた目的や使命、つまり、「天命」「使命」にも昇華する精神的な問題でもあります。 今日お話しした内容は、幸福実現党NEWS162号「『働き方改革』で貧しくなる日本 働きがいのある国にするために」にまとめています。 幸福実現党は、「小さな政府、安い税金」を掲げ、働くことの喜び、自助努力からの繁栄に道を拓こうとしている唯一の政党です。 私たち一人ひとりの自由と豊かさ、幸福を守るために共に声を上げていきましょう。 日台の理想実現を目指す地方議員としての日台友好活動 2024.05.23 茨城県古河市議会議員 古川一美 台湾の頼清徳氏の新総統就任式が5月20日に行われました。 就任式直前の5月中旬に、台湾を訪問し、新政権に待ち受ける試練や日本の重要性をお聞きして、日本への期待感を大変強く感じました。今回は、その訪台記録をお伝えさせていただきます。 最初のきっかけは、昨年10月の幸福実現党・日台友好議員連盟の訪台です。 有志議員18名で訪問し、台湾の民進党立法委員(国会議員)、シンクタンクの識者の方々と意見交換を行いました。その後、シンクタンクの識者を党本部にお招きし、帰朝報告会を行うなど交流を深めてきました。 地方議員として個人的にも信頼関係を深めていきたいと思い、帰国後メールのやり取りをしていた立法委員の方に、選挙の勝利のお祝いを伝えに台湾に再訪したいと連絡したところ、立法院の研究室で会えるというお返事をいただきました。 そこで、幸福の科学東アジア本部の王本部長や政党スタッフにも同行をお願いし、前回お世話になったシンクタンクの識者ともお会いできることになりました。 ◆地方議員は、日台関係構築に向けて大きな役割を担える 地元茨城空港から台北に向かい、まずお会いしたのは、蔡易餘(TSAI YI-YU)立法委員です。 蔡委員は、2020年の米大統領選の際、トランプ氏を「過去30~40年で、最も台湾を支持してくれた大統領」と公然とトランプ支持を表明された方です。 その蔡委員の研究室(議員会館)に伺ったのですが、立法院は会期中で、呼び出しのベルが会館中に鳴り響いている大変お忙しい状況でした。それにもかかわらず、限られた時間を割いていただき、再開することができました。 蔡委員からは、「私たちは日本の地方議会と台湾の国会との交流を通じて友情を育むことを非常に大切にしています。 会期が終わったら是非、あなたの地元の古河にも行きたいと思います」と温かい言葉をいただきました。これは通常“ありえない”話です。 普通なら、国会にあたる立法委員と対等なのは、当然、日本の国会です。それを飛び越えて、地方議員との友情を大切にされるのは、いかに日本との関係を重視しているかが伺えます。 帰国後も丁寧なメールを頂き、日本への期待感を感じました。日本にお迎えし、更に交流が深まることを願っています。 ◆行政と立法の「ねじれ」で大きな試練が予想される頼清徳 新政権 次にお会いしたのは台湾教授協会会長の陳俐甫(CHEN LI-FU)博士です。台湾教授教会とは、台湾独自の文化やアイデンティティを重視する「本土派」の大学教授ら集まる団体です。 陳博士とは昨年の訪台時にお会いし、幸福実現党の台湾政策をお伝えしたところ、とても感動されていました。 その後、陳博士は台湾のケーブルテレビで「国会議員はまだいないが、台湾を独立国と認め、日台同盟まで主張している政党が日本にあることに驚いた」と、幸福実現党を興奮気味にPRしてくださっていました。 その陳博士と1時間にわたり意見交換を行いました。 以下、陳先生の講話のポイントを紹介します。 「アメリカ、欧州、日本などは台湾海峡の安定に強い関心を示しているが、日本はあまり発言してこなかった。日本は台湾の安定に具体的な行動で関与することが望ましい。 現在、台湾では単独過半数をしめている政党はなく多党制が続いている。しかも、中国の台湾政党への浸透は進んでおり、政策決定が難航し、民主主義の危機を招く恐れがある。特に、台湾の軍事近代化に必要な予算化が阻害されれば、安全保障上重大な影響を及ぼす」 台湾では、今年1月の総統選で、蔡英文氏の流れを引き継ぐ民進党の頼清徳氏が勝利したものの、立法委員選挙では事実上、民進党が敗北し、国民党に第一党を譲りました。いわば、「ねじれ」の状態となり、頼総統が進めたい政策を立法院が阻む危険性があるのです。 ◆今の台湾には、目先の利益に走らない、崇高な理想を掲げる宗教政党の存在が必要 「そのような状況の中で、利益集団ではなく、崇高な理想を掲げる理想主義的な政党の台頭が必要である。利益誘導に走りがちな他の政党を監視し、理想主義の回復を促す役割を担う幸福実現党のような宗教政党は、台湾の政治的混迷を収束し、台湾の安全保障を確保するためにも重要だと考える」と、幸福実現党に大きな期待を寄せてくださいました。 陳博士のお話を聞くと、大川総裁がかつて「『理想と現実がぶつかったら、理想が勝たねばならない』と思う人が信仰者なのです」(『君よ、涙の谷を渡れ。』)と語った御言葉が思い出されます。 目先の利益に屈することなく、真実を訴え続ける宗教政党だからこそ、民主主義を守り、その理想実現の担い手となることができるのです。 ◆日台問題でも、目先の利益を乗り越えて、正義の実現を 日台問題についても全く同じです。 日本では、日本と台湾の関係について、詳しくは知らない方も多くおられますが、台湾(中華民国)は、中国共産党一党独裁体制の中華人民共和国の一部であったことは過去一度もありません。 台湾はかつて日本であり、日本の敗戦により日本から独立したのです。中国共産党との内戦に敗れた蒋介石率いる国民党が、台湾島にのがれ、別の国家・中華民国として独自に民主国家として発展してきました。 日本が中華人民共和国と国交を結ぶまでは、日本は中華民国(台湾)と国交がありました。しかし、日中国交正常化と引き換えに台湾と断交したのです。 それまでは独立国として認めていたということですが、巨大な中国大陸という目先の利益を優先し、台湾を見捨てたのです。日本が正義を曲げた瞬間でもあります。 ですから、日本は、正義の心を取り戻し、台湾を独立国として国家承認し、国交を回復させ、日台同盟をも樹立していく必要があると幸福実現党は訴えています。 言論による啓蒙活動を推し進めつつ、地方議員としても、台湾との交流を更に深め、アジアの平和に寄与するためにもこれからも活動してまいります。 止まらない円安スパイラル。日本経済の信用を取り戻すために必要な一手とは? 2024.05.08 *当記事は動画サイト「TruthZ」に連動しています。 下記の動画を併せてご覧頂き、チャンネル登録もよろしくお願いいたします。 https://youtu.be/bTZgWzhypRI 幸福実現党政務調査会 西邑拓真 ◆生活に直撃している円安 円安・ドル高水準が続いています。円相場は一時、1ドル=160円台にまで下がり、34年ぶりの円安ドル高水準となりました。 円安は輸入物価の上昇で、生活必需品となる食品の値上がりを招いており、私たちの生活を直撃しています。 