Home/ 新着一覧 新着一覧 中国海洋調査船が沖縄県久米島沖で活動 2014.04.24 文/HS経塾一期生 彦川太志 ◆隅々まで調査される日本の経済水域 4月23日付けの産経新聞1面で、中国の海洋調査船が沖縄県久米島沖で「過去最長」の活動を実施していることが取り上げられました。調査は潜水艦隊の活動を前提とした軍事目的のものとみられており、日本政府は再三の中止要請を出しています。 ところが中国側は2001年から日中間で運用を開始された「相互事前通報制度」を根拠に、中止要請に応じない姿勢をとっています。 日中間の「相互事前通報制度」とは、国連海洋法条約に基づき、中国の海洋調査船が自国の排他的経済水域(EEZ)内で調査活動をする場合、「純粋に科学的な調査」であることを前提として、2ヶ月前までに事前通報があれば、日本政府が活動を許可する取り決めとなっています。 ◆海洋進出の軍事的意図を見抜けなかった日本政府 問題は、この中国海洋調査船の調査活動の「内容」について、「一般的な科学調査」であると中国側が説明すれば、どんな調査でも許可が出されてしまうという点にあります。中国側はまさにこの点を逆手にとって、日本側の中止要請を無視しているのです。 この点、「相互事前通報制度」創設を主導した外務省は、中国側の活動について、軍事的な意図に対して「見ないふり」をしていた可能性があります。 事実、中国による東シナ海での海洋調査がすでに問題となっていた1995年、当事の外務省アジア局長は中国の調査活動の意図について「一般的な科学調査」だと断定※しているのです。 2001年に運用が開始された「相互事前通報制度」も、このような解釈が前提にあるがために、中国の海洋調査活動を受け入れる制度となってしまっていることは明らかです。 (95年12月12日:参議院外務委員) しかし、幸福実現党の立党以来、全国で中国政府の覇権主義的意図と、わが国の国防強化の必要性を訴え続けてきた結果、中国の海洋進出に対する日本政府・日本国民の警戒感も高まっています。 中国海軍が西太平洋での軍事演習を活発化させ、米軍に伍する外洋型海軍としての規模と能力の拡大をめざしていることは、世界的な問題となっているのです。 ◆中国の海洋進出を助長させた村山・河野コンビ ところで、東シナ海における中国の「自由な行動」を許した判断が積み重ねられていった重要な時期に、内閣で「村山・河野談話」が発表されていたことは偶然ではありません。 先ほど、外務省は中国の軍事的な意図について「見てみぬふり」をしていたと書きましたが、「日本は侵略国家であった」とする中国共産党の歴史観に迎合する内閣であればこそ、このような国難を招く制度を実施してしまったのではないでしょうか。 ◆「相互事前通報」の枠組みを見直し、実効性のある領域警備を 去る4月22日、133,080筆を集めた「河野談話の白紙撤回を求める署名」の安倍首相への提出が幸福実現党によって行われましたが、河野洋平氏が外務大臣であった時期に実施された「相互事前通報制度」の見直しも、早急に行うべきであると考えます。 例えば、「相互事前通報」制度の前提として、「純粋に科学的な調査である」という条件がありますが、それ以外にも「事前に通報された区域で調査が実施されていること」等の条件があります。 中国側は過去すでに、これらの条件を破り、通告区域外での活動を実施するなどの違反行為を繰り返しています。今回の調査活動においても、海上保安庁が再三の中止要請を出していることをみると、「軍事目的ではないか」という疑いのほか、何らかの問題行為があることが想定されます。 こうした違反行為が現に行われ、軍事目的の調査が行われている可能性がある以上、日本政府は集団的自衛権の容認によって日米同盟を強化するとともに、南西諸島の防衛体制を固めた上で、「中国側に改善の意思が見られない限り、今後一切の中国側の調査要求に応じない」などの対抗手段をとるべきであると考えます。 家族の絆を取り戻す! 2014.04.23 文/HS政経塾 2期生 千葉県本部副代表 古川裕三 ◆一人暮らし世帯の増加 国立社会保障・人口問題研究所が公表した推計によると、2035年には一人暮らし世帯の割合が全世帯の3割を超える都道府県が,山形を除く46都道府県に広がるとのことです。(読売新聞一面4/12) 一人暮らしの高齢者の数をみてみると、10年は498万人でしたが、35年には762万人にまで増加し、53%の伸び率となります。今後、地方から出てきた団塊世代が、配偶者の死別などで独居高齢者となるパターンが、特に東京を中心とした都市部において急速に増えると予測されています。(日経電子版4/12) ◆「男女雇用機会均等法」がもたらしたもの 一人暮らしの増加の背景には、核家族化や晩婚・未婚化などの進展があげられます。さらにその原因には、1986年に施行された「男女雇用機会均等法」があります。 この法律には、女性の社会進出という大義とは別に、実は政府の意図として、「税収を増やす」という目的もありました。 要するに女性にもっと稼ぎ手になってもらい、所得税を納めてもらおうという意図です。 しかし、結果として何が起きたかというと、女性の活躍が進んだ半面、仕事と子育ての両立(ワークライフバランス)を支援する社会的整備の遅れもあり、晩婚・未婚化が進み、「少子化」と、さらには「離婚率の増加」を招くこととなりました。 つまり、税収を増やすつもりで女性の社会進出を推進した結果、少子化を招いたために、社会保障費が増加し、別の税金の使途が増えてしまったのです。