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今こそ、憲法九条改正!

http://hrp-newsfile.jp/2019/3675/

幸福実現党 政調会外交部会副部会長 彦川太志

◆自民党の加憲案では日本を守れない

参議院選挙から一夜明けて、安倍総理は「令和の時代にふさわしい憲法改正案の策定に向かって、我が党は強いリーダーシップを発揮していく」と憲法改正に向けて意欲を語りました。

しかし自民党が主張する憲法九条の「加憲」で、本当にこの国の安全を守ることはできるのでしょうか?

「戦力の不保持、交戦権の否認」を規定した第二項を残したまま、「第三項で自衛隊の存在」を位置づけたところで、実質的に日本の防衛体制に変化があるわけではありません。

つまり、自民党の「加憲」案では、「中国の覇権主義や中東からのシーレーンの問題など、安全保障上の危機をどうするのか」という、一番大事な問題を解決することができないのです。

「改憲議論」の中身が、まるで言葉遊びのような「加憲」の是非を問うというのであるならば、これは右も左も取り込もうという「党利党略」のための政策であると言わざるを得ません。

◆加憲では、自衛隊は「不測の事態」に対処できない

6月に起きたタンカー攻撃事件などについて、「海上警備行動で対応できるのだから、憲法を改正しなくても個別的自衛権で十分対応可能ではないか」との意見もあるかと思います。

しかし、今のままでは自衛隊は、「法律に列挙されている行動しかできず」、「法律に書かれていない行動はできない」というのが現実です。

これは、警察と同じ、出来ることを定める「ポジティブリスト型」で自衛隊の行動が決められているために生じている問題であり、「事前に想定されていない事態に自衛隊は対応できない」ことを意味しています。

しかし、「事前に完全に想定できる脅威」などあるはずがありません。

例えば、米ソ冷戦が終結してから以降の「北朝鮮の弾道ミサイル」や「海賊対処」、「在外邦人の保護」などについては、後から自衛隊法の改正によって自衛隊の任務として追加されていったというのが実態です。

このような状況では、現在自衛隊法でまったく想定されていない事態、例えば、尖閣諸島に国籍不明の船員が突如上陸を開始し、9.11テロのように民間機を用いたテロ攻撃が行われた場合、自衛隊は法律上対処できないことを意味しています。

これらの問題は、自衛隊を「軍隊」として憲法に規定していないことに原因があります。

幸福実現党は、自衛隊をきっちりと「戦力」として規定し、国民の生命・安全・財産を守る「国防軍」として位置づけなければならないと考えています。

中国の覇権主義によって緊迫化するアジア情勢に対応するためにも、ポジティブリスト型で自衛隊の作戦レベルの行動まで縛るべきではなく、国際標準のやってはいけないことだけを定めるネガティブ・リストに改め、自衛隊の対応能力を高めて行くよう、憲法を改正するべきです。

◆加憲では、本当に必要な装備の開発ができない

また、現行憲法では「専守防衛」の考え方の下、自衛隊は本当に抑止力になる装備を開発・保有することができません。

例えば、北朝鮮や中国の弾道ミサイルを抑止するためには、弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルなど、敵基地攻撃能力を保有しなければなりません。

しかしながら、憲法九条を改正し、自衛隊を「国防軍」と位置づけなければ、自衛隊は攻撃型装備の開発をすることすらできません。

高い技術力と経済力を持つ日本が本格的に防衛装備の開発を行うことができれば、高い抑止力を持った装備品を開発することができます。自衛隊の抑止力を「装備」という面から高めて行くためにも、憲法改正が必要です。

◆憲法九条は「自虐史観」の象徴

しかしながら、野党は憲法改正の議論に加わることすら拒絶しております。野党の姿勢は、「国民の生命・安全・財産を守る」という政治の基本的な責任を放棄するものと言わざるを得ません。

九条を全面的に改正して、自衛隊を国防軍と位置づけることを主張しているのは、幸福実現党だけです。

政府に「国民の生命・安全・財産を守ろう」という気概があるのであれば、堂々と憲法九条を全面改正し、国防軍の設置を明記すべきではないでしょうか。

私たち幸福実現党は、憲法九条は「自虐史観」の象徴だと考えています。

自虐史観とは、「先の大戦で日本はさんざん悪さをして迷惑をかけたのだから、軍隊など持ってはいけないのだ」という考え方です。

憲法改正の議論すら拒絶する野党も、改憲を正面から主張しない自民党も、共に「自虐史観」によって「永遠の現状維持」から脱却できていないことは明らかです。

◆日本の「自虐史観」が、中国の軍拡を野放しにした

日本が「自虐史観」に染まっている間に、お隣の中国はすっかり恐ろしい国に変貌してしまいました。

海を隔てたお隣の国で、近年、ウイグル人に対する恐ろしい人権弾圧の実態が明るみに出ています。100万人から200万人のウイグル人が強制収容所に入れられ、自分たちの信仰や文化を捨てるよう、弾圧を受けているのです。

香港のデモも、その中国に飲み込まれて自由を失うことを拒否し、自由を守るために若者たちが立ち上がっています。

また、中国は核ミサイルを保有し、急速な軍拡によって台湾の独立や南シナ海の国々の主権を軍事的に脅かしています。台湾も必死に抵抗しようとしています。

マッカーサーが押し付けた占領憲法と自虐史観を70年以上も墨守してきたことが、かえって中国の覇権主義を助長してしまったことは否めません。

日本国憲法が成立したころと比べて、国際環境は大きく変わりました。今こそ「自分の国は自分で守る」決意を固め、憲法九条の全面改正に取り組むべきではないでしょうか。

中国のように、覇権拡大のために軍事力を行使することを躊躇しない国に対しては、日本も憲法九条を改正し、真っ当な抑止力を持たなければなりません。

そして、米国と歩調を合わせて台湾との関係を強化し、「中国に武力紛争を起こさせない」国際的な連携を強めていくべきだと考えています。

幸福実現党は宗教政党として、「自由・民主・信仰」の哲学に基づき、日本が世界の大国としての使命を果たせるよう、今後も活動を続けてまいります。

彦川 だいし

執筆者:彦川 だいし

HS政経塾第1期卒塾生/党政調会・外交部会

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