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副作用が大きすぎるロックダウン 医療体制を通常モードにして患者を救うべき【後編】

http://hrp-newsfile.jp/2021/4120/

幸福実現党政務調査会長代理  小川佳世子

前編では、厳しい罰則を伴う行動制限(ロックダウン)は効果が薄いうえ、「副作用」が甚大であると述べました。

とはいえ、何か手を打たなければ、多くの人の健康や生命が危険にさらされてしまいます。
現在、都市部では連日のように「コロナ病床が逼迫し、肺炎の症状があっても入院できない」「自宅療養中に亡くなった」というニュースが流れ、多くの人が不安のなかにあります。

◆ロックダウンの前にやるべきこと

人口当たり病床数世界一を誇る日本で、なぜそのようなことが起きるのか。
その理由の一つは、コロナを「2類相当」の感染症として対応しているためです。

2類相当の対応は、感染者の2~3割以上が亡くなる危険性の高い感染症を想定しています。そのため、医療機関は非常に厳しい感染防止策を取らねばならず、特別な対応ができる一部医療機関しか患者を受け入れていません。

現在、発熱や咳などのコロナ感染が疑われる症状が出た場合、まずは電話でかかりつけ医に相談し、必要に応じてPCR検査を受けることになっています。

PCRで陽性が出たら、その後は保健所の管轄に入り、指示を待つことになります。保健所は陽性者の経過観察や中等症以上の入院調整、パルスオキシメーターの手配、場合によっては食糧の配達なども行わねばならず、パンク状態です。
感染者が増え続け、既に地域によっては「保健所から全く連絡がこない」「医師の診察も受けられない」という状況にあります。

開業医として500人以上のコロナ患者を診察してきたという、長尾和宏医師は、自身のブログ等で「PCR検査の結果を待たずに、肺炎の兆候が現れたら早めに投薬などを開始すれば、重症化は防げる」「早期発見、早期治療が大切」と訴えています。

また、血中酸素飽和度が96%未満以下だと中等症と判断されますが、数値が正常値でも胸部CTを取るとひどい肺炎の症状がみられるというケースもあるようです。こうした症例は現在のように保健所が電話で経過観察をし、数値が悪くなったら入院調整するという方法では救えないため、医師が診察して入院が必要かどうかを判断し、保健所を介さず入院の手配を行う方がよいと指摘します。

とはいえ、現在では開業医に出来ることは限られています。例えば、先月特例承認された「抗体カクテル療法」は、現時点では入院患者が対象で、自宅療養や高齢者施設、外来では使えません。
これを普通のクリニックや医療機関で使えるようにするだけでも、打ち手は増えます。

新型コロナを「2類相当」から季節性インフルエンザ並みの「5類相当」とし、検査だけでなく治療も普通のクリニックや医療機関で行えるようにすれば、コロナ患者を受け入れたいという心ある開業医が仕事をしやすい環境が整います。
他にも、軽症のうちにウィルス抑制効果が期待される薬剤の投与を進めるなど、やれることはあるはずです。

陽性が分かったら自宅に閉じ込め、軽症の段階では何も手を打たず、中等症以上になったらはじめて入院調整が行われるというのは、あまりにも無策でしょう。

家から出るな、営業をするなという施策を強化する前に、「万が一、コロナにかかっても医師の診察や治療が受けられる」という体制づくりを急ぐべきです。

◆コロナへの恐怖を取り除く

そうはいっても、マスコミ等によってコロナへの恐怖心が刷り込まれた状況では、「コロナ患者は受け入れたくない」という医師も多いでしょう。患者の側も、コロナ患者を受け入れているクリニックには行かなくなり、たちまち病院経営が危機に陥ります。医療従事者への差別も生じるかもしれません。

ゆえに、大事なのは、コロナへの恐怖を取り除いていくことです。

現在は毎日、陽性者数と重症者数が報じられ、自宅療養で苦しんだり、亡くなったりする人の話がテレビで繰り返し流されています。

それだけでなく、インフルエンザや他の感染症と比べてどのくらい感染や死亡リスクが高いのかという冷静なデータ、「こうしたら回復した」という臨床データなど、人々が冷静に考え、行動できるようなことも報じるべきです。

そして何よりも求められることが、心の力、信仰の力です。

奈良の大仏は、天変地異が続き、天然痘がはやった時に御仏への信仰を立て、国家の安寧を願って建立されました。
日本人は、国家的な困難に対しても信仰を立てて克服してきたのです。

個人においても、明るく積極的なマインドを持ち、「自分にはまだ使命がある」と考え、充実した毎日を送っている人は、コロナへの恐怖心でいっぱいの人より免疫力は高く、ウィルスを跳ね返す力は大きいといえます。

恐怖心から、国民の自由を侵害し、間違っても日本を中国のような「全体主義国家」にしてはなりません。

平静な心を取り戻し、政府も国民一人ひとりも智慧と強靭な精神力でサバイバルしていくことが求められているのです。

小川 佳世子

執筆者:小川 佳世子

幸福実現党政務調査会長代理

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