(参考:『政治革命家・大川隆法』、『知的青春のすすめ』共に大川隆法著) ◆社会保障費の真実 このように、少子高齢化が進む日本では、毎年1兆円規模で増加する社会保障を持続可能なものとするために消費増税は不可避であるとして、今月より消費税が8%になりました。 しかし、実はこの1兆円ずつ増えるとされている社会保障費も嘘があり、本当は、毎年3~4兆円という規模で増加するのです。年間1兆円ペースで増えているのは、国の税負担分であり、地方の税負担は含まれていません。 そもそも、年金にしても医療にしても介護にしても、社会保障費は私たちが納める保険料によって大部分が賄われていますから、負担という意味では、税も保険料も変わらないわけです。 つまり、国、地方の税負担および保険料を総額すると毎年3~4兆円の伸びになるのです。 仮に、来年から消費税が10%に増税され、税収が13.5兆円ほど増えたとしても、毎年3~4兆円ペースで社会保障費が増えれば、むこう3,4年しか消費税の引き上げ効果は続かないというのが真実です。(参考:『社会保障亡国論』鈴木亘著) ◆家族の絆を取り戻す 社会保障費の増大は、決して「自然災害」的なものではありません。人為的な努力で乗り越えることができる問題です。生涯現役社会の構築に向けた景気・雇用の拡大や効果的な少子化対策や人口増加政策を講ずることができれば、1円も増税することなく、解決が可能なのです。 また、冒頭の独居高齢者の増加の問題についても、幸福実現党は三世代同居の推進により、解決を図っていきます。 その第一歩として、たとえばシンガポールでは、両親の住む家の近く2キロ圏内あるいは同じ町内に住むと補助金が出る制度がありますが、これを参考に、両親と同市内に住めば住民税を減税するという手法もありえるかもしれません。 いずれにせよ今の日本に必要なのは、「大きな政府」から「小さな政府」へと切り替え、個人の努力や家族の助け合いを推奨することです。 前回のHRPニュースファイル「人口増加に向けて世帯課税方式の導入を」(http://hrp-newsfile.jp/2014/1338/)でも論じたように、大家族支援の税制の導入や、昨日の湊氏のHRPニュースファイル「全ての子どもたちに未来と可能性を与えられる社会を」(http://hrp-newsfile.jp/2014/1410/)でも論じられていた「養子縁組」も積極的に推進することで、幸福実現党は「家族の絆」を取り戻します。 全ての子どもたちに未来と可能性を与えられる社会を 2014.04.22 文/HS政経塾1期生 兵庫県副代表 湊 侑子 ◆子供たちを取り巻く問題 親に捨てられた子供を“ポスト”と呼ばせる。擁護施設の施設長が子供たちに、「お前たちは、ペットショップの犬と同じ」と言う、などで様々に批判を受けたドラマ「明日、ママがいない」。このドラマが扱った問題、親に捨てられた子どもたちは今の日本にとって大変デリケートで重い問題です。 現在、事情があって親と一緒に暮らせない子どもは4万6千人います。原因は、親から虐待を受ける、親との死別や行方不明などで、この子たちは児童養護施設(乳児院)に入ります。 一方で、子供が欲しい人たちもたくさんいます。日本には、不妊治療患者数が約50万人存在します。しかし、不妊治療を行ってもすべての人が子供を授かるわけではありません。実際に不妊治療にかかる期間は平均2.5年、費用は100万円で決して簡単なものでもありません。 子どもを望んでも授からない夫婦に、この子たちを引き取ってもらえたら、お互いにとって幸福であるのでは…と思うのですが、なかなかうまくいきません。 子どもの一部は里親に引き取られますが、日本においては里親に委託される率が極めて低く、平成24年度末で14.8%に留まっており、ほとんどの子供は施設に行きます。(4/6 産経「家庭的養育」は社会の責務) ◆里親が広がらない理由 里親の割合が少ない理由は、一つは日本人が血縁を重視しすぎることにあります。これには、この世で出会う“縁”の大切さを社会に浸透させないといけないと思います。明治時代には養子は当たり前でしたし、養子になったことで新しい道を歩むことができた湯川秀樹などの例もあります。 また、法律においても血縁を重視するあまり実親の親権をかなり強く設定しすぎていることにも問題があります。実親が申し出れば、たとえ特別養子縁組を組んで養親が引き取っていたとしても子供を戻さないといけないなど、様々な障害が立ちはだかっていることにあります。 もちろん、実親が子供を育てることが一番よいのでしょうが、子供の虐待の割合が急増するだけでなく殺すまでいってしまう親が出てきている今、子供の命を守るためには、実親と離す基準をはっきりと定めて線引きしなければならない時期が来ています。 ◆地元のNPO・宗教の必要性 熊本の慈恵病院は赤ちゃんを預かる「こうのとりのゆりかご」を行っています。この“赤ちゃんポスト”によって、子供を捨てる人が増えたように感じますが、実際はそうではありません。 この6年間に預かった子どもは92人ですが、同時に全国のお母さんの相談にものっており、面談をすることで198人のお母さんに子供を手放すことを思いとどまらせました。(同上 産経新聞) 子どもを置いていく保育器の中には、「いつでもいいから当院に連絡してください。一緒に問題を解決しましょう。協力は決して惜しみません」というお母さんへの手紙もおかれています。 