34年前、1ドル=150円台の水準に達したのは、円安から(アメリカのドル高を是正する)プラザ合意を経て)円高に向かう流れであり、今は反対に円高から円安方向に突き進んでいます。 円が安くなることで、日本がだんだん貧しくなっている状況にあると言えます。34年前の米国の物価は日本の半分だった一方で、現在は2〜3倍になっていると言われています。 円安の影響で、今のGW(ゴールデンウイーク)の旅行先についても、「国外に行きたいが、円安が進みすぎているため、行くなら国内(*1)」といった声も出ており、円安を理由に海外旅行を敬遠する動きも現に見られます。 ◆円安・ドル高の傾向に影響を与える要素とは 円安・ドル高の傾向に大きく影響を与えている要素が、日米の金融政策の方向性の違いです。 例えば、日本国債よりも米国国債の方が、金利が高い場合、高い運用益を得られるとして投資家などによる円売り・ドル買いの動きが進みます。このように、日米の金利差の大きさが為替相場に大きく影響を与えているのは事実でしょう。 米国は特に2022年6月以降、金融引き締めをして政策金利の引き上げを行っている一方、日本は今年3月にマイナス金利を解除したとはいうものの、本格的な利上げまでには至っていません。 政府・日銀は円安是正のため、ドルを売って円を売る為替介入を、4月29日には5兆円規模で、2日にも3兆円規模で行ったとされています。一時、円高方向に動いたものの、円安基調が変化しているとまでは言えず、為替への影響は限定的で、焼石に水と言えるでしょう。 日本時間の2日未明、米国FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を5.25-5.5%に据え置くことが決められました。早期に利下げが行われるという観測が後退し、やはり当面は円安・ドル高基調が続くとみられます。 もちろん、金利で為替の全てが決まるわけではありません。この30年、日本経済はゼロ成長が続き、財政状況も悪化の一途を辿り、政府の債務は1200兆円超にのぼる状況です。今、円が売られているということは、日本経済に対する期待、信用が失われていることをも意味します。「強い円」に戻るには、日本は健全財政の下、「正しい政策」で力強い経済を取り戻さなければなりません。 ◆円安・ドル高を抑えるために本来必要となる「減量」 さて、当面の円安傾向に歯止めをかけるには、何が必要なのでしょうか。日銀が利上げすれば良いかといえば、そう簡単なことではありません。 日銀が利上げを行い、国債金利の上昇を許容すれば、これは政府にとっては利払費が増え、財政のやりくりが今よりさらに厳しいものになることを意味します。日銀が金利を上げたくても上げられないのは、やはり政府の財政状況が悪いという側面があるのです。 やはり、少なくとも、金融政策に自由性を持たせるためには、政府は無駄な仕事をなくす「減量」を徹底的に行い、歳出の見直しをかけなければなりません。 一方、米国の場合、政策金利が高止まりしているのは、米国でしつこいインフレが継続し、それを鎮圧しようとしているに他なりません。 しかし、FRBが金利を上げれば、インフレは本当に収束するのでしょうか。 一時15%程度の物価上昇をも記録した、80年代初頭に米国で生じたグレートインフレーションに対し、当時のポール・ボルカーFRB議長は強烈な金融引き締めで対応しました。 BNPパリバ(エコノミスト)の河野龍太郎氏は、石油ショックを機に顕になった当時の米国でのインフレは、実はジョンソン政権、ニクソン政権における拡張財政路線が大きく影響を及ぼしており、インフレを鎮めたのは実は、「小さな政府路線」を掲げ、社会保障費を大きく抑制したロナルド・レーガン大統領によるところが大きい、との旨述べています(*2)。 インフレが収まらない米国で、今後もさらなる金融引き締めを余儀なくされれば、今度は、景気が大幅に悪化して、インフレと景気後退が同時に生じるスタグフレーションが本格的に到来するかもしれません。 ◆日米ともに、「減量」しか道はない 今、日米ともに、財政インフレーションの側面から「しつこいインフレ」に喘いでいますが、いかに経済・財政のクラッシュを避けて、経済成長路線へと向かわせるかが両国にとっての共通課題となっています。 トランプ前大統領は先月23日、34年ぶりの円安・ドル高水準について、米国の製造業にとって「大惨事だ」と述べており、これまでも、民主党バイデン大統領による放漫財政をはじめとする政権運営や、FRBの金融政策の方針について、疑問を呈してきました。 今、日米両者に必要となっているのは、かつての米国レーガン政権のように、「小さな政府」路線をとることです。 大川隆法党総裁は『危機に立つ日本』の中で、「『小さな政府』を目指し、政府として必要最小限のところに税金の使い途を絞らなくてはなりません。また、民間の力を抑えているもの、民間の活動を規制し、抑えている法律や条例などがあったら、これを取り除いて、民間の活力を呼び戻すことが必要です。」と述べています。 行きすぎた社会保障の見直しなどによる歳出削減や不要な規制の撤廃など、今こそ、政府の無駄な仕事の「減量」を行うことが必要ではないでしょうか。 (*1)TOKYO MX(2024年4月29日)「GWの過ごし方も変化…国内旅行が人気 歴史的な円安の影響で」より。 (*2)河野龍太郎, 『グローバルインフレーションの深層』(慶應義塾大学出版会、2023年)より。 【地方議員は語る(後編)】再エネ推進の「幻想」を打ち砕いた一撃とは? 2024.05.07 https://youtu.be/48LTUlmsg5o 埼玉県東松山市議会議員 佐藤恵一 ◆第2ラウンド。委員会審査で不採択となった「請願」が本会議で審議される ある市民団体から提出された再エネ推進の「請願」。前編では、委員会採決で不採択となったことをお伝えしました。後編では、その後の本会議での攻防をお伝えいたします。 3月定例会の最終日、本会議での委員長報告において、当該委員長が委員会内での討論内容と「不採択」という審査結果を告げると、請願の紹介議員が、請願内容に賛成の立場で討論を行いました。 本議員は、討論の冒頭で「請願の内容は前提がずれていると指摘があったが、ずれているのはその発言をした委員の認識である」と述べました。 さらに、「石炭火力全廃の時期を明確にしない日本の政策は、世界の流れに逆行していると請願は述べている」と請願の正当性を訴えました。 しかし、前編で紹介した「原子力の活用が世界の流れと逆行しているという認識は誤っている」と私が指摘した部分には触れられなかったのです。仮に意図的に論点をすり替えたのであれば、誠実性に欠ける討論であると言わざるを得ません。 少なくとも、委員長が述べた内容と紹介議員の討論はかみ合っていませんでした。他の議員の方々も、その点を疑問に思ったのか、本会議での採決の結果は、不採択となりました。 ◆第3ラウンドは議員提出の「意見書」。再エネ推進の幻想を指摘する 続いて第3ラウンドへと移ります。