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環境規制の不都合な真実

文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太

◆有名無実化の可能性が高い「パリ協定」

12日夜、世界196か国・地域が参加し、パリで開かれていた国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)が「パリ協定」を採択しました。

「パリ協定」とは、気温上昇の原因となるCO2を中心とした温室効果ガスの削減によって、地球の気温上昇を産業革命前の2度未満、できれば1.5度までに抑えるという全体目標を掲げ、各国の応分で排出削減の責務を担うという枠組みであります。

1997年に採択された京都議定書では、先進国のみが削減義務を負ったのに対し、今回は全締約国が自主目標を元に削減を図ることとなりました。

そのため日本が誇る高効率石炭火力発電、電気自動車関連の省エネ技術の輸出に期待が高まっています。

しかし一方で、2030年までに26%削減という日本の目標に対して、「排出量をすぐに激減させる技術革新は難しい」「環境規制の強化で負担も増え、業績にはマイナスになりかねない」という懸念も産業界から少なくないのが現実です。

また、この枠組み自体に正当性があると仮定して、大きな疑問が残るのは「本当に全ての国が目標を尊守するのだろうか」という点です。

この点、目標を達成できなかった場合、罰則を科すという規定には反発が強く、実効性のある具体的な規定についてはほとんど議論されておりません。

結局、世界最大の温室効果ガス排出国の中国を中心に、年数が経つにつれてうやむやとなっていき、この枠組み自体が有名無実化していく可能性が極めて大きいと言わざるを得ません。

◆「CO2増加=温暖化」は本当に正しいのか

更に踏み込んで述べると、COP21が掲げる気温抑制という目標と、温室効果ガスの削減という責務の間に、相関関係が本当にあるのかという点の検証が必要です。

日本のメディアにおいては、「世界全体で目標を達成しよう」というおめでたい論調が大半ですが、海外メディアにはこの枠組みに対する論調は多様性に富んでいます。

例えば、ウォール・ストリート・ジャーナルの社説では、「政治エリートの意見が一方に偏った時ほど警戒すべき」「気候変動が地球を危険に晒すという事自体を疑っている」「パリ協定の内容では世界はより困窮し、技術的な進歩も見込めない」としっかりとした価値判断を行っています。(12/14ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)

また、温暖化の研究自体が完璧には程遠く、実際に米共和党内部でも懐疑論が根強いのが実態です。

大気中のCO2増加と温暖化に相関関係がないと考える説としては、たとえばアメリカで2007年に発刊されベストセラーになった『地球温暖化は止まらない』があります。

地球は1500年周期で温暖化と寒冷化を繰り返しており、実際に温暖化自体は1850年から始まり、CO2が増え始めた1940年からの数十年は逆に寒冷化が進んだというデータがある点です。

つまり、近年の温暖化は人間が作り出した温室効果ガスのせいではなく、はるかに長いスパンで観た自然サイクルの一部である可能性があるわけです。

こうした確固たるデータから鑑みても、我々はこの温暖化という現象を、短期的な産業発展の副作用というよりも、生命体としての地球の活動といったより大きな視座から見ていく必要性があるのではないでしょうか。

◆これ以上の環境規制は「不況による不幸」と「各国のエゴ」を増長させる

これに対して、「確かに温暖化の原因はCO2増加以外にあるかもしれないが、不確実性があったとしても、将来に向けて『後悔しない政策』を選択すべきである(12/15朝日新聞)」というご指摘もあるかもしれません。

しかしながら、これ以上の環境規制がもたらすものは、残念ながら世界的不況による不幸の生産か、もしくは更なる自国勝手主義の横行といった極めて好ましくない不公平な未来です。

具体的には、こうした環境規制を健気に尊守すれば、不要な負担感によって経済成長を足止めさせられる一方、罰則が不明瞭な枠組みの中では自国の国益を最優先に考え、ルールを守らない国が続出するはずです。

おそらく日本は、この「温室効果ガスと気温上昇」という相関関係すら怪しい枠組みを、疑いもなく愚直に守ろうとするでありましょう。

まさに社会主義体制によく見られるような「正直者が馬鹿を見るような結末」が待っているように思えて仕方がありません。

◆真の環境問題解決は日本にしかできない

本来、国際社会において中心テーマとして問題にとりあげるべきは、中国のPM2・5に代表されるような、国際社会を巻き込んで多くの環境被害、健康被害を生み出すような公害問題ではないでしょうか。

この点、戦後の高度成長期、日本は大気や土壌の汚染、水質汚濁に伴う水俣病や四日市ぜんそくといった様々な公害問題に直面し、「このままではいけない」という危機感から日本企業の血の滲むような努力で技術を改良し、自ら解決していった歴史があります。

また、12日同日に合意された日印原子力協定に象徴されますが、公害対策としてはもちろん、百歩譲って「温暖化とCO2増加に相関関係がある」と考えたとしても、世界一の安全性と技術力を誇る日本の原発というクリーンエネルギーこそが、世界の環境問題に対する万能薬になり、「将来に向けて『後悔しない解決策』」になる事は間違いないはずです。

経験的にも、技術的にも日本はどの国にも負けない環境先進国です。

国際社会においても、他の国々に遠慮、追従するのではなく、リーダーシップを取って公害問題、エネルギー問題で苦しむ新興国を実質的に導いていく資格と権利が日本にはあるのです。

参考
『大川隆法政治講演集2009第2巻』――「CO2の濃度が増える前から、温暖化は始まっていた」
『幸福維新』――「不況を促進させるCO2排出削減は大幅な見直しを/CO2による地球温暖化は「仮説」にすぎない」
『地球温暖化は止まらない』シンガー,S.F.著/エイヴァリー,D.T.著/東洋経済新報社

しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

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