ゆりかご事前相談として24時間365日体制の「SOS赤ちゃんとお母さんの相談窓口」も開設していました。これらはキリスト教精神に基づいて行われています。 この他にも、天理教の教会主は、他人の子どもの世話をするのも当たり前と、家庭に実子以外の子どもをひきとって“ファミリーホーム”を営んでいるケースが多くあります。 現在、引き取られる子供の1.5割は天理教関係者が引き取っており、行政からも大いに感謝されて頼りにされているようです。 実際は行政が行うことを、NPOや宗教がボランティア精神で行っているのが現状であるならば、感謝の気持ちとして税金の免除などは行うべきですし、これらに対する偏見や蔑み、悪口を控え、社会が彼らに対する信頼や尊敬の念を持つ方向に持っていくことが行政の仕事です。 親がいない子供たちの声は小さく、彼らのために声をあげてくれる親もいません。しかし、彼らも未来の宝であり可能性なのです。弱きものを守り育てることも、私たちの使命であると感じています。 ウクライナ問題――日本の国際的なプレゼンスを増すチャンス 2014.04.21 文/HS政経塾3期生 たなべ雄治 ◆外相級4者協議、具体的解決には至らず ロシアとウクライナ暫定政権が初めて同席して行われた外相級4者協議ですが、見解の相違を残したまま具体的プロセスにまでは踏み込めず、事態はこう着しています。 ウクライナと欧米、ロシアの間で相互不信に陥っているようです。 欧米の立場では、ロシアがウクライナのEU傾斜を断固阻止し、旧ソ連圏の復活を狙っているように見えているのでしょう。 一方のロシアからは、2004年に起こったウクライナのオレンジ革命で親EUのユシチェンコ大統領が誕生したのも、2月のヤヌコビッチ大統領が亡命したのも、欧米の差し金に見えるでしょう。そして、民主化の圧力でプーチン政権を崩壊させたいという欧米の意図を感じ、危機感を抱いているのではないでしょうか。 ◆ウクライナ、ロシア、EUが経済的打撃を受けている このままこう着状態が続くことで、少なくとも経済的には得をする国はありません。 ロシアではプーチン大統領の支持率が80%を超えていますが、同時に経済に最も力を入れるべきと答えた人は60%を超えており、プーチン政権とて経済を無視できません。 経済制裁は交易を滞らせ、誰にも恩恵を与えません。一刻も早い事態の解決が望まれます。 ◆民主化は、急がば回れ 今回の混乱の遠因として、EU圏の急速な拡張主義にも問題があるように思われます。「民主化至上主義」とでも言うべき間違いを犯しているのではないでしょうか。 急激な民主化、押し付けの民主化が成功した事例はありません。イラクでもアフガニスタンでも、「民主化は失敗した」と結論付けて良いほどの混乱に陥っています。 民主化さえすれば事態は好転する、というのは幻想です。 なぜなら、民主化において真に難しいのは「普通選挙の実施」ではなく「民主主義の定着」であり、それには長い時間をかけたプロセスが必要だからです。定着させるためには、国民の民主主義に対する理解と、経済成長が欠かせません。 経済成長が必要な理由は、政情を安定させるためです。ウクライナの政変も、その背景には経済停滞に対する不満がありました。 親EU派は、EU化が進めば経済成長を実現でき、繁栄を享受できると考えているようですが、果たしてそうでしょうか。そもそもEU自体が、経済はドイツ頼み、経済発展に成功しているとは言い難い状況です。 ◆地域安定を考慮した現実的な妥協点 民主化を急ぐばかりが、方法ではありません。台湾やシンガポールを見ても、国の発展過程において、時に民主制よりも強力なリーダーシップが必要であるというのは事実でしょう。安定の中で経済成長を進め、政治と経済を成熟させていく必要があります。 ロシアも、民主化する段階ではないと考えているのではないでしょうか。だとすると、ロシアが求めるのは急激な民主化に対する防波堤、政治的な意味での緩衝国です。ウクライナという緩衝国が無くなった今、新たな緩衝国のために、ウクライナ東部の自治権拡大を要求しているのでしょう。 このあたりが妥協点ではないでしょうか。地域安定を重視するならば、ウクライナと欧米は、クリミアのロシア編入を認め、ウクライナの連邦制導入を進めるべきです。 そしてロシアは、親EUのウクライナ暫定政権と次期大統領選挙の正当性を認めるべきでしょう。 ◆欧米、中露との板挟み。どう乗り切るか ロシアとの経済関係が薄いアメリカは、強硬に経済制裁を主張しています。尖閣問題などで日米関係が無視できない日本は、対ロ経済制裁をせざるを得ないでしょう。 また対ロ制裁をしなければ、中国が図に乗って尖閣への圧力が強まる可能性もあります。 しかし一方で、ロシアを追い詰め過ぎることで中国と手を組むような事態になれば、日本にとっては厳しい状況となります。 アメリカとの関係を維持するために表向きは制裁に加わりながらも、中露を結び付けないために水面下でロシアに「日本は決して見捨てない」という固い意思を伝えておくべきでしょう。 そして妥協点に向けて、仲介の労を取るべきです。この事態を逆手に取れば、日本の国際的なプレゼンスを増すチャンスであるとも言えるでしょう。 中小企業経営者の決死の決断「賃上げ」 2014.04.20 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆大手企業 賃上げの春 4月12日開催された「桜を見る会」で安倍首相は、~ 給料の 上がりし春は 八重桜 ~と自作の俳句を披露し,今年の春闘で大手企業の賃金のベースアップが相次いだことをアベノミクスの成果と喜び、自身の政策に自信を深めたと報道されました。 