「請願」の紹介議員とは別の革新系の議員と他1名の議員が提出した「意見書」の審議です。 「意見書」の趣旨は、先程の「請願」とほぼ同じでしたが、私が指摘した「原発の活用は世界の流れと逆行している」という文言は盛り込まれていません。 この意見書に反対討論を行ったのは保守系の議員と私の2名。保守系の議員の反対討論は、委員会での反対討論を盛り込んだ内容で、COP28に触れ、「原発の活用は世界の流れに逆行していない」という指摘も含まれていました。 続いて私の反対討論ですが、主に「再エネの高コスト」を中心とした論点で挑みました。再エネが主力電力となりえない現実を伝える重要な論点だからです。 具体的には、本会議の数日前に経済産業省が発表した「2024年の再エネ賦課金が標準家庭で年間1万6千752円となる」という内容を盛り込み、再エネ推進は重い国民負担を強いること、更なる物価高の要因になること、経済への大きなダメージになることを訴えました。 また、自然由来のエネルギーでは安定した電力供給ができないなど再エネを主力電力とすることの限界も指摘しました。 さらに再エネの環境破壊の論点です。同じ会派の先輩議員からのアドバイスで「山肌を削る太陽光パネルの設置により、森林破壊と土砂崩れが起きていること」を訴えました。 既に日本の太陽光発電は、国土面積当たりで言えば、導入量は世界第1位です。こうした状況で、さらに太陽光などの再エネを推進すれば、より深刻な問題が発生してしまいます。 そして、そこまで懸命に「脱炭素」に取り組んだとしても、日本ができることは限られています。日本で化石燃料を一切使わなかったとしても、世界のCO2排出量の5%しか削減できないのです。 これによって、下がる気温はわずか0.00002~0.00004℃という指摘も紹介し、討論を終えました。 ◆なぜか「再エネより原発のコストが高い」と主張し、応戦する革新系議員 その後、予想通り革新系の議員が手を挙げ反論のため登壇しました。 まず、本議員は「発電コストについて重要な事実誤認がある」とした上で意見書への賛成討論を始めました。 私たち2人の反対討論の中では原発のコストには一切、触れていませんが、「原発の発電コストよりも再エネの発電コストの方が低くなるという試算がある」と述べられ、「再エネのコストが高いのは、火力発電を行う電力会社の利益確保と福島第一原発被害の補償が電気料金に上乗せされているため」と説明されました。 まず「再エネコストは原発より低い」と主張がありましたが、私が指摘したのは建設費も含めたコストです。 資源エネルギー庁のホームページにおいて、建設費・工事費を含めると再エネは原発に比べ約2倍のコストがかかると記載されています。 また、再エネは発電量が天候に左右され、火力発電などのバックアップ電源も必要とします。そうした部分のコストも加味すると、再エネは導入すればするほど、高コストになることも指摘されています。 また、私も指摘しましたが、そもそも日本では税金のように電気料金に「再エネ賦課金」が加算されています。「再エネ賦課金」は、国が再エネ推進のため、再エネの高い電気代を、国民が負担する制度です。 再エネが本当に低コストなら、再エネ賦課金の制度は必要ありません。残念ながら、革新系議員の賛成討論では、こうした論点に対する言及はありませんでした。 ◆議会を通じて、幸福実現党の哲学や考え方をお伝えさせていただく 本会議での採決の結果、本意見書は不採択となりました。 その後、同僚議員の方々からは、「説得力のある討論内容で感心した」という趣旨のお言葉をいただきました。まだ1年目で経験不足の私に、こうした温かい言葉をかけてくださるのは、感謝が尽きません。 今回は「再エネ推進」がテーマでしたが、このように地方議会においても、国政レベルの論戦が繰り広げられます。 公の場である議場での発言は、その場にいる議員や自治体職員、傍聴者だけでなく、議会中継を観る方々に大きく影響を与えるものであり、責任重大です。 一方、こうした場で幸福実現党の政策や考え方をお伝えさせていただけるのは、大変ありがたい機会であるとも感じております。 今後も積極的に議場での発言を行い、地域の皆様の幸福の実現に取り組んでまいります。 【地方議員は語る(前編)】再エネ推進を巡る地方議会の攻防。世界の潮流は「再エネ推進」「原発推進」のどっちだ? 2024.05.07 https://youtu.be/_ATD3mDdVSo 埼玉県東松山市議会議員 佐藤恵一 ◆「再エネ」の問題は地方議会でも激論 昨今、「再エネ」の問題が、国政レベルの政治テーマとなっていますが、地方議会も無縁ではありません。 私が市議を務める埼玉県東松山市の3月定例会では、再エネを推進すべく「脱炭素」「脱原発」を訴える内容が議論されました。 内容としては「気候変動対策とエネルギー自給が重要であり、日本政府が脱炭素政策の柱とした原発活用と火力発電の延命・温存は世界の脱炭素化の流れと逆行している。目的達成のための手段としては再エネしかないので、2035年の再生可能エネルギー電力目標を80%以上とすることなどをはじめとした4つの具体的要望を議会の意見書として国に要望して欲しい」というものでした。 こうした内容が、革新系の議員の方を中心に提言され、激論が交わされました。 ◆地方議会で、国政テーマは「請願」「意見書」という形で論戦が行われている 具体的には、国に対して意見書の提出を求める請願として提出されました。 地方議会における請願とは、市政に関することを直接、市議会に要望できる制度で、意見書とは議会の議決に基づき、議会としての意見を内閣総理大臣、国会、関係行政庁に提出するものです。 実は請願であっても、議会に意見書提出を求める内容であれば、国政に影響を与えることができます。 他の自治体の最近の事例では、香川県で「選択的夫婦別姓」の法制化などを国に求めることが全議会で可決され、新聞などが報じています。地方議会であっても、メディアなども通じて、国政テーマにも影響を与えることができるわけです。 請願はこうした国政のテーマも取り扱うことができるものであり、しばしば世論形成の目的でも利用されることがあります。 そうした請願ですが、提出の際には当該地方公共団体の議会の議員が「紹介議員」となる必要があり、今回の請願はある市民団体の代表者が提出者となり、革新系の議員を紹介者として提出されました。 提出された請願は、私が所属する経済建設常任委員会で審議することとなりました。 請願は提出されると、関係する委員会で審議され、「採択」「不採択」の決定が行われます。議員全員の会議である「本会議」で、全ての議案を細かく審議すると、議会がパンクしてしまいます。 ですから、地方議会では、各委員会がそれぞれの担当分野の議案を審議し、その審査結果を、本会議に報告し重要な審議資料とします。 議会によって名称や所管する内容等は異なりますが、東松山市議会では4つの常任委員会が設置されています。 常任委員会とは、常設されている委員会という意味で、私の所属する経済建設常任委員会では、環境問題や商工業、農政、観光に関わることなどを調査、審議します。 ◆最新の世界の潮流が、反映されていなかった再エネ推進の請願 今回の請願は、「脱炭素と再生可能エネルギーへの転換の加速を国に求める意見書の提出を求める請願」という名称で、「原発推進が世界の流れと逆行している」という内容も盛り込まれていました。 しかし、この請願には、大きな問題がありました。日本政府が脱炭素政策の柱とした「安全確保を大前提とした原子力の活用」については、決して世界の潮流に逆行していないのです。 昨年12月に開催された気候変動対策を話し合うCOP28においては、198カ国から関係者が集まりました。 合意文書の中には「原子力」などの再エネ以外の低排出技術も気候変動対策の有効な手段として明記され、日本を含む22カ国が2050年までに原子力エネルギー容量を3倍に増加させる宣言が発表されています。 以上のことから、本請願は最新の世界情勢を反映しているとはいえないものだったのです。世界の潮流を「脱原発」と決めつける姿勢は問題で、結論ありきで脱原発を訴えているようにも感じました。 ◆反対討論を多くの方に共感頂き、請願は不採択へ 私はこの点を中心に論戦を展開させていただきました。 具体的には「日本政府の政策は、世界の潮流に逆行しているとはいえず、むしろ本請願が世界の潮流を見誤った内容であり、議会として取り扱うのは不適切」と委員会内で反対討論をし、多くの議員の支持を得ました。 今回、論点を「世界の潮流」に絞ったのには、理由があります。 請願の内容を見ると、政府が進める原発推進は世界の潮流から外れており、間違っているものなので、目的達成の手段は「再エネ推進しかない」という結論になっています。 しかし、「世界の潮流は脱原発」という前提が崩れたらどうなるでしょうか。そうなれば、請願自体の正当性は失われます。それを、誰しも否定できない事実をベースに指摘することで、誰しも納得せざるを得ない反対討論ができると考えました。 反対討論の結果、委員会審査は不採択となりました。委員会終了後には、同僚議員から、よく調べられた良い内容だったと称賛のお言葉をいただきました。 委員会では不採択になったものの、請願は委員会採決の後、本会議でも採決が行われます。 本会議で経済建設常任員会に属していない議員が委員会での採決結果に異議を唱えてくることが予想された他、請願とは別に革新系の議員が提出していた「意見書案」にも反論する必要がありました。 委員会での反論の論点を絞ったもう一つの理由は、ここにもあります。反論材料を温存し、本会議で予想される論戦に備えることにしたのです。 こうして「脱炭素、再エネ推進」をめぐる攻防は、第2ラウンドに移っていきます。 (後編につづく) ラファ侵攻は絶対に譲らない?イスラエル・ネタニヤフ政権の暴走が止まらない背景にあるもの 2024.05.04 https://youtu.be/PpgoGiI2VQc 幸福実現党広報本部 城取良太 ◆ネタニヤフ首相が戦争犯罪者に? 開戦より半年以上が経過し、ガザでの死者が34,000人を超えてしまったイスラエルとハマスの戦争に対して、ICC(国際刑事裁判所)が動き始めています。 4月下旬、ICCはネタニヤフ首相やハマス指導者など双方の責任者に対して逮捕状の発行を準備、戦争犯罪や人道に対する罪を問う姿勢を見せています。 これに対して、イスラエル、ネタニヤフ首相は猛反発。「イスラエルの行動に影響しない」と断じながらも、「兵士や公人を脅かす危険な前例となる」とICCに警告。実効力はほぼないものの、「反ユダヤ主義」の高まりなど、国際社会における逮捕状が及ぼす影響力は小さくないと危惧し、アメリカ・バイデン大統領にも助け船を求め、発行を阻止する動きを見せています。 この一件について逮捕状発行には反対の姿勢を示すアメリカですが、ガザ地区南部のラファへの本格的侵攻を間近に、イスラエル・ネタニヤフ政権とは意見の食い違いを深めてきました。 ICCの一件をいわばテコにして、アメリカとの事前協議なくラファ侵攻はしないとようやく保証させたという点から見ても、ラファ侵攻を断固止めるつもりのないネタニヤフ政権に振り回され続けるバイデン政権が浮き彫りになってきます。 ◆アメリカのユダヤ人リーダーからも見限られつつあるネタニヤフ首相 イスラエルとほぼ同じ600~700万人、世界最大のユダヤ人社会を有し、イスラエル建国から支援を続けてきたアメリカから見て、今のネタニヤフ政権はどう見えているのでしょうか。 3月14日、アメリカ上院議員で民主党の院内総務を務めるチャック・シューマーという方がある演説を行いました。この方は公職にあるユダヤ系アメリカ人の中で最高位にある方と言われていますが、演説の中で、ハマスとの戦争を巡る対応で「道を失った」と断罪。ネタニヤフ首相を猛烈に批判しています。 そして、イスラエルは新たなリーダーを選ぶべきだと述べています。 イスラエル戦争内閣の中心人物の一人であり、ネタニヤフ首相の最大の政敵でもあるベニー・ガンツ氏は4月3日、口裏を合わせるかのように「今年9月には国政選挙をやるべきだ」と発言しています。 この背景にあるのが、戦争を長引かせ、人質を解放させられないネタニヤフ政権に対する国民の根深い不満です。支持基盤である右派層も含め、国民の8割近くがネタニヤフ退陣を支持していると言われています。 このガンツ氏の発言、どうやらアメリカ側の意図もあるように思えます。 なぜならガンツ氏は、3月初旬ネタニヤフ首相の猛反対を押し切って訪米、ハリス副大統領やサリバン大統領補佐官、共和党・民主党の議員とも交流を図っています。 いま選挙を行えば、国民からの人気が最も高いガンツ氏の勝利は間違いないと言われており、ワシントンとしても極右化が止まらないネタニヤフ政権よりも、現実主義的なガンツ氏の方が好ましいと考えているからでしょう。 一方のネタニヤフ首相とすれば、出口戦略を示さずに「現状が長引けば長引くほど、首相にとどまる可能性は高まる」という計算から、今はいったん静けさを取り戻している対イラン勢力との戦い、またハマスとの戦闘で強硬路線を貫いているという裏事情が見えてきます。 ◆ネタニヤフ政権が連立を組む「極右政党」の何が危険なのか? 確かに、ここ20~30年間、強大化するイランとの「影の戦争」、またパレスチナのハマスの脅威に対抗するため、与党リクードを中心としたイスラエルの「右傾化」は続いていました。 しかし、組閣に苦しみ、選挙を繰り返してきたここ数年のイスラエルにおいて、1年半ぶりに返り咲いたネタニヤフ政権は今まで以上の強硬路線を採っています。この最大の要因こそ、現政権の連立相手となる「極右政党」の存在です。 120議席あるイスラエルの立法府(クネセト)において、7議席を占める「宗教シオニスト党」、6議席の「ユダヤの力」、1議席の「ノアム」の3つが今回話題となっている「極右政党」です。 では、いったい彼らはどんなことを訴えているのでしょうか。 