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ワクチンパスポートは全体主義への道 それより治療の選択肢を増やすべき【後編】

http://hrp-newsfile.jp/2021/4125/

幸福実現党政調会長代理 小川佳世子

◆医師と患者の治療の選択肢を増やす

前編では、ワクチンパスポートの危険性についてお伝えしました。

現在の政府のコロナ対策は、健康な人にワクチン接種を進めることのみで、コロナにかかった場合は軽症なら自宅で回復を待つしかありません。

都市部では命の危険が迫った重篤な状況に陥っても、すぐに入院ができない状況です。

しかし、「副作用が大きすぎるロックダウン 医療体制を通常モードにして患者を救うべき【後編】」でも述べたように、「早期に発見して早期に手を打てば、重症化は防げる」「コロナを5類相当の対応にして、保健所を通さずに診察、治療できるようにすべきだ」と訴える医師もいます。

ただ、その前提としては、医師たちにコロナと戦う武器を提供する必要があります。
つまり、医師と患者に「治療の選択肢」を増やすことが重要なのです。

◆抗体カクテル治療薬を外来で

まず、先月特例承認され、重症化を防ぐ効果があるという「抗体カクテル療法」ですが、これは24時間の経過観察が必要とされ、入院しなければ使えません。

しかし、東京などでは入院自体が困難なわけですから、大勢の人の治療の選択肢とはなりえません。
重症化を防ぐ効果があるのに、軽症の段階では投与できないというのは矛盾しています。

ここにきてようやく政府と東京都は、改正感染症法に基づいて、都内すべての医療機関にコロナの病床確保や人材派遣を要請しましたが、増え続ける患者数に対応するには限界があります。

600人を超えるコロナ患者を診察してきた、日本赤十字社医療センターの出雲雄大医師は、テレビ朝日の取材に対し、以下の提言をしています。

(1)『抗体カクテル治療薬』を外来で皮下注射する。
(2)ステロイドなどの抗炎症薬を在宅患者にも処方する。

いずれも入院しなくても外来で対応でき、重症化を防ぐための策です。

医療行為としてのリスクはゼロではないとのことですが、何もしないことで生じるリスクよりは理解が得られるはずです。このように、実際に患者を診察している現場の医師の提言や知恵を生かすべきではないでしょうか。

なお、厚生労働省は8月25日、投与後の健康観察や容体悪化に対応できる、入院設備が整った医療機関などに限定して、外来でも「抗体カクテル治療薬」の投与を認める方針を明らかにしました。
大きな一歩で歓迎したいですが、そうした医療機関は数が限られているため、軽症者の治療の選択肢としては十分とは言えません。

◆イベルメクチンはなぜ治療の選択肢にならないのか

もう一つ、外来で処方できる飲み薬の選択肢としてイベルメクチンがあります。
ダニによる皮膚病である疥癬、寄生虫病の治療薬として、ノーベル賞受賞者の大村智氏がアメリカの製薬会社、メルク社と開発しました。

日本では現在、北里大学を中心に臨床試験中であり、正式な治療薬(適応薬)としては認められていませんが、昨年5月の段階で、厚生労働省は「医師と患者の合意のもと、イベルメクチンをコロナ治療に使ってもよい」として保険適用の対象になっています。

イベルメクチンはアメリカやインド、アフリカ等で「重症予防効果がある」という臨床論文が出ていますが、一方で、効果はないとする論文も発表されており、使用についての賛否が分かれています。

ただ、世界で5億人以上の使用実績があり、重篤な副作用はほとんど報告されていないため、「少しでも効果があるなら使いたい」という医師や患者の声もあります。しかし、現在のところ日本では積極的に使われていません。なぜでしょうか。

東京都医師会の尾崎治夫会長は、読売新聞のインタビューに対して、「メルク社が新型コロナの治療・予防には効かないという見解で、供給を制限している」と語っています。

また、臨床試験を得て正式な治療薬として認められたわけではなく、現状では副作用の被害救済制度の対象外のため、医師が使いづらいと指摘しています。

これについては現在、立憲民主党の中島克仁議員が中心となり、特例として副作用の救済措置の対象とする法案を提出していますが、議論の俎上に乗っていません。

副作用リスクに対応できる法律ができれば、処方する医師も増え、インドや中国で作られているジェネリック薬品の輸入や、国内での製造も進むと見られます。

現時点では「特効薬」ではありませんが、少しでも治療の選択肢を広げ、自由の幅を広げることは政治の仕事と言えます。

◆健康生活と信仰心で免疫力を高める

とはいえ、コロナに対する万能の治療法はありません。コロナに打ち克つ最終兵器は、各人の免疫力です。
食事や睡眠、適度な運動など、普段から健康生活を心がけることが大事です。

東京大学名誉教授の小柳津広志氏は、酪酸菌を増やすことで、重症者に生じているというサイトカインストームを抑制できると言います。
玉ねぎやゴボウ、ヤーコンなどには、酪酸菌のエサとなるフラクトオリゴ糖が多く含まれているため、こうした食材を積極的に取り入れてみることも一つです。

そして、明るい心、積極的な心を持ち、日々を生きることです。そして、神仏を信じ、自らが生かされていることに感謝する心、すなわち信仰心を持つことが、コロナに打ち克つ力になるのです。

実際、アメリカでは、宗教活動や祈りが免疫を高め、がんなどの病を癒す効果があるという研究結果も報告されています。

幸福実現党は宗教政党として、心の力、信仰の力の大切さも訴えてまいります。

小川 佳世子

執筆者:小川 佳世子

幸福実現党政務調査会長代理

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