事実、今春は大手企業の賃上げのニュースが多く報道されました。トヨタ自動車は、6年ぶりのベア、定期昇給と合計で1万円にのる賃上げで、1万円のせは1993年以来21年ぶりとなると大きなニュースとなりました。大企業で働く人々は、アベノミクスの恩恵を感じたかもしれません。 しかし、国内企業の約9割を占める中小企業を取り巻く環境は、引続き厳しく従業員の賃上げは困難な状態が続いています。 また消費増税前の駆け込み需要で多くの企業が潤ったといわれていますが、中小企業にとってはそうとばかりは言えないケースもあります。 筆者の知人の印刷会社社長は、「3月、ぎりぎりになって駆け込み仕事が増え、残業につぐ残業で乗り越えたが、残業手当が増えて、結局利益は出なかった」「消費増税後の事を考えると非常に不安だ」と厳しい現状を訴えていました。 ◆経営を圧迫する社会保険料値上げ 中小企業の賃上げについても、筆者の知人の経営者は、なんとか社員に還元したいと思い、賃上げを実施したところ、社会保険料の負担増により昇給分が減殺され社員の手取り額が逆に減ってしまったケースがあった事を溜息交じりに話しました。 社会保険料は、会社と従業員が折半して負担します。特に厚生年金の保険料率は2017年10月まで毎年、段階的に引き上げられることが決まっています。 2004年9月段階では、保険料率は13.58%でしたが、毎年10月に引き上げられ最終的には2017年10月に18.3%まで引き上げられます。これは企業にとっては、消費増税以上の非常に大きな負担増となります。 中小企業の賃上げ問題について、NHK名古屋放送局ナビゲーション「賃上げの春 社長たちの選択~アベノミクスと中小企業~」(4/11放送、4/29 0時40分~全国放送で再放送)で、以下のような事例が紹介されていました。 東海地方のある印刷会社(従業員50人以下)の社長の「賃上げへの苦渋の決断」が紹介されていました。 安倍首相による度重なる「賃上げ要請」と大手企業の賃上げの報道に、社長は想像以上のプレッシャーを感じていました。「苦しい時期、苦楽を共にした社員に報いたい、中小企業だからといって賃上げなしでは、士気の低下、人材の流出の恐れもある」と、社長は賃上げの決断をします。 時給にして10円程度の賃上げですが、その会社では人件費負担増を賄うために新たに月600万円の売上をあげる必要が出てきます。 そこで社長は、6000万円の最新型印刷機の導入を決断します。政府の補助で3000万円の融資、残りの3000万円は銀行から融資を受けることになりました。 新規印刷機の稼働率が80%を超えると、賃上げコストを賄えるということで、背水の陣で設備投資を決断したわけです。賃上げを実現するための悲壮な決意とも感じられました。 大企業が過去最高益を記録し、その内部留保を社員に賃上げとして還元するという事例と、中小企業のそれは全く意味合いが違うことが分かります。 ◆中小企業の消費増税倒産を防げ 消費増税、社会保険料値上げ、光熱費の高騰等々、これらの負担増は特に中小企業にとって死活問題となります。 同番組の解説を担当した山口義行氏(立教大学経済学部教授)は、中小企業に重くのしかかる社会保険料負担軽減を政府が支援する必要があると訴えました。 今回の消費増税の大義名分は、全額社会保障に使うということであるならば、まさに中小企業の社会保険料の負担軽減は、合目的的であります。 幸福実現党は、デフレ時の消費増税は愚策中の愚策と考え、減税の必要性を訴えてまいりました。消費増税が実施された今、中小企業の消費増税倒産を防ぐために社会保険料の負担軽減という減税の実施を政府に強く求めます。 なぜ日本は負けたのか?~戦史に学ぶ、未来への舵取りと幸福実現党の政策~《第7回》 2014.04.19 文/岐阜県本部副代表 河田成治 前回は、国家未来ビジョンの大切さをお伝えしました。 ◆どのようなビジョンを描くかが、未来を決める 現政権の国家戦略(ビジョン)は不明瞭です。民主党政権時代はもっと酷く、何もなかったように思います。 しかし、国家ビジョンは極めて大切です。幸福実現党は、熱く未来ビジョンを訴えています。どのような国家を目指すのか?これがなければ、漂流国家にも等しいのではないでしょうか。 ◆「新・日本国憲法 試案」に見る幸福実現党の気概 国家の未来ビジョンを、国家の目指すべき“あるべき姿”とすれば、その理想を表すものは、「憲法」と言えるでしょう。 古くは、聖徳太子によって「十七条の憲法」が制定されましたが、その中身は、仏教を中心とした国家建設が理想でした。 第一条の「一に曰(い)わく、和を以(も)って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。」から始まる条文は、まさしく世界に誇る日本のアイデンティティ、国家のあるべき姿を指し示していたと思います。 また鎌倉時代には、我が国初の武家法である「御成敗式目(貞永式目)」が制定され、「武士の国」としての道徳が示されました。 このように、我が国は、その時々の国家理念によって、国の屋台骨を造ってきました。 2009年に立党し、まもなく立党5周年を迎える幸福実現党は、立党時に早くも、「新・日本国憲法 試案」を世の中に発表しています。 