各党によって若干異なるものの、アメリカでもよく議論にあがる中絶への反対や、世界的にも潮流となっている同性婚やLGBTQなどについては、その宗教的信条から断固反対を掲げており、米国共和党をはじめ、保守系の政党が掲げる極めてマトモな政策が並んでいます。しかし、その中で他国の保守政党の政策には絶対に出てこない特殊な政策が出てきます。それが「入植」という考え方です。 ◆いまパレスチナで行われている「入植」の実態とは ここで言う「入植」とは主に、1967年の第三次中東戦争後にイスラエルが占領したヨルダン川西岸地域のことを指しています。先住民として主にアラブ人が住んでいましたが、ここにユダヤ人が入植を始め、現在では地域の60%はイスラエル軍の支配地域にあります。 国際法違反の裁定があるにもかかわらず、160以上の入植地に70万人以上のユダヤ人が住んでいるとされています。そして、この入植活動が今でも続いているわけです。 ネタニヤフ政権は発足直後から「政府や閣僚の決定が非合理であれば無効にできる」という最高裁の権限を奪おうと司法制度改革に臨み、国民からの大反発を受け、大規模デモが続いていましたが、結局、これもヨルダン川西岸などへの入植活動を邪魔する最高裁の口を封じるためというのが主な目的とされています。 更に、ガザでの戦争が始まってからのヨルダン川西岸はカオス化しているようです。 通常は入植者とパレスチナ人の間に入るイスラエル軍が手薄なこともあり、4月12日以降、強硬な入植者たちによって17ものパレスチナ人の村々が攻撃され、家や車が燃やされたり、居住者が銃撃され、死傷者も出ています。 また、本来治安を維持する役割の軍とパレスチナ人たちとの間でもガザ侵攻以来、緊張が高まっており、今までに多くの非武装の民間人を含む430人以上のパレスチナ人が殺害されているようです。 こうしたイスラエルに嫌気がさしているのが、アメリカを始めとした欧米各国です。4月19日にはバイデン政権は暴力的な入植者に経済支援する資産に対し、新たな制裁を課しています。EUも同様の動きを取りつつあります。 こうした過激な入植活動を煽っているのが、ネタニヤフ政権の新パートナーである「極右政党」であることは間違いありません。 実際に、「ユダヤの力」の党首であるイタマル・ベン-グヴィル氏は、1月下旬の集会で行った演説の中で「10月7日を繰り返したくなければ、この土地(ガザ)を支配する必要がある」と述べ、ユダヤ人入植者たちにガザへの「帰還」を呼びかけました。 ◆ユダヤ教における原理主義としての「シオニズム」とは何か? 他の国々から見て、どうしても理解しがたいこの「入植」という考え方ですが、この元にあるのが「シオニズム」「シオン主義」といいます。 聖都エルサレムの南西にある「シオンの丘」が直接的な由来ですが、古代イスラエルでは、エルサレム自体がシオンという名称だったと考えられており、要するに「民族の故郷に帰ろう」という運動です。 西暦66年、「マサダの砦」に立てこもり、ローマ帝国に反乱を企てますが、数年間の激闘の末、集団自決。このパレスチナの地におけるユダヤ人は全滅してしまいます。 その後はスペインや東欧などを中心に、欧州・中東圏に離散(ディアスポラ)したユダヤ民族は、それぞれの地域にある程度馴染みながらも、ユダヤ教や独自の文化を守って暮らします。 時代はグッと下って19世紀末。ユダヤ人にとって大きな契機となる出来事が起こります。 それが「ドレフュス事件」です。フランス陸軍参謀の士官だったユダヤ人アルフレド・ドレフュスがドイツのスパイであるとして逮捕されたという事件です。 結局、その後の捜査でこの事件は事実無根の冤罪ということが分かるのですが、この事件の根底にあったものが長年水面下に渦巻いていた「ユダヤ人への反感」でしょう。これがいわば顕在化し、「反ユダヤ主義」となって欧州全土に広がっていきます。 そして、このドレフュス事件を取材したユダヤ人記者テオドール・ヘルツルこそ、この「反ユダヤ主義」の席巻に危機感を感じ、ユダヤ人国家創設が必要だと提唱。これが「シオニズム」の始まりです。 ◆シオニズム運動の盛り上がりと、現代におけるシオニズム その後、イギリスの支援などを得て、「シオニズム運動」は盛り上がりを見せ、欧州と同じく、ポグロムに象徴される弾圧で苦しめられたロシア系ユダヤ人などを中心に、欧州各地やロシアから大量にユダヤ系移民がパレスチナの地に「帰還」するわけです。 しかし一方、迷惑千万なのはその地域に住んでいた先住民であるアラブ人です。 第一次世界大戦の終戦に乗じて、敗戦国オスマントルコの広範な領土を割譲し、利権を漁りまくった悪名高いイギリスの三枚舌外交(サイクス・ピコ協定、フサイン=マクマホン協定、バルフォア宣言)によって、ユダヤ人国家の創設も国際的に約束されてしまいます。 勝手な約束に当然、現地のアラブ人たちは怒ります。パレスチナの地に徐々に増えてくるユダヤ人に脅威を感じるアラブ人との間で衝突が激化していきます。 当時はイスラムテロというよりは、ユダヤ人によるテロリズムが頻発した時代で、間に入るイギリスは対応に苦慮します。 しかし、1930年代から巻き起こるナチス・ドイツによるユダヤ人迫害によって、ユダヤ擁護の国際世論へと流れは急変。移住希望のユダヤ人の急増と共に、シオニズム運動は一気に急拡大していきます。 そして1948年5月14日にイスラエルが建国、翌日から第1次中東戦争が始まり、ここからイスラエルの長い闘争の歴史が始まるわけです。 このシオニズムという思想が現代に至るなかで、何パターンかに類型化されていきます。要するに穏健なシオニズムもあれば、強硬なシオニズムもあるといった具合です。 このうち、最も右寄りと言われるのが「宗教シオニズム」、いわば古代ユダヤ教の教えと一体化したシオニズムのことです。そして、この「宗教シオニズム」を中核としているのが、政権に入閣している「極右政党」です。 ◆過激な入植活動の根底にあるもの 「宗教シオニズム」が主張する過激な入植活動の根底には、旧約聖書の教えに基づいた「宗教的な信条」があります。 要するに、エルサレムはもちろん、ヨルダン川西岸にあるヘブロンなど他の聖地に住むのは当然の権利であり、ひいてはパレスチナ全域を含む「大イスラエル」を手に入れることこそ、シオニストの悲願であると考えます。 なぜなら、神がユダヤ人に約束した土地(エレツ・イスラエル)に入植することでメシア(救世主)の到来が早まると考えるからです。 こうした神との契約を守るために、アラブ系パレスチナ人に対し暴力を使ってでも土地から追い出すということが堂々と正当化されているわけです。 シオニズムという概念自体、古いものではありませんが、3000年以上の時間を超えて、ユダヤ教誕生の時の「神の言葉」を元に、現在おかれたパレスチナの状況を無視して、入植を肯定するという考え方は、極めて原理主義的なものだといえるのではないでしょうか。 このユダヤ人たちのシオニズム運動に関連して、幸福実現党の大川隆法党総裁は『鋼鉄の法』の中で、このように言及されています。 「ユダヤ人たちは、十九世紀の終わりごろからポツポツと祖国の地に帰り始め、戦争(第二次世界大戦)が終わったころには、七十万人ぐらいは入植していたと思います。