官僚主導の国家統制型政治を打破し「自由の大国」を目指せ!
文/幸福実現党・栃木県本部副代表 みつはし明美
12月14日投開票で第47回衆議院選挙が終わりました。
結果300議席には及ばずとも、当初の予想通り自民圧勝291議席を獲得、公明35議席 引き続き自公連立政権が確定しました。
この瞬間から「国家統制型政治」が、今以上に確立されてしまうのではないかという懸念が押し寄せてまいります。
その最たるものが、マイナンバー法と公明党提唱する軽減税率です。
◆マイナンバー法の懸念
マイナンバー法とは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」で、2013年5月24日に成立しました。
マイナンバー法は、自治体を中心に、2015年10月の国民への個人番号の通知、2016年1月の個人番号の利用が開始されます。
目的は、効率的情報管理と手続きの簡素化による国民負担の軽減となっていますが、要は個人、法人を番号化して、個人の所得、給付を国が一元管理するものです。
1億3千万人 総背番号制で無機質な一元管理下に置かれ、ロボット化した国民からガッポリ集められてばら撒かれる税金と、ボロボロのポンコツロポットの姿が頭に浮かんでしまうのは私だけでしょうか。
国民一人一人が心を持ち、名前を持ち、使命を持って生きているということをなおざりにしてコンピューターによってデーター管理していくのでしょう。
同法の目的とされる国民負担の軽減がはたして本当に為されていくのでしょうか?
マイナンバーのシステムを運用するには、市区町村、都道府県、省庁、独立行政法人だけでなく、民間企業との情報連携を構築し番号制度対応に向けた準備が必要になります。
初期化のイニシャルコストと継続的ランニングコスト、さらに導入時のみならず、情報リークを防護するための維持管理を鑑みれば、さほどの簡素化や手間と負担の軽減にはなりにくいのではないかと大いに疑念が沸きます。
◆軽減税率の懸念
軽減税率とは、消費税率10%に引き上げに伴い低所得者対策として食品など生活必需品の税率を低くすることです。
軽減税率の問題点は、軽減税率適用商品とそうでないものの区分け線引きが非常に難しく、区分けに権益や利権が交錯する可能性が大いに懸念される点です。
軽減税率品目を定義しなければならず、軽減税率品目に入る業界とそうでない業界に分けると経済活動に不利益を生じる可能性があります。
例えば商店、スーパーマーケットは軽減税率適用し、外食産業は適用外となれば外食を控える人が増えて飲食店の売上が減少します。
今度は外食産業が軽減税率適用を求めて管轄官庁に陳情することになるでしょう。消費増税は財務省が主導していますが、軽減税率を通じて各業界に天下りポストを要求する構図が生じかねません。
この構図を 数字で見るならば、外食産業年間売上10兆円とし消費税10%になれば上昇2%分2千億円の売り上げが落ち込むことは消費者の収入は増えないので明白で、価格据え置きでも同額の利益減となります。
軽減税率適用にしてもらうための天下りポストを用意して天下り官僚一人の年間給料を仮に1億円としても数十人受け入れても数十億円で済むことになります。
かくして官僚とあらゆる業界の天下り受け入れや癒着が温床化するのです。
◆「自由の大国」を築くために
国家統制政治はすでに始まっています。「賃金上げ」や「女性管理職を増やすべし」ということは本来、国が介入したり指導したりすべきものではありません。
しかしながら選挙後の安倍首相の声明にも「賃金を上げることの急務」が出ており、注力課題としているようです。
重税とマイナンバー法による一元管理により国民が奴隷化し、政治屋と官僚は利権ちらつかせてのさばる、そんな国家体質になってしまってはいけないと強く思います。
それ故の、この度の選挙戦であったのではないでしょうか。厳しい選挙結果を受け止めても、決して大敗に屈してなどいられません。
「自由の大国」を築くため次なる戦いに向け、幸福実現革命の志士として、これからも行軍し続けてまいります。