この「新・日本国憲法 試案」は、幸福実現党が考える国家のあるべき姿を、世間に向けて明らかにすると共に、国家ビジョンを掲げることの重要性を率先垂範で示したものです。 したがって、大川総裁の手による「新・日本国憲法 試案」の発表は、幸福実現党発足の目的を明らかにするという点で、まことに責任ある行為であったと思います。本来、国政選挙とは、このように政党の理念と志を明らかにした上で、有権者に選んでもらうべきでしょう。 「新日本国憲法(試案)」の前文には、「われら日本国国民は、神仏の心を心とし、日本と地球すべての平和と発展・繁栄を目指し、神の子、仏の子としての本質を人間の尊厳の根拠と定め、ここに新・日本国憲法を制定する。」とあります。 幸福実現党は、日本国の精神的主柱を神仏に求め、さらに人間が仏の子であることが、基本的人権の根拠だと宣言しています。 第五条では、「国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。」とし、国防軍の必要と存在根拠を明確にしています。 また、第十一条で「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。」とし、自由という価値観の尊重とともに、国家社会主義、全体主義を否定しています。 包み隠さず、ここまで明確に国家の未来ビジョンを提示した上で、政党を立ち上げていることは、日本的風土や日本の政党政治の歴史からすれば、前代未聞なことではないでしょうか。(つづく) ≪連載≫中国の「超限戦」に勝つために!(第1回) 2014.04.18 幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 「敵は韓国にあらず!――従軍慰安婦問題の本質」 歴史認識を巡る様々な問題が、毎日のように中韓から日本に襲い掛かってきています。曰く、「日本は第二次大戦で20万人もの婦女子を性奴隷にしていた」、「日本は南京で30万人の罪のない婦女子を大虐殺した」、「日本は軍国主義化し、世界秩序を破壊しようとしている」--等々。 特に、韓国による従軍慰安婦像のアメリカやオーストラリアの諸都市への設置運動は、多くの日本人の韓国への反発と嫌悪感を強めています。 こうした歴史認識を巡って、今何が起きているのでしょうか?その背後で何が動いているのでしょうか?私たちはこうした危機に対して何を、どう行動しなければならないのでしょうか? その答えを提示するために、「中国の『超限戦』に勝つために」と題して、連載したいと思います。 ◆超限戦とは何か さて、「超限戦」(ちょうげんせん)という言葉をご存じでしょうか。これは、1999年に中国人民解放軍の大佐である喬良と王湘穂が発表した、中国の新しい軍事戦略です。 簡単に言えば、「限界(限定)を超えた戦争」というもので、「中国はこれから、従来のミサイルや軍艦、戦車や戦闘機等を使う『通常戦』だけでなく、『情報』や『経済』など、あらゆるものを駆使して、敵に攻撃を加えて屈服させる」というものです。 「(社会の)あらゆるものが戦争の手段となり、あらゆる領域が戦場になり得る。すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事、軍人と非軍人という境界がなくなる」という、新しい戦争の概念ーー要するに「何でもあり」の戦争です。 その中核をなすものが、マスコミやインターネット、教育、対人工作を駆使した「情報戦」です。情報といっても、単なるスパイや暗号だけではありません。その中には、特定の思想や世論、意識を敵国や世界に広げる「宣伝工作」が含まれます。 その一つが「歴史観」の捏造です。中国は1970年頃から「南京大虐殺」という歴史を捏造し、日本を攻撃し、貶め、それによって生じた日本人の贖罪意識を利用してODAを引き出したり、国際社会で自国に有利なポジションを作り上げてきました。 そして近年、その武器の一つに加わったのが「従軍慰安婦問題」です。 ◆韓国を操作する北朝鮮、そして中国 「従軍慰安婦問題」といえば、韓国政府による日本国への攻撃と受け止め、韓国を嫌い、敵対意識を持つ人が増えています。マスコミ報道だけを見ていると、確かにそうも見えます。しかし、本当にこの問題を単純に「韓国vs日本」と見て良いのでしょうか? 日韓は、自由と民主主義の大国・アメリカを軸に、アジアにおいて右手と左手のように相互に「同盟関係」にある関係です。その日韓が反目し、敵対関係に陥ることで、最も利益を得る国はどこでしょか? 答えは簡単です。北朝鮮と中国という二つの独裁国家です。北朝鮮は韓国、中国は日本を最大の敵国と位置づけ、それぞれ相手国への侵略の意思を明確にしています。この2つの国家が水面下で画策し、日韓分断のために「従軍慰安婦問題」を利用し、けしかけているとしたらどうでしょうか? 評論家の櫻井よしこ氏は、韓国の国会議員に北朝鮮の凄まじい工作が及んでいることを、次のように指摘しています。 「韓国の野党・民主党は元大統領である金大中、盧武鉉両氏の路線を受け継ぐ政党で、 韓国の国会議員 300 人中 127 議席を占めています。驚くべきは、 うち 21 人は反共法及び国家保安法違反で逮捕された前科を持つという点です。 つまり彼らは北朝鮮による韓国併合を目指す勢力と事実上、同じだということです。 