そして、それを欧米のほうが認めることで、一九四八年に『イスラエル』という国が建ちました。これは結構ですし、よいと思います。 ただ、その後、四回の中東戦争があって、その間にイスラエルは軍事的にどんどん強大になってきました。これについては客観的に見るかぎり、やはり、『フェアではないな』というのが私の感想です。 というのも、ユダヤ人たちは、自分の国ではないのに、あとから入ってきて、パレスチナの土地を分けてもらい、国を建てさせてもらったわけです。あとから来た者は、もう少しおとなしく、行儀よくやってはどうかと思うのです。(中略) それなのに、イスラエルは、いつの間にか、核兵器で武装して、核ミサイル、核爆弾を何百発と持っています。これは、少し行きすぎではないでしょうか。そのように思います。」(『鋼鉄の法』より) ◆ユダヤ教・イスラム教の「原理主義的な部分」のぶつかり合いが止まらない現代 ちなみに、イスラエルと長い対立関係にあるイランですが、イスラム教を中心とした全体主義的な色彩は色濃く、自由が大きく制限され、イスラエルと比べれば、人々が強く抑圧されていることは確かです。 しかし、イランの現体制はユダヤ教への信仰自体を否定しているわけではありません。 実際イラン国内には、中東最大規模となる2万人のユダヤ教徒が住んでおり、一応ユダヤコミュニティを保護しています。イラン指導部が真っ向から否定しているもの、それがこの「シオニズム」であり、「シオニスト政権」であるわけです。 イスラム教とユダヤ教の宗教対立を加速させるものの正体として、ユダヤ教の中にある「排他的なシオニズム」、それに対してテロリズムをも肯定するイスラム教の「好戦的なジハード主義」といった、元々は決してマジョリティではない「原理主義的な考え」がぶつかり合う中で、争いが止まらず、双方の不信が深まり、徐々に全体が右傾化しているというのが真相ではないでしょうか。 こうした争いを完全に終わらせるには、それぞれが唯一の神と信じる存在が、地球神として同一の存在につながっているのだという宗教的真実の広がりを待つしかありません。 こうした宗教的真理が広がるまで、この一神教同士の争いが破滅の道を辿っていかないように、「可能性の技術」とも言われる政治こそ、使命を果たすことが求められているように思います。 【憲法記念日】改憲論の先にある国家の未来構想「新・日本国憲法試案」 2024.05.03 https://youtu.be/L1TTipmrZtM 幸福実現党党首 釈量子 ◆「平和憲法」では日本は守れない 1947年5月3日、現行の「日本国憲法」が施行されて77年経ちました。 現行憲法は1945年の敗戦後の占領下において、占領軍の人が一週間ぐらいで作り、押し付けられたものです。 軍隊を取り上げられ、宗教を教育から排除し、国家の背骨が抜かれました。日本の強さは精神性にあるとみた占領軍は、日本が再びアメリカに対して歯向かうようなことがないように、国家の背骨である宗教を骨抜きにしたのです。 このように、とても日本人の手で作ったとは思えない憲法は、戦後、一度も改正されることがないまま、今日に至っています。 ちなみに諸外国では戦後どのくらい憲法改正されているかというと、1945 年から 2022 年まで、アメリカ 6 回、カナダ19 回、フランス 27 回(新憲法制定を含む。)ドイツ、67 回、イタリア19 回、オーストラリア 5 回、中国でも、戦後10回改正しています。 世界は激変しています。ウクライナや中東での戦争が世界大戦につながりかねず、核兵器を持つ中国、北朝鮮、ロシアの3カ国を敵に回して日本は国家存亡の危機です。ところが国会では裏金問題に終始しています。 日本では戦争の放棄を定めた憲法9条を含んだ現行憲法を「平和憲法」と称し、「日本国憲法さえ守っていれば、日本は安全で幸福になれる」という“憲法信仰”、「現行憲法を守っていれば、日本は平和で安定的に発展する」という考え方がずっと続いてきました。 しかしながら、日本は「平和を愛さない国」に囲まれています。戦後、状況は大きく変わってきており、日本が戦争を放棄すれば、日本も世界も守れないことは明らかです。 企業でもイノベーションが必要なように、国際情勢に照らして、軌道修正、さらには思い切った憲法改正が必要です。 日本人の手で自分の国の憲法を変えられないというのなら、「政治参加の自由」がないということです。まるで江戸時代の町人のように「お上によって、下々が治められている」意識とあまり変わらないのではないでしょうか。 ◆国家理念を提示する「新・日本国憲法試案」 私たち幸福実現党は、2009年の立党直後に、大川隆法党総裁による「新・日本国憲法試案」を発表しました。 「この国を根本的に改造し、未来型国家に変身させることも可能だと信ずる」とし、「国家の理念」となる骨組みとして前文と16条を提示しました。 「新・日本国憲法試案」 http://special.hr-party.jp/policy2013/constitution/ 憲法とは国家権力の制限の道具として存在するというのが一般的な考え方です。しかしながら、それではあまりにも寂しいと私たちは考えます。 会社に経営理念があるが如く、国家にも「国家理念」、つまり国の基盤となる考え方を明らかにすることが、国民の幸福を実現するために必要なことだと考えています。それが幸福実現党の憲法観です。 「新・日本国憲法試案」はこのような憲法観に基づくものであり、聖徳太子の「十七条憲法」を彷彿とするのですが、国家の未来をどうデザインするかという構想を示し、叡智は、そう簡単に得られるものではありません。 大川総裁が書き下ろされた憲法試案は、改憲議論のさらに先にある未来国家の構想といえます。 まずは、現行憲法の改正から始めるのが現実的ですが、日本人の手で自分たちの幸福を実現する機運を作っていくために、その一部をご紹介します。 ◆現在の改憲議論「緊急事態条項」について 現在、衆議院の憲法審査会で焦点になっているのは「緊急事態条項」です。 安倍政権下で「お試し改憲」ということで浮上しましたが、「緊急事態条項」とは、戦争やテロ、それに大規模な災害などの非常事態に対処するための規定のことです。「大規模な災害」には、コロナの感染拡大といったことも想定されています。 現在、国会では「国会議員の任期延長」に絞って憲法改正に向けた議論が行われています。総理大臣が事前もしくは事後の国会承認を要件として「緊急事態」を宣言すれば、「国会議員の任期延長」を行って、国会の機能を維持することを目指す趣旨です。 緊急時に国会機能を維持する必要性は理解できます。ただ、同時に憲法審査会では、緊急状態で国会機能が維持できない場合に備えて、政府が法律と同じ効力を持つ政令を定める「緊急政令」や「緊急財政処分」に関する規定についても検討すべきだとの議論も行われています。 このような政府権限の強化は危険性が高いといえます。「緊急事態」の名のもとに、政府に権限が集中すれば、国民の自由が制限される危険性が高まるからです。