韓国の反日歴史闘争 慰安婦の次は「強制動員記録」
文/HS政経塾スタッフ 遠藤 明成
◆戦前の「強制動員記録」の記憶遺産登録を目指す韓国
韓国紙の聯合ニュース(日本語ネット版)では、13日付と15日付の記事で、「日本植民地時代の朝鮮人強制動員被害記録」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に申請しようとする動きを取り上げています。
13日付の記事では、「文化財庁の『2016年世界記憶遺産の登録申請対象記録物公募』に応募があった登録申請候補12件のうち、強制動員の被害記録物に関する資料は33万6797件に達する」と述べています。(「日本による強制動員被害」世界記憶遺産目指す=韓国)
そして、15日付では、記憶遺産推進を目指す運動本部が、「日本はアジア太平洋侵略戦争を反省するどころか、端島(軍艦島、長崎市)を世界遺産に登録するなど、歴史を歪曲している」と主張したと報じました。(朝鮮人強制動員記録の世界遺産登録 推進本部が発足=韓国)
記憶遺産の認定は2年ごとなので、この申請がユネスコに来年3月までに提出された場合、17年の6月から7月頃にその可否が決まります。
◆政治闘争の場となりつつあるユネスコ
これは、産業革命遺産の登録を巡って、日本が韓国に妥協したことに付け込んだ政治闘争ですが、 現在、ユネスコが歴史認識を巡る政治闘争の場になりつつあります。
これは今に始まったことではなく、冷戦時代にも「ユネスコがイデオロギー上の戦場と化した」ことがあったと言われています。(「ロシアNOW」2015年9月10日付)
「ソ連はこの機関が西寄りであると非難し、1954年まで参加しなかった」 「80年代には、ユネスコが西側諸国に批判的であるとして米国がユネスコから脱退した」 などと言われているのです。
本来は文化振興のためにあるはずの国際機関が政治闘争の場になってしまっているわけです。
◆訪日した朝鮮人労働者の大部分は「出稼ぎ」だった
韓国側は、戦時下に公権力によって朝鮮人労働者が日本に強制連行されたと主張しますが、歴史の実態はどうなのでしょうか。
これに関して、近現代史の研究家である西岡力氏は、日本に来た渡航者の8割は自発的に日本に来た出稼ぎ労働者であり、戦時動員が日本本土と朝鮮半島で行われただけだと指摘されています。(『日韓「歴史問題」の真実』第二章/西岡力(著) )
日本は朝鮮を差別しておらず、日本で国民徴用令(1939)にて労働者が集められていた頃、朝鮮では募集制で労働者が集められていました。
徴用が朝鮮半島で開始されたのは1944年からなので、むしろ、日本列島より遅かったわけです。
西岡氏は、前掲書にて、当時の朝鮮人労働者の統計では、1939年から42年までの4年間で約2万人が不正渡航者として朝鮮に送還されたと指摘しています。
日本列島から労働者を朝鮮半島に強制送還しながら、朝鮮半島で労働者を強制連行しているというのは、おかしな話です。
書類不備の朝鮮人労働者も多く、33年から37年の5年間では108万人が日本への渡航出願をし、そのうち65万人が不許可とされていました。
わざわざ不許可を出していたのが実態なのに、強制連行を大体的に行う必要があったとは考えにくいのです。
◆韓国に迎合せず、日本は歴史の真実を訴えるべき
朝鮮人労働者の多くは出稼ぎ労働者であり、朝鮮半島での戦時徴用は日本列島よりも遅れて実施されました。当時の朝鮮人は日本国民として本土の人々と同じように戦時労働に参加しただけなのです。
これは、当時、世界各国で普通に行われていた営みでしかありません。韓国の反日歴史闘争に対して、日本は歴史の真相を訴えて反論しなければなりません。