」(週刊ポスト2014年1月1・10日号) 過去に逮捕された議員だけで21人ですから、そうでない与野党の議員の中に、どれどほどの工作された議員が存在しているのでしょうか。事態は極めて深刻です。 また、韓国内で従軍慰安婦問題を広げてきた中心的な団体に「韓国挺身隊問題対策協議会」があります。2011年12月にソウルの在韓大使館の前に、従軍慰安婦の少女の像を設置したのは、この団体です。 元日本軍慰安婦の調査、日韓両政府への意見表明、世界各国で日本政府に謝罪や賠償を求める運動を行っているこの「協議会」が、実は「親北朝鮮」の反日団体であることを、産経新聞や読売新聞は指摘しています。つまり「韓国挺身隊問題対策協議会」は、日本で言えば、「朝鮮総連」のような団体と言って良いでしょう。 私は以前、韓国に行ったことがありますが、日本のマスコミが報道するように、韓国の国民がこぞって反日かと言うとそうではありません。もちろん、長年の反日教育で反日の人はいるでしょうが、日本に憧れや好意を抱いている韓国人は決して少なくはありません。 ちょうど、「沖縄で過激に反米反基地闘争をしている人たちの多くが、実は沖縄県民ではなく、本土から入った過激派などの左翼活動家であり、一般の県民は単に左翼的なマスコミに誘導されているだけ」であるのと、似た構図と言えるでしょう。 そして、韓国内でそうした工作活動を行う北朝鮮を、実質的な保護領として背後でコントロールし、利用しているのが、他でもない中国です。(張成沢事件があったとしても、その本質は何ら変わりません)。 ◆敵を見誤ってはならない そうです。一連の歴史認識問題の本質は、単に「韓国が日本を攻撃している」のではありません。「北朝鮮が韓国内で工作活動を行って韓国を動かし、中国が火に油を注いで「日韓対立」を煽り、日本の国際社会での孤立化と、日米韓の分断、そして最終的には日米の離間を狙っている」と見るべきでしょう。 だからと言って、従軍慰安婦問題に関して、日本が何もしなければ良いわけではありません。韓国や世界に対して、しっかりと日本の「正しい歴史観」を伝え、不当な言論に対して「正々堂々の主張」を展開しなければなりません。 しかし、韓国や韓国民を過度に嫌悪して敵視し、感情的に相手を攻撃することは、中国と北朝鮮の「術中に嵌(はま)る」ことになります。 「敵は韓国にあらず、中南海(北京にある中国の政治の中心部)にあり」ーー。 従軍慰安婦問題に対処するに当たって、私たちはまず、この事を知らなくてはなりません。 TPP交渉「戦術」と関税撤廃に向けた輸出「戦略」 2014.04.17 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆TPP日米協議、コメ、麦、砂糖で関税撤廃回避へ 環太平洋経済協定(TPP)について、日米の実務者協議が15日から再開しています。 甘利明経済財政・再生相が「相当な距離が残っている」と発言したように、日米の交渉は膠着状態が続いていました。 自動車に関しては、日本が関税の早期撤廃を求めているのに対しアメリカが反対し、農産物に関してはアメリカが関税撤廃を求めているのに対し、日本が反対しているためです。 特に日本は、「重要5項目」としてコメ、麦、砂糖、牛・豚肉の関税撤廃に強く反対してきました。 しかし、今回、アメリカ側は「主要5項目」のうちコメ、麦、砂糖について、関税をかけてもいいと認めたのです。 日本は、現在、アメリカから輸入しているコメに778%、小麦に252%、砂糖に328%の関税を課しています。 コメと小麦に関しては、大幅な関税引下げを棚上げする代わりに、輸入量を増やす方針です。 砂糖に関しては、アメリカも日本と同様に国内の産業を維持するため、関税撤廃の例外にしたい考えです。 ◆アメリカ側は11月の中間選挙を見据えてのTPP交渉 アメリカでは11月に中間選挙が控えており、オバマ政権は業界団体の顔色をうかがいながら、TPP交渉を進めています。 今回、アメリカは「重要5項目」のうち、牛・豚肉にかぎっては関税撤廃を認めませんでした。牛・豚肉業界は政府に対し、大きな影響力をもっているといわれています。 また、自動車の関税撤廃をなるべく先延ばしするように求めている全米自動車労働組合は民主党の支持基盤であります。 豚・牛肉と自動車は、日米の間で厳しい交渉が予想されます。 ◆日豪EPAはTPP交渉に影響 アメリカとの交渉にあたって、日本はオーストラリアと経済連携協定(日豪EPA)で、大筋合意したことが交渉材料となりました。オーストラリアは日本への牛肉の輸出で、アメリカと競争関係にあります。 今回、日豪のEPAを結んだことによって、オーストラリアはアメリカよりも有利な条件で日本に牛肉を輸出することができるようになっています。 現在、日本は牛肉の輸入に38.5%の関税をかけていますが、オーストラリアの牛肉に関しては、冷凍牛肉は18年かけて19.5%に、冷蔵牛肉は15年かけて23.5%に引下げることになったからです。 TPP交渉が停滞し、妥結が先延ばしされれば、アメリカはオーストラリアよりも不利な条件で日本に牛肉を輸出することになります。 また、アメリカが自動車の関税撤廃を先延ばししようとしているのに対し、オーストラリアは乗用車の関税を即時撤廃する予定です。 ◆有利な条件を引き出しながら、関税撤廃に向けた準備を 今回、日豪EPAの合意により、日米交渉を少しでも前進させることができました。多国間の交渉を通じて、自国に有利な条件を引き出してゆくことは大切です。 