これは、ナチスのヒトラー政権における授権法のような、全体主義体制につながりかねません。 ヒトラーのようにというのは大げさかもしれませんが、日本でもコロナ禍において「緊急事態宣言」が出され、私たちの移動の自由や営業の自由などが著しく制限されました。 あくまでも「外出の自粛」「営業の自粛」ということではありましたが、営業しているお店を攻撃したり、ネットで晒したり、といった「自粛警察」という言葉が流行りました。まるで反ナチス運動を取り締まる秘密警察、ゲシュタポのように一般国民が密告者にさせられるような恐怖を感じました。 緊急事態を名目に、一時的にせよ内閣が法律と同じ効力の政令を安易に出せるようになってしまえば、国民の自由や基本的人権が簡単に制限されてしまう危険性が高まるのです。 ◆宗教立国は世界のスタンダード もちろん、戦争時など、やむを得ず政府の権限を強化しなければいけないこともあるかもしれません。しかし、新型コロナの特性が次第に分かってきてからも、緊急事態宣言が繰り返され、自由が制限されたことを振り返ると、自由の大切さを何度強調しても足りないと言えます。 私たち幸福実現党は、私たちの生命、そして自由は神から与えられたものだと考えます。人間は造物主に作られたものだから、神の子、仏の子だから尊く、人権があると考えます。 このように、人間を超える神仏の存在を認めていなければ、為政者は国民の自由を奪うことに躊躇がなくなってしまうのです。 ですから、幸福実現党は、まずこの国を宗教を基盤とする精神性の高い国にしたいと考えています。宗教立国は世界のスタンダードです。 アメリカ独立宣言には、「すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され」と述べられています。トランプ氏が何度も「自由は政府ではなく神からの与えられたものであるという基盤の上にこの国は成り立っている」と述べていました。 自由の大切さは、先ほど述べた緊急事態への対応の際に問われるのはもちろんのこと、経済政策においても問われます。 トランプ氏は大統領就任時、大胆な減税や規制緩和を行い、国民の経済的自由を拡大しましたが、これは神から与えられ自由だからこそ、それを最大限尊重すべきだという、トランプ氏の宗教的な「自由の哲学」がもとになっているといえます。 ドイツ憲法の前文では「ドイツ国民は、神と人間とに対する責任を自覚し」と示されています。 「人間は造物主によって造られた神仏の子である」ことが人権の根拠であり、ここから「自由」が尊いものになるわけです。この点、神仏の存在に根差さない日本国憲法は、人権の根拠が薄弱です。 『新・日本国憲法試案』前文には、すべての党派や宗派を超え、人々が国民として生きていくための規範、進むべき方向を指し示されています。 〔前文〕われら日本国国民は、神仏の心を心とし、日本と地球すべての平和と発展・繁栄を目指し、神の子、仏の子としての本質を人間の尊厳の根拠と定め、ここに新・日本国憲法を制定する。 いま、感染症全体主義や、マイナンバーを使った国民の私有財産を一元管理することなど、人間を超えた叡智を持つ神仏の存在を認めない、天狗的な傲慢さがあります。 私たちはこの精神のもと、政策を作り、判断し、唯物論・無神論国家の中国、北朝鮮の覇権主義や人権侵害行為も止めさせたいと考えています。 ◆国防…自衛隊を国際標準の国防軍に 世界情勢を考えると、急がなくてはならないのが「憲法第九条」の改正です。「自分の国を守る」ということを憲法で明文化できないのは、主権国家としては悲しいことです。 「戦争をしない」ということと、「戦争ができない」のは意味が違います。「敵の監獄の中に入れば、もう襲われることはない」と言うなら、奴隷の平和です。 安倍政権の時に、戦力不保持と交戦権を否認したまま、憲法9条に自衛隊の存在を明記する「加憲」が議論されましたが、これは「自衛隊は戦力(軍隊)ではない」という、嘘の追認をするだけで、日本の国防強化にはぜんぜんつながりません。むしろ、「戦えない自衛隊」が明文化されてしまう危険性があります。 ですから、9条を改正して、自衛隊を国際標準の軍隊と認め、自衛のために戦えるようにすることが大事です。 幸福実現党の「新・日本国憲法試案」では、もう一歩踏み込み、「防衛軍」を創設することを明記しています。 〔第五条〕国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。また、国内の治安は警察がこれにあたる。 国防と警察は政府がなすべき代表的な機能です。 ◆経済…小さな政府で国民の自由を守る 現在、インフレが暮らしに打撃を与えていますが、こうした厳しい状況のなか、与野党ともにバラマキ合戦に終始しています。しかし、バラマキ政策は必ず増税をまねきます。 歴代政権がバラマキ政策を繰り返した結果、政府の借金は1280兆円です。政府の借金を子孫の代に先送りしているだけです。 著名な投資家が、「日本に経済的に明るい兆しはもうない」として、日本からの脱出を促す人もいます(ジム・ロジャース氏)。 いまこそ「小さな政府」「安い税金」を目指し、「国民の自由の領域」をふやし、民間に任せられるものは民間に。無駄な役人を減らして、無駄な役所を減らして、無駄な仕事をやめる。」ことです。(『減量の経済学』第3章) 「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。」(『新・日本国憲法試案』第11条) 「小さな政府」か「大きな政府」かを分ける指標はいろいろありますが、代表的な指標が「国民負担率」です。所得に占める、税と社会保険料の割合です。今は47.5%。江戸時代の五公五民と同じ状況で、どんどん大きな政府に進んでいます。 日本がバラマキと増税の悪循環に陥る中、日本の国内総生産(GDP)はドイツに抜かれ世界4位、2026年にはインドにも抜かれそうです。 与党も野党も、福祉国家主義、国家社会主義のもと大きな政府に突き進むなか、幸福実現党だけは「小さな政府」「安い税金」を訴えています。 それは先述したように、「小さな政府・安い税金」こそが、国民の自由を守る道だからです。「安い税金を目指し」で、増税の防波堤にはなります。 以上、「憲法記念日」にあたり、変わるに変われない日本の急所、憲法について考えました。 日本人自らの手によって、憲法を、自分たちの幸福にとってふさわしいものに変えていこうではありませんか。 大統領選を左右する大論争。バイデンvsトランプ。アメリカを再び祈りの国に。 2024.04.26 https://youtu.be/WRL3Z8Yjin8 幸福実現党党首 釈量子 ◆バイデン陣営対トランプ陣営の大論争 先月末3月31日、キリスト教圏にとって最も大切な祝日の一つ、「イースター(復活祭)」が行われました。 イエス・キリストの復活を祝う宗教行事で、カトリックやプロテスタントなどの西方教会では毎年、「春分後の満月から数えて最初の日曜日」に行われることになっています。 