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次世代に向けたインフラの進化を

HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作

◆老朽化するインフラ

近年、笹子トンネルの崩落事故などを契機に、インフラの老朽化の問題が注目されるようになってきました。私達は普段、車や電車で橋を通過する時も、安全で当然のものだという認識をもっているものです。しかし、インフラの老朽化を放置していては、その「安全神話」が崩れることになります。

アメリカでも、老朽化したインフラの問題が深刻化してきており、ミネアポリスの高速道路の崩落や、シアトルの高速道路の陸橋の崩落、メリーランド州の高速道路の陸橋からのコンクリート片落下などが近年起こり、「アメリカにある橋の4分の1が構造的欠陥を抱えるか、老朽化し、2013年の時点で、平均で建設されてから42年が経過し、しかも建設時の想定を大幅に上回る負荷の交通量に耐えている」(※『フォーリン・アフェアーズ・リポート 2016年11月号』「アメリカのインフラを再建するには」アーロン・クライン より)と言われています。

日本で橋の建設がピークに達したのは1970年頃であり、国土交通省の資料によれば、建設後50年を経過した橋梁の割合は2015年時点で18%であり、さらに、10年後の2025年時点では42%になることが見込まれています。アメリカで起きている問題は、日本でも非常に似た状態で発生している感じを受けます。

少なくとも、老朽化したインフラによる事故で、けが人が出たり、人命が失われる事態は避けなければなりません。

そのためには、老朽化したインフラの更新を進めていくことは大切になります。

◆インフラは経済成長の基盤

しかし、老朽化したインフラを、ただ単に「延命」するだけで良いかといえば、そうではないでしょう。

インフラは人々の生活を支え、経済活動を支えるものです。そして、もちろん災害から人々を守るものであり、国の安全を守るためのものでもあります。

アメリカでは「インフラ整備に向けた連邦政府の投資がピークに達したのは、戦後のアイゼンハワー大統領の時代だった」(※同上)といわれているのですが、そのアイゼンハワー大統領は、インフラ整備が、経済の活性化とともに、国家安全保障にとっても重要だと考え、選挙演説でも「近代的な道路網は国防にとっても、我が国の経済と個人の安全にとっても必要だ」と訴えたといわれています。(※同上)

アイゼンハワー大統領にとって、ドイツのアウトバーンを見た経験が、そのような考えをつくる契機になったようです。

日本でも、災害時に物流や人の移動をスピーディかつスムーズに行うことのできるインフラをもっていることが、人々の命を守ることにつながっています。そして同時に安全保障の視点から見てみると、万が一の有事に、インフラがどの程度機能するかということも非常に大切なことになることが分かります。

ともあれ、インフラは、より大きな経済に成長させていくためにも整備すべきものです。田中角栄氏が、日本列島改造論において「移動速度」を上げるための大胆なインフラ整備のビジョンを掲げた視点は、決して古いものではありません。

◆発展しないインフラが都市の発展を止め、地方を衰退させる

老朽化したインフラの「補修」だけでは、決して成し遂げられないことがあります。
例えば、瀬戸大橋など、それまで「陸路」で繋がっていなかった場所に、そのような橋を建設することで、移動に必要な時間はとてつもなく短縮されることになります。それまで山道のクネクネとした道でしかつながっていなかった場所にトンネルが通ることで、大幅な時間短縮を実現できることもあるでしょう。

インフラを次世代の経済成長を支えられるものにするために「進化」させなければなりません。この視点が抜けてしまうと、インフラへの支出は、単なるストックの維持だけに費やされかねません。インフラの老朽化による更新の必要性を、ある種の奇価とすべきかもしれません。

日本における公共事業関係費は平成10年をピークに大きく減少しております。
ともすれば「公共事業は悪」とみられ、それを縮小すべきだとみられてきました。これは「社会保障は何でも善いもの」とみられがちなのとは対照的です。

しかし、都市部においてもインフラが発展しなければ、その都市の発展を止めてしまうでしょう。そして、地方の特に田舎では少子高齢化と人口減少に苦しみ、衰退の中におかれている場所も多くあるはずです。

◆新しい視点を持って、移動時間を短縮する、交通革命実現を

これからのインフラ投資におけるキーワードは「時間」ではないでしょうか。

北陸に新幹線が開通したのも、これからリニアが建設されるのも、そこで生み出される大きな付加価値は「時間の短縮」です。それが次の経済成長の大きなエンジンになるでしょう。
もちろん大きな投資になります。しかし、これは「消費」や「浪費」ではありません。

幸福実現党は交通革命を起こすための100兆円のインフラ投資を政策に掲げていますが、この投資によって産業が起きたり、経済が成長するのなら、それは単なる借金ではなく「信用を創造するための投資」になります。これは、民間企業だけで十分にできるものではなく、国だからこそ、その実現を早めることができます。国の後押しがあれば、例えばリニアの建設が早まるのは明らかです。

国として、信用の創造に一役買うことができます。国家の経済を成長させる投資になるかどうかが問題です。だからこそ、政府は経済成長のために何が必要かを見極めることが大切です。どうか、有権者の皆様には、明確で夢のある未来ビジョンを持つ幸福実現党の政策に注目頂きたい次第です。

そが 周作

執筆者:そが 周作

政務調査会 都市計画・インフラ部会長・HS政経塾第2期卒塾生

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