しかし、同時に関税撤廃に向けた準備をしていくことは、それ以上に重要です。 アメリカは世界第三位の牛肉「輸出」大国であると同時に、世界第一位の牛肉「輸入」大国でもあります。アメリカは、品質の高い牛肉を輸出しながら、同時に価格の安いオーストラリア産の牛肉を輸入しています。 日本の牛肉においても、同じ戦略をとることは十分にできます。コメに関しても同様です。日本の農産物は高品質でありながら、マーケティング力やブランディング戦略が不足しているといわれてきました。 また、語学力の低さが原因で現地のバイヤーと交渉ができないといった問題もあるそうです。 これからの農林水産省に求められることは、農業の保護ではなく、海外市場に農産品を売り込む戦略を考え、実際に売り込んでいくことです。 食品に関しては国ごとに様々な規制が存在するため、その対応だけでも大変です。 それに対して、TPP加盟国のなかでは、食品に対する規制もある程度統一されるので、「輸出をする」側の立場になった場合、とても有利です。 残念ながら、「攻めの農業」というスローガンに対して、安倍政権の政策を見ますと、「守りの農業」という印象を強く受けます。 商社やJICAなど、政府以外の組織と連携しながら各国の市場を調査し、日本の農作物を売り込んでいく体制を構築するべきです。 輸出力をつけることで、関税撤廃は恐ろしいものでなくなります。むしろ、関税撤廃を契機に輸出をさらに増やすことができます。 TPP交渉を進めると同時に、関税が撤廃されたときに向けて、輸出力を強化することが重要なのです。 米国を舞台に繰り広げられる広報外交 2014.04.16 文/HS政経塾2期生 服部まさみ ◆中韓首相、歴史認識で連携確認 今月10日、中韓の首相が中国で会談した際に、「日本は侵略の歴史を反省しなければならない。両国の共通認識の下で、これまでのように以心伝心で対応していこう」と歴史認識で連携を確認したようです。(4/11産経) このように中韓が連携して、日本のネガティブキャンペーンを行っています。こうした情報戦に対して、真実を発信するための外交戦略として広報外交(パブリック・ディプロマシー)が必要です。 これは伝統的な「政府対政府」の外交とは異なり、広報や文化交流を通じて民間とも連携しながら、外国の国民や世論に直接働きかける「対市民外交」のことで近年、世界中で注目されています。 ◆中韓が米国を舞台に情報戦を仕掛けている理由 外交政策において、ある国が重要だから、その国に対してだけ広報外交を行えばよいというわけではありません。 例えば、イギリスの世論を動かすには、米国のように世界に影響力を持つ国や国際世論全般に働きかけることが有力な面があります。 中国や韓国が米国を舞台に情報戦を仕掛けている理由は、米国のメディアは、全世界に情報を発信する力を持ち、「世界標準」として認識されるほどに影響力をもつからです。だから、各国が国家戦略として、巨額の予算を米国に対する広報外交に充てているのです。 ワシントンD.C.では「世界の権力の要」として、各国の利益や各団体の要望を満たすために日夜、激しい競争が行われています。 ◆ワシントンD.C.で行われている広報外交 米国のライシャワー東アジア研究所所長のケント・カルダー氏によると、各国がワシントンD.C.で行っている広報外交は大きく分けて5つあるといいます。 (1)政策研究 アジェンダセッティング(課題設定)・フォーラム この分野で注目されているのが、韓国のKEI(Korea Economic Institute)という機関です。間接的に韓国政府やNGOの支援も受けながら、講演会を開催し、その内容をインターネットを使って世界に生中継しています。 以前、「ジャパン・エコノミック・インスティチュート(Japan Economic Institute)」という機関があり、日米貿易摩擦の解決に尽力を尽くし、大きな成果をあげていましたが、01年に閉鎖されてしまいました。 (2)アイディアクリエーション(アイディア形成)・フォーラム これは、研究者や世界各国の大学間などのアカデミックな交流を通じて、グローバルな問題解決に向けてアイディアを交換し合うことが目的です。 米国にドイツをはじめとするヨーロッパ諸国から学者を招聘して、米国の研究者たちと、移民問題など双方にとって関心の高い課題について対話の場を設けています。また、米国の大学も、こうしたプログラムを通じて活発な活動を行っています。 (3)メディア・イノベータ― 中国の国際放送を行っているCCBがワシントンD.C.で積極的な活動を展開しています。特に注目されているのが、中国は社員の8割を現地の米国人を雇用して、ワシントンD.C.から世界に向けて情報を発信していることです。 こうした革新的な試みを、日本はもっと取り入れるべきです。 (4)文化交流 特にフランスやドイツが積極的に活動を行っています。また、最近ではエスニックサポートSGO(民族的少数派支援のための機関)という非政府機関が注目されています。 例えば、中国はワシントンの大使館の中に、主に中国系アメリカ人のための業務を行う局を設置して、中国系アメリカ人との関係を積極的に築いています。 (5)政党に関わる機関 各国の政党や政治団体がNPOなどの民間団体をワシントンD.C.に設置し、その民間団体を通じて情報収集や人材育成を行っています。この分野ではドイツが先駆者として注目されています。 