イースター・サンデーと言われ、家族でごちそうを食べイースターエッグを部屋に飾ります。そしてアメリカ大統領も毎年スピーチを行います。 ところが、今年の「イースター・サンデー」をめぐり、バイデン陣営とトランプ陣営とで大きな論争が巻き起こりました。事の発端は、バイデン大統領が3月31日に向けて出した声明です。 「トランスジェンダーデイ・オブ・ビジビリティ宣言2024」という声明で、トランスジェンダーなどの性的少数者の平等や権利を守ろうと呼びかける内容です。 「ビジビリティ」というのは「可視化」「見える化」「認知度を上げる」くらいの意味です。2009年に活動家によってはじめられ、毎年3月31日と定められましたが、大統領として最初に認めたのがバイデン氏で、2021年から毎年、声明を出しています。 それが今年、3月31日がイースター・サンデーと被ってしまったので、物議を醸しました。 キリストの復活を祝う聖なる日に、大統領がトランスジェンダー可視化の日宣言を行ったということで、トランプ元大統領を、はじめ多くの共和党支持者は「キリスト教への冒涜である」と猛反発しました。 民主党側は大手メディアを含め、今年はたまたまイースター・サンデーと同じ日になっただけだ」と反論していますが、トランスジェンダーといった「性的マイノリティ」の権利に関する問題は、キリスト教の教義に大きくかかわります。 バイデン氏の軽率さに、トランプ氏は4月2日、ウィスコンシン州の集会でバイデン氏を痛烈に批判し、同時に対抗する “宣言”を行いました。 「トランスジェンダーデイ・オブ・ビジビリティ」に対して、「クリスチャン・ビジビリティ・デイ」をつくると言ったのです。 まさにバイデン大統領の向こうを張った内容です。聴衆の熱い反応からも、大統領選が、アメリカとはどういう国であるべきかをかけた「宗教的信条、価値観の戦い」であることが分かります。 また、もう一つ注目の出来事がありました。イースター・サンデーの直前の3月27日、トランプ氏がなんと聖書の発刊を発表しました。 その名も「God Bless The USA Bible」、日本語では “アメリカに神の祝福を”聖書です。これは従来の聖書に、アメリカの合衆国憲法や独立宣言などを付け加えたものです。 日本の報道ではアメリカ民主党系メディアの横流しで、「金儲けだ」といった否定的な内容が多いですが、トランプ氏の狙いはそういうレベルの話ではありません。 これも、今起きているアメリカの分断の根源的理由、つまり大統領選の本当の争点に迫るものです。 トランプ氏は聖書の発刊について次のように説明しています。 「宗教とキリスト教はこの国で失われている最大のものです。そして私はそれをいち早く取り戻す必要があると本当に信じています。それがこの国がおかしくなっている最大の原因の一つであると考えます。(中略)聖書はアメリカに取り戻すべきもの、この国を再び偉大にするのは宗教であることを思い出させてくれます。」 ◆アメリカを神に祝福される国に 「祈り」とは心の針を天上界に向けて、清らかな心で、神につながろうとする行為です。そして祈りは、最大の力を持っています。『聖書』の「マルコによる福音書」(9:29)には、悪魔と戦う時、イエスが、「この類のものは、祈りによらなければ、どうしても追い出すことはできない」と述べています。 トランプ氏は、「聖書」に合衆国憲法や独立宣言を加えることで、アメリカを一つにしようとしています。「公的な祈り」の国にしよう、そして「神に祝福される国にするのだ」という信念が伝わってきます。 そもそもアメリカの建国の歴史は、イギリス国教会から弾圧され分離したピューリタンが、信仰の自由で、アメリカの新大陸に神の国を建設しようとしたことから始まっています。 1776年7月4日に採択された「独立宣言」の冒頭にも、すべての人間は「創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」という有名な文があります。 アメリカ人は何世代も7月4日の独立記念日にこの言葉を朗読し、子供たちに読ませ、政党を問わず政治家が引用し、裁判所の判決にも書かれ、カントリーソングや、ロックでも歌われてきました。 また「権利章典」、合衆国憲法の修正第一条にもまず「信教の自由」を保護することがうたわれています。 トランプ氏が何度も「自由は政府からではなく、神から与えられた。その基盤の上にこの国はなりたっている」と述べていますが、トランプをはじめ多くの共和党の人々は、バイデン氏の行き過ぎたリベラルで分裂した国を一つにしようとしています。 ◆自由・民主・信仰の世界 大川隆法総裁は、次のように述べておられます。 『自由・民主・信仰の世界』において、「神に対して祈ることを当たり前とする国が多数決を取ったら、神様の心に近づこうとするのは当然のことではありませんか。だからこそ、人間がつくった法律以上の、道徳律の高い政治が実現できるのです。したがって、この信仰の世界を自由と民主に取り込んでいくことは、非常に大事なことだと思っています。これが、日本の未来です。世界の未来です。こうあらねばなりません!」 大統領選はアメリカの道筋はもちろん、世界の方向性に大きく影響を与えます。引き続き大統領選挙の行方に注目していきたいと思います。 ひるがえって日本は、裏金問題などの政治家の腐敗がまたしてもクローズアップされ、低迷しきった支持率はもはや政治への絶望にかわりつつあります。 なぜ変わらないのか。それはバイデン政権と同じく、「神なき民主主義」で漂流しているからです。 神仏が人間をお創りになられた時に与えた「自由」が、人間の最大の幸福です。そして「人間が神の子として平等に造られた」という考えのもとに、民主主義が花開きます。これはプーチン氏もよく言っていることです。 歴史を振り返れば、日本も世界に誇る「祈りの国」でした。聖徳太子が「篤く三宝を敬え」といい、奈良時代に聖武天皇の発願で大仏が建立されました。疫病や天変地異に対する「鎮護国家」、仏の御加護を公的に祈る国だったのです。 しかも、奈良の大仏は、仏陀・釈尊の霊的本質である毘盧遮那仏、つまりキリスト教でいう造物主への信仰です。イスラム教のアッラーでもあるし、中国では天帝にあたる存在です。 幸福実現党は、「自由、民主」に加え、あらゆる宗教が共通して祈る地球神への信仰を持つ国で、唯物論国家の中国・北朝鮮を包囲し、弾圧される人々を解放し、地上の地獄を終わらせたいと考えています。 トランプ氏が「Make America Pray Again」アメリカを「祈り」によって復活させ、宗教(キリスト教)の力を取り戻すことで再び偉大になることを目指しているように、日本も神仏に愛される国になれるよう、信仰心を取り戻さなければなりません。 精神的な高みを目指す国であってこそ、本当の世界のリーダー国へと変わっていけるのではないでしょうか。 すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 … 253 Next »