例えば、フリードリヒ・エーベルト財団はドイツ社会民主党と関係があり、党の政策に基づいたシンポジウムを行ったり、米国やドイツの指導者になるような若い世代の育成に力を入れています。 政党や政治団体の支援を受けてドイツと世界の対話を促進する役割を果たしています。 ◆今こそ官民を超えた「オール・ジャパン」の取り組みを 以上、ワシントンD.C.を舞台に各国が米国の世論を味方につけるための具体的な活動を紹介しました。残念ながら日本は、このような競争に全く参加できていません。 ヒト、モノ、カネが国境を超え、情報がインターネットによって世界中を駆け巡るグローバル化した時代において、政府だけが国際世論に働きかけることには限界があります。 そのため、各国の民間のシンクタンクやNPO、大学が積極的に国際世論に働きかけ、政府は間接的に支援するというスタイルに変わりつつあります。 今こそ、政府も民間も「オール・ジャパン」で一体となって活動していくことが必要なのではないでしょうか。幸福実現党は日本の誇りを取り戻すべく、積極的な情報発信を行って参ります。 参考:ケント・カルダー氏基調講演:国際シンポジウム『好かれる国の条件~パブリック・ディプロマシーの時代』2013年11月5日 日本プレスセンタービル 科学技術立国こそ世界No.1国家日本への道 2014.04.15 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆小保方氏のSTAP細胞に集まる国民の期待と疑惑 「STAP細胞はあります!」――。 今月9日、STAP細胞の論文が不正と認定された問題で、記者会見した理化学研究所の小保方晴子氏は記者たちを前にはっきりと述べました。この記者会見を視聴した国民の多くが彼女の言葉に聞き入り、インターネット調査によれば半数以上の視聴者が彼女の言葉を信じるという結果となりました。 一方、多くの幹細胞研究の専門家らにとっては、今回の記者会見でも新しく科学的根拠を示すデータが得られなかったため、捏造騒動以降、STAP細胞の存在は仮説の一つに戻ったままです。 もちろん捏造を疑う人たちも「小保方氏はSTAP細胞を作っていなかった」と100%証明することはできません。しかしだからこそ、「STAP細胞はある」という論文執筆者側に論文の確からしさを証明する説明責任があります。 ゆえに今、この問題を収束させるために必要なことは、もう一度、小保方氏ら研究メンバーがSTAP細胞の実験研究をする場を整え、真実をはっきりと突き止めることです。 大手新聞社も「STAP細胞は科学史上の大輪の花なのか、幻の花なのか、(中略)本人を理研の再現実験に加えればいいと思うが、どうだろう」(4/10朝日)、「最大の関心事である『STAP細胞が本当に存在するのか』については、研究不正の有無とは別問題として検証が不可欠だ」(4/9読売)としており、小保方氏の研究への国民的期待は決して揺るいでいません。 STAP細胞の研究に成功すれば、新たな再生医療の道が開かれ、巨大な市場創造につながります。 すでに香港中文大学の李教授はハーバード大学のヴァカンティ氏の手法の応用に取りかかり、STAP細胞の正しい作成手法を特定できた可能性があると発表しています。 ゆえに理研が責任を負えないならば、政府が小保方氏を守り、早急に実験研究の環境を整えなければなりません。 ◆理研に本来の資本主義精神を さて小保方氏の論文に不正があったとする問題で、早期に理研は小保方氏一人の問題であるとして、トカゲの尻尾切りと批判されてもおかしくない判断をしました。 しかし理研研究者への聞き取り調査によれば、理研のトカゲの尻尾切り体質は小保方氏の問題に限ったことではありません。 例えば理研は総計3000人程の研究者を抱えておりますが、そのうちほとんどは単年度契約での雇用であり、1年間で研究成果を出すことを求められます。 さらに研究予算の枠が決まってから実際に使えるのは12月からであり、実質2~3ヶ月で研究成果を出さなければなりません。「これでは思うような研究ができない」というのが研究者の実感であり、資本主義精神に満ちたリスクを取った研究がやりにくい環境にあるといえます。 昭和の初め理研は「理研コンツェルン」といわれる産業団を形成し、理研発のベンチャー企業群の数は実に63社に上ります。理研は研究者自らベンチャーを設立し、事業展開の仕組みを確立した実践的パイオニア集団でした。 安倍政権は理研を新しく特定国立研究開発法人とし、日本の技術立国構想の中軸に据えようとしていましたが、いずれにせよ、研究者が自由にリスクをとって研究をし、理研発ベンチャー企業群が続出していくような環境を整えていくべきです。 ◆国は正しく研究開発に助成し、世界No.1を目指せ! さて日本が今後、さらに成長し、発展していくためには、科学技術立国を果たし、産学連携により新産業・新企業群を生み出し続けていくことが不可欠です。そのためには政府が正しく研究開発に助成していくことが必要です。 しかしながら筆者の聞き取り調査によれば、毎回同じ研究グループ、しかもそれ程成果の上がっていない研究グループに予算が配分されているという声を聞きます。政府はこうした声を知っているのでしょうか。 このような悪循環に終止符を打ち、智慧と情報と技術、そして富が自由に交わることができる日本を創造することこそ、世界No.1への道であると確信します。 すべてを表示する « Previous 1 … 155 156 157 158 159 … 253 Next »